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高齢化社会(その23)(和田 秀樹氏3題(「協調性のない高齢者」のほうが"若い"という根拠、「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと、82歳で肺がん「たばこを禁止」にした家族の決断)、「夜中に尿意で目が覚める」は早死のサイン…専門医が指摘する"寿命とトイレ"の知られざる関係 「就寝後のトイレ」で死亡率は2倍になる) [社会]

高齢化社会については、5月18日に取上げた。今日は、(その23)(和田 秀樹氏3題(「協調性のない高齢者」のほうが"若い"という根拠、「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと、82歳で肺がん「たばこを禁止」にした家族の決断)、「夜中に尿意で目が覚める」は早死のサイン…専門医が指摘する"寿命とトイレ"の知られざる関係 「就寝後のトイレ」で死亡率は2倍になる)である。

先ずは、6月18日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「「協調性のない高齢者」のほうが"若い"という根拠 「心のブレーキ」が老いを加速させるその理由」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/677458
・『誰もが避けては通れない「老い」。しかし、いつまで経っても若い人と老け込んでしまう人と分かれます。これはなぜなのでしょうか。 老いのいちばんの原因は、「年齢呪縛」にかかることだと話すのは、“高齢者専門の精神科医”和田秀樹氏です。「もういい歳なんだから、あたらしいことはできない」「食べ物も質素にして着るものだって地味な色を選ばないと……」といった「年齢呪縛」によって何事にも慎重になり、自分にブレーキをかけるようになる。すると心の自由も行動の自由もどんどん奪われます。その結果、老いが固定され、年齢通りの高齢者になってしまうといいます。 『心が老いない生き方』(ワニブックスPLUS新書)より一部抜粋・再構成のうえ、「心の老い」からの抜け出し方をお届けします』、「年齢呪縛」とは言い得て妙だ。
・『心が老いるとワクワク感が小さくなってくる  私たちが「齢を取ったな」と感じるのは、体力が衰えたり運動機能が低下したときだけではありません。これはたいていの人が気づいていると思いますが、身体的な老いの前にまず、気持ちの老いが自覚されるのです。 たとえば居酒屋好きの男性が友人から「駅の向こう側にいい店見つけたんだ。こんど飲みに行こうよ」と声を掛けられたようなときです。 あんなに居酒屋が好きだったのにふと「億劫だな」という気分になります。とくに忙しいわけでも疲れているわけでもないのに、何となく気が進まないのです。その友人が「いつ行ける?」と誘ってくると「そのうちな」と曖昧な返事になってしまいます。 面白そうな映画をやっているとか、好きな作家の新刊が出たとか、以前なら休日になるとすぐに目的地へ出かけたようなことでも、「急がなくていいか」とか「そんなに評判良くないな」とブレーキをかけてしまいます。 以前だったら「すぐ行こう!」でした。満足するかガッカリするか、そんなことは観てから、読んでからのことです。「面白そうだな」と思ったときには「行ってみよう!」という気になったのです。 それがだんだん自分でブレーキをかけるようになってきます。身体が動かないわけではないのですから、これは心のブレーキです。 「どうせ大したことないだろう」とか「いまじゃなくてもいつでも行けるんだから」とかいろいろ理由をつけますが、簡単に言えば心がそれほど動かなくなったのです。かつてのようなワクワク感が膨らんできません。 かつてはどうだったでしょうか。「面白そうだ」とか「いいな」「行ってみたい」と思えばもう動き出していました。ワクワクしてくると抑えきれません。それだけ心が若くて奔放だったのです。 逆にあれこれ言い訳をして行動をためらってしまうのは、それだけワクワク感が小さくなっているからだとも言えます。心が老いるとワクワクしなくなるのです』、「あれこれ言い訳をして行動をためらってしまうのは、それだけワクワク感が小さくなっているからだとも言えます。心が老いるとワクワクしなくなるのです」、なるほど。
・『ワクワクしなくなるのは「前頭葉の老化」が原因  脳も身体の一部分ですから加齢によって老化します。脳の中でもとくに前頭葉と呼ばれる部位は老化が始まるのが早くて、人によっては40代のころから機能が衰えてきます。 前頭葉が老化すると感激や感動といった心のときめきが薄れてきます。いわゆる感情の老化と呼ばれるものですが、外の世界への関心が薄れてくるのです。 すると好奇心とか憧れのようなワクワク感もなくなってきます。旅行でもグルメでも、ワクワク感がなくなってくると、自分を突き動かすものも弱くなります。「時間がない」とか「少し疲れも溜まっているし」といった言い訳も入り込みやすくなります。 すると「どうせ混んでるだろう」とか「味はだいたい想像できる」といった、動かない自分を正当化する理屈も出てきます。 でも、いろいろ言ってみたところで、ワクワク感が弱くなっていることがいちばんの原因でしょう。前頭葉が若々しいころでしたら、「わあ、行きたい」「いますぐ食べたい!」といったワクワク感が爆発しますから、先延ばしの言い訳なんか入り込む余地がないのです。 ワクワク感の衰えも心の老いを感じさせます』、「前頭葉が若々しいころでしたら、「わあ、行きたい」「いますぐ食べたい!」といったワクワク感が爆発しますから、先延ばしの言い訳なんか入り込む余地がないのです。 ワクワク感の衰えも心の老いを感じさせます」、老化で「ワクワク感」がなくなるというのは寂しい限りだ。
・『初めて経験することにワクワクしなくなった」  「料理でも旅行でも、慣れているメニューや訪ねたことのある場所のほうが安心する」 期待して裏切られるよりある程度結果の予測できるもののほうが安心というのもありますが、予測不能の世界にワクワクする前頭葉が衰えると、どうしても慣れている世界を選ぶようになってしまいます。) サラリーマンのランチなんかがわかりやすいでしょう。若いころは「今日はなに食べようかな」と考え、あっちの店、こっちの店、評判になっている店や行列のできている店にせっせと出かけていました。 ところがある年齢になってくると、ランチのメニューが決まってきます。「〇〇軒のラーメン」とか「○○屋の天ぷらそば」といった定番メニューが決まってしまい、それ以外の店には出かけなくなってきます。 自分でもつくづく「よく飽きないな」と感心しますが、慣れ親しんだ味がいちばん無難だと思い込んでいます。心の老いはランチのメニューにも表われるのです』、「ある年齢になってくると、ランチのメニューが決まってきます。「〇〇軒のラーメン」とか「○○屋の天ぷらそば」といった定番メニューが決まってしまい、それ以外の店には出かけなくなってきます」、「心の老いはランチのメニューにも表われるのです」、なるほど。
・『「丸くなったな」と気がつく心の老いがある  もう1つ、心の老いを教えてくれるものに協調性があります。 協調性には少しも悪いイメージはありません。組織で仕事をしていればチームワークは何より大事ですから、協調性こそ求められます。 自分の考えや意見にこだわってチームに逆らうとか、命令や指示に従わないような人間は組織には不要ですから、どんなに能力があっても「あいつはわがまま」とか「自分勝手で協調性がない」と見なされてしまいます。 ここでも面白いのは、協調性が成長とか成熟としばしば同一視されることでしょう。 「入社したころは逆らってばかりいたけど、最近はだいぶ協調性が出てきたな」 「彼も近ごろは協調性が出てきた。成長したんだな」 組織に馴染んできた部下を上司はしばしばこんな言い方で褒めます。採用面接の場でも、協調性の有無は大事なポイントになるでしょう。協調性が身についてきたかどうかが成長の目安にされてしまいます。どんなに在社年数が長くても、協調性のない人間は出世できなかったり大きなプロジェクトに入れなかったりします。 ところが老いてくると、この協調性が自然に備わってきます。備わってくるというより、自分に言い含めるようになってきます。 「いい齢をしてわがまま言うと嫌われるな」とか「齢なんだからもう少し穏やかにならないと」と自分に言い聞かせ、家族や周囲の意見に合わせるようになってくるからです』、「老いてくると、この協調性が自然に備わってきます。備わってくるというより、自分に言い含めるようになってきます。 「いい齢をしてわがまま言うと嫌われるな」とか「齢なんだからもう少し穏やかにならないと」と自分に言い聞かせ、家族や周囲の意見に合わせるようになってくるからです」、なるほど。
・『周囲に合わせる、同調圧力に負けてしまう  それができるようになると、ふと自分でも気がつきます。 「わたしも丸くなったな。それだけ齢を取ったのかな」 そう考えることで何となく納得してしまいます。 でも、自分がやりたかったことや主張したかったことはどこに消えたのでしょうか。抑え込んで我慢したのだとすれば、心は不自由を受け入れたことになります。そのことで老いを実感できたとすれば、それも心の老いということになるはずです。) 心の老いは年齢に関係なく始まります。通常なら脳が老化するはずもない10代20代であっても、心の自由を封じ込めようとすることがあるからです。 自分の意見や考えていることをのみ込む、やってみたいことを我慢する、周囲に合わせて行動する、こういったこともすべて心の自由を封じ込めることになります。 考えてみれば学校教育そのものが心の自由を制限してきました。友だちが多くてみんなと仲良くできる子が「いい子」です。親や先生の言うことに従うのが「いい子」です。和を乱さないとか、社会の道徳やモラルを守るのが「いい子」です。 この流れは大学に入っても続きます。 高等教育は本来、それまでに学んだ知識をもとに自分で考えたり、推理したり、あるいはそれを試してみる学生を育てることだったはずですが、大学生になっても上から教え込まれた理論や学説をそのまま覚えることが勉強になってしまいます。いくら自分で自由な発想をしても、教わった理論や学説から外れていれば評価されません。心の自由を抑え込まれたままで社会に出るのです。 社会に出れば今度は協調性ですから、ここでも上司や同僚に合わせることが生き延びる道になります。世の中の風潮とか常識に従うしかなくなります。同調圧力にも簡単に負けてしまうのです。 周囲に合わせているかぎり安全です。誰からも非難されないし、目立つこともありません。無意識のうちに安全、安心を選んでしまうというのも心の老いの表われでしょう。なぜならワクワクしたりドキドキしたりすることがないからです。 「これを言い出せばみんなに非難されるだろうな」 「でも共感してくれる人だっているかもしれない」 どっちになるかわからないけど、とにかく自分が思ったことを話したり、やりたいことを実行するときにはドキドキするはずです。心が老いてくると、そういうドキドキすることやワクワクすることを避けるようになってきます』、「心が老いてくると、そういうドキドキすることやワクワクすることを避けるようになってきます」、なるほど。
・『「年齢呪縛」に捕まりやすい人の生き方  高齢になってくるとほとんどの人が慣れた世界を選ぶようになります。たとえばメニューを眺めて初めての料理と食べ慣れた料理があれば、どうしても食べ慣れたほうを選びます。 これは味つけや素材がわかっていたほうが安心だからです。脂っぽくて食べられないとか固くて食べられないとか、そういうことだけはなくなります。 旅行や読書でも同じです。聞いたこともない場所より、何度も出かけた観光地、全国的に有名な町や温泉を選びます。読書もよく知っている作家や好きなテーマの本を選びます。すべて、大きく期待を裏切られることがないとわかっているから安心なのです。) ところが同じ高齢者でも若々しいタイプは違います。 結果がわかっている世界より、予測できない世界のほうを選びたがります。たとえばみんなで食事をするときでも、メニューに聞いたことのない料理名を見つけると「これなんだろ?食べてみるかな」と面白がります。周りが「やめとけ、食べ残したらもったいない」と声をかけても「そのときは手伝ってくれ」と愉快がります。 結果はもちろんいろいろです。思いがけない美味しさに大喜びするときもあれば、やっぱり口に合わなくて「失敗したなあ」と後悔するときもあります。 でもこういうタイプはめげないのです。 同じような場面になればまた未知のメニューに挑戦します。旅行や読書、あるいはファッションでも同じです。知り尽くした安心感より、未知の経験や世界のほうに惹かれてしまいます。ワクワク、ドキドキすることが快感だからです』、「高齢になってくるとほとんどの人が慣れた世界を選ぶようになります。たとえばメニューを眺めて初めての料理と食べ慣れた料理があれば、どうしても食べ慣れたほうを選びます。 これは味つけや素材がわかっていたほうが安心だからです」、「同じ高齢者でも若々しいタイプは違います。 結果がわかっている世界より、予測できない世界のほうを選びたがります。たとえばみんなで食事をするときでも、メニューに聞いたことのない料理名を見つけると「これなんだろ?食べてみるかな」と面白がります・・・知り尽くした安心感より、未知の経験や世界のほうに惹かれてしまいます。ワクワク、ドキドキすることが快感だからです」、なるほど。
・『年齢が若くても「心の老い」が始まっている人  こういうことは、必ずしも高齢者に限った話ではありません。年齢に関係なく、結果がわかっている安心を選ぶ人と、予測できない世界のワクワク感を選ぶ人がいるからです。わたしはここにも心の老いや若さが表われていると思います。 どんなに年齢が若くても、結果が予測できる安心・安全を選ぶ人は、すでに心の老いが始まっている可能性があります。そういう人が結局、ある年齢になると「わたしももう70歳過ぎたのだから」と意識し、年相応の分別や落ち着きを言い聞かせ、好奇心を抑え込んで自分の願望を封じ込めてしまいます。年齢呪縛に捕まりやすいのです。 なぜなら年齢というのはいちばん確かな現実になります。 やってみたいことや、試してみたいことがあっても、「もし失敗したら」と考えるとついためらいます。結果を予測できない世界に踏み出すことは勇気が要ります。たとえ心がそれを求めているとしても、「いくつになったと思うんだ」と実年齢を言い聞かせることで諦めがつきます。確かな現実を持ち出せば、心の不自由を受け入れることも納得できるのです』、「結果を予測できない世界に踏み出すことは勇気が要ります。たとえ心がそれを求めているとしても、「いくつになったと思うんだ」と実年齢を言い聞かせることで諦めがつきます。確かな現実を持ち出せば、心の不自由を受け入れることも納得できるのです」、なるほど。

・次に、7月12日付け東洋経済オンラインが掲載した 精神科医の和田 秀樹氏による「「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと 「第二の人生」は"70歳"からが本番と言える根拠」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/683282
・『人生100年時代が叫ばれ、平均寿命も上がっています。ですが、老後資金の枯渇問題、健康や認知症といった老いへの恐怖などなど、不安を抱えている方は多いと思います。そんな暗雲垂れ込める人生100年時代をどう過ごしたらいいのでしょうか? 「80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、70代の過ごし方にかかっていると考えている」と言うのは、30年以上の長きにわたり、高齢者医療に携わってきた医師の和田秀樹さんです。同氏の新著『わたしの100歳地図』より一部抜粋し再構成のうえ、70代からの地図の描き方についてお届けします』、「80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、70代の過ごし方にかかっていると考えている」、興味深そうだ。
・『個人差が大きい70代  いよいよ70代です。これまでの多くの本でお伝えしてきましたが、80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、この70代の過ごし方にかかっているとわたしは考えているわけです。 わたしがこれまで接してきた高齢者の多くの方に共通するのが、60代までは気にならなかったことが、70歳を過ぎるとどんどん増えてくるということです。体力は言うに及ばず、気力もそうですが、そういったことが見た目にもあらわれて、同じ70代でも個人差が顕著になってきます。 はたして、自分はどのようになっていくのでしょうか。これまでの人生を振り返れば、60歳からの10年などあっという間のことだと思います。実年齢よりも若い70代となるのか、はたまた老け込んだ70代となるのか、これから描く70歳の地図も、これまで接してきた多くの先輩たちの姿が参考になります。 3年以上に及んだコロナ禍の影響はわたしたちの生活に大きく影を落としましたが、とくに多くの高齢者を家に閉じ込めてしまいました。 ただでさえ70歳を過ぎると運動機能が低下し、どこにも出かけずに家で過ごしていたほうが楽だし、誰にも迷惑はかからないだろうと引きこもりがちとなりますが、運動機能が低下しているわけですから、そのような生活が続けばからだを動かすこと自体を面倒に感じるようになり、それこそ歩けなくなってしまったり、自由に動けなくなったりするリスクが高まります。) そればかりか、誰とも話さず、変化のない毎日を送れば、心の元気もなくなって、心身ともに衰えた覇気のない老人になってしまい、自覚のないなか知らず知らずのうちにうつ病や認知症を発症する危険性すらあるのです。 70歳ともなれば、誰でも体力や集中力が以前と比べて衰えてしまい、意欲面での低下は避けることはできません。しかし、老いを自覚したとしても、からだが動くうちはやりたいことをどんどんやって、自分の生きたいように生きるべきだとわたしは常日ごろより自分に言い聞かせています。 というのも、わたしは、幼少期からADHD(注意欠陥・多動性障害)の傾向があり、一つのことに集中できずいろいろなことに興味がわいてしまい、未知のものだとしても気になったことはすべて挑戦してきました。 このような傾向は幼少期にとどまらず、大学時代は医学部にいながらフリーライターとして、雑誌を中心にさまざまな取材、執筆活動をしていました。 そうした経験が、医師としてのいまの仕事や作家としての執筆、映画監督としての活動に大いに役立っているのですが、プライベートにおいても同様です。さまざまなことに対し関心は尽きません。ですから、わたしは70代になってもできるかぎり、少しでも興味のあることには挑戦し続けていくつもりです』、「わたしは、幼少期からADHD・・・の傾向があり、一つのことに集中できずいろいろなことに興味がわいてしまい、未知のものだとしても気になったことはすべて挑戦してきました。 このような傾向は幼少期にとどまらず、大学時代は医学部にいながらフリーライターとして、雑誌を中心にさまざまな取材、執筆活動をしていました。そうした経験が、医師としてのいまの仕事や作家としての執筆、映画監督としての活動に大いに役立っているのですが、プライベートにおいても同様です」、和田氏が「ADHD」だとは初めて知ったが、多角的な活動ぶりを見れば、その通りなのだろう。
・『年齢を理由にして諦めない  70歳を過ぎたからといって、隠居して老け込むにはまだまだ早すぎます。 「もう、いい年なのだから」と、年齢を理由にいろいろなことを諦めてしまうと、80歳になったときには、できることがほとんどなくなり、やりたいという気力すら消えてしまうでしょう。70代はまだまだ頑張れば中高年とほとんど変わらないぐらいの体力、知的機能を保つことができるのです。 例えば、アンチエイジングの治療は、80代になるとボトックスやヒアルロン酸の注入ではなかなか外見の衰えを補いきれませんが、70代であれば、かなり若々しい自分に戻ることができます。 日本ではなぜか美容医療やアンチエイジングの治療にネガティブなイメージをもつ人が多いのですが、治療を受けることで若々しさを保つことができて、気持ちまで前向きになれるのでしたら、ためらわずに試してみるべきです。 役者や歌手といった特別な人たちだけがいつまでも若々しくいられるのではなく、わたしたちも少しの意欲をもって取り組めば、70歳を過ぎてもダンディーな男性、おしゃれな女性でいられるのですから、やはり年齢に関係なく、チャレンジしていくことはいくつになっても大切なことといえます。) 地位や肩書にしがみついていた人が60代になると思ったほど幸せになっていないとお話ししましたが(参照:『定年後に「幸せを感じる人」が60過ぎてやらない事』)、地位や肩書があっても幸せそうにしている人はいます。年をとっても引退しないで自分の思いどおりに生きている人は、幸せな人生が送れているようです。 世の中では長く現役を続けている人のことを老害と呼んだりしますが、地位や肩書にしがみつく人は確かに老害と呼ばれてもいたし方ありません。しかしそうではなく周りに求められて長く現役を続けている人は幸せな人生を歩んでいます。 日本大学の顧問になった元オリックス会長の宮内義彦さんも、その一人です。現在86歳(本書執筆時点)ですが、頭もからだもしっかりしていて、鋭い意見をおもちの方なので、周囲の人たちも一目おいています。 わたしが長い間、医師として高齢者を診てきて思うことは、相手がボケていたり弱ったりしているなと感じると、医師でも看護師でも露骨ではないにしても対応の仕方がぞんざいになることがあります。 一方で、頭もしっかりしていて、態度も堂々としていれば、敬語を使って話しますし、周囲の対応も違ってきます。宮内さんを見ていると、自分に自信をもって、前向きに生きている感じがひしひしと伝わってきます。 だからこそ、周囲が宮内さんをまだまだ頼っているのだし、現役を続けていられるのだと思います。地位や肩書はその結果のものであって、それにしがみつくために現役を続けられているのではないことは明らかです』、「日本ではなぜか美容医療やアンチエイジングの治療にネガティブなイメージをもつ人が多いのですが、治療を受けることで若々しさを保つことができて、気持ちまで前向きになれるのでしたら、ためらわずに試してみるべきです」、「周りに求められて長く現役を続けている人は幸せな人生を歩んでいます。 日本大学の顧問になった元オリックス会長の宮内義彦さんも、その一人です。現在86歳(本書執筆時点)ですが、頭もからだもしっかりしていて、鋭い意見をおもちの方なので、周囲の人たちも一目おいています」、その通りなのだろう。
・『第二の人生は70歳を過ぎてから  よくも悪くも、年齢を重ねて仕事を続けていると、周囲からは「いつまでやっているんだ」と思われることがあるかもしれません。 しかし、医師の立場から言わせていただくと、「自分の幸せ」という観点からは、仕事を辞めてフヌケ状態になるよりは、続けられるかぎりは仕事を辞めるべきではありません。高齢になっても働き続けるということは、心身の健康を維持し、老化を遅らせるという意味でとても有効なのです。 少し前までは、定年退職というと60歳でしたが、2021年4月より「高年齢者雇用安定法」の改正法が施行され、事業主に対して定年を70歳に延長するなどの「就業確保措置」が努力義務化されました。 いわゆる「70歳就業法」が施行され、70歳までの定年の引き上げ、70歳までの継続雇用制度が導入され、多くの人が70歳まで働くことができるような世の中になってきました。 また、総務省統計局では、毎年「敬老の日」(9月の第3月曜日)を迎えるにあたり、日本の65歳以上の高齢者像を統計の視点からとりまとめています。 そのデータによりますと、2022年9月15日現在、65歳以上の高齢者は3627万人と過去最多になりました。総人口に占める割合は29.1%と、これも過去最高です。これに伴い、高齢者の就業者数も909万人と過去最多。65歳以上の高齢者の就業率は25.1%で、高齢者の4人に1人はなんらかの仕事に就いていることがわかります。) さらに、この内訳を年齢階級別に見ると、65~69歳の就業率は10年連続で伸び続けて、2021年には初めて50%を超えて50.3%となり、半数以上の人が働いていることが見てとれます。70歳以上も5年連続で上昇し、18.1%と5人に1人に近い就業率を示しています。 要因としては、人口の多い団塊の世代が2012年以降、65歳を超え始めたということもありますが、人生100年時代といわれるように、平均寿命、健康寿命ともに延びる一方、少子化などで若い世代の働き手が減少しているなど、さまざまな事由があげられます。 こういった数字からもわかるように、いまや人生の岐路は70歳からで、第二の人生は70歳から始まると言っても過言ではないでしょう。70歳はまだまだ心身ともに健康で、体力も気力もあり、現役時代と同様の生活ができる最後の活動期でもあります。 「そうはいっても、これまで家族のために一生懸命に働いてきたのだから、定年後はゆっくり過ごしたい」「70歳を過ぎてまで働きたくないよ」と言う人がいても不思議ではありません』、「「自分の幸せ」という観点からは、仕事を辞めてフヌケ状態になるよりは、続けられるかぎりは仕事を辞めるべきではありません。高齢になっても働き続けるということは、心身の健康を維持し、老化を遅らせるという意味でとても有効なのです」、「65~69歳の就業率は10年連続で伸び続けて、2021年には初めて50%を超えて50.3%となり、半数以上の人が働いていることが見てとれます。70歳以上も5年連続で上昇し、18.1%と5人に1人に近い就業率を示しています」、「70歳以上も・・・18.1%」とは予想外に高いようだ。
・『ボケないためにも仕事は続ける  しかし、ちょっと待ってください。これまで長く働いてきた人にとって、定年を迎え、会社を退職したことで生じる喪失感というものは想像以上に大きいものです。実際にそのような人をわたしは数多く見てきました。 ようやく宮仕えから解放されたので、きょうからやりたいようにやって暮らしていくぞと鼻息を荒くしても、ここまでさんざん言ってきたように、小さなことでも好きなことを見つけて、どんなことにも興味をもって接しないかぎり、あっという間に毎日が平坦でつまらないものになってしまいます。 退職後、急に何もせずに家にこもりがちになると、さまざまな脳機能の老化が進み、一気に老け込んでしまいますし、そんな生活が数カ月も続けば、あらゆることに意欲がわかなくなり、動くことすらも面倒になるため、認知機能と運動機能が一気に落ちてしまいます。 そうならないためにも、70歳からの第二の人生も、仕事だけに限りませんが、継続してできる何かを見つけておくことが大切なのです』、私の場合は、1日8千歩の散歩を朝と昼にするほかは、このブログの執筆である。

第三に、7月18日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「82歳で肺がん「たばこを禁止」にした家族の決断 和田秀樹さんが語る「80歳の壁」を越えてからの生き方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/683283
・『人生100年時代が叫ばれ、平均寿命も上がっています。ですが、老後資金の枯渇問題、健康や認知症といった老いへの恐怖などなど、不安を抱えている方は多いと思います。そんな暗雲垂れ込める人生100年時代をどう過ごしたいいのでしょうか? 30年以上の長きにわたり、高齢者医療に携わってきた医師の和田秀樹さんの著書『わたしの100歳地図』より一部抜粋し再構成のうえ、「80歳の壁」を超えてからの生き方について語ります』、興味深そうだ。
・『不安、心配事のない人などいない  多くの人は、年齢を重ねることに相関して「老い」への不安や心配事が増えてくるものです。ところが、不安や心配事を相談したくても、一般的に日本の病院では、病名がついてないと保険診療を受けることができないため、老いや老後の不安のために医師に相談し、診察を受けることはなかなか難しいのが現状です。 いままさに苦しくて、つらい症状があるから病院にかかるわけで、先の不安よりもいまの苦痛をなんとかしてほしいという人のほうが圧倒的に多いので、医師や病院が不安の解消まで手が回らないのは当然のことと思います。 それではシニア向け自費診療のクリニックはどうかというと、多くは若返りと老化予防のケアがメインとなるアンチエイジング治療を中心にしているため、先々の不安、心配事についての相談はなかなかしにくいものがあります。 わたしも長い間、高齢者をはじめ多くの方の診察をしてきましたが、患者さんの口から直接、先々の不安についての悩みを聞くことはあまりありません。しかし、語らずとも多くの患者さんに不安や心配事があることはわかります。 養老孟司先生と対談したときのことです。 「ぼくは世の中、理屈どおりにいかないと思っているから、医者の言うことも聞かないんだよ」とおっしゃって、たばこをスパスパ吸っていました。) 養老先生に限らず、かなりのヘビースモーカーでも100歳まで生きた人もいますし、逆に、たばこを吸わなくても肺がんになって死んでしまう人もいます。それは当たりくじのようなもので、自分が当たりくじ側にいて長生きするのか、はずれくじ側にいてがんになってしまうのかは、いまの医学では誰にもわかりません。 あくまでも、がんになるリスクの大きいものがなんであるかという話であって、「絶対」はないのです。ですから、たばこを吸うと気分がいい、ホッとするというのに、先々の不安や心配事から無理やりたばこをやめたりやめさせられたりしてイライラするくらいなら、気分のいいほうをとったらいいのではないでしょうか。 わたしの友人の祖父は82歳のときに肺がんが見つかり、医師には「もう手遅れで手術もできない」と言われ、家族には「がんが進行してしまうから、たばこはやめなさい」と取り上げられてしまいました。 それでなくても、がんと宣告されてショックを受けていたのに、そのうえたばこまで取り上げられてしまったので、「オレはもう死ぬんだ」と言って、うつ状態になってしまいました。 ある日、その老人はたばこが原因でがんになることがあっても、たばこのせいでがんが進行するわけではないと開き直りました。その老人は再びたばこを吸いだすと見違えるように元気になり、そのあともたばこを吸い続けて10年、92歳まで生きました。最期は肺がんではなく、脳出血で亡くなりました』、「友人の祖父は82歳のときに肺がんが見つかり、医師には「もう手遅れで手術もできない」と言われ、家族には「がんが進行してしまうから、たばこはやめなさい」と取り上げられてしまいました。 それでなくても、がんと宣告されてショックを受けていたのに、そのうえたばこまで取り上げられてしまったので、「オレはもう死ぬんだ」と言って、うつ状態になってしまいました。 ある日、その老人はたばこが原因でがんになることがあっても、たばこのせいでがんが進行するわけではないと開き直りました。その老人は再びたばこを吸いだすと見違えるように元気になり、そのあともたばこを吸い続けて10年、92歳まで生きました。最期は肺がんではなく、脳出血で亡くなりました」、「82歳」で「肺がんが見つかり、医師には「もう手遅れで手術もできない」と言われ、家族には「がんが進行してしまうから、たばこはやめなさい」と取り上げられてしまいました」、年齢からも「たばこ」を止める必要はなかった。「「オレはもう死ぬんだ」と言って、うつ状態になってしまいました。 ある日、その老人はたばこが原因でがんになることがあっても、たばこのせいでがんが進行するわけではないと開き直りました。その老人は再びたばこを吸いだすと見違えるように元気になり、そのあともたばこを吸い続けて10年、92歳まで生きました。最期は肺がんではなく、脳出血で亡くなりました」、人生なんてそんなものなのかも知れない。
・『いつ死ぬかなんて誰にもわからない  わたしの血圧や血糖値、コレステロール値は、一般的に治療が必要とされる数値ですが、わたしは快適に暮らしていくため、自分なりに治療を受ける受けないを判断しています。これは自らのからだを使って人体実験をしているので、正直、何歳まで生きられるかはわかりませんし、70代、はたまた60代のうちに致命的な支障をきたしてしまうこともあるかもしれません。 しかし、80歳の壁を超えることができれば、なんらかの問題を抱えていたとしても、この80代もストレスなく愉快に生きられるはずだと思っています。なぜなら、一般的に「要治療」とされる数値であっても、自分の判断でどうするのか=対策を決めていますから、それに対する不安や心配事などないのです。 いくつまで生きられるか、それはわたしも含めて誰にもわかりません。これを心配しても始まりませんから、ただ自分の好きなことや楽しいと思えることを続けていくことが大切だと思っていますし、これは80代となっても変わらないはずです。) 不安のことでもう一つ、大切な話をしておきましょう。 著名な政治家や会社の社長が、カッとなり暴言を吐いたことで失脚してしまうというニュースを聞くことがよくあります。そのことで多くの人が「簡単に怒ってはいけないんだ」と思ってしまっているかもしれません。ところが、そのようなことは日本では珍しいからニュースになるわけで、怒り感情をあらわにして地位を失う人は、実はそんなに多くありません。 逆に腹が立っているのに、うまく怒ることのできない人のほうが日本人には圧倒的に多いのです。それは、怒りの感情をあらわにして他人から嫌われるのがイヤだからという理由で、正しい感情のコントロールができていないからなのです。 それよりも問題なのは、企業の社長をはじめとする高学歴でかつ出世競争にも勝ち抜いてきた人が、いとも簡単に粉飾決算をしたり、リコール隠しをしたりして、結局のところ刑事罰を受けるような始末となることです。 業績や評判の悪化、株主たちの目を恐れる不安感情から善悪の判断がつかなくなっているからで、わたしのような精神科医の立場から見ると、このように怒りの感情よりも不安感情のコントロールができないほうがよほど怖いといえます』、「問題なのは、企業の社長をはじめとする高学歴でかつ出世競争にも勝ち抜いてきた人が、いとも簡単に粉飾決算をしたり、リコール隠しをしたりして、結局のところ刑事罰を受けるような始末となることです。 業績や評判の悪化、株主たちの目を恐れる不安感情から善悪の判断がつかなくなっているからで、わたしのような精神科医の立場から見ると、このように怒りの感情よりも不安感情のコントロールができないほうがよほど怖いといえます」、同感である。
・『人の目を気にするから不安にさいなまれる  ここでおもしろいエピソードを紹介しましょう。 以前わたしが出版した『不安に負けない気持ちの整理術』という、不安にまつわる本はあまり売れませんでした。一方で『感情的にならない本』『感情的にならない気持ちの整理術』という本は50万部と30万部のベストセラーになりました。 感情的になってはいけないと思っている人は多いのですが、不安感情のほうがもっと怖いものだと認識している人が少ないということをよくあらわしています。怒りも不安も気持ちをきちんと整理すれば、怒るべきところで怒ることができるし、不安に支配されて判断を誤ることもないのです。 わたしは2022年の秋、日本国内では新型コロナウイルス感染症第7波のただ中にオーストラリアへ行きましたが、そこでは誰もマスクをしていませんでした。日本では、室内でなくても誰もがマスクをしていて、その当時の日本のマスク着用率は85%以上と、世界各国に比べて突出していました。 日本にいると日本人だけが異常だということに誰も気づかないのです。テレビをはじめとするメディアが報道している情報だけでなく、実際に自分の目で見たことのほうがよりリアルな情報として正しいことが多いのです。) さらに高齢者は感染リスクや感染後の死亡率も高いとされて、ここ日本では高齢者をマスクどころか家や施設に閉じ込めてしまいました。海外では、高齢者も当たり前のようにマスクを外して自由に行動しています。コロナ感染を怖がって家に閉じこもり、皆がマスクをするからマスクをするのではなく、もっと外へ目を向けてみるべきです。 このように、不安感情は人の行動を制限してしまいます。不安を強く感じすぎると思考がゆがんでしまい、何をするにも縮こまって生活していくこととなり、人生そのものがとても苦しいものになってしまいかねません。 結局はなるようにしかならないのですが、とはいえ残念ながら人は不安感情を完全に払拭することはできません。とくに日本人は先々の不安を感じやすい傾向にあります』、「不安感情は人の行動を制限してしまいます。不安を強く感じすぎると思考がゆがんでしまい、何をするにも縮こまって生活していくこととなり、人生そのものがとても苦しいものになってしまいかねません。 結局はなるようにしかならないのですが、とはいえ残念ながら人は不安感情を完全に払拭することはできません。とくに日本人は先々の不安を感じやすい傾向にあります」、「とくに日本人は先々の不安を感じやすい傾向にあります」、その通りだ。
・『「なるようにしかならない」  がんになったらどうしよう、認知症になったらどうしよう……考え始めたらキリがないほど不安材料が出てくると思います。実際は起こらないか起きてもささいなことがほとんどなのですが、なぜか多くの人が先々の不安を抱えて悩んでしまうのです。 不安を少しでも解消する方法があるとすれば、実際に起こりえることを予測するのが有効です。人は、自分が知らないことや経験したことがないことで、不安になります。ですから、その不安の正体を突き止めることができれば、不安に振り回されることもなくなるはずです。 がんになるかもと思っている人は、自分ががんになったら、どこの病院でどんな治療を受けるか、認知症になるのが不安なら、介護保険を受給するための準備をするなどです。なるかならないか、誰にもわからないことに不安をもつのではなく、なってしまうことを前提にあらかじめ解決策を用意しておくことで、先々の不安はかなり軽減されることでしょう。 多くの不安を抱える高齢者を診てきたなかで、「なるようにしかならないのだから先々の不安、心配はいらない」というのがわたしの持論です。 そして、これは誰もが知っておいたほうがいいと思いますが、先のことを心配していい対策が見つけられるのならそうすればいいのですが、それが見つけられないなら心配なんてしないほうがいいのです。先のことは、誰にも予想がつきません。予想がつくと思っているのは、人間のおごり高ぶりです』、「先のことを心配していい対策が見つけられるのならそうすればいいのですが、それが見つけられないなら心配なんてしないほうがいいのです。先のことは、誰にも予想がつきません。予想がつくと思っているのは、人間のおごり高ぶりです」、同感である。

第四に、7月16日付けPRESIDENT Onlineが掲載した医師・テストステロン治療認定医の平澤 精一氏による「「夜中に尿意で目が覚める」は早死のサイン…専門医が指摘する"寿命とトイレ"の知られざる関係 「就寝後のトイレ」で死亡率は2倍になる」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/71627
・『夜中に尿意で目が覚める「夜間頻尿」にはどんなリスクがあるのか。医師の平澤精一さんは「夜間排尿の回数が一晩に2回以上ある高齢者は、1回以下の高齢者に比べて、死亡率が1.98倍になる。夜間頻尿に悩む人は年齢が上がるほど多くなるが、『歳だから仕方ない』と考えないほうがいい」という――。 ※本稿は、平澤精一『老化を「栄養」で食い止める 70歳からの栄養学』(アスコム)の一部を再編集したものです』、「夜間頻尿」に悩まされる私としては、ひとしお関心が高いテーマだ。
・『日本人を悩ませる「夜間頻尿」の怖さ  私の専門は泌尿器科ですが、高齢の患者さんから非常によく聞くのが夜間頻尿の悩みです。夜間頻尿とは、「就寝後、トイレに行くために1回以上起きなければならず、それによって日常生活に支障をきたして困っている状態」のことです。 みなさんの中にも、「歳をとってから、夜中に何度も尿意を覚えて目が覚め、トイレに行ってしまう」「そのせいで、なかなか熟睡できない」と悩んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか。 夜間頻尿に悩む人は、年齢が上がるほど多く、日本排尿機能学会が2002年に行った調査によると、60代では39.7%、70代では62.0%、80代では83.9%の人が夜間排尿の症状を抱えており、予備軍を含めると、40歳以上の約4500万人が夜間頻尿を患っていることがわかりました。 なかなか人に相談しづらく、多くの人が「歳だから仕方がない」とあきらめてしまいがちな夜間頻尿ですが、テストステロン不足や亜鉛不足などと同様、放っておくと、心身の健康に深刻な影響を及ぼしかねません』、私も夜間3~4回トイレに行くので、人ごとではない。
・『死亡率が1.98倍になる「夜間頻尿と死亡率」の関係  実は、国内の研究により、夜間排尿の回数が一晩に2回以上ある高齢者は、1回以下の高齢者に比べて、死亡率が1.98倍になるという報告が上がっています。 また、「夜間頻尿と死亡率の関係」に関する複数の研究結果を統合したところ、夜間排尿の回数が一晩に2回以上あると死亡率が29%増加し、3回以上になると46%増加するという結果が出ています。 夜間にトイレに行くと、足元がふらついたり、暗くて周りが見えなかったりするため、転倒するリスクも高まります。アメリカの研究機関からは、一晩に3回以上の夜間頻尿があると、トイレに行く際に転倒するリスクが1.28倍になるとの報告も上がっています。 転倒した際に打ちどころが悪ければ、死亡してしまう危険性もありますし、転倒による骨折がきっかけとなって、フレイルに、そして寝たきりになってしまうおそれも十分にあります。 さらに、夜間頻尿は、心身の健康やQOLにも大きな影響を及ぼします。夜中に、トイレに行くために何度も起きると、その後眠れなくなったり、眠りが浅くなったりして、十分な睡眠、質の高い睡眠をとることができなくなります』、「夜間排尿の回数が一晩に2回以上あると死亡率が29%増加し、3回以上になると46%増加」、ショッキングな数字だ。ただ、私の場合、「トイレ」で起きても、終わればすぐに眠れるので、苦痛はそれほどでもない。
・『夜間頻尿は健康寿命を左右する重要な問題だ  すると、当然のことながら、意欲や集中力が低下する、疲れが取れにくくなる、昼間に眠くなる、イライラしやすくなる、といったことが起こりやすくなります。仕事でミスをすること、自動車を運転しているときに集中できなかったり眠くなったりして、事故を起こしてしまうこともあるかもしれません。 体のさまざまなホルモンのバランスも、7時間眠ることで整うといわれています。つまり、夜間頻尿で睡眠不足に陥ると、ホルモンのバランスが乱れ、心身にさまざまな不調が表れるおそれがあります。 こうした心身の不調から、外出したり人に会ったりするのがおっくうになったり、うつ状態に陥ってしまったりする人もいるでしょう。70歳以上の人にとって夜間頻尿は、寿命を、そして健康寿命を左右する、非常に重要な問題なのです。 では、一体なぜ、夜間頻尿が死亡率の増加につながるのでしょうか? まず考えられるのが、夜中にいきなり冷たい便座に座ることで、急激な温度変化に伴って血圧が変動し、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などが引き起こされることです。排尿によって血管が拡張され、血圧が下がり、心臓から脳へ送られる血液の量が急激に減って、脳が酸素不足になってしまう「排尿失神」が起こることもあります』、「70歳以上の人にとって夜間頻尿は、寿命を、そして健康寿命を左右する、非常に重要な問題なのです」、なるほど。
・『原因は夜間多尿、膀胱蓄尿障害、睡眠障害の3つ  では、なぜ年齢を重ねると、夜間頻尿になってしまうのでしょうか? その原因についてお話ししましょう。夜間頻尿の原因には、主に次の3つのタイプがあると考えられています。 ①夜間多尿 ②膀胱蓄尿障害 ③睡眠障害 そして、糖尿病や高血圧、肥満、あるいは心疾患や腎疾患の治療薬の服用などが引き金となっているケースもありますが、多くの場合、ホルモンの減少、腎臓機能や膀胱機能の低下、筋力の低下、睡眠のリズムの乱れなど、加齢に伴う体の変化が、これら3つの原因を引き起こしています』、「多くの場合、ホルモンの減少、腎臓機能や膀胱機能の低下、筋力の低下、睡眠のリズムの乱れなど、加齢に伴う体の変化が、これら3つの原因を引き起こしています」、なるほど。
・『ホルモンバランスの乱れ、筋力の低下  ここからは、夜間頻尿の3つの原因について、もう少し詳しくご説明しましょう。まず、①の「夜間多尿」は、夜間に作られる尿量が多い状態のことです。 通常、人間の一日の尿量は約1000~2000mL、一回の排尿量は約200~400mLであり、排尿回数は、日中は5~7回程度、夜間(就寝中)は0~1回程度です。 しかし、睡眠前に水分を過剰摂取したり、心疾患や腎疾患の患者さんが、睡眠前に利尿薬を服用したり、加齢により、尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌バランスが乱れたりすると、夜間の尿量が増えてしまうのです。 加齢による筋力や血管の収縮力の低下も、夜間多尿の原因となります。筋力や血管の収縮力が低下すると、血液の循環が悪くなり、下半身に水分がたまります。その状態のまま横になると、下半身にたまっていた水分が上半身に移動し、心臓に負担がかかります。 すると体は、排尿を促す「利尿ペプチド」というホルモンを分泌し、余計な水分を体の外に出そうとするのです。 なお、一日(24時間)に作られる尿量のうち、夜間(就寝中)に作られる量が、65歳以上の場合は3分の1(33%)以上、若年者では5分の1(20%)を超える場合、夜間多尿であるとされています』、「加齢により、尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌バランスが乱れたりすると、夜間の尿量が増えてしまうのです。 加齢による筋力や血管の収縮力の低下も、夜間多尿の原因となります。筋力や血管の収縮力が低下すると、血液の循環が悪くなり、下半身に水分がたまります。その状態のまま横になると、下半身にたまっていた水分が上半身に移動し、心臓に負担がかかります。 すると体は、排尿を促す「利尿ペプチド」というホルモンを分泌し、余計な水分を体の外に出そうとするのです」、なるほど。
・『少ない尿量でも尿意を感じてしまう  ②の「膀胱畜尿障害」は、膀胱に十分に尿をためることができない状態のことです。 膀胱は骨盤内にある臓器で、腎臓とは尿管でつながっています。腎臓は、細胞の活動の結果生じた老廃物や、体内の余計な塩分などを排出するため、尿を作って膀胱に送り、膀胱にある程度の量の尿がたまると、尿意を感じるようになっています。 膀胱は、尿がたまるまでは風船のように膨らみ、十分にたまったら、収縮して尿を排出します。 通常は200mLほど尿がたまったところで尿意を感じ始め、400mLほどたまってから排尿するのですが、何らかの原因で膀胱畜尿障害になると、膀胱に十分に尿をためることができず、少ない尿量でも尿意を感じてしまうのです。 原因としては、出産や手術、病気、けがなどが挙げられますが、特に多いのが、加齢に伴う「過活動膀胱」や「前立腺肥大症」です。 過活動膀胱は、性別にかかわらず発生する症状です。歳をとると、血管が老化し、血流が悪くなります。すると、膀胱にも、細胞の活動に必要な栄養や酸素が行き渡らなくなり、膀胱のしなやかさや弾力性が失われてしまいます』、私の場合、「前立腺肥大症」が該当する。
・『男性特有の病気である恐れがある  さらに、血流が悪くなると、膀胱壁の神経がダメージを受け、排尿筋も過活動になります。その結果、膀胱に十分に尿をためられなくなり、かつ膀胱が過敏に反応して、少ない尿量でも尿意を感じてしまうのです。 加齢によって骨盤底筋が衰え、骨盤の上にある臓器を支えられなくなることも、過活動膀胱の原因となります。臓器が下垂して膀胱や尿道を圧迫し、尿意を感じやすくなるのです。 一方、前立腺肥大症は、男性特有の病気です。前立腺は、膀胱のすぐ下に、尿道を取り囲むように存在している、クルミのような形をした器官で、生殖に関わる働きや排尿をコントロールする働きがあります。 この前立腺が何らかの原因で肥大すると、尿道が圧迫され、ちょっとした刺激で尿意を感じたり、きちんと排尿ができず、残尿が生じてしまったりするのです。 原因は、まだ完全に明らかになってはいませんが、加齢に伴うテストステロンの分泌量の低下が、前立腺肥大を招いているのではないかと考えられています』、「加齢に伴うテストステロンの分泌量の低下が、前立腺肥大を招いているのではないかと考えられています」、なるほど。
・『睡眠障害で夜間頻尿になり、眠りがさらに浅くなる悪循環  最後に、③の「睡眠障害」についてお話ししましょう。 「寝つきが悪い」「熟睡できない」「夜中に目が覚めてしまう」など、睡眠に関する悩みを抱えている高齢者は少なくありません。 本書(第5章)でお伝えしたように、人間の睡眠のリズムにはメラトニンというホルモンが大きく関わっていますが、メラトニンの分泌量は、子どものころをピークに徐々に減っていき、高齢者の体内ではわずかな量しか作られません。そのため、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなり、ちょっとしたことで目が覚めたりするようになります。 さらに、高齢になり、社会活動から遠ざかると、日中の活動量が低下するため、体が必要とする睡眠の量が減りますし、狭心症や関節リウマチなど、高齢者がかかりやすい病気からくる痛みや辛さも睡眠を妨げます。) こうした原因で夜中に目が覚めたときに、たまたま尿意を感じた結果、尿意で目が覚めたと錯覚し、「目が覚めたときにトイレに行く」ことが習慣化して、夜間頻尿になることが少なくありません。 そして、睡眠障害が原因で夜間頻尿になり、眠りがさらに浅くなるという悪循環に陥ってしまうのです』、なるほど。
・『糖尿病の人、高血圧の人、太っている人は要注意  ほかに、睡眠時無呼吸症候群から夜間頻尿になることもあります。「睡眠時無呼吸」とは、睡眠中に呼吸が10秒以上止まる状態のことであり、1時間当たり5回以上の無呼吸や、呼吸が弱くなる低呼吸が発生していると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。 糖尿病の人や高血圧の人、太っている人などは、睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向があります。 睡眠中の体内では、通常は、体を休息モードにする副交感神経が優位になっています。副交感神経が優位なとき、私たちは尿意を感じにくくなります。健康なときや若いとき、昼間に比べて、夜間にトイレに行くことが少ないのはそのためです。 ところが、睡眠時無呼吸症候群になると、無呼吸状態のときに血液中の酸素濃度が低下し、血圧や心拍数が上昇します。すると、体を緊張させる交感神経が優位になり、膀胱が収縮して、尿意を感じやすくなってしまうのです』、「糖尿病の人、高血圧の人、太っている人は要注意」には該当しないが、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性はありそうだ。
・『寝る前の習慣を見直すことで、夜間頻尿は改善できる  多くの場合、夜間頻尿は、自然に治ることは期待できません。 たまたま寝る前に水分を摂りすぎた日だけ、夜中に何度かトイレに行きたくなるという人や、夜中にトイレで1~2回起きても、その後熟睡できるため、生活に支障がないという人はあまり心配しなくても大丈夫ですが、毎晩必ず2回以上目が覚めてしまい、睡眠不足になったりストレスがたまったりしているという人は、改善のための対策をとる必要があります。 薬を使った治療も有効ですが、寝る前の習慣を見直すことで、夜間頻尿が改善することもあります。 ここでは、特に気をつけていただきたいポイントのみ、いくつかご紹介しましょう』、私にも該当する「習慣」があるのだろうか。
・『「水分をたくさん摂ると健康になる」に医学的な根拠はない  近年、よく耳にするのが「高齢者はできるだけたくさん水分を摂ったほうがいい」「夜、寝る前に水分をたくさん摂ると、血液がサラサラになり、寝ている間の脳梗塞や心筋梗塞などを予防できる」といった情報です。 しかし、医学的には、「寝る前に水分をたくさん摂ることで、夜間や早朝の脳梗塞や心筋梗塞などを予防できる」とは証明されていません。 もちろん、体にとって水分は大事です。極端に水分摂取量を減らすと、たしかに、脱水症状や熱中症などを引き起こし、ひどくなると、循環不全や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも出てきます。) ただ、何事もバランスが大事です。当然のことながら、水をたくさん飲めば、その分、尿の量も増えます。寝る前に水分を摂りすぎることによって夜間頻尿になるケースも、実は少なくないのです。 また、寝る前だけたくさん摂るのではなく、朝から夜までの間に、こまめに水分補給をしてください。なお、温かい飲みものと冷たい飲みものとでは、冷たい飲みもののほうが体が冷え、膀胱の筋肉が縮んで、尿意を感じやすくなります。 夜間頻尿に悩んでいる人は、できるだけ温かい飲みものを口にするようにしましょう』、「できるだけ温かい飲みものを口にするようにしましょう」、これには気をつけたい。
・『寝る前のカフェイン、アルコール、塩分はNG  寝る前には、できるだけカフェインやアルコールを摂らないようにしましょう。カフェインには利尿作用があるからです。高齢者が好きな緑茶、特に玉露には、コーヒーの2倍以上のカフェインが含まれています。 寝る前にどうしてもお茶が飲みたくなったときは、カフェインがほとんど、もしくはまったく含まれていない煎茶やウーロン茶、麦茶、ハーブティーなどを飲むようにしましょう。 アルコールにも利尿作用がありますが、中でも、新陳代謝を促すカリウムが含まれているビールや赤ワイン、紹興酒などを飲むと、頻尿になりやすくなります。 しかもビールは水などに比べ、10倍の速さで尿を作るといわれており、体外に水分が排出されると、体は脱水状態になるのを防ぐため、さらに水分が欲しくなるという悪循環に陥ります。夜間頻尿が気になる方は、寝る前のお酒はできるだけ控えるようにしましょう』、「寝る前のお酒はできるだけ控えるようにしましょう」、これにも気をつける必要がありそうだ。やれやれ・・・。
タグ:高齢化社会 (その23)(和田 秀樹氏3題(「協調性のない高齢者」のほうが"若い"という根拠、「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと、82歳で肺がん「たばこを禁止」にした家族の決断)、「夜中に尿意で目が覚める」は早死のサイン…専門医が指摘する"寿命とトイレ"の知られざる関係 「就寝後のトイレ」で死亡率は2倍になる) 東洋経済オンライン 和田 秀樹氏による「「協調性のない高齢者」のほうが"若い"という根拠 「心のブレーキ」が老いを加速させるその理由」 『心が老いない生き方』(ワニブックスPLUS新書) 「年齢呪縛」とは言い得て妙だ。 「あれこれ言い訳をして行動をためらってしまうのは、それだけワクワク感が小さくなっているからだとも言えます。心が老いるとワクワクしなくなるのです」、なるほど。 「前頭葉が若々しいころでしたら、「わあ、行きたい」「いますぐ食べたい!」といったワクワク感が爆発しますから、先延ばしの言い訳なんか入り込む余地がないのです。 ワクワク感の衰えも心の老いを感じさせます」、老化で「ワクワク感」がなくなるというのは寂しい限りだ。 「ある年齢になってくると、ランチのメニューが決まってきます。「〇〇軒のラーメン」とか「○○屋の天ぷらそば」といった定番メニューが決まってしまい、それ以外の店には出かけなくなってきます」、「心の老いはランチのメニューにも表われるのです」、なるほど。 「老いてくると、この協調性が自然に備わってきます。備わってくるというより、自分に言い含めるようになってきます。 「いい齢をしてわがまま言うと嫌われるな」とか「齢なんだからもう少し穏やかにならないと」と自分に言い聞かせ、家族や周囲の意見に合わせるようになってくるからです」、なるほど。 「心が老いてくると、そういうドキドキすることやワクワクすることを避けるようになってきます」、なるほど。 「高齢になってくるとほとんどの人が慣れた世界を選ぶようになります。たとえばメニューを眺めて初めての料理と食べ慣れた料理があれば、どうしても食べ慣れたほうを選びます。 これは味つけや素材がわかっていたほうが安心だからです」、 「同じ高齢者でも若々しいタイプは違います。 結果がわかっている世界より、予測できない世界のほうを選びたがります。たとえばみんなで食事をするときでも、メニューに聞いたことのない料理名を見つけると「これなんだろ?食べてみるかな」と面白がります・・・知り尽くした安心感より、未知の経験や世界のほうに惹かれてしまいます。ワクワク、ドキドキすることが快感だからです」、なるほど。 「結果を予測できない世界に踏み出すことは勇気が要ります。たとえ心がそれを求めているとしても、「いくつになったと思うんだ」と実年齢を言い聞かせることで諦めがつきます。確かな現実を持ち出せば、心の不自由を受け入れることも納得できるのです」、なるほど。 和田 秀樹氏による「「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと 「第二の人生」は"70歳"からが本番と言える根拠」 『わたしの100歳地図』 「80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、70代の過ごし方にかかっていると考えている」、興味深そうだ。 「わたしは、幼少期からADHD・・・の傾向があり、一つのことに集中できずいろいろなことに興味がわいてしまい、未知のものだとしても気になったことはすべて挑戦してきました。 このような傾向は幼少期にとどまらず、大学時代は医学部にいながらフリーライターとして、雑誌を中心にさまざまな取材、執筆活動をしていました。 そうした経験が、医師としてのいまの仕事や作家としての執筆、映画監督としての活動に大いに役立っているのですが、プライベートにおいても同様です」、和田氏が「ADHD」だとは初めて知ったが、多角的な活動ぶりを見れば、その通りなのだろう。 「日本ではなぜか美容医療やアンチエイジングの治療にネガティブなイメージをもつ人が多いのですが、治療を受けることで若々しさを保つことができて、気持ちまで前向きになれるのでしたら、ためらわずに試してみるべきです」、 「周りに求められて長く現役を続けている人は幸せな人生を歩んでいます。 日本大学の顧問になった元オリックス会長の宮内義彦さんも、その一人です。現在86歳(本書執筆時点)ですが、頭もからだもしっかりしていて、鋭い意見をおもちの方なので、周囲の人たちも一目おいています」、その通りなのだろう。 「「自分の幸せ」という観点からは、仕事を辞めてフヌケ状態になるよりは、続けられるかぎりは仕事を辞めるべきではありません。高齢になっても働き続けるということは、心身の健康を維持し、老化を遅らせるという意味でとても有効なのです」、「65~69歳の就業率は10年連続で伸び続けて、2021年には初めて50%を超えて50.3%となり、半数以上の人が働いていることが見てとれます。70歳以上も5年連続で上昇し、18.1%と5人に1人に近い就業率を示しています」、「70歳以上も・・・18.1%」とは予想外に高いようだ。 私の場合は、1日8千歩の散歩を朝と昼にするほかは、このブログの執筆である。 和田 秀樹氏による「82歳で肺がん「たばこを禁止」にした家族の決断 和田秀樹さんが語る「80歳の壁」を越えてからの生き方」 「友人の祖父は82歳のときに肺がんが見つかり、医師には「もう手遅れで手術もできない」と言われ、家族には「がんが進行してしまうから、たばこはやめなさい」と取り上げられてしまいました。 それでなくても、がんと宣告されてショックを受けていたのに、そのうえたばこまで取り上げられてしまったので、「オレはもう死ぬんだ」と言って、うつ状態になってしまいました。 ある日、その老人はたばこが原因でがんになることがあっても、たばこのせいでがんが進行するわけではないと開き直りました。その老人は再びたばこを吸いだすと見違えるように元気になり、そのあともたばこを吸い続けて10年、92歳まで生きました。最期は肺がんではなく、脳出血で亡くなりました」、「82歳」で「肺がんが見つかり、医師には「もう手遅れで手術もできない」と言われ、家族には「がんが進行してしまうから、たばこはやめなさい」と取り上げられてしまいました」、年齢からも「たばこ」を止める必要はなかった。 「「オレはもう死ぬんだ」と言って、うつ状態になってしまいました。 ある日、その老人はたばこが原因でがんになることがあっても、たばこのせいでがんが進行するわけではないと開き直りました。その老人は再びたばこを吸いだすと見違えるように元気になり、そのあともたばこを吸い続けて10年、92歳まで生きました。最期は肺がんではなく、脳出血で亡くなりました」、人生なんてそんなものなのかも知れない。 「問題なのは、企業の社長をはじめとする高学歴でかつ出世競争にも勝ち抜いてきた人が、いとも簡単に粉飾決算をしたり、リコール隠しをしたりして、結局のところ刑事罰を受けるような始末となることです。 業績や評判の悪化、株主たちの目を恐れる不安感情から善悪の判断がつかなくなっているからで、わたしのような精神科医の立場から見ると、このように怒りの感情よりも不安感情のコントロールができないほうがよほど怖いといえます」、同感である。 「不安感情は人の行動を制限してしまいます。不安を強く感じすぎると思考がゆがんでしまい、何をするにも縮こまって生活していくこととなり、人生そのものがとても苦しいものになってしまいかねません。 結局はなるようにしかならないのですが、とはいえ残念ながら人は不安感情を完全に払拭することはできません。とくに日本人は先々の不安を感じやすい傾向にあります」、「とくに日本人は先々の不安を感じやすい傾向にあります」、その通りだ。 「先のことを心配していい対策が見つけられるのならそうすればいいのですが、それが見つけられないなら心配なんてしないほうがいいのです。先のことは、誰にも予想がつきません。予想がつくと思っているのは、人間のおごり高ぶりです」、同感である。 PRESIDENT ONLINE 平澤 精一氏による「「夜中に尿意で目が覚める」は早死のサイン…専門医が指摘する"寿命とトイレ"の知られざる関係 「就寝後のトイレ」で死亡率は2倍になる」 平澤精一『老化を「栄養」で食い止める 70歳からの栄養学』(アスコム) 「夜間頻尿」に悩まされる私としては、ひとしお関心が高いテーマだ。 私も夜間3~4回トイレに行くので、人ごとではない。 「夜間排尿の回数が一晩に2回以上あると死亡率が29%増加し、3回以上になると46%増加」、ショッキングな数字だ。ただ、私の場合、「トイレ」で起きても、終わればすぐに眠れるので、苦痛はそれほどでもない。 「70歳以上の人にとって夜間頻尿は、寿命を、そして健康寿命を左右する、非常に重要な問題なのです」、なるほど。 「多くの場合、ホルモンの減少、腎臓機能や膀胱機能の低下、筋力の低下、睡眠のリズムの乱れなど、加齢に伴う体の変化が、これら3つの原因を引き起こしています」、なるほど。 「加齢により、尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌バランスが乱れたりすると、夜間の尿量が増えてしまうのです。 加齢による筋力や血管の収縮力の低下も、夜間多尿の原因となります。筋力や血管の収縮力が低下すると、血液の循環が悪くなり、下半身に水分がたまります。その状態のまま横になると、下半身にたまっていた水分が上半身に移動し、心臓に負担がかかります。 すると体は、排尿を促す「利尿ペプチド」というホルモンを分泌し、余計な水分を体の外に出そうとするのです」、なるほど。 私の場合、「前立腺肥大症」が該当する。 「加齢に伴うテストステロンの分泌量の低下が、前立腺肥大を招いているのではないかと考えられています」、なるほど。 「糖尿病の人、高血圧の人、太っている人は要注意」には該当しないが、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性はありそうだ。 私にも該当する「習慣」があるのだろうか。 「できるだけ温かい飲みものを口にするようにしましょう」、これには気をつけたい。 「寝る前のお酒はできるだけ控えるようにしましょう」、これにも気をつける必要がありそうだ。やれやれ・・・。
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