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トランプ新大統領誕生(その13)(共和党に回り始めたオバマケアの「毒」、トランプ政権「あと半年」の現実味、ロシアのトランプ政権支援は「やり過ぎ」が裏目に出た、トランプ政権の混乱の原因はその二重性) [世界情勢]

トランプ新大統領誕生については、2月14日に取上げた。今日は、(その13)(共和党に回り始めたオバマケアの「毒」、トランプ政権「あと半年」の現実味、ロシアのトランプ政権支援は「やり過ぎ」が裏目に出た、トランプ政権の混乱の原因はその二重性) である。

先ずは、2月28日付け日経ビジネスオンライン「共和党に回り始めたオバマケアの「毒」 「撤廃」ではなく「修理」を唱える共和党議員も」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽オバマケアの撤廃・置き換えは実は至難の業
・トランプ大統領と共和党によって自身の「レガシー(政治的成果)」を書き換えられようとしているオバマ前大統領。だが、オバマケア(医療保険制度改革法)に関していえば、その“毒”が逆に共和党をむしばみつつある。
・「私がいつも言っているように、オバマケアは機能していない。(中略)。われわれはオバマケアの撤廃と置き換えを進めていく」 2月24日に開催された保守の祭典、CPAC(保守政治活動会議)でトランプ大統領が改めて宣言したように、トランプ大統領と共和党にとって、オバマケアの廃止と代替プランの導入は引き続き政策実行リストの最上位にいる。
・もっとも、大統領の鼻息とは裏腹に、オバマケアの廃止・置き換えには時間がかかっている。 2月16日にライアン下院議長はオバマケアの廃止・置き換え計画について共和党議員に説明したが、税制優遇を伴う医療貯蓄口座の普及や保険料の所得税控除など、従来の共和党の主張を踏襲しただけで、プランと呼べるようなものではないという声が上がった(ワシントン・ポストの記事)。ライアン議長の前任、ベイナー前下院議長も、オバマケアの完全なる置き換えはないという見立てを米ポリティコに述べている。
▽オバマケア撤廃の政治的打撃に気づいた共和党
・共和党はオバマケアが成立して以来、同法の廃絶を声高に主張してきた。悪名高い2013年10月の政府の一部閉鎖も、翌年から実施が始まるオバマケアの予算案に反対したことが要因だ。 健康保険加入の是非を州政府ではなく連邦政府が決めるという点において、オバマケアは共和党の党是とも言える「小さな連邦政府」と、その党是と表裏一体の「個人の自由」というイデオロギーと真っ向から対立する。共和党、とりわけティー・パーティの流れをくむ保守層にとって、オバマケアの撤廃は譲れない一線である。
・それだけに、トランプ大統領がホワイトハウスに入った現状はオバマケアの撤廃と置き換えを進めるまたとない好機だ。それなのに、置き換え作業がなかなか進まないのはなぜなのか。その最大の理由は、オバマケアの撤廃と置き換えに伴う政治的打撃の大きさに気づき始めているためだ。
・約5000万人とも言われた無保険者をなくすために導入されたオバマケア。根拠法の“Affordable Care Act”という名前が示しているように、手頃な価格で国民が医療保険にアクセスできるようにすることが最大の狙いだった。持病を抱えている人でも保険に加入できるような制度設計にしたのも、国民のアクセスを保証するためだ。
▽財政負担なくして手頃な医療保険は成立しない
・半面、民間保険会社のヘルスケアプランが中心の米国の場合、市場原理に委ねるだけでは保険料が下がらないと考えられたため、収入に応じて保険料の一部に補助金を投入するという仕組みになった。結果として増税につながった上に、保険会社がリスクに応じてプランを見直したことで、既に保険に加入していた人々(主に中間層)の保険料上昇やプランの劣化を招いた。その怒りが、トランプ大統領の勝利の一因だったことは記憶に新しい。
・選挙期間中、トランプ大統領は市場原理を導入することで、オバマケアよりも優れた保険制度を導入すると主張していた。ところが、オバマケア設立の経緯を見ても分かるように、そもそも市場原理では解決できないと考えられたために現行の仕組みになっている。「補助金か税控除かはともかく、政府の財政負担なくして手頃な医療保険は成立しない」(ある大手金融機関の調査担当)という声が圧倒的で、代替案を考えること自体が難しい。
▽「私には死にかけている夫がいる」
・さらに、導入から2年以上が経過して、オバマケアが有権者の既得権になっていることも共和党を縛っている要因だ。 プレジデントデーの祝日だった2月20日の週、共和党議員の多くは地元の選挙区に帰り、有権者との対話集会に臨んだ。だが、多くの場所でトランプ大統領に対する厳しい批判に晒された。怒号が飛び交うなど炎上した集会も少なくなく、その様子はメディアで報道された(CNNの報道)。批判した人々はカネで雇われたサクラだとトランプ大統領サイドは主張している。
・集会で炎上したテーマは様々だが、多くの場所でオバマケアの扱いが焦点になった。オバマケアが廃止されることで、自分の保険はどうなるのかという不安だ。アーカンソー州のタウンホールで、同州選出のトム・コットン上院議員に声を詰まらせ訴えた女性の言葉は象徴的だ。 「私には死にかけている夫がおり、金銭的な余裕はありません。もし今よりもいい保険を提供してくれるのなら是非そうしてください。夫の保険料は月29ドルです。29ドルで必要としている給付を受けている。それよりもいい制度を作れるって言うんですか?」
・最初からオバマケアがなければ、国民もそういうものだとあきらめていただろうが、本来、保険に加入できなかった層が保険を得れば、あるいは既往症があっても加入できるとなれば、それはもう既得権である。それを以前の状況に戻すのは政治的に極めて困難だ。タウンホールの発言からは、共和党がどのような代替案を考えたとしても、保険内容の劣化につながると考える有権者が多いことを示唆している。
▽「Repeal(撤廃)」ではなく「Repair(修理)」を
・ライアン議長など共和党指導部は是が非でも廃絶したいと考えているが、代替案を用意しないまま葬り去れば政治的な打撃があまりに大きい。ポピュリズムの流れに乗って大統領選を勝ち抜いたトランプ大統領にとっても、オバマケアの廃絶で再び低所得者を無保険の状況に放置するという選択肢はない。
・一方で代替案を考えるにしても、保険内容を劣化させずにオバマケアの補助金を削減していくことは至難の業。長年、オバマケアの撤廃を訴えているだけに現状維持というわけにもいかない。既に、オバマケアに仕込まれた毒は共和党の全身に回っている。
・ライアン議長は議会の休会期間が開けた3月初旬、もしくは中旬までに見直し計画を出すと語っており、残された時間は短い。2月24日に米ポリティコがすっぱ抜いたオバマケア撤廃法案のドラフトを見ると(ポリティコの記事)、保険に加入しない人々に対する罰則やオバマケアに伴って導入された各種増税を撤廃するなど、現在のドラフトはオバマケアの根幹を骨抜きにするものだが、カバレッジの劣化は免れないという指摘は相変わらず多く、「撤廃(repeal)」ではなく「修理(repair)」を唱える共和党議員も増えている。
・最終的に、オバマケアの撤廃と置き換えがどういう形になるのかはまだ読めないが、少なくとも単純な撤廃は政治的にあり得ず、国民に広くあまねく医療保険を提供するというオバマケアのコンセプトが存続することは確実だ。大統領令によるレガシーは大統領令によって覆されているが、オバマケアを巡る戦いでは、既にオバマ大統領は勝利しているといっても過言ではない。ライアン議長をはじめ共和党はどう対処するのだろうか。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/012700108/022700011/?P=1

次に、コンサルタントの大前研一氏が3月6日付けZAKZAKに掲載した「【大前研一のニュース時評】トランプ政権「あと半年」の現実味 ペンス副大統領の行動に変化」を紹介しよう。
・「ペンス大統領誕生まで、あと199日」という記事が、米ニューズウィーク誌に載った。米大統領史を専門とする大学教授が「ドナルド・トランプ政権の在任期間は、1881年、就任からわずか199日で銃撃により死亡したガーフィールド大統領より確実に短いだろう。マイケル・ペンス副大統領は、米国の外交政策が地に堕ちている様子を、ただ眺めているつもりはないようだ」と主張した記事だ。
・私は以前から「トランプ大統領は4カ月しか持たないかも」と言っているが、199日ということは約半年。合衆国憲法修正第25条の4項(副大統領が閣僚の過半数とともに大統領の執行不能を宣言できるとしたもの)での大統領交代が現実味を帯びてきたのではないか。
・名指しされたペンス氏は、インディアナ州知事や下院予算委員長などを歴任した共和党の重鎮。キリスト教右派の超保守的人物として知られ、同性婚や人工妊娠中絶などに反対している。移民政策にもかなり強硬だ。そういう点ではトランプ大統領に似ている。しかし最近、「あと199日」というカウントダウンを意識したのか、ペンス氏の行動が変わってきている。
・米国では各地のユダヤ教関連施設に対し、器物損壊などの嫌がらせが相次いでいる。先月末には、セントルイスやフィラデルフィアのユダヤ人墓地で500基を超える墓石が破壊された。ペンス氏は、その現場に赴き、メガホンを使って、「偏見はいけない」と叫んでいた。
・さらに、欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク欧州理事会議長とベルギーで会談したときも、「EUとの協力とパートナー関係を継続することを強く約束する」と理想的なスピーチをした。トランプ政権はEUに懐疑的な姿勢だったが、この変わりようにEU側も驚いていた。
・一方、ロシアとの接触疑惑で辞任したマイケル・フリン国家安全保障担当補佐官の後任に指名されたハーバート・マクマスター陸軍中将について、トランプ大統領は、「米国軍のだれからも高く評価されている人物」と絶賛した。しかし、マクマスター氏はトランプ氏の言うことはまったく聞かないと思う。 マクマスター氏はこれまで、米国の失敗について歯に衣着せずに批判している。著書『責任の放棄』では、ベトナム戦争当時のリンドン・ジョンソン大統領、ロバート・マクナマラ国防長官の戦略の間違いを非難した。軍人でありながら、政府に対して率直に物を言う論客なのだ。だから、トランプ氏が何かやろうとしたとき、平気で直言するはずだ。
・そういう意味では、前任者のフリン氏のようなおかしなことはしないだろう。ピーター・ナバロ国家通商会議委員長やスティーブン・バノン首席戦略官兼大統領上級顧問のような、異様な世界観を持った人たちに対しても、「お前たち、頭を冷やせ」とバシッと言う可能性が高い。この人が国家安全保障会議(NSC)の議長をするわけで、そういう意味では、ちょっと安心という感じがする。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170306/dms1703061700003-n1.htm

第三に、軍事評論家の田岡俊次氏が3月9日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「ロシアのトランプ政権支援は「やり過ぎ」が裏目に出た」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・昨年の米大統領選挙戦のさなか、親露的なドナルド・トランプ候補の当選を期待したロシアが、米国の民主党全国委員会などにサイバー攻撃をかけて同党のヒラリー・クリントン候補に不都合な情報を収集、それをインターネットで流すなどして、クリントン女史への米国民の信頼感を損なう工作を行っていたとされる事件は世界の情報戦史上で最大級の謀略と言えよう。
▽米大統領選に介入の異常 トランプ参謀、ロシアと接触
・自国と親密な人物に肩入れし、選挙に介入して米国大統領の座に据えることができれば、ロシアにとりこれ以上の情報戦での成功はない。スパイ行為で精密情報を取るよりはるかに壮大で有効な工作だ。 他人のコンピューターに侵入して情報を窃取、それを利用する行為は犯罪で、それにより外国が選挙に介入するのはもっての外だ。CIA(中央情報庁)、FBI(連邦捜査局)、NSA(国家安全保障局)が得意のサイバー戦や盗聴などでその証拠をつかんだが、犯人は外交官だから訴追はできず、昨年12月29日にオバマ政権はロシア大使館とサンフランシスコ総領事館のロシア外交官35人を「好ましからざる人物」として国外退去させ、情報収集拠点2ヵ所を閉鎖した。
・この際トランプ大統領の安全保障問題担当の補佐官となることが決まっていたマイケル・フリン(退役)中将はセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と数回電話で話し「政権交代後に国外退去は取り消すから、ロシアは報復措置として米外交官の追放をして大問題にしない方がよい」と助言したとされる。国外退去命令に対しては、同等の報復措置を取るのが一般的で、ロシアもその構えを示したが、この助言を受け容れたのか、報復措置は取らなかった。
・FBIを管轄する司法省はトランプ大統領就任後の1月26日、大統領府にフリン中将とロシア大使の通話の内容を報告「機密保全上の問題がある」と伝えたが、トランプ大統領は特に措置を取らず、2月13日にワシントンポスト紙がこれを報じたため、やむなく彼を辞任させた。ロシア大使との電話は新政権発足の前だから「私人が許可なく外国と協議したのは違法」との理由だが、これはこじ付けたような理屈で、トランプ大統領自身も就任前の昨年11月18日に安倍首相と会談し、日米関係を話し合った。
・フリン中将の場合は会話の内容が問題だ。ロシアがサイバー攻撃で米大統領選挙に介入していた謀略の証拠を米国政府がつかみ、犯人などに国外退去を命じたのに、それを取り消すことを約束したのは国家に対する裏切りとも言える行為だ。こうした善後策をロシア大使と協議したのは、彼も以前からトランプ陣営に加担するロシア側の行動を知っていた疑いがあるように思われる。
・フリン中将は33年の軍歴の大半を情報将校として過ごし、米軍の情報機関DIA(国防情報庁、推定人員1万6000人)のトップに登り詰めた人物だから、ロシア大使館の電話が盗聴されていることを知らないはずがない。大統領選挙でトランプ氏が勝ち、彼は安全保障政策の要の地位に指名されていたのだから、すでに権力者となった以上、配下の情報機関が盗聴していても大丈夫、と慢心したのだろう。
・彼は2002年にDIA長官になると米情報機構の抜本的再編を唱えたが、独善的な主張でCIAなど他の情報機関と対立し、情報分析でも思い込みが強く、DIAでは「フリン・ファクト」(フリン流の事実)の陰口が流布した、と言われる。あまりの不評にオバマ前大統領は2014年に彼を更迭したため、彼はオバマ氏を憎んでロシアに接近、ロシアの外国向けの英語テレビ番組「ロシア・トゥディ」に何度も出演し米国の対外政策を批判、イスラム過激派制圧のため、「米露同盟」の必要性を語り、テレビ局の宴会ではメインテーブルでプーチン大統領の隣に座った。米軍情報機関の前長官がロシア側に付いてくれればロシアは大喜びで、厚遇したのは当然だ。
▽孤立のプーチン大統領 “親露”のトランプ政権に期待
・ロシアはウクライナ問題で米、西欧の経済制裁を受け、シリアではアサド政権支持で米国と対立していた。遅くとも2013年からロシアの銀行家、不動産王らと親密だったトランプ氏の当選を期待していたから、フリン中将が彼の参謀役になってくれれば鬼に金棒と思ったのだろう。トランプ陣営への援護射撃の1つがハッキングでクリントン候補の信頼性を落とす情報をつかみ「ウィキリークス」に流すなどで流布させる工作だったと考えられる。
・フリン中将は昨年10月11日、自民党本部に招かれて講演したが、その主題は「米国のサイバー攻撃対策」だったのは今となっては滑稽な話だが、この分野の「学識経験者」であるのは確かだろう。
▽フリン中将は氷山の一角 捜査続けるFBIとCIA
・フリン中将の辞任はロシアの米大統領選挙介入事件の氷山の一角で、防諜を任務の一つとするFBIやCIAなどはトランプ大統領就任後も捜査を続けている。米国の報道では前共和党の選挙対策本部長、トランプ陣営の外交アドバイザー、同党の調査員などにロシアとの共謀に関わった疑いがあるとして、その行動や銀行口座などを調べているようだ。トランプ大統領側が捜査を中止させようとすれば、そのこと自体が暴露されかねない形勢だ。1974年ニクソン大統領が弾劾寸前に辞任したウォーターゲート事件ではFBI副長官が「ディープ・スロート」と呼ばれた内部告発者だったことが2005年に判明している。この事件は民主党本部への侵入や盗聴、そのもみ消し工作という国内問題だったが、今回は外国による大統領選挙介入で共謀した疑いがあるから、本質的にはより重大な問題だ。
・トランプ大統領は捜査の進展に脅威を感じているのか「メディアは嘘のニュースを流す。国民の敵だ」と言って、支持者が離れるのを防ごうとしている。ニューヨークタイムズとCNNが2月14日「トランプ氏側近がロシア情報機関員と連絡を取り合っていたことをFBIが捜査中」と報じると、プリーバス大統領主席補佐官は翌日、FBIのマケイブ副長官に「あの報道は誤りだと発表してほしい」と要請したがFBIはそれを拒否、そのことが24日に報道され、疑惑はさらに深まった。
・トランプ大統領は「FBIは情報漏洩者を止めることが全くできていない。米国に破滅的影響を与える秘密情報がメディアに渡っている。今すぐ見付けろ」とツイッターで叫んだ。彼は「嘘のニュース」と言う一方で「FBIから秘密情報が流出した」と怒るのだから、報道がおおむね正しいことを自ら認める結果となった。この程度の知能の人物が米国大統領になったのには呆れる外ない。こうした捜査や報道は「米国に破滅的」ではなく「トランプに破滅的」だからパニックを起こしたのかもしれない。
・さらにホワイトハウスの記者会見からニューヨークタイムズ、CNN、外国の記者らを排除したが、側近のロシアとの通謀が疑われている中で、、弁明を拒否するのはメディアの批判に火に油を注ぐことになり、愚行の極みといえる。
・3月1日にはワシントンポスト紙がトランプ陣営のアドバイザーだったセッションズ司法長官が昨年7月と9月にロシア大使と面会していたが、1月10日の上院での司法長官任命承認のための公聴会では「ロシア側政府関係者との接触はない」と虚偽の陳述をしていたことを報じた。同長官は2日に記者会見を行い、ロシアの選挙介入事件の捜査に今後関与しないと述べた。
・トランプ大統領はこの批判に対して「オバマ前大統領はロシア大使と22回も会っていた」とツイッターで反論したが、大統領が各国大使と会うのは当然の業務だ。セッションズ司法長官は面会したことを隠していたから、うしろ暗いことがあったのか、と疑われるのだ。
▽極右政党支持、NATO弱体化狙う やり過ぎに米国内で反露感情
・ロシアは欧州でもEU離脱、移民排斥を訴える極右派を支持してきた。4月のフランス大統領選挙で最有力候補とされる「国民戦線」のルペン党首は親露政策を唱え、KGB(旧ソ連情報機関)出身のロシア人が経営するキプロスの企業から個人として200万ユーロ(約2.4億円)を借り、「国民戦線」はモスクワの第一チェコ・ロシア銀行から940万ユーロ(約11.3億円)の融資を受けていることを認めている。
・他の欧州諸国の極右派もロシアの支持を受けているとの話がある。日本ではいまだにロシアは左翼かと思う人が少なくないが、現政権は実利主義で、やや右翼的だ。ロシアにとっては各国で自国第一主義とナショナリズムが拡がり、対立が起きたりEU離脱国が増えたりしたら、NATOも弱体化し、崩壊すらしかねず好都合となる。対露経済制裁などについて2国間交渉をすれば制裁解除は容易となるし、親露的な右翼政権と連携すれば米欧の分断も可能となる。
・一方でトランプ大統領もプーチン大統領と軌を一にし、欧州のEU離脱派を激励し、対露経済制裁の解除を求めてきたエクソン・モービルのティラーソン前会長を国務長官に任命し、「新たな同盟」を語っている。 ただ大統領選挙へのロシアの介入が露見したため、トランプ政権も親露姿勢は当面示せなくなり、トランプ大統領の2月28日の初の議会演説では「ロシア」という語は全く出なかった。
・むしろ国防長官のマティス大将やフリン中将の後任として安全保障担当の大統領補佐官になったマクマスター中将らは中庸で、旧来の同盟関係を保つ姿勢を表明している。ロシアのトランプ支援は明らかにやり過ぎで、彼を当選させること、米国の分断をはかることには成功したが、米国内で反露感情が拡がって裏目に出た。またトランプ大統領の粗暴な言動は多くの国で反発を招き、彼を支援したプーチン大統領の見識と人物眼も問われることにもなった。
・プーチン大統領も今では「これほどとは思わなかった。変な人物を担いでしまった」と後悔しているかもしれない。
http://diamond.jp/articles/-/120494

第四に、在米の作家の冷泉彰彦氏が3月4日付けのメールマガジンJMMに寄稿した「トランプ政権、混乱の原因はその二重性」from911/USAレポートを紹介しよう。
・2月28日(火)には、トランプ大統領は就任後初の上下両院議会演説を行いました。通常ですと、この時期の大統領演説は「一般教書演説("The State of UnionAddress")」と言われます。ですが、就任直後の大統領の場合は「連邦の現状について議会に報告する」ような実績はないわけです。そこで、この名称を使うことはせずに、一般的な「議会演説」という言い方となっています。
・具体的な手続きとしても、連邦議会の長であるライアン下院議長が2月中旬に「大統領の招待する」という形で決まったものです。つまり「連邦の現状」を説明するのではなく、議会としては就任直後の大統領を呼んで、その政策について語らせるというわけです。
・ところで、同じような「就任直後の大統領」による議会演説ですが、前回ということになりますと2009年の2月24日にオバマ大統領が行った演説が想起されます。 この時は、就任直後のオバマは70%前後という高い支持率を誇っており、議会へ登場した際も熱狂的な拍手で迎えられています。
・この年の場合は、前年9月の「リーマン・ショック」を契機とした金融危機が続いていましたから、政治の停滞ということは許されるはずもなく、この議会演説の時点までにも様々な法案の審議がされていました。特に公共事業などの歳出拡大で景気浮揚を狙った「景気刺激策法案」は「小さな政府論」を掲げる共和党からは徹底して反対をされ大統領は就任早々、厳しい議会とのやり取りを経験していました。
・さて、それから8年を経て、当時は想像もできなかった「ドナルド・トランプ大統領」が議会の壇上に上るということになったわけですが、改めて2009年とこの2017年の2つの演説を比較してみますと、その大きな違いを感じます。
・圧倒的な人気のあったオバマと、国論分裂の張本人として歴史的な低支持にあえぐトランプという比較がまずできます。また、先ほど申し上げたように、法案を議会の審議に委ねつつ大統領として議会との折衝を行うという「本来の仕事」ということでは、この時点のオバマとは違って、トランプ大統領は「まだほとんどやっていない」という違いもあると思います。
・また、何よりも環境が違います。2009年2月の時点では、株価も失業率も好転どころか、まだまだ「底をさぐる」動きをしていたわけで、社会には恐怖と苦悩が満ち溢れていました。その一方で、そこから8年間、遅さはあるにしても右肩上がりを続けてきた景気と株価は、2017年の2月末現在ダウ21000ドルという市場最高値圏にありました。
・ある意味では、オバマの場合は切迫した状況の中で「仕事をせざるを得なかった」ということが言えますし、2017年のトランプの場合は、経済も外交も「切迫した問題を抱えていない」だけに、様々な政争や言葉のゲームを行う余裕があるということが言えます。
・その2017年のトランプ大統領の演説ですが、アメリカの各メディアは基本的に好意的です。「大統領らしさが出てきた」とか「分断から和解をというメッセージは良かった」というような評価が見られます。冒頭に「黒人の歴史月間」を称揚したり、「ユダヤ系へのヘイトクライム」を戒めたりという「まともな」開始をしたことがポジティブに受け止められているのも事実です。
・ですが、私には歴代大統領の「年頭の演説」の中では、やはり最低の部類に入るとしか思えませんでした。それは、演説の根本的な部分に、どうしても信憑性が感じられなかったからです。それは、ここ数ヶ月メディアを賑わせてきた「もう一つの真実」とか「フェイク・ニュース」というような意味ではありません。 問題は政策についてです。2点、具体的に指摘しておきたいと思います。
・1つは、今後のトランプ政権が予算をどう策定するかという基本的な方針です。大統領は、この議会演説の前日、2月27日(月)に行われた全国知事会議でスピーチをしているのですが、この場では「オバマ時代の軍縮の穴を埋める軍拡を行う」と強く訴え、具体的には軍事費を54ビリオン(約6兆円強)拡大すると言明しています。 それだけではありません。「軍事費は拡大するが、その他の費用は圧縮する」とハッキリ言っているのです。ところが、その翌日の議会演説では「国内のインフラ更新に思い切った投資」をすると述べています。この両者は全く整合性が取れていません。
・この「国内インフラ更新」という話については、例えば昨年11月9日未明の「大統領選の勝利宣言」で強く訴えた内容です。また、安倍首相との会談を含めた1月から2月の言動の中でも再三にわたって主張していた内容でもありました。 では、その前日の「大軍拡、その他は圧縮」という発言は否定されて、国内インフラ更新を最優先にする方針に戻ったのかと思うと、今度はその2日後の3月2日(木)になって海軍を視察した際には、改めて「大軍拡、その他は圧縮」という話に戻っています。
・簡単に整理すると、
 (1)2016年11月の勝利宣言・・・・・インフラ更新
 (2)2017年1月から2月の発言・・・・インフラ更新
 (3)2017年2月27日の知事会・・・・軍拡最優先、その他は削減
 (4)2017年2月28日議会演説・・・・インフラ更新
 (5)2017年3月2日の海軍視察・・・・軍拡最優先、その他は削減 
ということで、発言がコロコロ変わっているのは歴然なのですが、問題なのは、そのどこにおいても「軍拡もインフラも両方やる」という言い方はしていないのです。 その一方で「インフラより軍拡を優先する」とも言っていないし、「軍拡よりも国内インフラを優先する」とも言っていません。ただ、軍拡を言う時は「他は削減して、軍拡だけやる」という言い方を繰り返しています。そんなわけで、どちらを信じて良いのか全く曖昧な状況になっています。
・この軍事費と予算の問題は、まだ「まし」です。というのは、どんなに矛盾していても現時点では言葉だけの問題だからです。ところが、移民政策については、政策が既に実施されているだけに矛盾がもつれて大変な状態になっています。これが政策に関する2点目の懸念です。
・まず、トランプ政権は、1月下旬から「微罪でも犯歴があれば強制送還」という政策を全国的に指示しています。そこで不法移民の多い地域では、危機感が高まっているのですが、そんな中「法律通り執行」するとして摘発が強化されているのは事実で、例えば「教会に保護されていた母親を摘発した」とか「学校に子供を送り届けた父親が学校の前で手錠をかけられた」などという話が毎日のようにニュースになる始末です。 
・そんな中、大統領は「摘発には軍隊も動員するし、最終的には百万単位の強制送還もあり得る」としていました。この状況にメキシコ政府は激怒しています。同胞に対する屈辱に他ならない以上、メキシコ政府としては見過ごすことができないわけです。 これに対して、メキシコを訪問したティラーソン国務長官とケリー国土保安長官は、米国の立場を説明した中で「大規模な強制送還はしないし、軍隊の動員もあり得ない」と述べています。
・これを聞いて、メキシコ政府は大統領も外相も益々怒っていますが、それも当然でしょう。とにかく、大統領が明言していることを、いくら他の閣僚がやってきて「それは違う」と理解を求めても簡単に受け入れるわけにはいかない、それが道理だからです。
・その一方で、今回の議会演説の数時間前には全く別の不思議な「リーク」が一斉に流れました。その内容というのは「大統領は不法移民に大規模な合法滞在の許可を出すらしい」とか「新移民法の具体案を議会に提案するらしい」といった「従来とは全く異なる政策に転換」という話です。このニュースが、三大ネットワークやCNNを含めた大手のメディアから流れたのでした。
・ところが議会演説で大統領が提案したのは、また別の話でした。それは「メリット制」つまりスキルのある移民を入れる話です。大統領は、オーストラリアやカナダの方式を取り入れるという提案をしたのですが、これまで全く出ていなかった話だけに、余りにも唐突でした。
・その一方で、同じ演説の中で、不法移民の犯罪被害者遺族を何人も紹介していたのです。不法移民の犯罪被害を「ひたすら強調する」というのは選挙戦を通じて一貫してやってきたわけで、唐突感はないのですが、演説のその部分はそれだけで、特に強制送還とかに触れてはいませんでした。そんな中、演説後の3月2日から3日にかけても全国で「不法移民に突然手錠をかける」動きは続いています。また「カベを作る」という話も様々な形で続いています。
・この移民政策についてですが、
 (1)微罪でも摘発して強制送還・・・・・・1月から断続的に全国で実施中
 (2)スキルのある移民を入れる・・・・・・議会演説でのみ
 (3)不法移民の合法化・・・・・・・・・・議会演説直前の噂
 (4)大規模に強制送還、軍も動員・・・・・大統領の主張、閣僚はメキシコで否定
 (5)不法移民による犯罪の被害・・・・・・議会演説に被害者招待
という具合で、こちらもバラバラです。(1)が現実で様々な悲劇を生んでいる一方で、政権としての統一した方針は見えてきていませんし、しっかりした「法案」として提案して議会と協議に入る気配もありません。 この予算にしても、移民にしても要するに政権としての姿勢は定まったものはないのだと思います。もっと言えば、トランプ政権の支持層が「草の根のコアの支持層」と「クラシックな共和党」に分裂しており、調整がつかないのでしょう。
・例えば、予算に関して言えば、インフラ更新は「コア支持層の国内志向」に呼応したもので、その「コア支持層」はアメリカが世界の警察官としてのコストを負担することには反対です。反対に軍拡というのは、「クラシックな共和党」のそれこそ「レーガノミクス」や「ブッシュの軍拡」に重ねてみるべき動きだと言えます。
・一方で移民に関しては、「メキシコから苦情が来ようが、とにかく不法移民は犯罪者」だというのがコア支持層の情念であれば、不法移民の米国経済における「必要性」に配慮する立場が「クラシックな共和党」の立場だということが言えます。
・そんなわけで、支持層が2つに分裂する中で、徐々に「政権内部における決められない体質」というのが露呈してきたわけですが、今回の議会演説では、そのように矛盾や弱点を抱えつつも、トランプ政権が「それでも前進していきそう」な一つの気配も同時に示していました。その気配というのは、恐ろしいほどの「劇場型政治」演出の能力です。
・今回の議会演説には、一人の戦没者遺族が招待されていました。名前は、キャリエン・コーエンという女性で、夫のウィリアム・ライアン・コーエンという海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)の隊員は、大統領が就任直後に実施したイエメンでの「イエメンのアルカイダ」に対する軍事作戦で死亡しています。
・この作戦に関しては、未だに不明な点があり、特にコーエン氏の父親は「作戦に疑問がある」として大統領との面会を拒否しているぐらいでした。夫人も、この議会演説に招待された中で、たいへんに堅い表情をして座っていたのです。 大統領は演説の半ばに至って、このキャリエン夫人を紹介すると共に、コーエン氏の犠牲について最大限の表現で賞賛したのです。そして、コーエン氏は国家の英雄であり、彼の遺した業績は永遠だと言い切ったのでした。その言い切りの徹底、そして惜しみない拍手を含めたこのコーエン氏への賞賛は数分間続き、議会としても大統領の行動としても極めて異例のものとなったのです。
・恐らくバラク・オバマとか、ヒラリー・クリントンにはここまでの「芝居」はできないでしょう。そのぐらい、この場のトランプ大統領のやり方は徹底していました。 最初はこわばった表情であった夫人も、途中から涙を流していたのです。怒りの涙ではありませんでした。夫の名誉が合衆国大統領によって「ここまで賞賛されるのか」という驚きと感動の涙であるように見えたのです。
・報道によれば、当初は義父と共に面会を拒否していた夫人の心を開かせたのは、大統領の長女イヴァンカ・クシュナーで、彼女が非常にパーソナルなアプローチをした結果、夫人はこの場に同席することを承諾したのだと言います。 このイエメンでの軍事作戦ですが、様々な疑問が残っています。敵のアジトを襲い、PCデータを入手するためには、余りにも犠牲が大きかったという点、また軍事作戦の結果8歳の少女が犠牲になっているという事実など、色々と不明な点があるのです。
・ですが、このトランプ父娘の徹底した作戦で、少なくともこのキャリエン夫人の心を開かせ、世論を味方につけることには成功したわけです。正に「劇場型」であり、それを良くも悪くも徹底できる人々だということは、ある意味で見せつけることができています。
・その後、本稿の時点では選挙戦から就任式までのトランプ陣営に対する「ロシアの工作」が問題になっていますが、この問題は大統領本人に関する大きなスキャンダルでも出ない限り、そんなに重要とは思えません。  とにかく、予算とか、移民政策といった重要なテーマにおいて、この政権は明らかな分裂を抱えていること、それゆえに具体的な政策を決め込むのに手間取っているということ、にも関わらず感情や情緒を使って世論を動かす「劇場型政治」という方法論については依然として非常に長けている政権だということ、今回の議会演説からは、そんなこの政権の特質が浮かび上がったように思います。
・そんな中、2月26日にはアカデミー賞の授賞式があり、作品賞の発表に間違いがあってクライマックスのはずの作品賞授与が大混乱に陥るという失態がありました。 その中で「違う。受賞したのは『ムーンライト』だ。賞はアンタたちのものだ」と叫んで、自分が一度は手中にしたと思ったオスカーをライバルに渡した『ラ・ラ・ランド』のプロデューサー、ジョーダン・ホロビッツ氏の行動が評判になっています。
・多くのメディアは、「真実が複数あったり、何も信じられない世相の中で、ホロビッツ氏の言葉だけは信じられた」などと世相と重ねて同氏を賞賛しているのですが、私には、このドタバタ劇も含めて、今の世相には「景気の良さから来る余裕」を強く感じました。
・このハリウッドのオスカーも、ちょうど8年前には全く予算がなく、貧相な舞台装置を司会のヒュー・ジャクマンが詫びる中で始まったのですが、そのジャクマンは「オープニングのビデオは作れませんが、自分で全部やります」と言って、作品賞候補の5作品(当時は5つだけでした)の紹介をミュージカル仕立てで一気に演じたのでした。
・その心意気に、会場は大いに盛り上がっていましたが、8年後の今回は派手な舞台装置が使われて、景気の良さということでは隔世の感がありました。そう言えば、CFの枠は好調な売れ行きだったそうです。 そうなのです。トランプ劇場のドタバタも同じで、好景気から来る余裕がそうしたドタバタを許しているし、そのドタバタが続く中で当面は「株価を下げる材料はない」という状況が続くことになります。
・その意味で、政権内部に2重性を抱え、それを糊塗するために「劇場型」を続けるという手法は、当面は続くのだと思われます。転換点が来るとしたら、大きな株価の調整が来たときで、もしかすると連銀のイエレン議長は利上げによって、そのような局面を作り出すことも「やぶさかではない」のかもしれません。

第一の記事で、 『共和党に回り始めたオバマケアの「毒」』、というのは、レームダック化したオバマの末期の記憶しか残ってない私にとっては、なかなか「したたか」な大統領だったと再評価させるのに十分だった。
『そもそも市場原理では解決できないと考えられたために現行の仕組みになっている。「補助金か税控除かはともかく、政府の財政負担なくして手頃な医療保険は成立しない」(ある大手金融機関の調査担当)という声が圧倒的で、代替案を考えること自体が難しい』、といことであれば、共和党やトランプが馬鹿みたいに「原理主義的」主張をしているのに、過ぎないのかも知れない。
トランプ政権の混迷ぶりを見ていると、大前氏が、『トランプ政権「あと半年」』、とするのも、うなずける話だ。
第三の記事で田岡氏が指摘する 『米大統領選に介入の異常 トランプ参謀、ロシアと接触』、など確かに『ロシアのトランプ政権支援は「やり過ぎ」』、たようだ。プーチンはKGB元締めだっただけに、面白いように対米工作が進むので、イケイケになってしまったのだろうか。「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、プーチンが今になって、後悔しても遅いのかも知れない。
冷泉氏が、 『混乱の原因はその二重性』、 『「ロシアの工作」が・・・そんなに重要とは思えません』、『支持層が2つに分裂する中で、徐々に「政権内部における決められない体質」というのが露呈してきたわけですが、・・・その気配というのは、恐ろしいほどの「劇場型政治」演出の能力』、などと鋭く指摘しているのは、参考になる。先日のG20蔵相・中央銀行総裁会議で、これまで決まり文句だった「保護主義に対抗」が、米国の抵抗で生命に盛り込まれなかったようだが、これは由々しい事態だ。「アメリカ ファースト」と自分勝手な言い分で、いくら軍事力を強化したところで、対外援助などの予算を削減していくようでは、国際社会での発言権は小さくなってゆかざるを得ないだろう。
タグ:保護主義に対抗 G20蔵相・中央銀行総裁会議 支持層が2つに分裂する中で、徐々に「政権内部における決められない体質」というのが露呈してきたわけですが、今回の議会演説では、そのように矛盾や弱点を抱えつつも、トランプ政権が「それでも前進していきそう」な一つの気配も同時に示していました。その気配というのは、恐ろしいほどの「劇場型政治」演出の能力 国内のインフラ更新に思い切った投資 軍事費は拡大するが、その他の費用は圧縮 圧倒的な人気のあったオバマと、国論分裂の張本人として歴史的な低支持にあえぐトランプ トランプ政権、混乱の原因はその二重性」from911/USAレポート 冷泉彰彦 ・トランプ大統領は捜査の進展に脅威を感じているのか「メディアは嘘のニュースを流す。国民の敵だ」と言って、支持者が離れるのを防ごうとしている。ニューヨークタイムズとCNNが2月14日「トランプ氏側近がロシア情報機関員と連絡を取り合っていたことをFBIが捜査中」と報じると、プリーバス大統領主席補佐官は翌日、FBIのマケイブ副長官に「あの報道は誤りだと発表してほしい」と要請したがFBIはそれを拒否、そのことが24日に報道され、疑惑はさらに深まった 孤立のプーチン大統領 “親露”のトランプ政権に期待 テレビ局の宴会ではメインテーブルでプーチン大統領の隣に座った ・フリン中将は33年の軍歴の大半を情報将校として過ごし 国家に対する裏切りとも言える行為だ。こうした善後策をロシア大使と協議したのは、彼も以前からトランプ陣営に加担するロシア側の行動を知っていた疑いがあるように思われる マイケル・フリン(退役)中将はセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と数回電話で話し「政権交代後に国外退去は取り消すから、ロシアは報復措置として米外交官の追放をして大問題にしない方がよい」と助言 米大統領選に介入の異常 トランプ参謀、ロシアと接触 親露的なドナルド・トランプ候補の当選を期待したロシアが、米国の民主党全国委員会などにサイバー攻撃をかけて同党のヒラリー・クリントン候補に不都合な情報を収集、それをインターネットで流すなどして、クリントン女史への米国民の信頼感を損なう工作を行っていたとされる事件は世界の情報戦史上で最大級の謀略 ロシアのトランプ政権支援は「やり過ぎ」が裏目に出た ダイヤモンド・オンライン 田岡俊次 私は以前から「トランプ大統領は4カ月しか持たないかも」と言っているが 「【大前研一のニュース時評】トランプ政権「あと半年」の現実味 ペンス副大統領の行動に変化 ZAKZAK そもそも市場原理では解決できないと考えられたために現行の仕組みになっている。「補助金か税控除かはともかく、政府の財政負担なくして手頃な医療保険は成立しない」(ある大手金融機関の調査担当)という声が圧倒的で、代替案を考えること自体が難しい 大前研一 レガシー オバマケアの撤廃・置き換えは実は至難の業 共和党に回り始めたオバマケアの「毒」 「撤廃」ではなく「修理」を唱える共和党議員も 日経ビジネスオンライン (その13)(共和党に回り始めたオバマケアの「毒」、トランプ政権「あと半年」の現実味、ロシアのトランプ政権支援は「やり過ぎ」が裏目に出た、トランプ政権の混乱の原因はその二重性) トランプ新大統領誕生 JMM 極右政党支持、NATO弱体化狙う やり過ぎに米国内で反露感情
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