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東京都の諸問題(その7)豊洲以外の問題(石原元知事の尖閣購入寄付金14億円はいまだに宙ぶらりん、銀行税敗訴、「海の森」プロジェクト) [国内政治]

東京都の諸問題については、11月28日に取上げたが、今日は(その7)豊洲以外の問題(石原元知事の尖閣購入寄付金14億円はいまだに宙ぶらりん、銀行税敗訴、「海の森」プロジェクト) である。

先ずは、10月28日付け日刊ゲンダイ「石原慎太郎腐敗の13年 尖閣購入計画も頓挫 寄付金14億円はいまだに宙ぶらりん」を紹介しよう。
・「当時、尖閣諸島を守ることに必死だった」 豊洲新市場の移転問題の責任について問われた慎太郎は、そう言い訳したという。だが、守るどころか“負の遺産”しか残さなかった。
・慎太郎が、もともと私有地だった尖閣諸島購入計画をブチ上げたのは、2012年4月のこと。わざわざ訪米中の講演で明らかにした。慎太郎に近い都内の保守系区議が言う。 「尖閣諸島を所有する人物から『売りたい』という話を聞きつけた慎太郎さんは早速、購入に動き出したといいます。ただ、都の予算で買うのは批判が出る。そこで、寄付金を募って購入するという猪瀬副知事(当時)のアイデアに乗っかったのです」
・結果、13年1月までに全国から寄付金約15億円が集まった。だがその一方で、当時の民主党政権は12年9月、尖閣諸島の国有化を決める。慎太郎が“パンドラの箱”を開けた結果、日中関係がさらにギクシャクすることになったのは、周知の通りだ。
・募った寄付金は今も中ぶらりんのままだ。東京都によると、12年9月に現地調査や意見広告費などとして8000万円を事業費に充てたものの、同月に尖閣諸島が国有化されたため、翌年3月に「基金」化し、国へ委ねている。都は年に1度、国へ予算の使い道を提案しているが、これまで採用されず、約14億円が浮いたままだという。 
・「年に40~50件は尖閣諸島についての問い合わせが来ます。『寄付金を返せ』『お金はどうなっているのか』などの意見が多い」(都総務部企画経理課) 前出の区議は言う。 「尖閣は政治問題だけじゃなく、食糧として連れてきたヤギが大繁殖し、植物が食い荒らされています。生態系が変わってしまうのではと危惧されているのに、慎太郎さんは都が管理できないと分かると、あっさり放り出し、その後も具体的な行動に移ることはなかった。当時、慎太郎さんと一緒に活動した保守系の都議らも、ほとんど尖閣諸島の問題を忘れていますね」  しょせん都民そっちのけの“パフォーマンス”だったわけだ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192655/1

次に、11月1日付け日刊ゲンダイ「石原慎太郎腐敗の13年 銀行税敗訴 国への“個人的”リベンジで都民に巨額の損失」を紹介しよう。
・1999年4月、慎太郎が都知事に初当選した時の状況は今の“小池劇場”と似ている。既成政党と対峙し、都民人気で選挙に勝利。国政では“終わった”とされた政治家が、圧倒的な世論の支持をバックに首都のトップとして国に「リベンジ」する。そんな構図だ。 「この会見は私が就任してから一番大事な会見になる」 もったいぶった言い回しだった。
・就任10カ月後の2000年2月に打ち出したのが、資金量5兆円以上の大手銀行だけを狙い撃ちにした外形標準課税、いわゆる「銀行税」。業務粗利益の3%を新たに課税するというもので、慎太郎が国にケンカを売った最初の政策だ。 当時、大手銀行は公的資金をたっぷり入れてもらったうえ、低金利でボロ儲けなのに、不良債権処理で赤字だからと税金を免除されていた。そんなおごり高ぶった大銀行を「慎太郎がやっつけてくれる」と日本中が拍手喝采したのだ。
・一方、国や経済界は“狙い撃ち”に猛反発。自治相や金融再生委員長、経企庁長官から当時の小渕首相まで、こぞって不快感を示したが、慎太郎はどこ吹く風で、翌3月の都議会で銀行税条例は可決。4月から施行され、年間1000億円が都の新たな収入となった。 だが、スタートこそ華々しかったが、すぐに壁にブチ当たる。
・「銀行税は昔、美濃部都政時代に自主財源確保のためとして検討されたのですが、『必ず銀行に訴訟を起こされる。負ければ導入時に遡って巨額返還を迫られる』と、リスクが高すぎるため断念した経緯がありました」(都庁OB) 実際、その通りの展開になった。00年10月、都と慎太郎は大手銀行21行から提訴され、1審も2審も敗訴。03年10月、最終的に最高裁で和解したものの、総額2344億円(訴訟不参加行分も含む)を返還させられ、慎太郎は完敗した。
・「都と銀行の係争中に、国が04年度から大企業を対象にした外形標準課税の導入を決めてしまった。地方自治体の独自の外形課税は規制されることになり、いずれにしても銀行税は“用済み”の運命でした。石原さんは『自分のやった銀行税が国を変える引き金になった』と強弁しましたが、事実上の敗訴で徴収した税金を返還させられたうえ、訴訟費用に9億円も支出した。石原さん個人の国へのリベンジに都民が付き合わされたということですよ」(前出の都庁OB)
・国と銀行にしてやられた慎太郎は、この後、自ら“都営銀行”設立に盲進し、都民にさらなる大損失を負わせたのは、衆目の認めるところである。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192920

第三に、11月3日付け日刊ゲンダイ「石原慎太郎腐敗の13年 「海の森」プロジェクト 東京湾の孤島に消える億のムダ金」を紹介しよう。
・東京湾に浮かぶゴミ山を、皇居に匹敵する広さ88ヘクタールの美しい森に生まれ変わらせる。話題の東京五輪ボート・カヌー会場にその名を冠する「海の森」プロジェクトは、失敗に終わった2016年五輪招致活動の残滓だ。
・06年5月に慎太郎から東京五輪デザイナー総監督を任されたのは建築界の巨匠、安藤忠雄氏(75)。この抜擢に、慎太郎の盟友で同じく建築家の故・黒川紀章氏は「(安藤氏は)仕事がないから石原の周りをウロウロしている」と嫉妬交じりに評した。一時は五輪を任された巨匠が、白紙となった新国立競技場のデザイン選定でミソをつけたのは記憶に新しい。
・安藤氏は当時、五輪招致を機に“塩漬け”となっていた臨海部開発を進めたい慎太郎の意をくみ、晴海の埋め立て地をメーン会場とする方針を発表。同時に壮大な都心の緑化計画を打ち出した。 お台場のさらに沖へと突き出た埋め立て地・中央防波堤に「海の森公園」を造り、海から吹く「風の道」を日比谷公園、皇居、明治神宮、新宿御苑と続く「緑の回廊」に導き、ヒートアイランド現象を抑える――。
・慎太郎は安藤氏に「海の森募金」の「事業委員長」なる肩書を与え、07年から3年間で8億円の目標額を掲げ、植樹のための募金を始めた。 「企業に募ってもメリットがないためか、断られるケースが多かった。そのため、都の職員にも個人として“1口1000円でいいから”と、半ば募金を強制する始末でした」(都政関係者)
・結局、目標額は5億円に引き下げ、昨年度までに約48万本の植樹活動は終了。これまで都は海の森の造成工事に計45億円の税金を投入し、150万立方メートルもの「盛り土」を施した。安藤氏は当初、「(五輪誘致を目指した)2016年には、立派な森が出来上がる」と語り、今年度に一部開園の予定だったが……。
・「延期となりました。海の森公園内は2020年東京五輪で馬術の仮設会場になる予定で、周辺で海底道路工事も始まります。工事車両が出入りするなど、来場者に安全性や快適な環境を提供できないと判断。少なくとも五輪が終わるまでは開園を見合わせる方針です」(東京都港湾局海上公園課) 開園後も便の悪さがアダとなる。中央防波堤には、電車や路線バスなどはいまだ整備されず、最寄りの東京メトロ有楽町線「新木場駅」からタクシーで15分。文字通りの「孤島」だ。
・維持管理費だけがムダに膨らみそうだが、森が生い茂る公園の完成予定は約20年後。言い出しっぺの慎太郎や安藤氏は、果たして生きているだろうか。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193064

石原元知事が残した負の遺産のうちの3つである。尖閣購入で集めた寄付金15億円のうち、14億円がいまだに宙ぶらりんとはお粗末だ。無論、最大の問題は「尖閣諸島問題は棚上げ」と信じていた中国を怒らせたことであるが、14億円がいまだに宙に浮いており、いまだに『年に40~50件は問い合わせが来ます』、というのも、行政としてはみっともない話だ。
銀行税については、『美濃部都政時代に自主財源確保のためとして検討されたのですが、『必ず銀行に訴訟を起こされる。負ければ導入時に遡って巨額返還を迫られる』と、リスクが高すぎるため断念した経緯』、があったとは初めて知った。ただ、当時は、マスコミはこうした経緯は殆ど触れずに、諸手を挙げて石原を支持した訳だから、マスコミも共犯といえよう。
「海の森」プロジェクトで、公費45億円と寄付金5億円を投じたようだが、交通アクセスは東京オリンピックまで改善するのだろうか。馬術の仮設会場はいいとして、ボート・カヌー競技に使う場合には、当初の491億円を298億円に圧縮したとはいえ、相当のカネがかかるようだ。仙台の「長沼」や埼玉県の「彩湖」を外した理由はあと1つはっきりしないが、この問題は後日、別途取上げるつもりである。
タグ:開園後も便の悪さがアダとなる 植樹のための募金 海の森公園 壮大な都心の緑化計画 晴海の埋め立て地をメーン会場とする方針 安藤忠雄 東京五輪デザイナー総監督 失敗に終わった2016年五輪招致活動の残滓 石原慎太郎腐敗の13年 「海の森」プロジェクト 東京湾の孤島に消える億のムダ金 国が04年度から大企業を対象にした外形標準課税の導入を決めてしまった 総額2344億円(訴訟不参加行分も含む)を返還させられ、慎太郎は完敗 銀行税は昔、美濃部都政時代に自主財源確保のためとして検討されたのですが、『必ず銀行に訴訟を起こされる。負ければ導入時に遡って巨額返還を迫られる』と、リスクが高すぎるため断念した経緯 国や経済界は“狙い撃ち”に猛反発 日本中が拍手喝采 業務粗利益の3%を新たに課税 大手銀行だけを狙い撃ちにした外形標準課税、いわゆる「銀行税」 石原慎太郎腐敗の13年 銀行税敗訴 国への“個人的”リベンジで都民に巨額の損失 約14億円が浮いたままだという 寄付金約15億円 わざわざ訪米中の講演で明らかにした 尖閣諸島購入計画 石原慎太郎腐敗の13年 尖閣購入計画も頓挫 寄付金14億円はいまだに宙ぶらりん 日刊ゲンダイ (その7)豊洲以外の問題(石原元知事の尖閣購入寄付金14億円はいまだに宙ぶらりん、銀行税敗訴、「海の森」プロジェクト) 東京都の諸問題
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