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働き方改革(その23)(育休世代 vs.専業主婦前提社会 対談3題:不都合だらけ「強制転勤」はこうして撲滅できる どんどん声を上げていくしかない、「望まない全国転勤」を廃止した会社の秘密 会社側は"失うものの大きさ"を考えるべきだ、夫たちが「育休よりも時短」を取るべき深い理由 育休を3回取ったサイボウズ社長が語る) [経済政策]

働き方改革については、9月21日に取上げた。今日は、(その23)(育休世代 vs.専業主婦前提社会 対談3題:不都合だらけ「強制転勤」はこうして撲滅できる どんどん声を上げていくしかない、「望まない全国転勤」を廃止した会社の秘密 会社側は"失うものの大きさ"を考えるべきだ、夫たちが「育休よりも時短」を取るべき深い理由 育休を3回取ったサイボウズ社長が語る)である。

先ずは、9月18日付け東洋経済オンラインが掲載した フリーランスライター・編集者の横山 由希路氏の司会による対談「不都合だらけ「強制転勤」はこうして撲滅できる どんどん声を上げていくしかない」を紹介しよう(Qは司会者の質問)、略歴の紹介は省略。
https://toyokeizai.net/articles/-/302382
・『日本企業特有の「メンバーシップ雇用」から起こる無制限な転勤、家族の両立困難。いったいどう解決すればいいのか。そもそも「男性育休」はなぜ”炎上”するのか。 ジャーナリストで『なぜ共働きも専業もしんどいのか主婦がいないと回らない構造』の著者である中野円佳さん、自身も育休を3回取得したサイボウズ社長の青野慶久さん、元ギャップジャパン人事責任者で現在はFunleash CEO兼代表取締役として企業の人事問題に数多く取り組む志水静香さんが、令和にふさわしいハッピーになれる働き方について3回にわたって語った』、いずれも第一人者による対談とは、興味深そうだ。
・『自ら「駐在妻」になって見えた転勤問題  Q:中野さんは旦那さんの転勤に家族全員が付いていき、シンガポールで「駐在員の妻」の立場になった経験があります。本書タイトルにもある「主婦がいないと回らない構造」について簡単に教えてください。 中野円佳(以下、中野):私は新聞社での勤務後、会社員や研究をしつつジャーナリストとして発信を続けていたところ、2年前に夫の転勤先であるシンガポールに家族で付いていくことになりました。そこで専業主婦の期間を私自身、初めて経験し、国内外含め、転勤であちこち移動されているご家族と触れ合う機会が増えました。このことが、専業主婦を前提とした仕組みの問題について書くきっかけになりました。 転勤問題や男性が育休を取りにくい現状は、日本社会が専業主婦にいろいろと任せてしまったことから発生しているものだと思います。日本の男性に多い長時間労働や終身雇用といった「無限定な働き方」は、家庭で女性が支えているから可能になっている。また子どもの教育に関しても、女性によって支えられる構図が前提となっています。 Q:実際に海外転勤を命じられたご家族で、どんな困り感が生じているか教えてもらえますか。 中野:労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、国内転勤で赴任1週間前、海外でも赴任1カ月前の辞令がザラにありました。転勤辞令が下るのは、本当に直前だということです。 海外赴任ですと、単身赴任、家族帯同、家族が半年ほど遅れて行くなどのパターンがありますが、いずれも夫婦共働きですと家族に大きなコンフリクトが生じます。では単身赴任でいいじゃないかという意見もあると思いますが、例えば妻と子が日本に残った場合、完全に育児をワンオペで回さなければならない。それまで夫が朝は保育園に連れていき、妻が保育園からピックアップするなど何とか2人でやり繰りしていたのが、急に行き詰ってしまう。 家族帯同となった場合は、付いていく側が現在の会社を辞めなくてはいけなかったり、辞めて現地で仕事をしようにも、とくに海外はビザの問題も絡むため「夫の会社ブロック」があったりして、なかなか働くこともできない。付いていく側のキャリアが完全にブランクになる問題が頻発しています』、「日本の男性に多い長時間労働や終身雇用といった「無限定な働き方」は、家庭で女性が支えているから可能になっている。また子どもの教育に関しても、女性によって支えられる構図が前提となっています」、その通りだ。
・『帯同先でのリモートワークを認めるケースも増えてきた  Q:今の話ですと、基本的に男性の転勤が前提ですが、逆に女性が転勤するという事例もありますね。 中野:今までは男性が転勤すると、配偶者が同行せずに単身赴任するか、配偶者が同行するために退職するか、もともと無職かのパターンが多かった。ところが最近は、配偶者は同行せずとも子どもが帯同するケースもあります。パパを日本に置いて、ママが子どもを連れて海外に出る、あるいは事例は少ないですが逆パターンもありますね。 会社の制度も変わりつつあり、配偶者帯同休暇や再雇用制度を設ける会社や、帯同先でのリモートワークを認める場合もありますね。 青野慶久(以下、青野):リモートワークの話、サイボウズの中ではホットトピックですよ。サイボウズは働くお母さんが多いのですが、よその会社にお勤めの旦那さんの強制転勤が多くて、毎年、何人も相談があるんです。 中には休職するケースもありますが、サイボウズでここのところはやっているのがリモートワーク。最近の事例ですと、イタリアのナポリで在宅勤務を始めた社員がいます。「今、ナポリのカフェで書いています」なんて報告を書いてきて。東京勤務の社員がそれを見て「いいな?」って。 中野・志水:いいですね(笑)。 青野:むしろ要望がある時こそ、会社はチャンスです。イタリアの時間帯で働くということは、日本の時間帯でできないことができるようになるわけです。われわれはクラウドサービスを提供する会社なので、24時間体制を作る方が会社にとってもメリットがあります。 もう1つは給料をどうするかという問題です。社員の人生の変化により、働ける時間や提出できる成果物が変わったり、職種転換の必要性が出たりしたら、会社が給料を柔軟に見直すことです。あらかじめ給料を柔軟に変える制度にしておけば、リモートワークで働いた分の報酬を渡せばいいだけなので、双方ハッピーですよね。でも給料も年功序列で固定的な従来の会社だと、この働き方は難しくなってしまいますよね』、「パパを日本に置いて、ママが子どもを連れて海外に出る」、こんなケースがあるとは驚かされたが、ママが1人で海外で子どもの面倒をみながら、勤務するのは大変なハードワークだろう。
・『会社の内側から声をあげる必要性  Q:今年起きた強制転勤の大きなトピックといえば、6月のカネカ問題でした。皆さんはカネカ問題をどう捉えましたか? 青野:カネカの前に1つ面白い話があって。3月に放映されたNHKの『クローズアップ現代+』に、私がゲストで呼ばれたんです。タイトルが「“転勤”が廃止される!? 働き方の新潮流」で、テーマが強制転勤。私はできるだけ番組の都合の悪い場面で、「NHKは強制転勤をやっているじゃないですか」と問題提起しようと思っていたのです。 いざ番組が始まると、メインキャスターの武田真一アナがいきなりフリップを出してきて、「私は熊本出身で、熊本で妻と働いていましたが、私が松山放送局へ異動になると、妻は仕事を辞めることになりました」と、自分の強制転勤の歴史を語りだした。横で聞いていて、私は涙が出そうで……。 おそらく意図としては、内部、つまりNHKの経営に対して問題提起したいのが半分、あとはNHKという団体の都合の悪いことを番組で言える雰囲気になってきたことが半分だったのではと思います。NHKの番組でここまでできるって、ちょっとすごいですよね。ここまで来れば、社会がもう一押し。もっと押していけばいいと思うんですよ。 奥さんがツイッターで転勤問題を告発して話題になったカネカ(注)の元社員の方も勇気が要りましたよね。これからは強制転勤で納得いかなければ、どんどん発信すればいいですよ。もしくは辞めてしまう。強制転勤に対する一人ひとりの動きがあれば、いずれ制度としてなくなるのではという手応えを個人的に感じます』、(注)6月にカネカが、夫が育休から復帰後2日で、関西への転勤辞令が出た。引っ越したばかりで子どもは来月入園。何もかもありえない。不当すぎるーー」との妻の痛切な叫びが、SNSで炎上し議論を呼んだ。
・『中野:納得できないことがあったら会社を辞める。しかもSNSで発信されて、誰も文句が言えないというパターンが今回出てきた。企業側も強制転勤を続けていると、優秀な人材が辞めていなくなる可能性がある。カネカはいい事例でしたね。 志水静香:私は長らく人事の仕事をしていますが、人事部をもっと頼っていいと思います。残念ながら人事の人たちは普段、社員の方々と直接話す機会が少ないんです。人事のほうから全社員に接触するにも限界があるので、何か問題があれば、社員の皆さんが懸念事項を発信して、人事とやり取りを行うといいと思います。 皆が皆、青野さんのような理解のある経営者ではないと思いますが、「社員が財産」と考える経営者もたくさんいます。だから経営者たちに、「強制転勤がいかに社員にとって不都合なことなのか」「強制転勤は自分が生き生きと働くために問題がある」と社員が言っていかないと。そういう一人ひとりの社員の動きが、会社、そして社会を動かすと思います。 中野:声を上げる方が出てきたことは、どんな事例であれいいと思います。会社側も古い体質を維持しながらも、代替案を提示するケースなども出てきていますね。 最近取材した女性は海外にお住まいの方でした。旦那さんはその方とは違う会社に勤められていて、夫の海外転勤にあたって帯同したのですが、会社は辞めずに日本からの仕事をリモートで続けています。日本への出張が多く大変そうではありましたが、そういった事例もあります。 大手企業も少しずつ変わり始めています。ある会社では、今まで夫婦を同じ県に配属しなかったそうですが、社内婚の場合は同県配属をする。また配偶者が他社の場合は奥さんの転勤に合わせて、旦那さんが自分の会社に交渉し、奥さんの勤務地と同じ県のグループ会社や関連会社に出向するパターンも出てきています。 でもこういった先進的な事例を企業の方に直接伺うと、外に話を出したがらないんですね。理由は社内で「彼だけ配慮されていてズルい」となるから』、企業が隠すのも分からないでもない。
・『強制転勤を会社からの期待と誤解している層がいる  青野:そういう話こそ、外に対して言ったほうがいいですよね。 転勤でもう1つ面白い話があって、私はもともと1994年にパナソニックに入社して働いていたんですね。私もかれこれ25年ぐらい働いていますから、同期が管理職になってきていまして。多くの人が、強制転勤を経験しているわけです。 同期会などでたまに集まると、「俺、来月から中国転勤になっちゃってさ」と言う人間がいる。でも顔を見ると、微妙にうれしそうなんです。私たち団塊ジュニアより上の古い世代は、強制転勤と言われると、自分は会社に何か期待されているというような大きな誤解をしていたりする。だから強制転勤がなくならない。 強制転勤自体をうれしがる層が、自分より下の人間も同じように喜んでいるんだろうと錯覚している。いやいや、そんなことはないですよ、と。今は昔と家庭環境も事情も変わってきているのだから、強制転勤の辞令を出すと困る人たちもたくさんいますよと。こういうことは、やはりどんどん表で言っていかないといけないと思いますね(次回につづく)』、。「団塊ジュニアより上の古い世代は、強制転勤と言われると、自分は会社に何か期待されているというような大きな誤解をしていたりする。だから強制転勤がなくならない」、大いにありそうな話だ。やがて、「期待されてい」なかったことが分かり、それが広がってゆくには時間がかかりそうだ。

次に、この続き、9月21日付け東洋経済オンライン「「望まない全国転勤」を廃止した会社の秘密 会社側は"失うものの大きさ"を考えるべきだ」を紹介しよう(Qは司会者の質問)。
https://toyokeizai.net/articles/-/302384
・『・・・サイボウズとギャップジャパンの先進的な取り組み  Q:青野さんにお伺いします。前回の鼎談で、イタリアのナポリでリモートワークをされているサイボウズ社員の一例が紹介されました。サイボウズは、転勤についてどういう取り組みをされていますか? 青野慶久(以下、青野):サイボウズも昔は転勤をお願いして、断る権利をメンバーが持っていました。上司が起案して、社員本人が承認する形です。しかしそれでは生ぬるいということで、「働く場所をメンバーが自分で決めるルール」にしました。社員一人ひとりに主体性を持たせるために、働きたい場所を本人が自ら提案する。受け入れ部署がOKをしたら働ける。現在はそういう形に落ち着きました。 おかげで転勤手当がなくなりました。手当を目当てに、転勤を受け入れる社員もいるかもしれないので。メンバーが自立的に働く場所を選ぶと、今までの報酬の仕組みも変わってくると思います。 中野円佳(以下、中野):その形で会社を動かすと、埋まらないポストも出てくると思います。埋まらないポストはどうされているんですか? 青野:例えば、サイボウズは仙台に営業所を作りたかったんですね。営業部長から市場性も上がっているとの報告があったので、「仙台営業所を作るので、行ってくれませんか?」とお願いすると、「嫌です」と。結局半年以上、仙台営業所が立ち上がりませんでした。 つまり「埋まらないポストは埋めない」のです。埋まらないということは、今いるメンバーが行きたがっていないということですから。 無理に埋めたら、誰かが不幸になる。強制転勤をお願いすると、せっかくの人材が辞めてしまうかもしれない。だから「仙台、誰か行ってくれませんか?待っていますよ」と言って、手が挙がるまで待つ。要は人ベースで、配属を決めていくということです』、サイボウズは例外中の例外だろう。
・『変革時に問われるのは「理念」と「姿勢」  Q:志水さんはギャップジャパンで人事責任者をされていた際に、「望まない転勤の廃止」を実行されていました。その時の話を教えてください。 志水静香(以下、志水):ギャップジャパンは、2008年に「望まない転勤の廃止」制度を取り入れました。かつては、ギャップでも2週間前に福岡転勤の辞令を出すなんてことが、ザラにあったわけです。ところが、夫(社員)の転勤に付いていった専業主婦の奥様に体調を崩す、うつなどのケースが出てきていた。このことをきっかけに、「望まない転勤の廃止」制度ができたのです。 ギャップには「オープン・ドア・ポリシー」という制度があります。社員が上司に懸念を伝えて納得いかなかったら、その上の上司に伝える。さらに納得いかない場合は人事に伝えるんですね。私たち人事のところに、転勤について社員の相談案件が上がってきたのもきっかけの1つです。 それで会社が転勤費用をどれくらい払っているのか調べたら、当時ギャップは日本全国に160店舗ほどありましたので、転勤費用はかなり大きな金額でした。経営者側に強制転勤のメリット・デメリットを挙げて説明をしましたが、当初は「社員のわがままではないか」という反発も数多くありました。でも物事を変える際に問われるのは、やはり「企業の理念」であり、「社員にどのように向き合うかという企業の姿勢」なんですね。 中野:ギャップでも「わがままでないか」という反応があったのですね。日本企業は同期を横並びで競争させるようなところがあり、配慮についても社内での公平感を重視しますよね。何のための配属なのか、費用をかけてまで投資したいことなのかという観念があまりない。 志水:人材獲得競争が激しい米国の多くの企業には、「社員が辞めないように会社は努力をしなければならない」という基本原則があります。ギャップにも当然原則があり、「強制転勤をすると、退職率がもっと上がる可能性があります。これだけ多くの社員が不満を言っていますよ」と経営者側にきちんと説明をしていきました。 さらに定量的、定性的な事実を集めるために社員の方と直接話ができる場を設ける。廃止によって今まで強制転勤に使っていたお金もほかのことに使え、社員の満足度も上がるなど、実はいいこと尽くめだったんですね。 ご家族の方が病気になる、介護や小さいお子さんを抱える不安があると、仕事に集中するのが難しくなります。いかに働くうえでの障害を取り除いて、会社で活躍してもらうかという風土がギャップにはありました。 Q:志水さんは2018年に独立をされてから、制度を変えたい企業からのニーズはありましたか? 志水:はい、多くの企業の方からご依頼をいただいています。日本企業の多くは新卒採用が中心で、定年まで働くことが前提である日本型雇用管理システムを取っているため、採用した後に社員が生き生きと働くというところまで、これまではあまり目を配れていなかったんです。 制度や仕組みを変えたいなどの問題意識は、多くの企業が持っています。でもそのためには、一人ひとりの社員の個にフォーカスした仕組み、運用に人事が変えていかなければと私は思っています。中には、すでに社内で変化が出てきた先進的な会社さんもありますね。働き方にパラダイムシフトが起きている時代です。今、いちばん変わるべきは人事なんですよね』、サイボウズ、ギャップジャパンだけでなく、「すでに社内で変化が出てきた先進的な会社さんもありますね」、というのは心強い話だ。
・『青野さん、志水さんが実際に育休を取得して感じたこと  Q:青野さんは育休を3回取られていますが、社内の反応はどうでしたか?また困難に感じたことがありましたら、教えてください。 青野:育休を取るきっかけは、今も文京区長をされている成澤廣修さんでした。2010年、成澤さんは全国の男性首長として初めて育休を取り、ものすごく話題になったんですね。当時、サイボウズは文京区にありましたから、成澤さんに「青野さんも育休を取ってみたらどうですか?」と言われ、私も同じ年に取得してみました。 1人目が生まれてから9年が経ちますが、男性の育休取得はほとんど増えていませんよね。当時1.38%だった男性育休取得率が、今年で6.16%。50%を超えるには、あと50年以上かかるのか……みたいな(笑)。 実はサイボウズの中でも私が取った後、メンバーはあまり男性育休を取りませんでした。強制的に取らせるようなことをしたくないので様子を見ていたら、ここ4?5年で人数が増え、男性育休を取得するのが当たり前になってきました。だから一線を超える風土が社内にできるまでは、じっと我慢かもしれません。 日本人は右に倣えで、男性育休を取らないほうがマイノリティーになった瞬間、皆さん一斉に取りますから。強制転勤と同じように、こちらももう一押し、頑張る必要がありますね。 志水:青野さんがおっしゃったように、組織の中で大体10%を突破すると、何事もワッと加速していくんですよ。だから何か新しいことをやろうとする方が社内で増えてきた時に、後押しする場を人事が作ったり、実際に育休を取られた青野さんのような方が「育休はいいものだよ」と話す機会を増やしたりしていく。そうすれば、男性育休に限らず新しい働き方ももっと加速すると思います。 でも、男性も女性も不安は不安なんですよね。職場から少し離れるということに関しては……』、9年前に「1.38%だった男性育休取得率が、今年で6.16%」、「組織の中で大体10%を突破すると、何事もワッと加速していく」、果たして「10%を突破すると、何事もワッと加速していく」のだろうか。
・『真のダイバーシティーへのまず一歩  青野:私は社長でも不安でしたね。2週間、自分が育休を取って戻ってきた時に、社長の座がなくなっていたらどうしよう……と。でもこれは、昭和の男性の思考なんですよ。自分でも取得中に「なぜそんなことを考えているんだ」と思ってしまいました。 志水:これは男性も女性も共通して感じることだと思います。私は出産から3カ月後に会社に戻りましたが、やはり青野さんと同じで「自分のポジションがなくなったら、どうしよう」と怖かったですね。でも、いざ産前休暇に入って会社に連絡してみると、同僚に「来なくて大丈夫だから」「休暇中に電話会議も入らなくていいですから」と言われて、呆気にとられて。 日本は同調圧力が強いですよね。何か人と違う言動をすると、反発が強い。だから実際に男性も女性も育休を取られた方が、失敗も成功もオープンに話せる風土を作ることが大事だと思います。人と違うことをする、人と違うことを言うのが認められる社会。ダイバーシティーは、まずはそこからかなと思います。(次回につづく)』、「実際に男性も女性も育休を取られた方が、失敗も成功もオープンに話せる風土を作ることが大事だと思います」、その通りだろう。

第三に、この続き、9月24日付け東洋経済オンライン「夫たちが「育休よりも時短」を取るべき深い理由 育休を3回取ったサイボウズ社長が語る」を紹介しよう(Qは司会者の質問)。
https://toyokeizai.net/articles/-/302388
・『育休取得よりも会社にも家庭にも評判がいい?  Q:中野さんは現在シンガポールにお住まいです。現地の育児の分担状況について教えてください。 中野円佳(以下、中野):今、娘はローカルの幼稚園に、息子はインターナショナルスクールに通っています。インターにはシンガポール人は通常入れないのですが、多国籍なメンバーが集まっています。お父さんが子どもの行事に来るのは当たり前で、行事には夫婦共にそろって来ていることも多いです。 翻って日本の状況を考えると、日本は仕事の領域に私情を持ち込まない感覚があり、しかもそれが男性に強く働いている。だから男性育休取得以前に、平日に会社を休んで子どもの学校に行ったり、熱が出た子どもを病院に連れて行けたりできる環境が必要だと感じます。 Q:志水さん、外資系の企業での男性育休の取得状況はいかがですか? 志水静香(以下、志水):外資系企業でも男性育休は少しずつ増えていますが、それほど多くはありませんよね。外資系といっても、ビジネスの相手は日本社会ですから。外資系か日本企業かというよりも、結局は個人の選択になってくると思います。 私が勤めていた当時、日本企業の女性管理職比率は3割でしたが、ギャップの女性管理職比率はグローバルで7割くらいでした。女性の上司は夫婦共働きで、ご主人が3年ほど仕事をスローダウンさせて、お子さんの面倒を見ていました。そのほかは、男性も育児休暇を取って子どもを見るケースもありましたね。だから夫婦で話し合って働き方を決めるということが、社の中でごく普通に行われていました。 中野:どちらかが仕事をスローダウンするなど大きく働き方を変えなくても、夫婦間で期間を決めてできることもありますよね。例えば夏休みになると、お母さんは子どもが家にいることが多いので、手間がかかります。その時期だけでも、お父さんも早めに帰れるようにするなどしていけば、夫婦が両輪となって家庭のサイクルを回していけると思うんです。 でも妻がしんどい時期も女性だけに負担が偏り続けていると、夫も長時間労働を続けますから、夫婦共に辛くなってしまうと思いますね』、「夏休みになると、お母さんは子どもが家にいることが多いので、手間がかかります。その時期だけでも、お父さんも早めに帰れるようにするなどしていけば、夫婦が両輪となって家庭のサイクルを回していけると思うんです」、確かにその通りだろう。
・『いちばん評判がよかった短時間勤務  青野慶久(以下、青野):今の中野さんの話で思い出したんですけど、私は育休を3回取ったと言っていますが、実は3回目は育休じゃないんですよ。 3人目の子どものときは、実は短時間勤務をしたんです。上の子2人が保育園に通っていたので、妻から「朝、子どもを送って、帰りに迎えに行って」と言われまして。要は会社を休まなくていいと。その代わり「16時に退社して、16時半には保育園にお迎えに行くのを半年間やって」と。 結果的に、この短時間勤務は妻にいちばん評判がよかったのです。子どもが万が一病気になったとしても、勤務外の時間で病院に連れていけるので、毎日家庭の戦力なれる。また中野さんがおっしゃったような平日に入ってくる子どもの行事にも行けるわけです。 私の場合は、1人目のときに取った2週間の育休でも心理的抵抗があったんです。でも短時間勤務なら会社とのつながりも切れないので自分自身安心できますし、何より会社の人たちも、仕事で何かあった時に社長がまったく会社に出てこないよりは楽ですよね。しかも家庭での評判もいい。 短時間勤務を一度経験しておくと、子どもの突発的な出来事に焦ることなく、短時間で会社を抜けられるようになる。だから男性育休を取得するよりも、実は男性に短時間勤務を試してもらうほうが面白いのではないかと思います』、「男性育休を取得するよりも、実は男性に短時間勤務を試してもらうほうが面白いのではないか」、傾聴に値する考え方だ。
・『「企業対社員」「企業対個人」の関係  Q:公開鼎談のため質問が届いていますので、ご紹介します。「これからの時代は、会社と個人が対等な立場でリソースを提供していかなければいけないと感じています。企業コンサルティングをしていると、会社と社員のパワーバランスでいうと、明らかに社員のパワーの大きいケースがいくつも見受けられました。対等な関係にしていくにはどうしたらいいでしょうか。アドバイスをお願いします」。お三方で、お答えいただけますでしょうか? 青野:・・・ご質問のパワーバランスの話は、経営者の力が下がっているということですよね?だとすると、経営者は社員に働きかけたほうがいいですよね。鼎談の途中で出てきた「すみません。誰か仙台に行ってくれませんか?」というように。私はある意味、これが自然な形だと思っています。 「私の野望のために力を貸してもらえませんか?」とお願いして、「仕方ないか(笑)」と集まってくれたのが、今のサイボウズです。しょせん建物の中にあるのは、人と人との関係だけ。だから一人ひとりの顔を見ろということです。社員が何を望んでいるのか?誰に何をお願いしたいのか?その部分を見直すのがいいと思います。 中野:ご質問は「会社と社員のパワーバランスでいうと、社員のほうが勝っている」という話でしたが、実際にはまだまだ会社の力が大きいパターンが多いように思います。 社員の話から個人の話に少し移りますが、実はインターネットを通じて単発の仕事を受注する「ギグエコノミー」という新しい働き方があります。個人対企業の取引を対等にする事例も最近は出てきています。 社員が会社に所属して仕事をもらうだけではない、さまざまな働き方が出てきていると思うんです。でも雇用されていないフリーランスの方は、買いたたかれやすいなどの問題もありますよね。いわゆる労働組合がないフリーランスの人たちが、対企業でどう強く出ていけるのか。むしろ会社に所属する人だけでなく、フリーランスの働き方も整備しなくてはいけない時期にきていると思います』、「会社に所属する人だけでなく、フリーランスの働き方も整備しなくてはいけない時期にきていると思います」、これには完全に同意できる。
・『多様化した労働力をいかに戦力化していくかがカギ  志水:中野さんが今おっしゃったことは、アメリカでいちばんのホットトピックで、実は面白い話があるんですよ。ある大企業のエンジニアが半年かけても解決できなかった問題を、フリーランスの方にお願いしたら3日で解決できたと言うんです。 今までの大企業はパワーを持っていた。でも少しずつ変わってきています。フリーランスなど外部の働き手とどのように、会社のパートナーとして協業するのか。そのことを模索する会社が多くなってきているんですね。先進的な企業は、もうフリーランスなどの働き方の整備に入っていると思います。 今の日本は働き方改革を行っていますが、今後は働き手がいないなど、さまざまな問題が起こってきます。いかに外部のプロフェッショナルや多様化した労働力を戦力化していくかがカギです。すると、おのずと雇用形態や契約も変わってきます。 先ほど青野さんもおっしゃっていましたが、人と人との関係性をどうしたら、互いに気持ちよくパフォーマンスを発揮できるか。日本の人事制度はアメリカより10年遅れているといわれますが、社員に限らず、外部のプロフェッショナルやさまざまな雇用形態の方たちと一緒に共生し、協同で働く形を模索する必要があると思います』、「社員に限らず、外部のプロフェッショナルやさまざまな雇用形態の方たちと一緒に共生し、協同で働く形を模索する必要がある」、確かに正論だが、硬直的な日本企業が実践するには、課題も多そうだ。
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