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金融関連の詐欺的事件(その8)(スルガ銀事件がもたらすサラリーマン投資家「大受難時代」の実態、動産バブル崩壊を予感させる融資現場の異変 「かぼちゃ」後遺症で銀行が不動産融資にノー、昭恵夫人が登場?ある「投資詐欺捜査」が1年経っても進まない事情 考えられる二つの要因、社外取締役は役立たず? 不正見逃しに怒るTATERU株主) [金融]

金融関連の詐欺的事件については、2月8日に取上げた。今日は、(その8)(スルガ銀事件がもたらすサラリーマン投資家「大受難時代」の実態、動産バブル崩壊を予感させる融資現場の異変 「かぼちゃ」後遺症で銀行が不動産融資にノー、昭恵夫人が登場?ある「投資詐欺捜査」が1年経っても進まない事情 考えられる二つの要因、社外取締役は役立たず? 不正見逃しに怒るTATERU株主)である。

先ずは、スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタントの沖有人氏が2月28日つけダイヤモンド・オンラインに寄稿した「スルガ銀事件がもたらすサラリーマン投資家「大受難時代」の実態」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/195419
・『スルガ銀事件で不動産融資が縮小 投資家はどんな対策を考えるべきか  不動産市況の変わり目は、今考えるとスルガ銀行の書類改ざん事件だった。事件の後、地銀を中心に個人に対する不動産融資の潮目は拡大から縮小に向かった。金融庁からの締め付けが、今やすべての金融機関に及ぼうとしているからだ。今回の不動産市況反転の主役は金融庁なので、不動産に投資する人はこれを踏まえて対策を考える必要がある。 金融庁がやりたいのは地銀再編である。都市銀行はおおよそ30行が4つのフィナンシャルグループに再編されたのに対して、地銀・第二地銀は100、信金・信組は400もある。金融を取り巻く環境は大手以上に中堅以下で厳しい。今回のスルガ銀不正融資は、金融庁の厳格検査におあつらえ向きの大義を与えたことになる。 不動産は、ローンを組まなければ買えない人が大半だ。だからこそ、不動産投資をする人に対する融資を止めれば、不動産を次に購入する人が買える価格が下がるため、相場が下がることになる。過去に行なわれた最も有名なこの「操作」は、日銀が行ったもので「総量規制」と呼ばれ、1980年代のバブルを終焉させるために実施された。総量規制とは、不動産への融資資金の総量を決めてしまう方法だ』、「総量規制」をしたのは、正しくは日銀ではなく、大蔵省(財務省)。
・『それ以外にも、不動産への資金を止める方法はある。金利を上げることだ。金利を上げると、期待利回りと借入金利との差(これはイールドギャップと呼ばれる)が一定量必要な投資家にとっては、期待利回りを高くして、つまり物件価格が安くなる状況でしか買えなくなる。これを行うのは主に日銀になるが、当面金利が上がる理由はないので、起こることはほぼないだろう。 今回の主役は金融庁だけに、金利などを動かすことはできない。いわゆる口先介入をするわけだが、その論法はローン比率(専門用語ではLTV)で説明できる。 ローン比率とは、物件価格に対するローンの割合を指す。9割なら、頭金を1割用意することになる。これまで9割だったものが8割、7割、6割となっていくと、用意できる頭金が足りない買い手は買えなくなる。たとえば、頭金で1000万円の用意がある人は、ローン比率9割なら9000万円のローンを借りて1億円の物件を購入できる。このローン比率が8割になると、同じ頭金では買える価格は半減し、5000万円になる。7割で3333万円、6割で2500万円という具合に、融資の厳格化は不動産投資にとって「効果覿面」なのだ。 こうして買値が下がっていき、買い手が少なくなることで不動産相場は下落に転じる。これは「銀行あるある」だが、ある日突然融資姿勢が厳しくなることがある。当初「8割融資する」と言っておきながら、口約束が反故にされて「6割になりました」と切り出されるのはよくあることだ。 こうした事情により、今回、投資用不動産への融資は急速に縮小を始めている。当面は資産性がないもの、サラリーマン投資家が手を出しやすい新築・中古のワンルーム投資から規制が厳しくなる。2月より3月、3月より4月と厳しくなっていくはずだ。 そうなると、不動産を保有して売っている事業者はそれらを売れずに価格が下落し、銀行からの返済条件が厳しくなっていき、最終的に倒産に至るケースも出てくるだろう。規模の大きな不動産事業者でも、銀行に貸し剥がしをされたらひとたまりもない。不動産業界では黒字でもキャッシュショートして倒産することが多いし、連鎖的に銀行が再編されることも考えられなくもない。2019年は不動産関連で「受難の大ニュース」が突然飛び込んで来る可能性もあると思っていた方がいい』、スルガ銀行事件をみるまでもなく、投資用不動産は明らかにバブルだったので、調整は必至だ。
・『過度な不安は必要なし 投資向けと自宅向けは違う  しかし、不安ばかりを募らせる必要はない。同じ不動産でも、投資向けと自宅向けは違うのだ。住宅ローンは不動産価格を見ているというよりも、購入者の年収から返済可能かどうかを見ている。それだけ安全債権なのであり、住宅ローンを貸し出す銀行の債権は保証会社によって裏で保証されるなど、リスクフリーになっていたりする。 その点、自宅の住宅ローンは消費者として保護されていると言ってもいい。貸し剥がしにあって自宅を追い出されるようなことはない。自分で売却して住み替えるにしても、住宅ローンの完済が必要なので、頭金以上に値下がりすると売却すらできない。このため、自宅マンションの資産価値は落ちにくい。 実際、リーマンショック後でも新築物件の価格は2割、中古が1割しか下がらなかったのが実情である。100年に一度の金融危機でもこの程度だったので、今回の投資用不動産の下落局面でも、分譲マンション価格の下落はたかが知れていると思われる。 今指摘されていることは、住宅ローンを借りて投資用不動産を手に入れているケースだ。住宅ローンが自宅でない融資に利用されている場合、金融庁は看過しないだろう。こうした手法は規制が厳格化されて、できなくなる可能性がある。そもそも自宅として住むからこそ、低金利になっているのだから』、「住宅ローンを借りて投資用不動産を手に入れているケース」は銀行もそれを承知の上だったのだろう。「自宅マンションの資産価値は落ちにくい」というのは、投資用不動産に比べればということで、下がる時は下がるとみるべきだ。やはり、「不動産コンサルタント」としての筆者の営業トークと考えるべきだろう。
・『投資用物件は早く対応すべき 自分でできることは何か?  では、どうすればいいか。まず、投資用ワンルームを持っている人は損切りになるとしても3月までに売り切ろう。それ以上遅いと手遅れになるかもしれず、ローン完済までキャッシュアウトが続いて苦しむことになる。通常、投資用ワンルームを持っている人は自宅の住宅ローンも厳しいことが多い。ここで売却できれば、自宅も買えるようになるので一挙両得になる。 1棟まるごとのアパート・マンションを持っている人は、再度将来のシミュレーションをしておこう。今後の返済リスクがどの程度あるか、キャッシュフローはどのように変化するかがポイントになる。それらが安定的に推移していくよう、自分ができることは何かを考えよう。物件を組み替えるには時間がないので、持ち続けられるか、切り離すならどれか、それはいくらならいいか、といったことを判断することになる。 自宅を持っている人は慌てないことだ。不動産でも投資と自宅は全くマーケットが異なる。対岸の火事に慌てて売り急ぐ人が増えると、相場自体の軟調に拍車をかけることになりかねない』、これについては、概ね妥当なアドバイスだと思う。

次に、3月18日付け東洋経済オンライン「不動産バブル崩壊を予感させる融資現場の異変 「かぼちゃ」後遺症で銀行が不動産融資にノー」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/271322
・『「アパート用地をお売りできます。ご興味ありませんか。これまで土地を買ってくれていた会社がアパート建設から撤退して、残っているのです」 西日本のアパート建設業者に数カ月前、不動産業者から電話が入った。電話を受けた担当者は難色を示した。「経営環境が厳しいのはウチも同じ。アパートの購入希望者を見つけても銀行からの融資を受けられず、販売できない。昨年からですね、ここまで風向きが変わったのは」。 3月18日発売の『週刊東洋経済』は「不動産バブル崩壊前夜」を特集。2018年は投資用不動産業界にとって悪夢のような1年だった。上期はシェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズが破綻。土地の販売業者などと結託し、無茶な利回り想定など不適切な手法で個人投資家に物件を販売していた。下期は東証1部上場のアパート建設会社TATERU(タテル)の融資書類改ざんが発覚。預金残高を水増しし、銀行から不正に融資を引き出していた』、「投資用不動産業界にとって悪夢」は、銀行の姿勢慎重化で、これからさらに酷くなる可能性がある。
・『アパート建設業者と金融機関のいたちごっこ  これらの事件を経て「不動産業者に対する金融機関の姿勢は急に厳しくなった」(前出のアパート建設業者)。都内の信用金庫幹部は言う。「昨年後半から、今まで付き合いのなかった不動産業者が物件を持ち込んでくることが増えた。地方銀行が一斉に手を引いたため、うちにすがりついてきたようだ」。銀行・信金によるアパートローン(個人による貸家業向け貸し出し)の新規融資額は16年をピークに右肩下がりになっている。 投資家への融資が実行されなければ、物件が在庫として残り、資金を回収できないため、不動産業者は必死だ。冒頭のアパート建設業者は、「融資が受けられるように物件価格を値下げした。その差額はこちらがかぶった」とこぼす。物件価格を下げれば融資の必要額を減らすことができるし、利回り(=賃料収入÷物件価格)もアップして、金融機関から融資を引き出しやすくなる。 だが、いたちごっこ。金融機関も融資のハードルを一段と引き上げている。前出の信金幹部は、「案件がたくさん持ち込まれるようになってから、融資条件を引き上げた」と明かす。従来アパートローンは、物件価格の1割の頭金があれば融資していたが、2割に引き上げたのだ。 「簡単に融資を承認すると、『あそこなら融資が受けられるぞ!』という話が業界内で広まり、どんどん案件が持ち込まれてしまう。不動産業界向け融資の比率を高めるとリスク管理上問題があるので、いい案件に絞って融資するようにしている」(信金幹部)。東海地方が地盤の地銀も、融資に当たってのストレステスト(健全性審査)の条件を厳しくした。 「そこまでするのか」。不動産投資家の依田泰典氏は、横浜銀行の担当者の話に思わず声を上げた。同行は昨年10月から自己資金確認書類の提出を厳格化した。TATERUの不祥事発覚から1カ月後のことだ。 横浜銀行によると、不動産融資の際、これまでは預金通帳のコピーでよかったが、原本の提出も義務づけた。ネットバンキングなら複数人で画面を確認し、確認時の日付を記録することをマニュアルとして定めたという』、横浜銀行の対応は、これまでのズサンさを是正しただけなのに、不動産投資家は不満のようだ。
・『融資手続きを厳格化 法人スキームにもメス  ほかの地銀でも手続きの厳格化が進む。業者や投資家から「融資を受けやすい」と評されるオリックス銀行でさえ、昨年後半から「表明保証」という新たな手続きを取っている。顧客の提出書類について、原本の写しと相違ないと顧客が署名捺印のうえ表明し保証する文書の提出を義務化したのだ。 手続きの厳格化だけではない。「りそな銀行が一部の投資家にローンの返済を求めているようだ」。今年に入り、不動産投資家の間でこんな噂が駆け巡った。 一部の投資家とは、「1法人1物件スキーム」と呼ばれる手法を用いている投資家のこと。購入したい物件ごとに法人を設立し、各法人が融資を受ける。投資家個人の信用情報には借り入れが記載されないため、より多くの融資を引き出せ、資産規模を一気に増やす方法として広まった。 法人を複数設立して融資を引き出すこと自体は違法ではない。問題なのは、複数の法人を設立して融資を受けているにもかかわらず、金融機関にはポートフォリオ全体の状況を伝えていない場合だ。金融機関が確認できるのは融資を求める法人が保有する資産のみ。収益性に難のある物件をほかの法人が保有していても見破るのは難しい。「確定申告書や投資家へのヒアリングなどで保有資産を調べはするが、すべてを把握することはできない」(首都圏の地銀幹部)。 当のりそな銀行の幹部は、「1法人1物件スキームを用いている投資家に対して、昨秋から『資産の全体を見せてください』と厳格に言うようにした」と認める。全体を見せてもらったうえで、信用が悪化している人に対しては今までよりも高い金利や融資の返済を求めたりすることがあるという。 同スキームについてはりそな銀行以外の金融機関も調査を始めている。信金幹部は言う。「合同会社からの申し込みにはとくに気をつけている」。同スキームの法人は合同会社として設立されることも多い。株式会社より設立時や設立後の費用が安く済むからだ。この信金が調べた中では、1人で10の合同会社を設立して不動産投資を行っている人がいた』、「1法人1物件スキーム」とは初耳だが、そこまで融資姿勢を積極化していたことに、改めて驚かされた。
・『金融機関が融資姿勢を厳格化している背景には、金融庁の動きもある。「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査」──。昨年10月下旬、金融庁は全国の金融機関にアンケートを送付した。1棟建てのアパートやマンションなどの融資実行額、件数、債務者数、貸し出し利回りなどを事細かに記載させる。 とくに全42問中33問を割いて聞いたのが、「1棟建てアパート・マンション・シェアハウスなどの土地・建物双方を購入するための融資」に関するもの。金融庁が問題視していることが伝わってくる。「立地や賃料水準から見て不動産価格が妥当かどうか検証しているか」「空室・賃料減のリスクを債務者に説明しているか」などと質問し、「融資姿勢に問題がある金融機関を巧妙にあぶり出そうとしている」(金融機関関係者)。 金融庁はアンケートの回答に加え、投資用不動産向け融資について議論が行われた取締役会や経営会議の議事録の提出も求めた。全国各行から回収したアンケート結果を基に、「個別ヒアリングを検討中」(金融庁)だ』、金融庁は従来から問題に気付いていた筈だが、これだけ問題が拡大した以上、厳しい対応をせざるを得ないようだ。
・『「不動産は買い時」 投資意欲はまだ強い  金融機関の融資姿勢は厳格化しているが、足元で不動産投資に対する意欲は衰えていない。1月、東京ビッグサイトで開催された「資産運用EXPO」。アパートやマンションなど投資用不動産のブースには説明を受ける個人投資家が連なり、セミナーも満席が相次いでいた。不動産仲介大手の野村不動産アーバンネットが同じく1月に会員に対して実施したアンケートでも、4割近い投資家が「不動産は買い時だ」と答えている。 恐怖シナリオとしてチラつくのが、1990年に大蔵省(当時)が金融機関に発した「総量規制」のようなことが再び起きるのか、ということ。地価上昇が続く中で、不動産向け融資の伸び率を全体の伸び率以下に抑制するよう通達した結果、融資が急縮小、不動産や株の価格が下落し、平成バブルの崩壊につながった。 しかし、今の金融庁はアンケートやヒアリングを通じて金融機関に注意を喚起してはいるものの、融資量についての制限までは指示していない。「量の規制は民間部門への過剰介入になりかねず、金融庁が踏み込むことはないだろう」(金融機関関係者)というのが大方の見方だ。 アパートローンなど不動産への新規融資はすでに減速している。また、物件価格高騰に伴うリスク増大で金融機関は、不動産向け融資に一層慎重になる可能性がある。金融庁による規制強化がなくても総量規制時に近い金融収縮や、そこからのバブル崩壊が起きかねない状況にある』、「投資意欲はまだ強い」ようだが、前回の不動産バブル崩壊時も当初は余熱が残っていたことを考えると、萎縮に転じるのも時間の問題だろう。

第三に、ジャーナリストの時任 兼作氏が3月19日付け現代ビジネスに寄稿した「昭恵夫人が登場?ある「投資詐欺捜査」が1年経っても進まない事情 考えられる二つの要因」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63382
・『スキームも背後関係も似ている  被害者1万3000人、被害額460億円という「テキシアジャパンホールディングス」による巨額投資詐欺事件が2月に立件され注目される中、いま別の大型投資詐欺事件に、警視庁が頭を痛めているという。 「ロゼッタホールディングス」なる会社による事件のことだ。 同社は2013年2月、傘下に株式会社Shunkaという会社を設立し、「中高年の富裕層女性の社交サークル」と銘打った「春華乃会」(その後「Hana倶楽部」に改称)を主催。 様々なイベントなどを通じて女性の会員を募り、高配当と元本保証を謳って会員契約を結ばせ、ロゼッタに投資させていたが、2018年1月に経営破綻。債権者から東京地裁に破産を申し立てられ、破産手続開始決定を受けたのである。 ロゼッタは5年の間に、およそ1万人の会員から300億円の投資資金を集めた。しかし、その大半は消失。同年6月に開かれた債権者集会では、破産管財人の弁護士が「換価可能な資産は現金18万円あまり」と報告。それ以外は見つかっていないと述べた。 この事件について、警視庁捜査関係者が語る。 「テキシアと類似の詐欺事件と言える。しかも、詐欺のスキーム作りや資金の運用などで関わっている人物が、テキシアと重複している。その点からしても、悪質さは同様だ」 詳しく話を聞いてみると、テキシアが行っていたダイヤモンドや仮想通貨を名目とした投資に参画していた人物が、ロゼッタの投資商品にも深く関与していたことがわかった。外形といい、事件の背後で蠢く面々といい、テキシア事件と酷似しているわけである。 だがロゼッタには、同社が破綻してから1年あまりが経った今になっても、警察が摘発に踏み切れない事情がある。同関係者はこう打ち明ける。 「(詐欺事件を担当する)警視庁二課は鋭意、捜査を進めている。だが、実はそこに安倍(晋三)首相の妻・昭恵さんという『問題』が立ちはだかっている。官邸を配慮する上層部がいるため、事件化しにくい」 「Hana倶楽部」が会員向けに発行していた季刊雑誌『Brilliant』の2014年夏号に昭恵夫人が登場していたことは、昨年週刊誌で報じられ一時話題になった。 実際に見てみると、「今、世界で輝き続けるブリリアントレディ スペシャルインタビュー~再び、ファーストレディになって想うこと~」と題して、「私は総理大臣の一番近くにいる存在。皆さんの声を直接届けられる、国民の代表だと思っています」「過去には後悔することもたくさんあるし、未来を考えれば不安もある。だから過去や未来にとらわれず、今を幸せに生きるのが一番ではないでしょうか」などと語っていた。 まるでロゼッタの広告塔だ。事実、この記事を見て出資を決めた会員もいたという。 もっとも、この雑誌には、鳩山由紀夫元首相の妻・幸夫人やファッションデザイナーの桂由美氏らも登場している。その意味では、昭恵夫人もそうしたセレブリティの一人に過ぎないが、「やはり、現役の首相夫人である昭恵さんはわけが違う」と同関係者は言う』、こんな悪質な投資詐欺事件に昭恵夫人が登場するとは、「脇の甘さ」は人並み外れているようだ。野党は何をしているのだろう。
・『動きが取れない…?  一方、官邸筋もこう語る。 「安倍首相や官邸を気遣う向きは、捜査権を持つゆえに政権からの独立性が確保されているはずの警察においても、いまは非常に強い。警察庁出身の内閣官房の重鎮が、警察庁の現役幹部と連携し、さながら茶坊主のように火消しや情報収集に走り回っている」 いわゆる「忖度」は、幹部人事が内閣人事局に掌握され、政権の意向が色濃く反映される官僚だけでなく、いまや警察にも蔓延しているようだ。この人物は以下のような具体例を列挙した。 +元TBS記者事件: 2016年6月、安倍首相をはじめ菅義偉官房長官らとも親交のあったTBSの元記者が、フリーの女性ジャーナリストに薬物を飲ませた上、レイプしたとして準強姦の容疑で逮捕状を請求された。その執行直前に、かつて菅官房長官の秘書官を務めた警察庁の中村格官房長(当時は警視庁刑事部長)が執行停止命令を下したと週刊新潮が報じ、「政権への忖度ではないか」と物議を醸した。同誌の報道では、元記者が北村滋内閣情報官に相談のメールを入れていたことも報じられている。
+マイナス金利:安倍政権の看板政策であるマイナス金利に関連して、2016年2月に開かれた国家公安員会の席上、「こうした(マイナス金利の)状況になると、利殖名目の詐欺などが起こりかねない」「いまでさえ振り込め詐欺のような金融犯罪が多発し、多くの国民被害が出ている以上、こういった観点からの警戒も必要では」などとの指摘がなされ、犯罪防止のために警察庁として広報することになったが、その直後、「アベノミクスのイメージを棄損しかねない」という理由から中止になった。
+前川事件:「加計学園問題」で安倍首相に不利な発言をした前川喜平元文部科学省次官についての情報を内閣官房が収集して、官邸に報告。2017年5月、菅官房長官はそれをもとに、前川氏が売春などの温床となっていると言われる東京・新宿の『出会い系バー』と呼ばれる飲食店に出入りしていたと記者会見で批判。また、この情報は会見以前に読売新聞にもリークされたとされる。
+東京新聞問題:記者会見で菅官房長官と熾烈な争いを繰り広げている東京新聞の女性記者についての情報収集を2017年6月以降、内閣官房が行い、それを官邸に報告している。
+田畑議員事件:2019年2月、自民党の田畑毅議員が、泥酔して意識を失った女性に対して性行為に及んだとして準強制性交等罪の容疑で告訴されたが、その直後、警察庁の中村格官房長が官邸を訪れ、状況報告などを行ったとされる。
 ことほど左様、警察から政権への“忖度”は蔓延しているというのだ。 「こうなると、現場は上から頭を押さえつけられているようなもの。動きが取れないだろう」 官邸筋は、ロゼッタの捜査についてもそう語った』、マイナス金利の広報自粛は初耳だが、ここまで警察が“忖度”しているとは、警察の「政権からの独立性」は画に描いた餅で、法治国家の名を汚すものだ。
・『また囁かれる「警察と犯罪者の癒着」  他方、警視庁の別の捜査関係者は、「捜査を困難にしている要因は、ほかにもある」と明かすのだった。 「実は、ロゼッタと癒着していた警視庁の捜査員が複数いた。内偵の過程で判明し、現在は本庁から所轄署に出されているが、それで問題が解消されたわけではない。いまだ捜査情報が耳に入ることもあり、それが相手方に漏れる危険性がある。 それに加えて、立件すれば、こうした癒着問題が露見し、警視庁が泥をかぶるのは必定だ。捜査が進捗しないのは、そうした不都合があるからだ」 また汚職である。元警察官らが事業に関与していたため、捜査が遅れたテキシア事件と、ロゼッタの事件はこの点でも類似している。いったい何度、同じようなことを繰り返すのか。 「被害額300億円、被害者数1万人といえば、1万3000人から460億円をだまし取ったテキシアに匹敵する規模だ。テキシアを摘発しながら、こちらはやらないと言うのは具合が悪いのだが……」(同捜査関係者) 警察と犯罪者の癒着や、政権への忖度で捜査が左右されるようであれば、もはや警察は公正な捜査機関たりえない。自浄の道は残されているのか――』、「忖度」だけでなく、警察自体が犯罪者との癒着という不都合を抱えているとは、いい加減にしてもらいたいものだ。

第四に、3月27日付け日経ビジネスオンライン「社外取締役は役立たず? 不正見逃しに怒るTATERU株主」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/032700192/
・『アパートの施工・管理を手がけるTATERUが3月26日に開いた株主総会は、株主たちの不満の声が相次いだという。昨年8月にアパート建設希望者に対する融資資料を社員が改ざんしていたことが発覚。これ以降、業績は悪化、足元の株価は1年前の10分の1の水準に低迷しているのだから無理もない。 同社は不正発覚を受け、昨年9月に弁護士などで構成する第三者委員会を設置。同12月にまとめた調査結果報告書によると、預金残高を水増ししたり、他人の預金通帳の写しを顧客のものとして金融機関に提出したりするなどして、融資に通りやすくしていた。こうした改ざんは350件にのぼり、社員31人が関与していた。 不正の横行が明らかになった状況で開かれた今回の株主総会。出席した株主によると、「常勤の監査等委員の設置を求める」との声が出たという。同社で監査・監督の役割を担うのは3人の社外取締役が務める監査等委員。3人とも他の企業の社外監査役や社外取締役を兼ねており、これではTATERUをしっかり監査・監督できない、との不満があるようだ。 そもそもTATERUは「監査等委員会設置会社」と呼ばれる会社形態だ。2015年の会社法改正で導入されたもので、3人以上で構成する「監査等委員会」が経営をチェックする仕組み。委員の過半を社外取締役にすることが求められており、TATERUでは3人の委員がいずれも社外取締役と、独立性の高い体制を整えていた。それでも、不正は見逃されたことになる。 企業統治の強化が求められる中、取締役会で投票権を持たない監査役を置く「監査役会設置会社」から、監査等委員会設置会社に移行する上場企業は増えている。日本取締役協会の調べでは、2018年8月時点で東証1部上場企業のうち513社が移行、全体の4分の1を占めている。 会社の意思決定に外部の見方を取り入れ、ガバナンスの透明性を確保する役割が期待される社外取締役。今秋の臨時国会に提出される見込みの会社法改正案では、上場会社や非上場の大会社を対象に社外取締役の設置を義務付ける方向だ。 だが、カタチを整えても、中身が伴わなければ、不正は防げない。TATERUの株主が提起したように、常勤の取締役がいれば、チェック機能が働くかは分からないが、社外取締役ありきのガバナンス論に一石を投じたのは確かだろう』、「常勤の取締役」がいても、監査等委員だけでなく、営業推進などの責任を担っていれば、独立性は期待できない。むしろ、監査役会設置会社で常勤の監査役を置く方が、はるかに独立性が期待できるだろう。 
タグ:立件すれば、こうした癒着問題が露見し、警視庁が泥をかぶるのは必定 横浜銀行 融資手続きを厳格化 法人スキームにもメス 監査役会設置会社で常勤の監査役を置く方が、はるかに独立性が期待 監査・監督の役割を担うのは3人の社外取締役が務める監査等委員。3人とも他の企業の社外監査役や社外取締役を兼ねており、これではTATERUをしっかり監査・監督できない、との不満 「常勤の監査等委員の設置を求める」との声 足元の株価は1年前の10分の1の水準に低迷 株主総会は、株主たちの不満の声が相次いだ 「社外取締役は役立たず? 不正見逃しに怒るTATERU株主」 日経ビジネスオンライン 政権への忖度で捜査が左右されるようであれば、もはや警察は公正な捜査機関たりえない 元警察官らが事業に関与していたため、捜査が遅れたテキシア事件と、ロゼッタの事件はこの点でも類似 ロゼッタと癒着していた警視庁の捜査員が複数いた また囁かれる「警察と犯罪者の癒着」 田畑議員事件 東京新聞問題 被害者1万3000人、被害額460億円という「テキシアジャパンホールディングス」による巨額投資詐欺事件が2月に立件 前川事件 マイナス金利 警察庁出身の内閣官房の重鎮が、警察庁の現役幹部と連携し、さながら茶坊主のように火消しや情報収集に走り回っている 元TBS記者事件 いまや警察にも蔓延 「忖度」 政権からの独立性が確保されているはずの警察 動きが取れない…? まるでロゼッタの広告塔だ 「Hana倶楽部」が会員向けに発行していた季刊雑誌『Brilliant』の2014年夏号に昭恵夫人が登場 ロゼッタには、同社が破綻してから1年あまりが経った今になっても、警察が摘発に踏み切れない事情がある 安倍(晋三)首相の妻・昭恵さんという『問題』が立ちはだかっている 悪質さは同様だ 詐欺のスキーム作りや資金の運用などで関わっている人物が、テキシアと重複 個別ヒアリングを検討中 5年の間に、およそ1万人の会員から300億円の投資資金を集めた 様々なイベントなどを通じて女性の会員を募り、高配当と元本保証を謳って会員契約を結ばせ、ロゼッタに投資させていたが、2018年1月に経営破綻。債権者から東京地裁に破産を申し立てられ、破産手続開始決定を受けたのである 「中高年の富裕層女性の社交サークル」 過度な不安は必要なし 投資向けと自宅向けは違う 「ロゼッタホールディングス」なる会社による事件 スキームも背後関係も似ている 「昭恵夫人が登場?ある「投資詐欺捜査」が1年経っても進まない事情 考えられる二つの要因」 現代ビジネス 時任 兼作 「不動産は買い時」 投資意欲はまだ強い 「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査」 金融庁の動きも 1人で10の合同会社を設立して不動産投資を行っている人がいた 「1法人1物件スキーム」 自己資金確認書類の提出を厳格化 アパート建設業者と金融機関のいたちごっこ 下期は東証1部上場のアパート建設会社TATERU(タテル)の融資書類改ざんが発覚 上期はシェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズが破綻 2018年は投資用不動産業界にとって悪夢のような1年 「不動産バブル崩壊を予感させる融資現場の異変 「かぼちゃ」後遺症で銀行が不動産融資にノー」 東洋経済オンライン 投資用物件は早く対応すべき 自分でできることは何か? 住宅ローンを借りて投資用不動産を手に入れているケース 2019年は不動産関連で「受難の大ニュース」が突然飛び込んで来る可能性もあると思っていた方がいい スルガ銀不正融資は、金融庁の厳格検査におあつらえ向きの大義を与えたことになる 口先介入をするわけだが、その論法はローン比率(専門用語ではLTV)で説明できる 「総量規制」 金融庁がやりたいのは地銀再編 スルガ銀事件で不動産融資が縮小 投資家はどんな対策を考えるべきか 「スルガ銀事件がもたらすサラリーマン投資家「大受難時代」の実態」 ダイヤモンド・オンライン 沖有人 (その8)(スルガ銀事件がもたらすサラリーマン投資家「大受難時代」の実態、動産バブル崩壊を予感させる融資現場の異変 「かぼちゃ」後遺症で銀行が不動産融資にノー、昭恵夫人が登場?ある「投資詐欺捜査」が1年経っても進まない事情 考えられる二つの要因、社外取締役は役立たず? 不正見逃しに怒るTATERU株主) 金融関連の詐欺的事件
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