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保険(その2)(東京海上が中核子会社を売却した「再保険」市場の厳しい現実、銀行が高齢者に外貨建て保険販売 殺到する苦情の信じ難い中身、節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情、損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と この社会のバグ これは職業差別ではないのか) [金融]

保険については、昨年3月28日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(東京海上が中核子会社を売却した「再保険」市場の厳しい現実、銀行が高齢者に外貨建て保険販売 殺到する苦情の信じ難い中身、節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情、損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と この社会のバグ これは職業差別ではないのか)である。

先ずは、昨年11月13日付けダイヤモンド・オンライン「東京海上が中核子会社を売却した「再保険」市場の厳しい現実」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/185170
・『東京海上ホールディングスが、再保険事業の中核となる子会社、トキオ・ミレニアム・リー(TMR)を売却することを決めた。 TMRといえば、毎年100億円規模の純利益を安定的に計上してきた“孝行息子”で、18年前の設立時には現会長の隅修三氏が携わるなど、東京海上にとっては特に思い入れが深い会社だ。 にもかかわらず、一体なぜ本体から切り離すという決断に至ったのか。きっかけの一つが、昨夏に米国で発生したハリケーンだ。 3度にわたって米国を襲来し、十数年に一度という甚大な規模の被害を及ぼしたことで、損害保険各社からリスクの一部を引き受けていた再保険会社は収益が急速に悪化。スイス・リーや独ミュンヘンなど大手の自己資本利益率(ROE)は、それまで10%台で推移(業界推計)していたものの、2017年は一気に2%台にまで悪化してしまったのだ。 TMRも保険金の支払いが膨らんだことで、17年は170億円超の最終赤字に沈んでいる。 ただ数年に一度のサイクルで、大規模な自然災害によって利益が大きく悪化するのは、各社にとっては分かり切ったことだ。 むしろ再保険会社にとっては、大規模な自然災害を受けて、以降の契約更改で再保険の料率をいかに引き上げ、その後の高収益につなげられるかが最大の焦点だった』、「スイス・リーや独ミュンヘンなど大手の」ROEが悪化したとはいえ「2%台」なのに、TMRが「170億円超の最終赤字」とは、TMRの経営の問題もあるのではなかろうか。
・『資本流入がもたらす変調  「2割程度は保険料率が上がるのではないか」 昨秋にはそうした期待の声が再保険各社から多く上がっていたものの、今年に入って待ち受けていたのは、更改しても料率が微増にとどまり、一部から悲鳴が上がるという厳しい現実だった。 背景にあるのは、世界的な金融緩和でだぶついたマネーの流入だ。機関投資家が災害時の保険金支払いリスクを引き受ける「大災害債券」を中心に、年金基金などの投資マネーが集中。再保険市場がいわば“資本過剰”に陥ることで、リスクに見合った再保険料を取りにくくなっているのだ。 年金基金などの第三者資本は、再保険市場に占める割合が足元で15%程度と5年前の2倍近い水準になっており、もはや一過性ではなく、構造的に保険料率の引き上げがしにくい状態といえる。 資本流入の潮目が変わる兆しも見えないという状況で、再保険事業にこれ以上経営資源を投入し続けるべきではない──。東京海上が今夏、そう判断を下して売却に踏み出したことで、グループの海外事業に占める再保険の割合は3%程度にまで縮小するという。 TMRの売却劇は、MSアムリンやSOMPOインターナショナルといった海外子会社を抱え、再保険の同割合が3割前後と大きい国内大手の戦略にも、今後じわりと影響を及ぼすことになりそうだ』、「世界的な金融緩和でだぶついたマネーの流入」で、「再保険市場がいわば“資本過剰”に陥ることで、リスクに見合った再保険料を取りにくくなっている」、金融緩和の影響がこんな市場にまで及んでいることに驚かされた。東京海上の撤退も当然なのだろう。

次に、2月13日付けダイヤモンド・オンライン「銀行が高齢者に外貨建て保険販売、殺到する苦情の信じ難い中身」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/193643
・『「一部の話とはいえ、思っていた以上にひどい内容で衝撃を受けた」 生命保険会社の幹部らが今、もっぱらそう話し、頭を抱えている調査結果がある。銀行などの金融機関代理店における顧客からの苦情について調べ分析したものだ。 中でも目を覆いたくなるのが、米ドルや豪ドルなど外貨建ての保険販売への苦情だ。2017年度の苦情受付件数は2000件超で、過去5年間で3.3倍にも膨らんでいるという。 苦情の内容で最も多いのが、「説明不十分」。「元本割れするとは聞いていない」「為替リスクについて十分な説明を受けていない」といった類いのものだ。ここまではほぼ想定通りだったが、驚くべきはここからだ。 調査結果を子細に見ていくと、メガバンクや地域銀行において「預金目的で来店したのに保険を契約させられた」「定期預金を契約したと思っていた」「そもそも保険を契約した覚えがない」といった信じ難い内容の苦情が、件数の上位に挙がっているのだ』、「定期預金を契約したと思っていた」「そもそも保険を契約した覚えがない」、契約したら保険契約書が渡される筈なので、にわかには信じ難い苦情だ。
・『0.1%の重み  銀行の窓口販売における苦情発生率は、1000件に1件。それを踏まえると、ごく一部の顧客がさまざまな同意書面にサインしたにもかかわらず、銀行に難癖をつけているだけのように見えてしまうが、そうではない。「契約した覚えがない」などと顧客に言わせてしまうほどに、実は銀行窓販がずさんであり、ゆがんでいるのだ。 ゆがんだ実態は、銀行が置かれた状況を考えればすぐに合点がいく。そもそも銀行は、融資によって利ざやを稼ぎにくいという構造不況に目下陥っている。そのためここ数年は、投資信託の販売といった損失リスクゼロの手数料稼ぎに熱を上げてきたが、その投信は株式市場の変調で売り上げが鈍化してしまっているのだ。 となると、残る選択肢は時に10%近い販売手数料が転がり込んでくる、外貨建て保険しかない。 販売手数料などの費用を差し引いた、外貨建て保険の実質的な利回りは1~2%台前半が多く、投信と比べると投資商品として明らかに見劣りするが、そんなことは銀行として百も承知だ。 むしろ、銀行窓口では利回りや投資リスクはさておき、高齢者をターゲットにして「預金を保険に振り替えれば節税につながる」などと相続対策を前面に出しながら、一時払いの外貨建て保険を強烈に売り込んでいるわけだ。 銀行窓販における苦情の約7割が、60歳以上の顧客ということからも、その様子がうかがい知れる。 高齢者への保険販売時に親族が同席することを内規で定めながら、実施率が全体の約3割にとどまるというデータもあり、銀行がトラブルを生みやすい環境を自らつくり出しているという側面もある。 高齢になるほど苦情発生率が高い傾向にあるため、今後銀行への風当たりはさらに強くなりそうだ』、銀行などへの顧客への説明義務は繰り返し強化されてきたが、それでも高齢者に投資リスクをろくに説明もせず、リスクの高い保険商品を売り込んでいるとは、困ったことだ。今後、訴訟などが頻発する懸念もあろう。

第三に、4月11日付けダイヤモンド・オンライン「節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/199529
・『「正直なところ、拍子抜けしましたね」。4月10日夜、生命保険会社42社が集まった拡大税制研究会が終わると、参加した幹部たちは口々にそう話しながら会場を後にしていった。この日の会合には、国税庁の幹部が出席。注目を集めていた節税保険(法人定期、経営者保険)を巡る新たな税務処理案を生保各社に示したものの、その内容は腰が砕けたかのような手緩いものだった。 今から2カ月前、同じ会合の席で国税庁は、新種の節税保険が登場しては通達で厳しく規制してきた経緯を踏まえて、「業界とのいたちごっこを解消したい」「個別通達を廃止し、単一的な(資産計上)ルールを創設する」と言明。また新たなルールは、既契約にも影響が及ぶことをちらつかせ脅しをかけるなど、今にも鉄槌を下ろそうかという勢いだった。 その様子を見て、生保や販売代理店は震え上がり大騒ぎになったわけだが、10日の会合では意見募集(パブコメ)にかける前の段階で早々と、「既契約への遡及はしない」という方針を国税庁は示している。 さらに、新たな損金算入ルールにおいても、提示した案ではピーク時の返戻率が50%超から70%以下なら6割、返戻率70%超から85%以下なら4割を認めるとしており、「意外にも損金算入の割合が大きくてホッとした」との声があちこちで漏れたほどだった』、「節税保険を巡る新たな税務処理案を生保各社に示したものの、その内容は腰が砕けたかのような手緩いものだった」、情けない限りだ。
・『国税庁OBへの忖度で弱腰姿勢?  「OBたちを見殺しにできないということじゃないですかね」。国税庁の腰砕けの規制案について、大手生保の幹部はそう解説する。 そもそも節税保険は中小企業の経営者をターゲットにしており、保険会社の代理店として経営者に販売している主役は税理士たちだ。国税庁OBの多くが税理士として活躍する現状で、食い扶持を奪い、果ては受け取った販売手数料を戻入(れいにゅう)させるような税務処理の見直しには、なかなか踏み込みにくいというわけだ。 加えて、足元では統一地方選があり、今夏には参院選、10月には消費増税を控える中で、中小企業や税理士団体を敵に回すような施策には、政治家が黙っていないはずという見方もあった。 そうした要因が国税庁の判断にどこまで影響したかはまだ不明だが、規制当局としていかにも弱腰の姿勢をとり、生保業界と裏で握り合っているかのような印象を与えたことだけは確かだ。 11日以降、新たな税務処理ルールは意見募集にかけられ、早ければ6月に適用となる見通しだ。生保各社も順次、節税保険の販売を再開する傍ら、またぞろ新ルールの抜け穴を探すいたちごっこが始まることになる』、「国税庁OBの多くが税理士として活躍」、「今夏には参院選、10月には消費増税」などの事情を国税庁は初めから承知していた筈なのに、振り上げた拳を下した背景がよく分からない。とりあえず出しただけで、実現は来年以降と割り切っているのだろうか。

第四に、会社員ながら広範な社会問題についての言論活動を行う御田寺 圭氏が6月29日付け現代ビジネスに寄稿した「損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と、この社会のバグ これは職業差別ではないのか」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65562
・『自己都合退職を促すスキーム  この国では、よほど重大な就業規則の違反行為がないかぎりにおいては、企業が正社員をやすやすと解雇するようなことはできない。 ご存知のとおり、これはいわゆる「解雇規制」が根拠になっている。経営者にとってみれば経済活動のフットワークを阻害する足かせのようにも思えるかもしれないし、従業員の側からすれば自分たちの身を守る盾であると見えるかもしれない。これ自体の評価は多面的なものといえる。 しかし一方で、多くの支社や営業所、グループ会社を抱える大企業には独自の「裏技」がある。その顕著な事例が、今回「損保ジャパン日本興亜の4000人削減計画」によって大きな話題となった「系列会社への転属」である。 この事例は「会社側としては、容易に正社員の首を切れない。ならば、自分から辞めてもらうようにそれとなく促す」というやり方の典型例と見ることができる。 〈損害保険ジャパン日本興亜が2020年度末までに、従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが24日、分かった。全体の約15%に相当する。ÎTを活用し、業務の効率化を進める。余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑える。希望退職者の募集は予定していない〉(時事ドットコムニュース、6月24日「損保ジャパン、4000人削減=ITで効率化、介護分野などに配転」より引用) 損保ジャパンといえばだれもが知る大手保険会社であり、そこに正社員で入社した社員は、全国のサラリーマンの水準からすればまさしくエリートであるだろう。 今回の施策には、そのような「選ばれし者」であるはずの彼らに「余剰人員」という評価を下し、本人らがおそらくは希望していないであろう異業種の会社に転属させることで、自己都合で退職を促す意図があると考えられる。 もし辞めずに転属先の会社にしがみついてくれるのであれば、それはそれで介護分野における人手不足解消に寄与する――まさに会社側はまるで損をすることなく、事実上の自主退職を迫ることができるという寸法だ。 この社会においては、正社員の「解雇」に対して強い規制が敷かれている一方で、「自己都合退職を促す行為」に対しては、必ずしもそうではない。結果的に「社員を会社から追い出す」という同じ目的を遂行する行為であるとしてもだ。 こうした「自己都合退職を促すスキーム」は、今回のように大規模なものは少ないにしても、方法論としては、それほど珍しいものではなくなっている。むしろ今後のIT化の波(と、特定分野における人手不足の高まり)によって、こうしたスキームはより活発になり、より頻繁かつ公然と行われることになるだろう。 ――という話だけで終わってしまうと、ただの時事寸評になってしまう。ここは、もう少し捻った切り口から、この出来事の深層を考察してみよう』、「損保ジャパン」は、ワタミの介護やメッセージなどを傘下に収め、今や介護・ヘルスケア事業では、売上高で業界2位、シニアリビングの居室数では業界1位と確固たる地位である。
・『介護への転属は「懲罰」なのか  まず、今回の一件に対する世論の反応としてとくに気になったのが、世間の人びとが、介護事業のことをある種の「懲罰」とか「苦役」とほとんど同一視しているということだ。 今回の損保ジャパンの「配置換え」で、何人の社員が介護関連事業へ移ることになるのかは不明である。だが前述の報道を受けて、ネットでは少なからぬ人が、転属先となる介護業種のことを「ブラック」「劣悪な業種」と評して憚らなかった。 こうした反応には、高い需要があり、またその需要が今後も増加していくと見込まれているにもかかわらず、介護従事者の待遇が一向に改善しない理由が端的に示されているように思える。 いわゆる「エリート」の多くは、介護事業など自分が従事すべきものではないと考えているだろうし、無理にそのような職種に従事させられることは、まさしく「罰」であると思えてしまうものなのかもしれない。部外者の反応も「大企業はおそろしい手段を持っているなあ」と恐々とするばかりで、介護事業への配置換えを「懲罰」と同様のものとしてとらえる人々の暗黙の意識については、ほとんど問題視されていないようだった。 ここに、現在の日本社会がとくに違和感なく内面化している差別意識が垣間見える。ただしそれは、かっこつきの「差別」としてカテゴライズされることもなく、もはや当たり前のものとして浸透しているようだが。 つまるところ、介護は「だれでもやれるような仕事」であり尊重されず、また同時に「だれもがやりたがらない仕事」であるがゆえに、「だれもやりたがらない仕事をあえてやっているような人は、きっと能力の低い人なのだから、そんな人の技能には高い賃金を支払わなくてもよい」――という理屈が導出されているのではないか。 たしかに介護事業は、かつて家族を構成するメンバーが豊富で、老後の面倒は家族がみるべきと考えられていた時代には家庭が引き受けていた領域を、核家族化や、旧来の「家族」の崩壊にともなってアウトソーシングしたものといえる。こうした背景から、介護事業に対する「家族でもやろうと思えばできるが、それをあえて他人にやってもらっているだけ(いわば『家事代行』の延長であって、専門的な技術ではない)」という認識はいまだに根強い。 「需要がきわめて高く(今後ますます高まることが明白であり)現時点では圧倒的に供給が少ないのにもかかわらず、賃金(価値)が低く抑制されている」業種の現状を、ネットスラングでは「低賃金カルテル」と呼ぶ。 もちろん、介護が本当に「だれでもできる仕事」であるとは思わないし、実際には専門的技能や知識が求められる業種である。しかし、労働の価値とは需要と供給だけでなく、ある種の「共同幻想」によって作り出されるものでもあるので、「重要ではあるが、しかしだれでもできる仕事とみなされるために尊重はされず、だれもやりがたらない。ゆえに、そんな仕事をあえてやっているような人には(きっと能力が低いのだろうから)多くの対価を支払う必要はない」という無言のコンセンサスが成立している業種は、事実存在するだろうし、介護職はそのひとつといえるだろう。 「介護への転籍」と聞いて懲罰的な文脈を感じた人びとは、まさにこのような考えを内面化しているのだ。それはまさしく「職業差別的」な思考ではあるが、しかし表立って「差別」とは認識されていない』、介護職には、「「重要ではあるが、しかしだれでもできる仕事とみなされるために尊重はされず、だれもやりがたらない。ゆえに、そんな仕事をあえてやっているような人には(きっと能力が低いのだろうから)多くの対価を支払う必要はない」という無言のコンセンサスが成立している」、というのはズバリ本質を突いた指摘だ。
・『カネカのように炎上しなかった理由  今回の経緯を見て、先月話題になったカネカの「育休復帰後に即転勤で炎上」の一件を思い出した人も少なからずいたようだ。 カネカの件は、当事者との意思疎通の問題はあったにしても、あくまで個人がそのキャリアの希望に合わないということで退職した一件であった。しかしながら世論は「カネカは前時代的な企業」「カネカ許すまじ」の論調へと傾いた。 一方で、事前に希望退職者を募るわけでもなく、いわば「合法」な形で4000人もの人員を削減する損保ジャパンについては、炎上するどころか、表立って批判する声さえ私の観測するかぎりきわめて少ないように見える。 カネカと損保ジャパン――世間の怒りの「雲泥の差」はいったいなぜ生じたのだろうか。 身もふたもない結論を言ってしまえば、前者は「世間の同情を喚起する物語」であり、後者はそうではないという違いが現れたのだろう。 カネカの件は「優秀な人材が会社の横暴によって人生をめちゃくちゃにされ、しかも子育て世代(とその子ども)が犠牲となった物語」として同情的に受容された。しかし損保ジャパンの件は違う。「エリート風を吹かしているうちに時代の流れに取り残されてしまったサラリーマンが、“実際の能力に相応なセクション”に再割り当てされた、現代版の『残酷物語』なのだ」という程度のエピソードとして解釈されてしまったのだ。 先述した「低賃金カルテル」という概念を踏まえ、あえてより厳しい表現をすれば、「介護職に配置されるような人材を、大企業が抱える余裕がなくなっただけの話」と皆が暗黙裡に納得したせいで、カネカのときのような「家族や子どもが可哀想だろ!!」という大合唱がまったく起きず、「エリートも無事では済まない時代だなあ。怖い怖い(笑)」程度の話で片付けられてしまった。 あるいは「これで転属させられるような奴は、大企業の威を借る無能だったのだ。職位に甘えてスキルを磨かなかった自己責任だ」とさえ考えている人も多いかもしれない』、育休明けの社員を配置転換したカネカと対比するとは、分かり易い。「「介護職に配置されるような人材を、大企業が抱える余裕がなくなっただけの話」と皆が暗黙裡に納得したせいで、カネカのときのような「家族や子どもが可哀想だろ!!」という大合唱がまったく起きず、「エリートも無事では済まない時代だなあ。怖い怖い(笑)」程度の話で片付けられてしまった」、その通りだ。
・『差別を利用した巧妙な手口  損保ジャパンの施策は、数年前にIBMのリストラ手続きで裁判沙汰にもなった「追い出し部屋」「ロックアウト解雇」のように明らかに懲罰的な手段ではなく、あくまで「転属」に過ぎないため、いわゆる「労働者の権利/人権問題」の事案としても争点にはなりづらい。 いや、それどころか「介護」という社会的意義が大きな事業への転属であるがために、これを批判してしまうとかえって「介護職を差別している」という価値観を表明しているかのようなリスクが発生してしまうので、「労働者の人権」というリベラル的な文脈による批判も申し立てにくい状況となっている。 あくまで会社側の論理としては、「リストラ」をするかわりに「善意」の配置換えをしただけである。懲罰的な左遷ではない(懲罰と勝手に解釈しているのは世間である)。これによって、不必要な「会社都合退職」を避けられるし、多くの社員がもし踏ん張って介護の仕事を続けてくれるなら、介護業界の人手不足も解消できる――。 しかし同時に世間が前述したような職業差別的な価値観を内面化しているからこそ、介護事業への配置換えが一種の「罰」として機能するわけだし、「自己都合退職を促す裏技」の役割を果たしているのだ。 これは世間の職業差別を利用した高度なテクニックといえる。総評すれば、損保ジャパンのやり方は大胆ではあるが、その手続きはきわめて巧妙である。今回の「転属プラン」の立案者はきわめて怜悧で、なおかつ社会を俯瞰的に読む能力にすぐれた人間だろう。 私たちは損保ジャパン社員4000人の人生が翻弄されるさまを「残酷物語」として対岸の火事のように消費し、片付けてしまうのだろう。来月にもなればほとんどの人はこの物語を忘れ、次に別の場所で発生した「スキーム」に対してもまた同じように「おー怖い怖い(笑)」と反応することを繰り返す。 この物語に「残酷さ」を付与しているのは、ほかでもない私たち自身なのだが』、「損保ジャパンのやり方は大胆ではあるが、その手続きはきわめて巧妙である。今回の「転属プラン」の立案者はきわめて怜悧で、なおかつ社会を俯瞰的に読む能力にすぐれた人間だろう。 私たちは損保ジャパン社員4000人の人生が翻弄されるさまを「残酷物語」として対岸の火事のように消費し、片付けてしまうのだろう」、「この物語に「残酷さ」を付与しているのは、ほかでもない私たち自身なのだが」、などの指摘はシャープで、その通りだ。ただ、介護事業へ配置換えの際に、給与などを切り下げないとすれば、介護事業の採算は大幅に悪化する筈だ。どうするのだろう。
タグ:保険 国税庁 ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス (その2)(東京海上が中核子会社を売却した「再保険」市場の厳しい現実、銀行が高齢者に外貨建て保険販売 殺到する苦情の信じ難い中身、節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情、損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と この社会のバグ これは職業差別ではないのか) 「東京海上が中核子会社を売却した「再保険」市場の厳しい現実」 再保険事業の中核となる子会社、トキオ・ミレニアム・リー(TMR)を売却 米国で発生したハリケーン スイス・リーや独ミュンヘンなど大手の自己資本利益率(ROE)は、それまで10%台で推移(業界推計)していたものの、2017年は一気に2%台にまで悪化 TMRが「170億円超の最終赤字」 資本流入がもたらす変調 再保険市場がいわば“資本過剰”に陥ることで、リスクに見合った再保険料を取りにくくなっている 「銀行が高齢者に外貨建て保険販売、殺到する苦情の信じ難い中身」 「預金目的で来店したのに保険を契約させられた」「定期預金を契約したと思っていた」「そもそも保険を契約した覚えがない」といった信じ難い内容の苦情が、件数の上位 残る選択肢は時に10%近い販売手数料が転がり込んでくる、外貨建て保険しかない 銀行窓口では利回りや投資リスクはさておき、高齢者をターゲットにして「預金を保険に振り替えれば節税につながる」などと相続対策を前面に出しながら、一時払いの外貨建て保険を強烈に売り込んでいる 銀行窓販における苦情の約7割が、60歳以上の顧客 「節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情」 節税保険(法人定期、経営者保険)を巡る新たな税務処理案 内容は腰が砕けたかのような手緩いもの 国税庁OBへの忖度で弱腰姿勢? 御田寺 圭 「損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と、この社会のバグ これは職業差別ではないのか」 自己都合退職を促すスキーム 介護への転属は「懲罰」なのか 介護事業に対する「家族でもやろうと思えばできるが、それをあえて他人にやってもらっているだけ(いわば『家事代行』の延長であって、専門的な技術ではない)」という認識はいまだに根強い 重要ではあるが、しかしだれでもできる仕事とみなされるために尊重はされず、だれもやりがたらない。ゆえに、そんな仕事をあえてやっているような人には(きっと能力が低いのだろうから)多くの対価を支払う必要はない」という無言のコンセンサスが成立 カネカのように炎上しなかった理由 差別を利用した巧妙な手口 損保ジャパンのやり方は大胆ではあるが、その手続きはきわめて巧妙である。今回の「転属プラン」の立案者はきわめて怜悧で、なおかつ社会を俯瞰的に読む能力にすぐれた人間だろう この物語に「残酷さ」を付与しているのは、ほかでもない私たち自身なのだが
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