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東京都の諸問題(その4)豊洲以外の問題(広尾病院移転問題) [国内政治]

東京都の諸問題については、10月3日に取上げたが、今日は、(その4)豊洲以外の問題(広尾病院移転問題) である。

先ずは、10月6日付け現代ビジネス「第二の豊洲となるか? 広尾病院前院長が都の呆れた態度を告発!「青山移転問題」という爆弾」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問)。
▽第二の豊洲か!?
・「豊洲」と「五輪」の共通項は、都民の目線を遮る形で移転や施設費が決まり、問題が発覚して異論が出たとしても、都や議会が強引に押し切ってしまうことだった。 小池百合子都知事が、初当選以降圧倒的な支持を集めているのは、「都民ファースト」の視点から都や議会が「ブラックボックス」のなかで決めていたことを、広く情報開示していこうとしているからだ。
・そんな「小池都政」の意に反して、「第二の豊洲」が、密かに進行している。 院長を始めとする病院関係者はもちろん、患者や利用者、医師会など医療関係者に事前に諮ることなく、政府と東京都の“都合”だけで移転が決まった都立広尾病院である。
・現地での改築が検討されていたのに、昨年10月、突如、移転を前提とした出来レースのような調査が始まり、今年1月、2016年度予算案で移転先となる「こどもの城跡地」の購入費用370億円が計上された。 この間、移転を知らされたのは佐々木勝前院長などひと握り。それも、10月21日の時点で、「(舛添要一前)知事のレガシー(遺産)だから」という佐々木氏への一方的通告が都幹部からあっただけだった。
・土地代だけで370億円。建設費などを含めると900億円に達するというプロジェクトを、「セコイ」を全世界に発信した舛添氏のレガシーとして残していいわけがない。 しかし、汚染地の豊洲への移転が見直されることなく進んだように、広尾病院移転予算は、3月25日に可決され、8月31日、「第1回首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会」が開かれ、ここで初めて医療業界関係者の同意を取り付けようとして、「なぜ広尾の病院を青山に移す必要があるのか!」という声が出て紛糾した。
・「移転ありき」に反対、「プロセスに問題がある」と都に問い続け、結果、今年4月、東京都保健医療公社副理事長という閑職に追いやられた佐々木前院長が、経緯をすべて語った。
――移転の話が最初に持ち込まれたのは?
 「15年1月21日です。(広尾病院を管掌している)病院経営本部の本部長がやってきて、移転候補地に代々木のNHK放送センターと青山のこどもの城の2ヵ所がある、という説明でした。移転については(秋山俊行)副知事も、渋谷区長選に立候補予定の都議も了承しているとのことでした」
――移転ありきだったということか。
 「それでは医師や病院職員、患者や利用者を無視し過ぎだということで、6日後、秋山副知事に会って直訴。その結果、『広尾病院の機能の在り方』と『広尾病院の改築改修の在り方』の2つの調査を、各1000万円で行いました」
――その結果と都の反応は?
 「2つの報告書では、広尾病院を現地で改築改修する方が、メリットがあることが明らかでした。それぞれ小冊子にして6月末までに病院改革本部に提出しています。しかし、報告書が本部で検討された様子はなく、質問、意見、要望といった働きかけもなかった」
――なのに、やっぱり移転だった。
 「10月20日の建設専門紙を読んで知りました。伊藤喜三郎建築研究所に『広尾病院整備に係る調査業務』を発注したという内容だったのですが、『現敷地内で大規模な建て替えを行うのは困難と想定される』と書いてあり、移転を前提とした調査でした」
▽異動は左遷に違いない
・直後、政策企画局長の要職にある幹部が来院、先ほどの「レガシー発言」をしたという。 それが舛添氏の真意かどうかはともかく、幹部発言は事実である。というのも佐々木氏は、「移転ありき」で話が進行していることを危惧、これまでもこの後も、会話は全て録音している。
――青山移転に反対はしなかった?
 「無駄でしょう。最初はNHK跡地、それがダメならこどもの城跡地。2つの報告書も私の進言も、都は参考にするつもりはありませんでした。私は、都庁から見れば事業所のいち所長に過ぎず、本社の幹部が決定したことには従うしかありません」 
――対外的に、広尾病院移転のおかしさを情報発信するようになったのはなぜか。
 「2つあります。まず8月29日、私の大学の先輩である東京都病院協会の重鎮から『移転改築に関する経緯を説明してくれ』という要望があったこと。 次に、知事が小池さんに代わり、豊洲や五輪施設で判明したブラックボックスのなかで行われた決定のプロセスを再確認すると言われた。それなら移転に関する政治決着のおかしさも取り上げてもらえると思いました」
――移転反対が左遷の理由か。
 「もし青山への移転が優れたプランだというなら従います。私は、移転のプロセスを問題にしているのであって、広尾での改築改修にこだわっているわけではない。 しかし、今年2月29日、秋山副知事と本部長が来院、さしたる理由は告げられずに私は異動を宣告されました。異動の直前、(保健医療公社の)事務局長がわざわざ来院、『公社に来ても仕事はないし、出勤しなくてもいい』というのですから(移転反対派と目されての)左遷でしょう」
・なぜ、土壌汚染の激しい豊洲に移転したのかは、未だに判然としない。同様に、この問題に関わって2年近い佐々木氏にも、「なぜ青山に移転しなければならず、その決定は誰が下したか」は、謎のままだ。
・「舛添レガシー」が本当なら蹴飛ばせばいいが、背景には国有地こどもの城跡地の都への高値転売を目論む「官邸の意向」も垣間見えて、複雑だ。 しかし確かなことは、佐々木前院長の「たったひとりの反乱」を、閑職に飛ばして蓋をするつもりなら、小池知事に代わっても、都政は「豊洲の構造」を残したブラックボックスのまま、ということになる。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49876

次に、10月13日付け現代ビジネス「「医師会の重鎮」が猛反対!東京都の病院移転計画はあまりにずさん 豊洲と五輪の反省は全くナシ!?」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問)。
▽都民目線では、まったく歓迎できない
・病院関係者も利用者も、都の医師会や病院協会など医療関係者も、ほとんどが反対意見を表明しているのが、都立広尾病院の青山への移転である。
・首都災害医療センターという役割を考慮した時、青山は国道246号沿いで交通量が激しく救急医療に不向きなうえ、高層ビル街に囲まれて風が強く、搬送ヘリの離着陸に向いていない。また、2001年に改修・増築工事を行った広尾病院は、耐震補強もされており改築改修の緊急性がない。
・そして何より予算である。今年3月、都議会は青山の国有地「こどもの城跡地」を約370億円で購入する予算案を可決したが、これに建設費などを加えると約750億円にも達する。それなら広尾での建て替えの方が、都民の負担は軽くて済む。
・この理屈に合わない青山移転が強引に進められていることを、私は先週、本コラムで、佐々木勝広尾病院前院長のインタビューを通じて指摘、このまま強行すれば「第2の豊洲」になると警告した。(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49876
・だが、次の3者は移転を歓迎している。 国にとっては国有地の公益に叶う施設への高値売却、都にとっては「こどもの城跡地」の隣接地である都有地「青山病院跡地」との一体開発、ゼネコンなどの業者にとっては、青山と広尾という都心一等地での再開発事業を期待できる。
・欠けているのは、税金である事業費も含め、移転が都民のためになっているのか、という視点である。小池百合子都知事のいう「都民ファースト」の発想はない。だから都病院経営本部は、移転反対派の佐々木氏を、仕事のない都保健医療公社副理事長に異動させた。事実上の左遷だろう。
▽「医師会の重鎮」の怒り
・私は、佐々木氏へのインタビューを踏まえ、移転を強引に迫った秋山俊行副知事(肩書は当時、以下同)、醍醐勇司病院経営本部長、川澄俊文政策企画局長に広報を通じて質問書を送ったが、「お答えできない」とのことだった。「佐々木氏の反乱」に蓋をして、対外的にやり過ごすつもりのようだ。
・しかし反対の輪は、東京の医療業界全体に広がっている。「青山移転即刻中止」を訴えるのは、「医師会の重鎮」である河北博文東京都病院協会会長である。
――移転反対の立場を明確にしたのは?
 「小池都知事には、当選直後の8月5日、お会いする機会があり、ハッキリと申し上げた。なにより不満なのは、移転改築の決定プロセスが、極めて不透明であること。私にも東京都医師会の尾崎(治夫)会長にも知らされていませんでした」 
――移転計画を知ったのはいつか。
 「昨年12月末、日経新聞の都内版に『広尾病院移転』という記事が掲載され、初めて知りました。広尾病院は、改築改修工事が終わっていて、耐震性にも制度上は問題はないハズ。意味がわからないうえ、医師会など関係団体に相談しないのもおかしな話です」
――必要な根回しがされていないと?
 「広尾も含めて公立病院は、今年3月に総務省が策定したガイドラインで、『地域医療構想を踏まえた役割の明確化』を求められています。つまり、一施設単独で完結することなく、災害救急医療を含め、医療機関が連携して、地域医療を考えなければならないということです。その民間病院を含めた医療機関との連携や役割分担を無視しています」
▽監視の目を緩めてはいけない
――広尾病院の佐々木前院長とは連絡を取り合ったと聞く。
 「佐々木氏が、この問題にどう関わったのか気になったので、今年8月末、電話で話を聞きました。院長として『移転推進役』を務めたのかと思っていたら、そうではないと。『(舛添要一)知事の決断』ということで承諾させられたということでした。 不明朗な青山移転をメディアに向けて情報発信している佐々木氏とは、連帯しています。ただ、『都立病院の在り方』については別の立場です」
――別の立場とは?
 「都立病院が、このままでいいとは思えません。経営環境は最悪と言っていい。自治体病院の収支ランキングを見ると、全国764病院のラスト近辺に都立病院がズラリと顔を揃えており、なんと8つの都立病院がすべて750番目以下。広尾病院は756位でした。その結果、都が年間約400億円を一般会計から『繰入金』として補助しています」
――不採算と称している医療の原因は何か。
 「地域の救命救急、僻地医療など不採算と称する医療を担っている側面はあるにしても、同じ機能を持つ民間病院も少なくありません。大病院の多い東京は競争が激しいとも言えるでしょう。  しかし同時に、自治体病院であるがゆえに、経営母体である都道府県や市町村の監視が行き届かず、ガバナンス上の問題が発生しやすい。その緩みが、採算性に対する意識の欠如につながっています」
――移転の前に、都立病院をどうするかを考えるべきなのか。
 「都立病院が抱える問題を無視、公立病院改革ガイドラインで指摘された問題を顧慮せず、医師会など医療関係者に諮ることもなく、誰かが勝手に決めてしまいました。どうあるべきかを考えずに移転を強行、赤字を垂れ流すことになる事態を認めるわけには行きません。即刻、中止すべきなのです」
・都青山移転に整合性を与えるために、医療関係の有識者を集めて都が開いた「第1回首都災害医療センター基本構想検討委員会」は、「なぜ青山移転なのか」という「そもそも論」に終始、議論は深まらなかった。  だが、予算化してしまっている都は、「第2回」を10月26日に開催、移転方針を“追認”してもらう考えだ。それに反発する医療関係者の間には、メディア取材を認めるなど会議をオープンにして、移転の是非を問うべきだという意見が強まっている。 「豊洲」と「五輪」への反省が、今も都幹部にはなく、監視の目を緩めるわけにはいかない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49937

広尾病院移転問題は、『土地代だけで370億円。建設費などを含めると900億円』、もかかるらしいが、現在の広尾からわざわざ青山にそんな高い費用をかけて移転するのか、明確な回答がないまま、闇の中で推進されているようだ。東京都にとっては、『「こどもの城跡地」の隣接地である都有地「青山病院跡地」との一体開発』のメリットがあるらしいが、記事の説明不足で、よくわからない。官邸も、『国有地「こどもの城跡地」を約370億円』で売却できることで一枚かんでいるらしい。すると、官邸との対立を出来るだけ避けようとする小池知事は、この問題を見て見ぬフリをする可能性が高い。小池知事には期待できないとしても、マスコミや民進党は一体、何をやっているのか。また、都立病院の赤字問題も看過できない問題だ。『都が年間約400億円を一般会計から『繰入金』として補助しています』、しかも、収支は全国の自治体病院764のなかで、756位とは何たることか。あり方の抜本的見直しも必要なようだ。ただ、見直しには時間がかかるので、移転は凍結すべきだろう。
タグ:小池百合子都知事 現地での改築が検討されていたのに 現地で改築改修する方が、メリットがあることが明らかでした 第二の豊洲となるか? 広尾病院前院長が都の呆れた態度を告発!「青山移転問題」という爆弾 首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会 「「医師会の重鎮」が猛反対!東京都の病院移転計画はあまりにずさん 豊洲と五輪の反省は全くナシ!?」 土地代だけで370億円。建設費などを含めると900億円に達するというプロジェクト 、「第二の豊洲」が、密かに進行 都立広尾病院 国有地こどもの城跡地の都への高値転売を目論む「官邸の意向」 昨年10月、突如、移転を前提とした出来レースのような調査 現敷地内で大規模な建て替えを行うのは困難と想定される』と書いてあり、移転を前提とした調査 政府と東京都の“都合”だけで移転が決まった 閑職に追いやられた佐々木前院長 伊藤喜三郎建築研究所 圧倒的な支持を集めているのは、「都民ファースト」の視点から都や議会が「ブラックボックス」のなかで決めていたことを、広く情報開示していこうとしているからだ 都が年間約400億円を一般会計から『繰入金』として補助 全国764病院のラスト近辺に都立病院がズラリと顔を揃えており、なんと8つの都立病院がすべて750番目以下。広尾病院は756位 自治体病院の収支ランキング 都立病院 ゼネコンなどの業者にとっては、青山と広尾という都心一等地での再開発事業を期待できる 報告書が本部で検討された様子はなく、質問、意見、要望といった働きかけもなかった 都にとっては「こどもの城跡地」の隣接地である都有地「青山病院跡地」との一体開発 国にとっては国有地の公益に叶う施設への高値売却 広尾病院は、耐震補強もされており改築改修の緊急性がない 現代ビジネス (その4)豊洲以外の問題(広尾病院移転問題) 東京都の諸問題
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