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ホテル(その7)(【無料公開】アパが電鉄系を大量買収!「ゾンビ化ホテル」に突き付けられる3つの究極の選択、アパホテル「コロナ禍の逆風でも業績好調」の戦略 「直販+ダイナミック・プライシング」で成功、シャトレーゼホテルに「汚部屋」批判…ホテル再生には“性悪説”が重要だ) [産業動向]

ホテルについては、昨年7月31日に取上げた。今日は、(その7)(【無料公開】アパが電鉄系を大量買収!「ゾンビ化ホテル」に突き付けられる3つの究極の選択、アパホテル「コロナ禍の逆風でも業績好調」の戦略 「直販+ダイナミック・プライシング」で成功、シャトレーゼホテルに「汚部屋」批判…ホテル再生には“性悪説”が重要だ)である。

先ずは、昨年8月2日付けダイヤモンド・オンライン「【無料公開】アパが電鉄系を大量買収!「ゾンビ化ホテル」に突き付けられる3つの究極の選択」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/305778
・『アパグループが電鉄系ビジネスホテルを大量買収するなど攻勢をかけている。アパにとってコロナ危機はチャンスでもあった。一方で宿泊客激減でゾンビ化したホテルは、ピンチを前に「三つの究極の選択肢」を突き付けられている。特集『ホテルの新・覇者』(全18回)の#14では、ゾンビ化ホテルの今後に迫る』、興味深そうだ。
・『アパにチャンス到来 電鉄系ビジネスホテルを買収  新型コロナウイルスの感染拡大により、電鉄会社のホテル売却が相次いだ。本業の鉄道における収益が伸び悩む中、インバウンド需要を当て込んで建てたビジネスホテルの事業が赤字に転落して足を引っ張ったためだ。 ホテル大手のアパグループにとってはチャンス到来。立て続けに電鉄会社のビジネスホテルを買収した(次ページに「アパグループが取得した電鉄系ホテル」のリストを掲載)。 次ページでは、アパがなぜ当該の電鉄系ホテルを選んで買ったのか、その詳細を明らかにする。さらに、宿泊客激減でゾンビ化したホテルが突き付けられている「三つの究極の選択肢」を示す』、「インバウンド需要を当て込んで建てたビジネスホテルの事業が赤字に転落して足を引っ張ったためだ・・・アパグループにとってはチャンス到来。立て続けに電鉄会社のビジネスホテルを買収した」、なるほど。
・『京急と西鉄がホテルを売却 「所有直営」だから選択できた  アパグループはコロナ禍以降、京浜急行電鉄から「京急EXイン羽田・穴守稲荷駅前」と「京急EXイン浅草橋駅前」(いずれも東京都)の2軒、西日本鉄道から「西鉄イン蒲田」(東京都)、「西鉄イン名古屋錦」(名古屋市)、「西鉄イン心斎橋」(大阪市)の3軒を買収した。 アパホテルの空白地帯にあったもの、自社ホテルと競合するエリアにあったものなどで、いずれもアパホテルにリブランドして最近リニューアルオープンした』、「京浜急行電鉄から「京急EXイン羽田・穴守稲荷駅前」と「京急EXイン浅草橋駅前」(いずれも東京都)の2軒、西日本鉄道から「西鉄イン蒲田」(東京都)、「西鉄イン名古屋錦」(名古屋市)、「西鉄イン心斎橋」(大阪市)の3軒を買収した」、なるほど。
・『アパが電鉄系を大量買収!「ゾンビ化ホテル」に突き付けられる3つの究極の選択  赤字を垂れ流して今後も厳しい状況が続く、あるいは完成直前ないし直後にコロナ禍がぶつかりオープンの見通しが立たないことで“ゾンビ化”したホテル――。そうしたホテルを抱える企業は今後どうするか決断を迫られている。 京急や西鉄のように「物件を売却」するのが一つ目の選択肢になる。ただし、この手が使えるのは土地と建物がワンセットになっている場合に限られる。 下図のように、主なホテル運営の方式には「所有直営方式」と「賃貸(リース)方式」がある。 (図表:ホテルの所有と賃貸の仕組み はリンク先参照) 所有直営方式では、土地・建物のオーナーが自ら運営する。この方式のメリットは、自らオーナーとなるため、土地・建物の賃料を払わなくていいこと。不動産取得費用は通常、金融機関からの借り入れで賄われる。そのため資金調達が必要で、短期間でのチェーン展開がしにくいというのがデメリットだ。 この方式なら、電鉄会社のようにホテルを切り売りして手元キャッシュを賄い急場をしのげる。多額の借金が残っている新築物件などは売ってもマイナスになる場合もあるが、早めに手放すことでキャッシュがこれ以上流出していくのを防ぐ手だてとなる。つまり「損切り」である。 収益用マンション開発を本業とする不動産会社、第一リアルターは大胆に損切りを決断した。同社はインバウンド需要の追い風を受け、ビジネスホテルを建てて完成後に投資家に売るという事業に乗り出していた。このホテル建て売りビジネスに2000億円以上を投じ、50棟以上のホテルを建て、業績を急激に伸ばした。「その分野では日本トップだった」と同社の奈良田隆社長は自負する。 ところが、投資したうちの1500億円分程度まで売却が終わったところでコロナ禍に直面した。ここで奈良田社長は買った土地をすぐ損切りしてでも売却すると決め、残っていた建設計画をストップした。「当社は未上場で業績予想を出す必要がない。だから自分で考えられるリスク・リターン分析だけでやれた」と奈良田社長。インバウンド需要で数百億円の利益を得ていたことに加え、コロナ禍の初期段階で“止血”したからこそ「何とか生き残れた」という』、「第一リアルターは大胆に損切りを決断した。同社はインバウンド需要の追い風を受け、ビジネスホテルを建てて完成後に投資家に売るという事業に乗り出していた。このホテル建て売りビジネスに2000億円以上を投じ、50棟以上のホテルを建て、業績を急激に伸ばした。「その分野では日本トップだった」と同社の奈良田隆社長は自負する。 ところが、投資したうちの1500億円分程度まで売却が終わったところでコロナ禍に直面した。ここで奈良田社長は買った土地をすぐ損切りしてでも売却すると決め、残っていた建設計画をストップした。「当社は未上場で業績予想を出す必要がない。だから自分で考えられるリスク・リターン分析だけでやれた」と奈良田社長。インバウンド需要で数百億円の利益を得ていたことに加え、コロナ禍の初期段階で“止血”したからこそ「何とか生き残れた」という」、賢明な手仕舞いだ。
・『「リース方式」の会社はホテル切り売りを選択できない  ホテル運営には賃貸(リース)方式もある。 ホテル会社は、不動産を持たずにオーナーから土地や建物を借りて運営する。メリットは、短期間でのチェーン展開がしやすいこと。しかし、宿泊客がゼロでもオーナーに一定の賃料を支払うという契約になっていることが多く、コロナ禍のようなケースではたちまち赤字に陥ってしまうデメリットがある。 リース方式で運営しているホテル会社は不動産がないため、ホテルを切り売りするという選択ができない。また、更地を借りてホテルは自ら建てようとしていた場合、コロナ禍で建物を建てられずに収益を出す見通しが立たないまま、地代家賃だけをオーナーに支払い続けることになるケースも。 インバウンドやビジネスの需要が戻るまで雇用調整助成金やコロナ融資などで食いつないだとしても、借り入れが膨らみ、コロナ禍が終息してもその返済に追われることになる。返済が追い付かず、金融機関が返済猶予や追い貸しに応じなくなった瞬間、息が続かなくなってしまう。 そのとき迫られる二つ目の選択肢が会社の売却、つまり「身売り」だ』、「迫られる二つ目の選択肢が会社の売却、つまり「身売り」だ」、なるほど。
・『「リース方式」のホテル会社は身売りも難しい  THEグローバル社の身売りは、世間でも話題になった。同社は京都市を中心に、2016年ごろからインバウンド向けのホテルを仕込んで建てまくり、飛ぶ鳥を落とす勢いで業績も急上昇した。 だがコロナ禍で一転、大赤字に。中国平安保険グループとSBIホールディングスが大株主である、マンションデベロッパーのアスコットに買収され、その軍門に下った。 ここで注意を払いたいのは、THEグローバル社に切り売りできる不動産があったからこそ身売りができたという点だ。 一方、ホテルバブルで業績を伸ばしてきた多くのホテル会社はリース方式で、オーナーに固定賃料を支払うために借金を重ねてきた。宿泊料収入がなくなれば、たちまち返済に行き詰まる。 それを投資家も分かっているから、オーナーとの賃料減額交渉が成立しているといったポジティブな要素でも見いだせない限り、リース方式のホテル会社は買わない。 リース方式の会社は身売りも難しいのだ』、「リース方式の会社は身売りも難しいのだ」、なるほど。
・『第三の選択はオフィスなどへの「用途転換」 三つ目の選択肢は、用途をホテル以外に変更する「用途転換(コンバージョン)」だ。 ホテル・旅館売買仲介業務やマーケット分析などを手掛けるバンガード・パートナーズには、日々売り物件の情報が入ってくる。だが、「ビジネスホテルでいい物件はあまりない」と、同社の檜山宗孝社長は言う。 「いい物件はあまりない」というのは価格面、ハード面の両方に当てはまる。価格面では売却希望価格が高く、買い手が出せる金額とのギャップが大きい。売り主はなるべく損切りしたくないため、価格を下げたがらないのだ。 ハード面では、近年造られた新しいものであっても魅力に乏しいものが多い。というのも、客室面積が小さいものが多く、今後の需要の取り込みを期待できないからだ。 ビジネスホテルは供給過多な上に、出張需要はコロナ禍前のレベルに戻らないと見立てるホテル関係者は多い。そうなると1~2人用客室の利用者は限られ、インバウンドからの3~5人用客室のニーズの方が強くなる。実際、損切りを行った第一リアルターの奈良田社長も今後、客室が広めの新たなタイプのホテル開発にチャンスを見いだしている。 バンガード・パートナーズでは最近、ビジネスホテルが供給過多の京都市で、あるホテル売却に携わった。本業が別にあって、ホテルがもうかるからちょっとやってみようという安易な考えで手を出してしまった揚げ句、失敗したというケースだ。 それでも売れればまだましだ。京都市で売りに出ている物件の中には、明らかにインバウンド狙いで住宅地に建ててしまったホテルもある。そうしたホテルは不便な場所にあるなど立地が悪く、コロナ禍以降、いまだに閉じられたままだ。 ホテルとしては価値がなく、そのままでは買い手もつかないという窮地に陥り、オフィスビルに用途転換するケースも出てきた。「客室の天井高がそれなりにあればオフィスにはできる」と檜山社長。もっとも、「採光の問題などから住宅への転用は基本的に難しい」という。 現状で需要は見込めそうもないが、ホテルとして続けたい、あるいは他への用途転換が難しい場合、ベッド数を増やしてファミリー層を取り込むなど顧客のターゲットを変えるといった策もあるにはある。だが、客室面積が小さいホテルではこれができないから、なかなか買い手がつかない。 究極ともいえる三つの選択肢。このどれも実行できなければ、残された道は倒産である。コロナ禍前から事業の急拡大によって多額の有利子負債を抱えていたり、競争激化で業績が低迷していたところは、ことさら危ない』、「ビジネスホテルは供給過多な上に、出張需要はコロナ禍前のレベルに戻らないと見立てるホテル関係者は多い。そうなると1~2人用客室の利用者は限られ、インバウンドからの3~5人用客室のニーズの方が強くなる。実際、損切りを行った第一リアルターの奈良田社長も今後、客室が広めの新たなタイプのホテル開発にチャンスを見いだしている・・・客室面積が小さいホテルではこれができないから、なかなか買い手がつかない。 究極ともいえる三つの選択肢。このどれも実行できなければ、残された道は倒産である。コロナ禍前から事業の急拡大によって多額の有利子負債を抱えていたり、競争激化で業績が低迷していたところは、ことさら危ない」、「ビジネスホテル」を取り巻く環境は厳しそうだ。

次に、8月22日付け東洋経済オンラインが掲載したボナ・ヴィータ代表取締役、BBT大学教授(マーケティング)の菅野 誠二 氏による「アパホテル「コロナ禍の逆風でも業績好調」の戦略 「直販+ダイナミック・プライシング」で成功」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/691314
・『インフレ、増税、円安、リセッションがニュースで報じられる昨今、「価格と利益」について、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。最近、最も世間を騒がせた話題は「卵」の高騰でした。 『価格支配力とマーケティング』の著者 菅野誠二氏は、「自由に価格が設定できて、しかもお客さんが喜んで買ってくれるような、ハッピーな値付けが実現できたら夢のようではないか」と話します。 この記事では、需給が変化しやすいマーケットでも顧客価値創造をしながら価格支配力を獲得するバランスの妙を実現したアパホテルを例に解説します』、興味深そうだ。
・『他のビジネスホテルと異なる  ■出張族のインサイト  密かな楽しみ」から自社の強みを創造する  アパホテルは、コロナの逆風を経ても圧倒的な業績を示し続けている*。 目標、理念として同社は「利益の最大化ではなく、あくまで日本の住まい文化に貢献するという大義にある」としている。アパグループはホテル事業だけでなくリゾート事業、住宅事業、マンション・ビル管理事業も傘下に持つ。 *2022年11月末の連結決算で売上1,382億(過去5年CAGR 3.6%)、営業利益358億円(売上利益率25.9%)、経常利益353億円と、業界内で圧倒的な利益率を誇る。ホテルネットワークとして全国最大の 719 ホテル 110,395 室(建築・設計中、海外、FC、アパ直参画ホテルを含む)を展開 ターゲットは主に、企業の上位5%層のビジネスパーソンだ。このターゲットは急な出張の機会が多く、その際の価格弾力性が低い。会社が費用負担してくれるからである。同社の最大の強みは、「他のビジネスホテルと異なるビジネスマンの顧客インサイトの捉え方」にある。 同社がまず特定したビジネスパーソンのインサイトは「会社の出張費でポイントを貯め、それをプライベートの割引に活用することが出張族の密かな楽しみ」である。 価格弾力性が低く、同社クラスのホテル代なら、企業が支払える価格帯に設定する。 さらに、会社の経理に言えない、もう少し深いインサイトは、「急な出張を強いるのは会社都合なのだから、ホテル料金は高くなる。多めにポイントをもらえるくらいの余禄があってもよいよね」だと考えれば、同社の勝利の打ち手はダイナミック・プライシングにあると、私は理解している』、「アパホテル」は現在テレビCMを大量に流している。「「会社の出張費でポイントを貯め、それをプライベートの割引に活用することが出張族の密かな楽しみ」である。 価格弾力性が低く、同社クラスのホテル代なら、企業が支払える価格帯に設定する」、なるほど
・『ビジネスモデルの8割は「真似」  ■業界の外からダイナミック・プライシングを持ち込む  このビジネスモデル・イノベーションは、もともとは航空業界の手法である。そのため、同社のダイナミック・プライシングは世界初の取り組みではないが、日本のビジネスホテル業界に本格的に持ち込んだ企業がアパホテルなのだ。 「ダイナミック・プライシング」についてはのちほど説明するが、こうしたビジネスモデル・イノベーションを生む思考法を「アナロジー思考」と呼ぶ。 アナロジー/Analogy(類推思考)とは、他の業界の事例をアイデアの発想のもとにすることだ。単なる真似ではなく、新たなアイデアの追加が必要で、世の新規ビジネスモデルのうち80%は他業種にある業態の真似である、といわれる*。 シュンペーターの新結合の思想に同じく、新しいアイデアは既にあるアイデアの組みあわせが多いのだ』、「業界の外からダイナミック・プライシングを持ち込む  このビジネスモデル・イノベーションは、もともとは航空業界の手法である。そのため、同社のダイナミック・プライシングは世界初の取り組みではないが、日本のビジネスホテル業界に本格的に持ち込んだ企業がアパホテルなのだ」、なるほど。 
・『■ギリギリまで最高値で販売できるAIシステム  アパホテルの戦略は、「直販+ダイナミック・プライシング」だ。価格は市場ニーズに応じて一物多価で常に変化させ、価格支配力を維持する。 他社は予約サイトとの力関係上、どうしても値下げに応じて予約サイトへの割り当てを提供しがちだ。しかしアパホテルはTV広告やデジタル・マーケティングで顧客が直接予約サイトを訪れ、決済するまでをうまく誘導している。 また、コロナ禍で窮地に陥った多くのホテル事業者を底値で買収しており、これを「逆張りの投資」と呼んでいる。これまでにも幾多のホテル・観光・不動産不況時に、強靭な財務力と元谷外志雄会長の逆張り発想で、業績が低迷したホテルを底値で買収して事業規模を拡大してきた。 マーケティング・ミックスとそれを支えるシステムとしては、宿泊当日の予約が一番高価格で売れることから、キャンセル料は無料で、ギリギリまで最高値で販売できるようにAIシステムを導入している。最終判断はAIを参考にして各ホテルの支配人がそれぞれ全権を握り、効率的に稼働率を向上させつつ、平均単価をあげる仕組みがある。) ITのシステム上、ホテル比較サイトで近隣の空き部屋状況をリアルタイムで把握しながら空室在庫を分析し、1000円程度、価格をあげてプレミアムを取る。 部屋は豪華ではないが、コンパクトな部屋に大きなTVと、広く上等なベッドがあり、その上でも仕事ができるという仕様だ。徹底的にビジネスパーソンの出張に焦点を当てている。 アパホテルのホームページではロイヤルティプログラムが解説されており、ここで狙うのは「ファン化」である。 会員制度1900万人に対して平均で10%程度キャッシュバックしながら、ホテル予約サイトの宿泊料金設定は「アパ直」が最安値となるようにアパホテルが一括設定している。これによって直販サイトからの顧客流入を増やしてマージンを確保する』、「会員制度1900万人に対して平均で10%程度キャッシュバックしながら、ホテル予約サイトの宿泊料金設定は「アパ直」が最安値となるようにアパホテルが一括設定している。これによって直販サイトからの顧客流入を増やしてマージンを確保する」、なかなか賢明なやり方だ。
・『独自予約サイト利用でポイント  このロイヤルティプログラムでは、「年間利用実績(泊数等)に応じて5つの会員ステータスを用意している。「レギュラー」会員は最大9%だが最高位の「プレジデント」になると最大還元率が15%となる。これらは独自予約サイト「アパ直」経由の宿泊予約でアパポイントがたまるという仕組みだ。 また、「アパトリプルワンシステム」は、ホテル利用時スマホでアプリを使用すると「1ステップ予約」「1秒チェックイン」「1秒チェックアウト」ができる。 こと細かに顧客の使用シーンからペインを取り除いているのだ。 AIを含むITの活用とターゲット顧客に焦点を当てたビジネスモデル・イノベーションが成功の鍵である』、「AIを含むITの活用とターゲット顧客に焦点を当てたビジネスモデル・イノベーションが成功の鍵である」、大したものだ。
・『■ダイナミック・プライシングのリスクとアパホテルのコミュニケーション力  最後に「ダイナミック・プライシング」の解説をしておこう。 近年ではデジタル・マーケティングと相性のよいダイナミック・プライシングがさまざまな業界で活用されるようになってきた。従来、使用されていたアルゴリズムは、競合価格の監視や在庫量にあわせて価格を変動させる自動化レベルだった。 ここに数理、統計をもとに決定を補佐する「機械学習」や、AIが天気・イベントなどから需給に関連する変数をもとに収益最大化の選択肢を提示する「強化学習」が加わっている。 メリットは収益性の向上と在庫の低減にある。 一方でデメリットは、極端な価格変動を体感して「損した」「ぼったくりだ」など、顧客からの不信を生みかねず、ブランド棄損につながる可能性があることだ。 システム導入のコストも高く、解析のための人的能力が必要だし、一定量のデータ蓄積が必要で、成果が出るまでにそれなりの時間がかかることも懸念点である。 一時期、アパホテルに対して繁忙期の価格が高すぎるという不満がSNS上で炎上し、2017年に日経ビジネスが実施したホテル満足度調査では35社中最下位だった』、「一時期、アパホテルに対して繁忙期の価格が高すぎるという不満がSNS上で炎上し、2017年に日経ビジネスが実施したホテル満足度調査では35社中最下位だった」、こうしたデメリットを覚悟した上で、取り組んだようだ。
・『顧客満足度を向上させるために  しかし、日経ビジネスからのインタビュー**に対してアパグループの元谷外志雄代表の対応には、価格支配力への強い意思と戦略性を感じる。 一般論で言えば、価格設定がうまく機能して宿泊料金を上げれば、利用者の評価は下がる。 価格設定が不十分で、高く売れる日に安く売っていれば評価は上がる。 裏を返せば評価が低いということはそれだけ、うちは価格設定がうまいと言えなくもない。 だから非常に高い評価を維持しているホテルは、本来高く売れるのを安く売っているから評価が高いとも言える。 ……儲からないホテルはいいホテルと言えないと思います。 赤字で破綻するようなことがあれば、社会に対しても従業員にも迷惑をかけます。 ……いずれにしてもうちとしても利用者の評価を上げていこうと今、努力中です。 **『アパホテル、繁忙期の料金高騰に不満相次ぐ元谷外志雄代表・芙美子社長が夫婦で語る料金の秘密』日経ビジネス/2017年11月6日価格支配力とマーケティング 実際、顧客満足度を向上させるために価格の上限にキャップをかぶせて表示価格/正規料金の1.8倍とし、ポイントバック制度を活用して設備リニューアルを積極的に導入している。 また、各ホテルの支配人の評価基準をRevPAR/Revenue Per Available Room:販売可能な客室1室あたりの収益を稼働率×単価であらわす値としているため、稼働率が他社と比べて高い。 ダイナミック・プライシングの導入には顧客へのていねいな説明をするコミュニケーション能力が問われるのだが、同社はそれをやってのけているといえるだろう』、「ダイナミック・プライシングの導入には顧客へのていねいな説明をするコミュニケーション能力が問われるのだが、同社はそれをやってのけているといえるだろう」、経営陣の強い意志で導入したとすれば、立派なものだ。

第三に、本年3月1日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「シャトレーゼホテルに「汚部屋」批判…ホテル再生には“性悪説”が重要だ」を紹介しよう。
・『和洋菓子店「シャトレーゼ」を国内外で展開するシャトレーゼホールディングスが運営するホテルが話題です。スイーツでファミリー層を呼び込み稼働率をアップさせる一方で、「汚部屋」批判も集まっています。実は、シャトレーゼには「構造的な弱点」があるのです』、「シャトレーゼには「構造的な弱点」がある」、とはどういうことだろう。
・『シャトレーゼがホテル再生に着手 黒字化の裏で批判も…?  お菓子やケーキの製造直販で全国に1000店舗を展開するシャトレーゼが、ここ数年、ホテル再生を始めています。経営難に陥ったホテルや旅館を買収し、そこにシャトレーゼの価値を加えて再生するという面白い視点の再生事業です。 現在、全国に11カ所のシャトレーゼホテルを運営するところまで広がっていて、その多くで黒字化を実現したといいます。 一方でそれぞれのシャトレーゼホテルの口コミを調べてみると、全体的に評価はいい半面で、一部のホテルの評価がばらついていることに気づかされます。 実はわたしもコンサルタント歴が長いせいで、ホテル再生を手伝ったこともあります。その過程で、わたし自身はホテル再生には向いていないと思いました。 では、シャトレーゼはどうなのかというと、やはり一部のホテルは苦戦しているようです。 今回の記事ではそれらの口コミを切り口に、シャトレーゼのホテル再生事業について見ていきたいと思います』、「ホテル再生」事業と「お菓子やケーキの製造直販」事業にシナジーが働く部分が多いとは思えない、むしろマイナスの影響もあるのではなかろうか。
・『スイーツでファミリー層を呼び込み稼働率アップ! 同時に「引き算」も行っている  まず、シャトレーゼホテルとはどのようなものかを理解するために、長野駅から徒歩5分のところにあるシャトレーゼホテル長野についてご紹介したいと思います。 このホテルは、2022年9月まではメルパルク長野でした。もともと日本郵政グループのホテル事業でしたが、メルパルク全体を民営化後にワタベウェディングへ売却。そのうち長野のホテルをシャトレーゼが買収して、2023年7月にリニューアルオープンさせたものです。 シャトレーゼホテル長野では、15時~17時45分の間にチェックインするとウエルカムケーキとしてシャトレーゼのケーキをドリンク付きで食べることができます。さらに滞在中は、ホテルに2カ所あるアイスバーで好きなアイスバーが食べ放題。そして朝食のバイキングでも、店舗と同じ大きさのシャトレーゼのケーキが提供されます。 旅行サイトで見ると2人で宿泊する場合、朝食付きで一人7000円近辺が最安値となっています。今年4月には現在改装中の1階にシャトレーゼの店舗が開店する予定なので、そうなればお菓子好きにはたまらない宿泊施設になりそうです。 後述するように11のホテルはサービス内容が微妙に異なることもあるのですが、チェックイン時にウエルカムケーキが楽しめて、滞在中はアイスが食べ放題というサービスが滞在客に刺さっている様子です。 そのおかげで、シャトレーゼホテルになってからは家族客が増加したといいます。ホテル再生の方程式としては、これまでの固定客層に加えて新たにシャトレーゼのスイーツ好きな家族客が加わった分、稼働率が上がり、ホテル経営としては増収となり、黒字化しやすくなったというのが基本図式のようです。 ただ当然ですが、ホテル再生というのは簡単な仕事ではありません。前のオーナーがホテル業をやっていてうまくいかず、新しいオーナーはそれにお菓子事業を加えたらうまくいくというようなシンプルな話であれば、皆がそれをまねするはずです。 シャトレーゼホテルの場合、ホテル再生にはそのような足し算だけでなく、引き算もきちんと行っている様子です』、「チェックイン時にウエルカムケーキが楽しめて、滞在中はアイスが食べ放題というサービスが滞在客に刺さっている様子です。 そのおかげで、シャトレーゼホテルになってからは家族客が増加したといいます。ホテル再生の方程式としては、これまでの固定客層に加えて新たにシャトレーゼのスイーツ好きな家族客が加わった分、稼働率が上がり、ホテル経営としては増収となり、黒字化しやすくなったというのが基本図式のようです・・・ホテル再生というのは簡単な仕事ではありません。前のオーナーがホテル業をやっていてうまくいかず、新しいオーナーはそれにお菓子事業を加えたらうまくいくというようなシンプルな話であれば、皆がそれをまねするはずです。 シャトレーゼホテルの場合、ホテル再生にはそのような足し算だけでなく、引き算もきちんと行っている様子です」、なるほど。
・『フロントとスタッフ 「2つのムダ」をそぎ落としている  それは製造業が得意とする「ムダ取り」の手法を、サービス業であるホテル業に導入したという話です。 山梨県にあるシャトレーゼホテル旅館富士野屋は、もともと老舗の温泉旅館だったところをシャトレーゼホテルに改装したものです。その再生についてシャトレーゼの齊藤寛会長が言うには、ホテル業や旅館業には製造業から見たらムダがあるということです。 富士野屋について齊藤会長が指摘されたのは、旅館の顔でもあるフロントです。製造業の視点で見ればスペースが広いわりには結構ガラガラだというのです。それで、これは面白い発想だと思うのですが、その一番重要なスペースを玄関ではなくシャトレーゼグループの高級菓子店であるYATSUDOKIの店舗に改装するのです。 さらに、YATSUDOKIの店舗とレストランの稼働のピーク時間がずれているのもムダがあるといいます。レストランと店舗を隣接させることで、レストランが忙しい時間は店舗のスタッフが手伝えばいいし、その逆もできるというのです。 これらは製造業発想だといえば製造業発想なのですが、ある意味でサービス業の経営にとってはコロンブスの卵のような指摘です。そしてホテルの再生ですから、製造業的なムダ取りという引き算も大いに収益改善に貢献するはずです。 さて、全体としては以前の経営よりも良くなったというのがシャトレーゼホテルの評判ですが、口コミの中には厳しい意見も散見されます。それほど厳しくはないものも含めると、シャトレーゼホテルの改善点とおぼしき口コミは大きく分けて3種類あります』、「シャトレーゼホテルの改善点とおぼしき口コミは大きく分けて3種類あります」、具体的にはどんなものなのだろう。
・『シャトレーゼは組織風土的に横ぐしの運営が苦手  一つ目のかたまりとしては、これはシャトレーゼらしい批判だと思えるのですが、シャトレーゼホテルの間でサービスがそこそこ違うというのです。 あるホテルではケーキがバイキングで提供されていたのに、ここでは一つしかケーキが選べないとか、提供されるケーキが最高級のYATSUDOKIのもののホテルもあれば、安価な(でもおいしいのではありますが)シャトレーゼのホテルもあるといった具合です。 実はシャトレーゼホテルの公式ページを見ても、シャトレーゼホテルでどのようなサービスが受けられるのかは読み取れません。 予約をするためにじゃらんなどの予約サイトを訪れても、価格や部屋の広さ、設備の概要などは書いてあるのですが、顧客が一番知りたいスイーツのサービスの中身がわかる場所に書かれていない。一番ちゃんとわかるのが実は口コミのページだったりします。 そしてこれは、実にシャトレーゼらしい欠点だとわたしは感じました。シャトレーゼはホテル全体といった横ぐしの運営が組織風土的には苦手なのです。 シャトレーゼの社内はプレジデント制を敷いていて、社内に150人ものプレジデントがいらっしゃいます。株式会社シャトレーゼの場合、それぞれのプレジデントが洋菓子や和菓子など縦割りの責任者として責任を持つスタイルです。 わたしは経済評論家として、シャトレーゼは武田信玄型の経営をする企業だと考えています。 シャトレーゼの地元である山梨県甲府市は、武田信玄のおひざ元で、その信玄公は「人は城、人は石垣、人は堀」という言葉で知られるように、人を育て、その人が国そのものを形作る国造りをした人物です。たくさんの人数の社員に小さな縦割り組織の責任を持たせることで人を育てるというのは、信玄公的発想ではないでしょうか。 そのシャトレーゼが経営するホテルですから、おそらくそれぞれのホテルの再生をそれぞれの人物に責任を持たせているのでしょう。 いい意味でそれぞれのホテルが競争しながら再生させていくのでしょうけれども、そうなるとホテルごとに特色が出てくることになります。それもいいことなのですが、そのせいでブランドマネジメントという横ぐしが抜けてしまって、サービスが統一されていないというのが一つ目の課題でしょう。 さて、二番目にほぼすべてのシャトレーゼホテルの口コミに見られるのがハードウエア面の課題です。 ホテル買収後、リニューアル投資をしてシャトレーゼホテルとして再オープンするのですが、それでも「廊下のカーペットが古い」とか「共用部分の壁紙が汚れている」といった元々のホテルの古さが目に付く部分は気になるのでしょう。口コミでは、そのようなマイナスの指摘が散見されます。特に宿泊客が気にするのがWi-Fi設備が古い場合のクレームです。 限られた予算の中でホテルを再生しようとすると、当然ながらすべての改修に手が回るのは難しい。特にシャトレーゼホテルは昔からの経営でうまくいっていないホテルや旅館を改装するので、どうしても古い部分は目立ってしまうようです。この二番目のマイナス点は、わたしはそれほど気にすることではないように思います』、「たくさんの人数の社員に小さな縦割り組織の責任を持たせることで人を育てるというのは、信玄公的発想ではないでしょうか。 そのシャトレーゼが経営するホテルですから、おそらくそれぞれのホテルの再生をそれぞれの人物に責任を持たせているのでしょう。 いい意味でそれぞれのホテルが競争しながら再生させていくのでしょうけれども、そうなるとホテルごとに特色が出てくることになります。それもいいことなのですが、そのせいでブランドマネジメントという横ぐしが抜けてしまって、サービスが統一されていないというのが一つ目の課題でしょう・・・二番目にほぼすべてのシャトレーゼホテルの口コミに見られるのがハードウエア面の課題です。 ホテル買収後、リニューアル投資をしてシャトレーゼホテルとして再オープンするのですが、それでも「廊下のカーペットが古い」とか「共用部分の壁紙が汚れている」といった元々のホテルの古さが目に付く部分は気になるのでしょう」、食品企業にとっては、致命的なのではなかろうか。
・『M&Aの成功には「性悪説的な厳しさ」が必須  さて、三番目に一部のシャトレーゼホテルは他のシャトレーゼホテルよりもマイナスが大きな部分があります。それは働く人に起因する悪い口コミです。 具体例を挙げると、部屋が汚かったという口コミがあります。前の宿泊客の髪の毛が落ちていたとか、冷蔵庫に残り物が入っていたとか、きちんと清掃がなされていたらそんなことが起きないようなことが書き込まれているホテルがあります。 アメニティーが不足しているというような場合にクレームをつけたところ、「対応します」と言っておきながらチェックアウトまでに対応してもらえなかったという口コミもあります。 このようなホテルではスタッフの対応に対するクレームが多くみられることから、働く人に問題があるようです。コンサルタントとしての立場で眺めると、内部の人間関係がギスギスしている場合によくみられる症状です。 そしてこれは、ホテル再生でよくみられる課題でもあります。 ホテルの買収というものはホテル運営をする組織を一緒に買収するわけで、人も一緒に付いてきます。その人がちゃんと再生できないリスクは常にあるのです。 これはコンサル経験からくる私見ですが、M&Aがうまくいくケースは往々にして性悪説によって立った経営者が行うほうが多いように思えます。 経営が傾いた組織の中にはたちの悪い従業員も一定数いるわけで、それを早めに見抜いて厳しく処遇する、ないしはそういった従業員が悪さをしないように目を光らせて早めに手を打つといった厳しさが重要だったりするものです。 それに対して人に期待をし過ぎる経営や、人を信じやすい経営者は、M&Aの結果を出せないケースが結構あるのです。シャトレーゼは長い時間をかけて、従業員や取引先、契約農家など同じ考えを持つ人の数を増やし成長してきた会社です。 そういった強みを持つ会社は、実はM&Aによる事業再生は本質的には向いていないかもしれません。 それを避けるためには、M&Aの前に買収する企業の内部の人についてじっくりとデューデリジェンスをすべきなのですが、わずか2年ほどで11ものホテルを買収したという事実だけから推察するに、その過程が甘かったのかもしれません。 さて、このように口コミから見るといいことばかりではないように見えるシャトレーゼのホテル再生ですが、最初に申し上げたように、全体的には黒字になるホテルも多く、かつ宿泊客はシャトレーゼのファンになってくれる好循環を生んでいるようです。 若干気になるのが、ハイペースでの展開から起きるネガティブな反応だということではあるのですが、まだ再生も始まったばかり。シャトレーゼのファンとしては、うまく乗り越えてシャトレーゼホテルにも成功していただきたいと思います』、「スタッフの対応に対するクレームが多くみられることから、働く人に問題がある・・・前述の「元々のホテルの古さが目に付く部分」と合わせてみると、私には「M&A」に無理があるように思える。私も「シャトレーゼのファン」ではあるが、大きな混乱なく丸く収まってほしいものだ。 
タグ:「迫られる二つ目の選択肢が会社の売却、つまり「身売り」だ」、なるほど。 「当社は未上場で業績予想を出す必要がない。だから自分で考えられるリスク・リターン分析だけでやれた」と奈良田社長。インバウンド需要で数百億円の利益を得ていたことに加え、コロナ禍の初期段階で“止血”したからこそ「何とか生き残れた」という」、賢明な手仕舞いだ。 「第一リアルターは大胆に損切りを決断した。同社はインバウンド需要の追い風を受け、ビジネスホテルを建てて完成後に投資家に売るという事業に乗り出していた。このホテル建て売りビジネスに2000億円以上を投じ、50棟以上のホテルを建て、業績を急激に伸ばした。「その分野では日本トップだった」と同社の奈良田隆社長は自負する。 ところが、投資したうちの1500億円分程度まで売却が終わったところでコロナ禍に直面した。ここで奈良田社長は買った土地をすぐ損切りしてでも売却すると決め、残っていた建設計画をストップした。 「京浜急行電鉄から「京急EXイン羽田・穴守稲荷駅前」と「京急EXイン浅草橋駅前」(いずれも東京都)の2軒、西日本鉄道から「西鉄イン蒲田」(東京都)、「西鉄イン名古屋錦」(名古屋市)、「西鉄イン心斎橋」(大阪市)の3軒を買収した」、なるほど。 「インバウンド需要を当て込んで建てたビジネスホテルの事業が赤字に転落して足を引っ張ったためだ・・・アパグループにとってはチャンス到来。立て続けに電鉄会社のビジネスホテルを買収した」、なるほど。 ダイヤモンド・オンライン「【無料公開】アパが電鉄系を大量買収!「ゾンビ化ホテル」に突き付けられる3つの究極の選択」 (その7)(【無料公開】アパが電鉄系を大量買収!「ゾンビ化ホテル」に突き付けられる3つの究極の選択、アパホテル「コロナ禍の逆風でも業績好調」の戦略 「直販+ダイナミック・プライシング」で成功、シャトレーゼホテルに「汚部屋」批判…ホテル再生には“性悪説”が重要だ) ホテル 「リース方式の会社は身売りも難しいのだ」、なるほど。 「ビジネスホテルは供給過多な上に、出張需要はコロナ禍前のレベルに戻らないと見立てるホテル関係者は多い。そうなると1~2人用客室の利用者は限られ、インバウンドからの3~5人用客室のニーズの方が強くなる。実際、損切りを行った第一リアルターの奈良田社長も今後、客室が広めの新たなタイプのホテル開発にチャンスを見いだしている・・・客室面積が小さいホテルではこれができないから、なかなか買い手がつかない。 究極ともいえる三つの選択肢。このどれも実行できなければ、残された道は倒産である。コロナ禍前から事業の急拡大によって多額の有利子負債を抱えていたり、競争激化で業績が低迷していたところは、ことさら危ない」、「ビジネスホテル」を取り巻く環境は厳しそうだ。 東洋経済オンライン 菅野 誠二 氏による「アパホテル「コロナ禍の逆風でも業績好調」の戦略 「直販+ダイナミック・プライシング」で成功」 「アパホテル」は現在テレビCMを大量に流している。「「会社の出張費でポイントを貯め、それをプライベートの割引に活用することが出張族の密かな楽しみ」である。 価格弾力性が低く、同社クラスのホテル代なら、企業が支払える価格帯に設定する」、なるほど。 「業界の外からダイナミック・プライシングを持ち込む  このビジネスモデル・イノベーションは、もともとは航空業界の手法である。そのため、同社のダイナミック・プライシングは世界初の取り組みではないが、日本のビジネスホテル業界に本格的に持ち込んだ企業がアパホテルなのだ」、なるほど。 「会員制度1900万人に対して平均で10%程度キャッシュバックしながら、ホテル予約サイトの宿泊料金設定は「アパ直」が最安値となるようにアパホテルが一括設定している。これによって直販サイトからの顧客流入を増やしてマージンを確保する」、なかなか賢明なやり方だ。 「AIを含むITの活用とターゲット顧客に焦点を当てたビジネスモデル・イノベーションが成功の鍵である」、大したものだ。 「一時期、アパホテルに対して繁忙期の価格が高すぎるという不満がSNS上で炎上し、2017年に日経ビジネスが実施したホテル満足度調査では35社中最下位だった」、こうしたデメリットを覚悟した上で、取り組んだようだ。 「ダイナミック・プライシングの導入には顧客へのていねいな説明をするコミュニケーション能力が問われるのだが、同社はそれをやってのけているといえるだろう」、経営陣の強い意志で導入したとすれば、立派なものだ。 ダイヤモンド・オンライン 鈴木貴博氏による「シャトレーゼホテルに「汚部屋」批判…ホテル再生には“性悪説”が重要だ」 「ホテル再生」事業と「お菓子やケーキの製造直販」事業にシナジーが働く部分が多いとは思えない、むしろマイナスの影響もあるのではなかろうか。 「チェックイン時にウエルカムケーキが楽しめて、滞在中はアイスが食べ放題というサービスが滞在客に刺さっている様子です。 そのおかげで、シャトレーゼホテルになってからは家族客が増加したといいます。ホテル再生の方程式としては、これまでの固定客層に加えて新たにシャトレーゼのスイーツ好きな家族客が加わった分、稼働率が上がり、ホテル経営としては増収となり、黒字化しやすくなったというのが基本図式のようです・・・ホテル再生というのは簡単な仕事ではありません。 前のオーナーがホテル業をやっていてうまくいかず、新しいオーナーはそれにお菓子事業を加えたらうまくいくというようなシンプルな話であれば、皆がそれをまねするはずです。 シャトレーゼホテルの場合、ホテル再生にはそのような足し算だけでなく、引き算もきちんと行っている様子です」、なるほど。 「シャトレーゼホテルの改善点とおぼしき口コミは大きく分けて3種類あります」、具体的にはどんなものなのだろう。 「たくさんの人数の社員に小さな縦割り組織の責任を持たせることで人を育てるというのは、信玄公的発想ではないでしょうか。 そのシャトレーゼが経営するホテルですから、おそらくそれぞれのホテルの再生をそれぞれの人物に責任を持たせているのでしょう。 いい意味でそれぞれのホテルが競争しながら再生させていくのでしょうけれども、そうなるとホテルごとに特色が出てくることになります。それもいいことなのですが、そのせいでブランドマネジメントという横ぐしが抜けてしまって、サービスが統一されていないというのが一つ目の課題でしょう・ ・・二番目にほぼすべてのシャトレーゼホテルの口コミに見られるのがハードウエア面の課題です。 ホテル買収後、リニューアル投資をしてシャトレーゼホテルとして再オープンするのですが、それでも「廊下のカーペットが古い」とか「共用部分の壁紙が汚れている」といった元々のホテルの古さが目に付く部分は気になるのでしょう」、食品企業にとっては、致命的なのではなかろうか。 「スタッフの対応に対するクレームが多くみられることから、働く人に問題がある・・・前述の「元々のホテルの古さが目に付く部分」と合わせてみると、私には「M&A」に無理があるように思える。私も「シャトレーゼのファン」ではあるが、大きな混乱なく丸く収まってほしいものだ。
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