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不動産(その4)(不動産バブル崩壊?首都圏マンション契約率50%割れの衝撃、何かの予兆? 首都圏の新築マンションが、パッタリ売れなくなった、厚生労働省はただちにタワマンの健康被害を調査すべきと考える理由 高層階ほど現れる現象とは?、神戸市がブチ上げた「タワマン禁止令」の波紋 行き過ぎた都心回帰に「待った」がかかった) [経済]

不動産については、昨年10月20日に取上げた。今日は、(その4)(不動産バブル崩壊?首都圏マンション契約率50%割れの衝撃、何かの予兆? 首都圏の新築マンションが、パッタリ売れなくなった、厚生労働省はただちにタワマンの健康被害を調査すべきと考える理由 高層階ほど現れる現象とは?、神戸市がブチ上げた「タワマン禁止令」の波紋 行き過ぎた都心回帰に「待った」がかかった)である。

先ずは、3月2日付け日刊ゲンダイ「不動産バブル崩壊?首都圏マンション契約率50%割れの衝撃」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/248546
・『「初月契約率は49.4%と1991年8月(49.7%)以来の50%割れに」――不動産経済研究所が1月に発表した昨年12月の首都圏マンションの市場動向。バブル崩壊以来、27年ぶりの低さに、業界関係者は一様に衝撃を受けたという。 マンション市場の好不調の目安は70%とされ、それを大幅に下回る数字だった。 楽観的な意見では、不動産バブルは2020年の東京五輪までは続くとされてきたが、かなり怪しくなってきたのかもしれない。 「先日、今年1月の市場動向が発表され、契約率は67.5%と持ち直しました。12月の数字が悪かったのは、大手不動産会社による大量供給が原因かと思います」(不動産コンサルタントの長嶋修氏=さくら事務所会長) 具体的には住友不動産が大量の物件を売りに出した結果だが、それを単純に安心できない数字もある。 毎年、12月はこれまでも新築マンションが大量に販売されてきた。17年12月は6480戸、16年12月も7007戸と、月平均約3000戸からポンとはね上がっている。しかし、契約率は17年は72.5%、16年が76.6%とともに70%を上回っていたのだ』、本年5月の「首都圏マンションの市場動向」でも、契約率は60.0%と低迷している。
・『さらに、中古マンション価格にも陰りが見えてきた。東京カンテイによると、これまで全体を押し上げてきた都心6区の1月の価格(70平方メートル換算)が、0.5%減の7565万円と小幅ながら4カ月ぶりに下落してしまった。 むしろ、不動産バブルの終焉は世界的な傾向なのかもしれない。アメリカの住宅ローン金利(30年固定)は現在約4.5%ほどで、ピークから少し下がったとはいえ、ローンをしてまで家を買う人は減った。 イギリスはブレグジット(EU離脱)の影響で海外企業が逃げ出しているし、カナダや豪州は中国人の不動産投資に規制をかけ始めている。そもそも多くの国で移民受け入れを制限しているため、不動産需要は減ってきているのだ。 それなのに、国内では五輪が終わると、選手村を改築し、5000戸以上のマンションが大量に供給される。 「今の株価から類推すると、不動産は頭打ちで、都心3区でも10%くらい下がる可能性があります。ただ、晴海のマンションが売りに出された後、価格が下落するかは分かりません。その時の経済環境によると思われます」(長嶋修氏) あのバブル崩壊の悲しみは二度と味わいたくないが……』、都心6区の価格(70平方メートル換算)は、2月+0.3%、3月+0.3%、4月+1.1%、5月-02%と一進一退気味だ。

次に、7月17日付け現代ビジネス「何かの予兆? 首都圏の新築マンションが、パッタリ売れなくなった」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65902
・『土地価格は少なくとも東京五輪まで上がる――。そう信じて都心にマンションを買った人たちが、いま痛い目を見ている。開発されつくした首都圏に建つ、大量の売れ残りマンションはどうなるのか。 どう考えても作りすぎ  「うちも含めて、大手デベロッパーはみんな焦ってますよ。都心の新築マンションがまったく売れないんです。マンションは第1期の売り出しで、最低でも半分が即日で成約しなければ全室売り切れないと言われています。 アベノミクスがはじまったころは即日完売が当たり前だったのに、今は1期あたりの売り出し戸数を5分の1にして、『第1期即日完売』と無理やりアピールしています。売れている雰囲気を作るのに必死ですよ」(大手デベロッパー社員) 不動産価格は伸び続ける。居住用でも投資用でも、今買っておいて損はない。こんな商売文句で客を口説いていたデベロッパーが、揃って頭を抱えている。 6月17日に不動産経済研究所が発表した「首都圏のマンション市場動向」は、高止まりの続く不動産市場が完全な「曲がり角」にさしかかったことを示した。 東京23区における今年5月の新築マンション発売戸数は781戸で、前年同月と比べて36.3%も減少したのだ(契約率は65.8%で同3.9%減)。 ちなみに、首都圏で4月に発売された新築マンションは1421戸で、4月に1500戸を割り込んだのは27年ぶり。バブル崩壊直後の'92年並みの水準に逆戻りした。 アベノミクスが始まった'13年から、マンションは建てれば即日完売という状況が続いた。ところが今年5月、首都圏で即日完売となった新築マンションはわずか5棟22戸にとどまっている。 マンションが売れなくなった。原因は明確だ。近年の好景気ムードに押されて、あまりにもマンションを建てすぎてしまったのだ。 「特に顕著なのがタワーマンションです。超高層なら猫も杓子も売れていた時期がありましたが、今は竣工から5年が経過しても売れ残るケースが増えています。 たとえばゴールドクレストが建てた『勝どきビュータワー』は、2010年竣工にもかかわらず未入居物件の広告がいまだに出ています」(不動産ジャーナリストの山下和之氏) '19年5月時点での首都圏マンション完成在庫は3539戸にのぼる。アベノミクスが始まった'13年は1000戸台だったことを考えると、「作りすぎ感」が否めない。 供給過剰になれば、新築・中古問わずマンション在庫がダブつくのは当然だ。価格の頭打ちを迎え、割高でマンションを手にしてしまった住民たちは強く後悔している』、「今は1期あたりの売り出し戸数を5分の1にして、『第1期即日完売』と無理やりアピールしています」、というのは見栄張りに過ぎない。「5月時点での首都圏マンション完成在庫」が13年の3.5倍とは、これだけの「作りすぎ感」を出すほど、バブル色が強いようだ。懲りない業界だ。
・『中古も買い手がつかない  4年前に湾岸エリアで新築2LDKのタワーマンションを購入した30代男性はこう言う。 「2年間住んだあと、購入価格に300万円上乗せして売り出したのですが、半年経っても売れる気配がない。そこから400万円下げ、原価割れで売り出したのですが、若干問い合わせが増える程度。さらに200万円値下げした今になってようやく買い手がつくかな、という状況です」 市場が飽和するほどマンションを建て続けた理由は、少なくとも東京五輪が行われる2020年まで、首都圏の土地価格がずっと上がり続けると信じられてきたからだ。だが実際のところ不動産市場では、ジワジワと悲観的な予測が増えはじめている。 このことを裏付けるのが、6月10日に全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が発表した「不動産市況DI(指数)」だ。 この指数は、3ヵ月前と現在の不動産価格の推移や取引実績を比較調査し、「現在」そしてさらに「3ヵ月後」の土地価格が上昇傾向、または下降傾向にあるのかを数値化したものである。 今年4月に行われた調査では、全国で5.4ポイントと前回('19年1月)比0.8ポイントの上昇がみられたが、関東に限ればマイナス3.1ポイントと、前回比2.6ポイントの下落を示したのだ。ちなみに関東は2調査連続のマイナスである。 それだけではない。「3ヵ月後」の見通しは全国ベースでマイナス6.2ポイント、関東ではマイナス12.8ポイントと、大幅なマイナス予測が出ているのだ』、やはりブームは過ぎ去っているのだろう。
・『投資家は「終わり」を見越している  この数字をどう読み解けばいいのか。前出・山下氏は言う。 「全宅連の調査対象は50坪程度の個人間売買物件で、商業地や大規模な宅地は含みません。ただ、この指数がマイナスであるということは、すでに地価が頭打ちとなり、下落に向かうと感じている人が増えてきていると言えます」 買った物件に住んで自分で使う、いわゆる「実需」ベースの購買層だけでなく、マンションバブルを牽引してきた投資家層も、不動産バブルの終わりを予期して動き出している。 住宅ジャーナリストの榊淳司氏が言う。「一時期人気を集めた晴海などの湾岸エリアや武蔵小杉で異変が起きています。地価上昇を下支えしていた中国人購買層がマンションを売りに回しはじめたのです。市況に敏感な彼らが引き揚げたということは、想定以上に値崩れのスピードが早い物件が出てくるかもしれません」 オフィスビル仲介大手の三鬼商事の調査によると、今年5月の都心5区のオフィス空室率は1.64%と、'02年1月以来最低を更新し続けている。 またインバウンド需要を見込み、都内では年間1万室近いホテルが新しく建てられ、山手線の狭いエリアで陣取り合戦が繰り広げられている。いわゆる商業用地の土地価格が伸びるウラで、住宅地の値段は下がり始めているのだ』、「中国人購買層がマンションを売りに回しはじめた」、というのも不吉な兆候だ。
・『日本最後のバブルが終わる  飽和から崩壊へと向かい始める不動産市場だが、「とはいえ五輪までは大丈夫」と楽観視する向きもある。だが、「それまで持たない」と構えていたほうがいい。 「五輪前により一段、価格が下がる契機があるとすれば、やはり10月の消費増税でしょう。本当は新築が欲しいけれど、さすがに予算オーバーだと考えている購入層は、同価格帯の新築・中古物件を回遊魚のように巡って検討を重ねています。 それが10月、個人所有の中古物件には消費税がかからない事実を目の当たりにして、新築の夢を捨て、みんながお得な中古を選ぶという市況が十分に想定できます。新築物件の売れ行きがさらに悪くなれば、不動産市場全体の値下がり傾向も強まるでしょう」(マンショントレンド評論家の日下部理絵氏) かねてから囁かれていた不動産バブルの崩壊が訪れたとき、どのようなエリアが大きく値を崩すことになるのか。「マンションレビュー」を運営する川島直也氏はこう語る。「新築物件でいえば、これまで人気だった世田谷区や大田区がすでに苦戦を強いられています。両区は『竣工残』、つまり完成後も売れ残っている物件の在庫が溜まってきています。また、ほかの人気エリアでも、駅遠物件が避けられる傾向は引き続き変わらないでしょう」 前出・日下部氏は、都心へのアクセスがよい人気エリアにも思わぬリスクがあると考える。「近年『穴場』と言われ、急激な地価上昇が続いているエリアが、逆に大きな痛手を負う可能性が高いです。都心へのアクセスが良好で割安な北千住、浦和、松戸などでは今後も大規模マンションの建築が予定されていますが、本来の土地評価以上に値上がりしている感が否めず、危険な買い物になるかもしれません」 これまで「お買い得」とされていたエリアのマンションも、首都圏の土地価格が下がれば一気に「不良債権」へと変化するのだから恐ろしい。 そのような状況下でも、価格が「下がらない」地域はあるのだろうか。 前出・榊氏はこう語る。「マイナス材料が多いなか、期待値が高いのが、五反田~泉岳寺周辺です。高輪ゲートウェイ駅新設に伴う再開発が進み、周囲には白金や御殿山など高級住宅街もある地域。『湾岸付近最後のフロンティア』と言えるでしょう」 首都圏はもはや開発の余地がない。数年にわたって続いた地価上昇は日本史上最後のバブルになるかもしれない。そして最後のバブルが今、崩壊しはじめたのだ、「最後のバブルが今、崩壊しはじめた」というのはその通りだろう。

第三に、住宅ジャーナリストの榊 淳司氏が6月24日付け現代ビジネスに寄稿した「厚生労働省はただちにタワマンの健康被害を調査すべきと考える理由 高層階ほど現れる現象とは?」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65372
・『身体への影響は?  我々の祖先は800万年ほど前に樹から地面に降りて、2本足での生活を始めたとされる。その後、ゴリラやチンパンジーとの分岐を経て200万年前にホモ属が現れ、今のホモ・サピエンスとなったのは40万年前から25万年前である。 その間、一度も樹上での生活には戻っていない。また、樹の上と地上を行ったり来たりという暮らしであったとも想定されていない。我々はもう何百万年も地上で暮らしてきた。 ところが現在、日本人の一部は日常的に1日に何度も200mの高度差を行き来する生活を行っている(たとえば日本のマンションはだいたい、1階あたり3mで換算できるので、タワーマンションの60階前後に住んでいると、上下の移動距離が片道約200mに達する)。 気圧は100m上ることで10hPa(ヘクトパスカル)下がる。気温も0.65度下がるとされている。200mなら、その倍になる。こういった急激な環境の変化を1日に何度も繰り返すことは、人体への悪影響につながらないのだろうか。 確かに超高層のオフィスビルを仕事場にしている人は多い。青年期や壮年期の男女なら悪影響は出にくいのかもしれない。ただし、時々体調を崩して低層ビルの職場へと転職する人もいるといわれる中、はたして小さな子どもや高齢者にとって、タワーマンションの上層階に住むことによる健康への悪影響は皆無だと言い切れるのだろうか。 私は主にマンションを中心とした住宅分野を専門とするジャーナリズム活動を行っている。仕事柄、様々なマンションに住む人と話す機会がある。気になるのは、現実的に「タワマンが身体に合わない」と考えて、転居していくケースが少なからずある、ということだ。 特に、タワマンの上層階は常に微動している状態にある。湯船にお水を張ってみるとわかるはずだ。地震でもないのに水面にさざ波が生じていることに気づくだろう。 翻って免震構造になっているタワマンは、柔構造といって自らが揺れることでエネルギーを逃がすしくみになっている。地震に限らず、台風で強風が吹きつけた場合でも同じ原理で揺れを逃がす。タワマンの上層階は天気のいい日でも強い風が吹いていることが多い。特にそういう時には体に感じるほどの微動が起こっている。 人には三半規管というものがある。耳の奥にあって平衡感覚を司るのが役目だ。この機能には個人差がある。 乗り物酔いをしやすい人とほとんど平気な人がいるが、それは三半規管の機能差だと考えられている。乗り物酔いをしやすい人がタワマンの上層階に住むと、いつも酔ったような状態になっているのではないか。あるいはそれが体調不良につながるのかもしれない。 私は最近、『限界のタワーマンション』(集英社新書)を上梓した。世間から憧れをもって見られているタワマンという住形態が含有している、様々なリスクを炙り出す内容となっている。 同書を執筆するにあたって、様々な人々の取材協力を得た。そこにはヨーロッパで行った調査も含まれている。一連の過程では、東京の湾岸にあるタワマンの多いエリアで長年小児科医を開業なさっている医師から話をうかがう機会があった。 その先生に「タワマンに住む子どもがかかりやすい疾患というのはありますか?」と聞いてみた。彼は自身のクリニックのカルテなどを調べてくれた結果、「有意のデータはないけれど、耳関連が多い印象ですね。ただ、耳の場合は耳鼻科に行かれるのでウチのデータでははっきりしません」という回答だった』、風の影響で「体に感じるほどの微動が起こっている」というのは薄気味悪い話だ。タワマンに入ろうという人の気が知れない。節税効果を狙っているのかも知れないが、健康あっての物種だろう。
・『欧州では「ありえない」  いっぽう、日本に住むイギリス人への取材や、ヨーロッパでのアンケート調査でわかった衝撃的な事実がある。それは、ヨーロッパ人にとってタワマンでの子育ては「ありえない」レベルで否定的だということだ。調べてみると、1970年代にはそういうコンセンサスができ上がったようだ。今でも国によっては法律で制限をしている。 私と編集者は、その根拠になった論文はないかとデータベースを探し回ったが、見つからなかった。ただ、医学的根拠というよりも彼らの感覚に基づくところが大きいように思える。ヨーロッパ的な感覚では、超高層建築は必要悪的な存在であって、それは決して喜んで住んだり崇めたりするようなものではない、ということらしい。 どこの国でも中世の街並みが残る旧市街と、やむを得ずに超高層建築を建てるビジネスゾーンは明解に分離されている。それが彼らの感覚なのだろう。日本でも京都や鎌倉といった街では、行政がタワマンの建築を明解に規制している。そのあたりはヨーロッパ的な感覚に近いのだろう。やや救いを感じる。 造形的な美醜の感覚はさておき、より深刻なのは健康面である。 もしタワマンに住むことによって健康被害が生じるような何かがあるのなら、我々はあらかじめそれを知っておかねばならないはずだ。 1990年代の終わりに、東海大学元講師の逢坂文夫氏が行った調査が語り継がれている。ここでは詳しく触れないが「高層階に住むほど妊婦の流産率が高くなる」という有意のデータが得られている。 私の知る限り、これ以後は高層階居住と人体の健康を関連される研究は行われていない。ちなみに、この逢坂氏の調査は当時の厚生省の委託で行われた。しかし、この研究結果を発表して以後、研究費が出てこなくなったという。 拙著『限界のタワーマンション』では、タワマン高層階に住む小学生は成績が伸びにくい、あるいは近視になりやすい、といった専門家の主張も紹介している。それぞれに説得力のある意見であり、エビデンスも存在する。 私は、タワマンというものが人体に対してまったく無害であるとはどうしても思えない。かつて建材に使用されていたアスベストは、長らく安全だと信じられてきたことで多くの人々に健康被害をもたらした。国民の健康を守る立場にある厚生労働省は、いち早く「タワマンと人体の健康」について本格的な調査を始めるべきだと考える。 タワマンが本格的に住宅市場に登場してから、まだ20年程度に過ぎない。もし、何らかの危険性が隠されているとすれば、今後20年でそれが噴出してもおかしくない。一刻も早い調査の着手が望まれる』、「高層階に住むほど妊婦の流産率が高くなる」、との厚労省の委託調査が1年で打ち切られたのは、関連業界の圧力があったためだろう。数年前にロンドン郊外のタワマンが火事になり大勢の死者が出たことがあったが、これは公営住宅だった。ロンドンでは公営住宅のタワマンはこの他にもあるようだ。「一刻も早い調査の着手が望まれる」との主張には大賛成だが、関連業界の激しい抵抗を乗り越えられるかは疑問だ。

第四に、7月11日付け東洋経済オンライン「神戸市がブチ上げた「タワマン禁止令」の波紋 行き過ぎた都心回帰に「待った」がかかった」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/291447
・『神戸市随一の繁華街である三宮(さんのみや)。一帯にはオフィスやマンションが林立し、兵庫県庁や神戸市役所などの行政機関も立ち並ぶ。JR三ノ宮駅を中心に阪急・阪神電鉄、地下鉄駅などを含めると、1日に数十万人が利用する一大ターミナルを形成している。 ところが、そのにぎわいに冷や水を浴びせかねない事態が起きている』、「タワマン禁止令」の背景を知りたいものだ。
・『神戸市の誤算  7月1日、神戸市議会で「タワマン禁止令」とも呼べる条例が可決された。 条例が施行される来年7月からは、JR三ノ宮駅周辺ではマンションや老人ホームなどがいっさい建設できなくなる(下の地図の赤囲み部分)。規制はその周辺地域(緑囲みの部分)にも及び、住宅部分の容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)が最大でも400%までに制限される。 敷地面積は1000平方メートル以上が対象で、建物の形状にもよるが、おおむね8~10階程度の中規模マンションが限界で、タワーマンション(タワマン)は到底建てられない。 この条例に対しては、「都心回帰の流れに逆行するものだ」とエリア内でマンション開発実績のあるデベロッパーからは困惑の声が上がる。それでも今回、神戸市がこうした強硬策に乗り出した背景には、従来の市の政策における「誤算」があった。 もともと三宮は容積率が緩和されており、現在の容積率は最大で900%にも達する。緩和の狙いは、「企業や店舗の誘致を促すこと」(神戸市)だった。だが市の意向とは裏腹に、近年の都心回帰や職住近接の動きを受け、利便性の高い三宮にタワーマンションが続々と建設されていった。東洋経済が調べたところ、今回の規制対象区域内には20階建て以上のタワーマンションが、建設中を含め少なくとも24棟存在する。 1棟に数百世帯がひしめくタワマンは、それだけで人口の押し上げ要因となる。税収アップにも寄与するため、自治体にとっては決して悪い話ではない。それでも神戸市がタワマンを問題視するのは、市内の人口バランスに歪みが生じているからだ。 三宮が含まれる神戸市中央区の人口は、この20年間で3割近くも増加。他方で、神戸市全体の人口は2012年から減少に転じている。久元喜造神戸市長は、「中央区に対する人口の一極集中を抑止し、神戸市全体にバランスのとれた人口配置ができるようなまちづくりが必要だ」と市議会で答弁している。市によれば、急激な人口増加によって、同区では小学校などの教育施設が逼迫しているという。 そうして神戸市は昨年9月に「タワーマンションのあり方に関する研究会」を設立。そこで議題に上がったのが、タワマンの管理状況への懸念だった。2015年に市がタワマン居住者向けに行った調査では、8割以上の住民がマンション内での付き合いが「ほとんどない」もしくは「あまりない」と回答した』、「タワマン禁止令」を遅ればせながらも制定したのは、当然だろう。
・『タワマン「スラム化」の懸念  さらにマンションごとの修繕積立金が国土交通省の示す基準よりも不足していることを挙げ、管理組合の機能不全によってマンションの維持管理が滞れば、「スラム化の恐れもある」とまで言い切った。管理が行き届かないマンションへの懸念も、タワマン規制の流れを後押しした。 今回の条例は、タワマンを中心とした大型マンションを狙い撃ちした形だ。条例の対象となるマンションを敷地面積1000平方メートルとしたのは、「1000平方メートルを超えると(マンションが大型化し)戸数が急増する」(神戸市建築安全課)という判断からだ。 マンションの容積率の上限が400%に設定されたことも、階段や廊下といったマンションの共用部は容積率に参入されず、「同じ容積率でもマンションのほうが高くなってしまう」(同)ためだ。ただし、既存のマンションへの配慮から、建て替えに伴う建設のみ1回限り認めるよう条例案が修正された。 さらに、市全体での人口バランスの平準化から、神戸市の外れに位置し開発が進んでいなかった垂水区については、逆に容積率を緩和する措置も盛り込んだ。 こうしてタワマン排除に動き出した神戸市。だが、条例が施行されても、新規のマンション開発が一掃されるわけではなさそうだ。 中心市街地でのタワーマンション建設を封じる条例は、横浜市が先駆けて2006年に制定している。横浜駅および関内駅周辺でのマンション建設を禁止し、それより外側の一定地域では住宅部分の容積率の上限を300%に設定。神戸市よりさらに厳しい。 それでも、2015年には東急不動産が「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」を開発した。14階建てだが、低層部をホテルにすることで住宅部分の容積率を抑えた形だ。 神戸市においても、規制のかからない敷地面積が1000平方メートル未満のマンションを中心に、積極的な開発は続くと見られる。むしろ業界からは、「タワマンが今後建てられないとなれば、既存物件の希少価値が上がるだろう」という声もある』、「マンションごとの修繕積立金が国土交通省の示す基準よりも不足」しているので、「タワマン「スラム化」の懸念」とは驚かされた。とんでもないことだ。
・『企業誘致にも高い壁  条例のもう1つの目的である、オフィスや商業施設の集積促進はどうか。神戸市の条例では、400%という容積率の制限がかかるのは住宅部分のみ。例えばもともとの容積率が600%の土地であれば、低層階に商業施設を入れたり、一部フロアをホテルに転用したりすれば、残りの容積率200%をうまく使い切ることができる。 横浜市の条例制定時、市担当者は市議会での質問に対し「全部が住宅になるよりは、低層階に店舗や事務所が入ることで、街並みとしての賑わいあるいは景観等が維持される」と答弁している。マンションとオフィス・商業の複合施設を認めた背景には、路面店を増やして人の流れを作る思惑があり、神戸市も同様と見られる。だが、「複合施設は立地が限られる」(関西地盤のデベロッパー)ため、市のもくろみどおりに、にぎわいがもたらされるかは微妙だ。 企業誘致にしても、一筋縄ではいかない。総務省の「経済センサス」によれば、2016年6月時点で神戸市中央区に所在する事業所数は2万1258と、6年前に比べて1241減少した。大阪まで30分という近からず遠からずという立地が災いし、「大阪とは別個に支店を構えるほどのオフィス適地とは言いがたい」(大手デベロッパー幹部)。 今年5月には「丸亀製麺」などの外食チェーンを展開するトリドールホールディングスが、「グループの中枢拠点としての機能およびグループ全体を牽引する役割の強化を図る」ため、本社を神戸から東京・渋谷に移転すると発表した。神戸市もオフィス賃料の補助など支援策を打ち出してはいるが、東京の磁力に打ち勝つのは並大抵ではない。 タワマンを排した街はどんな表情を見せるのか、壮大な社会実験が始まった』、神戸市にとってオフィスの呼び込みは容易ではないだろうが、「タワマン禁止」の必要性だけは確かなようだ。
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