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高齢化社会(その18)(精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由、和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?、出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り 身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか) [社会]

高齢化社会については、5月12日に取上げた。今日は、(その18)(精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由、和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?、出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り 身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか)である。

先ずは、6月26日付け日刊ゲンダイ「精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/306864
・『<80歳になったら、我慢しないでしたいことしよう>というのが老年精神医学の第一人者、和田秀樹さんの考えだ。高齢者の人生の過ごし方について話を聞いた。 80歳になると要介護者や認知症が急に増えるそうだ。80歳には「壁」があるのだ。その壁の乗り越え方を提案した「80歳の壁」が35万部(6月初旬現在)のベストセラーになっている。和田さんはこの現象をどのように分析しているのか。 「80歳向けの本をようやく出すことができました。この本には伏線があって、『70歳が老化の分かれ道』という本が25万部以上売れたので、『80歳』が出せた。その前には60歳向けの本を出したんですが、あまり売れなかった。ぼくは62歳だけど、ちょっと上が『POPEYE』世代で、ぼくは『HotDog』世代。読書世代ではないんですね。だけどいま72歳から75歳くらいの団塊の世代って20代で『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている。60代より70代の人の方が本を読むんです』、私自身は恥ずかしながら、せいぜい共産党宣言ぐらいで、「『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている」、到底読もうという気にはならなかった。
・『70代は自分を高齢者だと思っていない  さらに驚いたのは、発売当初でAmazonで1位になり、Kindleでも1位になったこと。そして『70歳が老化の分かれ道』が郊外型書店で売れたことです。今の70代や80代って、ネットで本を買い、電子書籍を読み、郊外型書店に自ら車を運転して買いに行く生活になっている。70歳の高齢者は自分は高齢者じゃないよって思っていたりします。高齢者から運転免許を取り上げてどうするんですか。ぼくがトヨタの社長なら怒りますよ」 マーケティングと高齢者のニーズにズレがある。 「マスメディアの人や商品開発の人が気づかない中で、ライフスタイルが変化してきている。これまで80歳というとブルーカラーや農家の人、早寝早起きというイメージが強かった。だけど今の80代ってほぼホワイトカラー。これまでのような早寝早起きではなく深夜番組も大好きだったり、銀座で飲んでいたような人たちが老化している」 このため和田さんも困っていることがあるそうだ。 「ぼくは高齢者に<動こう><脳を使おう>と常々言っているわけですが、実際のところ高齢者が遊べる場所がないんです。高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブもないでしょ。大切な性ホルモンを出すためにはいつまでも男でいたい、女でいたいという気持ちでいたほうがいいんです。世代が違う人と話せば認知症と関係の深い前頭葉も使うしね。ジャパネットが30万円くらいで豪華クルーズを始めたけど、高齢初心者も楽しめるセンスは的を射ていますね」』、「高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブ」が仮にあっても、そんなところでまで「高齢者」扱いされたくはないので、行く気がしない。
・『「長生きよりは元気でいたい」という人は増えている  性ホルモンの1つ、男性ホルモン(テストステロン)は医学的に重要だと認識されてきているという。 「男性ホルモンの分泌が減ると、性欲だけでなく意欲が落ちることが明らかになったんです。女性に対する興味だけでなく、人に対する興味が落ちてしまう。抑うつ状態にもなります。判断力や記憶力も落ちるし、同じだけ運動しても筋肉がつかなくなる。そうなれば老化まっしぐらです。だから男性ホルモンを維持するのはすごく大事なんです」 男性ホルモン維持のためには次の3つが効果的だそうだ。①食生活の面ではコレステロールにタンパク質に亜鉛をとること②運動をすること③心理的影響がとても大きいので、疑似恋愛できるキャバクラや風俗などもオススメだそうだ。 「性欲があることを恥ずかしがる必要はないんです。65歳以上高齢者は3640万人。国民全体の29%もいるんだから、この人たちを要介護者にしないことが大事なんです。それを伊藤詩織さんの事件をもみ消した中村格が警察庁長官になっちゃってから、ポルノ弾圧を進めている。欧米ではポルノは合法。ぼくが岸田首相ならポルノ解禁にしますね。それで<要介護高齢者が減るならどんな批判でも受ける!>って言えば拍手喝采じゃないですか? 東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相にはポルノ解禁をする度胸なんかないだろうけど。重要なことは、それぐらい大胆に発想を逆転させないと、日本では長生きはするけどヨボヨボの人を増やすだけになるっていうことです」』、「東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相」、初めて知ったが、さもありなんだ。「ポルノ解禁」には大賛成だ。
・『「心をバカにするなよ、と思う」  「日本は新型コロナウイルス対策でも自粛生活をさせて、人を閉じ込めたでしょ。家から出ない、人と話さないってなれば、歩けなくなるし、うつ病にもなるよ。老年医療やっている医者なら人の心がどうなるかわかります。政府は患者や心と向き合って臨床をしている医師ではなく、感染症の専門家や動物実験ばっかりやっている大学のお偉いさんの言う通りに国民に自粛生活をさせました。これに老年医学会も精神神経学会も抗議すらしない。年間自殺者2万人という現実もあるのに。心をバカにするなよって思うわけです」 和田さんは医者の診断や処方なども、うのみにしないほうがいいと指摘する。 「米国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない。日本の死因のトップはがんです。がんは免疫機能を上げることが大事。そのために楽しむことの価値が高い。また、男性ホルモンを増やすにはコレステロールにタンパク質が大事です。だけど日本だと健康診断で正常値を保つためにしょっぱいものや甘いものは我慢して薬漬け。それだと元気をなくすだけです。20年長生きするために、だるくて元気のないまま暮らしますか? 私の70歳向け80歳向けの本が売れたのは、高齢者たちは長生きよりは元気でいたいと願っているという表れだと思いますよ」』、「国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない」、いまだにこんな重要なデータが「日本」にないとは驚かされた。
・『「くだらないことでも楽しめる」のが究極の幸せ  高齢者をアクティブ(行動的)にすることはとても大事な施策でもあるそうだ。 「アクティブにしないと要介護者が増えます。2~3年後には500万人から600万人に増えるでしょう。それでまた増税ってことになる。個人金融資産の7割に当たる1400兆円を60歳以上が保有しています。高齢者は心を元気にして楽しまないといけないのに、それがまるで悪いことだと思われています。だから高齢者はビビってお金を使わなくなっている。そうじゃない。楽しむことは景気にもいい影響を与える。ぼくは相続税100%と言っているけど、死ぬまでに自分の稼いだ金は全部使うべき。人は最期まで楽しむ権利がある。それに究極の幸せって、くだらないことでも楽しんでしまう能力です。金持ちだろうが貧乏だろうが関係ない」』、「高齢者はビビってお金を使わなくなっている」理由は、「楽しむのが悪いことだと思っている」ことではなく、将来に介護などが必要になる場合に備えているだけだ。
・『「不良高年でいいんです」  「高齢者も少々高いハードルを2つ3つ越える意欲が大事です。日本人に一番欠けているのは実験する姿勢なんです。失敗を恐れず思い切って実行に移すと違う世界が見えてきます。意欲も次々に湧いてくる。想定外のことや、ワクワクドキドキすること、新しいことをするのは前頭葉を使うため認知症対策にもなります。80歳になったからって遠慮する必要なんてない。若返ることはいいことなんだから不良高年でいいんです」 一方で老いを受け入れることは自分を楽にする。 「70歳まではできるだけアンチエイジングをしたほうがいいんですが、80歳過ぎたらがんの進行も遅くなる。我慢をしないで、食べたいものを食べてお酒も飲んでもいいんです。健康診断も受けなくていい。“正常値”に戻そうとして薬漬けになるだけですから。おむつや補聴器も格好悪いから嫌がる人も多いけど素直に受け入れましょう。知人の音楽家は『おむつってこんなに楽なんだ』と喜んでいました。認知症にはなりたくないとみなさん言うけど、認知症は脳の変化だから不可避です。ただ脳はもともと1割しか使われていないから、かなり縮んでも、使い続けていれば残存機能はわりと使えます。認知症になってくるとみなさんニコニコして楽しそうに見えますよ。それと比べるとうつ病は楽しむ能力がなくなって、つらくておれはダメだってなっちゃう。認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」』、「認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」、同感である。

次に、8月1日付け東洋経済オンラインが掲載したライター・コラムニストの伯耆原 良子氏による「和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/601014
・『高齢者専門の精神科医として6000人以上の患者と向き合ってきた、和田秀樹さん。70代、80代向けに書いた、老いへの備えや生き方の指南書が発売されるや否や、次々とヒットを連発。「70歳は人生のターニングポイント!」として、70代からの人生を元気に乗り切るための生活習慣や考え方をまとめた、近著『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』もベストセラーとなり、大きな話題に。 インタビューの後編では、多くの高齢者とかかわってきた和田さんに、70代からの人生を元気に楽しく過ごすためのコツや心がけたほうがいいことについて伺いました(Qは聞き手の質問、Aは和田氏の回答)。 前編:『和田秀樹「70代でも元気な人とそうでない人の差」』』、興味深そうだ。
・『死因トップが「がん」の日本  Q:著書『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』の中で、両者の違いは「レジリエンス(回復力)と免疫力にある」とおっしゃっていました。レジリエンスと免疫力を上げ、70代を元気に乗り切るためにはどうしたらいいでしょうか。 A:レジリエンスと免疫力を上げるためには、身体と脳を使うこと。そして、しっかり食べ、栄養状態を良くすることが大切です。血圧や血糖値を気にして節制する人がいますが、それも過ぎると栄養不足になりかねません。 アメリカ人の死因のトップは心筋梗塞なので、確かに血圧や血糖値、コレステロール値を下げたほうがいいかもしれない。 だけど、日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある。それにもともとお肉が好きな人は食べる楽しみも減ってしまうから、かえって免疫力が落ちてしまう可能性もあるのです。) Q:高齢になると血圧や血糖値の数値が気になり、薬を飲む人も多いですよね。 A:実際、多いですね。医療が高度化したことによって、検査データを重要視するようになり、数値に異常があれば、正常に戻すためにすぐに薬を出すようになりました。 治療のために薬を出すというより、“数値を下げる”ためだけに薬を出す医者が多いのです。 さらに今の医療は専門分化が進んでいます。身体のあちこちが具合悪い人は、例えば「循環器内科」「消化器内科」「泌尿器科」というように、それぞれの科の医者から薬をもらうようになって、10個も15個も薬を飲むようになります。いわば薬漬けの状態です。 それでは、かえって具合が悪くなりかねません。実際、血圧や血糖値を下げる薬によって、低血圧や低血糖を引き起こし、頭がボーっとしたり、足元がフラフラしたりすることもあります。 僕は1985年に医学部を出ましたが、その頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね』、「日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある」、「(自分が医者になった)頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね」、その通りだ。
・『高齢者が元気になる、良い医者の見分け方  Q:先生から見て、良い医者の見分け方というのはありますか。 A:基本的に医者というのは病気を治すプロであって、人を元気にさせるプロではないんですね。 「あなた、この数値が高いから危険です。薬を飲みましょう」という医者が多いけど、それを言われて元気になりますかって話です。 薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね。 (和田秀樹氏の略歴はリンク先参照) Q:著書『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』の中にあった、「高齢になってくると男性ホルモンの影響によって、女性のほうが男性よりも元気になる」というお話も、興味深く感じました。 男性ホルモン(テストステロン)は、いわゆる男らしさをつくるホルモンなのですが、社交性や攻撃性といった外に向かう力を生み出すホルモンなんですね。その男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。) 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこもって、奥さんに頼りっきりになってしまう……。そんなふうに「濡れ落ち葉」と言われるようになってしまうのは、男性ホルモンの影響もあるわけです。 妻の側は、家にこもりがちの夫の姿を見ていて「情けない……」と思わずに、「ホルモンのせいなんだ」と思うと、ちょっと優しくなれるかもしれませんね。 そういうわけで、男性は定年退職したら、家に閉じこもらずに積極的に外に出たり、早めに自分が楽しめる世界を見つけたりすることをおすすめしたいです。 さすがに愛人をつくれとは言わないけれど、キャバクラに行くぐらいは許してあげてもいいんじゃないかと(笑)。男性ホルモンの分泌を促すためにもね』、「薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね」、「男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこもって、奥さんに頼りっきりになってしまう……。そんなふうに「濡れ落ち葉」と言われるようになってしまうのは、男性ホルモンの影響もあるわけです」、なるほど。
・『できないことを悔やむのではなく、面白がる  Q:70代からの人生を元気に楽しく過ごすために、心がけたほうがいいこととは何でしょうか。 A:70代ともなると、さすがに体力も集中力も衰えてきて、少なからず老いを感じるのは、仕方のないことです。 そこで「50代、60代の時はもっとできていたのに……」と悔やんだり、「これからますます衰えていく一方だ」と先のことを悲観したりすれば、どんどん気力を失い、老け込んでいってしまいます。 老いを感じた時に大切なのは、「できないことを悔やむのではなく、面白がること」です。本を読むのも、何か作業するのものろのろと、ちょっとずつしかできなくても、そのこと自体を「面白いな」と捉えてみると、今まで気づかなかった新たな発見があるものです。 そうやって70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます。 Q:「もう歳だから」といろんなことをあきらめずに、チャレンジし続けることが大切なんですね。 A:そうです。一日一日が実験だと思ったら、楽しくなってきませんか? 例えば、すごい美味しいラーメン店があって、1時間並ぶとする。でも、現役バリバリで仕事が忙しかったら、1時間も並ぶのも厳しいじゃないですか。 引退して時間はたっぷりあるわけだから、今までやりたくてもできなかったことに挑戦できる絶好のチャンスです。 毎日の食事のレシピを少しずつ変えたり、毎日違った本を読んでみたり。ドラマや映画もサブスクの動画配信サービスを使えば、何本見たって同じ金額です。 一日一日が実験だと思えば、失敗すらも楽しくなります。入ったお店がまずかったら、「じゃあ、次はこういうお店に行ってみよう」って、学びに変えていけば毎日にハリが出ます。 残りの人生で、あと何百回、何千回と実験ができるんですから、それだけ多くの幸せ気分を味わえるんじゃないでしょうか』、「70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます」、和田氏のアドバイスは元気が出るので、いつも楽しみだ。

第三に、7月27日付け婦人公論が掲載した立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏による「出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り。身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに、なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか」を紹介しよう。
https://fujinkoron.jp/articles/-/6223
・『「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)によれば、日本人の死因第4位が脳卒中になっています。かつては日本人の死因の第1位だった脳卒中も、医療の進歩で亡くなる人が減少。しかし、患者数そのものは変わらずに今も多いのが現状です。ライフネット生命保険株式会社創始者で、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんも、2021年1月に脳卒中を発症。リハビリ生活を送ることになりました。しかしどんなに大変な状態にあっても、あくまで「復職」を目指したという74歳の出口さん、その背景にあったものとは――』、あの「出口治明」氏が「脳卒中を発症」、「リハビリ」中だと知って、驚かされた。
・『脳卒中で右半身麻痺と失語症が残り  立命館アジア太平洋大学(APU)のある大分県の別府から、故郷の三重に、亡き母の四十九日の法要で新幹線で帰郷するため福岡のホテルに前泊した翌朝、僕は突然発作を起こし、病院に搬送されました。2021年1月9日の朝でした。 倒れた後、しばらくは意識が朦朧として、あまり明確な記憶は残っていません。気が付くと僕は自分の身体の右側が、自分の思い通りに動かせなくなっていました。 思い通りにならなくなったのは、それだけではありません。何も言葉を発することができなくなっていたのです。 医師の診断は左被殻出血(ひだりひかくしゅっけつ)。いわゆる脳卒中や脳出血と言われる病気で、症状としては右半身の麻痺と失語症が残りました。また、CT(コンピュータ断層撮影)検査の結果、手術はしない方針が採られました』、「失語症が残りました」、雑誌への寄稿、講演、などで精力的に活動してきた「出口」氏にとっては深刻だ。
・『リハビリ生活のスタート  脳卒中の後遺症として身体の麻痺はよく知られていると思いますが、失語症はあまりなじみのない人が多いかもしれません。 失語症とは脳の言葉を担う部分に障害が起こり、聞く、話す、読む、書くといった言葉を使った働きがうまくできなくなる状態です。 命に別状はありませんでしたが、僕は発作が起きてからあっという間に右腕右足がまったく動かず、相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです。 しばらく福岡の病院で治療をした後、東京にあるリハビリテーション専門病院に転院し、僕のリハビリ生活はスタートしました』、「相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです」、これは大変だ。
・『なぜ復職を目指したのか  医師によると、僕と同じくらいの年齢の人が脳出血を発症し、同じくらいのダメージが残ると、復職はあきらめ、退院や、自宅での自立した生活を目指してリハビリを行うのが一般的だそうです。もともと70歳を超えていれば、定年退職し、仕事をせずに暮らしている人も多いでしょう。 しかし僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─』、「僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─」、「学長への復職を目指したい」とは大した心がけだ。
・『悲観的になる必要はない  脳卒中を発症して障害が残ると、患者さんは自分の置かれた状況を正確に把握できず、あるいは状況を受け入れられず、あまり現実的でない希望を持つ場合があります。当初、医師やリハビリスタッフの方たちは、僕にもその可能性があると懸念していたそうです。 そうでなくても僕の負った障害の重さからすると、復職するまでのハードルは非常に高いと考えられていました。 目指す目標が高いので、リハビリも一般的な人よりも頑張らなくてはなりません。果たして病気で弱った心身で、それができるのかどうか。 しかし、周囲の人たちの心配とは裏腹に、僕は楽観的でした。言葉の問題や身体の不自由さは、いずれきっとよくなるだろうと。 数字・ファクト・ロジックで考えれば、悲観的になる必要などない。そう考えていたのです。 「人生とは何か」といった自問自答をすることも、落ち込んでふさぎ込むこともありませんでした。あくまで復職に向けてリハビリに一所懸命取り組み、復活した姿を皆さんにお見せしたいと思っていました。 何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない。 ダーウィニストの僕は、以前からずっとそう考えてきました。川の流れに身を任せているうちに、僕はネット生命保険会社の創業を経てAPUの学長に就任し、日々の仕事と生活を送るなかで脳出血を発症し、身体と言葉の障害が残りました』、「何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない」、「ダーウィン」の言葉が出てくるとはさすがだ。
・『人生は楽しまなければ損  人生にはどうしようもないことが山ほど起こります。「自分はなんて不幸なんだ、不運なんだ」と嘆いても仕方がありません。 それがわかれば自分の身体に障害が残った事実をありのままに見つめ、その変化に適応するだけのことです。「人生とは何か」などと自問自答する必要はまったくない。 年を取って死の恐怖を感じるのは、わからないでもありません。知人や友人が亡くなっていきますから、どうしても死を意識してしまいます。 しかし年齢別死亡率や平均余命といった統計をみれば、年を取ったら死ぬ確率は年々高まっていくのがわかるでしょう。客観的データに基づけば別に怖がる必要はなく、死は誰にでも訪れる当たり前の自然現象だと思えばよいだけの話です。 何より、人生は楽しまなければ損です。以前と同じようには動けなくなったからといって、落ち込んでいる暇などありません。 実際、脳卒中で麻痺が残ってリハビリに取り組み、復職にチャレンジするプロセスではいままで見えていなかった事柄に気が付いたり、新たに学んだりしたことがたくさんあります。 ※本稿は、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。) 『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(著:出口治明/講談社現代新書)(脳卒中を発症してから1年半。歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!』、「歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!」、「リハビリ」が所期の目的を達することを祈るばかりだ。時間が出来たら、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』も読んでみたい。
タグ:「高齢者はビビってお金を使わなくなっている」理由は、「楽しむのが悪いことだと思っている」ことではなく、将来に介護などが必要になる場合に備えているだけだ。 「国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない」、いまだにこんな重要なデータが「日本」にないとは驚かされた。 「東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相」、初めて知ったが、さもありなんだ。「ポルノ解禁」には大賛成だ。 「高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブ」が仮にあっても、そんなところでまで「高齢者」扱いされたくはないので、行く気がしない。 私自身は恥ずかしながら、せいぜい共産党宣言ぐらいで、「『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている」、到底読もうという気にはならなかった。 日刊ゲンダイ「精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由」 高齢化社会 (その18)(精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由、和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?、出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り 身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか) 「認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」、同感である。 伯耆原 良子氏による「和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?」 「日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある」、 「(自分が医者になった)頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね」、その通りだ。 「薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね」、「男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこも 「70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます」、和田氏のアドバイスは元気が出るので、いつも楽しみだ。 婦人公論 出口治明氏による「出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り。身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに、なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか」 あの「出口治明」氏が「脳卒中を発症」、「リハビリ」中だと知って、驚かされた。 「相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです」、これは大変だ。 「僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─」、「学長への復職を目指したい」とは大し 「何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない」、「ダーウィン」の言葉が出てくるとはさすがだ。 「歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!」、「リハビリ」が所期の目的を達することを祈るばかりだ。時間が出来たら、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』も読んでみたい。
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GAFA(その7)(GAFAの株価が低調 「成長の限界を迎えた」といえるこれだけの理由、アップル 成長鈍化の逆風下でM2チップに透ける「深謀遠慮」とは、GAFA神話終焉のワケは「ネット広告の限界」だけじゃない!Twitter Netflixも同じ) [イノベーション]

GAFAについては、2月11日に取上げた。今日は、(その7)(GAFAの株価が低調 「成長の限界を迎えた」といえるこれだけの理由、アップル 成長鈍化の逆風下でM2チップに透ける「深謀遠慮」とは、GAFA神話終焉のワケは「ネット広告の限界」だけじゃない!Twitter Netflixも同じ)である。

先ずは、5月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「GAFAの株価が低調、「成長の限界を迎えた」といえるこれだけの理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/302879
・『「GAFA」の株価が下落基調にある。これまで注目されてきたビジネスモデルに、行き詰まりの兆しが見え始めているからだ。その軌跡を基本から振り返ると共に、現在のリスク要因を分析し、今後の展開を予測する』、さしもの「GAFA」にも「行き詰まりの兆し」とは興味深そうだ。
・『GAFAの成長期待が鈍化 ビジネスモデルに行き詰まりの兆し  このところ、「GAFA」(グーグル、アップル、旧フェイスブック・現メタ、アマゾン)の株価が下落基調にある。2022年1~3月期決算が出そろった後も、各社の株価は上昇していない。 最大のポイントは、各社の成長期待が鈍化していることだ。これまで注目されてきたITプラットフォーマーとしてのビジネスモデルに、行き詰まりの兆しが見え始めている。加えて、米国内の人手不足や、「ディ・グローバリズム」(グローバル化に逆行する動き)に伴うコストアップ要因がGAFA各社を直撃している。 今後の展開として、GAFAの成長期待は一段と低下することも想定される。それが現実味を帯びると、各社の株価は下落する可能性が高い。ウクライナ危機や中国のゼロコロナ政策をきっかけに、グローバル化の加速を前提としたアップルの事業運営の効率性は、低下する恐れが強くなっている。主要先進国における個人データ保護規制の強化なども、メタやグーグル、アマゾンの成長期待を低下させるだろう。 米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、“インフレ退治”のため周囲の予想を上回るペースで金融引き締めを進めている。それはGAFAの事業運営には逆風となり、株価の下落懸念を高める要因だ』、要因には、「各社の成長期待が鈍化」、「米国内の人手不足」、「ディ・グローバリズム」「に伴うコストアップ要因」、「主要先進国における個人データ保護規制の強化」、さらには「FRB」の「金融引き締め」など構造的な性格が強いようだ。
・『これまでのビジネスモデルが神通力を失うGAFA  過去1年間のGAFAの株価の推移を確認すると、大まかな傾向として21年12月前半まで各社の株価は高値圏で推移した。しかし、その後は株価が上昇していない。それが意味することは、各社が高い成長を維持するのが難しくなっているということだ。 まず、アップルの成長期待の鈍化を考えてみよう。1990年代以降の米国経済において、アップルはグローバル化を追い風に高成長を実現した企業の象徴である。97年、同社は経営破綻寸前にまで追い込まれていたが、その状況を救ったのが創業者の一人だった故スティーブ・ジョブズだ。ジョブズは高付加価値なソフトウエアの創出に集中し、iPodやiPhoneなどのデバイスや、iTunesなどのサービスの設計と開発に注力した。 それと同時にアップルは世界各国から優れた部材や部品を集め、完成品のユニット組み立て型生産を、台湾の鴻海精密工業の中国子会社であるフォックスコンに委託した。こうした国際分業によって、製造ラインを自社保有する負担から解放され、高付加価値なソフトウエア創出に集中し、高い収益性を実現したのだ。同社がリーマンショック後の世界経済のデジタル化を加速し、米国および世界経済の成長に与えた影響は計り知れない。 しかし、近年、こうしたビジネスモデルに行き詰まりが見えている。まず、中国の生産年齢人口が減少し、労働コストが上昇したことは大きい。加えて、米中対立によって世界のサプライチェーンが混乱。さらに、新型コロナウイルスの感染再拡大やウクライナ危機など複合的な要因が重なり、供給制約は深刻化し続けている。 そうした環境の変化によって、国際分業体制の強化で高成長を実現してきたアップルが、需要を取りこぼし始めているのだ』、「アップル」の「国際分業体制」の「ビジネスモデルに行き詰まり」は確かに深刻だ。
・『SNSへの規制強化、労働組合の結成 逆風強まるITプラットフォーマー  動画や検索、SNSサービスの提供で広告収入を得てきたグーグルやメタ、ネット通販やクラウドコンピューティングなどのサービスを提供してきたアマゾンの成長期待も鈍化している。 グーグルとメタは、ユーザーである個人の検索や動画視聴、知人関係(ネットワーク)、モノやサービスの購入履歴といった膨大なデータ(ビッグデータ)を優先的に手に入れて、それを販売したり、新しいビジネスに用いたりすることによって急速に収益を増やした。 しかし、ロシアがフェイスブックを用いて2016年の米大統領選挙に介入した疑惑が浮上したことなどにより、SNSへの規制が強化されている。メタは人海戦術でフェイクニュースの摘発を強化しなければならなくなり、コストが増加した。また、公正さへの懸念から一時、フェイスブックのユーザーが減少した。 メタの22年1~3月期決算は、売上高の伸び率が上場来で最低となり、同社への懸念は高まっている。同様のことが、検索サービスの強化によって広告収入を増やしてきたグーグルにも当てはまる部分が多い。 アマゾンは世界に「物流革命」を起こした。同社は、積極的な設備投資によって世界各国で効率的な配送網を整備し、自力でラストワンマイルを構築した。さらに消費者一人ひとりの好みを突くアルゴリズムを開発して消費意欲をかき立て、クラウドサービスも提供することによって有力ITプラットフォーマーとしての地位を確立した。 しかし、物流施設での過酷な労働環境への反発から労働組合が結成されるなど、成長力には翳りが出始めている。加えて、米国をはじめ世界的な人手不足を背景に、物流センターでの人員やドライバーの確保が難しくなっているようだ。 倉庫の建設やEV新興メーカーへの投資も業績の重荷になっている。原油などエネルギー資源価格の高騰は燃料費の増加につながり、収益を圧迫している。このようにGAFA各社はこれまでの高い成長スピードを維持することが難しくなっている』、悪材料がよくもここまで出揃ったものだ。
・『中長期的なGAFA株の下落懸念 業績拡大ペースは鈍化  GAFA各社は正念場を迎えている。今後の展開として、GAFAの業績拡大ペースは鈍化し、株価が下落する可能性は高まっている。各社ともグローバル化の加速を前提にビジネスモデルを構築してきたからだ。 しかし、ウクライナ危機によって世界経済はグローバル化からブロック化に向かい始めた。世界経済の先行き見通しは悪化したため、広告主の企業はコスト削減を優先しなければならず、SNSや動画サイトでの広告出稿は減少するだろう。また、データ保護やフェイクニュースなどの取り締まりのためのコストも増える。 世界的な供給制約の長期化によって半導体の不足が長引き、スマホなどITデバイスの生産が計画を下回る可能性も高まっている。中国では経済成長の低下傾向が鮮明だ。IT機器やサービスの需要の低下に加えて、生産年齢人口の減少によって労働コストも上昇するだろう。いずれもGAFAの事業運営の効率性向上を阻害する要因だ。 加えて、米国をはじめ世界的に物価が急騰している。FRBは金融政策の正常化を急がなければならない。世界的に金利は上昇するだろう。金利上昇によって、企業が永続的に生み出すと考えられるフリー・キャッシュ・フローの「割引現在価値」(将来得られる価値を現在受け取るとしたらどの程度の価値になるかを計算したもの)は小さくなる。GAFAのように成長期待が高い企業ほど、そのインパクトは大きくなり株価の下落懸念は高まりやすい。 FRBが追加利上げやバランスシート縮小を急ぐ姿勢を一段と強める場合、米国の金利は急速に上昇し、GAFAなどIT先端企業の株価の低下傾向が一段と鮮明化する恐れがある。また、米金利の上昇によって新興国からは資金が流出し、世界経済全体で成長率は低下する展開も想定される。それはGAFAの収益減少要因になるだろう。 言い換えれば、GAFA各社がこれまでの発想にとらわれることなく新しいモノやサービスを生み出し、需要を創出することが出来るか否か、その実力が問われている』、「金利上昇によって」、「フリー・キャッシュ・フローの「割引現在価値」・・・は小さくなる。GAFAのように成長期待が高い企業ほど、そのインパクトは大きくなり株価の下落懸念は高まりやすい」、「米国の金利は急速に上昇し、GAFAなどIT先端企業の株価の低下傾向が一段と鮮明化する恐れがある」、「GAFA各社がこれまでの発想にとらわれることなく新しいモノやサービスを生み出し、需要を創出することが出来るか否か、その実力が問われている」、三番目は残念ながら期待薄だ。

次に、6月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「アップル、成長鈍化の逆風下でM2チップに透ける「深謀遠慮」とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/305516
・『アップルのビジネスモデルの優位性が揺らいでいる。同社の業績への懸念が高まり、米国にあるアップルの小売店舗では労働組合が結成された。アプリストアに関しても、多くの国がアップルにストアを抱え込むのではなく、外部に開放するよう求めている。各国の規制当局がアップルのシェアをそぎ落とし、データの保護や自国企業に有利に働く環境整備を強化している。一方、アップルがメタバースに対応した「眼鏡型のデバイス」を発表するとの観測が高まる中で、クックCEOは新型の「M2チップ」を発表した。アップルが描く、ウェブ3.0の大激変期を生き抜く新しいビジネスモデルとは』、興味深そうだ。
・『アップルが新型の「M2チップ」を発表 変革期におけるその狙いとは  世界のネット業界が大激変期を迎えている。主要国の規制強化に加えて、アップルなどが主導してきた「ウェブ2.0」から、次の「ウェブ3.0」へ様変わりしつつある。その変革で、私たちとデジタル空間の距離感は一気に縮まり、新しいサービスやデバイスの需要が増える。 他方、スマートフォンなどの需要が飽和し、中国のゼロコロナ政策による供給制約やウクライナ危機による資源価格高騰が深刻化したことで、アップルのビジネスモデルの優位性が揺らいでいる。同社の業績への懸念が高まり、米国にあるアップルの小売店舗では労働組合が結成された。 そうした状況下、アップルは新しいビジネスモデルの確立を急いでいる。それを示唆するのが、チップ開発の加速だ。メタバースに対応した「眼鏡型のデバイス」を発表するとの観測が高まる中で、クックCEOは新型の「M2チップ」を発表した。その狙いは、より高性能なチップ開発を加速し、より多くの人が能動的に活動できる、新しいネット空間を整備することだろう。 アップルは人々がより積極的に新しい取り組みを進めてモノやサービスを取引するバーチャルな市場を整備し、その運営を多種多様な企業と連携して進めようとするだろう。このことが半導体部材メーカーおよび製造装置メーカーの事業運営や、米中対立に与えるインパクトは大きい』、「「M2チップ」を発表した。その狙いは、より高性能なチップ開発を加速し、より多くの人が能動的に活動できる、新しいネット空間を整備することだろう。 アップルは人々がより積極的に新しい取り組みを進めてモノやサービスを取引するバーチャルな市場を整備し、その運営を多種多様な企業と連携して進めようとするだろう」、ずいぶん意欲的なようだ。
・『アップルの成長鈍化が懸念される理由 労働組合が発足した背景  2000年代に入りアップルはiPodやiPhone、iPadなど次々と新しいデバイスを生み出して高い成長を実現した。それを可能にしたビジネスモデルが、グローバル化を追い風に設計・開発と生産を分離したことだ。 人件費が高い米国で、アップルはソフトウエアの設計と開発に集中。直感的に操作可能なデバイスを生み出し、ネット上で音楽配信やアプリストアなどを運営した。 また、世界から最も優秀な部材やユニットを低価格で調達し、中国にある富士康科技集団(フォックスコン、台湾の鴻海精密工業の子会社)の工場にユニット組み立て型生産を委託。こうして生産設備を抱える負担から解放され、米国など高価格で販売できる市場に製品を迅速に供給した。 そうした結果、収益が急拡大して資本の効率性が高まり、従業員の給料も増加した。しかし今、同社で労組が結成されたことは、ビジネスモデルの優位性が揺らぎ、高い成長の維持(≒給料の増加)が難しくなるとの懸念を示す。 複数の要因によってアップルの成長は鈍化しているが、主な要因として、従来体制での国際分業が難しくなっていることが挙げられる。 中国ではゼロコロナ政策が徹底され、iPhoneの生産が停滞した。IT業界担当の株式アナリストの間では、「iPhone14シリーズの発表が遅れる」との観測も出た。アップルは中国からインドなどに生産拠点を急速にシフトし始めた。 加えて、ウクライナ危機によって世界の資源価格が高騰している。グローバル化を追い風にソフトウエアの設計・開発のスピードを高め、新しい(アップデート型の)デバイスを供給して先端分野の需要を効率的に獲得してきたアップルに対する逆風が強くなっている。 そうした影響から、米国の店舗従業員は需要の鈍化を機敏に感じ取り、物価が高騰する環境下、自分たちの生活を守るために労組の発足に踏み切ったのだろう』、「同社で労組が結成されたことは、ビジネスモデルの優位性が揺らぎ、高い成長の維持(≒給料の増加)が難しくなるとの懸念を示す」、その通りだろう。
・『アップルの寡占化が分散され競争が激化するネット業界  アップルは世界のネット業界の激変にも直面している。端的に言えば、寡占化されたネット業界が分散化され、競争が激化する。 例えば、アプリストア(アプリ市場)の運営に関して、多くの国がアップルにストアを抱え込むのではなく、外部に開放するよう求めている。アプリ購入時の決済サービスに関しても、他の企業の参入を認めるよう規制が強化されている。 また、欧州委員会は24年秋までにデバイスの充電端子をUSBタイプCに統一するよう通告した。ナイフでケーキを切り分けるかのように、各国の規制当局がアップルのシェアをそぎ落とし、データの保護や自国企業に有利に働く環境整備を強化している。 そうした状況下、アップルは新チップM2を発表した。根底には、アップルの「深謀遠慮」があるだろう。これまでネット業界は一部の大手企業がサービスを提供し、収益とビッグデータを手に入れる(しかも「無料」で)構造だった(ウェブ2.0)。 それが今、ブロックチェーンを用いたウェブ3.0にシフトしている。これに伴い、偽造された非代替性トークン(NFT)の取引など、正規ではないデジタル資産の取引が増えるだろう。それは経済活動の効率性と透明性にマイナス影響を与える。また、米中対立や台湾海峡の緊迫化などを背景に、世界全体でサイバー攻撃のリスクが高まる。 そうした環境変化に対応しつつ成長を目指すために、アップルは他社との連携を強化して新しいネット上の秩序の構築に取り組むだろう。例えば、国際的なNFT取引の市場を整備し取引をモニターする、個々人や組織が必要に応じてネット空間で専門的なスキルを持つ人を募りプロジェクトを進める、などだ。 そうした取り組みを増やことが、個々人により高い満足感を提供する下支えになるだろう。そうした新しい仕組みを可能にするために、常時安心して接続できるネット空間の創造は不可欠だ。ウェブ3.0を支えるデバイスやサービスの先駆者利益を獲得するために、アップルはチップの設計と開発により集中し、新しいエコシステムの整備に取り組むはずだ』、「アップルは他社との連携を強化して新しいネット上の秩序の構築に取り組むだろう。例えば、国際的なNFT取引の市場を整備し取引をモニターする、個々人や組織が必要に応じてネット空間で専門的なスキルを持つ人を募りプロジェクトを進める、などだ」、なるほど。
・『急拡大する新しい半導体関連需要本邦企業と日本政府の取るべき策とは  ウェブ3.0によって、新しい半導体部材や製造装置の需要が急速に高まる。メタバースに加えて、自動車の電動化やIoT機器の導入、脱炭素、ビッグデータ利用の増加などによっても、これまであまり半導体が用いられてこなかった機器に対しても、多種多様なチップが搭載されるようになる。 ファウンドリーと半導体の製造装置分野では、先端分野での取り組みが加速している。アップルが設計・開発したチップの受託生産を行う台湾積体電路製造(TSMC)は、オランダの半導体製造装置メーカーであるASMLから次世代の露光装置を調達し、顧客の技術革新に必要な回路形成を実現すると表明した。ASMLは米コネチカット州での追加投資を発表。「ナノからピコへ」というように半導体製造の革新は加速することはあれ、止まることは考えられない。 また、アップルは米中対立の先鋭化など、脱グローバル化への対応も強化しなければならない。6月15日、アップルをはじめとする米IT先端企業のトップが連名で、「中国対抗法案」を早期に成立させ半導体生産体制強化を財政面から支援するよう、ペロシ下院議長やシューマー上院院内総務らに書簡を送った。 そうした環境下、世界のサプライチェーンの再編も勢いづくだろう。半導体の性能向上と、その実現に欠かせない部材や製造装置の創出が、各国の安全保障や経済運営により大きなインパクトを与えるようになる。 1990年代以降、わが国はデジタル化に取り残された。ウェブ3.0の時代が幕を開ける中、本邦企業はしっかりとしたビジネスモデルを確立しなければならない。各企業は先端分野におけるモノづくりの力を徹底して磨く必要がある。 加えて、日本政府が半導体の部材や製造装置、さらにはマイコンやパワー半導体など本邦企業が国際競争力を維持している分野に、支援を迅速かつ他国に見劣りしない規模感で実施することも不可欠だろう』、「1990年代以降、わが国はデジタル化に取り残された。ウェブ3.0の時代が幕を開ける中、本邦企業はしっかりとしたビジネスモデルを確立しなければならない。各企業は先端分野におけるモノづくりの力を徹底して磨く必要がある。 加えて、日本政府が半導体の部材や製造装置、さらにはマイコンやパワー半導体など本邦企業が国際競争力を維持している分野に、支援を迅速かつ他国に見劣りしない規模感で実施することも不可欠だろう」、同感である。

第三に、7月29日付け東洋経済オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「GAFA神話終焉のワケは「ネット広告の限界」だけじゃない!Twitter、Netflixも同じ」を紹介しよう。
・『米国IT企業の株価急落 バブルの崩壊か  コロナ禍で業績を伸ばしてきたアメリカのIT企業が、ここのところ軒並み株価を落とし始めています。GAFA神話の終焉(しゅうえん)、そしてネット広告の成長の「限界」が訪れているかにも見えますが、実際のところどうなのか。情報を整理し考察してみたいと思います。 直近のIT企業株下落の最初のきっかけは先週、写真共有アプリのスナップチャットを提供するSNAPの決算発表でした。発表された数字が「すでに引き下げられていた業績見通しさえ下回った」ということから、SNAPの株価は40%安と大幅に値を下げました。 続いて、7月22日にツイッターが第2四半期の決算を発表しました。こちらは広告収入が増えたとはいえ、わずか2%増と市場予想を下回り、純利益が赤字に転落しました。 そして、7月26日にアルファベット(Googleの親会社)が4~6月期決算を発表。純利益14%減と、市場予想を下回りました。アルファベットによれば、インフレとそれに伴う景気後退予測で企業が広告費を見直す傾向が強まっていると言います。 アルファベットの株価についてはすでに先週から下落が始まっていたこともあり、決算発表の後は夜間取引で逆に、株価が5%ほど上昇しました。投資家心理として「思っていたよりもマイルドな結果だった」ことが安堵を与えた様子です。 さらに、7月27日にメタ(旧フェイスブック)は、第2四半期の純利益が前年同期比で36%減少したと発表しました。これも市場予測を下回り、メタの株価は夜間取引で4%下落しました。 SNSのアクティブユーザーはフェイスブック、インスタグラム、WhatsAppなど合計で増加しているものの、広告の平均価格が前年比で14%下がっているといいます』、なるほど。
・『米ハイテク株成長の限界を象徴する二つの事件とは  時間軸を半年ぐらいさかのぼってみると、アメリカのハイテク株の成長の限界として二つの象徴的な事件がありました。 一つは、今年の2月3日に起きました。フェイスブックで1日当たりの利用者数が減少したことを報告したメタ社の株価が、1日で約26%減少する「メタ・ショック」が起きたことです。 もう一つは、動画配信大手のネットフリックスです。こちらも4月20日に会員数が過去10年で初めて減少に転じたことを公表して、株価が1日で35%下落しました。 これらの現象を眺めると、確かにアメリカのハイテク大手各社は、コロナ禍の巣ごもり需要を背景にわが世の春を謳歌(おうか)していました。そこから転じて、今年の春から夏にかけて成長の限界を迎え、アフターコロナと景気後退で一斉に勢いを落とし始めているように見えます。 この「アフターコロナと景気後退」は、アメリカIT大手の株価下落をもたらす要素ではあるのですが、ここで見落としてはいけない、もうひとつ重要な要素が存在します』、何なのだろう、
・『米IT大手を襲うのは成長の限界だけではない  それは、「お互いがお互いの収益源に対して手を出し始めたこと」です。それまでIT大手にとってブルーオーシャンだった自分の得意領域が、血で血を洗うレッドオーシャンに変質し始めているのです。 要素を整理してみましょう。SNAPの凋落(ちょうらく)やツイッター、フェイスブックのスローダウンの背景にあると言われるのが、中国資本のTikTokです。 各社の決算発表のコメントには、TikTokとの競争激化が収益減少要因として必ず登場します。若い世代のユーザーを中心に、新しいサービスに顧客を奪われているのです。 グーグルの親会社であるアルファベットは、減益の要因について「企業が広告費を見直す傾向が強まっている」と公式発表していました。実は、グーグル事業よりも動画配信ビジネスのYouTubeでの悪影響が響いたようです。 そしてYouTubeへの広告出稿が鈍化した背景には、ツイッターなど競合するSNSにおける動画投稿市場が広がったことが影響だとされています。SNSがYouTubeの収益を奪っているのです。 そのアルファベットですが、広告収入は減少した一方で、クラウドサービスの収入が市場予想よりも高かったことで売り上げは市場予測を上回りました。 ここも面白い点です。実は、マイクロソフトはアルファベットと同じ日に決算を発表して、売り上げ・利益ともに市場予測を上回っていました。しかし、そんなマイクロソフトが唯一市場の期待に応えられなかったのが、クラウドサービス分野です。クラウドサービスにおけるアジュールの成長が、予想よりも低かったのです。つまり、マイクロソフトの成長余地をアルファベットが奪った形です。 今度は、ネットフリックスに目を移してみましょう。実は、利用者減少の最大要因は、ウクライナ侵攻によるロシア・ウクライナでの利用者減少でも、アフターコロナによる巣ごもり需要の消失でもなく、ダイレクトな競合サービスである「ディズニー+」の躍進にあるようです。 「ディズニー+」は、古くからあるディズニーのコンテンツに加えて、買収によって権利を得たマーベルやスターウォーズといった強力なコンテンツを武器に拡大を始めています。 同じく強力なコンテンツに強みを持つネットフリックスにとっては、同じ戦い方で同じ市場を取り合う初めての強敵の出現ということになるわけです。成長の限界というよりも、顧客が奪われ始めているのです。 さらに、ネットフリックスは戦い方を変えるために安価な広告付きプランの導入を来年度にも始めようと考えています。これはもともと1000円を切る価格のサービスだったところから値上げを繰り返した末に、インフレ経済に突入し加入者の減少を迎えてしまったことへの対抗策です。確かに、広告事業への参入は有効性が高いと思われます。 一方で、このニュースの大きなポイントはネットフリックスが組んだ「相手」だと、私は思います。実は、その広告付きプランの開発で、ネットフリックスが組んだ相手はマイクロソフトだったのです。 要するに、ネットフリックスはグーグルと組むことができなかった。それは新しいネットフリックスの広告付きモデルが、グーグル陣営のYouTubeとダイレクトに競合して収益を奪うことを危惧しているからでしょう』、「その広告付きプランの開発で、ネットフリックスが組んだ相手はマイクロソフトだったのです。 要するに、ネットフリックスはグーグルと組むことができなかった。それは新しいネットフリックスの広告付きモデルが、グーグル陣営のYouTubeとダイレクトに競合して収益を奪うことを危惧しているからでしょう」、組む相手は「競合」状況に左右されるようだ。
・『米IT大手の株価下落 「レッドオーシャン化」が一要因  こうして要素を並べてみると、成長の限界とは別のもう一つの収益減少要因が見えてきます。 アメリカのIT大手各社のビジネスについて、お互いの収益を奪い合うレッドオーシャン化が始まったのです。さらに言えば、IT各社はまだこれから始まるメタバースに関しても一斉に侵攻を始めています。 冒頭でお伝えしたメタの大幅減益に関しても、メタバース関連への投資がかさんでいることが一つの要因です。序盤戦ですでに、メタバース事業は各社ともレッドオーシャンです。 もちろんレッドオーシャン化のきっかけはこれまでの事業の柱の成長の鈍化によって、各社とも自分と近しいビジネスの隣接領域へと手を伸ばそうと考えたからです。ですから、成長の限界が競争激化のきっかけを起こしていることも事実です。 とはいえ、これから起きる未来を考えると、成長の限界とレッドオーシャン化ではそこから導かれる未来が違ってきます。 後者が引き起こす未来、それは業界の再編です。つまりGAFAと呼ばれる4社の寡占構造が崩れ、業界地図が大きく変わる可能性が見えてきた。 それが、今起きているアメリカIT株の下落の一番大きな不安要因なのではないでしょうか?』、「GAFAと呼ばれる4社の寡占構造が崩れ、業界地図が大きく変わる可能性が見えてきた。 それが、今起きているアメリカIT株の下落の一番大きな不安要因なのではないでしょうか?」、面白い見方だ。
タグ:真壁昭夫氏による「GAFAの株価が低調、「成長の限界を迎えた」といえるこれだけの理由」 ダイヤモンド・オンライン (その7)(GAFAの株価が低調 「成長の限界を迎えた」といえるこれだけの理由、アップル 成長鈍化の逆風下でM2チップに透ける「深謀遠慮」とは、GAFA神話終焉のワケは「ネット広告の限界」だけじゃない!Twitter Netflixも同じ) GAFA 要因には、「各社の成長期待が鈍化」、「米国内の人手不足」、「ディ・グローバリズム」「に伴うコストアップ要因」、「主要先進国における個人データ保護規制の強化」、さらには「FRB」の「金融引き締め」など構造的な性格が強いようだ。 さしもの「GAFA」にも「行き詰まりの兆し」とは興味深そうだ。 「金利上昇によって」、「フリー・キャッシュ・フローの「割引現在価値」・・・は小さくなる。GAFAのように成長期待が高い企業ほど、そのインパクトは大きくなり株価の下落懸念は高まりやすい」、「米国の金利は急速に上昇し、GAFAなどIT先端企業の株価の低下傾向が一段と鮮明化する恐れがある」、「GAFA各社がこれまでの発想にとらわれることなく新しいモノやサービスを生み出し、需要を創出することが出来るか否か、その実力が問われている」、これは残念ながら期待薄だ。 悪材料がよくもここまで出揃ったものだ。 「アップル」の「国際分業体制」の「ビジネスモデルに行き詰まり」は確かに深刻だ。 三番目は残念ながら期待薄だ。 真壁昭夫氏による「アップル、成長鈍化の逆風下でM2チップに透ける「深謀遠慮」とは」 「「M2チップ」を発表した。その狙いは、より高性能なチップ開発を加速し、より多くの人が能動的に活動できる、新しいネット空間を整備することだろう。 アップルは人々がより積極的に新しい取り組みを進めてモノやサービスを取引するバーチャルな市場を整備し、その運営を多種多様な企業と連携して進めようとするだろう」、ずいぶん意欲的なようだ。 「同社で労組が結成されたことは、ビジネスモデルの優位性が揺らぎ、高い成長の維持(≒給料の増加)が難しくなるとの懸念を示す」、その通りだろう。 「アップルは他社との連携を強化して新しいネット上の秩序の構築に取り組むだろう。例えば、国際的なNFT取引の市場を整備し取引をモニターする、個々人や組織が必要に応じてネット空間で専門的なスキルを持つ人を募りプロジェクトを進める、などだ」、なるほど。 「1990年代以降、わが国はデジタル化に取り残された。ウェブ3.0の時代が幕を開ける中、本邦企業はしっかりとしたビジネスモデルを確立しなければならない。各企業は先端分野におけるモノづくりの力を徹底して磨く必要がある。 加えて、日本政府が半導体の部材や製造装置、さらにはマイコンやパワー半導体など本邦企業が国際競争力を維持している分野に、支援を迅速かつ他国に見劣りしない規模感で実施することも不可欠だろう」、同感である。 東洋経済オンライン 鈴木貴博氏による「GAFA神話終焉のワケは「ネット広告の限界」だけじゃない!Twitter、Netflixも同じ」 何なのだろう、 「その広告付きプランの開発で、ネットフリックスが組んだ相手はマイクロソフトだったのです。 要するに、ネットフリックスはグーグルと組むことができなかった。それは新しいネットフリックスの広告付きモデルが、グーグル陣営のYouTubeとダイレクトに競合して収益を奪うことを危惧しているからでしょう」、組む相手は「競合」状況に左右されるようだ。 「GAFAと呼ばれる4社の寡占構造が崩れ、業界地図が大きく変わる可能性が見えてきた。 それが、今起きているアメリカIT株の下落の一番大きな不安要因なのではないでしょうか?」、面白い見方だ。
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教育(その29)(女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳、学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価、1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち) [社会]

教育については、6月7日に取上げた。今日は、(その29)(女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳、学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価、1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち)である。

先ずは、7月21日付け東洋経済オンライン「女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/604155
・『全国で最低でも約2000人の教員が不足している。今年初めて発表された文部科学省の教員不足調査では衝撃の実態が明らかになった。学校現場では今何が起こっているのか。7月19日発売の「週刊東洋経済」では「学校が崩れる」を特集。各地の教員の声とともに教員不足の真因を深掘りした。 関西地方の中学校に通う男児は発達障害による感覚過敏があり、制服が着用できない。校内では体操服を着ているが、「校門の前までは制服を着るように学校から指導された」と母親は話す。 「教員たちが当たり前のように思っている教室の環境が、一定の子どもを排除するルールになっている」と言うのは、東京都公立小学校の宮澤弘道教諭だ。 「例えば、授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール。この儀式が苦手な子がいると授業が始まらず、『あいつのせいでまた待たされている』と周りの子も思うようになる」』、「授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール」、いまどきこんな硬直的な「ルール」が大手を振っているとは、驚かされた。
・『女性がズボンを履くには「異装届」が必要  2006年に改正された教育基本法では規律や規範が重視され、学力向上のため、独自の細かい決まり事を作る学校が増えているという。 下関市立大学学長の韓昌完教授は、「日本は一定の枠に子どもを入れる一斉教育を強化することで学力を上げてきた。既存の枠に入らない子を多様性とみるのではなく障害として別の枠(特別支援学級など)に入れている」と指摘する。 日本の学級規模はOECD(経済協力開発機構)加盟国中、小学校では3番目、中学校では2番目に大きい(図は主要国のみを掲載) 日本は学級規模が大きいうえ、集団の規律性を重んじる学校文化がある。日本独自の学校文化に苦しむのは、障害のある子どもだけではない。 生徒指導主任の経験がある男性教員は、髪型や靴下の色まで決める校則を疑問視する。 「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させているが、その子にとっては『異装』ではない」。その学校では、ズボンを許可する日を管理職と親が決め、それ以外の日に着て来ると管理職は「調子に乗っていつも着て来るのではないか」と心配しているという。 こうした校則は「なくてもいい」と男性教員は言い切るが、学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ。教員になるか進路を迷う大学4年生の女性は、「教員になったら、気づかぬうちに学校文化に染まってしまうのではないか心配だ」と話す。 近年、学校では外国籍の子どもや外国にルーツを持つ子どもが増えている。そうした子どもにとって、「学校とはどういう場なのか」という文化的な理解が異なることもある。 「マジョリティーの人が当たり前だと思っている授業のやり方や慣習が、マイノリティーの子どもの生きづらさになっている」と東京大学の小国喜弘教授(教育学)は言う。 細かすぎる理不尽な校則は「ブラック校則」として近年メディアでも広く報道された。文部科学省は2021年6月、都道府県教育委員会などに「校則の見直し等に関する取組事例」を告知し、校則を積極的に見直すよう学校に促している』、「「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させている」、「ブラック校則」そのものだ。「学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ」、「学校」がいまだに特殊な世界にあるようだ。
・『地域の目が圧力に  しかし、厳しい校則は学校だけの責任とはいえない。「とくに服装などの身なりは『世間』の目が強い圧力になっている」と中央大学の池田賢市教授(教育学)は言う。 「教員がそこまで厳しくしなくてもいいと思っていても、『地域の人に迷惑をかけないように』とか、『将来就職する地元企業からの信頼につながる』と、地域社会の目を気にする学校が多い」(池田教授) 登校時だけ制服を着てくるように言われた冒頭の例も、地域の目を意識してのことだろう。実際、「下校時などの地域住民からのクレーム対応が負担になっている」と嘆く教員は多い。 校則の見直しに生徒が参加する学校も増えてきたが、皮肉なことに生徒自身が校則を考えると、「従来の校則より厳しいものになるという実践報告がよくある」と池田教授。校則は禁止事項の羅列という考えが土台にあるからだ。 「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」(池田教授) 多様性の受容と子どもの権利保障を基本に据えなければ、学校文化や校則は本質的に変わらないだろう』、「地域の目が圧力に」、無責任な意見は無視し、正々堂々と理由を説明すべきだ。「校則は禁止事項の羅列という考えが土台にある」のは問題だ。「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」、考え方を欧米流に合理化すべきだろう。

次に、6月29日付け東洋経済オンラインが掲載した教育ジャーナリストの佐藤明彦氏による「学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/598929
・『公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第4回は、実力のある非正規教員が正規教員になれない背景に迫る。(過去の記事はこちら) 「なぜ、あの人が正規教員でないのか」 人づてに耳にした言葉に、中部地方で高校の理科教員をする武田晴久さん(仮名)は複雑な思いをした。 武田さんは、今年で非正規教員13年目を迎える。武田さんが周囲から「正規教員」でないことに驚かれるのは、高校の教師として特筆すべき能力と実績があるからだ。 一つは、大学・大学院時代を通じて深めてきた生物・地学領域での専門性だ。大学院を卒業後も博物館でボランティアをするなど、この領域への探究心は強く、自ら学んで得た深い知見は日々の授業にも生かされている。もう一つは、部活動顧問として全国優勝を成し遂げたことだ。理科教員ならではの知識とスキルを生かし、ある競技でチームを頂点に導いた。 「一般企業ならとうに採用している」 そんな武田さんに対して、部活動で付き合いのある会社経営者は冒頭のように、「なぜ、あの人が正規教員でないのか。一般企業ならとうに採用している」と話したという。 「他の先生から聞いた話ですが、うれしかった反面、自分の実績と立場の釣り合いが取れていないことに複雑な思いもしました」(武田さん) 大学院を卒業後に教員採用試験を受けたが、当時は倍率が10倍をはるかに超えていたこともあって合格することができなかった。その後も毎年、採用試験は受けているが、あと一歩のところで合格ラインには届いていない。その結果、現在に至るまで臨時的任用教員(常勤講師)として教壇に立ち続けている。 教員として10年以上のキャリアのある武田さんは、周囲から一人前と認められ、「仕事ができる人」と言われることもある。 民間企業の場合、非正規社員として実績を残せば、それが職場の評価となって正規社員に登用されることがある。加えて、有期労働契約が通算5年を超えた場合、本人が希望すれば期間の定めのない労働契約に切り替えられる、いわゆる「無期転換ルール」がある。 そもそも、昨今は中小企業を中心に人手不足が著しく、人材の確保という側面から、非正規社員の正規化を図る企業も少なくない。そうしたことから、民間企業の非正規率は2019年の38.3%をピークに2年連続で減少するなど、状況はわずかながら改善に向かっている(総務省「労働力調査」)。 しかし、公立学校には民間企業のような「無期転換ルール」がなく、長い人は10年以上にわたって非正規雇用のまま働き続けている。人手不足が著しい状況にもかかわらず、非正規教員の正規化を積極的に図ろうとする自治体は皆無に等しい』、「非正規教員13年目」とは気の毒だ。
・『「現場の評価」と「採用試験での評価」が一致しない  教員には民間企業のような正規化のルートがないことから、どんなに学校での評価が高くでも、正規教員になる唯一の道は教員採用試験を突破することだ。 実は武田さんのように、高い能力と実績を持っているにもかかわらず、採用試験に落ち続ける人は珍しくない。中には高い授業力があり、学校のキーマンとして活躍しているような人が、非正規教員というケースもある。 首都圏の公立小学校に勤める川島和希さん(仮名、第1回参照)も、そんな教師の一人だ。非正規教員として働き続けて10年近くの間、正規教員が敬遠するような難しいクラスの担任を幾度となく受け持ち、時に荒れた学級の立て直しを任されることもあった。学校教育や子どもたちに対する貢献は計り知れない。 こうした人たちが非正規のまま働き続けているのは、「職場での評価」と「教員採用試験での評価」が一致しないことによって起こる現象だ。 教員採用試験の実施形態は自治体によって異なるが、おおむね1次試験と2次試験の2段階で行われる。1次では主に筆記試験が課され、教育に関する学術的・制度的な知識が問われる。出題範囲は非常に広く、しっかりと対策をして本番に臨むことが必要となる。それを突破して2次に進めば、面接や模擬授業などが待っている。 しかし、臨時的任用教員としてフルタイムで働きながら受験する人の場合、対策の時間を取りづらい。そうした状況がある中で、試験対策の時間を十分取れる大学生と肩を並べて毎回試験に挑まなければならない 武田さんも1~2年目は仕事を覚えるのに手いっぱいで、試験対策をほとんどすることができなかった。その結果、あえなく1次試験の壁に阻まれることとなった。 3年目に初めて1次を突破した武田さんは、2次試験の面接・論文に向けて、万全を期そうと思った。だがその矢先、部活動関連の仕事が次々と入り、2次の前日には大会のリハーサルで、ほぼ終日拘束されてしまった。その結果、十分な準備もできないまま本番に臨み、不合格となってしまった』、少なくとも「2次試験」では、勤務評価や特殊事情を考慮できるような仕組みにすべきだろう。
・『「断ったら二度と講師はできない」  教員は、部活動の顧問の仕事をボランティアに近い状態で担っている。大事な採用試験を前に、そうした仕事を断ることはできなかったのか。 「仕事をきちんとやらないと、講師(臨時的任用教員)として働けなくなるという恐怖心がありました。だから、そんなことは言えませんでした」 当時をそうふり返る武田さんは、非正規教員1年目の終わりごろ、忘れられない経験をしている。当時、特別支援学校に勤務していたところ、近隣の高校の教頭から「来年度、うちの学校で講師をしないか」との電話が入った。武田先生が「少し考えさせてください」と答えると、その教頭はこう言った。 「この話を断ったら、二度とこの県で講師はできないと思え」 武田さんは、今もこの言葉が頭から離れない。そんな経験をすれば、「採用試験があるので、部活動の仕事は軽減してください」と言えなくなるのは当然であろう。 職場の優秀な人材を正規教員に登用する仕組みが存在せず、教員採用試験というやや特殊な選考システムにより、多くの教員が非正規雇用のまま放置され続けている。公教育の質の担保という点でも問題と言わざるをえない』、学校現場の声が教育委員会に届いているとすれば、「非正規雇用の教員」を「正規化」する知恵を絞り出すべきだ。

第三に、続きとして、7月30日付け東洋経済オンラインが掲載した教育ジャーナリストの佐藤明彦氏による「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/606090
・『公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第6回は、初任者研修すら受けられずに教壇に立ち続けざるを得ない非正規教員の現実に迫る。(過去の記事はこちら)。 首都圏の公立小学校で非正規教員として働く香川隆二さん(仮名)は、教員1年目のときのことが忘れられない。大学4年の時に教員採用試験を受けたが不合格となり、翌年は地元の小学校で臨時的任用教員(常勤講師)として働くことになった。だが、その1年目は散々なものだった。 「2年生の学級担任になりましたが、何をやってもうまくいきませんでした。日々の授業も、子どもたちへの指導も自己流、見よう見まねでやっていましたからね……。すぐに学級崩壊に近い状態となって、教頭先生にもクラスに入ってもらいながら、何とか1年を乗り切りました」(香川さん) 小学校では常勤の非正規教員の大半が1年目から担任を持つ。比較的落ち着いたクラスを受け持つケースが多いが、時に校内人事のなりゆきで難しいクラスを持たされることもある』、「臨時的任用教員」には「研修」もないとは余りに酷い。
・『何の研修もないまま、教壇に立ち続ける  「非正規教員は、何の研修も施されないまま、教壇に立たされ続けます。そんな仕組み自体に無理があるのではないでしょうか」と香川さんは振り返る。結局この年はクラス運営で手一杯となり、教員採用試験の対策時間もろくに取れず、不合格となってしまった。 香川さんの学校にはもう一人、1年目の教員がいた。同じ大卒だが正規採用、そのため「初任者研修」があり、校内でメンター役の教員から指導を受けたり、時に教育センターに出向いて講義を受けたりしていた。 「同じ1年目でも、職場での扱いがまったく違っていました。向こうは大事に『育成』されているのに対し、こっちは完全に『放置』されている感じです。当時は、『試験に合格できなかった自分が悪い』と思っていましたが、今思えば少し酷い扱いだと思います」(香川さん)) 小学校の教員は、年間1000コマ近い授業を一人で受け持つ。授業内容はどれ一つ同じではなく、すべての授業に入念な準備が必要となる。30~40人もの子どもたちを統率しながら、これら一つひとつの授業を成立させていくためには、高度な技能を要する。 だが、どの教員も大卒1年目から学級担任を任される。考えてみれば無理のある話で、民間企業で言えば新入社員が一人で得意先を回るようなものだ。だからせめてもということで、1年目に初任者研修が行われ、後追いでの「育成」が行われる。 初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる。内容は授業に関わることから服務に関することまで幅広く、教員として必要な知識やスキルをみっちりと叩き込まれる。「300時間+25日間」というボリュームを見ても、一人前の教師にするべく手厚く育てていこうという意図が感じられる。 ところが、同じ1年目でも非正規教員には初任者研修がない。最近は、各自治体が独自に研修を実施しているケースもあるが、その内容は初任者研修とは比べ物にならないほど薄い』、「初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる」のに、「非正規教員には初任者研修がない」というのは不均等が甚だし過ぎる
・『放置された結果、1年も経たず辞めていく人も  この状況について、あるベテラン教員が次のように指摘する。 「研修も施さない人間を教壇に立たせること自体、公教育としての責任を果たせていない。正規であろうと非正規であろうと、子どもたちを相手に授業をするという点では同じですからね」 また、別のある小学校の中堅教員は、「採用側に非正規教員を『育成しよう』という意識はありません。放置された結果として、1年も経たずに辞めていく人も少なくありません」と話す。一般的に1年以内の退職は職業的な「ミスマッチ」によって起こる。だが、公立学校においてはこれが「放置」によって生じているとすれば、看過できない。 こうした状況を改善する方策の一つとして、常勤の非正規教員にも初任者研修を課し、後に正規教員になった際には免除するということが考えられる。極めて合理的な仕組みで、公教育としての責任を果たすうえでも理にかなっている。だが現状、そうした制度の導入は検討されていない。 なぜ、そうしないのか。前出の中堅小学校教員に聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。 「そんなことするはずがありません。できが悪ければ切り捨てればいいと考えているわけですから。非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」』、「非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」、そうであれば、「学級担任」など責任のある仕事は任せるべきではない。任せるのであれば、「初任者研修」を受けさせるべきだ。
・『教員不足解消のためにも研修が必要  非正規で雇っている人に対する研修や教育は、その人を「見習い」と捉えるのか、「臨時的な穴埋め」と捉えるかによって変わってくる。公立学校の場合、非正規教員の大半はいずれ正規教員になることを目指し、見習いとしての意識で働いている。にもかかわらず、雇用する側が臨時的な穴埋めとしか捉えていないとすれば、両者の間には大きな意識の隔たりがあることとなる。 もちろん、1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題であろう』、「1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題」、同感である。
タグ:教育 (その29)(女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳、学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価、1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち) 東洋経済オンライン「女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳」 「授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール」、いまどきこんな硬直的な「ルール」が大手を振っているとは、驚かされた。 「「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させている」、「ブラック校則」そのものだ。「学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ」、「学校」がいまだに特殊な世界にあるようだ。 「地域の目が圧力に」、無責任な意見は無視し、正々堂々と理由を説明すべきだ。「校則は禁止事項の羅列という考えが土台にある」のは問題だ。「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」、考え方を欧米流に合理化すべきだろう。 東洋経済オンライン 佐藤明彦氏による「学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価」 「非正規教員13年目」とは気の毒だ。 少なくとも「2次試験」では、勤務評価や特殊事情を考慮できるような仕組みにすべきだろう。 学校現場の声が教育委員会に届いているとすれば、「非正規雇用の教員」を「正規化」する知恵を絞り出すべきだ。 佐藤明彦氏による「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち」 「臨時的任用教員」には「研修」もないとは余りに酷い。 「初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる」のに、「非正規教員には初任者研修がない」というのは不均等が甚だし過ぎる 「非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」、そうであれば、「学級担任」など責任のある仕事は任せるべきではない。任せるのであれば、「初任者研修」を受けさせるべきだ。 「1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題」、同感である。
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決済(その9)(5 年後の約束手形の利用廃止について 資金手当ての役割は薄れ手形残高は 30 年前の 4 分の1に、急成長する「後払い決済サービス」1兆円市場の死角は? 増える消費者トラブル、「Paidy」って何だ?見知らぬサービスから怪しい認証コードが届く裏話、これはれっきとした「ヤミ金」である…人気急上昇中の「ツケ払い」サービスで荒稼ぎする悪質業者の手口 法の抜け穴を突いた"後払い現金化"のカラクリ) [金融]

決済については、1月4日に取上げた。今日は、(その9)(5 年後の約束手形の利用廃止について 資金手当ての役割は薄れ手形残高は 30 年前の 4 分の1に、急成長する「後払い決済サービス」1兆円市場の死角は? 増える消費者トラブル、「Paidy」って何だ?見知らぬサービスから怪しい認証コードが届く裏話、これはれっきとした「ヤミ金」である…人気急上昇中の「ツケ払い」サービスで荒稼ぎする悪質業者の手口 法の抜け穴を突いた"後払い現金化"のカラクリ)である。

先ずは、昨年3月4日付け大和総研が掲載した金融調査部 主任研究員 鈴木文彦氏による「5 年後の約束手形の利用廃止について 資金手当ての役割は薄れ手形残高は 30 年前の 4 分の1に」の要約部分を紹介しよう。
https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/securities/20210304_022129.pdf
・『 5 年後(2026 年)の約束手形の利用廃止を目指し、政府は「約束手形の利用の廃止等に向けた自主行動計画」の策定を産業界、金融界に求める方針だ。去る 2 月 19 日に取りまとめられた中小企業庁「約束手形をはじめとする支払条件の改善に向けた検討会」を受けた経済産業大臣記者会見で明らかになった。背景には下請取引の適正化、金融のデジタル化・ペーパーレス化の社会的な要請がある』、興味深そうだ。
・『 すでに支払手形は残高ベースで 30 年前の 4 分の 1 に落ち込んでいる。振出、受取、振出の連鎖の源流にある建設業で手形払いが減少した。企業単位でみれば手形払いから現金払いへの切り替えは資金不足要因となるため、5 年後の全面廃止に向けては個々の企業の資金手当てが課題となる。もっとも、コロナ禍による不確実性はあるが 30 年前に比べ借入余力があることからその程度は大きくないと思われる』、「支払手形は残高ベースで 30 年前の 4 分の 1 に落ち込んでいる」、とはいうものの、「4 分の 1」も残っているともいえる。今後、金融界の姿勢はまだハッキリしないが、慎重に検討してほしいものだ。

次に、本年1月22日付け日刊ゲンダイが掲載した金融ジャーナリストの小林佳樹氏による「急成長する「後払い決済サービス」1兆円市場の死角は? 増える消費者トラブル」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/300262
・『今年前半にも市場規模が1兆円に乗ると予想される新興ビジネスがある。クレジットカードを使わずに、オンラインで買い物ができる「後払い決済サービス」だ。 同サービスは、インターネット通販(EC)で商品を購入し、商品が届いた後、2週間から1カ月程度の間に紙の請求書やスマホアプリに届くバーコードを使ってコンビニや銀行などで代金を支払う仕組みだ。 「衣料品や食品などの物販のほか、旅行代金やオンラインゲームの課金サービスも対象で、クレジットカードを持たない若者層を中心に急速に利用額を伸ばしています」(メガバンク幹部)という。 昨年10月に米ペイパルが3000億円で買収したペイディや、同12月15日に東証1部に上場したネットプロテクションズホールディングスは最大手の事業者として知られる。 だが、代金の精算を翌月1回払い(マンスリークリア)のみとしている業者が大半で、割賦販売法の適用除外となっていることもあり、市場規模の拡大とともに消費者トラブルも増えている。「国民生活センターには利用者の支払い能力を超えて決済が行われているケースや事業者が問い合わせに十分な対応をとってくれないといった苦情が多く寄せられているようです」(前出のメガバンク幹部)という』、興味深そうだ。
・『業界団体を設立して自主ルールを策定予定  また、後払い決済サービス事業者はEC事業者(加盟店)の売り上げを立て替え、請求書の発行や代金回収を行うことで、加盟店から2~5%程度の手数料を得ているが、「収益を伸ばすため、クレジットカード会社の加盟店審査で落とされた信用力に問題のあるEC事業者を加盟させるケースも散見される」(前出のメガバンク幹部)という。このため大手後払い決済サービス事業者は昨年5月に、「日本後払い決済サービス協会」なる業界団体を設立し、今年早々にも加盟店審査に関する自主ルールを策定する予定だ。 急速に市場規模を拡大する後払い決済サービスだが、割賦販売法の網のかからない新興ビジネスだけに事業者は玉石混交だ。過度に規制を強 化すれば伸び盛りの市場に水を差す。しかし、消費者トラブルが大きく社会問題化したのでは後の祭りとなるジレンマを抱えている』、「クレジットカード会社の加盟店審査で落とされた信用力に問題のあるEC事業者を加盟させるケースも散見される」、のは大いに問題だ。「消費者トラブルが大きく社会問題化したのでは後の祭りとなるジレンマを抱えている」、やはり「消費者トラブル」を「社会問題化」させないような工夫が必要だろう。

第三に、3月11日付けダイヤモンド・オンライン「「Paidy」って何だ?見知らぬサービスから怪しい認証コードが届く裏話」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/298716
・『先日、スマートフォンに知らない番号からSMSが届きました。「【Paidy】認証コードはxxxxです。ログイン画面にご入力ください」。しかし認証コードを届くようなことはしていないし、ログイン画面のURLも書かれていないのです。いったいどうしろと……?』、怪しい誘導だ。
・『見知らぬ名前のサービスからSMSで認証コードが届いた  先日、スマートフォンに見慣れない電話番号からSMS(テキストメッセージ)が届いた。文面は「【Paidy】認証コードはxxxxです。ログイン画面にご入力ください。」というものだ(xxxxは4桁の数字)。 二段階認証の確認のような文面だが、そもそもこの【Paidy】というサービスを使ったことがない。ログイン画面に入力というが、入力するURLもない。 何だろうと思って調べたところ、Paidy(ペイディ)とは「メールアドレスと携帯電話番号だけでお買い物ができる」という触れ込みのキャッシュレス決済サービスだった。AmazonやQoo10など複数のECサイトで使うことができ、使った分は翌月にまとめてコンビニ払いなどで支払う。iPhoneを分割手数料0%で購入できるというプランもあるという。どうやら、クレジットカードを持っていなくても、クレジットカード的な使い勝手を手軽に実現するというコンセプトのサービスのようだ。 Paidyの利用方法(PaidyはECサイトで使える“後払いサービス”。メールアドレスと携帯電話番号だけで決済ができるという 似た名前で「ペイジー」という決済サービスもあるので一瞬それかと思ったのだが、まったくの別物。決済系のサービスは「ペイなんとか」という名前が多いので、探せば他にも似た名前のサービスがありそうな気がする。実に紛らわしい……』、よくぞここまで、いい加減な誘い文句を考えるものだ。
・『SMSの文面はさまざまなパターンがある  「誰かが何かをオンラインで買おうとして、間違えて私の電話番号を入力したのだろうか」とも思ったが、それなら認証番号が届かないから気が付いてやりなおすはずだ。念のためと思ってTwitterで検索してみると、「Paidyを使っていないのにSMSで認証コードが届いた」と気味悪がっている人がたくさんいた。怪しい。 私が受け取ったSMSはやはり不審なものだったようだ。調べてみると、文面は私が受け取ったもののほかにも数種類あり、 ・Paidy 決済認証番号: xxxx を Paidy(ペイディー)の画面に入力すると、こちらの電話番号で決済手続きがおこなわれます。 ・【Paidy】ペイディのお支払い方法に問題があります、更新してください https://~ ・【Paidy】お使いのアカウントを一時的に停止しました, ご確認が必要ですhttps://~ といった、特定のURLに誘導するものもある。 SMSではなく、メールが届いている人も多数いるようだ。こちらはSMSと同様の文面のものに加えて、 ・「Paidyご利用確認のお願い」と称して、カード利用の一時制限を行いカードの利用確認をさせる ・「利用制限解除の手続き」と称してアカウントの再設定を行うことを誘導する など、さらにバリエーションが豊か(?)だった。 Paidyも認識はしているようで、公式サイトには「ペイディを利用していないのに認証コードのSMSを受信された方」「ペイディを装った不審なメール・SMSについて」という注意喚起のページができている。 対処法としては、原則「無視」。気持ち悪いが、せいぜい届いたSMSやメールを削除する、送信元の電話番号をブロックするくらいしかできない。間違っても、SMSやメールに書かれたリンクに飛び、誘導された通りに個人情報を入力したり、支払いをしたりといったことがないようにしてほしい』、「対処法としては、原則「無視」。気持ち悪いが、せいぜい届いたSMSやメールを削除する、送信元の電話番号をブロックするくらいしかできない」、「気持ち悪いが」、しょうがないようだ。
・『典型的なフィッシング詐欺  PaidyをかたるSMSやメールは、2021年12月ごろに急増したがいったん減少、そして今年に入ってまた増えている。フィッシング対策協議会が21年12月27日に「緊急情報」を出していた。 https://www.antiphishing.jp/news/alert/paidy_20211227.html 手口を見ると典型的なフィッシング詐欺で、SMSやメールに書かれているURLは偽物。Paidyのログイン画面を装った偽のWebサイトに誘導し、メールアドレスや携帯電話番号を入力させて個人情報を抜くのが目的のようだ。 実行者は日本人ではいのか、メールの文面で「カード」が「カド」になっていたり、送信元が「ペンディ」「パイディ」などとなっていたりと、ずさんなメールも多くある。URLが【http://paily~】や【http://paidyi~】となっているなど、よく見ると見破れるものもある。 基本的な対応は「信用しない」ことだ。このサービスを使っていないのであれば上述の通り無視する、ユーザーであれば専用アプリや、MyPaidyのURLからログインする、といった対応をし、SMSやメールからURLにアクセスしないことをおすすめする』、「典型的なフィッシング詐欺」のようだが、大いに気をつけたいものだ。

第四に、7月28日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの森岡 英樹氏による「これはれっきとした「ヤミ金」である…人気急上昇中の「ツケ払い」サービスで荒稼ぎする悪質業者の手口 法の抜け穴を突いた"後払い現金化"のカラクリ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/59992
・『クレジットカードを持たないZ世代の間で人気上昇中  新興サービスには必ずといっていいほど、それを悪用して暴利をむさぼろうとする者が現れる。急成長しているクレジットカードを使わずにオンラインで買い物ができる「後払い決済サービス」(BNPL)もそのひとつだ。 同サービスは、インターネット通販(EC)で商品を購入し、商品が届いた後、2週間から1カ月程度の間に紙の請求書やスマホアプリに届くバーコードを使ってコンビニや銀行などで代金を支払う仕組みだ。衣料品や食品などの物販のほか、旅行代金やオンラインゲームの課金サービスも対象で、クレジットカードを持たない若者層を中心に急速に利用額を伸ばしている。 海外では、昨年10月に米PayPal(ペイパル)が3000億円で買収したPaidy(ペイディ)が代表格で、日本では昨年12月15日に東証1部に上場したネットプロテクションズホールディングスが最大手の事業者として知られる。とくに米国では、クレジットカードを持たない若者層を中心に急速に普及しており、いわゆる「Z世代」と呼ばれる層の約4割はBNLPを利用しているというデータもある』、興味深そうだ。
・『「錬金術」でそそのかし、暴利を取る悪質業者も  だが、代金の清算を翌月1回払い(マンスリークリア)のみとしている業者が大半で、割賦販売法の適用除外となっていることもあり、市場規模の拡大とともに消費者トラブルも増えている。「2020年の改正割賦販売法で後払い類似サービスに関する規制が定められたのですが、後払い期間が2カ月以内の場合、割賦販売法の規制を受けないことになっています」(メガバンク幹部)というのが理由だ。 例えば、国民生活センターには利用者の支払い能力を超えて決済が行われているケースや事業者が問い合わせに十分な対応をとってくれないといった苦情が多く寄せられているという。中でも懸念されるのは、今回紹介するような「錬金術」で消費者をそそのかし、利ザヤを稼ぐ悪質業者の存在である』、どんな「錬金術」があるのだろう。
・『「ブラックリスト入り」でも即現金化が可能  「いわゆる後払い(ツケ払い)現金化に要注意!」(日本貸金業協会、財務局、金融庁、警察庁、消費者庁は連携で、こうした注意喚起を行っている。モデルケースとされる事例は次のようなものだ。 ①利用者はスマホで後払い決済業者に商品を申し込む。②後払い決済サービス業者は利用者が金融取引でブラックリストに登録されていても利用可能なこと、商品とともにキャッシュバック名目などで金銭を利用者に支払うが、これは利用にとって借金(借り入れ)でないことを伝える。③利用者は商品の代金を後払いする――というフローだ。 この後払い(ツケ払い)現金化の特徴は、形式的には後払いによる商品売買だが、商品代金の支払いに先立ち、商品の購入者が金銭を受け取ること。商品の価値と販売価格が必ずしも見合っておらず、顧客も商品を購入することを目的にしていないことで、キャッシュバック・レビュー報酬名目や提携した買取業者が当該商品を買い取ることにより金銭を支払うことが多いこと。 また、給料日等に商品代金を支払うことになり、その商品代金と先に受け取った金銭との差額が高額であることなどが特徴となっている』、表現が一般的すぎて、あと1つ問題的がはっきりしない。
・『商品の売買に見せかけた「ヤミ金」である  日本貸金業協会や各省庁は、この後払い(ツケ払い)現金化について、「形式的には商品の売買であっても、その経済的な実態が貸し付けであり、業として行う場合には、貸金業に該当するおそれがあります。貸金業登録を受けずに貸金業を営む者は、違法なヤミ金融業者です」と厳しく指摘している。 インターネットで「後払い、現金化」で検索すれば、「後払いアプリの即日現金化方法とすぐ使えるアプリ」など数多くの紹介サイトがヒットする。「クレジットカードや消費者金融以外でもお金を用意する方法が流行っています」と銘打たれたサイトには、「後払い・ツケ払い現金化」は違法だが、「後払いアプリ現金化」は合法と謳うたわれている。 そして、両者の違いについては次のように説明されている。まず合法の「後払いアプリ現金化」は、後払いアプリを使ってECサイトなどで商品を購入して転売することで現金を得る仕組み。これに対して「後払い・ツケ払い現金化」は、業者から商品を後払いで購入したキャッシュバック特典として現金を受け取る仕組みで、実際の商品取引はないというものだ。 「後払い・ツケ払い現金化」は極めて違法性の高い、実質的にヤミ金融と指摘されている。日本貸金業協会や関係省庁が注意喚起しているのもこの取引にほかならない』、「「後払い・ツケ払い現金化」は、業者から商品を後払いで購入したキャッシュバック特典として現金を受け取る仕組みで、実際の商品取引はないというもの」、この説明はさっぱり理解できない。キャンセルをしていないので、「実際の商品取引はない」というのはどいうことだろう。
・『1万円の洋服を購入後、30%引きで転売し…  さらに、健全とされる「後払いアプリ現金化」の中にも合法すれすれのグレーゾーンな取引を行う業者が含まれている点は見逃せない。合法か違法かは、実際の商品取引の有無で分かれると紹介サイトで説明されているが、違法な後払い(ツケ払い)現金化でも商品取引がある場合もある。 また、合法とみられている後払いアプリ現金化でも、買い取り価格と購入代金の差が大きい場合、実質的に利用者は高利な消費者金融を利用しているのと同じケースも少なくない。例えば「後払いで買った商品を7割といった高い割引率で買い取って現金化するビジネスも横行し始めている」(メガバンク幹部)というのだ。イメージとしては次のような取引だ。 ECサイトで1万円の洋服を購入したと同時に、後払い決済業者を通じて買い取り業者に転売して現金が振り込まれる。利用者は商品を買うだけで当座の現金を手にでき、遊興費などに充てられるという仕組みだ。問題はその買い取りに際しての換金率が即日現金化業者の場合、大半が70~85%という水準に設定されていることだ。利用者は購入商品の価格が少額であることから、割引率が15~30%と高くても負担感は乏しく、むしろ当座の現金が得られることを優先しがちといえる』、「利用者は購入商品の価格が少額であることから、割引率が15~30%と高くても負担感は乏しく、むしろ当座の現金が得られることを優先しがち」、なるほど。
・『「1万3000円のうち利ザヤが3000円」の超高利  さらに、「ECサイトで1万円の商品を悪質事業者を通じて買えば1万3000円で買わなければならないが、商品を買うと同時に転売した形で利用者には1万円が振り込まれる。利用者は、商品を買うことで1万円の当座の現金を手にし、遊興費などに充てられる。ただし、1カ月後に、1万3000円を支払わなければならない。後払い事業者は利用者に代わって1万円を立て替え払いしているという仕組みも考えられる」(メガバンク幹部)という。 つまり消費者金融では利息制限法などにより上限金利があり、高利は付けられないが、商品を介する後払い決済サービスという新しい仕組みでは、その網を潜り抜けられる。割賦販売法も超短期では規制はない。超短期での返済なので表面的には高利という感じはないが、年利に引き直すと超高利になるのだ。 後払い決済サービス事業者はEC事業者(加盟店)の売り上げを立て替え、請求書の発行や代金回収を行うことで、加盟店から2~5%程度の手数料を得ている。だがこのところ、収益を伸ばすため、クレジットカード会社の加盟店審査で落とされた信用力に問題のあるEC事業者を加盟させるケースも散見されるという』、「収益を伸ばすため、クレジットカード会社の加盟店審査で落とされた信用力に問題のあるEC事業者を加盟させるケースも散見」、顧客との間でトラブルを起こし易い「EC事業者」が潜り込んだことで、損害は「クレジットカード会社」が負うのか、消費者が負うのかどちらなのだろう。
・『急成長市場に「悪質業者」はつきもの  利用限度額は数万円から20万円程度が多く、「未払い履歴があるなど明確な理由がなければ、ほぼ審査を通過できる」とされる。後払い決済サービス事業者は電話番号や住所など、簡便な情報をもとに与信を行っており、「犯罪収益移転防止法に基づく本人確認を行う必要もない。それだけ事業コストがかからないが、焦げ付きリスクも高い」(メガバンク幹部)とされる。 審査は購買履歴などを活用するが、信用情報や属性などを活用するクレジットカードなどと比べて緩い分、不良債権化する割合は高いというわけだ。その分、利用額を小口化して、短期間返済(数回の分割や定額払いもあるものの、主流は一括払い)とすることで焦げ付きリスクを抑えるというビジネスモデルである。 信用力に問題のあるEC事業者も加盟店として登録されているだけでなく、新しいビジネスだけに後払い決済事業者そのものも玉石混交の状態にある。 新たなサービスでは法の未整備を突いた悪質業者が出てくることは歴史が証明している。社会問題化してはじめて法整備が図られる。それまでの間、悪質な業者はのさばるという構図である。商品の決済サービスの形をとっているが、事実上の高利の消費者金融(与信)と変わらないグレーゾーン取引は看過できない。 後払い決済サービスは今年前半にも市場規模が1兆円に乗ると予想されている。急成長する市場なだけに過度の規制は避けるべきだろうが、健全な利用者や金融知識に乏しい若者が泣きをみることはあってはならない』、「事業コストがかからないが、焦げ付きリスクも高い」、「審査は購買履歴などを活用するが、信用情報や属性などを活用するクレジットカードなどと比べて緩い分、不良債権化する割合は高い」、「その分、利用額を小口化して、短期間返済・・・とすることで焦げ付きリスクを抑えるというビジネスモデル」、「商品の決済サービスの形をとっているが、事実上の高利の消費者金融(与信)と変わらないグレーゾーン取引は看過できない」、これには何らかの形で規制すべきだろう。「健全な利用者や金融知識に乏しい若者が泣きをみることはあってはならない」、同感である。  
タグ:鈴木文彦氏による「5 年後の約束手形の利用廃止について 資金手当ての役割は薄れ手形残高は 30 年前の 4 分の1に」 大和総研 決済 (その9)(5 年後の約束手形の利用廃止について 資金手当ての役割は薄れ手形残高は 30 年前の 4 分の1に、急成長する「後払い決済サービス」1兆円市場の死角は? 増える消費者トラブル、「Paidy」って何だ?見知らぬサービスから怪しい認証コードが届く裏話、これはれっきとした「ヤミ金」である…人気急上昇中の「ツケ払い」サービスで荒稼ぎする悪質業者の手口 法の抜け穴を突いた"後払い現金化"のカラクリ) 「支払手形は残高ベースで 30 年前の 4 分の 1 に落ち込んでいる」、とはいうものの、「4 分の 1」も残っているともいえる。今後、金融界の姿勢はまだハッキリしないが、慎重に検討してほしいものだ。 日刊ゲンダイ 小林佳樹氏による「急成長する「後払い決済サービス」1兆円市場の死角は? 増える消費者トラブル」 「クレジットカード会社の加盟店審査で落とされた信用力に問題のあるEC事業者を加盟させるケースも散見される」、のは大いに問題だ。「消費者トラブルが大きく社会問題化したのでは後の祭りとなるジレンマを抱えている」、やはり「消費者トラブル」を「社会問題化」させないような工夫が必要だろう。 ダイヤモンド・オンライン「「Paidy」って何だ?見知らぬサービスから怪しい認証コードが届く裏話」 怪しい誘導だ。 よくぞここまで、いい加減な誘い文句を考えるものだ。 「対処法としては、原則「無視」。気持ち悪いが、せいぜい届いたSMSやメールを削除する、送信元の電話番号をブロックするくらいしかできない」、「気持ち悪いが」、しょうがないようだ。 「典型的なフィッシング詐欺」のようだが、大いに気をつけたいものだ。 PRESIDENT ONLINE 森岡 英樹氏による「これはれっきとした「ヤミ金」である…人気急上昇中の「ツケ払い」サービスで荒稼ぎする悪質業者の手口 法の抜け穴を突いた"後払い現金化"のカラクリ」 どんな「錬金術」があるのだろう。 表現が一般的すぎて、あと1つ問題的がはっきりしない。 「「後払い・ツケ払い現金化」は、業者から商品を後払いで購入したキャッシュバック特典として現金を受け取る仕組みで、実際の商品取引はないというもの」、この説明はさっぱり理解できない。キャンセルをしていないので、「実際の商品取引はない」というのはどいうことだろう。 「利用者は購入商品の価格が少額であることから、割引率が15~30%と高くても負担感は乏しく、むしろ当座の現金が得られることを優先しがち」、なるほど。 「収益を伸ばすため、クレジットカード会社の加盟店審査で落とされた信用力に問題のあるEC事業者を加盟させるケースも散見」、顧客との間でトラブルを起こし易い「EC事業者」が潜り込んだことで、損害は「クレジットカード会社」が負うのか、消費者が負うのかどちらなのだろう。 「事業コストがかからないが、焦げ付きリスクも高い」、「審査は購買履歴などを活用するが、信用情報や属性などを活用するクレジットカードなどと比べて緩い分、不良債権化する割合は高い」、「その分、利用額を小口化して、短期間返済・・・とすることで焦げ付きリスクを抑えるというビジネスモデル」、「商品の決済サービスの形をとっているが、事実上の高利の消費者金融(与信)と変わらないグレーゾーン取引は看過できない」、これには何らかの形で規制すべきだろう。「健全な利用者や金融知識に乏しい若者が泣きをみることはあってはならない」
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南アジア(その1)(中国に「借金漬け」にされたスリランカがデフォルト 見えた一帯一路の本性 ウクライナ戦争の隙に中国がインド洋と南極で着々と構築する「2本の首飾り」、国民を「こじき」にした一族支配 行き過ぎた仏教ナショナリズム──スリランカ崩壊は必然だった、中国に借金漬けにされ ロシアに助けを求める…国家破綻したスリランカで起きている"負の連鎖" 悪政が悪政を呼び込む悪循環) [世界情勢]

今日は、南アジア(その1)(中国に「借金漬け」にされたスリランカがデフォルト 見えた一帯一路の本性 ウクライナ戦争の隙に中国がインド洋と南極で着々と構築する「2本の首飾り」、国民を「こじき」にした一族支配 行き過ぎた仏教ナショナリズム──スリランカ崩壊は必然だった、中国に借金漬けにされ ロシアに助けを求める…国家破綻したスリランカで起きている"負の連鎖" 悪政が悪政を呼び込む悪循環)を取上げよう。

先ずは、5月23日付けJBPressが掲載した在英ジャーナリストの木村 正人氏による「中国に「借金漬け」にされたスリランカがデフォルト、見えた一帯一路の本性 ウクライナ戦争の隙に中国がインド洋と南極で着々と構築する「2本の首飾り」」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70231
・『[ロンドン発]経済危機に揺れるスリランカが1948年の独立以来、初のデフォルト(債務不履行)に陥った。スリランカ中央銀行のナンダラール・ウィーラシンハ総裁は19日、「債務が再編されるまで支払いはできない」と“先制デフォルト”を宣言した。 コロナ危機とエネルギー危機が起きる以前から、スリランカは無謀なインフラ整備で債務を膨らませてきた』、「中央銀行」「総裁」が堂々と「デフォルト」宣言をするとは驚いた。
・『「債務の罠」にハマったスリランカ  ウィーラシンハ総裁は「インフレ率は30%前後。変動が激しい食料品やエネルギー価格を含むヘッドラインインフレ率は今後数カ月で40%程度にハネ上がる」と警戒する。スリランカの主要金利はすでに14.5%に引き上げられている。無償で支給されるパンに人々は殺到し、ガソリンを求める列は何キロメートルも続く。街頭では政府への抗議活動が吹き荒れる。 スリランカはアジアと中東・アフリカを結ぶシーレーン(海上交通路)の要衝だ。南端のハンバントタ港は2017年から99年間にわたり中国国有企業に貸し出された。インフラ整備のため中国から湯水のようにお金を借りたものの結局、思ったような利益は出ずに返済不能に陥り、施設や土地を明け渡さざるを得なくなる「債務の罠」の典型例だ。 ドバイ、シンガポール、香港など金融センターに匹敵する港湾都市を目指す「コロンボ・ポート・シティー」の埋め立て工事のため、スリランカは別の中国国有企業から14億ドルの投資を受けた。見返りにその43%が99年間にわたりリースされた。債権者は中国だけではない。米ウォール街やその他の機関投資家からの借り入れも膨張している』、「南端のハンバントタ港は2017年から99年間にわたり中国国有企業に貸し出された」、「インフラ整備のため中国から湯水のようにお金を借りたものの結局、思ったような利益は出ずに返済不能に陥り、施設や土地を明け渡さざるを得なくなる「債務の罠」の典型例だ」、「債権者は中国だけではない。米ウォール街やその他の機関投資家からの借り入れも膨張」、「債権者は中国だけではない」とのニュースには驚かされた。
・『スリランカのデフォルトで白日の下にさらされた一帯一路の嘘  米政府が運営する海外放送「ボイス・オブ・アメリカ」によると、スリランカの対外債務は510億ドル。中国の習近平国家主席のインフラ経済圏「一帯一路」プロジェクトに費やされた110億ドルも含まれる。スリランカ政府は返済延期と25億ドル相当の緊急支援を中国に求めたが、中国は3100万ドルの「緊急人道支援」や人民元スワップを提供しただけだ。 外国から巨額資金を借りて債務が膨らんだところに、コロナ危機で外貨を稼ぎ出す観光業が大打撃を受けた。コロナ復興による需給逼迫、サプライチェーンの停滞、高騰するエネルギー価格はウクライナ戦争でさらに押し上げられた。燃料・飼料・肥料不足による食料品価格の上昇、インフレ高進が低所得者・貧困層の生活を直撃する。 スリランカがデフォルトに陥れば、黙っていても港湾施設など戦略的な重要インフラが中国の手中に落ちる。地政学的な競争に注目する英シンクタンク「カウンシル・オン・ジオストラテジー」アソシエイト研究員で、英外交官として香港返還に関わったマシュー・ヘンダーソン氏は「スリランカの危機は一帯一路のリスクを浮き彫りにした」と指摘する。 ヘンダーソン氏によると、途上国における一帯一路の共同開発プロジェクトは米ウォール街の強欲で冷徹な資本主義のアプローチよりはるかに温和で、人と人とのつながりを重視しており、全体的に見て良いことだと中国は強調してきた。「しかし、これは真っ赤な嘘だとスリランカのデフォルトで白日の下にさらされた」と言う』、「一帯一路の共同開発プロジェクトは米ウォール街の強欲で冷徹な資本主義のアプローチよりはるかに温和」との「中国」側主張は「真っ赤な嘘」、その通りだ。
・『中国の「真珠の首飾り」戦略  中国がインド洋諸国で港湾インフラを支援する動きは「真珠の首飾り」戦略と呼ばれる。「インド太平洋地域で中国はガバナンス(統治)やレジリエンス(困難な状況に遭遇してもすぐに立ち直る回復力)、政治的不安定さの面で問題を抱える国々を標的にしてきた。スリランカはそれに当てはまる」(ヘンダーソン氏) 中国のインフラ開発プロジェクトは債務国の経済的な自立性を失わせる。生産能力を多様化できず、資源輸出に依存する国々は中国依存症を深めていく。その一方で、中国は経済だけでなく、政治や軍事面でも影響力を増大させる。「米欧がウクライナ戦争に集中している間に中国が自らのアジェンダを加速させているのはもはや疑いようがない」 「中国は、狙った国が拒むことができないような提案をして、これまでよりはるかに強引な方法で“取引”を迫っている。融資や投資にとどまらず、台湾との関係を断つよう圧力をかけたり、西側からの影響を排除しようとしたりしている」。こう語るヘンダーソン氏はもう一つの「真珠の首飾り」にも懸念を深める。 中国は4月19日、南太平洋の島国ソロモン諸島と最低5年間の安全保障協定を正式に締結した。ソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相はわざわざ「条約」と表現した。 協定の内容はまだ明らかにされていないが、漏洩した協定案には「中国は自らの必要性に応じて、ソロモン諸島の同意を得た上でソロモン諸島に寄港し、兵站補給を行うことができる」と記されていた。社会秩序の維持や災害救助のため、中国から警察や軍人を要請できるとの内容も含まれるとされる』、「中国のインフラ開発プロジェクトは債務国の経済的な自立性を失わせる。生産能力を多様化できず、資源輸出に依存する国々は中国依存症を深めていく。その一方で、中国は経済だけでなく、政治や軍事面でも影響力を増大させる」、「南太平洋の島国ソロモン諸島と最低5年間の安全保障協定を正式に締結」、「漏洩した協定案には「中国は自らの必要性に応じて、ソロモン諸島の同意を得た上でソロモン諸島に寄港し、兵站補給を行うことができる」と記されていた。社会秩序の維持や災害救助のため、中国から警察や軍人を要請できるとの内容も含まれるとされる」、「中国」が「ソロモン諸島」での「兵站補給」まで狙っているとは、本当に目が離せない存在になったようだ。
・『台湾有事で米軍の軍事的支援を阻止できる  ソロモン諸島が中国の軍事拠点になれば大ごとだ。ソロモン諸島は沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第1列島線や伊豆・小笠原諸島からグアム、パプアニューギニアに至る第2列島線の外側にある。中国は、西太平洋で絶大な影響力を誇る米国をこの地域から追い出したいという長期戦略を描いている。 左の赤線が第一列島線、右の赤線が第二列島線(DoD, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で) 英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)アジア太平洋上級研究員のユアン・グラハム氏は「ソロモン諸島に海軍基地があれば台湾有事の際、米軍の軍事支援を阻止するために利用できる」とIISSサイトへの寄稿で指摘している。中国はその意図を明確に否定している。 グラハム氏によれば、ソロモン諸島が2019年に国家承認を台湾から中国に切り替えてから、中国はソロモン諸島の金権政治に関与してきた。両国の協定案が漏洩した直後、この地域の安全保障提供国を自負するオーストラリアは新しい支援パッケージと漁業保護のため2隻目の巡視船をソロモン諸島南東部テモツ州に配置する計画を明らかにした。 ヘンダーソン氏は「中国は何十年も太平洋の経済的・政治的影響力拡大に関心を示してきた。フィジーやトンガにも注目してきた。中国とソロモン諸島の協定はまさしくそれを狙ったものだ。場合によっては、ソロモン諸島は中国に乗っ取られ、軍事的に利用される懸念がある。米国が動き始めたのは安心材料だが、かなり遅すぎた面は否めない」と語る』、「米国が動き始めたのは安心材料だが、かなり遅すぎた面は否めない」、やはり「遅すぎた」と厳しく見るべきだ。
・『軍事化される南極  日本の上杉謙太郎外務政務官も4月26日、ソロモン諸島を訪れ、ソガバレ首相に「中国とソロモン諸島間の安全保障協力協定について懸念をもって注視している」と伝えた。 ソロモン諸島はエリザベス英女王を君主に頂く英連邦王国15カ国(英国を含む)の一つだ。その英連邦王国に激震が走っている。 カリブ海に浮かぶ島国バルバドスは独立以来、英連邦王国のひとつだったが、21年にエリザベス女王を君主とすることを止め、共和制に移行した。同国は一帯一路への協力文書に署名しており、地元メディアによると、中国は教育機器やノートパソコン、タブレットなどのテクノロジー機器をバルバドスに寄贈するとともに、農業プロジェクトにも投資している。 共和制に移行する動きが強まるジャマイカも一帯一路に参加する10番目のカリブ諸国として名を連ねている。スリランカは英連邦王国ではないものの、英連邦加盟国の一つである。こうした国々はシーレーン上の要衝に位置している。 ヘンダーソン氏は「中国が英連邦をソフトターゲットとみなしているのは明らかだ。いくつかのレベルで動いている。ボリス・ジョンソン英首相が掲げる『グローバル・ブリテン』の基本ラインの一つは南シナ海などにおける英国の継続的な利益を守ることだ。その中には中国の干渉を受けない台湾の安全保障、香港の自治を維持することも含まれる」と言う。 「太平洋地域、特にオセアニアと英国のつながりにはポスト植民地主義の幻想というレッテルを貼られる。かつて西側列強が保持していた地域を中国が奪い取り、新しい国際秩序が出現したと喧伝している。そして中国は南米や南太平洋、南極に長期的な関心を持ってきた」 ヘンダーソン氏はインド洋の『真珠の首飾り』と同じように南太平洋から南極につながる『真珠の首飾り』があるという。中国は一帯一路の中で資源が豊富な「極地の大国」を目指す構想を掲げている。ヘンダーソン氏は南太平洋の『真珠の首飾り』が完成した時、南極は「軍事化」されている恐れがあると示唆した。 (【マシュー・ヘンダーソン氏】の略歴はリンク先参照)』、「「中国が英連邦をソフトターゲットとみなしているのは明らかだ。いくつかのレベルで動いている。ボリス・ジョンソン英首相が掲げる『グローバル・ブリテン』の基本ラインの一つは南シナ海などにおける英国の継続的な利益を守ることだ。その中には中国の干渉を受けない台湾の安全保障、香港の自治を維持することも含まれる」、英国もしっかりしないと、「英連邦」が「中国」の草刈り場となりかねない。「中国は一帯一路の中で資源が豊富な「極地の大国」を目指す構想を掲げている。ヘンダーソン氏は南太平洋の『真珠の首飾り』が完成した時、南極は「軍事化」されている恐れがあると示唆」、「南極」の非軍事化を折に触れて再確認する必要がある。

次に、7月22日付けNewsweek日本版が掲載した米ウェークフォレスト大学政治・国際関係教授のニール・デボッタ氏による「国民を「こじき」にした一族支配、行き過ぎた仏教ナショナリズム──スリランカ崩壊は必然だった」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/07/post-99173_1.php
・『怒れる民衆が大統領府・公邸に突入、大統領は国外へ逃亡。未来を窒息させ、歴史的危機を招いた根本要因は偏狭なナショナリズムにある> スリランカの悲しくも無惨な歴史に、また1つの大きな転機が訪れた。去る7月9日の土曜日、怒れる民衆が大統領府に、そして大統領と首相の公邸に詰め掛け厳重なバリケードを突破し、治安部隊の殴打や催涙ガス攻撃にも耐えて果敢に前進し、ついには内部に突入して3つとも占拠してしまった。 大統領のゴタバヤ・ラジャパクサは、もちろんデモ隊が到着する前に逃げ出していた(国外から電子メールで、国会議長に辞表を送ってきたのは5日後のことだ)。ラニル・ウィクラマシンハ首相の私邸にも火が放たれたが、こちらはデモ隊に罪をなすり付けたい親大統領派の仕組んだ工作の可能性がある。 ウィクラマシンハが首相に就任したのは今年5月。デモ隊が首相公邸に乱入し、当時の首相マヒンダ・ラジャパクサ(大統領の兄で、自身も大統領を2期務めた大ベテラン)が逃亡と辞職に追い込まれたので、急きょ起用されたのだった。ウィクラマシンハは過去にも5回、首相に指名されているが、いずれも任期半ばで退陣している。しかも前回の首相在任中には、ラジャパクサ兄弟の腐敗を暴こうとする検察の捜査を妨害した疑いがあり、そのせいで民衆は彼の辞職も要求していた。 もちろん、民衆の蜂起を招いた直接の原因は経済政策の度し難い失敗にある。だがラジャパクサのような男が権力の頂点に立てた背景には、多数派民族シンハラ人の仏教ナショナリズムがある。 建国当時の統治機構は実力主義だったが、やがてゆがんだ仏教ナショナリズムが浸透し、特定の民族(あるいは特定の個人)だけが潤う統治システムが出来上がった。かつて現地の有力紙が嘆いたとおり、それは「密輸業者や詐欺師、殺人犯、牛泥棒など」が支配する政治システムで、これがスリランカの未来を窒息させた。 昨年半ばには、化学肥料や農薬、除草剤の輸入が禁じられた。当然、収穫は減るから農民は困る。だから各地で反政府デモが起きた。しかし当時の政府は既に深刻な外貨不足に悩んでいた。だから輸入をやめて、浮いた資金を農家向けの補助金に回そうと考えていた。 農民の大多数はラジャパクサ兄弟と同じシンハラ人の仏教徒だ。だから、彼らと敵対するつもりはなかった。それに、彼らに対する恐怖心もあった。過去に、ラジャパクサ兄弟を批判したジャーナリストが何人も殺害されていたからだ。 しかし今回は都市部の中産階級にも怒りが広がっていた。3月には反政府派の活動を支持する女性たちが大統領の私邸前で抗議行動を行っていた。4月には大統領府の前にデモ隊が集まり、自分たちの運動は「アラガラヤ(闘争)」だと宣言した。) 抗議行動は国内全土に広がり、5月9日には首相公邸に多数の民衆が集まり、マヒンダ・ラジャパクサ首相を辞任に追い込んだ。そして大統領公邸での抗議行動が92日目に入った7月9日、ついに弟のゴタバヤも大統領の座を追われた。2年半前の大統領選では、この国に「繁栄と輝かしい未来」をもたらすと約束していたのだが。 現在の危機の直接的な原因は深刻な外貨不足にあり、民衆の抗議運動に拍車を掛けたのは貧困と経済の失速だ』、「ゆがんだ仏教ナショナリズムが浸透し、特定の民族(あるいは特定の個人)だけが潤う統治システムが出来上がった。かつて現地の有力紙が嘆いたとおり、それは「密輸業者や詐欺師、殺人犯、牛泥棒など」が支配する政治システムで、これがスリランカの未来を窒息させた」、「現在の危機の直接的な原因は深刻な外貨不足にあり、民衆の抗議運動に拍車を掛けたのは貧困と経済の失速だ」、余りに酷い状況で、失敗国家と言える存在だ。
・『「上位中所得国」なのに  外貨不足には複数の要因が関係している。1つは、2019年4月に起きた連続爆弾テロ。追い打ちをかけたのは新型コロナウイルスの流行。これらで観光業が大打撃を受け、海外で働く出稼ぎ労働者からの送金も減った。それでも大統領は公約どおり減税を実施した。当然、国庫は底を突く。510億ドルに上る対外債務の返済(今年だけで約70億ドル)など、もはや不可能だった。 国民は調理用ガスボンベや灯油、ガソリン、砂糖や粉ミルク、医薬品などの生活必需品を手に入れるために行列しなければならなくなった。ガソリンを買うために何日も並んでいるうちに息絶えた人が、今年だけで16人もいる。 この国は、2019年には国際社会で「上位中所得国」に分類されていた。なのに今は、抗議の民衆が大統領一族に「私たちをこじきにした責任を取れ」と叫んでいる。 実際、中産階級の人たちも食うものに困っている。ユニセフ(国連児童基金)によると、現時点で570万人が食事など緊急の人道支援を必要としており、これには約230万の児童が含まれる。しかも資金不足の政府が紙幣を増刷するから、6月の食品価格上昇率は80%を超えた。 実を言えば、この国には1970年代半ばにも人々が食べ物を求めて行列した経験がある。ただし原因は社会主義的な統制経済の失敗と自給自足への過度なこだわりだった。つまり、今とは事情が違う。 当時のスリランカには自動車も少なかった。電気も、ろくに通じていなかった。だが今はオートバイや自動車が普及し、調理にはガスボンベが使われる。小規模農家でも機械化が進んで燃料は必需品だ。 だから外貨不足の政府が6月末に、輸入に頼る燃料の販売先を一部の「必須」部門の労働者に限ると言い出したとき、庶民は激怒した。 そこで反政府の活動家たちは、SNSを通じて7月9日の抗議行動への参加を呼び掛けた。政府は前日に夜間外出禁止令を出し、大人数の治安部隊を配備した。それでも最大都市コロンボには数十万の群衆が押し寄せた』、「この国は、2019年には国際社会で「上位中所得国」に分類されていた。なのに今は、抗議の民衆が大統領一族に「私たちをこじきにした責任を取れ」と叫んでいる。 実際、中産階級の人たちも食うものに困っている」、「中産階級の人たちも食うものに困っている」理由は、「外貨不足」、インフレなどのためだろう。
・『シンハラ人優遇の弊害  政府の中枢機関がこんなふうに乗っ取られるとは、たぶん誰も予想していなかった。しかし一定の前兆はあった。7月5日には国会で大統領は野党議員にやじを飛ばされ、すごすごと議場から退散した。一方で政府の支持率は、3%台に低迷していた。 そもそも、危機の源は忌まわしいエスノクラシー(特定の民族による少数民族の強権的支配)にある。人口の75%を占めるシンハラ人は、この島に定住した最初の民族だと自称している。その伝承によれば、総人口に対して約15%のタミル人や約10%のイスラム教徒など、その他の民族は多数派のお情けでここに暮らしていることになる。 このイデオロギーは神話と組み合わされ、仏教信仰に支えられた民族の物語を紡いできた。スリランカの国旗を見れば一目瞭然だ。勇気の印である剣を持つライオンが中央に位置して多数派民族を表現し、その脇に少数派民族を表す色違いの縦じまが並ぶ。それはスリランカという国がシンハラ人仏教徒の国であることを象徴している。 こうしたエスノクラシーの成立は、1956年当時のバンダラナイケ首相がシンハラ語を唯一の公用語と定めたことに起因する。その後、歴代の政権は少数派タミル人を一貫して冷遇してきた。 しかし英国統治時代から、タミル人は少数派のわりに数多くの公職に就いていた。流れが変わったのは、シンハラ語が公用語になってから。ほぼ15年で形勢は逆転した。1956年には官僚の30%、軍人の40%を占めていたタミル人が、70年には官僚の5%、軍人の1%に減っていた。 またシンハラ人の社会経済的進出を妨げるという理由で英語教育が廃止された影響も大きい。おかげでスリランカ人は、アジアでの英語力による優位性を永遠に失った。 官僚機構も骨抜きにされた。かつての官庁は能力主義で、官僚は職務に私情を挟まず公平だったが、シンハラ民族主義の政府は自民族の利害を最大限に優先させた。 大学では住居を整備しないことでタミル人の受け入れ人数が絞られ、一方で理系学部への入学試験ではタミル人にシンハラ人より高い点数を求めた。知識や技能より、政治と民族が優先された。 実力主義が通らず、専門知識も尊重されない世の中を見限る有能な人材は多かった。高潔で実力主義のシンハラ人は海外へ脱出した。ゆがんだ民族主義が頭脳流出を招き、実務を担う官僚の水準が下がった。一方で、タミル人には選択の余地がなかった。 こんな民族差別に怒ったタミル人は、分離独立を求めて30年近く戦った。この内戦はシンハラ人の勝利で09年に終結。以来、マヒンダ・ラジャパクサ率いる政府は仏教徒の過激派と組んで、イスラム教徒への憎悪をあおってきた。 少数派タミル人の排斥こそ愛国的行為。そんな理屈でラジャパクサ兄弟はシンハラ人の仏教ナショナリズムと人種差別を結合させた。 その後、マヒンダ・ラジャパクサは中国の口車に乗って、役にも立たない無用な開発プロジェクトに手を出した。必要な資金は中国から借り、その返済には「借り換え」の手法を用いるつもりだった。 観光や海外在住者からの送金で得た外貨を利子の返済に充て、足りなければ借り換えればいいと考えていた。最悪だが、実はスリランカの対外債務に占める中国の割合は10%程度にすぎない。だから当座の問題は中国に対する債務残高の額ではなく、中国の融資に潜む隠された意図の解明であり、中国マネーが誰の懐に納まったかの究明だ。 スリランカは現在、IMFや世界銀行からの支援を得ようとしているが、これらの機関は支援や債務再編に同意する前に、中国からの借り入れに関する透明性を要求するだろう。スリランカはまさに、中国の「債務の罠」に落ちた国の典型だからだ。 一方で私腹を肥やしてきた政治家は、責任追及を恐れて権力の座にとどまりたがる。ゴタバヤ・ラジャパクサは大統領選に出馬するに当たって米国籍を放棄しているから逃げ場がなく、ひとたび権力を失えば国内で不正利得を告発される恐れがあった』、「エスノクラシー」、「シンハラ語が公用語になってから。ほぼ15年で形勢は逆転した。1956年には官僚の30%、軍人の40%を占めていたタミル人が、70年には官僚の5%、軍人の1%に減っていた」、「またシンハラ人の社会経済的進出を妨げるという理由で英語教育が廃止された影響も大」、長い間に国家の競争力は弱まったのだろう。
・『民族主義で腹は膨れず  大統領が正式に辞任した後、議会はウィクラマシンハを大統領代行に指名し、7月20日に議員の互選で(ゴタバヤの任期の切れる24年までの)新大統領を決める予定だ。(編集部注:21日、ウィクラマシンハが新大統領に就任)しかし国民の怒りは国会にも向けられているから、場合によっては早期の解散・総選挙を迫られる可能性もある。 いずれにせよ、生活必需品の不足は今後も何カ月か続くだろう。つまりラジャパクサ家がいなくなっても、当面は今の経済的苦難が続くとみていい。支援の先頭に立つのは隣国インドだ。既に40億ドルの資金を提供している。中国も通貨スワップで資金を出しているが、スリランカの債務再編には消極的だ(もしも応じれば「債務の罠」に落ちた他の諸国も同様な要求をしてくるに違いない)。 日本は主要な援助国で債権国でもあるが、やはり追加支援には慎重だ。この腐敗体質では援助金がどこに流れるか分からないからだ。他の支援国も同様で、スリランカ政府の腐敗の根が取り除かれないかぎり、誰も動かない。早急に政治の安定を取り戻すことが、さらなる追加融資や債務再編の第一歩だ。 考えてみれば、スリランカ国民の7月9日の行動は実に革命的だった。5月に元大統領で現職首相のマヒンダを追い落とした勢いで、2カ月後には弟で現職大統領のゴタバヤも倒した。 しかし、それを可能にしたのは未曽有の経済危機であり、この国で圧倒的多数を占めるシンハラ人仏教徒が宗教的な寛容の精神に目覚め、少数派のタミル人やイスラム教徒に対して犯してきた人道上の罪を認めたからではない。 それでも、今回の事態で分かったことがある。いくら民族主義的な感情に訴えても、日常的な飢餓と欠乏感には勝てないという事実だ。ラジャパクサ兄弟も、このことを思い知らされたはずだ。 そして民衆の抗議行動は宗派を超えて多くの宗教者や一般市民を団結させ、この島国の未来をみんなで考え、築いていこうという機運を生んだ。みんなが苦しんできたのだから、多数派民族による強権支配とは縁を切るべきだ。だがこの国の悲しい歴史を顧みると、あいにく明るい未来は描けない。 【映像】大統領公邸になだれ込み、プールを占拠するスリランカ国民)』、「日本は主要な援助国で債権国でもあるが、やはり追加支援には慎重だ。この腐敗体質では援助金がどこに流れるか分からないからだ。他の支援国も同様で、スリランカ政府の腐敗の根が取り除かれないかぎり、誰も動かない。早急に政治の安定を取り戻すことが、さらなる追加融資や債務再編の第一歩だ」、「民衆の抗議行動は宗派を超えて多くの宗教者や一般市民を団結させ、この島国の未来をみんなで考え、築いていこうという機運を生んだ。みんなが苦しんできたのだから、多数派民族による強権支配とは縁を切るべきだ。だがこの国の悲しい歴史を顧みると、あいにく明るい未来は描けない」、その通りだろう。

第三に、7月28日付けPRESIDENT Onlineが掲載したフリーライター・翻訳者の青葉 やまと氏による「中国に借金漬けにされ、ロシアに助けを求める…国家破綻したスリランカで起きている"負の連鎖" 悪政が悪政を呼び込む悪循環」を紹介しよう。
・『中国の手に落ちたスリランカの悲劇  インド半島の先端に浮かぶ島国・スリランカが、経済危機に瀕ひんしている。 ラニル・ウィクラマシンハ首相は7月5日、議会での演説を通じて「国家の破産」を宣言した。美しい景観から「インド洋の真珠」とも呼ばれ、地政学上の要衝でもある人口2200万の国家は、中国の「債務の罠」に陥り破滅へと向かっている。  スリランカは長引く外貨準備不足で物資の輸入に支障をきたしており、国民生活は大混乱に陥っている。子に食糧を与えようと出がらししか口にしていない親たちや、急ごしらえの売春宿で体を売って食べ物を買う女性たち、そしてガソリンを買うために10日も列に並ぶドライバーなど、悲惨な現状が多く報じられるようになった。 その元凶は、一族支配による悪政と中国への経済依存だ。7月14日に辞任したゴタバヤ・ラージャパクサ前大統領は兄弟で大統領と首相を務め、要職を一族の関係者で固めていた。民主主義国家を標榜する同国にありながら、独裁・腐敗政治の蔓延まんえんを招くこととなる。加えて見逃せないのが、中国による籠絡だ』、「元凶は、一族支配による悪政と中国への経済依存」、その通りだ。
・『「債務の罠」で重要港湾は植民地に  2000年代にインフラ整備を積極的推進したスリランカは、中国などへの対外債務を膨らませた。巨額の返済に行き詰まり、港湾国家構想の中核であった南部ハンバントタ港の運営権を、中国国営企業に99年間供与する事態まで発展している。 この一件は、中国が仕掛ける「債務の罠」の典型的な事例だとして国際的な注目を集めた。中国が途上国に対して多用する手口に、高額なインフラ整備費を厳しい返済条件で貸し付けるものがある。相手国が返済条件に応じられなくなるのを待って、新設したインフラ施設の運営権の譲渡を受ける手法だ。) こうして中国の手に落ちたスリランカのハンバントタ港をめぐっては、事実上の中国の植民地ではないかとする国際的な批判が相次いでいる。 中国は「真珠の首飾り」と呼ばれる海上輸送ルートの確立を試みていとされる。インド西部のパキスタンからスリランカのハンバントタ港を経て、台湾海峡へと至るルートだ。中国の打算的な戦略は、スリランカへの「債務の罠」の成功で見事に実を結んだともいえよう』、「南部ハンバントタ港の運営権を、中国国営企業に99年間供与する事態まで発展」、「この一件は、中国が仕掛ける「債務の罠」の典型的な事例だとして国際的な注目を集めた。中国が途上国に対して多用する手口に、高額なインフラ整備費を厳しい返済条件で貸し付けるものがある。相手国が返済条件に応じられなくなるのを待って、新設したインフラ施設の運営権の譲渡を受ける手法だ」、「ハンバントタ港をめぐっては、事実上の中国の植民地ではないかとする国際的な批判が相次いでいる」、「中国」にしてみれば、契約を履行したに過ぎないと言い訳できる。
・『一族支配の悪政が限界を迎えた  港湾構想の中核のひとつを失ったスリランカは、経済・政治面で崖っぷちを歩み続けてきた。そこへ新型コロナにより観光産業が打撃を受け、危機はますます高まってきた。 政策も悪手が続く。2021年4月には突如として化学肥料と農薬の全面輸入禁止を打ち出し、有機農業化への急激な舵を切った。ところが有機肥料の供給が追いつかず、セイロン茶葉など農作物の品質と収量が低下。早くも10月には禁輸撤回に追い込まれている。 迷走する政治と経済に、国民の生活は疲弊している。経済危機を受け、スリランカの主要産業のひとつであるアパレル産業で働く女性たちは、食糧を買う資金を得るために売春宿で働くことを余儀なくされている。 英テレグラフ紙は、NIKEやGAPなど大手多国籍企業向けの製品工場で働く女性たちが、物価高のため副業として体を売っていると報じている』、なるほど。
・『生きるために身体を売る女性たち  同紙によると女性たちには、1000スリランカ・ルピー(約380円)ほどの日当が支給される。だが、40%にも達するインフレを前に、こうした賃金は無価値になりつつあるという。 衣料品業界で働く女性の多くは同業界の経験しかもたず、体を売る以外に追加収入を得る術がない。記事が掲載されたのは5月だが、現在ではさらに状況が悪化している。英BBCはスリランカ政府発表のデータをもとに、6月のインフレ率が54.6%に達したと報じている。 薬と食糧を買うため、体を売る女性が目立つようになった。インドの大手コングロマリットが運営するニュースメディア「ファースト・ポスト」は、首都スリジャヤワルダナプラコッテに隣接する旧首都のコロンボで、にわかづくりの売春宿が増加していると報じている。売春宿には研究者からマフィアまで多様な客が集い、彼らを相手にすることで1日で半月分の収入を得ることができるという』、「コロンボで、にわかづくりの売春宿が増加していると報じている。売春宿には研究者からマフィアまで多様な客が集い、彼らを相手にすることで1日で半月分の収入を得ることができるという」、みじめな状況だ。
・『ガソリン不足で働けず、輸送混乱で物価上昇  食糧以外では、ほぼ輸入に依存している燃料の不足も深刻だ。 ガソリンと軽油を求め、給油所には連日長蛇の列ができている。英BBCは、コロンボでミニバス運転手として働く43歳男性の事例として、給油待ちの列に10日間並んだ事例を取り上げている。車中泊をしながら10日目に給油所にたどり着いたが、それでもタンク満タンの給油はかなわなかったという。 英スカイ・ニュースは、トゥクトゥク(三輪タクシー)で稼ぐある運転手の話を伝えている。燃料不足を受け、この男性は2週間に一度しか操業できない状態だという。妻は妊娠中だが、「彼女のおなかにいる子供にごはんをあげることができていない」とこの男性は唇を噛む。 食糧難に喘あえぐのは、一部の国民だけではないようだ。シンガポールの国際ニュースメディアであるチャンネル・ニュース・アジアは、世界食糧計画(WFP)による評価として、スリランカの6世帯に5世帯が食べ物を抜くか減らしていると報じている。ある一家は小さな魚を6人の子供に分け与え、大人は残った汁だけで空腹を紛らわせている模様だ。燃料不足で商品の輸送が停滞しており、食品などの価格上昇に歯止めがかからない』、「世界食糧計画(WFP)による評価として、スリランカの6世帯に5世帯が食べ物を抜くか減らしていると報じている。ある一家は小さな魚を6人の子供に分け与え、大人は残った汁だけで空腹を紛らわせている模様だ」、「6世帯に5世帯」とは本当に深刻だ。
・『中国紙は「借金漬け外交」の批判を意に介さず  こうした生活危機は、長年の悪政と中国による「債務の罠」に端を発するものだ。 米外交コラムニストのイシャーン・タルール氏は、米ワシントン・ポスト紙への寄稿を通じ、「しかしスリランカは、中国批評家たちが中国の『債務の罠』外交と呼ぶものに足を踏み入れてしまったのだ」と指摘している。 2020年の債務返済の際、国際通貨基金(IMF)との対話を通じ、緊縮財政と債務整理を推進するという道が残されていた。しかしスリランカは、既存債務の返済に充てるべく、中国がちらつかせた30億ドルの追加融資枠にいとも簡単に飛びついてしまったのだとタルール氏は論じている。 一方で中国側は、このような国際的批判を意に介さない。中国共産党傘下のグローバル・タイムズ紙(環球時報)は7月18日、スリランカ大使が中国による支援が「大いに役立っている」と発言したと報じ、支援は人道的な援助であると強調した。 記事はスリランカ側が政権交代後も「中国との卓越した関係の維持」を望んでいると述べている。また、スリランカ大使による見解として、「否定派たちが債務を中国プロジェクトのせいにするのは、中国バッシングの口実にすぎない」との意見を取り上げた』、失脚した「大統領一族」を通じて「中国による債務の罠」についても、もっと具体的な事実が明らかになってくるだろう。
・『経済危機で高まるロシア依存  中国とのパイプが深まる一方で、ロシア依存も大きな懸案となりつつある。英BBCは、スリランカのゴタバヤ・ラージャパクサ前大統領が辞任の1週間前、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して燃料輸入に関して支援を要請したと報じている。 報道と前大統領自身のツイートによると、スリランカ側は輸入代金の支払いに関して信用面での支援をプーチン氏に求めた模様だ。スリランカは燃料不足解消のため過去数カ月間でロシアからの燃料輸入を行っているが、今後さらに輸入量を拡大することが予想される。) 同記事によるとスリランカ側は、かつて観光客のおよそ20%を占めていたロシア人観光客の再来にも期待感を示しているという。ウクライナ侵攻を発端に国際社会がロシアと距離を置くなか、正反対の動きとなった。 スリランカ側はそもそも、ロシアへの経済制裁に反対の立場を示している。小麦や燃料などのロシアからの輸出が滞ることで、途上国の経済が困窮しているとの主張だ。 インドのPTI通信が報じたところによると、ラニル・ウィクラマシンハ首相は西側諸国に対し、「ウクライナ侵攻に関するロシアへの制裁は、モスクワを屈服させることにはならず、代わりに食糧不足と物価高騰で途上国をひどく傷つけることになるだろう」と発言した』、「スリランカ側は、かつて観光客のおよそ20%を占めていたロシア人観光客の再来にも期待感を示しているという」、現在の「ウクライナ」情勢をみる限り、「スリランカ側」の「期待」は期待だけで終わるだろう。
・『悪政が、悪政を招く悪循環  経済危機に陥ったスリランカを、計算高い中国とロシアが虎視眈々たんたんとねらっている。 中国に関しては「債務の罠」による借金漬け外交を太平洋諸国やアフリカ諸国に対しても展開しており、もはや返済猶予の代償としてのインフラの乗っ取りは常套手段だ。経済破綻のスリランカも、むしろ筋書きどおりといったところだろう。 政権交代にかかわらず関係の深化を表明しているが、経済援助を完全な人道支援と受け取ることは難しいだろう。現在のスリランカとしては藁わらにもすがる思いで飛びつきたいところだろうが、すでに実質的な植民地となった南部ハンバントタ港の悲劇が、国内他所で繰り返されないとも限らない。 ロシアに関してはプーチン政権側から積極的なアプローチがあるわけではないが、ロシア産燃料と観光客の受け入れを積極的に推進するスリランカは、国際社会から孤立するロシア経済にとって渡りに船だ。制裁の影響を緩和すべく、スリランカ経済とのパイプを強める展開が予想される。 急速なインフラ開発による発展を夢みたスリランカだが、中国が仕掛ける債務の罠にとらわれる結果となった。実質的な独裁政治と中国への傾倒が国民生活の破綻をまねき、結果としてさらに中露への依存が深まろうとしている』、「スリランカ」が「結果としてさらに中露への依存が深まろうと」する限り、苦境からの脱却は期待できない。これも建国以来、政策運営を致命的に誤ってきた、身から出た錆なのかも知れない。
タグ:南アジア (その1)(中国に「借金漬け」にされたスリランカがデフォルト 見えた一帯一路の本性 ウクライナ戦争の隙に中国がインド洋と南極で着々と構築する「2本の首飾り」、国民を「こじき」にした一族支配 行き過ぎた仏教ナショナリズム──スリランカ崩壊は必然だった、中国に借金漬けにされ ロシアに助けを求める…国家破綻したスリランカで起きている"負の連鎖" 悪政が悪政を呼び込む悪循環) JBPRESS 木村 正人氏による「中国に「借金漬け」にされたスリランカがデフォルト、見えた一帯一路の本性 ウクライナ戦争の隙に中国がインド洋と南極で着々と構築する「2本の首飾り」」 「中央銀行」「総裁」が堂々と「デフォルト」宣言をするとは驚いた。 「南端のハンバントタ港は2017年から99年間にわたり中国国有企業に貸し出された」、「インフラ整備のため中国から湯水のようにお金を借りたものの結局、思ったような利益は出ずに返済不能に陥り、施設や土地を明け渡さざるを得なくなる「債務の罠」の典型例だ」、「債権者は中国だけではない。米ウォール街やその他の機関投資家からの借り入れも膨張」、「債権者は中国だけではない」とのニュースには驚かされた。 「一帯一路の共同開発プロジェクトは米ウォール街の強欲で冷徹な資本主義のアプローチよりはるかに温和」との「中国」側主張は「真っ赤な嘘」、その通りだ。 「中国のインフラ開発プロジェクトは債務国の経済的な自立性を失わせる。生産能力を多様化できず、資源輸出に依存する国々は中国依存症を深めていく。その一方で、中国は経済だけでなく、政治や軍事面でも影響力を増大させる」、「南太平洋の島国ソロモン諸島と最低5年間の安全保障協定を正式に締結」、「漏洩した協定案には「中国は自らの必要性に応じて、ソロモン諸島の同意を得た上でソロモン諸島に寄港し、兵站補給を行うことができる」と記されていた。社会秩序の維持や災害救助のため、中国から警察や軍人を要請できるとの内容も含まれるとさ 「米国が動き始めたのは安心材料だが、かなり遅すぎた面は否めない」、やはり「遅すぎた」と厳しく見るべきだ。 「「中国が英連邦をソフトターゲットとみなしているのは明らかだ。いくつかのレベルで動いている。ボリス・ジョンソン英首相が掲げる『グローバル・ブリテン』の基本ラインの一つは南シナ海などにおける英国の継続的な利益を守ることだ。その中には中国の干渉を受けない台湾の安全保障、香港の自治を維持することも含まれる」、英国もしっかりしないと、「英連邦」が「中国」の草刈り場となりかねない。「中国は一帯一路の中で資源が豊富な「極地の大国」を目指す構想を掲げている。ヘンダーソン氏は南太平洋の『真珠の首飾り』が完成した時、南極は Newsweek日本版 ニール・デボッタ氏による「国民を「こじき」にした一族支配、行き過ぎた仏教ナショナリズム──スリランカ崩壊は必然だった」 「ゆがんだ仏教ナショナリズムが浸透し、特定の民族(あるいは特定の個人)だけが潤う統治システムが出来上がった。かつて現地の有力紙が嘆いたとおり、それは「密輸業者や詐欺師、殺人犯、牛泥棒など」が支配する政治システムで、これがスリランカの未来を窒息させた」、「現在の危機の直接的な原因は深刻な外貨不足にあり、民衆の抗議運動に拍車を掛けたのは貧困と経済の失速だ」、余りに酷い状況で、失敗国家と言える存在だ。 「この国は、2019年には国際社会で「上位中所得国」に分類されていた。なのに今は、抗議の民衆が大統領一族に「私たちをこじきにした責任を取れ」と叫んでいる。 実際、中産階級の人たちも食うものに困っている」、「中産階級の人たちも食うものに困っている」理由は、「外貨不足」、インフレなどのためだろう。 「エスノクラシー」、「シンハラ語が公用語になってから。ほぼ15年で形勢は逆転した。1956年には官僚の30%、軍人の40%を占めていたタミル人が、70年には官僚の5%、軍人の1%に減っていた」、「またシンハラ人の社会経済的進出を妨げるという理由で英語教育が廃止された影響も大」、長い間に国家の競争力は弱まったのだろう。 「日本は主要な援助国で債権国でもあるが、やはり追加支援には慎重だ。この腐敗体質では援助金がどこに流れるか分からないからだ。他の支援国も同様で、スリランカ政府の腐敗の根が取り除かれないかぎり、誰も動かない。早急に政治の安定を取り戻すことが、さらなる追加融資や債務再編の第一歩だ」、「民衆の抗議行動は宗派を超えて多くの宗教者や一般市民を団結させ、この島国の未来をみんなで考え、築いていこうという機運を生んだ。みんなが苦しんできたのだから、多数派民族による強権支配とは縁を切るべきだ。だがこの国の悲しい歴史を顧みると PRESIDENT ONLINE 青葉 やまと氏による「中国に借金漬けにされ、ロシアに助けを求める…国家破綻したスリランカで起きている"負の連鎖" 悪政が悪政を呼び込む悪循環」 「元凶は、一族支配による悪政と中国への経済依存」、その通りだ。 「南部ハンバントタ港の運営権を、中国国営企業に99年間供与する事態まで発展」、「この一件は、中国が仕掛ける「債務の罠」の典型的な事例だとして国際的な注目を集めた。中国が途上国に対して多用する手口に、高額なインフラ整備費を厳しい返済条件で貸し付けるものがある。相手国が返済条件に応じられなくなるのを待って、新設したインフラ施設の運営権の譲渡を受ける手法だ」、「ハンバントタ港をめぐっては、事実上の中国の植民地ではないかとする国際的な批判が相次いでいる」、「中国」にしてみれば、契約を履行したに過ぎないと言い訳でき 「コロンボで、にわかづくりの売春宿が増加していると報じている。売春宿には研究者からマフィアまで多様な客が集い、彼らを相手にすることで1日で半月分の収入を得ることができるという」、みじめな状況だ。 「世界食糧計画(WFP)による評価として、スリランカの6世帯に5世帯が食べ物を抜くか減らしていると報じている。ある一家は小さな魚を6人の子供に分け与え、大人は残った汁だけで空腹を紛らわせている模様だ」、「6世帯に5世帯」とは本当に深刻だ。 失脚した「大統領一族」を通じて「中国による債務の罠」についても、もっと具体的な事実が明らかになってくるだろう。 「スリランカ側は、かつて観光客のおよそ20%を占めていたロシア人観光客の再来にも期待感を示しているという」、現在の「ウクライナ」情勢をみる限り、「スリランカ側」の「期待」は期待だけで終わるだろう。 「スリランカ」が「結果としてさらに中露への依存が深まろうと」する限り、苦境からの脱却は期待できない。これも建国以来、政策運営を致命的に誤ってきた、身から出た錆なのかも知れない。
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宗教(その7)(友達をカルト宗教から救いだそうとして…心優しい早大生が「坂本一家殺人事件の実行犯」に堕ちたワケ 「自分は大丈夫」という人が一番危ない、日本は世界最悪のカルトの吹き溜まり…統一教会がデタラメな教義で大金を巻き上げられた根本理由 規制の緩い日本は「世界的な穴場」になっている、この世はサタンに毒されている ハルマゲドンが来れば楽園に行ける…「カルト2世」が明かす生きづらさと解けない呪縛) [社会]

宗教については、3月3日に取上げた。今日は、(その7)(友達をカルト宗教から救いだそうとして…心優しい早大生が「坂本一家殺人事件の実行犯」に堕ちたワケ 「自分は大丈夫」という人が一番危ない、日本は世界最悪のカルトの吹き溜まり…統一教会がデタラメな教義で大金を巻き上げられた根本理由 規制の緩い日本は「世界的な穴場」になっている、この世はサタンに毒されている ハルマゲドンが来れば楽園に行ける…「カルト2世」が明かす生きづらさと解けない呪縛)である。

先ずは、7月27日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの江川 紹子氏による「友達をカルト宗教から救いだそうとして…心優しい早大生が「坂本一家殺人事件の実行犯」に堕ちたワケ 「自分は大丈夫」という人が一番危ない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/59835
・『カルト集団はどんな手段で仲間を増やすのか。ジャーナリストの江川紹子さんは「カルトは正体を隠して近づいてくるため、騙されていることに気づくのは難しい。『自分は大丈夫』と考えないほうがいい」という――。 ※本稿は、江川紹子『「カルト」はすぐ隣に オウムに引き寄せられた若者たち』(岩波ジュニア新書)の一部を再編集したものです』、「カルトは正体を隠して近づいてくるため、騙されていることに気づくのは難しい。『自分は大丈夫』と考えないほうがいい」、興味深そうだ。
・『『日本書紀』にもカルト集団が描かれていた  カルトは、どの時代や社会にも現れます。 日本最古の正史『日本書紀』にもカルトらしき集団についての記述があります(現代語訳は筆者による)。 「皇極天皇三年(644年)七月ふみづき、東あずまの国富士川のほとり(今の静岡県)に現れた、大生部多おおうべのおおが、人々に虫を祀まつるよう勧め、「これは常世の神である。この神を祀るものは、富と長寿が得られる」と言った。巫女たちも神のお告げと偽って、「常世の神を祀ると、貧しい人は富を得、老人は若返る」と語った。これはどんどん広まり、人々は家の財宝を投げ出し、酒を並べ、野菜や六種の家畜(馬・牛・羊・豚・犬・鶏)を道ばたに並べ、「新しい富が入ってきたぞ」と連呼した。都でも田舎でも、常世の虫をとって安置し、歌い踊って福さいわいを求め、財宝を投げ出したが、何の益もなく損ばかりが極めて多かった」 民が惑わされているのを見かねて、聖徳太子の側近秦河勝はたのかわかつが大生部多を成敗した、とも書かれています。この虫は、橘や山椒の木につき、体長12センチ強ということなので、アゲハチョウの幼虫と考えられています。 現代でも、オウムのほかに、先祖の因縁や霊の祟たたりを騙って、印鑑や壺を始め色々な商品を高く売りつける霊感商法や、教祖が女性信者に性的奉仕をさせたり、あるいは病気の人に適切な治療を受けさせず死なせてしまったりする宗教団体がたびたび問題になってきました』、「『日本書紀』にもカルト集団が描かれていた」、「人々は家の財宝を投げ出し、酒を並べ、野菜や六種の家畜(馬・牛・羊・豚・犬・鶏)を道ばたに並べ、「新しい富が入ってきたぞ」と連呼した。都でも田舎でも、常世の虫をとって安置し、歌い踊って福さいわいを求め、財宝を投げ出したが、何の益もなく損ばかりが極めて多かった」 民が惑わされているのを見かねて、聖徳太子の側近秦河勝はたのかわかつが大生部多を成敗した」、社会秩序を揺るがせにしたので、「成敗」されたようだ。
・『カルト性の高い宗教以外の集団もある  海外でも、カルトをめぐる多くの事件が報告されています。 1978年には、アメリカの新興宗教「人民寺院」が、南米のガイアナで集団自殺をし、子どもを含む900人を超える人が死亡しました。 1993年には、児童虐待と銃器不法所持の罪に問われたアメリカの新興宗教「ブランチ・ダビディアン」がテキサス州ウェイコの教団本部で捜査当局と銃撃戦となり、双方に死者が出るなどした挙げ句に籠城ろうじょう。その後FBI(連邦捜査局)が突入しましたが、この時に教祖のほか、やはり子どもを含む信者81人が死亡しました。 カルトは、宗教には限りません。過激派など政治的な集団やマルチ商法といった経済的な集団の中にも、カルト性の高いところがあります。 たとえば、1970年代の日本には、連合赤軍という左翼過激派の集団がありました。革命で世界を変革するという理想に燃えた若者たちが、山中で武装訓練をするうちに、リーダーが批判したメンバーを皆でなぶり殺しにするという、壮絶なリンチ殺人を繰り返しました。そこから逃れたメンバーが、宿泊施設を占拠し、人質をとって立て籠もり、銃を発砲して警察官ら3人を射殺する「浅間山荘事件」を起こしました。 これなども、閉鎖的な集団の中で、メンバーが歪んだ価値観に心を支配され、反社会的で命や人権をないがしろにする行動を繰り返したカルト的犯罪と言えます』、「浅間山荘事件」、「も、閉鎖的な集団の中で、メンバーが歪んだ価値観に心を支配され、反社会的で命や人権をないがしろにする行動を繰り返したカルト的犯罪」、言われてみれば、7その通りだ。
・『イスラム国とオウム真理教の共通点  最近では、シリアやイラクで一時期かなり大きな勢力を誇った、自称「イスラム国(IS)」があります。イスラム復古主義を標榜しながら「国家」樹立を宣言し、支配地域での徴税や一部の行政を行うなど、宗教的かつ政治的な組織です。インターネットを利用した巧みなプロパガンダを展開。中東だけでなく、ヨーロッパで生まれ育ったイスラム教徒の若者をも引き寄せました。 移民の二世や三世が、生まれ育った社会の中で“よそ者”として扱われて疎外感を抱いたり、シリアやイラクで空爆などで子どもが殺害されている映像を見て、イスラム同胞を救うための「聖戦」に参加しなければ、という使命感をかき立てられたりして、自ら飛び込んでいった姿には、オウム真理教に身を投じた人たちと重なるものがあります』、「イスラム国とオウム真理教の共通点」、確かにありそうだ。
・『12年間で10億円以上も搾取されたX JAPANのヴォーカル  自己啓発セミナーや疑似科学、スピリチュアル系団体など、ほかにもカルト性の高い集団は存在します。 2010年1月、人気のロックバンドX JAPANのヴォーカルだったTOSHI(同年にToshiトシと改名)が記者会見を開き、自己啓発セミナー主催団体との決別やそこに彼を引き入れた妻との離婚を公表しました。彼は、団体の広告塔として利用され、酷使されたうえ、稼いだ金の多くは搾取されていました。その金額は、12年間で10億円以上に上りました。妻とも長く同居はしておらず、実質的な夫婦ではありませんでした。 会見で彼は「だまされていたことからやっと目が覚めた」と述べ、団体の被害者に対しては「しかるべき誠実な対応をしたい」と語りました。実際、彼はその後、被害者に対して謝罪をし、和解しました。 カルト問題に詳しく、この自己啓発セミナー主催団体の被害救済にも尽力してきた紀藤正樹弁護士は、「カルトに入ってしまうのは、『タイミングと運』が大きいんです。オウムの信者も、たまたま悩んだり迷ったりしている時に出会ったのがオウムだったのが不運だったわけで、それが既成宗教のボランティア団体などだったら、何の問題もなかった。不運という点では、Toshiも同じです」と言います』、「TOSHI」が「稼いだ金の多くは搾取されていました。その金額は、12年間で10億円以上」、かなり多額だ。
・『「自分は大丈夫」が一番危ない  彼は、仕事や家族のことで悩みを抱えていた最中に、妻からの誘いでセミナーに参加し、そこでマインド・コントロールされ、セミナーを主催する男性のところにしか救いはないような気持ちになってしまったのでした。 「いわば、交通事故に遭ったようなもの。誰しもが、カルトに取り込まれてしまう可能性があります。自分は大丈夫、と思っていると、それが一番危ない」と紀藤弁護士。 人間は、生まれてから死ぬまで、ずっと順風満帆というわけにはいきません。人間関係に悩んだり、努力が報われなかったり、選択に迷ったりします。病気をする、事故に遭う、父母や友人が亡くなる、恋人と別れる、友達と深刻な喧嘩をする、受験に失敗する、職を失う……こうした予定外の出来事に見舞われることもあります。 そんな時、人はカルトに巻き込まれやすい、と言います。救いの手がさしのべられ、素晴らしい解決法を示されたように思うと、ついつい信じたくなるからです。 「特に、病気の人が病気治癒を信じて、適切な治療を忌避きひする団体に行った時の悲劇は喩えようもありません。治療して回復できる時期を逃してしまうわけですから。子どもに適切な医療を受けさせずに死なせてしまった親は、カルトから目が覚めてから、本当に自責と後悔の念に苛まれています」』、「人間関係に悩んだり、努力が報われなかったり、選択に迷ったりします。病気をする、事故に遭う、父母や友人が亡くなる、恋人と別れる、友達と深刻な喧嘩をする、受験に失敗する、職を失う……こうした予定外の出来事に見舞われることもあります。 そんな時、人はカルトに巻き込まれやすい」、確かにその通りだろう。
・『悩みを無理やり作り出してでも引き込んでいく  紀藤弁護士によると、特に悩みや迷いの中にいない人に対しても、カルトは悩みを作り出して、引き込んでいくこともあります。 たとえば、進路を決めた人に、「本当に、本当にそれでいいの?」と疑問を投げかけ、「もっと自分に合ったところはないか」と考えさせます。「今が、あなたの人生の分岐点ですよ」と言って、さらに深く悩ませたりもします。そうやって、人を悩みの中に誘い、その答えとして、カルトの価値観を教えていきます。 「だから、人から言われたことを、まじめに受け止めて考える人は、入りやすいんです」と紀藤弁護士。 「しかも、カルトはカルトの顔をして近づいてきたりはしません。たとえば、ボランティア団体を装って、「人の役に立ちたい」と思っている人に接近したりします。なので騙されたことにも気がつかないことが多いのです」』、「カルトはカルトの顔をして近づいてきたりはしません。たとえば、ボランティア団体を装って、「人の役に立ちたい」と思っている人に接近したりします。なので騙されたことにも気がつかないことが多いのです」、なるほど、複雑だ。
・『「お金、ウソ、秘密」3つの注意すべきサイン  そんなカルトから、身を守るにはどうしたらいいでしょうか。 紀藤弁護士は「それでも、よく注意していれば、カルトのサインが見えてくることがあります」と言います。いったい、どんなことに注意すればいいのでしょう。 「第一に、お金の話が出たら要注意です」と紀藤弁護士。途中で会費やセミナー代などを求められたら、これは警戒した方がいい、と言います。その代金が法外なものでなくても、疑ってみましょう。 「第二に、話が最初と違っていたり、何らかの嘘が含まれている場合も注意すべきです」 たとえば、宗教ではないセミナーのはずだったのに、教えている人は、実は宗教団体の教祖や幹部であることが分かった場合。カルトは、宗教であることを隠そうとして、別の形をとって、人を勧誘しようとすることがあります。オウムも、ヨガ教室や様々なサークルを隠れ蓑にして勧誘活動をしていました。 「第三に、『これは誰にも言っちゃいけない』などと秘密を守らせようとしている場合も気をつけてください」 若者に対しては、親や先生など、大人に言わないよう口止めする場合もあります。本当にいい教えなら、秘密にしたりせず、どんどん公表し、大人たちにも堂々と伝えればいいのです。それを秘密にしようとするのは、まだマインド・コントロールが十分完成していない段階で、大人に反対され、考え直して脱会してしまうことを恐れているのです。こういう場合は、むしろ大人に相談してみることにしましょう』、「大人たちにも堂々と伝えればいいのです。それを秘密にしようとするのは、まだマインド・コントロールが十分完成していない段階で、大人に反対され、考え直して脱会してしまうことを恐れているのです」、やはり悪質だ。
・『友達がカルトに取り込まれてしまったらどうすべきか  紀藤弁護士は、そのほか情報をしっかり集めることが大事だと言います。 「自称『イスラム国(IS)』はインターネットを利用したプロパガンダや友人知人を使った伝道活動で、ヨーロッパからも少なからぬ若者を集めましたが、そのうち、現地で行われているのはISが宣伝しているのとは違う、いったん行ったら戻ってこられない、女性は性奴隷にされる、という実態が情報として伝わるようになると、先細りになりました」 オウムについても、マスコミなどが頻繁に伝えている間は、アレフなどの後継団体に取り込まれる人は少なかったのに、情報が少なくなると信者が少し増えてきた、と紀藤弁護士は心配しています。それでも、今はインターネットで多くの情報が流れ、カルト団体からの脱会者が体験談をブログに掲載していたりします。そういう情報を活用することも大切です。 ただ、その一方で、ネットで事実を無視した陰謀論や差別的な政治思想を拡散する、新しいタイプのカルト的なグループもあるので、注意も必要です。 では、友達がカルトらしき団体に取り込まれてしまった、という場合はどうでしょう。 その時は、まず自分が近づかないこと。友達に誘われても、断りましょう。友達が心配だからといって、一緒についていったりするのは危険です。坂本一家殺人事件の実行犯である端本悟も友達を救い出そうとして早稲田大学在学中にオウムに近づき、「ミイラ取りがミイラになる」結果となってしまいました。 言ってあげるとすれば、カルトから離れて戻ってくれば、また友達になれる、ということです。大事な友達がもしカルトに入ってしまったら、どんなに口止めされても、まずは親や先生など、大人に相談しましょう』、「坂本一家殺人事件の実行犯である端本悟も友達を救い出そうとして早稲田大学在学中にオウムに近づき、「ミイラ取りがミイラになる」結果となってしまいました」、まるでウソのような出来過ぎた話だ。
・『ダライ・ラマが語った「カルトの見分け方」  私は以前、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王に、まっとうな宗教といかがわしいカルトの見分け方を聞いたことがあります。オウムは、チベット仏教の知識を取り入れ、麻原がダライ・ラマ法王などと一緒に撮った写真を宣伝に使うなどしていたからです。ダライ・ラマ法王はこう言いました。 「studyとlearnの違いです」 studyには「研究する」という意味もあります。研究するには、疑問を持ち、課題を見つけ、多角的に検証することが必要です。一方のlearnは、単語や表現を教わり、繰り返し練習して記憶する語学学習のように、知識を習い覚えて身につけることを言います。 「studyを許さず、learnばかりをさせるところは、気をつけなさい」 一人ひとりの心に湧いた疑問や異なる価値観を大切にしなければ、studyはできません。それをさせない人や組織からは距離を置いた方がよい、というのが、法王からの忠告です』、「「studyを許さず、learnばかりをさせるところは、気をつけなさい」、さすが「ダライ・ラマ法王」らしく、本質をズバリ突いた含蓄のある言葉だ。

次に、7月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載した弁護士の紀藤 正樹氏による「日本は世界最悪のカルトの吹き溜まり…統一教会がデタラメな教義で大金を巻き上げられた根本理由 規制の緩い日本は「世界的な穴場」になっている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/59842
・『なぜ統一教会は日本で信者を増やせたのか。カルト問題に取り組む弁護士の紀藤正樹さんは「日本はカルトの世界的な吹きだまりになっている。軸となる宗教がなく、信教の自由の幅が大きいために、カルトを規制できず繁栄を許してしまった」という――。 ※本稿は、紀藤正樹『決定版 マインド・コントロール』(アスコム)の一部を加筆・再編集したものです』、「「日本はカルトの世界的な吹きだまりになっている。軸となる宗教がなく、信教の自由の幅が大きいために、カルトを規制できず繁栄を許してしまった」、大変だ。
・『日本にはどのような「カルト」集団があるのか  社会を混乱させ、社会のルールを乱し、社会のモラルを破壊し、最悪のケースでは殺人すら躊躇しないカルトは、多くはありません。 カルトという言葉自体に否定的なニュアンスがあり、しばしば差別的な決めつけに使われることもあって、私がメディアなどで日本の宗教団体をカルトと名指しすることは、めったにありません。 その私が、「カルト」とも評価してよいだろうと思う宗教ないし宗教的集団は、オウム真理教、統一教会などです。 まさに犯罪や反社会的行為という実態をともなっています(した)から、その事実に基づいてカルトと評価してよいと考えます。こうしたカルトが大きくなっていくときは、四つの要素が必要だといわれています。 第1に「教祖」で、霊能者や超能力者と自称することが多いですが、法規範・社会規範を逸脱することをも気にしないし厭わない、世間的に見れば「異常」とも評価できますが、信者から見ると、ある種のカリスマ性を持つタイプの人が一人必要です。 第2に、その人は支離滅裂なデタラメをいいますが、それを教典にうまくまとめる「理論家」が必要です。 第3に、ある程度まとまったおカネをポンと出す「スポンサー」が必要です。おカネは教団を拡大する起爆剤となりますが、この最初の「スポンサー」も被害者であることがしばしばあります。 第4に、信者を勧誘してくる力のある「営業マン」が加われば、四つの要素がそろいます。このとき、ほんの小さな集団にすぎなかった、いわばカルトの種が、爆発的に芽を吹き出し、本格的なカルトへと膨らみはじめます』、「カルトが大きくなっていくときは、四つの要素が必要」、「四つの要素」とも確かに重要そうだ。
・『日本のカルト問題の原点  日本の霊感商法被害の最大は統一教会によるものだ、と本書で申し上げました。とくに、オウム真理教が壊滅した95年以降は、霊感商法問題にとどまらず、日本のカルト問題の多くは、やはり統一教会がらみが多かったと考えてよいでしょう。 オウム真理教や統一教会というカルトになってくると、既存宗教の寺や教会にあたる道場や施設にも信者を住まわせます。こうした施設は修行や祈りの場というだけでなくて、労働や生活の場。親が入信したら、何も知らない幼い子どもまで連れていかれるという世界も現出します。 ここで、カルトに引き込まれて深いマインド・コントロール状態にある人を、いかにして教団施設から引き離し、取り戻すかが大問題となります。その始まりは日本では、やはり統一教会でした。 統一教会は、日本と韓国の間に国交がなかった1958年に宣教師を密入国させ、日本で伝道を始めたといわれています。59年に日本統一教会が創立されると、高校生や大学生などの若者を中心に「原理運動」が活発におこなわれました。統一教会の学生向け布教団体が原理研究会(「CARP」という言い方もします)です。 統一教会は、早稲田大学や東京大学をはじめとする大学を舞台に、「聖書に興味はありませんか」とサークル活動を装って勧誘を繰り返し、学生たちを原理研に引きずり込んだのです。研修は合宿生活を通じておこなわれるため、家に帰らない学生が増大し、62年には原理運動対策父母の会ができました。 これが1967年に新聞に取り上げられて社会問題になったのが「親泣かせの『原理運動』」です。これこそが日本のカルト問題の原点といえるでしょう』、「親泣かせの『原理運動』」、僅かに記憶に残っている。
・『統一教会に破壊された親子の関係  統一教会の大学における勧誘は、今日も続いています。統一教会に入信する学生の多くは、このルートで引きずり込まれた若者たちです。 親が子どもを探して連れ戻そうとすると、組織的に行方不明にしてしまうことも統一教会の常套手段です。 たとえば大阪で勧誘された学生の親が猛反対していると、統一教会はその子を東日本にある施設に移し、隠してしまいます。統一教会本部に行って問い合わせると、「知らない」などといいます。信者登録カードがあって信者は管理されていますから、知らないはずはありませんが、居場所はわからないとウソをつくのです。 移した先の「ホーム」と呼ばれる施設でも、バレないように偽名を使わせたり、外に出て勧誘する仕事ではなく「食当」という食事当番を担当させたりします。統一教会のホームは、最盛期には全国に1000カ所はあり、現在でも数百カ所以上あるのではないかと推測されますが、住所は公開されていません。なお、公にしている教会は約290あり、こちらはホームページをつくるなどして住所を公開しています。 このような統一教会の家族破壊にあって、子どもが何年も消息不明で悩んでいる親も数多くいます。これは、その子が親のことを何も考えず、親を見捨てて行方不明になったわけではなく、親が地獄に堕ちて苦しまないように、自ら行方不明になっているのです』、「親が子どもを探して連れ戻そうとすると、組織的に行方不明にしてしまうことも統一教会の常套手段です。 たとえば大阪で勧誘された学生の親が猛反対していると、統一教会はその子を東日本にある施設に移し、隠してしまいます。統一教会本部に行って問い合わせると、「知らない」などといいます」、信じ難い不誠実さだ。「その子が親のことを何も考えず、親を見捨てて行方不明になったわけではなく、親が地獄に堕ちて苦しまないように、自ら行方不明になっているのです」、「子ども」なりに考えて、あえて親不幸をしているようだ。
・『マインド・コントロールの恐ろしさ  どういうことかというと、信者は、統一教会の活動を続けなければ自分は地獄に堕ち、親も死んで地獄に堕ち、先祖もみんな地獄に堕ちて苦しんで二度と這い上がることはできない、と教え込まれているのです。 自分は磔になったイエスの心をもって捨て石となり、「氏族メシア」として親も含めた氏族全員を救わなければならないと信じ込まされている。だから、親に会いたくないとか親を否定するのではなく、親を救うために、親から隠れて活動を継続する。親も子に会えずに苦しむが、子も苦しみながら姿を隠す。なんとも非人道的で不条理な話だと思いますが、これが現実です。 統一教会の例を見ていると、もともとが優しく親思いで、生真面目で、悪いことなど微塵もしそうにない、ようするにとても誉められる人格を持っている子どもほど、統一教会の活動に熱中してしまうことがよくわかります。 つねに心底、人のため親のためにやっているので、弱者からなけなしのおカネをだましとっても平気です。カネを持つこと自体が財の因縁にとらわれているから、それを解いてあげればその人の功徳になり地獄に堕ちないですむという発想だからです。オウム真理教のポアと同じです。 本人は、「自分はこの人をだましておカネを取る」ということはわかっていますが、罪悪感がほとんどありません。罪悪感を持たないようにマインド・コントロールされています。自立した主体的な考えを持たず、教祖と教義に依存するよう仕向けられています。 信仰というのは本来、依存的なものではなく主体的なものです。どの教会でもお寺でも「依存せずに自立しなさい」というはずです。ところがカルトのやっていることは、まったく逆。信者から主体性を奪い、依存しなければ生きていけない多くの人間を、日々組織的に生み出すのがカルトだ、ともいえます』、「信仰というのは本来、依存的なものではなく主体的なものです。どの教会でもお寺でも「依存せずに自立しなさい」というはずです。ところがカルトのやっていることは、まったく逆。信者から主体性を奪い、依存しなければ生きていけない多くの人間を、日々組織的に生み出すのがカルトだ、ともいえます」、不通の宗教とは逆に、「信者から主体性を奪い、依存しなければ生きていけない多くの人間を、日々組織的に生み出すのがカルトだ」、罪作りなことだ。
・『弱い者から切り捨てる…カルトは本当の宗教なのか  統一教会が桜田淳子さんを広告塔として利用できると考えて特別扱いした戦略的、合理的な思考は、まったく逆の方向にも向いています。つまり、カルトは、信者が使い物にならなくなると、情け容赦なくあっさり切り捨ててしまいます。 ある宗派が、本当に人助けのために信仰を広めているのであれば、あまりおカネのない人からおカネをむしり取るようなことはしないでしょう。そのような宗派は、ちゃんとした宗教に育っていくだろうと思います。 ところが統一教会のようなカルトは違います。比較的おカネのない若い人からも、おカネを取ります。もともと持っている額が少なく、ある程度以上は取れませんから、今度は街に送り出しておカネを集めさせます。 比較的おカネのある高齢の人からは、もっとおカネを取ります。どんどんおカネを取ってもう取れないとなると、伝道の対象者からははずし、捨ててしまいます。高齢者は労働力としての価値がないからです。 オウム真理教も、地下鉄サリン事件のあと、高齢の出家信者を追い出していきました。一生面倒を見るからといって、全財産を貢がせて出家させたおじいちゃんおばあちゃんたちを、搾れるだけ搾ったらもう用済みとばかり捨てました。 つまりは、つねにカルトの教祖や教団が第一で、利他ではなく私利私欲で動いているのです。伝統的な一般の宗教と、この点がまったく異なります。) 宗教は普通は弱い人に手を差し伸べるもので、身障者や精神を病んでいる人、判断能力の減退している人などの弱者に対し、健康な人以上に気をかけ、支援するものですし、そう期待されていると思います。 ところが統一教会の伝道の実態は、お金があれば別ですが、そういう社会的弱者を最初から救済の対象にしないのです』、「比較的おカネのある高齢の人からは、もっとおカネを取ります。どんどんおカネを取ってもう取れないとなると、伝道の対象者からははずし、捨ててしまいます。高齢者は労働力としての価値がないからです」、「統一教会の伝道の実態は、お金があれば別ですが、そういう社会的弱者を最初から救済の対象にしないのです」、酷い話だ。
・『日本は「世界的なカルトの吹きだまり」になっている  統一教会は、世界190カ国以上に進出していると豪語しています。全世界の信者の数は、せいぜい数十万人というところでしょう。 このうち日本の信者の数はせいぜい数万人規模ですが、それでも日本は世界でも信者数が多い国と思われます。そして出家信者(統一教会では「献身者」と言っています)の数では、ほとんどが日本人ではないかと思います。というのは、韓国にいる信者のうち関連企業などで働く社員は出家信者ではありませんから。 統一教会というカルトは日本でもっとも繁栄し、霊感商法や献金集めで巨大な収益を上げているわけです。そんな国は、日本以外にはありません。 オウム真理教は、東京の住民を万人単位で無差別殺傷してよいのだと考えて化学テロを実行し、実際に5500人以上を死傷させました。そんなことができた国も、日本以外にはありません。 そのうえ、最近、統一教会の被害者と思われる容疑者が、安倍元首相を銃撃して殺害するという深刻かつ重大な事件がおこってしましました。世界を騒がせるカルトに関する事件が、たった30年程度の間に2回もおこる国も世界で日本だけです。 日本が世界の中でもカルトに対する規制が甘いから、統一教会が多くの被害者を生み出し、オウム真理教が数千人を巻き込む無差別テロを実行できたのです。日本という国はカルトの穴場で、カルトの世界的な吹きだまりになっています。これは、きわめて深刻な問題です』、「世界を騒がせるカルトに関する事件が、たった30年程度の間に2回もおこる国も世界で日本だけです」、本当にみっともないことだ。
・『法的規制も、社会的規制も緩すぎる  日本では多くの家で、キリスト教徒ではないのに、クリスマスにはツリーを飾ってお祝いをします。神道を信仰しているわけではないのに、正月には神社へ初詣にいき「賽銭」という献金をします。 仏教徒ではないのに、その前日の大晦日にはお寺で除夜の鐘をついたりもします。七五三は神社に行き、結婚式は教会で挙げ、葬式はお寺と、考えてみればムチャクチャです。 日本人は、宗教にはきわめて寛容で、悪くいえばだらしない感じすらします。 もちろんこれは、柔軟で融通がきくとか、新しもの好きで好奇心も旺盛だとか、日本人のよいところの表れですから、一概に否定すべき話ではありませんが、それにしても、という印象を受けます。 結局、日本には宗教のオーソドキシー(正統的な信仰)がない、つまり基準となる背骨のような宗教がなく、信教の自由の幅が大きいために、カルトを問題視したり監視したり批判したりすることが少ないのです。だから、カルトが繁栄してしまいます。 別の言葉でいうと、世の中の規制に「法的規制」と「社会的規制」があるなかで、日本にはカルトに対する社会的規制がほとんどなく、機能していないわけです。そのうえ均質社会の日本は、以心伝心という言葉があるように、法律やルールはあまり細かく決めなくてもよいという考え方が根強く、法的規制も緩みがちです。このような考えが背景にあり、統一教会と政治家との癒着を生んだ可能性があります。 欧米は、キリスト教が主流ですから、カルトに対して社会的規制が働きます。そのうえ欧米はルール重視の社会ですから、法的規制も厳しく働きます。 カルトの穴場にも吹きだまりにもなっている現在の日本の状況を、どう変えていけばよいのか。このままでよいとはとても思えません。 安倍元首相の銃撃事件を契機に、きちんと国政の場で、カルトの発生原因を突き詰め、どうすればカルト被害を防止できるのか、カルトをなくすにはどうすればよいのか、どのような対策が必要なのか、などをきちんと検討し、答えを出すときが来ていると思います。もはやカルトを放置できないと思います』、法律家や宗教学者らを中心に、「カルト対策」を幅広く検討する場を設けるべきと思うが、「統一教会」の影響を強く受ける自民党をいかに巻き込むかが難題だ。

第三に、7月24日付けAERAdot.「この世はサタンに毒されている、ハルマゲドンが来れば楽園に行ける…「カルト2世」が明かす生きづらさと解けない呪縛」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2022072200011.html?page=1
・『安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件で、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)。母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額献金した結果、家庭が崩壊したことで、教団への恨みが凶行の動機につながったと見られている。山上容疑者は、いわゆる“宗教2世”だ。信仰の種類や教義にかかわらず、親が信じる宗教を自分も信じなければいけないという点は共通しており、親の宗教や信仰によって精神的、経済的に追い詰められたり、現実生活や人生設計が思い通りにいかない「2世」は少なくないとされる。AERA dot.では昨年、「カルト2世に生まれて」として、親の信仰によって苦悩し、生きづらさを抱えた2世たちのインタビューを短期連載した。2世たちの声を改めて再掲する(年齢、肩書などは記事掲載時のもの)。 ※カルトは「宗教的崇拝。転じて、ある集団が示す熱烈な支持」(大辞泉)とあり、本稿でもその意味で使用している。親が子に信仰の選択権を与えないほどに熱狂的な信者であり、そうした家庭環境で育った子どもを「カルト2世」と定義している。本稿は教団の教義や信者の信仰を否定するものではなく、一部の2世が感じている“生きづらさ”に焦点を当てることを目的としている。 「私は両親の宗教がなかったら、ありえなかった命です。だから生まれ育った環境が“普通”で“当たり前”だと、ずっと思って生きてきました。でも、宗教のない家だったらよかったのに、と他の子の家がうらやましかった……」 田代まゆみさん(39・仮名)は、自身の子ども時代をそう語る。 まゆみさんの両親はある教団の信者で、まゆみさんは生まれた時から教団の影響を受けて成長した「カルト2世」だ。 カルト2世として生まれた子どもは教団の教えと、その特有の価値観に基づいて育てられるため自分で環境を選べない。そのため友人関係や恋愛、部活動、学校行事、進学・就職、結婚など人生におけるさまざまな場面で、自分の意思とは異なる選択を強いられたり、葛藤や苦悩を味わったりすることが多い。 こうした違和感や生きづらさは、これまであまり外に向けて語られることはなかったが、SNSの発達により2世同士の交流の場を持てるようになり、当事者同士が本音を漏らせる環境が少しずつできてきた。それに伴い、ここ数年は「カルト2世」たちの内なる叫びをつづった漫画や手記なども出版され、ドキュメンタリー番組などでも扱われるようになったことで世間の認知も広がりつつはある』、「「カルト2世に生まれて」として、親の信仰によって苦悩し、生きづらさを抱えた2世たちのインタビューを短期連載した。2世たちの声を改めて再掲する」、なかなかいい企画だ。「カルト2世として生まれた子どもは教団の教えと、その特有の価値観に基づいて育てられるため自分で環境を選べない。そのため友人関係や恋愛、部活動、学校行事、進学・就職、結婚など人生におけるさまざまな場面で、自分の意思とは異なる選択を強いられたり、葛藤や苦悩を味わったりすることが多い。 こうした違和感や生きづらさは、これまであまり外に向けて語られることはなかったが、SNSの発達により2世同士の交流の場を持てるようになり、当事者同士が本音を漏らせる環境が少しずつできてきた」、「SNS」で繋がりが出来たとはいいことだ。
・『もともと一般的な常識とはかけ離れた価値観で育てられたまゆみさんは、学校へ通うようになると苦痛と恐怖のくり返しに変わり、次第に自分の考え方や日常生活が同級生とは異なる現実に戸惑い、心を悩ませることになる。 「友達と誕生日もお祝いしてはダメ、テレビはなく、漫画などもすべて父と母が検閲して許可されたものだけ。友達になるのも父から許可が下りた人だけで、『サタンの悪影響がある』『頭が悪くなる』という理由でその子の家では遊んではいけない。学校で七夕の飾りをしても、神の教えに反するからと飾れない……。」 まゆみさんは小学校に入学する前から、“この世には善と悪の2種類しか存在しない”という二元的な思考と“愛されるには一定の要求を満たさねばならない”という教えを親からたたき込まれ、その手段の一つとしてゴムホースや皮のベルトでお尻をたたかれていたという。 「たたくことで悪魔を追い出せるといいますが、親からの体罰は屈辱と恐怖以外の何物でもありません。思い出すと手が震えることもありました。でも、屈辱と恐怖と裏腹に、私は自分が異性の前で下半身をさらされて親にたたかれたり、目の前で他の子たちがやられたりしているのを見てつらかったはずが、いつの間にか性的興奮に結び付くようになっていました。そんな記憶を喚起したことで、こんな感情になる自分が気持ち悪くて、こんな自分にした宗教団体と親をどういう気持ちで受け入れていいかわからなくなっていました」 「カルト」は、ある日突然誰かの日常に入り込んでその後の人生を大きく左右する。その親に育てられた2世は、親や教団側からの強い働きかけ、特有の価値観で縛られ、教団の教理と価値観が『絶対』であり、それがすべてだと教え込まれる。しかし、その宗教から離れた後も生きづらさを抱えてしまう。本人からは言い出しづらい過去であるがゆえに、周囲から理解されるのはなかなか難しい。だから、未来にも不安が残る』、「その親に育てられた2世は、親や教団側からの強い働きかけ、特有の価値観で縛られ、教団の教理と価値観が『絶対』であり、それがすべてだと教え込まれる。しかし、その宗教から離れた後も生きづらさを抱えてしまう」、誠に気の毒な境遇だ。
・『山岡美保さん(35・仮名)は、教団から離れて10年以上になる。物心ついた時から20年間も信仰し続けた宗教は、家族全員を巻き込み、そして壊していった。 「10年という長い時間がたった今でも、私たち家族の問題は解決していません」 美保さんの母親は、美保さんの5歳年上の兄を出産後すぐに宗教と聖書の勉強に熱中した。そして、美保さんを妊娠中に洗礼を受けて信者になったという。 「母は早くに自身の兄と姉をがんで亡くしています。それゆえ自分の家族は健康で幸せでいてほしいという願望が人一倍強かったようです。だから病気で苦しむのはサタンのせいで、この世はサタンに毒された人たちばかりだけれども、いずれハルマゲドンで世界が滅びれば信者は楽園へ行ける、という教団の教えにのめり込んでいったのだと思います」 夫を愛し子どもをかわいがっていた母親は、いつしか「神様第一」に変わっていった。その頃から、父親が帰宅する時間になっても家には誰もおらず、母親は子どもたちを連れて教団の集会へ行っていることが多くなった。 そして、家族には亀裂が入り始める。普段は無口で物静かな父親が、いきなり部屋のふすまを何度も殴って、ビリビリに破り捨てたという。 「父の前では宗教はタブーなんだと思い知りました。それから間もなく、父から『お母さんと一緒にいて、このまま宗教を続けるのか、それともお父さんと一緒にいるか、どちらかを選びなさい』と言われました。まだ物心がついたばかりの私は、何を言われているのかもわかりませんでしたが、しばらくすると父は家に帰らなくなりました」 それ以来、父親は家族と別々に暮らすことになったが、最低限の生活費だけはくれたという。週末には父親の実家に行って家族全員で食事をすることが習慣になっていたが、それも10代半ばで途切れた。 教団では、立場が上の信者がいうことは絶対で、少しでも教団の規律に“ふさわしくない”と判断されれば白い目で見られる。常にお互いを監視し合っているような状況だった。自分の考え、自分の感覚、自分の価値観はすべて無意味で持ってはいけないものとされていたので、美保さんは常に“自分を殺している状態”を求められ、徐々に苦痛を感じるようになったという』、「教団では、立場が上の信者がいうことは絶対で、少しでも教団の規律に“ふさわしくない”と判断されれば白い目で見られる。常にお互いを監視し合っているような状況だった。自分の考え、自分の感覚、自分の価値観はすべて無意味で持ってはいけないものとされていたので、美保さんは常に“自分を殺している状態”を求められ、徐々に苦痛を感じるようになったという」、「2世」にこんあ苦しみを与える「カルト」のマイナス面を、マスコミはもっと取上げるべきだ。
・『「そんな状態で教えられたことをただ信じているのが本当に信仰と言えるのだろうか? という疑問が湧いてきました。何度も年配の人や偉い人に疑問をぶつけて相談してみましたが、言われることは『神のお考えは人間にはわからないのだから、学んで布教しなさい』ということだけ。私がどんな疑問を持っても『考えるな。行動しろ』と一蹴されるだけでした」 こうした疑問を持つ信者は教団のコミュニティーからは疎まれる。まるで“不満分子”のような存在となった美保さんは、その後、教団幹部から積極的に布教活動に参加していないことを理由に布教する資格を奪われ、母は子どもたちを洗礼に導けていないことを責められた。 「幸せになるために始めた宗教なのに、ただただ家族が壊れていくことに母は疲弊していました。しかも幹部の言葉でそれまで自分が行ってきたことがすべて否定されたように感じた母は、ついに『もうやめましょう』と言ったんです。でも、今思えば、私も洗脳されていたのでしょう。やめよう、という母に対して私は『これは試練なんだから、ここで負けちゃいけない!』となぜか奮起していたのです。私は20年間も信じてきたものが“うそ”だと認めるのが恐ろしかったんだと思います」 教団にのめり込んでいった母に従っていた娘、という構図は逆転して、教団から距離を置こうという母親を美保さんが説得するという関係になっていた。 「脱会へ傾いた母に対して教団は態度を一変させ、徹底的に冷徹になりました。でも、その異様な豹変ぶりのおかげで、私も冷静さを取り戻すことができました。あれだけ熱心な信者だった母をやすやすと切り捨てようとする教団とは一体何なのか、という不信感がどんどん膨らんでいきました。そこで、心のどこかで教団を“信じ切れていなかった”自分は間違ってなかったんだと気づくことができて、むしろ気が晴れたというかとてもスッキリしました」 こうして、美保さんが22歳の時に家族は全員脱会した。 美保さんは7年前に仕事仲間の紹介で知り合った夫と結婚し、現在は一児のママとなったが、新たな生活にも“過去”が影を落としている。 「子育てをする中で自分でも驚いたのは、自分の子ども時代がフラッシュバックすることです。子どもが言うことを聞かない時やかんしゃくを起こした時など、気持ちに余裕がないと『私たちが子どもの時にこんなことしたら、ムチでたたかれていたのに』と思い出してしまうんです。私は子どもらしいことをしただけでムチをちらつかされて怖かったのに、この子は自由に子どもらしくいられるのを見ると、うらやましい気持ちと同時に、親や宗教に対してやり場のない怒りが込み上げてくるんです。でもそんな時に、ふと母の気持ちが理解できたような、不思議な感覚にもなるんです」』、「教団にのめり込んでいった母に従っていた娘、という構図は逆転して、教団から距離を置こうという母親を美保さんが説得するという関係になっていた。 「脱会へ傾いた母に対して教団は態度を一変させ、徹底的に冷徹になりました。でも、その異様な豹変ぶりのおかげで、私も冷静さを取り戻すことができました。あれだけ熱心な信者だった母をやすやすと切り捨てようとする教団とは一体何なのか、という不信感がどんどん膨らんでいきました。そこで、心のどこかで教団を“信じ切れていなかった”自分は間違ってなかったんだと気づくことができて、むしろ気が晴れたというかとてもスッキリしました」 こうして、美保さんが22歳の時に家族は全員脱会した」、「母」「子」とも無事脱会できたのは喜ばしいが、かれらにこれだけの苦しみを与えた「教団」を放置すれば、犠牲者が再び生まれていまう。前述の通り「カルト」に対する法的・宗教学的観点から考え方を真剣に検討すべきだ。
タグ:(その7)(友達をカルト宗教から救いだそうとして…心優しい早大生が「坂本一家殺人事件の実行犯」に堕ちたワケ 「自分は大丈夫」という人が一番危ない、日本は世界最悪のカルトの吹き溜まり…統一教会がデタラメな教義で大金を巻き上げられた根本理由 規制の緩い日本は「世界的な穴場」になっている、この世はサタンに毒されている ハルマゲドンが来れば楽園に行ける…「カルト2世」が明かす生きづらさと解けない呪縛) 宗教 PRESIDENT ONLINE 江川 紹子氏による「友達をカルト宗教から救いだそうとして…心優しい早大生が「坂本一家殺人事件の実行犯」に堕ちたワケ 「自分は大丈夫」という人が一番危ない」 江川紹子『「カルト」はすぐ隣に オウムに引き寄せられた若者たち』(岩波ジュニア新書) 「カルトは正体を隠して近づいてくるため、騙されていることに気づくのは難しい。『自分は大丈夫』と考えないほうがいい」、興味深そうだ。 「『日本書紀』にもカルト集団が描かれていた」、「人々は家の財宝を投げ出し、酒を並べ、野菜や六種の家畜(馬・牛・羊・豚・犬・鶏)を道ばたに並べ、「新しい富が入ってきたぞ」と連呼した。都でも田舎でも、常世の虫をとって安置し、歌い踊って福さいわいを求め、財宝を投げ出したが、何の益もなく損ばかりが極めて多かった」 民が惑わされているのを見かねて、聖徳太子の側近秦河勝はたのかわかつが大生部多を成敗した」、社会秩序を揺るがせにしたので、「成敗」されたようだ。 「浅間山荘事件」、「も、閉鎖的な集団の中で、メンバーが歪んだ価値観に心を支配され、反社会的で命や人権をないがしろにする行動を繰り返したカルト的犯罪」、言われてみれば、7その通りだ。 「イスラム国とオウム真理教の共通点」、確かにありそうだ。 「TOSHI」が「稼いだ金の多くは搾取されていました。その金額は、12年間で10億円以上」、かなり多額だ。 「人間関係に悩んだり、努力が報われなかったり、選択に迷ったりします。病気をする、事故に遭う、父母や友人が亡くなる、恋人と別れる、友達と深刻な喧嘩をする、受験に失敗する、職を失う……こうした予定外の出来事に見舞われることもあります。 そんな時、人はカルトに巻き込まれやすい」、確かにその通りだろう。 「カルトはカルトの顔をして近づいてきたりはしません。たとえば、ボランティア団体を装って、「人の役に立ちたい」と思っている人に接近したりします。なので騙されたことにも気がつかないことが多いのです」、なるほど、複雑だ。 「大人たちにも堂々と伝えればいいのです。それを秘密にしようとするのは、まだマインド・コントロールが十分完成していない段階で、大人に反対され、考え直して脱会してしまうことを恐れているのです」、やはり悪質だ。 「坂本一家殺人事件の実行犯である端本悟も友達を救い出そうとして早稲田大学在学中にオウムに近づき、「ミイラ取りがミイラになる」結果となってしまいました」、まるでウソのような話だ。 まるでウソのような出来過ぎた話だ。 「「studyを許さず、learnばかりをさせるところは、気をつけなさい」、さすが「ダライ・ラマ法王」らしく、本質をズバリ突いた含蓄のある言葉だ。 紀藤 正樹氏による「日本は世界最悪のカルトの吹き溜まり…統一教会がデタラメな教義で大金を巻き上げられた根本理由 規制の緩い日本は「世界的な穴場」になっている」 「「日本はカルトの世界的な吹きだまりになっている。軸となる宗教がなく、信教の自由の幅が大きいために、カルトを規制できず繁栄を許してしまった」、大変だ。 「カルトが大きくなっていくときは、四つの要素が必要」、「四つの要素」とも確かに重要そうだ。 「親泣かせの『原理運動』」、僅かに記憶に残っている。 「親が子どもを探して連れ戻そうとすると、組織的に行方不明にしてしまうことも統一教会の常套手段です。 たとえば大阪で勧誘された学生の親が猛反対していると、統一教会はその子を東日本にある施設に移し、隠してしまいます。統一教会本部に行って問い合わせると、「知らない」などといいます」、信じ難い不誠実さだ。「その子が親のことを何も考えず、親を見捨てて行方不明になったわけではなく、親が地獄に堕ちて苦しまないように、自ら行方不明になっているのです」、「子ども」なりに考えて、あえて親不幸をしているようだ。 「信仰というのは本来、依存的なものではなく主体的なものです。どの教会でもお寺でも「依存せずに自立しなさい」というはずです。ところがカルトのやっていることは、まったく逆。信者から主体性を奪い、依存しなければ生きていけない多くの人間を、日々組織的に生み出すのがカルトだ、ともいえます」、不通の宗教とは逆に、「信者から主体性を奪い、依存しなければ生きていけない多くの人間を、日々組織的に生み出すのがカルトだ」、罪作りなことだ。 「比較的おカネのある高齢の人からは、もっとおカネを取ります。どんどんおカネを取ってもう取れないとなると、伝道の対象者からははずし、捨ててしまいます。高齢者は労働力としての価値がないからです」、「統一教会の伝道の実態は、お金があれば別ですが、そういう社会的弱者を最初から救済の対象にしないのです」、酷い話だ。 「世界を騒がせるカルトに関する事件が、たった30年程度の間に2回もおこる国も世界で日本だけです」、本当にみっともないことだ。 法律家や宗教学者らを中心に、「カルト対策」を幅広く検討する場を設けるべきと思うが、「統一教会」の影響を強く受ける自民党をいかに巻き込むかが難題だ。 AERAdot.「この世はサタンに毒されている、ハルマゲドンが来れば楽園に行ける…「カルト2世」が明かす生きづらさと解けない呪縛」 「「カルト2世に生まれて」として、親の信仰によって苦悩し、生きづらさを抱えた2世たちのインタビューを短期連載した。2世たちの声を改めて再掲する」、なかなかいい企画だ。「カルト2世として生まれた子どもは教団の教えと、その特有の価値観に基づいて育てられるため自分で環境を選べない。そのため友人関係や恋愛、部活動、学校行事、進学・就職、結婚など人生におけるさまざまな場面で、自分の意思とは異なる選択を強いられたり、葛藤や苦悩を味わったりすることが多い。 こうした違和感や生きづらさは、これまであまり外に向けて語られる 「その親に育てられた2世は、親や教団側からの強い働きかけ、特有の価値観で縛られ、教団の教理と価値観が『絶対』であり、それがすべてだと教え込まれる。しかし、その宗教から離れた後も生きづらさを抱えてしまう」、誠に気の毒な境遇だ。 「教団では、立場が上の信者がいうことは絶対で、少しでも教団の規律に“ふさわしくない”と判断されれば白い目で見られる。常にお互いを監視し合っているような状況だった。自分の考え、自分の感覚、自分の価値観はすべて無意味で持ってはいけないものとされていたので、美保さんは常に“自分を殺している状態”を求められ、徐々に苦痛を感じるようになったという」、「2世」にこんあ苦しみを与える「カルト」のマイナス面を、マスコミはもっと取上げるべきだ。 「教団にのめり込んでいった母に従っていた娘、という構図は逆転して、教団から距離を置こうという母親を美保さんが説得するという関係になっていた。 「脱会へ傾いた母に対して教団は態度を一変させ、徹底的に冷徹になりました。でも、その異様な豹変ぶりのおかげで、私も冷静さを取り戻すことができました。あれだけ熱心な信者だった母をやすやすと切り捨てようとする教団とは一体何なのか、という不信感がどんどん膨らんでいきました。そこで、心のどこかで教団を“信じ切れていなかった”自分は間違ってなかったんだと気づくことができて、むし
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働き方改革(その39)(NTT「3万人テレワーク」が日本経済に変革ドミノをもたらす、「初任給42万円」のサイバーエージェントはいい就職先か?、「休めない日本人」いまだ生み出す抵抗勢力の正体 小室淑恵「現役時代の休み方が定年後を決める」) [経済政策]

働き方改革については、6月11日に取上げた。今日は、(その39)(NTT「3万人テレワーク」が日本経済に変革ドミノをもたらす、「初任給42万円」のサイバーエージェントはいい就職先か?、「休めない日本人」いまだ生み出す抵抗勢力の正体 小室淑恵「現役時代の休み方が定年後を決める」)である。

先ずは、6月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「NTT「3万人テレワーク」が日本経済に変革ドミノをもたらす」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/305135
・『NTTグループは7月から、主要7社の従業員3万人規模にテレワークを導入するという。この取り組みは、日本経済と日本企業に変革を次々と起こしていく可能性を大いに秘めている。どんなことが起きていくのか、共に考えてみよう』、興味深そうだ。
・『NTTを褒める文章は初めて?「3万人テレワーク」で働き方が変わる  NTTという会社について、筆者が肯定的な文章を書くのは初めてかもしれない。1980年代の株式売り出しの頃から折に触れて注目しているので、かれこれ30年以上NTTおよびNTTグループについて見ていることになる。 NTTグループは、主要7社の従業員の半分となる約3万人を原則としてテレワークの働き方にして、国内のどこにでも居住できる制度を7月から導入する。勤務場所は自宅やサテライトオフィスなどとして、出社が必要になる場合は交通費・宿泊費等を出張扱いで支給する方針だという(「日本経済新聞」6月19日)。 いわゆる「IT企業」と呼ばれるような相対的に歴史の浅い会社でテレワークを導入している会社は多くあった。しかし、NTTのように歴史のある大企業がこれだけ大規模にテレワークを導入する事例は聞いたことがない。 率直に言って素晴らしいと思うし、間違いなく他の大企業にも影響が及ぶだろう。後退させずに実現してほしいものだ。 日経新聞の記事は、この施策を導入する理由を「優秀な人材の獲得につなげる」と説明している。エンジニア、マーケティング、企画などの優秀な人材は各社が欲しいと思っている。そのため、今回発表されたような自由度の高いテレワークを提供するNTTグループ各社に対抗するためには、同様の働き方を認めるか、より高い報酬を支払うか、何らかの対抗措置が必要になる。 本件の影響として、テレワークが一層普及すると見るのが、まずは妥当だろう。システム開発などのエンジニア人材をNTTのグループ企業と取り合う関係にある企業は数多ある。波及効果は大きいだろう。 テレワークについて、これまで通勤に要した「時間」だけを考えるとしても、効果は大きい。その時間が生産に使えたり、余暇時間の拡大につなげられたり、休養に充てられたりする。通勤による疲労やストレスがなくなる点も大事だ。まして、今回のNTTのテレワークなら自分の好きな場所に住めるのだ。個人にとって魅力は大きい』、「NTTのように歴史のある大企業がこれだけ大規模にテレワークを導入する事例は聞いたことがない。 率直に言って素晴らしいと思うし、間違いなく他の大企業にも影響が及ぶだろう」、「テレワークについて、これまで通勤に要した「時間」だけを考えるとしても、効果は大きい。その時間が生産に使えたり、余暇時間の拡大につなげられたり、休養に充てられたりする。通勤による疲労やストレスがなくなる点も大事だ。まして、今回のNTTのテレワークなら自分の好きな場所に住めるのだ。個人にとって魅力は大きい」、その通りだ。
・『NTT「3万人テレワーク」によって人事評価と報酬も変わる  テレワークの一般論として言われることだが、テレワークの下では仕事の成果によって個々の社員を評価するウエートが増えるはずだ。それ以外に納得性のある方法がない。そして、例えばシステムの開発者の場合、個人間の生産性には大きな差があるはずであり、報酬はこれを反映したものにならざるを得ない。 生産性に10倍の差があって、報酬は2倍しか違わないという状況が可視化されると、生産性の高い社員は納得しないだろう。その場合、他社でも同様のテレワーク環境が提供されていれば、転職に至る確率は高くなるはずだ。 テレワーク環境が当初はNTTグループ独自の魅力であっても、人材を取り合う状況になると、その条件は長く続かないだろう。 テレワークの普及は、人事評価の成果主義化を加速し、生産性の高い社員の報酬の上昇につながるとみられる』、「テレワーク環境が当初はNTTグループ独自の魅力であっても、人材を取り合う状況になると、その条件は長く続かないだろう。 テレワークの普及は、人事評価の成果主義化を加速し、生産性の高い社員の報酬の上昇につながるとみられる」、その通りだ。
・『テレワークが日本社会に浸透すれば「副業」も変わるだろう  付け加えると、テレワークは副業にもなじみがいい。現在のNTTグループの企業が、一気に社員の副業について全面解禁や副業推奨にまで向かうのかどうかは分からない。ただ、テレワークで時間と居住地が自由になれば、社員は副業を行うことが容易になる。仮にNTTが社員の副業に対して消極的だとしても、競合他社が副業に積極的になると、それに追随せざるを得なくなるのではなかろうか。 副業の普及は概ねいいことだ。社員の自由の拡大だし、収入機会の拡大でもある。また、副業がセカンドキャリアへのスムーズな移行を助けたり、場合によっては起業につながったりするケースも出てくるはずだ。いきなり独立するのではなく、副業の形で新しいビジネスを試すのは、リスクコントロール上有効な方法だ。 テレワーク拡大の副次的効果として、副業の普及にも期待したい』、「仮にNTTが社員の副業に対して消極的だとしても、競合他社が副業に積極的になると、それに追随せざるを得なくなるのではなかろうか。 副業の普及は概ねいいことだ。社員の自由の拡大だし、収入機会の拡大でもある。また、副業がセカンドキャリアへのスムーズな移行を助けたり、場合によっては起業につながったりするケースも出てくるはずだ。いきなり独立するのではなく、副業の形で新しいビジネスを試すのは、リスクコントロール上有効な方法だ」、その通りだ。
・『テレワーク浸透→転職コスト低下 次に来るのは「人材の流動化」  さて、多くの会社がテレワークを自由にしたら、社員から見ると就職先の立地の制約が緩和される分、転職のコストが下がる。しかも、人事評価は成果主義に傾き、報酬も生産性に応じてより弾力的になるので、社員の転職が増える要因になるだろう。 転職のコストが減少し、人材が流動化して再配置される機会が増えるのはいいことだ。労働者同士の競争が厳しくなるが、総体としては個人が自分の生産性を上げようとするモチベーションとして働くだろう。 また、企業同士が優秀な社員に対して提供する条件を競う関係になるので、賃金の上昇にもつながるだろう。企業間での人材獲得競争が盛んになることの効果は大きい。 また、テレワークで生産に関わる人物は、必ずしも「社員」である必要はない。社員のように働きつつも、企業と個人、あるいは大企業と個人会社のような契約関係を結ぶような自由度も、当事者がうまく活用すると双方にとってのメリットになり得る。また、「優秀な人材」は必ずしも日本国内に居住する者でなくてもいい。テレワークを前提に業務を組み立てることは、優秀な人材を探す範囲の拡大にもつながるだろう』、「テレワーク浸透→転職コスト低下 次に来るのは「人材の流動化」」、「テレワークで生産に関わる人物は、必ずしも「社員」である必要はない」、あり得るシナリオだ。
・『上級社員層にもようやく「資本主義」がやって来る  テレワークの普及で、今まで大企業に囲い込まれていた技術職の社員のような非流動的な人材層の待遇が弾力化し、雇用が流動化する。雇用が流動化する際に、人材はあたかも商品のように取引されることになる。 これまで日本では、比較的シンプルな労働に従事する非正規労働者や彼らと競合する層の正社員は、労働力が徹底的に商品化されて競争にさらされてきた。ところが、大企業の正社員はいったん入社すると数十年にわたるメンバーシップを持ち、個人の生産性の差をあまり反映しない報酬システムの下に安住していた。「労働力の商品化」の度合いは極めて小さかったといえるだろう。 しかし、テレワークの普及は、「(所得階層的に)上級社員層」にも労働力の商品化をもたらす要因として働く可能性がある。つまり、「上級社員層」にやっと資本主義化が及ぶわけだ。岸田文雄首相が勘違いしているように「新しい資本主義に移行する」というよりも、「新しく、資本主義がもたらされる」のである。 しかも、ここで生まれる人材流動化のいいところは、「会社間」にも厳しい競争がもたらされることだ。この競争によって、賃金の上昇が後押しされる可能性がある。似た事例としては、かつての外資系の投資銀行間の人材引き抜き合戦が、投資銀行マンの報酬の高騰をもたらしたことを想起してほしい。 会社間の人材獲得競争に自ら乗り出すことは、NTTのようにある程度人材を抱え込むことができている古参の大企業にとって短期的には有利でないはずだ。ただ、内外のIT企業などとの人材獲得・確保の競争状況を考えると、積極的に競争を仕掛けていかざるを得ない事態の切迫を感じたのだろう。 日本の上級社員層の間に「資本主義」が広がることは、経済の成長と活性化のために大変結構なことだ。テレワークの普及はその流れを後押しする一つの要因になるはずだ。 まさか、あのNTTがやってくれるとは思わなかった。大胆な決断に拍手を送るとともに、その実行がうまくいくことを祈りたい』、「日本の上級社員層の間に「資本主義」が広がることは、経済の成長と活性化のために大変結構なことだ。テレワークの普及はその流れを後押しする一つの要因になるはずだ」、同感である。

次に、7月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「「初任給42万円」のサイバーエージェントはいい就職先か?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/307023
・『サイバーエージェントが新入社員の初任給を42万円に引き上げた。一方、それと同時期に有名大企業の働き方に関するニュースも目にした。サイバーエージェントはいい就職先なのか。有名大企業との比較も交えて考えてみたい』、興味深そうだ。
・『「働き方」の二つのニュース 一つは良い、もう一つは残念  日本企業の経営と労働者の働き方に関わる二つのニュースが目についた。 一つは、ソニーグループ、キリンホールディングス、SOMPOホールディングスといった日本の主要企業が、社員のリスキリング(学び直し)で連携する協議会の設置が発表されたことだ。経済産業省と金融庁の支援の下に8月に「人的資本経営コンソーシアム」なるものを設置するという。社員が相互に兼業・副業する仕組みを設けたり、共同で学び直しの場を提供したりすることが検討されるらしい。 もう一つは、サイバーエージェントが2023年度の新入社員の初任給を42万円に引き上げることを発表したというニュースだ。22年春入社の社員と比べて2割を超える大幅な増額となる。人材獲得の競争が激化する中での、同社の経営戦略だ。 筆者は、一方を「良いニュース」だと思い、他方を「残念なニュース」だと思った。 ポジティブに解釈したのはサイバーエージェントの初任給引き上げだ。 率直に言って、新卒時点で相対的に優秀な社員を採用することの価値は極めて大きいはずだ』、確かに「サイバーエージェントが2023年度の新入社員の初任給を42万円に引き上げることを発表したというニュース」は確かに「良いニュース」ではあるが、私は2022年度や2021年度の入社組の給与との調整をどうするのかが気になった。
・『大企業批判を恐れて初任給だけ低くする日本の一流企業のつまらない慣行  典型的には工場と製造プロセスを経て製品ができるかつてのビジネスと、デジタル化された情報のハンドリングの巧拙やビジネス上のアイデアが成否を分ける近年のビジネスとではスピードが違う。そのため、「有能な個人」の価値が大きく異なり、かつ早くから影響が現れる。 知的能力でも、デザインなどのセンスでも、コミュニケーション力でも、「できる人材」と「普通の人材」の生産性の差は10倍以上違っていておかしくない。何はともあれ、初任給を上げて新卒採用マーケットで「買い負けしない」ようにしようという経営方針は素直でいい。 新卒のマーケットだけなのが残念だが、「普通の資本主義」(≒労働力の商品化)が実現することは、経済全体にとっても人的資源の効率的な配分の上で好ましい。 「初任給42万円(月額換算)」は年収換算で500万円と少々なので(サイバーエージェントの採用ホームページには「年俸制504万円」とある)、外資系の金融機関やコンサルティング会社などに対して競争力を持つほどではない。しかし、「大企業の厚遇批判」を恐れて初任給だけ低位にするような日本のつまらない一流企業の慣行を考えると(大卒の平均初任給は22万?23万円くらいだ)新入社員へのメッセージとしてインパクトを持つ。 大企業が初任給を大幅に引き上げるのは、(サラリーマン経営者は勇気がないから)それなりに大変なので、サイバーエージェントはいいポイントを突いたと思う。向こう2、3年くらいは有効な施策ではないだろうか。 初任給を不当に安く抑える現在の慣行のばかばかしさへの批判にもなっている点で、社会貢献でもある』、「「大企業の厚遇批判」を恐れて初任給だけ低位にするような日本のつまらない一流企業の慣行を考えると・・・新入社員へのメッセージとしてインパクトを持つ。 大企業が初任給を大幅に引き上げるのは、・・・それなりに大変なので、サイバーエージェントはいいポイントを突いたと思う。向こう2、3年くらいは有効な施策ではないだろうか」、「初任給を不当に安く抑える現在の慣行のばかばかしさへの批判にもなっている点で、社会貢献でもある」、同感である。
・『「人的資本経営コンソーシアム」の何がダメなのか  一方、人的資本経営コンソーシアムの構想は、関わる個々人にとっては「他社」が刺激となることで印象的なリスキリングの事例が生まれる程度のことは少々想像できるのだが、経営のあり方として全く魅力を感じない。このようなものに本気で期待する経営者がいるのだろうか。) もちろん、会社には「大人の事情」がある。同コンソーシアムの発起人企業として名を連ねた有名大企業(全てが文句なしの有名会社だ)の経営者たちも、経産省に旗を振られると「付き合わないわけにはいかない」ということだったのかもしれない。 しかし、例えば「発起人」に名を連ねるソニーや日立製作所の技術者が、キリンに出向してビール営業を体験することをどう考えるか。本人にとって新鮮な気付きがあるかもしれないが、出身会社にとって大きな価値を持つようには思えない。これは事例が意地悪すぎるかもしれないが、それでは、コンソーシアムの参加会社の社員が一緒に何らかの研修プログラムに参加することに、どのような意味があると考えるのか。 社員にどのような教育を提供し、それでどれだけの競争優位の要因をつくることができるかは、企業の経営にとって中核的な問題の一つだ。 他社との「コンソーシアム」のようなくだらないものに自社の社員のリスキリングを任せるくらいなら経営者は、事業と社員をまとめて売り払ってしまうか、無能な自分がさっさと引退するかした方がいい。 コンソーシアムには、企業の「人的投資」に対する一般的な情報の開示の基準を作る意図があるのではないかと推察する。ただ「まともな企業」は、自分たちがどれだけ社員の能力開発に対して投資を行っているのかを、自分たちの流儀で徹底的に公開・宣伝して独自に競うといい。世間の「基準」など待つ必要はない。基準は競争を通じて自ずと出来上がるはずであって、誰かが旗振りをする必要はない』、「「まともな企業」は、自分たちがどれだけ社員の能力開発に対して投資を行っているのかを、自分たちの流儀で徹底的に公開・宣伝して独自に競うといい。世間の「基準」など待つ必要はない。基準は競争を通じて自ずと出来上がるはずであって、誰かが旗振りをする必要はない」、その通りだ。
・『ソニーと日立の社員が同じ研修なら少なくとも一方の人事部は機能不全  若者は、どこの企業に就職すると自分の人材価値にどのようなプラス効果があるのかに敏感だ。若手だけではなく、中堅社員もある程度は気にしている。社員に対して企業がどれだけ、どのような内容に投資するのか。これについては、半ばカルテルのように「一緒に」やらせるよりは、企業間で大いに競争させるといい。 例えば、「○○社に就職すると、××××のような研修を受けることができて、これは自分のプラスになる(将来の転職にも役立つ)」といった立派な研修プログラムを持つことは、企業にとって大いにプラスになる。もちろん、スキルを身に付けた社員は「戦力」になるし、企業にとって差別化の源泉の一つになる。「他社と一緒にやろう」などと考える企業の未来には期待できない。 社員にどのような知識・スキルとマインドセットを持ってほしいのかについては、個々の企業で戦略を反映した違いがあって然るべきだ。例えば、ビジネスが近い2社だが、仮にソニーの社員と日立の社員が同じ研修を受けるのであれば、少なくともどちらかの人事部は「まともに機能していない」と考えた方がいいだろう。 このコンソーシアムは、官民の仲良しクラブの中では有意義な企画なのかもしれない。しかし、企業経営の次元では心から情けない。このプロジェクトに関わるサラリーマンの中間管理職諸氏には大いに同情する。 ともかく、経営者は大丈夫なのか。自社の中に競争力のある社員教育プログラムを持たないこと、社員に投資しないこと、社員への投資をアピールできないことは、経営者の無能力としか言いようがない』、「社員に対して企業がどれだけ、どのような内容に投資するのか。これについては、半ばカルテルのように「一緒に」やらせるよりは、企業間で大いに競争させるといい」、「自社の中に競争力のある社員教育プログラムを持たないこと、社員に投資しないこと、社員への投資をアピールできないことは、経営者の無能力としか言いようがない」、その通りだ。
・『人材の資本主義化を進めよう 生産性に見合う報酬と「クビ」の選択肢  近年、「生産性」という言葉を頻繁に聞くようになった。付加価値を生み出す効率というくらいの意味で捉えておくといいと思うのだが、個人の生産性に対する貢献には大差があり、その差は傾向として拡大している。 企業にとっての経済合理性から考えて、社員個人に対する報酬は、個人の生産(≒利益獲得)への貢献に見合ったものであるべきだ。価値を下回る見合わない報酬であれば、その社員は転職してしまう公算が大きい。真に「できる個人」には、社長の給料以上の額であっても報酬を払うくらいの柔軟性が必要なのだ。たぶん、サイバーエージェントのような会社では自然に理解されている事柄だろう。 稼ぎに貢献した社員に対して高額のボーナスその他を支払うことは元々外資系の金融機関などにはよくあることだ。有能な人材を確保するためには、貢献が期待できる有能な人材に対して好条件を提示できるのでなければならない。 一方、雇う側も間違えるし、雇う側と雇われる側の両方に見込み違いが生じる場合もある。 合理的なやり方は、期待値に基づいて雇ってみて、期待値に満たなかったらクビにするオプションも含めて条件を見直すことだ。もちろん、解雇には金銭的補償のルールが必要だが、「クビ」というオプションがあるかないかは、経営の効率性にとって極めて大きい。 また、率直に言って「クビ」があり得る職場とそうでない職場とでは、緊張感が違うので生産性に差がつく。職場としてストレスは増えるが、生産性は上がるはずだ。 現在の日本の雇用制度では、正社員を「クビ」にすることが難しい。しかも、社員間の報酬の差が小さい。企業は必然的に賃金に生産性が見合わない社員を抱えている。こうした社員がいわば「席を空けない」ことが、新しい社員の採用の邪魔になっている。また、雇ったらクビにできないことが「試しに雇ってみよう」のリスクとコストを高めるので、社会全体として人材移動が十分増えない。 転職と中途採用はかつてよりも盛んになったが、人材の流動性はまだまだ不十分だ。社会全体として、効率的な人材の再配置が行われる機会が乏しい。また、人材間の競争が不十分だ。 加えて、有能な人材を企業が取り合う形での報酬の上昇が起こりにくい。 「社員をクビにするオプションが必要、緊張感で生産性が違う、社員の報酬にもっと差があっていい、人材間の競争が必要」…。このように書いてみると、何やら自分が薄情で強欲な人になったような居心地の悪さを覚えるが、どうやら、わが国の成長が不十分であることや賃金上昇が十分でないことの背景には、人材の流動性の不足がありそうだ。 特に先の「コンソーシアム」に参加するような大企業にあって、わが国は十分「資本主義化」していない。資本主義は、労働力という商品によって、モノ・サービスを生み出す仕組みだが、はっきり言って「労働力の商品化」が、大企業層で不十分なのだ。 だから、人材の効率的再配置が不足するし、競争が不足する。そして、おそらく賃金も上昇しにくい。岸田文雄首相の言う「新しい資本主義」以前に、日本の会社や社会は「まだ十分に資本主義化していない」のである』、「日本の会社や社会は「まだ十分に資本主義化していない」、「「労働力の商品化」が、大企業層で不十分なのだ」、同感である。
・『「外資系金融のような職場は嫌だ」 そんな読者に想像してほしいこと  「外資系の金融機関のようなギスギスした職場は嫌だ」とお感じになる読者が少なくないと想像するが、二つの点について想像を巡らせてみてほしい。 まず、彼らのいささか高すぎるようにも思える報酬水準は、業界内の人材獲得競争によって生じたものだ。労働力という「商品」については、売り手側でも買い手側でも競争が生じ得る。日本の大企業労働者の賃金は、買い手側である企業側にあって競争が不十分なので上がりにくい一面がある。競争が十分に働く環境なら、多くのビジネスパーソンの給料はもっと高くていいはずなのだ。 もう1点、「クビ」がある職場は確かにギスギスするが、同一業界内で人材の流動性がある方が、クビになった場合に次の職場を探しやすい。就職先の「空席」が生じやすいし、「入れ替え」が起こることもある。「試しに雇ってもらう」ことがより容易になる。 人材に関して「資本主義化」を進めることによって、企業側にももっと競争させることが必要なのではないだろうか。 冒頭の問題に戻ると、採用の入り口の問題とはいえ、人材の競争的獲得に積極的に乗り出したサイバーエージェントの「初任給42万円」を歓迎したい。企業が進むべき方向に対して自覚的な同社は、求職者にとって、おそらくいい就職先であることだろう』、「人材に関して「資本主義化」を進めることによって、企業側にももっと競争させることが必要なのではないだろうか」、「人材の競争的獲得に積極的に乗り出したサイバーエージェントの「初任給42万円」を歓迎したい。企業が進むべき方向に対して自覚的な同社は、求職者にとって、おそらくいい就職先であることだろう」、同感である。

第三に、6月26日付け東洋経済オンラインが掲載した内科医・心療内科医の鈴木 裕介氏と、ワーク・ライフバランス代表取締役社長の 小室 淑恵氏による「「休めない日本人」いまだ生み出す抵抗勢力の正体 小室淑恵「現役時代の休み方が定年後を決める」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/596725
・『会議時間とストレスの相関を調べた調査では、1日4件の会議参加を境に高ストレス者が急増する一方で、連続する会議で5分程度の休憩を挟む「会議間インターバル」と、7時間以上の睡眠時間を確保する「勤務間インターバル」2つの休みを取り入れることで、そのリスクを軽減できることが明らかになりました。(「ネット会議やたら多いエリートの体調が危ない訳」4月1日配信) 有給取得率が60%に到達せず、生理休暇の取得率は1%前後。「休めない日本人」と揶揄されるほど、日本では休暇を取らずに働きづめのビジネスパーソンが大多数です。 「休めない空気」を生み出す、抵抗勢力の正体は?テレワーク時代に求められる「休む技術」とは? 心療内科医/産業医として、「休めない日本人」に向き合い続けてきた鈴木裕介医師と、男性の育児休暇取得や勤務間インターバルなど、「休む」に関連する法律を政策提言し続ける中で、その抵抗勢力とも向き合い続けた、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役・小室淑恵氏が語り合いました』、興味深そうだ。
・『小室淑恵氏が「休む」ことの重要性を痛感した大失敗  鈴木 裕介(以下、鈴木):私は臨床現場で患者さんにお休みすることを提言する立場にいます。しかしこれまでの経験から、休むことに対して、申し訳なさや恥ずかしさ、恐怖といった心理的ハードルがあると感じてきました。 疲労がたまりすぎて危険な水域に入っていても、休職などまとまった休みを取ることに対する抵抗が強い方はとても多いです。ある方は、休職することに「目標や指示もない部署にいきなり放り込まれるような怖さ」を感じるとおっしゃっていました。これまでの日常から切り離されて、先の見えないところに飛ばされる恐怖があるのだと考えています。 また、その方の性格や状態にもよりますが、罪悪感を持たずに“ただ休む”ことができるようになるまでだいたい1カ月くらいはかかるんですね。 その後、やっと自分の体にとって休むことが大事だと実感できるんです。その経過を見ていると、休んでみないとわからないことがあるんだなと、常々患者さんから学んでいます。 小室 淑恵(以下、小室):私自身は元々は、仕事をどこで終わりにするか線が引けないタイプでした。前職では持ち帰りの仕事は当たり前。ですが、長男を出産後、同じスタイルは継続できないとすぐにわかりました。) 日中の育児に加えて夜中も続く授乳。当時は育児や仕事も、できるタイミングでできる限りやらないとと考えていました。しかしながら、睡眠が不足していくと、ちょっとしたことにネガティブな感情を抱くようになっていきました。そしてある日の夜中に、授乳のために起きたタイミングでメールチェックしてしまい、気になったことを指摘する社内向けに書いた強い口調のメールを、お客様に誤送信してしまったんです!!。大反省しました。 そこから生活スタイルを大転換しました。夜9時半には子どもと一緒に寝て、翌朝5時半に起きる生活にしました。授乳が必要な時には夫と交代制にするなど、もちろん育児の工夫もいろいろと凝らした結果、それまで喧嘩が増え続けていた家族関係も改善に向かったんです。大きなターニングポイントでした。睡眠、休息を取ることの大切さを痛感しましたね。休むことが物事の捉え方や認知の歪みも解消することを体感した時期でした。 鈴木:そうですね、まずご自身が休むことの必要性に気づいてもらうのはとても大切なポイントになります。 休むこと、睡眠不足に陥ると小室さんのような失敗が起こるのは、睡眠不足が、交感神経優位のバトルモード状態だからです。 交感神経は身体を興奮させ、動きを活発にする「バトルモード」で、副交感神経は身体をリラックスさせ、休んで元気をためる「休息モード」です。 人は「ここは安心だ」と思える環境や感覚を得て、自律神経が副交感神経優位の時になったときにのみゆっくり寝たりご飯を食べたりできるようにプログラムされているんですね。裏を返すと、睡眠不足とは「ここは安心だ」と思えない環境にいる状態で、言動も「バトルモード」になりがちです』、「元々は、仕事をどこで終わりにするか線が引けないタイプ」、「授乳のために起きたタイミングでメールチェックしてしまい、気になったことを指摘する社内向けに書いた強い口調のメールを、お客様に誤送信してしまったんです!!。大反省しました。 そこから生活スタイルを大転換しました。夜9時半には子どもと一緒に寝て、翌朝5時半に起きる生活にしました。授乳が必要な時には夫と交代制にするなど、もちろん育児の工夫もいろいろと凝らした結果、それまで喧嘩が増え続けていた家族関係も改善に向かったんです。大きなターニングポイントでした。睡眠、休息を取ることの大切さを痛感」、やはり大失敗をしないと気づかないようだ。
・『休むことに抵抗感が強い会社で最初にやる施策とは  小室さんは、ご自身の経験から、7時間以上の睡眠時間確保を目指す「勤務間インターバル」を政策提言されています。 しかし、経済同友会が、国内のスタートアップ企業について、一定条件のもとで「時間外労働の上限規制の適用対象から除外すべき」とする提言を発表したことが象徴するように、休むことへの抵抗勢力が、日本には根強く存在します。 企業の働き方改革コンサルティングの場面でも、そうした抵抗感の強い会社と対峙することも多いと思いますが、どのように向き合ってきたのでしょうか?) 小室:休むことに抵抗感が強い職場で最初にやる施策があります。それが「マニュアル休暇」です。全員が2週間程度のまとまった休みを取る練習をするんです。まず休みが取れたら何をしたいかを全員で書き出してもらいます。育児や介護などの理由がなくても、独身者も全員でカレンダーに休む予定を入れます。そして休む期間の仕事の引き継ぎの問題が発生するので、その際に利用するマニュアルを作成していくんです。マニュアルは、仕事を引き継ぐ側が書くと、いざその仕事をやってみる際に機能するマニュアルが作れます。 マニュアル休暇の効果はいくつかあります。独身/既婚・子どもの有無等にかかわらずみんなが休みを取ることによって、お互い様になるので肩身が狭くなく休めるようになります。また、マニュアル化が行われるので劇的に仕事の属人化が解消されます。個人商店的な雰囲気から、チームへの配慮も生まれます。 従来個人商店の働き方だと、誰かが困っていても助けられないので放っておくしかなかった状況が生まれてしまっていました。属人化を脱することが助け合える土壌を作るんです。 鈴木:土壌作り、マニュアルもできて一挙両得ですね。それは当院でもぜひやってみたいです。 ある日突然休職する方の傾向として、自分の都合よりも周りを優先して、環境や他者からの期待に完璧に近い形で従おうとする「過剰適応」傾向が挙げられます。そうした方の95%が、口癖のように「大丈夫です」と言ってしまうという結果が出ていますが、SOSを出すのが苦手な方にとっては、誰かが日常的に休暇を取得している状態というのは、安心して休暇を取得できますね』、「マニュアル休暇」、「全員が2週間程度のまとまった休みを取る練習をするんです。まず休みが取れたら何をしたいかを全員で書き出してもらいます。育児や介護などの理由がなくても、独身者も全員でカレンダーに休む予定を入れます。そして休む期間の仕事の引き継ぎの問題が発生するので、その際に利用するマニュアルを作成していくんです。マニュアルは、仕事を引き継ぐ側が書くと、いざその仕事をやってみる際に機能するマニュアルが作れます。 マニュアル休暇の効果はいくつかあります。独身/既婚・子どもの有無等にかかわらずみんなが休みを取ることによって、お互い様になるので肩身が狭くなく休めるようになります。また、マニュアル化が行われるので劇的に仕事の属人化が解消されます。個人商店的な雰囲気から、チームへの配慮も生まれます」、なかなかいい仕組みのようだ。
・『抵抗勢力を生み出す、アドレナリンの罠  休みやすい土壌作りができても、次にハードルになるのが、ストレスは自覚するのが難しく、そもそも休む必要性を感じづらい点です。 高ストレス者の57%が、自身が高ストレス者であることを自覚していないという結果が明らかになっています。 対策としては次のようなことが考えられます。開発者によって精度にばらつきはあり発展途上の領域ではありますが、声や自律神経など生体情報を活用したストレスチェックのアプリなども存在します。自身の感覚だけに頼らず、そうしたテクノロジーを活用するのも、選択肢の1つだと思います。 実はストレス状況下では、アドレナリンやコルチゾールなどの抗ストレスホルモンが分泌されることで、一時的にパフォーマンスが上がっていることが多いんですね。そうなると、ますますストレスを実感することが難しく、むしろ「調子がいい」とすら感じるので、注意が必要です。疲労感が伴わないまま、密かに進行する疲労というのがいちばん厄介です。 小室:このアドレナリンによる罠も、抵抗勢力が根強く存在する理由の1つです。 DawsonとReidの1997年の研究によると、人間の脳が集中力を発揮できるのは、起床から13時間以内で、それ以降は酒気帯び運転と同程度の集中力しか保てません。 さらに怖いのは、アドレナリンやコルチゾールによって、起きてから24時間を超えると集中力が一時的に上がってしまう点です。 ここで一時的に仕事が進んだ感覚を経験すると、それが強い成功体験になってしまいます。実際には朝起きて13時間から24時間までの11時間は、著しく生産性が落ちているわけですから、トータルで見た時には企業にとっても本人にとっても大きなマイナスなのですが、最後の数時間の記憶が、長時間労働を成功体験にしてしまい、休むことを軽視しがちです。 そうした背景もあり、私は7時間以上の睡眠時間確保を目指す「勤務間インターバル」を政策提言しています。 ストレスと密接な関係がある睡眠時間の確保を、法律で仕組み化することで、自覚できていないストレスにも対策可能にすることが狙いです』、「人間の脳が集中力を発揮できるのは、起床から13時間以内で、それ以降は酒気帯び運転と同程度の集中力しか保てません。 さらに怖いのは、アドレナリンやコルチゾールによって、起きてから24時間を超えると集中力が一時的に上がってしまう点です。 ここで一時的に仕事が進んだ感覚を経験すると、それが強い成功体験になってしまいます。実際には朝起きて13時間から24時間までの11時間は、著しく生産性が落ちているわけですから、トータルで見た時には企業にとっても本人にとっても大きなマイナスなのですが、最後の数時間の記憶が、長時間労働を成功体験にしてしまい、休むことを軽視しがちです。 そうした背景もあり、私は7時間以上の睡眠時間確保を目指す「勤務間インターバル」を政策提言しています」、確かに「起きてから24時間を超えると集中力が一時的に上がってしまう」、「トータルで見た時には企業にとっても本人にとっても大きなマイナスなのですが、最後の数時間の記憶が、長時間労働を成功体験にしてしまい、休むことを軽視しがちです」、確かに「勤務間インターバル」は有力な歯止め策のようだ。
・『抵抗勢力が押し黙る、データの正体  鈴木:小室さんは「一時的に仕事が進んだ感覚を経験した」抵抗勢力の方々に遭遇したときは、どのように向き合っていますか? 小室:2021年6月科学雑誌『ネイチャー』に、現役時代に 6時間以下の睡眠を続けた人は、定年後の認知症の発症率1.3倍、というデータが掲載されました。このデータを管理職研修などで紹介すると、場の空気が変わります。人生100年時代ということは、約40年も続く定年後の人生です。そのQOLを決めるのは、現役時代の働き方・休み方なのだ、ということですね。) また、抵抗勢力の人たちは「正義感が強い」ことも理解する必要があります。 以前「もし有休が取れたら本当は何をしたいか」をテーマに付箋を使ったワークショップを実施しました。 出てきた回答は「ライブに行きたい」「ディズニーランドに行きたい」など、もし休みが取れたらやりたいことが沢山ある!そんな思いが詰まった回答がたくさん出てきたんですね。 それを見た抵抗勢力だった人は驚かれていました。「休むよりも仕事をしたいと思っていたのは自分だけ?」とハッとしたと言います。 その方はみんなと一緒に成果を出したい、みんなの役に立ちたい気持ちが高い人でもありましたが、そこで初めて自分の考え方や行動が、みんなが休めない状況を作っていたことに気がついたんです。 悪気なく自分の考え方を強制していたことに最初はショックを受けていたようでした』、「もし休みが取れたらやりたいことが沢山ある!そんな思いが詰まった回答がたくさん出てきたんですね。 それを見た抵抗勢力だった人は驚かれていました。「休むよりも仕事をしたいと思っていたのは自分だけ?」とハッとしたと言います。 その方はみんなと一緒に成果を出したい、みんなの役に立ちたい気持ちが高い人でもありましたが、そこで初めて自分の考え方や行動が、みんなが休めない状況を作っていたことに気がついたんです。 悪気なく自分の考え方を強制していたことに最初はショックを受けていたようでした」、「抵抗勢力」は「みんなの役に立ちたい気持ちが高い人でもありましたが、そこで初めて自分の考え方や行動が、みんなが休めない状況を作っていたことに気がついたんです」、意外にも善人だったようだ。
・『権力と影響力を理解することは重要  鈴木:自分の背後に流れるパワー(権力)とその影響力を理解することは重要ですよね。自覚していなくても強制力を持ってしまったり、本音を聞けていなかったり。いつのまにか自分が権力側に立っていて、自分にとって耳当たりのいいことばかりしか耳に入らないようになってくる。これはとても恐ろしいことだと思います。 それに、「強者」だけでなく、「弱者」にあたる人の背後にもパワーが流れている、ということも重要な点だと思います。 最近では「心理的安全性」(注)の重要性が言われるようになって久しいですが、それを意識しするあまり上司が部下に何も言えなくなる場合が出てきて、かえってコミュニケーションの質が下がっているケースが少なくありません。「強者」と「弱者」は容易に入れ替わります。新しい仕組みやカルチャーを推進していくうえで、こうしたパワーの感覚への深い理解が欠かせないと思います』、「「心理的安全性」・・・を意識しするあまり上司が部下に何も言えなくなる場合が出てきて、かえってコミュニケーションの質が下がっているケースが少なくありません。「強者」と「弱者」は容易に入れ替わります。新しい仕組みやカルチャーを推進していくうえで、こうしたパワーの感覚への深い理解が欠かせないと思います』、「「強者」と「弱者」は容易に入れ替わります」、複雑な世の中になったものだ。
(注)「心理的安全性」:組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと。「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義(リクルートマネジメントソリューションズ))
タグ:働き方改革 (その39)(NTT「3万人テレワーク」が日本経済に変革ドミノをもたらす、「初任給42万円」のサイバーエージェントはいい就職先か?、「休めない日本人」いまだ生み出す抵抗勢力の正体 小室淑恵「現役時代の休み方が定年後を決める」) ダイヤモンド・オンライン 山崎 元氏による「NTT「3万人テレワーク」が日本経済に変革ドミノをもたらす」 「NTTのように歴史のある大企業がこれだけ大規模にテレワークを導入する事例は聞いたことがない。 率直に言って素晴らしいと思うし、間違いなく他の大企業にも影響が及ぶだろう」、「テレワークについて、これまで通勤に要した「時間」だけを考えるとしても、効果は大きい。その時間が生産に使えたり、余暇時間の拡大につなげられたり、休養に充てられたりする。通勤による疲労やストレスがなくなる点も大事だ。まして、今回のNTTのテレワークなら自分の好きな場所に住めるのだ。個人にとって魅力は大きい」、その通りだ。 「テレワーク環境が当初はNTTグループ独自の魅力であっても、人材を取り合う状況になると、その条件は長く続かないだろう。 テレワークの普及は、人事評価の成果主義化を加速し、生産性の高い社員の報酬の上昇につながるとみられる」、その通りだ。 「仮にNTTが社員の副業に対して消極的だとしても、競合他社が副業に積極的になると、それに追随せざるを得なくなるのではなかろうか。 副業の普及は概ねいいことだ。社員の自由の拡大だし、収入機会の拡大でもある。また、副業がセカンドキャリアへのスムーズな移行を助けたり、場合によっては起業につながったりするケースも出てくるはずだ。いきなり独立するのではなく、副業の形で新しいビジネスを試すのは、リスクコントロール上有効な方法だ」、その通りだ。 「テレワーク浸透→転職コスト低下 次に来るのは「人材の流動化」」、「テレワークで生産に関わる人物は、必ずしも「社員」である必要はない」、あり得るシナリオだ。 「日本の上級社員層の間に「資本主義」が広がることは、経済の成長と活性化のために大変結構なことだ。テレワークの普及はその流れを後押しする一つの要因になるはずだ」、同感である。 山崎 元氏による「「初任給42万円」のサイバーエージェントはいい就職先か?」 確かに「サイバーエージェントが2023年度の新入社員の初任給を42万円に引き上げることを発表したというニュース」は確かに「良いニュース」ではあるが、私は2022年度や2021年度の入社組の給与との調整をどうするのかが気になった。 「「大企業の厚遇批判」を恐れて初任給だけ低位にするような日本のつまらない一流企業の慣行を考えると・・・新入社員へのメッセージとしてインパクトを持つ。 大企業が初任給を大幅に引き上げるのは、・・・それなりに大変なので、サイバーエージェントはいいポイントを突いたと思う。向こう2、3年くらいは有効な施策ではないだろうか」、「初任給を不当に安く抑える現在の慣行のばかばかしさへの批判にもなっている点で、社会貢献でもある」、同感である。 「「まともな企業」は、自分たちがどれだけ社員の能力開発に対して投資を行っているのかを、自分たちの流儀で徹底的に公開・宣伝して独自に競うといい。世間の「基準」など待つ必要はない。基準は競争を通じて自ずと出来上がるはずであって、誰かが旗振りをする必要はない」、その通りだ。 「社員に対して企業がどれだけ、どのような内容に投資するのか。これについては、半ばカルテルのように「一緒に」やらせるよりは、企業間で大いに競争させるといい」、「自社の中に競争力のある社員教育プログラムを持たないこと、社員に投資しないこと、社員への投資をアピールできないことは、経営者の無能力としか言いようがない」、その通りだ。 「日本の会社や社会は「まだ十分に資本主義化していない」、「「労働力の商品化」が、大企業層で不十分なのだ」、同感である。 「人材に関して「資本主義化」を進めることによって、企業側にももっと競争させることが必要なのではないだろうか」、「人材の競争的獲得に積極的に乗り出したサイバーエージェントの「初任給42万円」を歓迎したい。企業が進むべき方向に対して自覚的な同社は、求職者にとって、おそらくいい就職先であることだろう」、同感である。 東洋経済オンライン 鈴木 裕介 小室 淑恵 「「休めない日本人」いまだ生み出す抵抗勢力の正体 小室淑恵「現役時代の休み方が定年後を決める」」 「元々は、仕事をどこで終わりにするか線が引けないタイプ」、「授乳のために起きたタイミングでメールチェックしてしまい、気になったことを指摘する社内向けに書いた強い口調のメールを、お客様に誤送信してしまったんです!!。大反省しました。 そこから生活スタイルを大転換しました。夜9時半には子どもと一緒に寝て、翌朝5時半に起きる生活にしました。授乳が必要な時には夫と交代制にするなど、もちろん育児の工夫もいろいろと凝らした結果、それまで喧嘩が増え続けていた家族関係も改善に向かったんです。大きなターニングポイントでした 「マニュアル休暇」、「全員が2週間程度のまとまった休みを取る練習をするんです。まず休みが取れたら何をしたいかを全員で書き出してもらいます。育児や介護などの理由がなくても、独身者も全員でカレンダーに休む予定を入れます。そして休む期間の仕事の引き継ぎの問題が発生するので、その際に利用するマニュアルを作成していくんです。マニュアルは、仕事を引き継ぐ側が書くと、いざその仕事をやってみる際に機能するマニュアルが作れます。 マニュアル休暇の効果はいくつかあります。独身/既婚・子どもの有無等にかかわらずみんなが休みを取 「人間の脳が集中力を発揮できるのは、起床から13時間以内で、それ以降は酒気帯び運転と同程度の集中力しか保てません。 さらに怖いのは、アドレナリンやコルチゾールによって、起きてから24時間を超えると集中力が一時的に上がってしまう点です。 ここで一時的に仕事が進んだ感覚を経験すると、それが強い成功体験になってしまいます。実際には朝起きて13時間から24時間までの11時間は、著しく生産性が落ちているわけですから、トータルで見た時には企業にとっても本人にとっても大きなマイナスなのですが、最後の数時間の記憶が、長時 確かに「起きてから24時間を超えると集中力が一時的に上がってしまう」、「トータルで見た時には企業にとっても本人にとっても大きなマイナスなのですが、最後の数時間の記憶が、長時間労働を成功体験にしてしまい、休むことを軽視しがちです」、確かに「勤務間インターバル」は有力な歯止め策のようだ。 「もし休みが取れたらやりたいことが沢山ある!そんな思いが詰まった回答がたくさん出てきたんですね。 それを見た抵抗勢力だった人は驚かれていました。「休むよりも仕事をしたいと思っていたのは自分だけ?」とハッとしたと言います。 その方はみんなと一緒に成果を出したい、みんなの役に立ちたい気持ちが高い人でもありましたが、そこで初めて自分の考え方や行動が、みんなが休めない状況を作っていたことに気がついたんです。 悪気なく自分の考え方を強制していたことに最初はショックを受けていたようでした」、「抵抗勢力」は「みんなの役 「「心理的安全性」・・・を意識しするあまり上司が部下に何も言えなくなる場合が出てきて、かえってコミュニケーションの質が下がっているケースが少なくありません。「強者」と「弱者」は容易に入れ替わります。新しい仕組みやカルチャーを推進していくうえで、こうしたパワーの感覚への深い理解が欠かせないと思います』、「「強者」と「弱者」は容易に入れ替わります」、複雑な世の中になったものだ。 (注)「心理的安全性」:組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと。「チームの他のメンバーが自分の発言
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幸福(その5)(人より「幸せを感じやすい人」が自然にしている事 自己肯定感の高い人と低い人の差どこにある?、《この国は不寛容社会》「幸福度ランキング58位」の日本人に足りないたった1つの習慣 『アメリカはいつも夢見ている』より #1、自分も周りも幸せに!笑顔がもたらす5つの効果 笑うのが無理なら 軽く微笑むだけでもOK) [人生]

幸福については、2月27日に取上げた。今日は、(その5)(人より「幸せを感じやすい人」が自然にしている事 自己肯定感の高い人と低い人の差どこにある?、《この国は不寛容社会》「幸福度ランキング58位」の日本人に足りないたった1つの習慣 『アメリカはいつも夢見ている』より #1、自分も周りも幸せに!笑顔がもたらす5つの効果 笑うのが無理なら 軽く微笑むだけでもOK)である。

先ずは、昨年9月30日付け東洋経済オンラインが掲載したメンタルコーチの中島 輝氏による「人より「幸せを感じやすい人」が自然にしている事 自己肯定感の高い人と低い人の差どこにある?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/458028
・『コロナ禍が長引く中、自分のあり方や未来などに不安を抱えていたり、自信を失っていたりする人は少なくありません。日本人は自己肯定感が低いと言われますが、「いいときも悪いときも自分を信じて前進できる人には、心に"あそび"がある」と語るのは、自己肯定感の第一人者で心理カウンセラーの中島輝氏です。中島氏の著書『うまくいっている人がしている 自己肯定感を味方にするレッスン』から、人生をより豊かにするためのメソッドを紹介します』、「人生をより豊かにするためのメソッド」とは有り難い。
・『「幸せになる自分」を選ぶのは、自分  同じ環境で同じように暮らしていても、喜びや幸せを感じられる人と、悲しみにさいなまれて幸福感を得られない人がいます。いったい何が違うのでしょうか?両者の違いを解説するとき、私は次のエピソードを紹介しています。 囚われの身である2人の男が鉄格子から外を見ていた。  1人は下を向いて地面の泥を見ながら絶望感を抱いていた。  1人は上を向いて空に輝く星を眺めて希望を抱いていた。 つらいことがあったとき、美しいものに気が付いて、気持ちが晴れた経験は誰にでもあると思います。地面の泥を見て絶望に打ちひしがれていた男も、もし空を見上げる余裕があったなら、輝く星に未来への期待を見出せたかもしれません。 鉄格子の中から上を向くか下を見るか。つまり、希望を見つけるか、絶望に浸るかは、他人に強要されるものではなく、自分自身の選択です。 「今日は上司に怒られて、恥をかかされ、作業のやり直しにも時間がかかって最悪だった」と泥を見つけるのも自分の選択。「今日は上司に怒られたけれど、自分のミスに気づけたし、やり直すことで学びがあった。明日はもっとうまくできそうだ」と星を眺めるのも自分の選択です。 「泥という絶望」を見るか、「星のような希望」を見るのかを自分で選択できるということは、「自分を幸せにできる選択」は自分自身でできるということ。もしその選択が失敗だったとしても、自分で選んだ道なら後悔は少なく、納得できるでしょう。 自分で選択することを続けていけば、他人と自分を比較して落ち込むことが減っていきます。表面だけを取り繕ってごまかす必要もなくなり、自分の信念に基づいて、次々と新たな「幸せ」を選択できるようになるでしょう。 鉄格子の中から星を見上げた男のように、物事をポジティブに捉えることができるのは、自分を信じられる人、つまり自己肯定感が高い人です』、「「泥という絶望」を見るか、「星のような希望」を見るのかを自分で選択できるということは、「自分を幸せにできる選択」は自分自身でできるということ。もしその選択が失敗だったとしても、自分で選んだ道なら後悔は少なく、納得できるでしょう。 自分で選択することを続けていけば、他人と自分を比較して落ち込むことが減っていきます。表面だけを取り繕ってごまかす必要もなくなり、自分の信念に基づいて、次々と新たな「幸せ」を選択できるようになるでしょう」、「物事をポジティブに捉えることができるのは、自分を信じられる人、つまり自己肯定感が高い人です」、なるほど。
・『本来自己肯定感は生まれながらに備わっている  ここで改めて、自己肯定感とは何かを説明しておきましょう。 自己肯定感とは、「私が私であることに満足でき、自分を価値ある存在だと受け入れられること」。私は、自己肯定感こそが「人生を支える軸となるエネルギー」だと考えています。 本来、自己肯定感は誰にでも生まれながらに備わっているもの。実は、自己肯定感が一番高いのは赤ちゃんのときです。伝い歩きを始めた赤ちゃんは、「転ぶかもしれない」「怖いからやめよう」なんて微塵も考えていません。何度転んでも「自分はきっと歩ける」と信じてチャレンジし続けます。 誰もが赤ちゃんのときは「きっとできる」と、自己肯定感に満ち溢れています。しかし、成長するにしたがい、さまざまなネガティブな経験によって自己肯定感は低下してしまいます。 でも、安心してください。自己肯定感は何歳からでも高めることが可能です。ただ、高めることができても、一生自己肯定感の高い人でいられるわけではなく、人生のさまざまな出来事の中で上がったり下がったりします。大切なのは、自己肯定感が下がってしまったとき、再び高められる方法を把握しておくことです。) ところで、あなたは「自己肯定感の高い人」と聞いてどのような人物を思い浮かべますか? ブレない自分を持っている人、強い芯のある人、どんなときも堂々と自分の考えを主張できる人──これらは、自己肯定感が強い人の典型だといえるでしょう。しかし、ブレない強さにこだわり過ぎると逆に、小さな失敗をしただけで心がポキッと折れるようになってしまうのです』、「伝い歩きを始めた赤ちゃんは、「転ぶかもしれない」「怖いからやめよう」なんて微塵も考えていません。何度転んでも「自分はきっと歩ける」と信じてチャレンジし続けます。 誰もが赤ちゃんのときは「きっとできる」と、自己肯定感に満ち溢れています。しかし、成長するにしたがい、さまざまなネガティブな経験によって自己肯定感は低下してしまいます」、確かに「誰もが赤ちゃんのときは「きっとできる」と、自己肯定感に満ち溢れています」、「自己肯定感」なくしては歩くことなどできない筈だ、「大切なのは、自己肯定感が下がってしまったとき、再び高められる方法を把握しておくこと」、「ブレない強さにこだわり過ぎると逆に、小さな失敗をしただけで心がポキッと折れるようになってしまう」、やはりバランスも重要なようだ。
・『選択肢に柔軟性を持てる人の強み  自己肯定感が高い人には「柔軟性」が備わっています。この柔軟性を私はよく、「心に"あそび"がある」と表現しています。 あらゆる物事に対し、「絶対にAだ」と執着せず、周囲の意見を受け入れる。「Aもいいけれど、Bも素敵だな。でも今日はCにしておこう」と選択肢に柔軟性を持つことができる。これが心に「あそび」のある状態です。もしCに失敗したとしても、「こんなこともあるよね」と笑顔で受け入れられるようになることが大切なのです。 「あそび」は心の中にある、まっさらで自由な空間。空間があるから、自分とは異なる人の意見も、広い心で受け入れることができます。 自己肯定感が低いと、どうしても視野が狭くなり、一度決めた物事に固執してしまう傾向になります。そんなときは、心に「あそび」があるかどうか、自分自身に問いかけてみてください。 自分には青い服が似合う、青を選んでいれば間違いないと思い込んでいたけれど、たまには赤い服を選んでみるのもいいかもしれない。緑色を試すのもおもしろそうだ――そんなふうに、ときには迷ったりブレたりした方が、自分の可能性も広がって、日々が輝き、人生が楽しいものになります。 自己肯定感が高いと、「私の未来は明るいんだから、1回ぐらい失敗したって大丈夫!」と前向きな気持ちで赤や緑色を選択できるようになります。すると、ますまずポジティブなエネルギーが湧いてきて、人生を楽しむためのアイデアがどんどん生まれてきます。 今持っている自分の価値観を強く信じ続けるのではなく、ときには自分自身を疑ってみてください。自分は何を大切にして生きていきたいのか、どんな人間になりたいのか――時の流れとともに、答えは少しずつ変化しているはずです。 迷って、ブレて、変化するから、次の新しい発想や行動が生まれ、人生に豊かな彩りを与えてくれます。変化に対応するのは難しいことでも大変なことでもなく、実はとても楽しいことなのですから。 「何があっても受け入れる」という柔軟な心で自己肯定感を養っていくと、自分の人生を自分でデザインできるようになります。あなたは今までの自分とは違う実感と自信に気づくことができるでしょう』、「「何があっても受け入れる」という柔軟な心で自己肯定感を養っていくと、自分の人生を自分でデザインできるようになります」、なるほど。
・『自分に起きることはすべてギフト  自分は何を選んで、何を大切にして、どんな人間になりたいのかを考え、迷ったり、ブレたりしながら人生を歩んでいく。その時々で自分が選んできたものが、自分の人生を形作ります。 世間の常識や体裁など、誰かが敷いたレールの上を走るのではなく、自分で考えた道を自分の足で歩んでいるという実感。ここに、人生の大きな喜びがあるのです。 いいことも悪いことも、好きなことも嫌いなことも、自分の身に起きるすべては、理想の人生をデザインするための「ギフト」です。 幸せとは満ち足りることではなく、気づき続けることです。毎日自分の身に起こるさまざまな出来事(=ギフト)から、どんな気づきを得ることができるのか。それは人ぞれぞれ異なります。 最初に述べた「鉄格子の中」という過酷なギフトから、「希望」を見いだせた人のように、どんなギフトを受け取っても、肯定的に受け止めて感謝をすること。その積み重ねによって自己肯定感が高まり、人生がますます楽しくなっていくはずです。 迷って、ブレて、変化するから、次の新しい発想や行動が生まれ、人生に豊かな彩りを与えてくれます。変化に対応するのは難しいことでも大変なことでもなく、実はとても楽しいことなのですから。 「何があっても受け入れる」という柔軟な心で自己肯定感を養っていくと、自分の人生を自分でデザインできるようになります。あなたは今までの自分とは違う実感と自信に気づくことができるでしょう』、「「何があっても受け入れる」という柔軟な心で自己肯定感を養っていくと、自分の人生を自分でデザインできるようになります。あなたは今までの自分とは違う実感と自信に気づくことができるでしょう」、実際には難しい面もあるが、理想形としてはその通りだ。
・『自分に起きることはすべてギフト  自分は何を選んで、何を大切にして、どんな人間になりたいのかを考え、迷ったり、ブレたりしながら人生を歩んでいく。その時々で自分が選んできたものが、自分の人生を形作ります。 世間の常識や体裁など、誰かが敷いたレールの上を走るのではなく、自分で考えた道を自分の足で歩んでいるという実感。ここに、人生の大きな喜びがあるのです。 いいことも悪いことも、好きなことも嫌いなことも、自分の身に起きるすべては、理想の人生をデザインするための「ギフト」です。 幸せとは満ち足りることではなく、気づき続けることです。毎日自分の身に起こるさまざまな出来事(=ギフト)から、どんな気づきを得ることができるのか。それは人ぞれぞれ異なります。 最初に述べた「鉄格子の中」という過酷なギフトから、「希望」を見いだせた人のように、どんなギフトを受け取っても、肯定的に受け止めて感謝をすること。その積み重ねによって自己肯定感が高まり、人生がますます楽しくなっていくはずです』、「いいことも悪いことも、好きなことも嫌いなことも、自分の身に起きるすべては、理想の人生をデザインするための「ギフト」です」、ここまで割り切るのは、実際にはかなり困難だろう。その壁を乗り越えると、「最初に述べた「鉄格子の中」という過酷なギフトから、「希望」を見いだせた人のように、どんなギフトを受け取っても、肯定的に受け止めて感謝をすること。その積み重ねによって自己肯定感が高まり、人生がますます楽しくなっていくはずです」、となるようだ。

次に、本年4月30日付け文春オンラインが掲載したアメリカ在住のエッセイストの渡辺 由佳里氏による「《この国は不寛容社会》「幸福度ランキング58位」の日本人に足りないたった1つの習慣 『アメリカはいつも夢見ている』より #1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/53876
・『「日本人の幸福度は全世界で58位」――ある時期、そんなニュースがSNSをにぎわせた。 なぜ日本人は幸せを感じづらいのか? その理由を、アメリカ在住のエッセイスト・渡辺由佳里さんの新刊『アメリカはいつも夢見ている』より一部を抜粋。国連がまとめた「幸福度ランキング」を見ることで、欧米人にあって日本人に足りないものが見えてきた。(全3回の1回目/#2、#3を読む)』、興味深そうだ。
・『日本は幸福度ランキング58位  Twitterに流れてくる日本のニュースで、国連がまとめた幸福度ランキングで日本が2018年から4つ順位を下げて58位になったということを知った(2019年)。 このニュースだけでは内容がよくわからないので、情報の大元である2019年WHR(World Happiness Report)をダウンロードして読んでみた。統計の専門家ではないので計算方法などはよくわからないが、このレポートは日本と日本人の幸福感について重要なことをいくつか指摘してくれていると感じた。 WHRの幸福度ランキングはギャラップの世論調査(Gallup World Poll Questions)を元にしている。ビジネス経済、社会関与、コミュニケーションとテクノロジー、多様性(社会問題)、教育と家族、感情(幸福感)、環境とエネルギー、食と住居、政府と政治、法と秩序(治安)、健康、宗教と倫理、交通、仕事の14の分野での質問があり、回答者は「カントリルラダー」という指標を使って答える。「はしご(ラダー)」を想像し、想像できる最悪の状態を0、最高の状態を10として主観的な評価をするものだ。 WHRでは、その結果の幸福度を説明する重要なファクターとして「一人あたりの国内総生産」、「社会的支援」、「出生時の平均健康寿命」、「人生の選択をする自由」、「他者への寛大さ」、「公職者が汚職/堕落しているという国民の認識」の6つを挙げている。 幸福度ランキングのグラフを見ると、トップからフィンランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランドと北欧の国々が並んでいる。銃による大量殺人があり、オピオイド依存症が深刻になっているアメリカですら19位に入っている。それなのに、日本が58位だというのは不思議に思える。 グラフをよく見ると、日本は「一人あたりの国内総生産」、「社会的支援」、「出生時の平均健康寿命」という左から3つのファクターでは上位の国々とほとんど変わらないことがわかる。 上位の国々と日本との大きな違いは、「他者への寛大さ」と最後の「ディストピア+レジデュアル」である。日本は「出生時の平均健康寿命」では156ヶ国中2位というチャンピオンなのに、「他者への寛大さ」においては92位というほぼ最低レベルなのだ。) 繰り返すが、幸福度のスコアはそれぞれの国の回答者の主観的な評価の平均であり、6つのファクターはその因果関係を説明しようとしているだけである。例えば「他者への寛大さ(generosity)」が高いからといってその国がスコアを上げてもらっているわけではない。 まずはこの「他者への寛大さ」と幸福感について語ろう』、「日本は「一人あたりの国内総生産」、「社会的支援」、「出生時の平均健康寿命」という左から3つのファクターでは上位の国々とほとんど変わらないことがわかる。 上位の国々と日本との大きな違いは、「他者への寛大さ」と最後の「ディストピア+レジデュアル」である」、具体的な内容はこのあと説明があるようだ。 
・『日本人はなぜ幸せになれないのか?  WHRの「幸福と社会性がある行動」という章は、人間が非常に社会的な動物であり、家族や友人だけでなく見知らぬ他人を助けることによって満足感や幸福感を得ることを説明している。見返りを求めずに自分の金を提供する寄付や、自分の時間を提供するボランティアがその代表的なものだ。 しかし、レポートには「(それらに加えて)いろいろな方法で他者を援助することができる。例えば、見知らぬ人のためにドアを開けてあげるとか、褒めてあげるとか、病に臥せっている親戚を介護するとか、伴侶を気遣ってあげるとか、拾った財布を持ち主に返してあげるとか、小さいけれども意義がある寛大な行動だ」と書いてある。ランダムに親切な行動をする実験では、親切な行動をしたグループのほうがしなかったグループよりも幸せになったという。 次の「ディストピア+レジデュアル」という項目は少しわかりにくい。「ディストピア」とは世紀末的なSFでよく使われる言葉で、ユートピアの反対の社会である。この調査では、幸福度を説明する6つの重要なファクターが世界で最悪である架空の国を「ディストピア」と設定する。「ディストピア」に住んでいる人は世界で最も不幸であるという仮定で、カントリルラダーにおける「最悪」の基準にする。その基準と照らし合わせて自国の自分の生活の評価をするのだ。 ディストピアの国民の自己評価の平均推定値が1.88で、それに「レジデュアル」を加えたのがこの部分ということらしい。「レジデュアル(残余)」とは(グラフの左の6つのファクターで)「説明されていない構成要素(unexplained components)」ということで、日本人はここが異常に少ない。) たとえば世界で12位のコスタリカでは、幸せの理由を具体的に説明する6つの要素は日本より少ないのに世論調査での総合的な幸福度のスコアは日本よりずっと高い。6つの要素では説明されない部分で、彼らは幸せを感じているのだろう。 見方を変えると、「日本は他国に比べて幸せになる社会的な条件はけっこう揃っているのに、なぜか幸せを感じていない」ということが浮かび上がってくる。 これら2つの特徴を考慮すると、日本人が幸せになる近道は、「他者に寛大/寛容で親切になる」ことと「自分がけっこう幸せであることを自覚する」ことになる。 「自分が幸せであることを自覚する」というのは漠然としていて難しいので、わかりやすくやりやすい「寛大/寛容になる」ことから始めればいいだろう。 経済的に余裕がない人が無理に大金を寄付したり、寝る時間がない人がボランティアをしたりする必要はない。電車で辛そうにしている人がいたら席を譲ってあげ、ベビーカーを押している人がいたら電車やエレベーターの乗り降りを手伝ってあげるといったことなら誰でもできる。朝、道ですれ違う人に「おはよう」と声をかけたり、レジの人に「今日はいいお天気でよかったですね」と笑顔で話しかけて「ありがとう」と言うだけでも、相手に小さな幸せを与えてあげられるし、それによって自分も少し幸せになれる』、「「日本は他国に比べて幸せになる社会的な条件はけっこう揃っているのに、なぜか幸せを感じていない」ということが浮かび上がってくる。 これら2つの特徴を考慮すると、日本人が幸せになる近道は、「他者に寛大/寛容で親切になる」ことと「自分がけっこう幸せであることを自覚する」ことになる。 「自分が幸せであることを自覚する」というのは漠然としていて難しいので、わかりやすくやりやすい「寛大/寛容になる」ことから始めればいいだろう」、なるほど。
・『善人ぶってもいいじゃないか  私はアメリカの慣習にならって郵便局などでよく私の後ろから来た人にドアを開けて先に入れてあげたり、レジで少ない品数の人が後ろに並んだら「私は沢山買うので、お先にどうぞ」と譲ってあげたりするのだが、たいていの人は笑顔で「ありがとう」と言ってくれる。 常連になっているいくつかのスーパーマーケットでは従業員の人たちとよく挨拶を交わしているのだが、韓国系スーパーで無表情に客の対応をしているレジの女性たちが私を見かけたとたんにぱっと笑顔になってくれるのがとても嬉しい。別のレジの人までが振り向いて「ハウアーユー」と言ってくれるのも。オーガニック専門スーパーマーケットでは、1週間姿を見せなかっただけで精肉コーナーのおじさまたちが「旅行にでも行っていたの?」と話しかけてくれる。 そんな小さなふれあいだけでも一日が明るくなるし、幸福度が上昇するものだ。 このような話をすると、日本のソーシャルメディアでは「善人ぶっている」という反応が戻ってくることがある。赤ん坊を連れたお母さんに優しくしてあげることを呼びかけると、「こっちも大変なのに、そんな時間に電車に乗るほうが悪い」といった激しい反論が来ることもある。) 国連の幸福度ランキングが教えてくれるのは、もしかすると、そういう心の余裕のなさと不寛容が日本人の幸福度を下げているかもしれないということだ。 善人ぶって他者に親切にしてもいいではないか。それを自慢してもいいではないか。また、自慢している人を褒めてあげてもいいではないか。それで助かる人がいるのだから』、「国連の幸福度ランキングが教えてくれるのは、もしかすると、そういう心の余裕のなさと不寛容が日本人の幸福度を下げているかもしれないということだ。 善人ぶって他者に親切にしてもいいではないか。それを自慢してもいいではないか。また、自慢している人を褒めてあげてもいいではないか。それで助かる人がいるのだから」、同感である。
・『「寛容のなさ」が日本人から幸福を奪っている  このレポートには書いていないが、髪の色やスカートの長さのように奇妙なところまで縛る厳しい校則や個々の社員の自発的な対応まで縛ってしまうような社則、社員の私生活や性格にまで踏み込んでくるような上司、といったことも、日本人から幸福感を奪っている「寛容のなさ」かもしれない。 そう感じるのは、欧米で生活する日本人が「こちらに来て楽になった」とよく話題にするのがこの部分だからだ。 自分自身の経験から言えるのは、「他者に寛容になれると、自分にも寛容になれる」ということだ。他人の役に立つことができれば、自分を好きになることも容易になる。自分を好きになれたら、幸福のはしごをもうけっこう上まで登ったことになる。 日本人が寛容さを広めることができたら、6つのファクターで説明できない部分の幸福度も自然と増えていくのではないかと思うのだ』、「「他者に寛容になれると、自分にも寛容になれる」ということだ。他人の役に立つことができれば、自分を好きになることも容易になる。自分を好きになれたら、幸福のはしごをもうけっこう上まで登ったことになる」、その通りなのだろう。

第三に、5月28日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「自分も周りも幸せに!笑顔がもたらす5つの効果 笑うのが無理なら、軽く微笑むだけでもOK」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/590526
・『コロナ禍のマスク生活が始まって、すでに2年以上が経過しています。不自由な毎日が長く続いていますから、自分のことを「明るい」と考えている人でも、「最近、ちょっと暗くなっているかも」と感じているのではないでしょうか。 「暗い気持ちでいると、どうしてもネガティブな方向に考えが向いてしまいます」と言うのは、精神科医の和田秀樹氏です。「ネガティブな考え方をしていても、何もいいことはありませんが、明るい気持ちで前を向いていれば、不思議と物ごとがいい方向に動き出します」。 では、しんどいとき、落ち込んでいるとき、気分を上げるにはどうすればいいのか。和田氏の新刊『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』をもとに3回にわたり解説します。 私たちは会社や学校、地域社会で生活していますから、仕事や勉強のことで不安になったり、人間関係に悩んで暗い気持ちになることがあります。 同じような環境で生活していても、いつも明るく、楽しそうに毎日を送っている人もいます。 あなたの周りにも、そいう人がいるのではないでしょうか?そういう人は、ほぼ例外なく「笑顔」でいるはずです。この違いは、どこにあるのでしょうか? ・明るい気持ちでいるから、毎日が楽しくなるのか? ・毎日を楽しくしようとしているから、表情が明るくなるのか? そのどちらも正解だと思いますが、暗い顔をしている人に比べて、明るい笑顔でいる人というのは、周りの人たちの気持ちを明るくします。毎日が楽しくなるような「いい環境」ができやすいのです』、「明るい笑顔でいる人というのは、周りの人たちの気持ちを明るくします。毎日が楽しくなるような「いい環境」ができやすい」、「明るい笑顔でいる人」はどの組織にとっても貴重なようだ。
・『気持ちが明るい人には人が寄ってくる  いつも気持ちが明るい人というのは、心理的な垣根が下がりますから、自然と人が寄ってきます。部下の人たちに威厳を示そうと「仏頂面」をしている上司より、ニコニコと愛想がいい課長や部長のところには、やはり人が集まってきます。 女性が管理職になると、「部下にナメられたくない」と思って必要以上に厳しい顔をする人がいますが、それでは逆効果です。仕事ができる人というのは、男性でも女性でも意外と愛想がいいものです。 明るい笑顔の人が周囲の人も明るくするというのは、その人が持っている雰囲気とか心理的な影響だけでなく、科学的にも証明されています。笑顔の人と一緒にいると、その人につられて笑顔になる……という経験をしたことがあると思いますが、それは「エンドルフィン」の働きによるものと考えられています。 エンドルフィンとは、脳内で機能する神経伝達物質の1つで「体内で分泌されるモルヒネ」の意味があります。モルヒネの数倍の鎮痛効果があると考えられ、「気分が高揚」したり「幸福感」が得られたりするという作用を持っています。 笑顔の人につられて一緒になって笑うと、周囲の人たちの脳内でもエンドルフィンが放出されるため、一体感や安心感が生まれます。人に笑いかけることは、「私はあなたの敵ではない」ということを相手に伝えるだけでなく、相手を笑顔にして、その人の気分を明るくする効果があるのです。 その相手の笑顔を見ることによって、笑顔の人はさらに明るい気持ちが増幅されて、幸福感を得られる……というフィードバック効果もあります。笑顔の人の周囲に幸せオーラが感じられるのは、こうした明確な理由があるのです』、「エンドルフィンとは、脳内で機能する神経伝達物質の1つで「体内で分泌されるモルヒネ」の意味があります。モルヒネの数倍の鎮痛効果があると考えられ、「気分が高揚」したり「幸福感」が得られたりするという作用を持っています。 笑顔の人につられて一緒になって笑うと、周囲の人たちの脳内でもエンドルフィンが放出されるため、一体感や安心感が生まれます」、「人に笑いかけることは、「私はあなたの敵ではない」ということを相手に伝えるだけでなく、相手を笑顔にして、その人の気分を明るくする効果があるのです。 その相手の笑顔を見ることによって、笑顔の人はさらに明るい気持ちが増幅されて、幸福感を得られる……というフィードバック効果もあります。笑顔の人の周囲に幸せオーラが感じられるのは、こうした明確な理由があるのです」、なるほど。
・『仏頂面で暗い顔をしていませんか?  人が笑顔でいると、そのほかにもさまざまな「恵み」があります。仏頂面をして暗い気持ちでいるより、明るい気持ちで笑顔でいる方が、何となくいいことがありそうですが、それをハッキリと認識している人は少ないかもしれません。 毎日を明るく過ごすためには、笑顔の効果を知っておくことも大切です。以下に主な5つを紹介しましょう。 ①気持ちに余裕が生まれる(笑顔になると、人は明るい気持ちになり、心に余裕が生まれます。リラックスして日常を過ごすことで、自然と疲れやストレスを蓄積しにくくなり、何ごとに対しても「やる気」が出ます。 前向きな姿勢で物ごとに向き合えますから、いい結果が出やすくなります。ビジネスの世界に限らず、さまざまな分野で成功している人に明るいイメージの人が多いのは、こうしたことも要因の1つです。) ②相手に心を開いているサインになる(周囲の人と円滑なコミュニケーションを図るという点でも、笑顔は欠かすことのできない大切な要素です。あいさつや会話の際に笑顔でいると、相手に心を開いているサインになります。相手もリラックスできますから、お互いの心理的な距離を素早く縮めることができます。) ③生き生きした印象を与える(女性が美しさを維持するためにも、笑顔には大きな意味があります。笑顔の回数が多い人ほど表情筋を使う機会が多くなり、顔のコリがほぐれて血行がよくなり、シワやたるみが目立たなくなります。口角の上がった美しい笑顔でいることは、生き生きした印象を与えることができます。 いつもニコニコしていると、表情筋が発達して表情が若々しくなります。逆に、あまり笑わないと表情筋が緩んでしまい、人に老けた印象を与えます。疲れているように見えたり、不機嫌そうに見えてしまうのです。) ④免疫力が高まる(笑顔になると、健康面でもいい影響があります。笑うことでリンパ球の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化され、免疫力が高まって病気の予防に役立ちます。) ⑤精神的に安定する(「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されることで、安らぎや安心感が得られて、精神的に安定することも明らかになっています。声を上げて笑うと肺や心臓が刺激されて、脈拍や血圧が安定してリラックスしたり、自律神経を整えてくれます。全身の筋肉が動くことで、代謝も上がります。 近年の研究によって、こうした健康面のメリットは「作り笑顔」でも同じ効果が得られることがわかっていますから、意識的に笑顔を心がけるだけで、心身共に健康に一歩近づくことができるのです』、「健康面のメリットは「作り笑顔」でも同じ効果が得られることがわかっていますから、意識的に笑顔を心がけるだけで、心身共に健康に一歩近づくことができるのです」、「「作り笑顔」でも同じ効果が得られる」、とは意外だ。
・『明るい気持ちで過ごすには笑顔が大切  明るい気持ちで毎日を過ごすためには、日ごろから「笑顔」を心がけることが大切です。笑顔が無理ならば、軽く「微笑む」だけでもいいのです。非常にシンプルなことですが、明るい気持ちで毎日を過ごすためには、実は最も重要なことであり、最も効果が出やすいことでもあります。 人は誰でも、「暗い顔」になったり、「落ち込んだ顔」になったりすることがあります。そんなときに「あれ、いま暗い顔をしているな」と気づいて、「こんな顔をしていちゃダメだな。笑顔を心がけよう」と思うだけでいいのです。 少なくとも、他の人がいる前だけでも笑顔を心がけて、明るい気持ちでいよう……ということです。あなたが笑顔でいれば、周囲の人も明るい気持ちになります。その明るい気持ちが、あなたを明るい気分にさせてくれるのです。 明るい笑顔になれば、人に与える印象も大きく変わります。普段、難しそうな顔をしている人が笑顔になると、周囲の人もホッとして、和やかな雰囲気が生まれます。 笑顔が無理なら、「こんにちは」というあいさつだけでもいいのです。普段、仏頂面をしている人が「よう!」と明るく手を上げるだけで、印象は確実に変わります。いつも笑顔の人より効果があったりするものです。 美容整形で二重まぶたにすることは簡単にできても、笑顔がチャーミングな顔にするのは意外に難しいといいます。 男性をハンサム系やイケメン系に変身させることはできても、魅力的な笑顔の持ち主にすることは、至難の業なのです。最新医学を持ってしても難しい笑顔に、そう簡単になれるわけがないと考える人もいるかもしれません。 でも、笑顔が無理ならば、話題の選び方を工夫するとか、物ごとの考え方を改めるなど、何らかの工夫をすることはできます。そうした工夫を繰り返し続けることは、笑顔を心がけることと同じくらい大事な意味を持っています』、「人は誰でも、「暗い顔」になったり、「落ち込んだ顔」になったりすることがあります。そんなときに「あれ、いま暗い顔をしているな」と気づいて、「こんな顔をしていちゃダメだな。笑顔を心がけよう」と思うだけでいいのです。 少なくとも、他の人がいる前だけでも笑顔を心がけて、明るい気持ちでいよう……ということです。あなたが笑顔でいれば、周囲の人も明るい気持ちになります。その明るい気持ちが、あなたを明るい気分にさせてくれるのです」、同感である。
タグ:(その5)(人より「幸せを感じやすい人」が自然にしている事 自己肯定感の高い人と低い人の差どこにある?、《この国は不寛容社会》「幸福度ランキング58位」の日本人に足りないたった1つの習慣 『アメリカはいつも夢見ている』より #1、自分も周りも幸せに!笑顔がもたらす5つの効果 笑うのが無理なら 軽く微笑むだけでもOK) 幸福 東洋経済オンライン 中島 輝氏による「人より「幸せを感じやすい人」が自然にしている事 自己肯定感の高い人と低い人の差どこにある?」 「人生をより豊かにするためのメソッド」とは有り難い。 「「泥という絶望」を見るか、「星のような希望」を見るのかを自分で選択できるということは、「自分を幸せにできる選択」は自分自身でできるということ。もしその選択が失敗だったとしても、自分で選んだ道なら後悔は少なく、納得できるでしょう。 自分で選択することを続けていけば、他人と自分を比較して落ち込むことが減っていきます。表面だけを取り繕ってごまかす必要もなくなり、自分の信念に基づいて、次々と新たな「幸せ」を選択できるようになるでしょう」、「物事をポジティブに捉えることができるのは、自分を信じられる人、つまり自己 「伝い歩きを始めた赤ちゃんは、「転ぶかもしれない」「怖いからやめよう」なんて微塵も考えていません。何度転んでも「自分はきっと歩ける」と信じてチャレンジし続けます。 誰もが赤ちゃんのときは「きっとできる」と、自己肯定感に満ち溢れています。しかし、成長するにしたがい、さまざまなネガティブな経験によって自己肯定感は低下してしまいます」、確かに「誰もが赤ちゃんのときは「きっとできる」と、自己肯定感に満ち溢れています」、「自己肯定感」なくしては歩くことなどできない筈だ、「大切なのは、自己肯定感が下がってしまったとき 「「何があっても受け入れる」という柔軟な心で自己肯定感を養っていくと、自分の人生を自分でデザインできるようになります」、なるほど。 「「何があっても受け入れる」という柔軟な心で自己肯定感を養っていくと、自分の人生を自分でデザインできるようになります。あなたは今までの自分とは違う実感と自信に気づくことができるでしょう」、実際には難しい面もあるが、理想形としてはその通りだ。 「いいことも悪いことも、好きなことも嫌いなことも、自分の身に起きるすべては、理想の人生をデザインするための「ギフト」です」、ここまで割り切るのは、実際にはかなり困難だろう。その壁を乗り越えると、「最初に述べた「鉄格子の中」という過酷なギフトから、「希望」を見いだせた人のように、どんなギフトを受け取っても、肯定的に受け止めて感謝をすること。その積み重ねによって自己肯定感が高まり、人生がますます楽しくなっていくはずです」、となるようだ。 文春オンライン 渡辺 由佳里氏による「《この国は不寛容社会》「幸福度ランキング58位」の日本人に足りないたった1つの習慣 『アメリカはいつも夢見ている』より #1」 『アメリカはいつも夢見ている』 「日本は「一人あたりの国内総生産」、「社会的支援」、「出生時の平均健康寿命」という左から3つのファクターでは上位の国々とほとんど変わらないことがわかる。 上位の国々と日本との大きな違いは、「他者への寛大さ」と最後の「ディストピア+レジデュアル」である」、具体的な内容はこのあと説明があるようだ。 「「日本は他国に比べて幸せになる社会的な条件はけっこう揃っているのに、なぜか幸せを感じていない」ということが浮かび上がってくる。 これら2つの特徴を考慮すると、日本人が幸せになる近道は、「他者に寛大/寛容で親切になる」ことと「自分がけっこう幸せであることを自覚する」ことになる。 「自分が幸せであることを自覚する」というのは漠然としていて難しいので、わかりやすくやりやすい「寛大/寛容になる」ことから始めればいいだろう」、なるほど。 「国連の幸福度ランキングが教えてくれるのは、もしかすると、そういう心の余裕のなさと不寛容が日本人の幸福度を下げているかもしれないということだ。 善人ぶって他者に親切にしてもいいではないか。それを自慢してもいいではないか。また、自慢している人を褒めてあげてもいいではないか。それで助かる人がいるのだから」、同感である。 「「他者に寛容になれると、自分にも寛容になれる」ということだ。他人の役に立つことができれば、自分を好きになることも容易になる。自分を好きになれたら、幸福のはしごをもうけっこう上まで登ったことになる」、その通りなのだろう。 和田 秀樹氏による「自分も周りも幸せに!笑顔がもたらす5つの効果 笑うのが無理なら、軽く微笑むだけでもOK」 「明るい笑顔でいる人というのは、周りの人たちの気持ちを明るくします。毎日が楽しくなるような「いい環境」ができやすい」、「明るい笑顔でいる人」はどの組織にとっても貴重なようだ。 「エンドルフィンとは、脳内で機能する神経伝達物質の1つで「体内で分泌されるモルヒネ」の意味があります。モルヒネの数倍の鎮痛効果があると考えられ、「気分が高揚」したり「幸福感」が得られたりするという作用を持っています。 笑顔の人につられて一緒になって笑うと、周囲の人たちの脳内でもエンドルフィンが放出されるため、一体感や安心感が生まれます」、「人に笑いかけることは、「私はあなたの敵ではない」ということを相手に伝えるだけでなく、相手を笑顔にして、その人の気分を明るくする効果があるのです。 その相手の笑顔を見るこ 「健康面のメリットは「作り笑顔」でも同じ効果が得られることがわかっていますから、意識的に笑顔を心がけるだけで、心身共に健康に一歩近づくことができるのです」、「「作り笑顔」でも同じ効果が得られる」、とは意外だ。 「人は誰でも、「暗い顔」になったり、「落ち込んだ顔」になったりすることがあります。そんなときに「あれ、いま暗い顔をしているな」と気づいて、「こんな顔をしていちゃダメだな。笑顔を心がけよう」と思うだけでいいのです。 少なくとも、他の人がいる前だけでも笑顔を心がけて、明るい気持ちでいよう……ということです。あなたが笑顔でいれば、周囲の人も明るい気持ちになります。その明るい気持ちが、あなたを明るい気分にさせてくれるのです」、同感である。
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グローバル化(その2)(水野和夫法政大教授 ブロック圏で回す経済システムが必要、「グローバル化は日本を縮小させる」フランス人歴史学者が断言するワケ、スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」) [世界情勢]

グローバル化については、2020年4月25日に取上げた。今日は、(その2)(水野和夫法政大教授 ブロック圏で回す経済システムが必要、「グローバル化は日本を縮小させる」フランス人歴史学者が断言するワケ、スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」)である。

先ずは、2020年5月27日付け日刊ゲンダイ「水野和夫法政大教授 ブロック圏で回す経済システムが必要」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/273711
・『世界で猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。感染が急拡大した原因は、グローバル経済のもとに世界各地に広がった人・モノ・カネの流れに沿ってウイルスが拡散したことだ。そのため、世界規模で経済活動を停止せざるを得なくなり、各国の識者からは従来の経済システムに代わる新たな動きを求める声も出始めた。終息の出口が見えない「新型コロナ禍」が浮き彫りにしたグローバル経済の問題。果たして今後の経済システムはどうあるべきか。経済学者の法政大学教授の水野和夫氏に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは水野氏の回答)』、水野氏は国際証券(現:三菱UFJ証券)のエコノミストから法政大教授になり、大きな枠組みでの分析は定評があった。
・『Q:新型コロナ禍で明らかになったグローバル経済の問題をどう考えていますか。 A:世界はこれまで、あたかも「グローバルウイルス」に感染したかのように「グローバル化した経済システムこそが正しい姿なのだ」と刷り込まれ、洗脳されてきました。そして、各国企業は世界中にサプライチェーン(供給網)を張り巡らせてきたわけですが、皮肉にも、そうやって拡大させてきたサプライチェーンに伴いビジネスマンの出張機会が多くなったり、格安LCCの登場で観光客の移動も頻繁となったりしたことが新型コロナの移動を活発化させ感染を拡大する原因となりました。 2008年の「リーマン・ショック」の時、今回のようにサプライチェーンが分断された自動車メーカーの幹部は「3次下請けまでは自分の会社で把握、管理しているけれども、4次、5次、6次の下請けとなると、もはや、どこから部品が来るのか分からない」などと言っていました。つまり、その当時から、グローバル経済に伴うサプライチェーンの問題は指摘されていたのです』、「自動車メーカーの幹部は「3次下請けまでは自分の会社で把握、管理しているけれども、4次、5次、6次の下請けとなると、もはや、どこから部品が来るのか分からない」と、「問題は指摘されていた」、なるほど。
・『サプライチェーンは資本が搾取する構造  Q:すでにグローバル経済の限界は見えつつあったわけですね。 A:「リーマン・ショック」の時も「100年に1度の経済危機」と大騒ぎしたのに、企業はサプライチェーンを縮小するどころか、さらに拡大、膨張させました。ある会社の経営者は経済紙の記事で、「我が社のサプライチェーン(をつなぐ距離)は地球と月を往復するぐらい」などと言っていましたが、要するに地球を何十周もするほどの距離で物流網を敷き、ヒトやモノを動かしてきたのです。そして、新型コロナでそれが分断され、「スペイン風邪以来、100年に1度の危機だ」と嘆いている。要するに「リーマン・ショック」の時の反省もないまま、全く同じことを言っているのです。 おそらく、多くの企業は新型コロナ禍が落ち着いて1年ぐらい過ぎたら、また世界中にサプライチェーンを張り巡らせるでしょう。そして、また新たな感染症が流行したら大騒ぎするという繰り返しです。一体、何度、同じ目に合えば気が付くのでしょうか。 「リーマン・ショック」の時はサブプライム層と言われる中産階級の一歩手前の人が被害者になりましたが、今回の新型コロナでは、各国でインフラを支えていた人たちが大きな影響を受けました。サプライチェーンの仕組みというのは結局、資本が賃金の安い場所を求め、搾取に搾取を重ねていく構造です。こうした弱者に痛みを押し付ける仕組みをいつまで続けるのか。マルクスは「地球が太陽に吸い込まれでもしない限り、資本家はカネもうけをやめない」という趣旨の言葉を残していますが、まったく絶望的な状況と言わざるを得ません』、「「リーマン・ショック」の時の反省もないまま、全く同じことを言っているのです。 おそらく、多くの企業は新型コロナ禍が落ち着いて1年ぐらい過ぎたら、また世界中にサプライチェーンを張り巡らせるでしょう。そして、また新たな感染症が流行したら大騒ぎするという繰り返しです」、「サプライチェーンの仕組みというのは結局、資本が賃金の安い場所を求め、搾取に搾取を重ねていく構造です。こうした弱者に痛みを押し付ける仕組みをいつまで続けるのか。マルクスは「地球が太陽に吸い込まれでもしない限り、資本家はカネもうけをやめない」という趣旨の言葉を残していますが、まったく絶望的な状況と言わざるを得ません」、その通りだ。
・『ブロック圏で経済を回す構造に転換するべき  Q:経済の在り方をどう見直すべきなのでしょうか。 A:まず、真っ先にやることはグローバル化脱退宣言。グローバル化をやめることです。今から100年前の自由貿易主義が叫ばれた時代は、自国で足りないモノ(原料や部品など)がたくさんありました。そのため、地球の裏側から運んでくる必要があったわけです。つまり、自由貿易というのは自国に足りないモノを求めて遠方に広がり、しかも、当時は移動コストも安かった。ところが、今の時代は違います。移動コストは高くなり、物流に伴う自動車や鉄道、航空機、船などの大量移動で地球温暖化や気候変動の問題も指摘されるようになりました。 一方、近代はどの国も(工業、農産物などの)生産力が向上しており、わざわざ遠方に出向く必要もなくなりました。もはや、世界中にサプライチェーンを張り巡らせる必要はなく、近隣諸国などの限られた地域で経済システムを完結できるようになったのです。 Q:世界規模でサプライチェーンを作るのではなく、近隣諸国などと緊密に連携するべきだと。 A:典型的なのがEUですが、例えば農産物はフランスや東ヨーロッパ、工業製品はドイツ、良し悪しは別として原子力エネルギーはフランス……というように、EU圏内で経済は成り立っています。日本の場合も、韓国、台湾、豪州、ニュージーランドと経済的連携を強め、ブロック圏を作るべきでしょう。特にパネルやICチップなどの工業製品については、韓国、台湾で十分です。日本企業がわざわざ欧米に工場を進出したり、輸入したりする必要はありません。農産物は豪州、ニュージーランドがあります。エネルギーについても再生自然エネルギーに切り替えれば、ほぼこの圏内で経済は完結すると思います。つまり、膨張したサプライチェーンを縮小し、人・モノ・カネの流れを限定した地域内で経済を回していく。新型コロナ禍によってグローバル経済という秩序が崩壊しつつある中、新たな世界経済の構造へと大転換させるべき時なのです。 感染症対策も近隣諸国と情報交換した方が早い対応が取れるでしょう。各国で状況が異なるのに、世界規模で足並みをそろえて対策を考えるのは現実的ではないからです。新型コロナ対策でも、日本は出遅れましたが、韓国や台湾などは成功している。新たな感染症が起きた時、こうした国々と協力して防疫対策を構築し、次のウイルスの脅威に備える体制を整えるべきだと思います』、「移動コストは高くなり、物流に伴う自動車や鉄道、航空機、船などの大量移動で地球温暖化や気候変動の問題も指摘されるように」、「近代はどの国も(工業、農産物などの)生産力が向上しており、わざわざ遠方に出向く必要もなくなりました。もはや、世界中にサプライチェーンを張り巡らせる必要はなく、近隣諸国などの限られた地域で経済システムを完結できるようになった」、「新型コロナ禍によってグローバル経済という秩序が崩壊しつつある中、新たな世界経済の構造へと大転換させるべき時」、その通りだ。
・『安倍首相は経団連に内部留保の活用を呼び掛けるべき  Q:グローバル化以外で見直すべき部分はありますか。 A:都市の集中、大都市化というのも限界に来ていると思います。新型コロナの感染者数が最も多いのは米国ですが、ニューヨーク、ワシントン、ボストンなど人口規模の多い州で、米国内の感染者、死者数の半分以上を占めています。つまり、「集積の利益が一番、利潤を極大化する」という発想から都市化が進んだわけですが、人口の密集地域ほど感染症が直撃する実態が明らかになった今、都市への集中もやめる必要があると思います。 Q:新型コロナで経済が大きなダメージを受けている日本企業、政府はどうあるべきでしょうか。 A:日本経済の最大の問題は供給過剰にあるということです。例えば、食料品は生産しても廃棄するばかり。いわゆる食品ロスです。住宅も空き家が増えているのに新築住宅を作り続けています。無理な経済成長を目指して労働時間を増やしているだけなのです。この結果、大企業は現在、世界でも例を見ない460兆円にもおよぶ内部留保を積み上げましたが、この中には本来、働く人の労働生産性の上昇に応じて支払われるべきだった賃金が含まれています。 利潤を上げているのに利息も払わず、まさかのためにと言って労働者などに支払ってこなかった「一時預かり金」などを含めると、ざっと130兆円ほどになるでしょう。新型コロナの影響を受けた国民生活を救済するため、まず、このお金を国民のために活用するべきです。そして、さらに残りの内部留保の一部を償還財源として、政府が「新型コロナ国債」を発行する。そして、政府や自治体の自粛要請で営業できず、苦境に追い込まれている小売業や宿泊、飲食業の家賃補てん、休業補償に充てればいい。政府は(緊急事態宣言の発令下でも)開店していたパチンコ店に苦言を呈するのではなく、安倍首相が経団連に対して内部留保の活用を呼び掛けるべきなのです』、「内部留保460兆円」のうち、「働く人の労働生産性の上昇に応じて支払われるべきだった賃金」などの「一時預かり金」、ざっと130兆円ほどを、「新型コロナの影響を受けた国民生活を救済するため、まず、このお金を国民のために活用するべき」、「残りの内部留保の一部を償還財源として、政府が「新型コロナ国債」を発行する。そして、政府や自治体の自粛要請で営業できず、苦境に追い込まれている小売業や宿泊、飲食業の家賃補てん、休業補償に充てればいい」、「開店していたパチンコ店に苦言を呈するのではなく、安倍首相が経団連に対して内部留保の活用を呼び掛けるべきなのです」、同感である。

次に、2020年9月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した歴史学者のエマニュエル・トッド氏による「「グローバル化は日本を縮小させる」フランス人歴史学者が断言するワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/247077
・『“フランス最大の知性”ともよばれる歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は、日本における「能力主義」は他国とその性質が異なると指摘する。その理由とは?トッド氏の最新刊『大分断 教育がもたらす新たな階級化社会』(訳:大野 舞)から一部を抜粋して紹介する』、興味深そうだ。
・『日本における「能力主義」 他国と異なる特徴とは?  アメリカやフランスのような平等主義の社会では、能力主義は平等という理想の歪んだ形として表出してしまいました。最初は、誰もが学業をするべきで、教育は皆のものだと言われました。しかし、マイケル・ヤングが気づいたのは、大衆層の中の優秀な人たちが進学すると、社会は再び階級化するだろうということでした。そして上層には、上層にいると考える人たちによって新たなグループが形成されるのです。 フランスなどでは能力主義のコンセプトは常にポジティブに評価されてきました。人々は、能力主義は民主主義から生まれたものだと捉えているのです。多くの人は、これが実は教育の民主化の悲惨な二次的影響であり、結局は自己破壊に陥ってしまうものであることを理解していません。この民主化プロセスは最終段階(100%の人が高等教育を受ける段階)まで行き着けないものなのですから。 戦後の日本においてもこの能力主義という考え方は非常に根強かったのではないでしょうか。ただ、日本の特殊な点は、直系家族構造における不平等を受け入れる価値観と、江戸時代の非常に特殊なヒエラルキーの考え方、この二つをベースにしながら、それと同時に能力主義の考え方があったという点です。一方でフランスでは、能力主義とは人類の平等と強く結びついた観念であることを先ほど述べました。この違いがあるため、二つの国の結果は異なるのです。 基本的に直系家族を基盤とする日本のような社会は、そもそもが身分制の社会です。ここでは長男が重要とされてきました。それは徐々に男性全体が特権を持つ、つまり男性優位社会へと変化していきました。日本でももちろん、戦後には能力主義の発展が見られましたが、そこにはフランスで見られるような、平等に対する強いこだわりがないのです。日本にも奥深いところで、巧妙な形での平等主義が存在するとは思います。例えば、あるレベルにおいてはどの仕事も高尚であり、正しく為されるべき、といった考え方です。「馬鹿な人はいても馬鹿げた仕事はない」ということです。そしてきちんと為された仕事はそれがどんな仕事であれ評価されます。それぞれがある身分に属していて、そこで自分の仕事をきちんとこなすという社会です。 もちろん、日本にも高等教育を受けたエリートが存在しますが、他国と異なるのは、人々がその身分の序列を認めているという点です。ここでは上層部の下層部に対する軽蔑、あるいは下層部の上層部に対する憎しみというものはないのです』、「日本では」、「上層部の下層部に対する軽蔑、あるいは下層部の上層部に対する憎しみというものはない」、というのは本当だろうか。他国と同様にあるような気もする。
・『なぜ日本ではポピュリズムが力を持たないか  日本における高等教育の発展というのは、フランスよりもさらに突き詰められたもので、例えば大学入学の際に非常に激しい競争プロセスが存在します。また、大学もレベルによって明確に序列化されています。しかしこの能力主義的なプロセスは、日本の根本にある文化とは矛盾しないのです。 また、もう一つ重要なことは、日本にはポピュリズムがないということです。私が言うポピュリズムというのは、エリート主義を批判することで政治システムに入ってくる政党のことです。このような形は日本ではうまくいかないでしょう。もちろん、東大法学部出身者はフランスのENA出身者と同様の立場にいるでしょう。しかし、繰り返しになりますが、日本ではフランスに比べて、身分に対して傲慢な感情がないのです。 これらを踏まえた上で、日本社会の矛盾とは、身分制が色濃い社会であるにもかかわらず非常に踏み込んだ教育促進のプロセスがあり、能力主義化も進められたということではないでしょうか。日本は身分制の社会ですが、明治の頃からすでに教育の重要性を認識してきました。私が思うにこれもまた、国家が生き延びるためだったのだろうということです。日本人であると感じることや、西洋からの脅威に対抗し生き延びるために、日本社会は自分たちの価値観を超越し、階級化したシステムを残したままで大規模な民主化へ進んでいったのだと思うのです。) なお、直系家族構造の社会の問題は、非常に効率的ではあるのですが、現状の形をそのまま繰り返すという傾向があり、無気力な社会になることと関係しているという点です。直系家族の罠は、自分と全く同じものを作り出そうとする点にあるのです。それと同時に、虚弱なシステムでもあるため外からショックを受けた時に再び活性化するという側面もあります。 同じ直系家族構造を持つドイツもそうです。例えば、フランス革命やイギリスの産業革命を目の当たりにし、イギリスやフランスよりも識字率が高かったドイツは、自分たちの社会を奮い立たせる必要に迫られ、最終的には国の再発展につなげていったのです。これは日本がアメリカと接することによって明治を迎えたのと似ています。直系家族社会は、敵や刺激、外的な脅威などをうまく利用してきたとも言えるでしょう。ただ、このようなシステムからは階級闘争やエリート対大衆というような構図は生まれません』、「日本にはポピュリズムがない」、「フランス革命やイギリスの産業革命を目の当たりにし、イギリスやフランスよりも識字率が高かったドイツは、自分たちの社会を奮い立たせる必要に迫られ、最終的には国の再発展につなげていったのです。これは日本がアメリカと接することによって明治を迎えたのと似ています」。なるほど。
・『グローバル化への適応と人口減少の関係  先ほど明治維新について述べましたが、日本について考察する際に重要なのは、日本の適応性という問題だと思います。日本の近代の歴史は、変化の激しい、また時には脅威ともなる周辺世界にいかに適応するかという問題に集約されるからです。 江戸時代に日本は商業面でも技術面でも、自国のみで目をみはる発展を遂げました。その発展の仕方のある部分は、不思議なことに一部の西ヨーロッパの発展と並行したものだったりもしました。こうして鎖国を続けていた日本でしたが、とうとうアメリカから黒船が突然訪れ、接触を迫られ、不意の恐怖に襲われたのです。 これ以降の日本の歴史は「グローバル化にいかに適応していくか」という点に集約されると思います。ある意味、安全ではない状態がずっと安定していると言ってしまうこともできるわけです。そしてこの黒船の来航による反響の一つが明治維新で、それは驚くべきものでした。工業化への適応力や戦後の回復もまた素晴らしいものでした。西洋に追いつくために進めた回復、つまり突然の変化への適応力によって、結果的に世界第二位の経済国にまでなったのです(2011年まで)。ちなみに、私は一国の力をGDP(国内総生産)だけで判断せずに、技術の能力なども含めて見ます。そうした意味で、日本はいまだに大国であると思っています。 とはいえ、昔から変わらない一つの問題があるのです。それが人口の問題です。韓国なども似たような状況です。 日本は自由貿易を完全に受け入れた国ではないと思います。完全ではありませんが、ある程度、日本は自国を守ってきたと思うのです。日本国内で様々な問題があるのはもちろんわかっていますが、自由貿易によって引き起こされる社会的な崩壊、国内格差という現象に対しては、フランスやイギリス、あるいはアメリカよりも、うまく自国を守れているだろうと思います。日本の適応のための一連の努力、教育面の努力や技術面のそれは完璧主義につながっており、他には類を見ない形で高い均質性のレベルと社会の安定性を維持してきました。 しかしこれらは人口の側面を犠牲にする形で進められたと見ることができるでしょう。日本の出生率の低さはドイツに似たものがありますが、日本の出生率を分析すると、その原因には女性の微妙な地位や、キャリアか子供かを選ばなければいけない状況、父権制の名残があることなどが挙げられます。 日本や韓国のような国では、今もそうかもしれませんが、西洋システムというとてつもない圧力をかけてくるものに対抗するために、本当に多くの努力をしなければならなかったという背景がありました。そうして社会の一貫性や文化などを守ってきましたが、社会が再生され続けるために必要なレベルの出生率を保つということまではできなかったのです』、「日本の適応のための一連の努力、教育面の努力や技術面のそれは完璧主義につながっており、他には類を見ない形で高い均質性のレベルと社会の安定性を維持してきました。 しかしこれらは人口の側面を犠牲にする形で進められたと見ることができる」、面白い見方だ。
・『グローバル化は日本を縮小させる  先にも述べたように、日本はポピュリズム不在の国です。ポピュリズムは、グローバル化が引き起こす社会の格差が政治的な形で表出したものです。ですから日本にポピュリズムがないということは、格差が他国よりもましだということを意味するのです。また、前述したように、日本の近代史というのは国家の生き残りの歴史でした。そうして、国外からの圧力に対抗し、自己を守り、前進し、生き延びるために西洋に追いつくことを繰り返してきました。そんな中で、人口減少が実はその対価だったと言えると思うのです。 日本がグローバル化から完全に自由だったならば、人口の均衡を保つ術を見つける時間もあったでしょう。しかし今日、日本は経済的に厳しい状況にあります。グローバル化による経済的なプレッシャーは、日本のような国がその最も重要な課題である出生率の回復と向き合うこと、つまり支援のためにお金を注ぎ込むことを邪魔しているとも言えるのです(ここでの出生率の支援というのは、単なる手当金のことを指しているのではありません。それは高等教育費を減らすことなども含めます)。グローバル化の圧力は日本を分断するのではなく、日本全体を縮小させているのです。グローバル化は日本がその最も喫緊とする問題と向き合うことを阻止していると言えるでしょう。 ※本文は書籍『大分断 教育がもたらす新たな階級化社会』を一部抜粋して掲載しています』、「グローバル化の圧力は日本を分断するのではなく、日本全体を縮小させているのです。グローバル化は日本がその最も喫緊とする問題と向き合うことを阻止していると言える」、「低い」「出生率」に「グローバル化氏圧力」があるというのは、面白い視点だが、「日本全体を縮小させている」というのは困ったことだ。

第三に、本年6月14日付け日経ビジネスオンラインが掲載した米コロンビア大学教授のジョセフ E.スティグリッツ氏による「スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00351/060900031/
・『2年以上ぶりに開催された世界経済フォーラムは、1995年以来、私が参加してきたこれまでのダボス会議とは明らかに様子が違っていた。1月の明るい雪と晴天から一転、雪がないスキー場と、5月のどんよりとした霧雨に見舞われた、気候のことではない。 これまでのフォーラムは、グローバル化を擁護してきた。だが今回は、サプライチェーンの寸断、食料やエネルギー価格の高騰、一部の製薬会社が数十億の追加利益を得るために何十億もの人々が新型コロナウイルスワクチンを手にすることができない知的財産権(IP)体制などといった、グローバル化の失敗に主眼を置いていた。 こうした諸問題への対応策として提案されたのは、生産の「再集積」または「友好国化」、さらに「国の生産能力を高めるための産業政策」の制定だ。誰もが国境のない世界を目指しているように見えた時代は過ぎ去り、突然、誰もが少なくともいくつかの国の国境が経済発展と安全保障の鍵であることを認識するようになったのである。 かつて自由なグローバリゼーションの擁護者であった人々にとって、ダボスのこの方向転換は結果として明らかな不協和音をもたらした。「友好国化」と自由で無差別な貿易の原則を両立させることができず、ダボス会議に参加した実業界と政界のリーダーの大半は、ありふれた話に終始した。なぜこのような事態に陥ったのか、あるいは、グローバリゼーションが全盛の時代にまん延していた「欠陥のある超楽観主義的な論理」について、反省の色はほとんど見られなかった。 もちろん、問題はグローバリゼーションだけではない。市場経済全体にレジリエンス(回復力)が欠けているのだ。私たちは、基本的にはスペアタイヤのない車を作り、現在の価格を数ドル下げただけで、将来の緊急事態にはほとんど注意を払ってこなかった。 ジャストインタイムは、経済がわずかな変動にしか直面しない限りにおいては、素晴らしい革新的技術であった。だが、新型コロナウイルスによる操業停止に直面すると、例えばマイクロチップの不足が新車の不足を引き起こすなどといった供給不足の連鎖を引き起こし、大打撃を被ったのだ。 2006年に筆者が『世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す(Making Globalization Work)』(徳間書店)で警告したように、市場はリスクの「値付け」をうまくできない(二酸化炭素の排出量に価格を付けないのと同じ理由だ)。例えばドイツは、明らかに信頼がおけない貿易相手国のロシアからガス供給を受け、依存することを選択した。今、ドイツは、予想され、かつ予測可能であった結果に直面している。 18世紀にアダム・スミスが見出したように、資本主義は独占へと自然に向かっていく傾向があるため、自助努力だけで成り立つシステムではない。しかし、米国のレーガン大統領と英国のサッチャー首相が「規制緩和」の時代を築いて以来、市場の集中が常態化し、電子商取引やソーシャルメディアなど注目される分野だけの現象ではなくなった。 今春、米国で起きた悲惨な粉ミルクの品不足は、それ自体が独占の結果であった。アボット・ラボラトリーズが安全性の問題で生産停止に追い込まれた後、米国人はすぐに、たった1社で米国の供給量の半分近くを占めていることに気づいたのである』、「ダボス会議に参加した実業界と政界のリーダーの大半は、ありふれた話に終始した。なぜこのような事態に陥ったのか、あるいは、グローバリゼーションが全盛の時代にまん延していた「欠陥のある超楽観主義的な論理」について、反省の色はほとんど見られなかった」、「米国のレーガン大統領と英国のサッチャー首相が「規制緩和」の時代を築いて以来、市場の集中が常態化し、電子商取引やソーシャルメディアなど注目される分野だけの現象ではなくなった。 今春、米国で起きた悲惨な粉ミルクの品不足は、それ自体が独占の結果であった」、痛烈な批判だ。
・『米国の偽善に冷ややかな新興国  今年のダボス会議では、グローバリゼーションの失敗が政治に与えた影響も存分に見られた。ロシアがウクライナに侵攻したとき、クレムリンは即座に、しかもほぼ全世界から非難を浴びた。しかしその3カ月後、新興国や途上国(EMDCs)はより曖昧な立場を取るようになった。多くの者が、2003年には偽りの口実でイラクに侵攻したにもかかわらず、ロシアの侵略に説明責任を求める米国の偽善を指摘している。 EMDCsはまた、欧州と米国による最近のワクチンナショナリズムの歴史も強調している。これは、30年前に押し付けられた世界貿易機関(WTO)のIP条項によって維持されてきたものだ。そして、食料とエネルギー価格の上昇の矢面に立たされているのが、EMDCsである。過去の不正義と相まって、こうした最近の動きは、民主主義と国際的な法の支配を提唱する欧米の信用を失墜させるものだ。 確かに、米国による民主主義擁護の支援を拒否する多くの国は、いずれにせよ民主的ではない。しかしほかの国々は民主的だ。この戦いをリードすべく立ち上がったように見える米国は、制度的な人種差別や権威主義者に媚(こ)びたトランプ政権から、投票を抑制して2021年1月6日の米国議会議事堂での暴動から有権者の注意をそらそうとする共和党の執拗な試みまで、自らの失敗によって立場を損なわれてきたのである。 米国にとって最善の方法は、食料とエネルギーのコスト高騰に対処できるよう支援することで、新興国に対してより大きな連帯感を示すことであろう。これは、富裕国の特別引き出し権(国際通貨基金の準備資産)を再配分し、世界貿易機関(WTO)で新型コロナウイルス関連の強力な知的財産権の放棄を支持すれば、可能になる。 さらに、食糧やエネルギー価格の高騰は、多くの貧困国で債務危機を引き起こし、このパンデミック(世界的大流行)による悲劇的な不公平をさらに悪化させる可能性がある。もし米国と欧州が真のグローバル・リーダーシップを発揮したいのであれば、各国が負担しきれないほどの債務を負うようそそのかした大銀行や債権者の味方をするのはやめるべきだ。 40年にわたりグローバリゼーションを擁護してきたダボス会議の面々は、明らかに舵(かじ)取りを誤った。ダボス会議は、先進国、途上国を問わず繁栄を約束してきた。しかし、北半球の巨大企業が豊かになる一方で、すべての人がより良くなるはずのプロセスは、代わりにあらゆる場所で敵を作っただけだった。「トリクルダウン経済学」とは、富裕層が豊かになれば、自動的にすべての人が恩恵を受けるというものだが、理論も根拠もない詐欺のようなものだ。 今年のダボス会議は、残念な結果に終わった。世界に今日のような状況をもたらした意思決定と政策について、真剣に考える機会であり得たはずだ。グローバリゼーションがピークに達した今、その衰退を管理することが、その隆盛を管理したときよりもうまくいくことを願うばかりである』、「ダボス会議は、先進国、途上国を問わず繁栄を約束してきた。しかし、北半球の巨大企業が豊かになる一方で、すべての人がより良くなるはずのプロセスは、代わりにあらゆる場所で敵を作っただけだった。「トリクルダウン経済学」とは、富裕層が豊かになれば、自動的にすべての人が恩恵を受けるというものだが、理論も根拠もない詐欺のようなものだ」、「グローバリゼーションがピークに達した今、その衰退を管理することが、その隆盛を管理したときよりもうまくいくことを願うばかりである」、皮肉たっぷりだ。
タグ:「自動車メーカーの幹部は「3次下請けまでは自分の会社で把握、管理しているけれども、4次、5次、6次の下請けとなると、もはや、どこから部品が来るのか分からない」と、「問題は指摘されていた」、なるほど。 水野氏は国際証券(現:三菱UFJ証券)のエコノミストから法政大教授になり、大きな枠組みでの分析は定評があった。 日刊ゲンダイ「水野和夫法政大教授 ブロック圏で回す経済システムが必要」 「移動コストは高くなり、物流に伴う自動車や鉄道、航空機、船などの大量移動で地球温暖化や気候変動の問題も指摘されるように」、「近代はどの国も(工業、農産物などの)生産力が向上しており、わざわざ遠方に出向く必要もなくなりました。もはや、世界中にサプライチェーンを張り巡らせる必要はなく、近隣諸国などの限られた地域で経済システムを完結できるようになった」、「新型コロナ禍によってグローバル経済という秩序が崩壊しつつある中、新たな世界経済の構造へと大転換させるべき時」、その通りだ。 「「リーマン・ショック」の時の反省もないまま、全く同じことを言っているのです。 おそらく、多くの企業は新型コロナ禍が落ち着いて1年ぐらい過ぎたら、また世界中にサプライチェーンを張り巡らせるでしょう。そして、また新たな感染症が流行したら大騒ぎするという繰り返しです」、「サプライチェーンの仕組みというのは結局、資本が賃金の安い場所を求め、搾取に搾取を重ねていく構造です。こうした弱者に痛みを押し付ける仕組みをいつまで続けるのか。マルクスは「地球が太陽に吸い込まれでもしない限り、資本家はカネもうけをやめない」とい グローバル化 (その2)(水野和夫法政大教授 ブロック圏で回す経済システムが必要、「グローバル化は日本を縮小させる」フランス人歴史学者が断言するワケ、スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」) 「内部留保460兆円」のうち、「働く人の労働生産性の上昇に応じて支払われるべきだった賃金」などの「一時預かり金」、ざっと130兆円ほどを、「新型コロナの影響を受けた国民生活を救済するため、まず、このお金を国民のために活用するべき」、「残りの内部留保の一部を償還財源として、政府が「新型コロナ国債」を発行する。そして、政府や自治体の自粛要請で営業できず、苦境に追い込まれている小売業や宿泊、飲食業の家賃補てん、休業補償に充てればいい」、「開店していたパチンコ店に苦言を呈するのではなく、安倍首相が経団連に対して内 ダイヤモンド・オンライン エマニュエル・トッド氏による「「グローバル化は日本を縮小させる」フランス人歴史学者が断言するワケ」 「日本では」、「上層部の下層部に対する軽蔑、あるいは下層部の上層部に対する憎しみというものはない」、というのは本当だろうか。他国と同様にあるような気もする。 「日本にはポピュリズムがない」、「フランス革命やイギリスの産業革命を目の当たりにし、イギリスやフランスよりも識字率が高かったドイツは、自分たちの社会を奮い立たせる必要に迫られ、最終的には国の再発展につなげていったのです。これは日本がアメリカと接することによって明治を迎えたのと似ています」。なるほど。 「日本の適応のための一連の努力、教育面の努力や技術面のそれは完璧主義につながっており、他には類を見ない形で高い均質性のレベルと社会の安定性を維持してきました。 しかしこれらは人口の側面を犠牲にする形で進められたと見ることができる」、面白い見方だ。 「グローバル化の圧力は日本を分断するのではなく、日本全体を縮小させているのです。グローバル化は日本がその最も喫緊とする問題と向き合うことを阻止していると言える」、「低い」「出生率」に「グローバル化の圧力」があるというのは、面白い視点だが、「日本全体を縮小させている」というのは困ったことだ。 日経ビジネスオンライン ジョセフ E.スティグリッツ氏による「スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」」 「ダボス会議に参加した実業界と政界のリーダーの大半は、ありふれた話に終始した。なぜこのような事態に陥ったのか、あるいは、グローバリゼーションが全盛の時代にまん延していた「欠陥のある超楽観主義的な論理」について、反省の色はほとんど見られなかった」、「米国のレーガン大統領と英国のサッチャー首相が「規制緩和」の時代を築いて以来、市場の集中が常態化し、電子商取引やソーシャルメディアなど注目される分野だけの現象ではなくなった。 今春、米国で起きた悲惨な粉ミルクの品不足は、それ自体が独占の結果であった」、痛烈な批判だ 「ダボス会議は、先進国、途上国を問わず繁栄を約束してきた。しかし、北半球の巨大企業が豊かになる一方で、すべての人がより良くなるはずのプロセスは、代わりにあらゆる場所で敵を作っただけだった。「トリクルダウン経済学」とは、富裕層が豊かになれば、自動的にすべての人が恩恵を受けるというものだが、理論も根拠もない詐欺のようなものだ」、「グローバリゼーションがピークに達した今、その衰退を管理することが、その隆盛を管理したときよりもうまくいくことを願うばかりである」、皮肉たっぷりだ。
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