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金融業界(その18)(「アップル預金」年利4.15%の衝撃 日本でのサービス開始に待望の声も 立ちはだかる意外な障壁、金融界で囁かれる「トヨタ銀行創設」の現実味 名古屋市長選に意欲の大塚耕平議員が過去に発言、SBI新生銀 TOBでも簡単ではない公的資金返済 少数株主との平等性を保ちつつ返済は可能か、三菱UFJ みずほFG 三井住友銀行の「出戻り社員」対策が想像以上においしいワケ) [金融]

金融業界については、本年4月22日に取上げた。今日は、(その18)(「アップル預金」年利4.15%の衝撃 日本でのサービス開始に待望の声も 立ちはだかる意外な障壁、金融界で囁かれる「トヨタ銀行創設」の現実味 名古屋市長選に意欲の大塚耕平議員が過去に発言、SBI新生銀 TOBでも簡単ではない公的資金返済 少数株主との平等性を保ちつつ返済は可能か、三菱UFJ みずほFG 三井住友銀行の「出戻り社員」対策が想像以上においしいワケ)である。

先ずは、本年4月24日付けデイリー新潮「「アップル預金」年利4.15%の衝撃 日本でのサービス開始に待望の声も、立ちはだかる意外な障壁」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/04241102/?all=1
・『米IT大手のアップルが「金利4.15%」の預金サービスに乗り出したことが話題になっている。“雀の涙”以下の預金金利に慣れきった日本人にとっては夢のような話のため「上陸」を待ち望む声も多いが、コトはそう簡単でないという。 4月17日から始まったアップルの新しい預金サービスは、同社のクレジットカード「アップルカード」の利用者を対象としたものだ。提携する米ゴールドマン・サックスの普通預金口座を利用し、Walletアプリで開設可能。またアカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料でできるという。 「金利4.15%は、米連邦預金保険公社(FDIC)に加盟する金融機関の平均預金金利0.37%の10倍以上、日本のメガバンクの普通預金金利0.001%と比べると4000倍以上になります。口座維持手数料や最低預金額などの条件はない一方で、残高の上限はFDIC保護対象の25万ドル。新サービスの前提となるアップルカードは米国在住者向けサービスのため、日本のiPhoneユーザーらは利用できません」(米在住ジャーナリスト) アップルが2月に発表した決算(2022年10~12月期)では、中国でのコロナ感染再拡大を受けたiPhone減産などによって、19年以来となる減収減益を記録。そのためモバイル決済部門の伸長が経営課題に浮上していたという。 ITジャーナリストの三上洋氏の話。「アメリカの地方銀行やネットバンキングでは年利3~4%の預金金利はそれほど珍しくなく、また“アップル預金”の金利は4月の米FRB政策金利5%を下回るものです。それでも新サービスが与えるインパクトは大きく、金利面の魅力だけでなく、既存のiPhoneユーザーの利便性向上に直結することから、顧客の囲い込み効果は非常に大きいと見られています」』、「同社のクレジットカード「アップルカード」の利用者を対象としたものだ。提携する米ゴールドマン・サックスの普通預金口座を利用し、Walletアプリで開設可能。またアカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料でできる」、「新サービスの前提となるアップルカードは米国在住者向けサービスのため、日本のiPhoneユーザーらは利用できません」、「「アメリカの地方銀行やネットバンキングでは年利3~4%の預金金利はそれほど珍しくなく、また“アップル預金”の金利は4月の米FRB政策金利5%を下回るものです」、なるほど。
・『「アップル内ですべて完結」  三上氏が続ける。 「もともとアップルは、iPhoneならOSから端末、アプリなどのコンテンツまで“アップル内ですべて完結させる”との企業理念のもと事業を展開してきました。そんななか、iPhoneに唯一欠けていたのが銀行機能だった。電子決済ではアップルカードのほか、iPhoneの支払い機能もありますが、これまで支払い口座は別の銀行でした。新サービスの開始によって“アップル内ですべてお金が回る”仕組みが完成したことになります」 アップルの具体的な狙いについては、 「クレジットカード事情が日米では異なっており、アメリカでは“ミニマムペイメント”と呼ばれる、日本でいう“リボルビング払い”が主流でアップルカードも同様です。またアップルは『Apple Pay Later』というApple Payでの後払いサービスも先行して始めていました。いずれも手堅い手数料収入が見込め、利用者がカードを使うほどアップルの収益に繋がる仕組みとなっています」(三上氏) 顧客の囲い込みだけでなく、収益向上にも資する“一石二鳥”のサービスだという』、「新サービスの開始によって“アップル内ですべてお金が回る”仕組みが完成したことになります」、「顧客の囲い込みだけでなく、収益向上にも資する“一石二鳥”のサービスだという」、なるほど。
・『「日本上陸」が簡単でない理由  他国と比べてiPhone(OS)シェア率の高い日本はアップルにとっても重要市場とされ、今後「アップル預金」が日本に上陸する可能性も指摘されている。 しかし話はそう簡単ではないとの声も。 「携帯キャリアでいえば、日本でもauのじぶん銀行やソフトバンク系のpaypay銀行などがありますが、いずれも普通預金金利は0.001%と、金利だけを単純比較すれば日本勢はとても太刀打ちできない。しかしアップルが同様のサービスを日本で展開するには越えなければならないハードルが幾つかあり、その一つが日本の場合、大手キャリアがiPhoneの販売代理店も兼ねている点です。アップル側も本気で“潰し合い”になるようなサービス展開は避けると見られ、仮に日本で預金サービスを開始するとしても、大手キャリアとの“棲み分け”を模索する可能性が指摘されています」(ITジャーナリストの井上トシユキ氏) 経済評論家の荻原博子氏もこう言う。「アップルの新サービスが日本で話題になっているのは、それだけ日本の銀行の預金金利が低すぎることの裏返しです。長く続いたゼロ金利政策で、お金を預け入れるメリットがない状況に慣れきった日本人からすれば、“上陸”を待望する声が上がるのも当然。ただしアップルが日本の銀行と提携するなどして預金サービスを日本で始めるとなっても、為替リスクや資金の調達・運用面での課題から、アメリカと同程度の金利はとても望めないでしょう」 「異国の夢物語」と考えたほうがいいのかも』、「大手キャリアがiPhoneの販売代理店も兼ねている点です。アップル側も本気で“潰し合い”になるようなサービス展開は避けると見られ、仮に日本で預金サービスを開始するとしても、大手キャリアとの“棲み分け”を模索する可能性が指摘」、「アップルが日本の銀行と提携するなどして預金サービスを日本で始めるとなっても、為替リスクや資金の調達・運用面での課題から、アメリカと同程度の金利はとても望めないでしょう」、やはり「異国の夢物語」なのだろう。

次に、5月13日付け日刊ゲンダイが掲載した金融ジャーナリストの小林佳樹氏による「金融界で囁かれる「トヨタ銀行創設」の現実味 名古屋市長選に意欲の大塚耕平議員が過去に発言」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/322866
・『参議院の愛知選挙区選出の大塚耕平議員(63)が次の名古屋市長選に立候補する意向を表明した。大塚議員は1959年、名古屋市生まれ。旭丘高校、早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本銀行の職員を経て、2001年の参院選に当時の民主党から立候補し初当選した。 民主党政権時代は、内閣府の副大臣や厚生労働副大臣を歴任。民主党から民進党に変わった後の17年、総選挙の際に衆院議員が「希望の党」と「立憲民主党」に分かれて党を出ていく中で、民進党の代表に就いた。現在4期目で、国民民主党の代表代行と政調会長を務めている。学生時代や日銀時代はバレーボール部所属で、スキューバダイビングのインストラクターという一面もある。 大塚議員は出馬の動機について、「経済界や地元議員らから出馬の要請があり、統一地方選直後に市長選への立候補の意思を固めた」と語り、「日本全体が非常にさまざまな課題を抱えて低迷しているという実感を私は持っていますので、そういう中で名古屋というのは非常に重要な位置づけにあると思っています。国政の課題は十分理解しているつもりでありますし、貢献できる潜在的なスキルを持っていると思いますので」と抱負を語った。名古屋市長選挙は25年4月に行われる予定だ。) 市長選は2年後だが、早くも大塚氏が名古屋市長になれば動き出すのではないかと金融界で囁かれている構想がある。名古屋市に本店を置く大手銀行の創設だ。大塚氏は「名古屋の経済規模にふさわしい大手銀行が必要」と語ったことがあるためだ。 名古屋にはかつて東海銀行という都銀があったが、幾度かの再編を経て三菱UFJ銀行となっている。名古屋を本店とする都銀は今はなく、第二地銀以下の中小金融機関の牙城となっている。このため東海銀行以上の規模の大手銀行を創設すべきというのが大塚氏の主張だった。 その有力候補とみられているのがトヨタ自動車だ。トヨタの財務基盤はメガバンクをしのぐ。金融界では大塚氏が名古屋市長になれば、「トヨタ銀行の創設も絵空事ではなくなる」との声が漏れ始めた』、「名古屋市長選挙」では、2009年に民主党推薦の河村たかし氏が当選、その後は減税日本推薦として、民主党や自民党・公明党が推薦する候補を破って勝ち続けている。大塚氏はさわやかな印象で、十二分に河村氏に対抗し得る。推薦母体は未定だが、国民民主党、立憲民主党、自民党・公明党などが推薦すると思われる。「「トヨタ銀行の創設も絵空事ではなくなる」との声が漏れ始めた」、「トヨタ」はいまさら銀行経営などに興味を示す筈はないとみるべきだろう。

第三に、5月26日付け東洋経済オンライン「SBI新生銀、TOBでも簡単ではない公的資金返済 少数株主との平等性を保ちつつ返済は可能か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/674481
・『4半世紀にわたって未解決だった公的資金の返済はすんなりと進むのか。 SBIホールディングス(以下、SBI)は5月12日、50.04%の株式を保有するSBI新生銀行をTOB(株式公開買い付け)によって非公開化すると発表した。子会社であるSBI地銀ホールディングスを通し、政府系株主である預金保険機構と整理回収機構が保有する22.98%を除くすべての株式を買い取る。TOB価格は1株当たり2800円で、総額は約1542億円になる。 5月15日に始まったTOBの期限は6月23日。東証スタンダード市場に上場しているSBI新生銀は、TOB後上場廃止になる。TOBに応じなかった少数株主に対しては、同じく2800円で強制的に株式を買い取るスクイーズアウト(締め出し)を行うことから、SBI新生銀の株主はSBIと政府系株主のみになる。 今回のスクイーズアウトでは、株式併合で株式の単位を切り下げ、少数株主の保有株を1株未満とすることで強制的に買い上げる手法をとる。株式併合には臨時株主総会で3分の2の賛成が必要だが、SBIと政府系株主を合わせて考えれば、議決権を7割超保有している。このためTOBに応じる株主がゼロでもスクイーズアウトは必ず成功するという仕組みだ』、「北尾社長」らしい実に巧妙なやり方だ。
・『SBI北尾社長の狙い  2019年以来、SBIは新生銀をグループに引き入れるために心血を注ぎ、銀行業界初ともいわれた敵対的TOBを2021年に成功させた。SBIの北尾吉孝社長は側近である川島克哉氏をSBI新生銀の社長として送り込むなどしてきた。 同行がSBI傘下に入ったことによるシナジーは徐々に発揮されつつある。法人向けビジネスでの連携などの施策が寄与。2022年度はSBI新生銀の純利益を50億円押し上げた。 SBIは上場廃止によって、より積極的なシナジーを狙った施策が可能になると主張する。一時的なコスト増になる先行投資など中長期的な取り組みについても、意思決定を迅速に行えるようになるという。北尾社長はこの日の会見で「少数株主がいなくて(株主が)われわれと政府系だけになれば、経営の自由度が高まっていくから、それだったらいろいろやり方があるんじゃないか」と狙いを語った。) SBI新生銀にとって、かねて懸案だったのは前身の旧日本長期信用銀行が破綻した1998年に国から注入された公的資金の返済だ。現在、未回収の額は約3500億円。その返済は進むのだろうか。 公的資金の返済には、これまでも難しい壁が立ちはだかっていた。返済すべき公的資金の裏付けとなっているのは、政府系株主が保有する22.98%(約4900万株)の株式。政府系株主が保有分を売却すればその分が「回収額」となる。 ところが、新生銀の株価は2000円近辺で推移しており、政府系株主の持分では1000億円程度の価値しかない。3500億円を回収するためには単純計算で株価が3倍超に上がる必要があり、7000円を超える水準にならないといけない。このことが足かせになり、政府系株主は新生銀の株式をいつまでも手放せない袋小路に陥っていた』、「新生銀の株価は2000円近辺で推移しており、政府系株主の持分では1000億円程度の価値しかない。3500億円を回収するためには単純計算で株価が3倍超に上がる必要があり、7000円を超える水準にならないといけない」、「このことが足かせになり、政府系株主は新生銀の株式をいつまでも手放せない袋小路に陥っていた」、打開しようとするのが今回の動きだ。
・『少数株主との不平等  逆に言えばSBI新生銀の株式は、将来の返済に伴って「7000円」を超える価値になりうる株式だ。今回のTOBは、その株を「2800円」で買うということになる。少数株主から見れば、不平等ともとられかねない。 非公開化すれば、市場での株価はつかなくなり、政府系株主が持つ株式の価値は明確には見えなくなる。しかし、不平等になる懸念を考慮すれば、政府系株主が持つ4900万株に要回収額である3500億円をすぐさま払うわけにもいかないだろう。 SBIはこの問題をどう考えているのか。TOB開始を知らせる公表文によると、「持株比率に応じた配当を行う方法等により公的資金の返済を行う」としている。要するに、今は2800円が適切であるSBI新生銀の企業価値を、時間をかけて向上させ、配当の形で返済していくということだ。) ところが、ここにひとつの問題が立ちふさがる。TOBに際して、SBIと政府系株主、そしてSBI新生銀との間で交わされた「公的資金の取扱いに関する契約書」だ。 契約書では、回収すべき公的資金の額を3493億円と確認。そのうえでSBI新生銀は「可能な限り早期に要回収額を返済するよう努める」としている。ただ、具体的な方法については2025年6月末までに政府系株主と具体的仕組みについて合意するとした』、「具体的な方法については2025年6月末までに政府系株主と具体的仕組みについて合意するとした」、なるほど。
・『「可能な限り早期」どのように  「可能な限り早期」の具体的な時期は不明だ。配当により返済するにしろ、SBI新生銀の直近2023年3月期の純利益は427億円。政府系株主に回せる配当金は数十億円程度とみられる。これでは、全てを返済するのに20年以上かかってしまい、到底「可能な限り早期」とは言えない。 実際SBIは、SBI新生銀が設置したTOBの是非を諮る特別委員会に対し、配当が公的資金の残額に達するには「相応の期間」がかかることを説明したという。結局、公的資金返済の期間が明確にならないことから、SBI新生銀の社外取締役の1人はTOB賛同決議に反対した。 「可能な限り早期」と「相応の期間」。この2つの期間の矛盾を解決しない限り、公的資金の返済は実現しない。2025年6月末という期限について、北尾社長は「返し方の道筋について合意するということであって、いついつまでに返すという話ではない」と予防線を張った。 TOB発表の翌5月15日のSBI新生銀の終値は2806円と、TOB価格の2800円を上回った。予定通りTOBが行われればこの価格で購入した株主は損をすることになる。投資家がこうした事情を見て、TOBまでにはまだ一波乱があると踏んだ可能性もある。SBIとSBI新生銀、そして政府系株主を巡る問題はまだ一筋縄ではいかないようだ』、「「可能な限り早期」と「相応の期間」。この2つの期間の矛盾を解決しない限り、公的資金の返済は実現しない。2025年6月末という期限について、北尾社長は「返し方の道筋について合意するということであって、いついつまでに返すという話ではない」と予防線を張った」、今後の展開が要注目だ。

第四に、5月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「三菱UFJ、みずほFG、三井住友銀行の「出戻り社員」対策が想像以上においしいワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/323454
・『メガバンク3行(三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ〈FG〉、三井住友銀行)が、退職者交流サイトの立ち上げと出戻り社員の採用に踏み切りました。ついに「中途退職者=裏切り者」の意識を変えようとしているのです。「人手不足なんだから当たり前でしょ」と思った銀行業界以外の方、実は、あなたにとっても「おいしい話」かもしれません』、興味深そうだ。
・『中途退職者=「裏切り者」は時代遅れ! ついにメガバンクも姿勢をチェンジ  メガバンク3行(三菱UFJ銀行、みずほFG、三井住友銀行)が相次いで退職者の交流サイトを立ち上げ、また、一度退職して銀行を離れた人を再び採用するカムバック採用(いわゆる“出戻り採用”)が活発になってきました。このことが銀行業界の常識を覆す施策として話題になっています。 というのもメガバンクを中途で退職して外資系金融機関に移籍した行員は、これまで「裏切り者」呼ばわりされてきたからです。 メガバンク以外でも、退職者のネットワークが活発な会社とそうではない会社があります。日本の大企業も退職者について「もう外部の他人だ」と冷たく捉える風土の会社と、離職した後も仲間だと考える会社に分かれるのです。 退職者の交流ネットワークは、日本でもアルムナイ(卒業生)ネットワークと呼ばれることが定着しています。 実は、「アルムナイネットワークが強いかどうか」が企業の命運を分ける時代がすぐそこまできています。さらに、アルムナイネットワークは個人が自分自身の転職を「成功」させるためにも重要なのです。) 今回の記事では、日本社会で退職者を裏切り者と考える会社と大切に考える会社がある理由とその変化、そして転職が当たり前になった時代のアルムナイネットワークの意味についてまとめてみたいと思います。 私の個人的な経験からお話しすると、私が最初に所属したコンサルティングファームでは、少なくとも25年前までは他のコンサルティングファームに転職した人間は裏切り者と認定されていました。 外資のコンサルファームなので社員の大半は日本の大企業からの転職者です。当時は日本企業は終身雇用が当たり前の時代で、コンサルファームに転職してきた段階で前の会社からは裏切り者扱いされた社員も少なくなかったと記憶しています。このあたりはその会社の社風もありますが、本人が辞めた際の経緯によるケースも多々あったようです。 特に印象に残っているのは中堅社員で比較的後輩の面倒見もよく、周囲から慕われていたコンサルタントが競合他社に転職したときのことです』、「私が最初に所属したコンサルティングファームでは、少なくとも25年前までは他のコンサルティングファームに転職した人間は裏切り者と認定されていました。 外資のコンサルファームなので社員の大半は日本の大企業からの転職者です。当時は日本企業は終身雇用が当たり前の時代で、コンサルファームに転職してきた段階で前の会社からは裏切り者扱いされた社員も少なくなかったと記憶しています」、当時は「裏切り者扱い」が普通だったようだ。
・『コンサル業界は90年代後半から「アルムナイ歓迎」にチェンジ  私がまだ20代だった頃の話です。 その直後の社員集会で幹部から、「個人的な知り合いも多い業界ではあるけれども、プロフェッショナルとして仕事をする以上、競合するコンサルティングファームの社員とプライベートで食事をしたりするのは気をつけるように」とお達しがありました。 その際に、「付き合い方次第では自分の評価に影響する」とまで言われたので、あとでこっそりとどういう意味なのかをパートナーの一人に尋ねたところ、「あいつとはもう付き合うなという意味だ」と厳しく言われたことを覚えています。 90年代後半になって、わたしのいた会社ではグローバル本社のお達しで日本でもアルムナイパーティーが開催されるようになりました。その時も当初は裏切り者をパーティーに呼ぶか呼ばないか幹部が議論したぐらい、競合への転職についてはピリピリした空気がありました。 最終的には、その議論をしていた幹部たちがごっそりと移って新しいコンサルファームを立ち上げたうえで、堂々とアルムナイパーティーに顔を出すようになり、今では当時の空気はなくなったようです。 私もその時期にアルムナイになったのですが、退社して初めて知ったのは競合コンサルのアルムナイネットワークがとても強固だということでした。ちなみに競合コンサルとは、アクセンチュアのことです。 当時の私はネットベンチャーに転職して、その仲間にはコンサルファーム出身者が何人かいました。そのひとりがアクセンチュア出身だったのですが、彼がこっそりアクセンチュアのアルムナイネットワークの画面を見せてくれたうえで、アルムナイネットワークの意義について熱く語ってくれたことがあります』、「退社して初めて知ったのは競合コンサルのアルムナイネットワークがとても強固だということでした。ちなみに競合コンサルとは、アクセンチュアのことです」、なるほど。
・『アクセンチュア、ソニー、リクルートはアルムナイのおかげで成長した  そこでは退職者同士、お互いの悩みを打ち明けあい、ビジネス上で困っていることを助け合っている実態がありました。 「会社を離れると肩書も通用しなくなる。それでもアクセンチュア出身者がビジネス界で成功する事例が増えれば力になる。こうやって元仲間が助けてくれる風土を意図的につくりあげることは重要なのだ」 これは西暦2000年頃の話なのですが、それをWeb上で当時のアクセンチュアが行っていたのです。「ずいぶん違うな」と感心したものです。 その当時の日本では、アルムナイネットワークが強いことで知られる会社は数えるほどでした。アクセンチュアはそのひとつで、他に名前がよく挙がるところとしては、リクルートとソニーがアルムナイの絆の強さで有名でした。 ソニーには当時、ソニーを退社した人たちのソバの会という組織がありました。ソバとはSONYのOBのASSOCIATIONの略だと言われたのですが、もし間違っていたらごめんなさい。 私によくしてくれた先輩がちょうどソニーOBで、転職した上場企業の常務まで上り詰めたうえで自分の会社を立ち上げた人だったのですが、彼はソバの会に出るたびに元気をもらっていたようで、直後に会ったりするとその場でどんなことがあったのかよく話してくれました。 伝聞ではありますが、その雰囲気を解説すると、その頃のソバの会にはよくソニーの現役のトップが来たそうなのです。テレビのWBSとかでよく見かけるぐらい偉い人です。 その人がソバの会では「偉くない」ところがポイントで、社外で成功している人の方が偉い雰囲気がある。だからみんな後ろを振り返らずに元気をもらって帰ってくるという話です。あくまで個人の感想かもしれませんが、雰囲気の伝わるエピソードだと思います。 リクルートでは元リクと呼ばれる人的ネットワークがあって、何百人もいる伝説の元社員を中心に、巨大な交流ネットワークが出来上がっています。それが公式な組織ではなく、無数に存在する個人同士がつながるアメーバのようなネットワークになっているところが面白い。 離れていても「元リク」だとわかるだけで急に打ち解けるような、不思議な資格にもなっています。 さて、これら3社は今でも存在感の強い大企業です。何かと不安定な要素が多く人材流出の激しい現代でも3社がトップ企業の座を守ることができている理由の一つは、「アルムナイネットワークの強さ」ではないかと思います。 一方、前述した3社のアルムナイネットワークと比較すると、冒頭でお話ししたような銀行のアルムナイネットワークは構築しはじめたばかりの新参者です。報道によれば、みずほFGではカムバック採用も10人規模で行われているようですが、ある意味その程度の規模でもあります。 こういった状況の日本企業は、これからアルムナイネットワークをどうしていくべきなのでしょうか? 三つのポイントがあると思います』、「アクセンチュア」では、「「会社を離れると肩書も通用しなくなる。それでもアクセンチュア出身者がビジネス界で成功する事例が増えれば力になる。こうやって元仲間が助けてくれる風土を意図的につくりあげることは重要なのだ」」、「ソニーには当時、ソニーを退社した人たちのソバの会という組織がありました・・・私によくしてくれた先輩がちょうどソニーOBで、転職した上場企業の常務まで上り詰めたうえで自分の会社を立ち上げた人だったのですが、彼はソバの会に出るたびに元気をもらっていたようで、直後に会ったりするとその場でどんなことがあったのかよく話してくれました。 伝聞ではありますが、その雰囲気を解説すると、その頃のソバの会にはよくソニーの現役のトップが来たそうなのです。テレビのWBSとかでよく見かけるぐらい偉い人です。 その人がソバの会では「偉くない」ところがポイントで、社外で成功している人の方が偉い雰囲気がある」、「社外で成功している人の方が偉い雰囲気がある」とは凄い。「リクルートでは元リクと呼ばれる人的ネットワークがあって、何百人もいる伝説の元社員を中心に、巨大な交流ネットワークが出来上がっています。それが公式な組織ではなく、無数に存在する個人同士がつながるアメーバのようなネットワークになっているところが面白い。 離れていても「元リク」だとわかるだけで急に打ち解けるような、不思議な資格にもなっています」、「リクルート」もさもありなんだ。
・『アルムナイ同士が結束するほど自分自身が「転職で成功」する  一つは「一度同じ釜の飯を食ったことがある仲間」の結束を強めるということは、本人たちにとってものすごく重要なサポートになるということです。 20代、30代の転職が当たり前になった日本社会ではありますが、本人にとって転職は相変わらず大きなチャレンジです。確率でいっても転職で成功する人と失敗する人の比率は、事後の調査などを見る限り半々だと思われます。 「会社の常識は他社の非常識」と言われるくらい、前の組織の経験が新しい会社では通用しないことも少なくありません。一方で、アルムナイネットワークの仲間はその点で同じような苦労をし、同じようなチャレンジをしてきています。そして一人で挑戦するよりも大勢で力を合わせたほうが挑戦は成功しやすいものです。 アルムナイネットワークに積極的にかかわることは、自分自身の転職を「成功」させるためにも重要だというのが一つ目のポイントです』、「「一度同じ釜の飯を食ったことがある仲間」の結束を強めるということは、本人たちにとってものすごく重要なサポートになるということです・・・本人にとって転職は相変わらず大きなチャレンジです。確率でいっても転職で成功する人と失敗する人の比率は、事後の調査などを見る限り半々だと思われます」、「転職で成功する人」の「比率」は「半々」とは予想以上に高いようだ。
・『アルムナイは会社の「顔」 企業側もサポートするほど得をする  二つ目に、退職者の中に成功者が多いことはその会社にとっても重要だということです。ソニーやリクルート、アクセンチュアはその退職者の評判が高いことで、新卒や中途の採用において競合する他社よりも有利な状況にあります。 もし仮に、メガバンクを退職した社員たちが新しい職場で「使えない」などという評判が立ってしまうとしたら、それはそのまま銀行の評判に跳ね返ってくることは明らかでしょう。 そう考えたら、新しくアルムナイネットワークを作り始めた会社こそ、その構築やサポートに相応の力を入れるべきなのです。少なくともネットワークというものは、自走し始めるまではものすごく大きなエネルギーを必要とするものなのですから』、「退職者の中に成功者が多いことはその会社にとっても重要だということです。ソニーやリクルート、アクセンチュアはその退職者の評判が高いことで、新卒や中途の採用において競合する他社よりも有利な状況にあります」、「新しくアルムナイネットワークを作り始めた会社こそ、その構築やサポートに相応の力を入れるべきなのです。少なくともネットワークというものは、自走し始めるまではものすごく大きなエネルギーを必要とするものなのですから」、その通りだ。
・『競合からの出戻り人材は企業にとってイノベーションの特効薬になる  そして三つ目に、カムバック人材は会社にとってさらに使える人材だということです。 別に他社の企業秘密を知っているからということではありません。 単純にゴールドマン・サックスからみずほ銀行に戻ってくる人材や、テスラからトヨタ、グーグルからソニー、TSMCからNECに戻ってきた人材をイメージしてみればわかります。 みずほ銀行の仕組みを知ったうえで、違う仕組みを持つ外資系金融機関で何年か働き、そのうえでまた戻ってくる人材はそもそも有能な人材だというだけでなく、企業にイノベーションをもたらしてくれる人材です。 これはメガバンクだけの話ではありません。中国、韓国、台湾、そして欧米などまったく違う仕組みをもった競合企業と戦わなければならないという点では金融業界も製造業もIT業界も環境は同じです。そういった外部を知るカムバック人材が、まったく違う他業界からの転職者よりも、重要な人材であることは間違いないでしょう。 だとしたら問題は「受け入れるかどうか」ではなく、「現状、10人ぐらいしかカムバック人材がいない状況を、いかに速いスピードで年間数十人規模に拡大できるか」が課題のはずです。 そうなるためにはどうすればいいでしょうか? 要点はシンプルです。アルムナイネットワークが強固になればいいのです。日本企業は令和に入り、もはや昭和のようなよそ者意識や裏切り者意識は薄れてきたとは思います。 ただ、企業風土に基づく意識というものはそう簡単に変わるものではないことも事実。それを考えるとアルムナイネットワークの拡充は、人為的に力を入れていかなければならない重要経営課題だと考えるべきでしょう。 メガバンクを筆頭に第2次アルムナイブームが来れば、転職時代を生きる私たち個人にとっても「おいしい話」になるかもしれません』、「みずほ銀行の仕組みを知ったうえで、違う仕組みを持つ外資系金融機関で何年か働き、そのうえでまた戻ってくる人材はそもそも有能な人材だというだけでなく、企業にイノベーションをもたらしてくれる人材です」、「これはメガバンクだけの話ではありません。中国、韓国、台湾、そして欧米などまったく違う仕組みをもった競合企業と戦わなければならないという点では金融業界も製造業もIT業界も環境は同じです。そういった外部を知るカムバック人材が、まったく違う他業界からの転職者よりも、重要な人材であることは間違いないでしょう。 だとしたら問題は「受け入れるかどうか」ではなく、「現状、10人ぐらいしかカムバック人材がいない状況を、いかに速いスピードで年間数十人規模に拡大できるか」が課題のはずです」、「アルムナイネットワークが強固になればいいのです。日本企業は令和に入り、もはや昭和のようなよそ者意識や裏切り者意識は薄れてきたとは思います。 ただ、企業風土に基づく意識というものはそう簡単に変わるものではないことも事実。それを考えるとアルムナイネットワークの拡充は、人為的に力を入れていかなければならない重要経営課題だと考えるべきでしょう。 メガバンクを筆頭に第2次アルムナイブームが来れば、転職時代を生きる私たち個人にとっても「おいしい話」になるかもしれません」、同感である。
タグ:「北尾社長」らしい実に巧妙なやり方だ。 東洋経済オンライン「SBI新生銀、TOBでも簡単ではない公的資金返済 少数株主との平等性を保ちつつ返済は可能か」 「名古屋市長選挙」では、2009年に民主党推薦の河村たかし氏が当選、その後は減税日本推薦として、民主党や自民党・公明党が推薦する候補を破って勝ち続けている。大塚氏はさわやかな印象で、十二分に河村氏に対抗し得る。推薦母体は未定だが、国民民主党、立憲民主党、自民党・公明党などが推薦すると思われる。「「トヨタ銀行の創設も絵空事ではなくなる」との声が漏れ始めた」、「トヨタ」はいまさら銀行経営などに興味を示す筈はないとみるべきだろう。 小林佳樹氏による「金融界で囁かれる「トヨタ銀行創設」の現実味 名古屋市長選に意欲の大塚耕平議員が過去に発言」 日刊ゲンダイ 「大手キャリアがiPhoneの販売代理店も兼ねている点です。アップル側も本気で“潰し合い”になるようなサービス展開は避けると見られ、仮に日本で預金サービスを開始するとしても、大手キャリアとの“棲み分け”を模索する可能性が指摘」、「アップルが日本の銀行と提携するなどして預金サービスを日本で始めるとなっても、為替リスクや資金の調達・運用面での課題から、アメリカと同程度の金利はとても望めないでしょう」、やはり「異国の夢物語」なのだろう。 「新サービスの開始によって“アップル内ですべてお金が回る”仕組みが完成したことになります」、「顧客の囲い込みだけでなく、収益向上にも資する“一石二鳥”のサービスだという」、なるほど。 「「アメリカの地方銀行やネットバンキングでは年利3~4%の預金金利はそれほど珍しくなく、また“アップル預金”の金利は4月の米FRB政策金利5%を下回るものです」、なるほど。 「同社のクレジットカード「アップルカード」の利用者を対象としたものだ。提携する米ゴールドマン・サックスの普通預金口座を利用し、Walletアプリで開設可能。またアカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料でできる」、「新サービスの前提となるアップルカードは米国在住者向けサービスのため、日本のiPhoneユーザーらは利用できません」、 デイリー新潮「「アップル預金」年利4.15%の衝撃 日本でのサービス開始に待望の声も、立ちはだかる意外な障壁」 金融業界 (その18)(「アップル預金」年利4.15%の衝撃 日本でのサービス開始に待望の声も 立ちはだかる意外な障壁、金融界で囁かれる「トヨタ銀行創設」の現実味 名古屋市長選に意欲の大塚耕平議員が過去に発言、SBI新生銀 TOBでも簡単ではない公的資金返済 少数株主との平等性を保ちつつ返済は可能か、三菱UFJ みずほFG 三井住友銀行の「出戻り社員」対策が想像以上においしいワケ) 「新生銀の株価は2000円近辺で推移しており、政府系株主の持分では1000億円程度の価値しかない。3500億円を回収するためには単純計算で株価が3倍超に上がる必要があり、7000円を超える水準にならないといけない」、「このことが足かせになり、政府系株主は新生銀の株式をいつまでも手放せない袋小路に陥っていた」、打開しようとするのが今回の動きだ。 「具体的な方法については2025年6月末までに政府系株主と具体的仕組みについて合意するとした」、なるほど。 「「可能な限り早期」と「相応の期間」。この2つの期間の矛盾を解決しない限り、公的資金の返済は実現しない。2025年6月末という期限について、北尾社長は「返し方の道筋について合意するということであって、いついつまでに返すという話ではない」と予防線を張った」、今後の展開が要注目だ。 ダイヤモンド・オンライン 鈴木貴博氏による「三菱UFJ、みずほFG、三井住友銀行の「出戻り社員」対策が想像以上においしいワケ」 「私が最初に所属したコンサルティングファームでは、少なくとも25年前までは他のコンサルティングファームに転職した人間は裏切り者と認定されていました。 外資のコンサルファームなので社員の大半は日本の大企業からの転職者です。当時は日本企業は終身雇用が当たり前の時代で、コンサルファームに転職してきた段階で前の会社からは裏切り者扱いされた社員も少なくなかったと記憶しています」、当時は「裏切り者扱い」が普通だったようだ。 「退社して初めて知ったのは競合コンサルのアルムナイネットワークがとても強固だということでした。ちなみに競合コンサルとは、アクセンチュアのことです」、なるほど。 「アクセンチュア」では、「「会社を離れると肩書も通用しなくなる。それでもアクセンチュア出身者がビジネス界で成功する事例が増えれば力になる。こうやって元仲間が助けてくれる風土を意図的につくりあげることは重要なのだ」」、 「ソニーには当時、ソニーを退社した人たちのソバの会という組織がありました・・・私によくしてくれた先輩がちょうどソニーOBで、転職した上場企業の常務まで上り詰めたうえで自分の会社を立ち上げた人だったのですが、彼はソバの会に出るたびに元気をもらっていたようで、直後に会ったりするとその場でどんなことがあったのかよく話してくれました。 伝聞ではありますが、その雰囲気を解説すると、その頃のソバの会にはよくソニーの現役のトップが来たそうなのです。テレビのWBSとかでよく見かけるぐらい偉い人です。 その人がソバの会では「偉くない」ところがポイントで、社外で成功している人の方が偉い雰囲気がある」、「社外で成功している人の方が偉い雰囲気がある」とは凄い。「リクルートでは元リクと呼ばれる人的ネットワークがあって、何百人もいる伝説の元社員を中心に、巨大な交流ネットワークが出来上がっています。それが公式な組織ではなく、無数に存在する個人同士がつながるアメーバのようなネットワークになっているところが面白い。 離れていても「元リク」だとわかるだけで急に打ち解けるような、不思議な資格にもなっています」、「リクルート」もさもありなんだ。 「「一度同じ釜の飯を食ったことがある仲間」の結束を強めるということは、本人たちにとってものすごく重要なサポートになるということです・・・本人にとって転職は相変わらず大きなチャレンジです。確率でいっても転職で成功する人と失敗する人の比率は、事後の調査などを見る限り半々だと思われます」、「転職で成功する人」の「比率」は「半々」とは予想以上に高いようだ。 「退職者の中に成功者が多いことはその会社にとっても重要だということです。ソニーやリクルート、アクセンチュアはその退職者の評判が高いことで、新卒や中途の採用において競合する他社よりも有利な状況にあります」、「新しくアルムナイネットワークを作り始めた会社こそ、その構築やサポートに相応の力を入れるべきなのです。少なくともネットワークというものは、自走し始めるまではものすごく大きなエネルギーを必要とするものなのですから」、その通りだ。 「みずほ銀行の仕組みを知ったうえで、違う仕組みを持つ外資系金融機関で何年か働き、そのうえでまた戻ってくる人材はそもそも有能な人材だというだけでなく、企業にイノベーションをもたらしてくれる人材です」、 「これはメガバンクだけの話ではありません。中国、韓国、台湾、そして欧米などまったく違う仕組みをもった競合企業と戦わなければならないという点では金融業界も製造業もIT業界も環境は同じです。そういった外部を知るカムバック人材が、まったく違う他業界からの転職者よりも、重要な人材であることは間違いないでしょう。 だとしたら問題は「受け入れるかどうか」ではなく、「現状、10人ぐらいしかカムバック人材がいない状況を、いかに速いスピードで年間数十人規模に拡大できるか」が課題のはずです」、 「アルムナイネットワークが強固になればいいのです。日本企業は令和に入り、もはや昭和のようなよそ者意識や裏切り者意識は薄れてきたとは思います。 ただ、企業風土に基づく意識というものはそう簡単に変わるものではないことも事実。それを考えるとアルムナイネットワークの拡充は、人為的に力を入れていかなければならない重要経営課題だと考えるべきでしょう。 メガバンクを筆頭に第2次アルムナイブームが来れば、転職時代を生きる私たち個人にとっても「おいしい話」になるかもしれません」、同感である。
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