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NHK問題(その2)(「NHKはまるで暴力団」と発言 “日本郵政のドン”の裏の顔とは?、NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂 国民が注視すべき「NHKの異変」、日本郵政副社長「NHK暴力団発言」で露呈した「放送法コンプライアンス」の無理解) [メディア]

NHK問題については、9月3日に取上げた。今日は、(その2)(「NHKはまるで暴力団」と発言 “日本郵政のドン”の裏の顔とは?、NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂 国民が注視すべき「NHKの異変」、日本郵政副社長「NHK暴力団発言」で露呈した「放送法コンプライアンス」の無理解)である。

先ずは、10月15日付け文春オンライン「「NHKはまるで暴力団」と発言 “日本郵政のドン”の裏の顔とは?」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/14627
・『「臨時国会で参考人招致を検討している」 こう野党幹部が名指しするのは、“日本郵政のドン”と呼ばれる日本郵政の鈴木康雄上級副社長(69)だ。 かんぽ生命の不正販売に揺れる日本郵政グループ。この問題を報じたNHKについて、鈴木氏は10月3日の会見で「まるで暴力団と一緒でしょ」と言い放った。 鈴木氏が糾弾した番組は、昨年4月放送の「クローズアップ現代+」。続編の放送を目指し、SNSで情報提供を呼びかけた。それに対して日本郵政が強硬に抗議。NHKは日本郵政に文書で事実上、謝罪し、続編番組の放送を延期した。 鈴木氏の暴言について、日本郵政幹部が語る。 「NHKへガバナンス体制を問題にして追及するのは、総務官僚らしい発想です」 当の鈴木氏はいかなる人物か。山梨県出身で東北大学法学部卒業後、1973年に旧郵政省(現総務省)に入省。総務省情報通信政策局長を務めなど、放送行政に長く携わってきた。 「酒好きで、フジテレビの日枝久さんや日本テレビの故・氏家齊一郎さんに可愛がられた。また、電気通信事業部長時代に利害関係者のNTTコミュニケーションズから飲食を提供され、タクシー券を貰って使用したことが05年に発覚、国家公務員倫理法違反で戒告処分となりました」(同前)』、NHKも日本郵政側に強力な「鈴木氏」がいることは、百も承知で放送したのだろう。
・『「役人出身なのに話は飛ぶし、“てにをは”の使い方も変」  鈴木氏は2009年7月から10年1月まで総務次官を務めた。日本郵政取締役となったのは、13年。日本郵政社長が坂篤郎氏から西室泰三氏に交代した時期で、自民党が与党復帰した直後の「菅義偉官房長官による人事」と言われた。 「菅氏が総務大臣を務めていた06年から07年、鈴木氏は情報通信政策局長や総務審議官をしていた関係で、親しい間柄。民主党政権下で次官を半年で更迭されたことへの恨みを汲み取った菅氏が、鈴木氏を日本郵政に送り込んだという見方もありました」(同前) 役人らしくない一面も。 「役人出身なのに話は飛ぶし、“てにをは”の使い方も変で、否定なのか肯定なのかわからないときもある」(日本郵政関係者) 取締役の6年間で全国郵便局長会や、24万人の組合員を誇るJP労組との交渉窓口役を担ってきた。 「鈴木氏はトップ人事にも介入するのです。日本郵政グループ経営陣についても“神輿は軽い方がいい”と周囲に漏らしています。特にこの1年、自身への批判は絶対許さないという感じになっています」(同前) 長門正貢社長の後任昇格説もあった鈴木氏。今回の暴言は驕りからくる舌禍か、計算ずくのパフォーマンスか。いずれにしろ致命傷になりかねない』、鈴木氏は「総務省情報通信政策局長を務めなど、放送行政に長く携わってきた」、上にさらに「菅義偉官房長官による人事」、とあっては怖いものなしで暴言を吐くまでに増長するのも頷ける。 「日本郵政グループ経営陣についても“神輿は軽い方がいい”と周囲に漏らしています」、同氏を除くと長門正貢社長以下、頼りない謎が解けた。

次に、コピーライター/メディアコンサルタントの境 治氏が10月26日付け現代ビジネスに掲載した「NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂 国民が注視すべき「NHKの異変」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67966
・『「クロ現」スタッフの猛反論  9月28日、毎日新聞のこんな記事が大きな話題になった。 NHK報道巡り異例「注意」 経営委、郵政抗議受け かんぽ不正、続編延期 日本郵政のかんぽ不正販売に関するNHK「クローズアップ現代+」の制作に圧力がかかっていたという、大スクープだ。 見出しから汲み取れるのは、経営委員が日本郵政からの抗議を受けて、現場へ異例の「注意」を行い、番組の続編が延期になったこと。経緯は記事を読んでもらえばわかるし、テレビのワイドショーなどでも詳しく報じられたので、大筋理解している人も多いだろう。見出しにない点としては、NHKの上田良一会長が登場する点がある。日本郵政はまず上田会長に抗議したが、結果が得られなかったので経営委員会に抗議したのだそうだ。 この問題は国会でも取り上げられて、日本郵政副社長の鈴木康雄氏が「(NHKは)まるで暴力団」と発言するなど、さらに騒動が膨らんだ。鈴木氏は総務省では事務次官まで務めた責任ある立場の人物だ。それが記者団の前で「バカじゃねえの?」と暴言を吐いた。日本のエスタブリッシュメントもこんな体たらくだ。 日本郵政の横暴ぶりが世間に批判される一方で、NHKも「圧力に弱い報道機関」という印象が強まった。現場も会長も、そして経営委員会も今回の毎日のスクープで信頼が失墜してしまった。10月3日の会長会見でも、幹部たちの歯切れの悪い回答が報じられた。 これに対し、NHKが2週間後、初めて反撃した。10月18日に、NHK「クローズアップ現代+」のWEBサイトに文書が掲載されたのだ。 かんぽ生命の保険をめぐる番組制作について こう題したページで語られたのは、「クロ現」制作現場からの猛反論だ』、NHK会長や経営委員会の余りの弱腰に、現場も腹に据えかねたのだろう。
・『込められた怒り  “クローズアップ現代+の取材や放送が、郵政側の不当な圧力によって歪められたという報道がありました。しかし、こうした報道は事実と異なります” という、のっけから熱い切り出し方で、NHKらしい冷静沈着な文体の裏にはっきりとした怒りを感じる。NHKが番組についての疑問に広報や上層部の会見などで答えることはあっても、番組の現場から直接メッセージが出るのは前代未聞。どうしても言いたいことがあったのだろう。 このページでは、改めて詳しく経緯が説明されている。これも直接中身を見てもらうのが一番だろう。例えば、圧力を受けて削除したとされる番組の動画を堂々と再掲している。あらためて公開したこと自体、「圧力に屈して削除したんじゃないんです!」と決然と表明する意図が込められているように受け取れる。 「クロ現」チームの説明はこうだ。日本郵政から会長宛ての文書で動画の削除が求められ、その後も、日本郵政への取材を申し入れても「動画を消さないと応じられない」の一点張りだった。取材が進展しなかったので、8月の続編の放送を断念した。併せて、情報提供を呼びかけるためにWEBサイトに掲載していた動画も役割を終えたので、公開をやめた。続編の制作を諦めたのは8月で、経営委員会からの厳重注意は10月だから、時系列で見ても圧力と続編断念は関係ないと言える。 この猛反論の文書を読んで、毎日新聞のスクープ記事と照らし合わせていくと、事実関係にさほど食い違いはない。ただ、大きく違うのはニュアンスだ。 毎日の記事は、“郵政側が続編の取材を断ると伝えるなどしたため、同局は8月上旬に続編延期を決め、動画2本を削除”と書いている。実は本文では、「クロ現」チームの反論通りなのだ。だが見出しのつけ方は経営委員会の注意と続編延期の因果関係を匂わせるもので、“釣り見出し”のようにも思える。「クロ現」チームの怒りももっともではないだろうか』、「チームの反論」は確かに冷静で正々堂々としている。原文のURLは下記
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/169/index.html
・『NHKの組織構造  一方で「クロ現」チームの反論も物足りなく思える。 “去年10月23日に、経営委員会が会長に行った厳重注意が、放送の自主・自律や番組編集の自由に影響を与えた事実はありません“と主張しているが、会長や経営委員会についてはいいとも悪いとも書いていない。 さらに毎日新聞の記事には、11月6日に「説明が不十分だった」と謝罪する文書を上田会長が日本郵政に送ったとあるが、「クロ現」による反論では、そこにはまったく触れていない。あくまで現場の見解であり、上層部のことなど知ったことではない、ということのようだ。 会長や経営委員会に誰がどう圧力をかけようと、現場の我々が屈することはない!という決意の主張と受け止めると、NHKの現場の頼もしさに快哉を叫びたくなる文書だ。一義的には「よく言った」と応援したくなる。 だが一方で、NHK上層部への疑問が国民の間に広がっている今、これだけの対応でいいの?という疑問も浮かんでくる。NHKという巨大組織の対外的な説明として、「会長や経営委員会の事情は、現場は知らねえっす」で通るのだろうか? さてここで、NHKの会長と経営委員会についておさらいしておこう。NHKのWEBサイトには経営情報のページがあり、会長と経営委員会について簡易に説明している。 それによると経営委員会は「役員の職務の執行を監督する機関」であり、「委員は、国民の代表である衆・参両議院の同意を得て、内閣総理大臣により任命される」とある。「会長の任免も行う」ともあるので、かなり強い権限を持つ。一般企業の取締役会とほぼ同じような存在なのだ。 日本では「社員が出世したら取締役になれる」と捉えられがちだが、一般企業の取締役会は、本来は株主に託された強い権限を持つ会議体で、社長以下業務執行者の監督責任を持つ。 経営委員は外部からやってくるので、本来の意味での取締役会のような監督機能が強い。会長より立場が上なのだ。 衆参両院の同意で首相が任命するのが経営委員で、経営委員会が会長を任免するということは、その仕組みを利用すれば政権はNHKをコントロールできてしまう。これが実は、NHK最大の問題点だ。公共放送であり、受信料を払う国民に寄与するはずが、下手をすると政権のためのメディアに堕しかねない』、現場からの反論には、自ずと制約があるのだろう。それにしても、経営委員を通じた「コントロール」の強力さを再認識した。
・『今回の「圧力騒動」がもたらすもの  もっとも、戦後にできたこの制度は長らく悠長に運営され、経営委員は老いた大学教授が就く名誉職のようなもので、経営に口を出すことはほとんどなかったそうだ。会長についても、NHK局内から出世した人物が推薦されても、経営委員会がNOと言うことはあまりなかった。 ところが2000年代半ばにNHKで不祥事が続いたとき、初めて「モノ言う経営委員長」が現れた。富士フィルム会長だった古森重隆氏だ。在任期間は短かったが、執行部が作成した5ヵ年計画に対し再提案を要請するなど強い監督権を発動した。 この時の首相が第一次内閣の安倍晋三氏で、総務大臣は現官房長官の菅義偉氏だった。この時に安倍・菅コンビは放送法を通じてNHKに影響力を持てることを確認したのだ、との説を唱える人もいる。 何しろ、経営委員会は両議院の同意を得て首相が任命するのだ。衆参で与党が多数を占める今のような安定政権のもとでは、自分たちの息のかかった人物を経営委員会に送り込むなど容易だ。その経営委員会が会長を任命し、執行部の監督責任を持つ。NHKは構造上、政権の強い影響力を受けざるを得ないのだ。 話を戻すと、毎日新聞がスクープし「クロ現」チームが反論した日本郵政の圧力騒動は、結果として何をもたらすのだろう。 日本郵政に言われて現場に厳重注意をしたNHK経営委員会が問題なのは当然としても、上田会長も株を大きく下げたと言っていい。 毎日新聞によれば「11月6日、番組幹部の発言について『明らかに説明が不十分。誠に遺憾』と事実上謝罪する文書を郵政側へ届けさせた」のだそうだ。言論機関の業務執行責任者として、いかがなものか。暴言を連発した日本郵政の鈴木副社長も世間の批判にさらされているが、別の視点では上田会長も“情けないやつ”扱いをされかねない』、「初めて「モノ言う経営委員長」が現れた。富士フィルム会長だった古森重隆氏だ。在任期間は短かったが、執行部が作成した5ヵ年計画に対し再提案を要請するなど強い監督権を発動した。 この時の首相が第一次内閣の安倍晋三氏で、総務大臣は現官房長官の菅義偉氏だった」、なるほど、安倍政権のNHKコントールの原点なのだろう。
・『次期会長をめぐる噂  これについて、ある噂が流れている。上田会長の任期は来年早々に切れるが、もう一期続投するか退任するかについては、まだ何の発表もない。一方、次期会長候補として現在専務理事の板野裕爾氏の名が挙がっているという。 板野氏を早く会長にするには上田会長に退任してもらう必要がある。日本郵政の件のスクープは“上田降ろし”の一環で、そのために何者かが毎日新聞にリークしたというのだ。確かに日本郵政の圧力は1年以上前の話で、なぜこのタイミングでスクープされたのかを不思議に思う人も多いだろう。 さらに調子に乗って噂の続きを書こう。この板野氏はNHKプロパーの人材だが、権力に弱いとのもっぱらの評判だ。ここで言う権力とは、つまりは首相官邸のことだ。近年NHKが、官邸からの指示に素直に従う姿勢を保ってきた背景には、板野氏の存在があるという。 元NHK記者の相澤冬樹氏は私の中高の同級生なのだが、筆者と二人で遊び半分にやっているFacebookライブ配信で、彼は板野氏のことを「現場をよく知るイエスマン」と表現していた。外から連れてきて会長にするより、現場経験のあるNHKプロパーかつ上に従う人材を会長に据えた方が、局内の動かし方がわかっているから都合がいい、ということだ。 つまり、上田降ろしを目論む何者かが、毎日新聞に1年前の日本郵政の抗議の一件をリークし、それにより板野会長の実現を確実にしようとしている、というわけだ。 さて、そんな噂を知ってしまうと、共同通信の10月2日付のこの記事も気になってくる。 NHK放送トップが出向き謝罪文 日本郵政の抗議に 毎日新聞の記事にあった上田会長の謝罪文を日本郵政に届けたのが、木田幸紀放送総局長だったことを報じたものだ。不思議な記事だと思った。なぜこの部分だけを、わざわざスクープであるかのように報じているのか。 木田総局長は板野氏と同じく専務理事だ。上田会長降ろしのついでに、板野氏のライバルになりかねない木田氏の評判を貶めるリークなのかもしれない……と、噂に沿った邪推も浮かんでくる』、「近年NHKが、官邸からの指示に素直に従う姿勢を保ってきた背景には、板野氏の存在がある」、謎が解けた感じがする。「板野氏のことを「現場をよく知るイエスマン」と表現」、「現場経験のあるNHKプロパーかつ上に従う人材を会長に据えた方が、局内の動かし方がわかっているから都合がいい」、こんな人物が会長になったら、NHKはますます政府の御用機関化するだろう。それにしても不可思議な「リーク」が飛び交うというのも、NHKはまさに伏魔殿だ。野党にはNHK労組を通じて情報も入ってくるのだろうから、国会で監視役を果たしてもらいたい。
・『NHKの現場が漏らす不安  以上の噂は、噂に過ぎない。ただ、筆者は複数のNHK関係者から同様の話を耳にした。真偽を確かめようはないが、どうも気になる。 それは置いておくにしても、このところNHKを取り巻く状況がどうもきな臭いことは頭に入れておきたいことだ。 「クロ現」チームの文書から伝わる通り、NHKの現場で働くスタッフの多くは、真面目で、誠実に視聴者に貢献しようとする志の高い人びとだ。だが彼らがある一線を越えると、どこからともなく「待った」をかけるような動きが出るのも間違いない。関係者は、以前はこんなことはなかった、と訴える。 NHKの一部にかかっていた靄が、いま全体を包み込もうとしている。私たちはその靄をかき分けて、ウォッチしていかねばならない。日本の言論を守るためにも、NHKの動向を日々チェックし、今回のようなNHKに関する報道の裏側も、読み解かねばならないと思う。 ※文中に出てくる相澤冬樹氏と筆者のライブ配信は、月に一回酒を飲みながら話すといういい加減なものだが、10月1日の回で本記事の問題について詳しく語っている。ご興味のある方はこちらを参照されたい。〈相澤冬樹&境治・メディア酔談 10月1日配信〉』、良心的なスタッフが「クロ現」などに残っているようだが、NHKが全体としては、官邸の大本営発表をタレ流すようになった背景も理解できた。「相澤冬樹&境治・メディア酔談」は以下のフェイスブックのページで動画をクリックすれば観られる。
https://www.facebook.com/sakaiosamu/videos/vb.100000787392128/2429239810445575/

第三に、元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏が10月9日付け同氏のブログに掲載した「日本郵政副社長「NHK暴力団発言」で露呈した「放送法コンプライアンス」の無理解」を紹介しよう。
https://nobuogohara.com/2019/10/09/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e9%83%b5%e6%94%bf%e9%88%b4%e6%9c%a8%e5%89%af%e7%a4%be%e9%95%b7%e3%80%8cnhk%e6%9a%b4%e5%8a%9b%e5%9b%a3%e7%99%ba%e8%a8%80%e3%80%8d%e3%81%a7%e9%9c%b2%e5%91%88%e3%81%97%e3%81%9f/
・『関西電力の岩根茂樹社長と八木誠会長が、2010年2月に、関電本社の役員会での講演で、私のコンプライアンス論を聞いてくれていた人達であるのに、彼らの金品受領問題に関する記者会見での言動が、残念ながら、全く理解できない、異様なものであったことは、一昨日の【関電経営トップ「居座り」と「関西検察OB」との深い関係】で述べた。今日(10月9日)の日経朝刊で、関電の会長・社長が辞任の方向と報じられているが、当然であり、遅きに失したというべきであろう。 コンプライアンスを通じて私が、過去に関わりを持った人の中に、もう一人「残念な人」がいる。6年以上にわたって日本郵政副社長を務め、「事実上の経営トップ」とも言われる鈴木康雄氏のことだ。 鈴木氏は、かんぽ生命における「保険不適切販売」の問題に関して、NHK側の対応について、「暴力団と一緒」「ばかじゃないの」などと発言したことで批判を浴びている。 私が、2009年10月に総務省顧問・コンプライアンス室長に就任した際、事務次官として、大臣室での顧問の辞令交付にも立ち会ったのが鈴木氏。翌2010年1月、総務省が「日本郵政ガバナンス検証委員会」を設置し、私が委員長に就任した際も事務次官は鈴木氏だった。そして、2014年に、西室泰三社長時代の日本郵政の役員会でコンプライアンス講演を行った際にも、副社長として出席していた。私のコンプライアンスの活動と関わりがあった人の一人である。 先週10月3日に、国会内で開かれた野党5党による合同ヒアリングに、「日本郵政ガバナンス検証委員会」の元委員長として出席した際、日本郵政側で出席していた鈴木氏と久しぶりに顔を合わせた。 そこでは、かんぽ生命の保険の不適切販売の問題に加えて、NHKへの日本郵政側の抗議の問題も取り上げられた。昨年4月に放送されたNHKの「クローズアップ現代+」が、かんぽ生命の販売に関する問題を取り上げ、続編の放送に向けた情報提供を求める動画を公式ツイッターに掲載し、日本郵政に取材に応じるよう求めていたが、日本郵政側が削除を要求し、応じなかったので、会長宛てにそれを要求した。それに対して、NHK側が、「会長は番組の編集に関与しない」と回答したことについて、日本郵政側が「ガバナンスの問題」として、NHKの最高意思決定機関である経営委員会に抗議し、NHKは予定されていた続編の放送を延期、同11月にはNHK側が会長名の“謝罪文書”を渡し、公式ツイッター上の動画も削除された。 一連の対応が、日本郵政側からの「圧力」に屈したと批判を受けていた。このNHKへの抗議の中心となったのが、副社長の鈴木氏だ』、郷原氏は鈴木氏と既知の関係だったようだが、「野党5党による合同ヒアリング」で顔を合わせたとは、世の中は狭いものだ。
・『野党合同ヒアリングでの日本郵政鈴木副社長の発言  ヒアリングでは、ちょうど私の目の前の席に鈴木氏が座っていた。 NHK側とのバトルに加えて、野党議員からの追及を直接受ける状況に気が立っているせいか、私の顔を見ても無表情で、不愉快そうだった。 質問に答えて、鈴木氏が説明した事実経過は、以下のとおりであった。 昨年4月の放送の前に取材を受けて、執行役員が取材に答えた。その後、第二弾の放送をするにあたって、公式ツイッターのショート動画で、全く事実の適示がなくて、「元本詐欺」、「詐欺まがい」、「押売りなど」などと書いていた。貶めるようなことをいうのはやめてくれと抗議したところ、番組プロデューサーが「会長は番組内容に関知しない」と発言したので、明らかに放送法違反だと考えて、NHKの編集体制をしっかりしろと会長宛てに抗議文を送ったが、その後何の返答もないので、本来NHKの監督をするのは経営委員会なので、経営委員会に判断を求めたところ、やっとNHKの執行部から返答があった。 ヒアリング出席者のNHKの専務理事や経営委員会委員長代行の説明によると、日本郵政側の抗議に対して、番組ディレクターが「会長は番組内容に関知しない」と発言したことや、日本郵政側の抗議を長期間放置したことを理由に、経営委員会が、会長に厳重注意したとのことであった。 野党議員からは、鈴木氏に、日本郵政の中に、これだけ強い調子でNHKに対して物を言える人はいない、明らかに元放送行政に関わり、後に事務次官を務め、指導監督をしてきた自負によるもの。一線を越えた行動ではないか。との質問があった。 それに対して、鈴木氏は、 視聴者は、番組に対して、言われっぱなしで構わないというんじゃない。そのために訂正放送制度というのがあるんじゃないか。放送されたものがすべて正しい。放送しようとしていることがすべて正しいということじゃないと思います。と反論していた』、野党議員の「一線を越えた行動ではないか。との質問」は当然のことだ。
・『日本郵政のNHKへの抗議における「主張」  鈴木氏が、ヒアリングで述べたことからすると、日本郵政側のNHKへの抗議における主張は、以下のようなもののようだ。 (1) 放送事業者は、組織として編成方針を決定し、その方針にしたがって、番組が作成されなければならない (2) 視聴者側は、放送事業者に、真実ではない放送を行ったとして請求した場合には、放送事業者が調査し、真実ではないことが判明した場合には訂正放送をしなければならない (3) だから、番組の編集に関して問題があると視聴者側から指摘された場合は、組織のトップの責任において対応し、是正を図らなければならない 放送法は放送事業者に(1)~(3)を義務づけているので、日本郵政の抗議に対して、NHKの番組プロデューサーが、「会長は編集に関与しない」と言ったこと、抗議を長期間放置したことが、放送法違反であり、それに対して是正措置をとらなかった会長には重大な義務の懈怠がある。 NHKの経営委員会は、上記のような日本郵政側の主張が正当だとして、会長に厳重注意を行ったということのようだ』、一見すると、さすが放送行政のプロらしい主張だ。
・『日本郵政の「放送法コンプライアンス」の無理解  しかし、日本郵政側の抗議の内容や、NHKとのやり取りの詳細の資料は不明だが、少なくとも、上記のように、日本郵政側が、放送法を盾にとってNHKに抗議し、公式ツイッター上の動画を削除までさせたことが、放送法の趣旨に沿うものとは思えない。鈴木氏は、「放送法コンプライアンス」をはき違えており、そこには、「根本的な無理解」があるのではないか。 第一に、組織として決定する「編成方針」というのは、どのような目的で、どのような番組を作成していくのかという基本的な番組編集方針のことであり、その方針の決定を組織として行うに当たって、NHKの経営トップである会長が関与するのは当然である。しかし、一方で、放送法3条は、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と定めているのであり、個々の番組の内容について外部者から干渉されることを禁じている。組織のトップに対する外部からの働き掛けで番組内容が影響を受けることは、3条の規定に反するものであり、放送事業者としては、そのような「干渉」を受けないようにすることが求められる。 第二に、放送法9条の訂正放送に関する規定は、既に放送された番組について、その内容が真実ではないとして権利の侵害を受けた側から請求があった場合に関するものであり、番組を編集する過程で、真実ではない放送が行われようとしているとして、外部から、それを止めるように請求することを認める規定ではない。 したがって、今回の日本郵政からの抗議のように、昨年4月に放送した番組に続く「第二弾」の編集の過程で、その番組の準備としての取材に対して、取材される側が、NHKの会長に直接是正を求めた場合、個々の番組の編集のための取材の過程に会長が介入することは、放送法の趣旨に反するものであり、そこで放送法9条の訂正放送の制度を持ち出すのは的外れだ。 また、鈴木氏は、公式ツイッター上の動画の削除を求めたことも、「訂正放送制度」によって正当化されるかのように言っているが、公式ツイッター上の「動画」は、NHKが行う「放送」ではないので、そもそも放送法9条による訂正の対象ではない。 日本郵政の鈴木副社長が中心となり、放送法を盾にとってNHKへの要求を繰り返したことの方が、放送法の趣旨に反していると言うべきであろう』、郷原氏らしい鋭く説得力溢れた指摘だ。
・『鈴木氏の「NHK暴力団」発言  ところが、鈴木氏は、このヒアリングの終了直後、記者団に対して、取材を受けてくれるなら動画を消す。そんなことを言っているやつの話を聞けるか。それじゃ暴力団と一緒でしょ。殴っておいて、これ以上殴ってほしくないならもうやめてやる、俺の言うことを聞けって。ばかじゃないの。などと発言したと報じられている(朝日など)。 NHK側は、日本郵政側に「取材を受けてくれるなら動画を消す」と言ったことを否定しており、前提事実にも疑義があるが、それ以前の問題として、鈴木氏が放送法を盾にとってNHK側に要求していること自体が、「因縁」に近いものであり、それによって動画を削除させたことの方が、よほど「暴力団的」なやり方である。 総務省で放送法を所管する立場での職務経験が長く、「放送法コンプライアンス」をわきまえているはずの鈴木氏が、それに根本的に反する行動をとり続けていることは、由々しき問題である』、全面的に同意できる主張だ。今後、国会での議論が深まることを期待したい。
タグ:郷原信郎 現代ビジネス NHK問題 同氏のブログ 文春オンライン 境 治 (その2)(「NHKはまるで暴力団」と発言 “日本郵政のドン”の裏の顔とは?、NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂 国民が注視すべき「NHKの異変」、日本郵政副社長「NHK暴力団発言」で露呈した「放送法コンプライアンス」の無理解) 「「NHKはまるで暴力団」と発言 “日本郵政のドン”の裏の顔とは?」 日本郵政の鈴木康雄上級副社長 「臨時国会で参考人招致を検討している」 NHKについて、鈴木氏は10月3日の会見で「まるで暴力団と一緒でしょ」と言い放った 総務省情報通信政策局長を務めなど、放送行政に長く携わってきた 役人出身なのに話は飛ぶし、“てにをは”の使い方も変 日本郵政グループ経営陣についても“神輿は軽い方がいい”と周囲に漏らしています 「菅義偉官房長官による人事」 「NHK vs. 日本郵政「圧力騒動」と「次期NHK会長人事」の不穏な噂 国民が注視すべき「NHKの異変」」 「クロ現」スタッフの猛反論 NHKも「圧力に弱い報道機関」という印象が強まった NHKが2週間後、初めて反撃 かんぽ生命の保険をめぐる番組制作について NHK「クローズアップ現代+」のWEBサイトに文書が掲載 込められた怒り 続編の制作を諦めたのは8月で、経営委員会からの厳重注意は10月だから、時系列で見ても圧力と続編断念は関係ないと言える NHKの組織構造 衆参両院の同意で首相が任命するのが経営委員で、経営委員会が会長を任免するということは、その仕組みを利用すれば政権はNHKをコントロールできてしまう NHK最大の問題点 政権のためのメディアに堕しかねない 今回の「圧力騒動」がもたらすもの 初めて「モノ言う経営委員長」が現れた。富士フィルム会長だった古森重隆氏だ 執行部が作成した5ヵ年計画に対し再提案を要請するなど強い監督権を発動した。 この時の首相が第一次内閣の安倍晋三氏で、総務大臣は現官房長官の菅義偉氏だった。この時に安倍・菅コンビは放送法を通じてNHKに影響力を持てることを確認したのだ 次期会長をめぐる噂 現在専務理事の板野裕爾氏の名が挙がっている 近年NHKが、官邸からの指示に素直に従う姿勢を保ってきた背景には、板野氏の存在 「現場をよく知るイエスマン」 現場経験のあるNHKプロパーかつ上に従う人材を会長に据えた方が、局内の動かし方がわかっているから都合がいい NHKの現場が漏らす不安 相澤冬樹&境治・メディア酔談 10月1日配信〉 「日本郵政副社長「NHK暴力団発言」で露呈した「放送法コンプライアンス」の無理解」 務省顧問・コンプライアンス室長に就任した際、事務次官として、大臣室での顧問の辞令交付にも立ち会ったのが鈴木氏 野党5党による合同ヒアリングに、「日本郵政ガバナンス検証委員会」の元委員長として出席した際、日本郵政側で出席していた鈴木氏と久しぶりに顔を合わせた 野党合同ヒアリングでの日本郵政鈴木副社長の発言 野党議員からは 一線を越えた行動ではないか。との質問があった 日本郵政のNHKへの抗議における「主張」 日本郵政の「放送法コンプライアンス」の無理解 鈴木氏は、「放送法コンプライアンス」をはき違えており、そこには、「根本的な無理解」があるのではないか 鈴木氏の「NHK暴力団」発言 総務省で放送法を所管する立場での職務経験が長く、「放送法コンプライアンス」をわきまえているはずの鈴木氏が、それに根本的に反する行動をとり続けていることは、由々しき問題である
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