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医療問題(その12)(勃起障害(ED)になったら疑うべき病気とは?、がんの最新治療を医師が解説、「逆流性食道炎」の罹患者数は急激に増えている 患者急増の裏に「ピロリ菌」の存在があった) [社会]

医療問題については、1月14日に取上げたが、今日は、(その12)(勃起障害(ED)になったら疑うべき病気とは?、がんの最新治療を医師が解説、「逆流性食道炎」の罹患者数は急激に増えている 患者急増の裏に「ピロリ菌」の存在があった)である。

先ずは、医師兼マンガ家の近藤 慎太郎氏が昨年11月22日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「勃起障害(ED)になったら疑うべき病気とは? 日本のED患者数、約1130万人が注意すべきこと」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・(リンク先にはマンガによる解説あり) 心臓に血液を送る冠動脈が3~4㎜、頚部の動脈が5~6㎜と言われているなかで、海綿体に血液を流入させる陰茎動脈は何と1~2㎜と極めて細い動脈です。細い動脈ほど詰まりやすいため、陰茎動脈は動脈硬化の影響を、最も早い段階で受けてしまいます。
・そのため、もしED(勃起障害)になったら、その背後には非常に広範囲にわたる動脈硬化の影響が潜んでいる可能性があるのです。陰茎動脈が詰まってしまうこともあれば、心臓の冠動脈も詰まりつつあって、狭心症や心筋梗塞になる一歩手前なのかもしれません。
・実際に、「ED以外は無症状」というグループに負荷心電図を施行したら、その15%に心疾患を疑う所見があったという報告もあります。もしもEDになった場合には、それだけの問題とは捉えず、心臓などに異常がないかどうか検査することをお勧めします。 さて、EDを引き起こすそのほかのリスク因子には何があるでしょうか。
▽肥満や運動不足の解消でEDが改善する?
・加齢に伴うテストステロンの低下や、タバコは、EDのリスク因子です。また、肥満、高血圧、糖尿病、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などで、EDを合併する頻度が高いことも分かっています。そのため、肥満や運動不足を解消することによって、EDの改善や予防につながると考えられています。
・ただし、どんな運動でもいいわけではありません。ひょっとすると自転車には注意が必要かもしれません。  というのも、自転車に乗っている時間とEDの間には比例関係があり、サドルによる血管と神経の圧迫がいけないのではないかといった報告があるのです(これに関連して、大型バイクがEDに良くないという報告もあります)。 ただしこの点は専門家の中でも意見が分かれますし、常識的な範囲内の利用であれば、過剰に心配する必要はないでしょう。
▽心因性EDの原因になるのは?
・次に心因性のEDです。 心因性で多いのは、カップルで妊娠希望があり、タイミングを見計らって性行為を行う必要がある場合です。早い段階で妊娠が成立すれば問題はありませんが、長期間に渡って妊娠しなかったり、そのために不妊治療に踏み切ったりすると、男性側が心理的なプレッシャーを感じてEDになってしまうことがあるのです。
・また、うつ病とEDにも密接な関連があります。これには双方向性があり、どちらが先行してもおかしくありません。うつがあればEDを疑い、EDがあればうつを疑うべきと言われています。
・ではEDになってしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。禁煙や運動などの生活習慣を改善することも必要ですが、効果や速効性で言えば、やはり内服治療です。現在日本では、3種類の薬剤(PDE5阻害薬)が認可されています。
▽ED治療のための薬剤とは?
・ここで大事な注意点があります。ウェブサイトを通じてPDE5阻害薬を購入するのは御法度です。そのような経路で入手されたPDE5阻害薬は、半分以上が偽造品と報告されています。 偽造品には、定められた薬効成分が含まれないものが多々ありますし、不純物(タルカムパウダー、塗料、印刷用インクなど)や、ED治療には全く関係ない薬物(アンフェタミン、カフェイン、抗生物質など)を含んでいたという報告もあります。効果がないだけではなく、余計な健康被害を起こす可能性まであるのです。
・ED治療薬を使用するには医師の診断が必要ですし、用法・用量をしっかり遵守するようお願いいたします。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/091200163/112000010/

次に、総合南東北病院外科医長の中山 祐次郎氏が11月30日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「2人に1人がかかるがん、最新治療を医師が解説 第19回 話題の免疫療法、そして未来のテーラーメイド療法」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。 私が4月から住んでいる福島県郡山市は、11月に入り猛烈に寒くなりました。こちら不思議なもので、郡山市より北に位置する福島市よりも、少し寒いくらいなのです。これは、「磐梯おろし」という磐梯山からの風が郡山の街に吹いているからなのだそうです。時折雪が舞っていますが、これも郡山に雪が降っているわけではなく磐梯山に降る雪が磐梯おろしに乗って運ばれてきているそう。せっかく寒い街に住んでいるのですから、満喫しない手はない。そう思って福島で造られた日本酒の熱燗をいただいています。
・いつか一度特集したいと思っていますが、福島は日本酒が有名な所です。「平成28酒造年度全国新酒鑑評会」で金賞を受賞し、5年連続の受賞で獲得が最多の県となったのですね(詳しくはこの県のページをご覧ください)。
・中でも寛政6年に創業した老舗酒造である「鶴の江酒造」の「ゆり」という日本酒は、トランプ大統領が来日した際の晩餐会で出されたことで話題になりました。なんでもゆりさんという女性の杜氏が作っているそうで、私も早く呑んでみたいと思っております。なおインターネットでも購入できるようですが、「70過ぎのどっぷりの日本酒晩酌派の方にはフルーティーすぎます」(インターネットのページより)とのことです。ご注意を。
・さて今回は、最新のがん治療の流れ、中でも新しく登場した「免疫療法」という治療法について解説したいと思います。なるべく専門用語を使わずにお話ししましょう。
▽がんの3大治療は局所治療と全身治療に分けられる
・がん治療について語る場合、この3大療法を欠かすことはできません。すなわち、 +手術 +化学療法(抗がん剤) +放射線 です。 この3つは、「効果の出る範囲」という視点から大きく2種類に大別することができます。それは、「局所の治療」と「全身の治療」です。局所とは、肺がんなら肺、胃がんなら胃といったようにその病気がある場所あるいは臓器のことです。
・「局所の治療」は手術と放射線です。手術はがんを切って取るという治療法で、放射線療法は放射線でがんを焼き壊死(腐らせる)させることで治療をします。手術で全身の臓器を切除してしまったら生存できませんし、放射線も全身に浴びせることは副作用の点からほぼ不可能です。そういう意味では手術と放射線は「がんのある部分だけの治療」で「似た者同士」となります。
・事実、手術で取るか放射線を当てるかという議論になることはあり、例えば大腸がんがお腹の中で再発した場合(局所再発といいます)は、手術で取るか放射線を当てるか、私もしばしば悩むことがあるくらいです。手術をするとお腹を切らねばなりませんし、他の臓器をかじりとらなければならないこともあり、術後は足がしびれっぱなしになったり人工肛門が必要になったりするなど手術後の生活の質が下がることがあります。局所再発の手術だと1000mlほど多量に出血することもまれではなく、それに耐えられなさそうな体力のない患者さんだと放射線を選択するか、なんて議論になります。
・放射線療法はどんどん進化していて、がんの種類によっては手術で切って取るのと同等かそれ以上の効果を発揮するものもあります。また放射線にもいろんな種類があり、特殊な放射線である重粒子線や陽子線といった治療も一部の病院では受けることができます。
▽抗がん剤は2種類に大別される
・一方で、「全身の治療」は化学療法です。化学療法とは、内服薬や点滴の薬を使ってがんの勢いを抑えるというもの。内服薬も点滴も、抗がん剤の成分は血液の流れに乗って全身に回ります。脳みそも皮膚も足のつま先も、全身すべての場所に届くのです。ですからこれは「全身の治療」となります。これは、手術や放射線が難しい腫瘍に対して効果を発揮するだけでなく、全身に散らばっていたり血液に混じっていたりするような目に見えない微小ながん細胞を叩くことで、がんの転移や再発を予防する効果があります。
・ちなみに化学療法という用語ですが、がんを専門とする医者にとっては「化学療法=抗がん剤による治療」と考えてよいでしょう。ちょっとややこしいのが、医学の世界では抗生物質による治療も化学療法と呼ぶという点。そのため、がん治療の化学療法は別に「がん化学療法」とか「抗がん化学療法」と言ったりします。本稿では化学療法と言ったらがん治療の方だとします。
・現時点で100種類以上ある化学療法の薬を詳細に話すと本が1冊書けてしまうほどの量になりますが、ざっくり言ってこの2種類に分かれます(カッコ内は医学的な専門用語です)。 
 1. がん細胞を殺すもの(殺細胞性抗がん剤)
 2. がん細胞に多い標的に効率良く作用するもの(分子標的治療薬)
・ちょっと解説します。 「1. がん細胞を殺すもの」はいくつかの種類があり、例えば細胞が分裂するタイミングを狙ったり、細胞の中のDNAに傷をつけたり、DNAとくっつくなどして細胞を殺し増殖を抑えたりします。これらは正常の細胞にもある程度作用してしまいますから、副作用が出ることがあります。これらの薬が最も歴史が古く、第二次世界大戦で使われたマスタードガスという毒ガスをもとに構造を変化させてつくったものが「シクロホスファミド」という薬剤です。
▽高いが良いお薬、分子標的薬
・少し余談ですが、アンチ抗がん剤のような、薬に対する人々の主張に「抗がん剤はマスタードガスからできている、体に毒を入れるなど何事だ」というものがあります。しかし、シクロホスファミドはマスタードガスの副作用を減らし効果が出るように色々な変更を加えて開発されていますので、そのまま毒というわけではありません。また、抗がん剤の中には植物由来(植物アルカロイドと言われます)のものもあり、私も日常的に患者さんに投与しています。アンチの皆さんは、こちらは「植物由来だから優しく安全だ」となるのでしょうか? 植物アルカロイドの抗がん剤にもきっちり副作用はあります。
・そもそも毒と薬とは量の違いによって紙一重です。極端な例では爆薬のダイナマイトの原料であるニトログリセリンが狭心症の薬として今も使われていますし、その狭心症の薬として開発されていた薬の副作用が勃起であったため勃起不全の薬になったのがバイアグラです。
・もう一つの「2. がん細胞に多い標的に効率良く作用するもの」はここ10年くらいで出てきたお薬で、がん細胞が持つ分子レベルのシステムにだけ作用するため、比較的副作用が少なく効果が大きいのです。 一例だけ挙げますと、私もしょっちゅう使っている「アバスチン」というお薬は「がん細胞が勝手に血管を作ろうとする増殖因子を攻撃する」というもの。がん細胞って非常に自己中心的な振る舞いを体の中でするので、勝手に自分の細胞のために血管を作らせて栄養をもらい、どんどん増えたり余所にがん細胞を出荷して転移したりするのです。その特徴に目をつけ、血管を作らせないことで「兵糧攻め」にするのがこのアバスチンというお薬。副作用が少なくいいお薬なのですが、いかんせん高価であり、この薬だけでも1カ月20万円くらいかかってしまうのです。
▽オプジーボの衝撃
・さて、長々と説明してきました。がんの治療法は今でもこの手術・化学療法・放射線の3大治療ですが、おととしがん治療の世界に衝撃が走りました。2014年9月、オプジーボという薬が販売開始となったのです。  これは従来の3大療法と異なり、新しい第4の治療である「免疫療法」のお薬です。これが販売され、一気に肺がんの一部と皮膚がん(悪性黒色腫、あくせいこくしょくしゅ)の患者さんの治療成績が改善したのです。肺がんも悪性黒色腫も非常にたちの悪いがんですが、一部では完全にがんが治る人が出てきました。これはがん治療に携わる我々専門家にもかなりの衝撃を与えました。夢の薬などと呼ぶ人も増えてきました。しかし、いくつかの問題点も明らかになってきました。
▽免疫とは国家における軍隊である
・オプジーボという薬は、免疫療法の中でも「免疫チェックポイント阻害剤」という種類に含まれます。 ここで、免疫チェックポイント阻害剤について解説する前に、そもそも免疫とは何かを考えてみたいと思います。免疫とは「疫」を「免」ずるという字を書きます。「疫」とは昔疫病などと言ったように、もともとは感染症の意味でした。昔は感染症の代表であるコレラやはしかなどの疫病で、大勢の人が亡くなったのです。これを免ずる、つまりまぬがれる訳ですから、「感染症にかからなくなる」という意味ですね。
・それから、免疫という言葉は体の中に侵入した外敵から身を守るシステムのことを指すようになりました。国家で言う軍隊のようなものです。 ではなぜ、がんと免疫に関係があるのでしょうか? 実は、がん細胞は人間の体にとって外敵も同様で、異物として私たちの体は認識するのです。人間の体の中にはしばしばがん細胞が出来ており、それをいちいち免疫のシステムがやっつけているのですね。これは国家の転覆をたくらむ不穏分子のようなもので、軍が国内のそういう人たちを取り締まっていると見ることができます。
▽がん細胞はニセの伝令を軍隊に送っている
・ところが、がん細胞はこの免疫にまで作用します。がんというものは自分が生き延びて増殖するためにあらゆる手を打つのです。がん細胞は免疫を担当している免疫細胞という細胞にニセの指令を出し、「あんまり頑張らないでよ」と自分が攻撃されないようにします。まったく狡猾なもので、免疫細胞はもともとある程度自分の攻撃力を抑制する機能が付いています。これが強くなりすぎると、まるで血気盛んになりすぎた軍隊が自国民を攻撃するようになってしまいアレルギーや自己免疫疾患という病気になってしまうので、それを防ぐために予め抑える機能があるのです。ここにがん細胞は付け込み、この抑制機能にニセの命令をして免疫細胞を黙らせてしまうのです。
・この免疫細胞の指令を受け取る部分を「免疫チェックポイント」と呼んでいます。ここにがん細胞が付け入るのだから、がん細胞がチェックポイントに来られないように邪魔をしたらニセの命令は伝わらないのではないか。そうして出来たのが免疫チェックポイント阻害剤という作用の薬で、オプジーボもこれに含まれます。ちなみに免疫チェックポイントはいくつか発見(PD-1、CTLA-4など)されており、これらに対する薬剤の開発競争がかなり激化しています。
▽1カ月300万円の薬価だったオプジーボ
・2014年9月、オプジーボという薬が販売開始となってからというもの、開発製造元の小野薬品工業株式会社の株価はどんどん上がっていきました。とはいえ初めから適応があった(使えた)のは悪性黒色腫だけで、このがんは患者さんの数が多くなく、全部で5000人くらいでした。それでも大変タチの悪い病気なので、患者さんと医師は大いに喜んだことと思います。
・その後15年12月、非小細胞肺がんに適応が拡大すると大ニュースに。一番ニュースになった理由は、その価格でした。今はだいぶ下がりましたが、当時のオプジーボの薬価は1カ月約300万円だったのです。製薬会社は新規に1万5000人のオプジーボ使用患者を見込んでいましたので、1年で6300億円という費用がかかります。この額は、日本におよそ1000万人いるといわれる高血圧の患者さんの医療費1兆8890億円の3分の1にも相当します。これはとんでもない額で、強い危機感を持った私は当時「Yahoo!ニュース」に「抗がん剤が日本を滅ぼす日 ~1ヶ月300万円の新薬登場~」という記事を寄稿しました。当時の勤務先の病院の上層部に呼び出され「苦情が来ている」と言われたのをよく覚えております。患者さんから来たのか、製薬会社から来たのかは不明ですが……。
▽異例の薬価引き下げでいきなり50%オフになったオプジーボ
・さらにこのオプジーボという薬はその後もいろんな種類のがんでの承認を立て続けに得ていきました。今では腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頚部がん、そして17年9月に胃がんが承認されたのです。胃がんはがん種類別の死亡数が男性で2位、女性で3位であり、1年に亡くなる人が4万5000人近くいるという日本人に大変多い病気です。胃がんは手術の後に再発した患者さんが認められた抗がん剤が非常に少なく、治療する側としても大変悔しい思いをしていたので、オプジーボという新しい薬が使えるようになったことは大変歓迎すべきことですね。
・オプジーボの薬価は同年2月に異例の引き下げでいきなり半額になり、100mgのこの1瓶は73万円から37.5万円になりましたので、そこまで強い公的医療保険財政への影響もないかと思います。 このオプジーボは、いま多数の臨床試験が行われています。食道がんや肝細胞がん、卵巣がんなどざっと8種類くらいは試験が最終の段階(Phase 3)で、それ以外にも子宮がんなどいくつかのがんでそれより少し手前の試験(Phase 2)が行われているのです。
▽今後の流れは?
・さて、一通りオプジーボについてお話をしました。では、今後のがん治療はどうなっていくのでしょうか。私は以下の2点を予想します。 1. 免疫療法はさらに拡大する  2. テーラーメイド治療が始まる 
 1. 免疫療法はさらに拡大する
・現在、国内外で8種類ほどの免疫チェックポイント阻害剤が開発あるいはすでに販売されています(16年12月5日現在、「がん免疫療法ガイドライン」より)。これらの多くは承認され販売されていくと私は予想しており、そうなるとがん治療の医者としては武器が増えてとても嬉しく思います。 その一方で、このお薬の最大の副作用かもしれない「経済毒性」(薬価が高すぎて保険財政に悪影響があることを医者たちは最近こんな風に言っています)については、若干の懸念が拭えない気持ちでおります。そうは言っても開発する製薬会社の立場になれば、一つ薬を開発するのに数百億円かかるのですから、きっちり見返りがなければ開発意欲も削がれるというもの。非常に難しい問題です。
 2. テーラーメイド治療が始まる
・今後、薬が増えて選択肢が増える中で、テーラーメイド治療が始まるでしょう。これはどういうことかというと、スーツをテーラーメイドで作るようにして、「あなたはこういうタイプの大腸がんなので、こういう治療が一番おすすめです」と提示できるということです。同じ大腸がんの患者さんであっても、全く異なった治療戦略が立てられるのです。
・これを後押ししているのは、がんの遺伝子やその周辺の研究の進歩です。がんは出来た場所が違っていても、同じようなタイプの遺伝子変異で発がんしていることがあります。そしてそれらに対しては同じ薬が効くかもしれない、ということも明らかになってきたのです。また、こういう遺伝子のタイプの人にはこの抗がん剤の副作用がひどく出るから注意、なんてこともすでに病院の現場で日常的に使われています(例えばイリノテカンのUGT1A1遺伝子多型)。
・さらに、ある人ががんにかかった場合、そのがんの一部を取ってマウスに埋め込み、そのマウスにいろいろな抗がん剤を使うことで効果を先読みし、患者さんへの抗がん剤選択をするなどという研究もあります。 
▽免疫療法の注意点
・最後に、免疫療法の注意点について述べておかねばなりません。それは、現在効果が明らかな免疫療法はごく一部であり、多くのクリニックでやられている免疫療法の効果はまったく不明であるという点です。   大変残念なことに、インターネットで「がん 免疫療法」と入れて検索すると実に多くのクリニックの免疫療法の広告ページが出てきます。それらの多くは科学的根拠のない治療を行っています。科学的根拠がないような治療法は、基本的に自由診療となり全額が自費になり高額です。そういった治療法は、きちんと臨床試験で効果があるかどうかをはっきりさせる必要がありますが、上記のクリニックでは「この人には効いた!」などと少数の効果を喧伝しているだけです。保険診療になっている治療というのは、かなり厳密に効果が測定され効果ありと判断されたものだけです。苦しい言い方になりますが、そのような治療を受けるのは「がん治療のために高額なツボを買った」くらいの効果しかないと私は考えています。
・しかし、主治医から「もう使える薬は無い」と言われた時に必死で治療法を探す患者さんのお気持ちは痛いほどよく分かります。そういう時って、患者さんやそのご家族は「お金はいくらかかっても構わない」とお考えになります。そして、その感情に付け込んで荒稼ぎをしている業者がいるのもまた事実です。
・ですから悩んだ時には、主治医やがん相談支援センターなどで相談してみてはいかがでしょうか。がん相談支援センターはこちらから探すことができます。 以上、がん治療の基礎と最先端を見てきました。がん治療は時々刻々と変わっていきます。私はその治療の一端を担うものとして、研究を進めていきたいと思います。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000038/112800022/?P=1

第三に、前述の近藤 慎太郎氏が12月28日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「「逆流性食道炎」の罹患者数は急激に増えている 患者急増の裏に「ピロリ菌」の存在があった」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・皆さんは焼き肉をガッツリ食べたり、飲んだ後の〆にラーメンを食べたりした翌朝、胸焼けや、みぞおちのもたれを感じませんか。あるいは最近、ゲップがよく出ませんか。 もしそうだとしたら、それは十中八九、「逆流性食道炎」です。
・逆流性食道炎という病名を聞いたことがある人も多いでしょうし、胃カメラを受けた時、実際にそう診断されたという人もいるでしょう。それぐらい罹患率が高い病気ですし、その増加スピードも尋常ではありません。  私が消化器内科の医師として働いてきたこの20年近くの間に、かつてはそれほどでもなかった罹患率がグングン伸び、今や実にメジャーな病気になってしまいました。 
・10年くらい前の報告で「逆流性食道炎の罹患率は人口の20%以上」と推定されていましたが、現在の私の実感としては、内視鏡所見などを厳密にとると受診者の30~40%が逆流性食道炎と診断されるのではないでしょうか。それくらい、逆流性食道炎は、高血圧や花粉症と並んで新たな国民病といっても過言ではないのです。では、一体どんな病気なのか、しっかり解説いたします。(リンク先にはマンガあり)
▽なぜ逆流性食道炎は急増しているのか
・そのほか、唐辛子系の辛い料理やアンコなど甘いものを食べると逆流するという人もいます。 もちろん、食べてはいけないということではありませんが、これを食べると胸やけが起こりやすいなど心当たりがある場合は、量を控えた方がいいでしょう。 さて、ではなぜ逆流性食道炎は増えているのでしょうか。 かつて日本人はピロリ菌に感染している人の方が大多数を占めていて、萎縮性胃炎を起こすことによって、胃酸の分泌が恒常的に低下していました。そのため、逆流する胃酸自体が少なかったので、逆流性食道炎はほとんど見られない病気だったのです。
・その後、日本の環境が清潔になったことや、胃がんのリスクを下げるためにピロリ菌を積極的に除菌していったことにより、日本人のピロリ菌の感染率は激減し、胃酸の分泌量は正常レベル近くまで戻ってきました。 加えて、食生活の欧米化(高脂肪食)や過食によって、胃酸が非常に活発に分泌される状況になりました。その帰結として、逆流性食道炎が急増してしまったのです。
・逆流性食道炎の症状としては、酸っぱい胃液が上がってくる感じ、胸やけ、胸痛、ゲップ、食欲低下などが挙げられます。また、就寝時に病状が悪化しやすいため、胸焼けによって覚醒してしまうなどの睡眠障害を起こすことがあります。 逆流した胃液が喉を経由して気管に入ってしまい、咳や喘息の様な症状、喉の違和感が生じるケースもかなりあることが分かってきました。
・これらの症状がある場合、普通は呼吸器内科か耳鼻科を受診して、肺や喉をチェックすることになりますが、そこで明らかな原因が指摘できなかった場合は、逆流性食道炎の可能性を考慮する必要があるのです。 以上のように、逆流性食道炎が引き起こす症状は多岐にわたり、食事や睡眠、呼吸に悪影響を及ぼすので、QOL(Quality of life 生活の質)を落としてしまいます。
▽逆流性食道炎は食道がんのリスクを上げる
・ここでもしかすると、「でも多少調子が悪くてもなんとかなるし、そこまで気にしていない」という方もいるかもしれません。 確かに誰しも膝や腰が痛いとか、肩こりがひどいとか、アレルギーがあるとか、多少の体の不調とは折り合いをつけて日々を過ごしています。ただし、逆流性食道炎に関してはそれらと同列に扱わず、もっと真剣に向き合った方がいいのです。
・というのも実は、逆流性食道炎は医療者の間で、非常に問題視されるようになってきています。それはなぜかというと、逆流性食道炎が食道がんのリスクを上げるからです。 ここで、肩すかしと感じた人もいるかもしれません。もちろん、がんのリスクを上げるものは、ほかにもたくさんあります。今までも解説してきた通り、タバコは肺がん、ピロリ菌は胃がん、アルコールは肝臓がんのリスクを上げます。逆流性食道炎が食道がんのリスクを上げると言っても、ことさらに驚くようなことではないかもしれません。
・ただし、ここで医療者が問題だと感じているのは、「ピロリ菌の除菌が逆流性食道炎を惹起しやすい」ということが明らかになってきたからです。 ピロリ菌を除菌すれば胃の粘膜が元気になって、胃酸の分泌が今までよりも活発になるので、逆流性食道炎を起こしやすくなる。つまり医療者は、「胃がんのリスクを減らそう」と思って今までピロリ菌を除菌し、その結果、実は「人為的に食道がんのリスクを上げていた」可能性があるのです。
・ほかならぬ私自身も医療者の一人であるため、この問題に踏み込むことには多少の戸惑いを感じずにはいられません。しかし、もちろん避けては通れない非常に重要な問題なので、次回詳しく解説いたします。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/091200163/122600016/

第一の記事で、 『偽造品には、定められた薬効成分が含まれないものが多々ありますし、不純物(タルカムパウダー、塗料、印刷用インクなど)や、ED治療には全く関係ない薬物(アンフェタミン、カフェイン、抗生物質など)を含んでいたという報告もあります。効果がないだけではなく、余計な健康被害を起こす可能性まであるのです』、偽造品は男性雑誌で大々的に宣伝されているが、これほど恐ろしいものであるならば、広告を規制するべきだろう。
第二の記事で、 『高いが良いお薬、分子標的薬』、は 『がん細胞が持つ分子レベルのシステムにだけ作用するため、比較的副作用が少なく効果が大きいのです』、と有難い薬のようだ。 『がんというものは自分が生き延びて増殖するためにあらゆる手を打つのです。がん細胞は免疫を担当している免疫細胞という細胞にニセの指令を出し、「あんまり頑張らないでよ」と自分が攻撃されないようにします』、というのは敵ながら手強そうだ。 しかし、分子標的薬は、免疫細胞の指令を受け取る部分(「免疫チェックポイント」)にがん細胞が来られないようにする、というのは、よくぞ考えたものだ。 『異例の薬価引き下げでいきなり50%オフになったオプジーボ』、も適用できるがんの種類が広がっていることを考えれば、値段は今後、もっと下がっていいのかも知れない。 『インターネットで「がん 免疫療法」と入れて検索すると実に多くのクリニックの免疫療法の広告ページが出てきます。それらの多くは科学的根拠のない治療を行っています。科学的根拠がないような治療法は、基本的に自由診療となり全額が自費になり高額です』、というのも酷い話だ。ワラをも掴みたい患者を食い物にするとは、医者の風上にも置けない存在だ。こうした広告も、出来れば規制すべき、なのではなかろうか。
第三の記事で、 『医療者は、「胃がんのリスクを減らそう」と思って今までピロリ菌を除菌し、その結果、実は「人為的に食道がんのリスクを上げていた」可能性があるのです』、というのはなかなか難しい話だ。特に、食道がんの治療は、胃がんよりも難しいといわれるだけに、発生確率も加味して、総合的に考え直す必要があるのかも知れない。
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