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医療問題(その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由) [生活]

医療問題については、本年3月17日に取上げた。今日は、(その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由)である。

先ずは、5月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した産業医・内科医の森勇磨氏による「【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/322217
・『人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。 しかし40歳を越えると、がん、糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。国立がん研究センターによれば、40~49歳のがん患者数は、30~39歳と比べると3倍以上です(2018年)。もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、がん患者数はどんどん増えていきます。 本連載は、毎日の食事から、大病を患ったあとのリハビリまで、病気の「予防」「早期発見」「再発予防」を学ぶものです。著者は、産業医×内科医の森勇磨氏。「予防医学ch/医師監修」の管理人でもあり、動画は「わかりやすい説明で参考になる」「怖いけど面白い」と評判で、チャンネル登録者は27万人を超えています。初の単著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を出版し、感染症医・神戸大学教授の岩田健太郎氏が「安心して読める健康の教科書」と推薦文を寄せています』、興味深そうだ。
・『前立腺がんの意外な話  前立腺がんは日本で急増しており、男性のがんの罹患者数1位です。今後も増えていくことが予想されています。前立腺がんの主な症状は次のとおりです。 ・前立腺がんが膀胱(ぼうこう)や尿道を刺激してしまい「頻尿」になる ・おしっこの通り道である「尿道」をふさいでしまい、おしっこが出なくなる ・背骨の「腰椎(ようつい)」という場所に転移しやすく、転移が起こると強烈な腰の痛みを感じる 高齢の男性にとても多い病気である「前立腺肥大」と「前立腺がん」は症状だけでは区別できません。症状があっても「年のせい?」と様子を見てしまう人も多いです。 前立腺がんが急増している原因としては、食生活の欧米化もありますが、最も関連があるのが「PSA検査の普及」です』、「前立腺がんが急増している原因としては・・・最も関連があるのが「PSA検査の普及」です」、「PSA検査の普及」で「前立腺がんが急増」、とはどういうことだろう。
・『PSA検査とは?  PSAとは前立腺で分泌されるタンパク質のことです。前立腺にがんができると、このPSAの数値が上昇するため、早期発見のスクリーニングとして測定されます。 このPSA検査が1990年代に急速に普及し、前立腺がんの診断数が急激に増加しました。つまり前立腺がんに「なる」数が増えたというより、「発見される」数が増えたというわけです。 一見よいことのように思えますが、そう単純ではありません。まず大前提として、アメリカ予防医学専門委員会は「PSA検査はメリット・デメリットを知ったうえで、個人の選択に委ねる」というはっきりしない姿勢をとっています(※1) 日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています(※2)。しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっているのです。PSA検査についてのエビデンスは、まだ決着がついていません。 41万人の男性を対象に行われたイギリスの研究(※3)や「PLCO試験」(※4)という研究ではPSA検査の有効性は証明できませんでした。 一方、「ERSPC試験」(※5)という18万人を対象としたヨーロッパの研究データでは、死亡率を下げたという結果も出ています。PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?』、「日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています・・・しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっている」、「PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?」、なるほど。
・『がんを見つけないほうがよかった?  1つには、前立腺がんの「進行の遅さ」が関係しているといわれています。前立腺がんは早期の段階だと、手術などの治療をせず、PSAの数値を観察し続け、定期的に組織を採取するという選択肢があります(PSA監視療法)。 進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです。進行が遅いがゆえに、死ぬまで悪さをせずだらだら体で過ごすパターンもあります。 こうした「死因とは関係ないが解剖してみたらたまたま見つかったがん」のことを「ラテントがん」と呼びます。遺体の解剖をしたら80歳以上の遺体のなんと約60%にラテントがんが存在したという報告もあります(※6)。 となると「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません』、「進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです」、「「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません」、なかなか難しいところだ。
・『PSA値はがん以外でも上がる  またPSA値はがんだけでなく、「前立腺肥大」や「炎症」でも上がることがあります。精密検査をしても前立腺がんではなかった、という「空振り=偽陽性」のケースが比較的多いことも問題視されています。 現段階では明確に「PSA検査が有益だ」という決着がついていません。ただし、比較的最近導入された検査なので、今を後長期的な研究で効果が証明される可能性はあります。 またアメリカ予防医学専門委員会からは「PSA検査が少なくなってから、がんが転移してから見つかるケースが増えた」というネガティブな報告もあります。こういった事情からも日本泌尿器科学会は「PSA検査」を推奨しているのです。 現段階でのPSA検査の結論としては、次のようになります。 ①前立腺がんを「発見」するには確実に役に立つ検査 ②ただし寿命を延ばす影響があるかどうかは確定的な根拠はない ③比較的新しい検査なので、今後の研究で判断が変わるかも』、私も「PSA検査」で高目の数字が出て、「前立腺」に針を刺して組織を取り、これを培養して検査する生検を2回も受けたが、がん細胞は発見できなかった。なお、私の家系では「前立腺がん」で死亡した人はいない筈だ。
・『PSA検査を受けるべき人は?  PSA検査は「過渡期」の段階にあり、議論にはっきり決着がつくのはもう少し先になりそうです。現時点では、「メリットとデメリットを並べて比較して、自分で決める」しかありません。 例えば、「前立腺がんの家系なのでリスクが高いから、定期的に確認しておきたい!」という人はPSA検査を受けるほうがいいでしょう。一方で、「がんが見つかったら絶対に心を病んでしまう。有効性が証明されていないのも不安」という人は検査を受けないほうがいいかもしれません。 個人的には、家系に前立腺がんの人がいる場合は、がんのリスクが上がるのでPSAで確認したほうがいいと考えます。 今後もし「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています。(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)』、「「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています」、私も検査を信頼して受けられる日が来てほしいと思う。

次に、5月27日付けAERAdot「「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難」を紹介しよう。なお、これは医療で取上げたが、教育の方が適切だったかも知れない。
https://dot.asahi.com/dot/2023052600027.html?page=1
・『さまざまな領域で特別な才能を有する「ギフテッド」と呼ばれる若者たち。だがその能力の高さゆえに、周囲からねたまれたり、いじめにあったり、無視されたりするなど、生きづらい人生を送ることも多い。フォトグラファーの立花奈央子さん(40)もそんなギフテッドのひとりで、かつてつらい体験をしたという。彼女はどのような学生時代を過ごし、フォトグラファーとして活躍できるようになったのか。その軌跡を紹介する。<阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再編集>』、「ギフテッド」とは興味深そうだ。
・『「やっと光をあててくれた」  金髪の女性が歩いてきた。青い蛍光色のスタジャンを羽織り、スーツケースを引いている。「こんにちは」。明るい声で呼びかけられた。待ち合わせた人だと気づくのが遅れた私に、立花奈央子さん(40)は陽気に笑いかけてきた。 東京・新宿で写真スタジオを営むフォトグラファー。20代後半から、女装する男性を美しく撮ることをライフワークとし、これまで数々の写真展を開いたり、タレントのマネジメントをしたりしてきたという。他にもアイドルプロデュース、SNSブランディングなど、多彩な仕事を手がけている。 私が立花さんを知ったのは2022年春。立花さんが投稿サイト「nоte」に、「ADD(注意欠陥障害)を疑って調べたら、高IQ(ギフテッド)だった話」という文章を載せていたのを読んだ。「ギフテッド」とオープンにしている人は珍しい。インタビューを申し込んだ。 立花さんは「やっと光をあててくれて嬉しい」と言ってくれた。インタビューは2時間を超えた。生い立ちから、家族のこと、社会人になり心を病んだことなど、立花さんは質問の意図を的確に理解し、少々早い口調で、ざっくばらんに話してくれた』、「高IQ」とは凡人には羨ましいが、「社会人になり心を病んだこと」まで悩むことまであるとは再認識した。
・『一度読めばわかる教科書  立花さんは1982年、千葉市で生まれた。千葉市といっても沿岸の都市部ではなく、内陸部の田畑や牧場に囲まれた農村地帯。父は工務店を営み、母が店を手伝った。4人きょうだいの長女で、自宅には父の見習いの青年も住み込みで働いていた。幼児のころから読書とお絵かきが大好きな子どもだったという。) ただ、親や周りの評価は「変わった子」。目に入るものすべてに興味を示すからだ。例えば、活字を読んでいないと落ち着かず、ごはんを食べながら、食品のパッケージに書かれた栄養成分表示や、新聞を隅から隅まで読んでいたという。「全部目に入れてましたね。情報を吸収していないと気が済まない子でした」と立花さん。 小学校は、当時はまだ1クラス40人の大人数学級。立花さんは、授業は毎日、とても退屈に感じていたという。教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」。 授業中は、プリントの裏に落書きをして時間をつぶしていたという。鉛筆回しもよくやった。先生からは「態度が悪い」「もっと授業をちゃんと聞きなさい」と叱られたことを覚えている。学年が上がるごとに、退屈な授業や学校生活を、苦痛に感じるようになっていった。 勉強はしなくても、テストはいつも満点をとった。通知表は、体育以外はすべて「◎」。その代わり、同級生とは話が合わなかった。勉強していないのにできるからだろうか、いつの間にか嫌われていたという。 「無視されたり、工作でつくった作品を隠されたりしましたね。遠足の班分けは、いつも自分だけ最後まで残っていました。だんだん、自分が悪いことをしているからいじめられるのだと思うようになっていきました」 ただ、両親は学校に行くのは当たり前だという考えだったため、理由がなければ学校は休めない。「おなかが痛い」「頭が痛い」と言って学校を休むようになった。 中学ではさらに孤立した。同級生が話すアイドルや恋愛話にはまったく興味が湧かなかった。友達がいないと学校生活はつらいことばかりで、無理に話を合わせることもあった。だが、一人で「石に意識はあるのか」というテーマで漫画を描いたり、宇宙や時間についての専門書を読みふけったりすることのほうが楽しかったという。学校に行くよりも、母が買ってくれたパソコンで自身のサイトを立ち上げたり、当時はまっていた漫画「封神演義」のファンの集まりに行ったりするほうがよっぽど楽しかった。 小中学校ではどんな子どもでしたか。私が聞くと、立花さんはしばらく考えた。「みんなの『わからないこと』がわからず、浮いた存在でしたね。自分を否定されたくないからなんとか話を合わせようとはしていました。でも、心の中ではずっと生きづらさを抱えていました」) そんな息苦しさから解放されたいと、高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ』、「教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」、「高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ」、高校の先生がもっと丁寧に進路指導をしていたら、よかったのだろうが、先生にも「ギフテッド」への理解がないなかでは、まともな指導は出来なかったのかも知れない。
・『心を削り続けた職場  最終学歴が中学の父は根っからの職人気質。また、4人きょうだいで、家計の苦しさから、父は娘を大学へ行かせようとは思っていなかったそうだ。「公務員になれ。自衛隊でもいい」。そんなことを父から言われていた立花さんは、言われるがまま高校3年で就職活動をし、東京都内の区役所に採用された。「自分のやりたいことよりも、相手が求めているものに合わせるような人間になっていました。自分が何をしたいのかは考えなくなっていた」という。 当時を、「泥の中にいるような感覚だった」と表現する立花さん。「他人とうまくいかないのは自分が悪いからだと思っていたんですよね。だから、いつのまにか自分のことを過小評価する人間になっていた」とも言った。 就職して一人暮らしを始めても、自分の居場所は見つけられなかった。 若手職員として、区のスポーツのイベント企画や高齢者福祉などを担当した。「公務員にあるべき服装を無理して考え、地味なスーツやブラウスを嫌々着ていましたよ」と笑う。 選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた。自分の好きなことをしても否定され、周りの視線や雰囲気に合わせ仕事をする日々が繰り返された。 1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した。「公務員としてこうあるべきという枠にきちっと入らなければと思えば思うほど、自分の心を削っていっていたのだと思います」。(年齢は2023年3月時点のものです)』、「選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた」、「1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した」、やはり「職場」でも孤立していたのだろう。

第三に、この続きを、5月27日付けAERAdot「知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023052600028.html?page=1
・『知能が高さゆえに周りから浮いてしまうことも多い「ギフテッド」。【前編】では、何事もできすぎるあまり小中学校ではいじめられ、勉強が嫌いになっていった立花奈央子さん(40)が社会人になるまでを紹介した。高卒で公務員になった立花さんは、いつしか精神を病み「うつ病」になっていた。そこで彼女が取った選択は、自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入ることだった。<阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再編集> 【前編】<「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難>より続く』、「自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入る」、何故そう考えたのだろう。
・『自ら望んで閉鎖病棟に3カ月間  躁状態の時は、ストレス解消や現実逃避のため、デパートで好きな服を大量に買った。しかし、家に帰ると、いつのまにか買い物をした記憶がなくなっている。 一方、気持ちが沈んでいる時は、「死にたい。トラックが突っ込んできてほしい」と願う。精神科に行った。「うつ病」「解離性遁走」と診断された。突然どこか遠くへ行ってしまい、気がつくと自分がなぜそこにいるのかわからないことが続いた。しまいには知らない場所で警察に保護されていた。 「このままではだめになる。徹底的に治さなければ」と、精神科病院の閉鎖病棟に自ら望んで入った。約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた。) まず、区役所をやめた。自分を偽り、親が望む人間になろうという思いも捨て、退院後に身を寄せていた実家も出た。渋谷駅のハチ公前で、ストリートアートをしていた人たちに話しかけた。自分も一緒に描いたり、路上ミュージシャンと友達になったり。どんどん周りに自分の好きな人たちが増えていった。すると、ライターや撮影、ヘアメイクなどの仕事がフリーでできるようになっていった』、「約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた」、「入院期間」は、これまでの偽りの自分を見直す、いいきっかけになったようだ。
・『ようやく解けた「本当の私」  実家の父から久しぶりに電話がかかってきたのは、2019年。36歳になっていた。1歳下の弟が、知能検査を受け、発達障害だと診断されたとのことだった。立花さん自身も、自分が発達障害やADD(注意欠陥障害)かもしれないと思っていたため、一度検査を受けてみることにした。 「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった。また、同検査の四つの指標のうち、ことばの理解力や推理力、思考力を示す「言語理解」はIQ130、目で見た情報から形を把握し推理する「知覚推理」はIQ128、情報を一時的に記憶する力の「ワーキングメモリー」がIQ131、作業の速度を測る「処理速度」がIQ130と、指標のすべてが平均を超える高い数値となっていた。 驚いた。臨床心理士からは「発達障害の可能性はほぼない。単に、知能が世の中の人より高いだけの健常者ですね」と言われた。立花さんはそれまで、自分の生きづらさは発達障害のせいだ、となんとなく思っていたが、それは間違っていたことがはっきりした。この時、初めて自分の特性が何なのかを知りたい、と思った。 結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした。 普通と違う私。他人に合わせ、ずっと生きづらさを抱えてきた私。子どものころから、本当の自分は何なのかと思ってきた疑問が、ようやく解けた気がした。「パズルのピースがはまるような感覚だった」という。 立花さんは言う。「私は、自分のことを『天才』とは思いません。ただIQが高いという個性があるのだということがわかりました。そのせいで、これまで息苦しさや孤独を抱えていたのだと理解できて本当に良かったです」。 そしてこう思った。きっと、同じような仲間がいるのではないか。自分の特性を理解してくれたり共感してくれたりする仲間ともっと話がしたい、と。もし、子どもの時から知っていたら? 「MENSA」という国際組織を知人が教えてくれた。IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した。 MENSAは、1946年にイギリスで創設された国際組織だ。世界100カ国以上に13万人以上の会員がいるとされる。日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった。「もっと早くに知能検査を受けておけばよかったという後悔はないか」と聞くと、立花さんは「後悔はない」とはっきり言った。過去のつらい時期があったからこそ、充実した今があると思っているから、と。 ただ、どうしても考えてしまうことは、あるという。「もし、子どものころに自分の特性を知り、それを理解した教育や子育てをしてもらっていたら、あんなつらい経験をせず、もっと様々なことを学べたのではないか」と。いま後悔していないと言えるのは、浮きこぼれていてもはい上がることができたからではないか。自分と同じように生きづらさを抱えたまま悩んでいる人が、今もきっといるはずだ』、「2019年。36歳になっていた・・・「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった」、「結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした」、「「MENSA」という国際組織・・・IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した・・・日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった」、ずいぶん「たくさんの回り道」をしたものだ。
・『ゴールデン街の会員制バーで  そんな思いを強くした立花さんが始めたのが、「サロン・ド・ギフテッド」だ。19年ごろから週1回、フォトグラファーの仕事のかたわら、東京・歌舞伎町の新宿ゴールデン街にあるバーで開いている。 22年12月中旬、私はそのバーを訪れた。毎週火曜日、オーナーから店を間借りした立花さんが、カウンターに立っている。 重い木製のドアを開けると、立花さんの「いらっしゃーい」という明るい声が聞こえてきた。カウンター席が6席だけのこぢんまりとした店。すでに5人の先客が、立花さんが出すビールやハイボールを飲みながら、会話を楽しんでいた。 サロンは、IQ130以上の条件がある会員制。特別に参加させてもらった私の隣に座っていたのは、この日初めて来たという東京大学に通う女性だった。理路整然とした話しっぷり。ただ子どものころは学校になじめず「つらかった」と吐露した。「だって、先生は私のこと全然理解してくれなかったから」と女性。今はギフテッドの子どもやその保護者を支援する団体に入って活動をしているという。 IQが150ありながら、会社の上司とコミュニケーションがうまくとれず退職したという男性もいた。話すスピードが速すぎて変人と思われないかという不安があり、自分のことを知らない人とは話をするのが怖くなったという。他にも、地下アイドルを「推す」中年男性や、マクドナルドで働く母親など、個性豊かな人たちが胸の内を語り合っていた。 立花さん自身にとっても、他人は他人、自分は自分と実感できる場所だという』、「サロンは、IQ130以上の条件がある会員制」、前述の「MENSA」という国際組織・・・日本支部には約4700人の会員」、高度な「IQ」を持ちながら、生きづらさを抱えた人がかなり多いようだ。「サロン」や「MENSA」に属してないで、苦しんでいる人々も多いのだろうが、これは有為な人材を埋もれさせた状態で、もったいない限りだ。もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか。
・『「ほっといてほしい」  さて、立花さんのトークを収録した朝日新聞ポッドキャストは、22年12月上旬に配信された。「同級生と話が合わない」「なじめたことは一度もない」「授業はクソつまらない」。そんな立花さんの率直な語りぶりが、多くのリスナーの好評を得た。 収録の終盤、司会者が立花さんに「自分の経験を踏まえ、どんな世の中になればいいと思うか」と聞いた。 「ほっといてほしいですね」 即答だった。立花さんが生きやすさを感じたタイミングは、高校生になって行動範囲が広がったり、社会人になって使えるお金が増えたりするなど、自分で選択できることが増えた時だったという。 「子どものころは大人の見守りは当然必要だと思いますけど、普通と違うからと枠にはめようとしたり、周りの子どもと比較したりするのは、やめてほしいですね。ましてや、ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」 立花さんのそんな言葉が、多くの人に届くといいと思った。(年齢は2023年3月時点のものです)』、「ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」、私の「もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか」、は「大きなお世話」かも知れないが、現状よりはましなのではないだろうか。
タグ:「高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ」、高校の先生がもっと丁寧 「教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」、 「高IQ」とは凡人には羨ましいが、「社会人になり心を病んだこと」まで悩むことまであるとは再認識した。 (その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由) 医療問題 「ギフテッド」とは興味深そうだ。 阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版) AERAdot「「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難」 「「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています」、私も検査を信頼して受けられる日が来てほしいと思う。 私も「PSA検査」で高目の数字が出て、「前立腺」に針を刺して組織を取り、これを培養して検査する生検を2回も受けたが、がん細胞は発見できなかった。なお、私の家系では「前立腺がん」で死亡した人はいない筈だ。 「進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです」、「「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません」、なかなか難しいところだ。 「日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています・・・しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっている」、「PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?」、なるほど。 「前立腺がんが急増している原因としては・・・最も関連があるのが「PSA検査の普及」です」、「PSA検査の普及」で「前立腺がんが急増」、とはどういうことだろう。 『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』 森勇磨氏による「【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」」 ダイヤモンド・オンライン 「選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた」、「1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した」、やはり「職場」でも孤立していたのだろう。 AERAdot「知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由」 「自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入る」、何故そう考えたのだろう。 「入院期間」は、これまでの偽りの自分を見直す、いいきっかけになったようだ。 「約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の 気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた」、 「2019年。36歳になっていた・・・「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった」、「結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。 「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした」、「「MENSA」という国際組織・・・IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した・・・日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった」、ずいぶん「たくさんの回り道」をしたものだ。 「サロンは、IQ130以上の条件がある会員制」、前述の「MENSA」という国際組織・・・日本支部には約4700人の会員」、高度な「IQ」を持ちながら、生きづらさを抱えた人がかなり多いようだ。「サロン」や「MENSA」に属してないで、苦しんでいる人々も多いのだろうが、これは有為な人材を埋もれさせた状態で、もったいない限りだ。もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか。 「ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」、私の「もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか」、は「大きなお世話」かも知れないが、現状よりはましなのではないだろうか。
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