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働き方改革(その24)(三菱電機「ブラック企業大賞」2連覇なのに“業績好調”のナゼ、三菱電機 「情報流出」「過労自殺」が相次ぐ事情 縦割り組織や風通しの悪い風土が遠因に、希望退職で「やる気なし若手」を量産する素人トップの罪) [企業経営]

働き方改革については、昨年10月26日に取上げた。今日は、(その24)(三菱電機「ブラック企業大賞」2連覇なのに“業績好調”のナゼ、三菱電機 「情報流出」「過労自殺」が相次ぐ事情 縦割り組織や風通しの悪い風土が遠因に、希望退職で「やる気なし若手」を量産する素人トップの罪)である。

先ずは、ジャーナリストの森岡 英樹氏が本年1月20日付け文春オンラインに掲載した「三菱電機「ブラック企業大賞」2連覇なのに“業績好調”のナゼ」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/26579
・『社員の自殺が相次ぐ三菱電機は、1月10日、労務問題の再発防止策を発表した。ハラスメント教育の強化、アンケートの実施や相談窓口の充実などを掲げた「職場風土改革プログラム」と題された対策はすでに取り組んでいるものばかり。また、経営幹部による詳しい説明や記者会見もなく、「ポーズに過ぎないのでは」と内部から声が聴かれる。 三菱電機は、弁護士やジャーナリストによる企画委員会が運営する「ブラック企業大賞」において2018年、2019年と史上初の2年連続で大賞を受賞した。 「三菱電機は2012年以降、長時間労働やパワハラが原因で自殺した社員が子会社も含めて5人います。19年も選ばれたのは、昨夏自殺した20代の男性新入社員が残したメモが公開されたことが大きい」(労働問題に詳しい弁護士) そのメモには、新入社員の上司にあたる30代の教育主任から浴びせられた暴言が書き残されていた。 「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」「死ね」 新入社員は、主任から追い詰められ、昨年8月下旬、社員寮近くの公園で命を絶った。主任は自殺教唆の疑いで11月に兵庫県警が書類送検。以降、「ニクイねぇ!三菱」のテレビCMを中止している。 「遺族は三菱電機について『反省の色は見られず保身に全力を注いでいるように感じる』と話しています。また過去に労働時間の虚偽申告を促すなど、過労を隠蔽してきた」(前出・弁護士)』、業績は絶好調なのに、「「ブラック企業大賞」2連覇」とは本当に不思議だ。「長時間労働やパワハラが原因で自殺した社員が子会社も含めて5人」、ということは「30代の教育主任」の言動が例外的事例ではないのだろう。
・『過労・パワハラが横行しやすい企業風土  ただ、業績は堅調。日立製作所に次ぐ総合電機2位の座を確たるものにしている。 「家電から重電、人工衛星まで幅広く手掛け、多くの産業用電機機器で国内トップシェアを誇り、特に防衛エレクトロニクス分野では抜きんでている。携帯電話やパソコンからの撤退など、選択と集中を早めに進めてきたことが功を奏した。18年の国際特許登録出願件数も中国のファーウェイに次いで世界第2位です。自己資本比率も55%を超え、財務も盤石といえます」(メガバンク幹部) なぜ過労やパワハラが横行しているのか。 「『組織の三菱』と言われるように、グループ内の取引だけでも十分やっていけるため、内部の論理が優先される企業風土が根付いている。また三菱電機は事業部制が敷かれ、一度配属されたら、他部門への異動は少ない。それゆえ、社内の上下関係が絶対視されがちなのです」(同前) 16年に自殺した社員は「三菱は私のことを一生忘れないで欲しいです」と書き遺していた。その声に早く耳を傾けるべきだった』、「内部の論理が優先される企業風土」、「一度配属されたら、他部門への異動は少ない」、「社内の上下関係が絶対視」、などだけでは到底説明できない筈だ。もっと立ち入った分析が必要なようだ。

次に、2月22日付け東洋経済オンライン「三菱電機、「情報流出」「過労自殺」が相次ぐ事情 縦割り組織や風通しの悪い風土が遠因に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/331900
・『総合電機大手の三菱電機で、不祥事やトラブルが相次いでいる。 三菱電機は2月10日夜、社内ネットワークが外部からのサイバー攻撃を受けた問題で、これまで流出していないと説明していた、防衛に関する重要な情報が流出した可能性があると発表した。 防衛省によると、流出した可能性があるのは、防衛装備庁が2018年10月に貸し出した装備品の研究試作の入札に関連した資料で、取り扱いに注意すべきとする注意情報が含まれていた。防衛省は最終的には三菱電機とは別の企業が契約を締結しており、流出が安全保障に与える影響については「精査中」と発表した』、「サイバー」防衛のプロが「攻撃を受けた」だけでも問題なのに、隠蔽で問題をさらに大きくしたようだ。
・『大きく変転する三菱電機の説明  三菱電機は1月20日に、サイバー攻撃によって個人情報や企業機密が外部に流出した可能性があると発表していた。この時点では、防衛や電力、鉄道など社会インフラに関する機微な情報や機密性の高い重要な情報は「流出していないことを確認済み」と説明していた。しかし、1カ月も経たないうちに当初の説明が180度ひっくり返った。 防衛省の資料は紙媒体で渡され、そのまま返却するのが決まりになっていた。三菱電機は資料を受け取る際に情報の保全に関する誓約書を防衛省に提出していたが、紙資料を無断で電子データ化し、保存していた。重要な情報が流出していないと当初説明していた理由について、三菱電機は「流出した恐れのある資料は最初の調査対象から漏れていた」と説明した。 防衛装備庁の担当者は、「資料を電子データにして保存することは許可しておらず、不適切な取り扱いだった。この先、追加で何か出てこないとも限らないので、処分は全容が判明次第、検討する」とコメントした。最終的な調査結果の判明時期について具体的な回答は得られておらず、三菱電機の説明に防衛省は不満を募らせている』、「紙資料を無断で電子データ化し、保存していた」、とは極めて重大な信義則違反だ。機密情報の取り扱いのルーズさには呆れ果てる。
・『防衛情報の流出可能性を発表したのと同じ2月10日には、製品の出荷検査不備も明るみに出た。パワー半導体製品の一部で、顧客と取り交わした規格どおりの出荷検査を行っていなかったのだ。 パワー半導体は家電のほかに、電鉄や送電などのインフラ関連でも使われている製品で、出荷検査の誤りは2014年11月から2019年6月まで5年近く続いていた。出荷検査不備は2019年6月下旬にパワーデバイス製作所で品質管理の見直しをしている最中に判明。三菱電機は「検査規格値よりも高い許容範囲をもつように設計しているため、機能や安全性に問題ない」と説明しているが、問題は顧客への報告が発覚から半年以上後の2020年2月上旬まで遅れたことだ。 顧客への報告が半年以上もかかった理由について、三菱電機は「パワーデバイス製作所を管轄する半導体・デバイス事業本部へ報告があったのは7月上旬で、そのときに顧客へできるだけ早く報告するよう指示があったが、対象の顧客向けの全製品を確認するのに時間を要した」と説明している』、「製品の出荷検査不備」も「5年近く続いていた」、社内の内部監査が全く機能してないようだ。
・『子会社で仕様不適合製品を出荷する過去も  三菱電機は過去にも不適合な製品を出荷するトラブルを起こしている。2018年には子会社のトーカン社が契約仕様に適合していない製品を出荷していたことが判明した。製造委託元と契約した仕様に満たないゴム製品を、少なくとも10年にわたって出荷していた。その問題を受け、2018年12月から2019年3月まで、国内の全事業所と子会社121社を対象とする品質保証体制の再点検を行っていた。 再点検の過程で、子会社の菱三工業が仕様不適合の鋳造製品を出荷していたことも発覚した。こうした事態を受け、2019年8月に品質保証体制を強化していくとしていたが、新たにパワー半導体の出荷検査不備が続いていたことが発見され、発覚後も顧客への報告が遅れた。検査要領書の改訂を担当する部門が改訂を怠り、改訂の確認行為も不十分だったために、実際の検査を担当する部門が旧規格のままで検査を継続していた』、「検査要領書の改訂を担当する部門が改訂を怠り、改訂の確認行為も不十分だった」、「組織の三菱」にあるまじき信じられないような不祥事だ。
・『過労やそれに伴う自殺も繰り返し起きている。 三菱電機によると、2014年から2017年に三菱電機の社員5人が長時間労働などで労災認定され、うち2人は長時間労働が原因で過労自殺をしている。この5人とは別に、2019年8月に上司からパワーハラスメントを受けたとされる新入社員が自殺し、上司は2019年11月に自殺教唆容疑で書類送検された。 三菱電機は1月に「最優先課題」として労務問題の再発防止策「職場風土改革プログラム」を公表した。しかし、新たな施策は一部分に限られ、改革を遂行するための専門組織も設置されていない』、「改革を遂行するための専門組織も設置されていない」、のでは「改革」への本気度が疑われる。
・『失敗しても上司に相談できない  一部上場企業で、これほど短期間に長時間労働を原因とした労災認定が相次ぐのは異例のことだ。たび重なる品質問題も含め、三菱電機社内でいったい何が起きているのか。 三菱電機の元社員は「失敗しても上司に相談できる環境ではなく、(仕事の)ミスや問題はそのまま引き継がれていた」と打ち明ける。こうした企業風土が、隠蔽(いんぺい)とも受け取られかねない問題の報告遅れや社員の自殺を招いている可能性がある。 三菱電機は、携帯電話や洗濯機といった不採算事業からいち早く撤退して「選択と集中」を進め、2009年のリーマンショック時にも赤字に転落しなかった数少ない大手電機メーカーだ。事業や工場ごとに損益を管理し、「優等生」と呼ばれる収益体制を保ってきた。 その一方で、部門ごとの独立度が高く、「事業間の連携がとりにくい」(三菱電機幹部)という課題も抱えている。社長直轄で事業横断的な取り組みを先導するビジネスイノベーション本部を2020年4月に新設し、事業間のシナジーを高めていこうとしていた。 防衛情報の流出疑惑を受け、社長直轄の情報セキュリティ統括室を4月に新設すると発表した。文書管理の/再点検や従業員教育の充実を進めるが、実際の情報の利用・管理は各事業本部の本部長や事業所長が管理責任を負う体制は従来と大きく変わらない。 2020年3月期は、売上高が4.5兆円(前年同期比0.4%減)、営業利益が2600億円(同10.5%減)と減収減益で、柱のFA(ファクトリー・オートメーション)や自動車機器関連の市場環境が厳しいながらも、家電や重電は堅調だ。株価も1500円前後で安定的に推移し、一連の不祥事などに大きく反応しているようには見えない。 だが、「経営戦略の基本は、社会課題を解決するような企業になろうということ」(杉山武史社長)と掲げる以上、社内ガバナンスの改善は急務だ』、「社会課題を解決するような企業になろう」、それ以前に、社内の問題点を解決すべきだろう。

第三に、健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏が2月25日付け日経ビジネスオンラインに掲載した「希望退職で「やる気なし若手」を量産する素人トップの罪」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00063/?P=1
・『希望退職の嵐が吹き荒れている。 +ラオックス……全従業員の約2割にあたる140人程度 +ラオックスの子会社のシャディ……50歳以上かつ勤続10年以上の正社員や契約社員、20人程度 +東芝機械……全従業員の1割弱の200~300人 +オンワードホールディングス……全従業員の約8%にあたる413人が応募。予定数350人の2割増。+NISSHA……250人規模の希望退職者の募集 +味の素……50歳以上の約800人の管理職を対象に、約100人の希望退職者を募集 さらに、オンキヨー、ノーリツ、そして、ファミリーマート……などなど、この3カ月内でもこれだけの企業が、希望退職を実施している(あるいは実施予定)』、決算は好調でも、リストラの嵐が吹き荒れているようだ。
・『辞めてもらいたくない人が手を挙げる  中でも衝撃的だったのが、先週報じられたファミリーマートの希望退職だ。2月3日から7日の間に40歳以上の社員を対象に800人の退職者を募集したところ、1111人が応募。そのうち「86人は業務継続に影響がある」として、制度を利用した退職を認めず、引き留めたという。 ふむ。「86人は業務継続に影響がある」って? これって要するに“リストラリスト”の存在を肯定したようなものじゃないか。まぁ、そういうものが存在することくらい誰だって分かっているけど、「86人は業務継続に影響がある」という文言が企業側から出るとは……あまりに露骨だ。 「はいはい、そうですよ。リストラリストに準じて希望退職という名前のリストラに踏み切ったんだけどね、辞めてもらいたくない人が手を挙げるもんだから、いやぁ~、慌てて引きとめましたよ!」と認めたのだ。) いずれにせよ、想定外のすったもんだの結果、全社員約7千人の約15%にあたる1025人の「業務に支障の出ない人」をリストラした。内訳は、正社員が924人、定年後に嘱託職員として働く非正規社員が101人で、約7割は店舗指導員など現場の社員だそうだ。コンビニが人手不足で深夜営業を止める可能性があるので、本部には人手が余るためリストラする。実に分かりやすい。分かりやす過ぎる構図だ。 これを世の中では「経営」と呼ぶのだろうか……。 つい数カ月前までは新聞を開くたびに「空前の人手不足」という文字が日々踊り、「外国人労働者を入れないと労働力が足りない!」とあちらこちらで悲鳴が上がっていたのに。何なんだ、こりゃ。 「っていうか、足りないのは日本経済の底辺を支える労働力でしょ?」「そうそう。労働の冗長性を担保する労働力だよ」 はい、その通りです。 カネがかかる40歳以上の正社員、60歳以上の嘱託社員にはお引き取り願いたい。そのきっかけを模索していた企業が、「やっちまえ~今がチャンスだ。さもないと、70歳まで雇えだの、同一労働同一賃金だので嘱託の賃金も上げろだの言われるぞ!」と、希望退職という名のリストラに踏み切った』、「足りないのは日本経済の底辺を支える労働力」であって、「カネがかかる40歳以上の正社員、60歳以上の嘱託社員にはお引き取り願いたい」、が本音なのだろう。
・『ますます先行きが見えない2020年  元日のコラム(「働きがい問われる年、シニアのリストラが若者にも悪影響」)で、私自身が予測した通りのことが起こっているわけだが、たったひと月ちょいの間に次々と「希望退職のリアル」が報じられると、これはこれでかなりショックだ。 「人の可能性」にみじんも期待しない、数字とばかりにらめっこしている経営陣の姿が、私の“脳内テレビ”に映し出され、暗たんたる気分になる。2020年が時代の節目になると覚悟はしていたけど、GDPが実質6.3%マイナスとか、新型コロナウイルスで世界経済に打撃だとか、2020年の年末には、私は「ここ」に何を書いているのか全く予想できず不安になる。 「でもさ、数年前と違って、希望退職した後の就職支援は結構充実してるって言うし、そんなに悪い話じゃないっしょ?」 こういった意見もある。が、会社の支援を受けると退職金の額が減らされり(注:正しくは「る」)上、再就職先では歓迎されないケースが多い。「だったら自分で!」と仕事を探すが、なかなか希望通りにはならない。海外勤務などの経験があれば雇用されるチャンスがあるが、それでも賃金は半分程度だ。 「成功するかどうかは、個人のスキルやる気じゃなく運」「起業はうまくいかない」「家族の理解がないと希望退職はオススメしない」という声が、私がインタビューした人たちからは圧倒的に多かった。 そんな不確実性が限りなく深まっている労働環境で、これからの日本を背負う30歳前後の人たち数名の意見やらを聞く機会があった。 そこでも希望退職の話題が出て、「僕たちも使い捨てされるんですよね。今の日本の会社に何一つ期待してません」という声が、若い世代から相次いだのである。 というわけで、今回はそのときの話をネタにあれこれ考えてみようと思う。 え? 希望退職で成功するコツがテーマじゃないのか?って。はい、それはまたおいおい取り上げますので、今回は若い世代のナマの声をお聞きいただきます。 「うちの会社も2年前から希望退職を毎年募集していて、ターゲットも50代から40代に下がってきました。僕が入社したときはもっと上の人たちもいたんですが、今の部署のメンバーは若手だらけです。 会社は若手育成だと言って、僕らの世代に色々と任せるんですね。結果を出せば給料は上がると人事は言うけど、結果を求められても教えてくれる人はいません。もっと40代や50代の人たちにサポートしてもらいたいのに、頼れる人がいない。なので、ホントにこれでいいのか? と不安が大きいんです」』、中高年への「希望退職」募集が「若い世代」に及ぼす影響とは興味深い切り口だ。
・『若手にとって“必要な”シニアが消えている  「結局、希望退職って辞めてもらいたい人よりも、会社は辞めてもらいたくない人を決めてるんだと思うんです。でも、実際には辞めてもらいたくない人ほど希望退職する。そういうの見ていると……こっちもやる気が失せるんです。 自分もコストとしてしか見られてないと思うと、結果を出せないことにプレッシャーもかかる。マジでもっと教えてもらいたいこととかあるんですよ。なのに誰も教えてくれる人がいないっていうか、40歳が切り捨ての区切りになっているから、38歳くらいからやる気を失うって『あとは楽させてもらう』とか言う人もいます。 高い給料をもらってるのに働かない先輩社員を疎ましく思う気持ちがある一方で、もっと上の世代と若い世代が一緒になって仕事をした方がいいんじゃないかって思ったり。でも、希望退職でデキる人ほど辞めちゃうし、やる気を失ってる人たちには一緒にやってくれるモチベーションはありません。 僕も自分のことで精いっぱいだから、20代の後輩たちの面倒も見られません。仕事のオペレーションがどんどん複雑になってるのに、結果ばかり求められるから若手も嫌になっちゃう。20代前半の離職率が高まっているのは、そういったことも関係しているんだと思います」 「僕はいわゆるミレニアム世代です。世間ではスタートアップが増えてるとか、新しい感性で成功してるってニュースとかもあるけど、それってごく一部ですよね。フリーランスでやってる友人が、その会社で管理職みたいなことまで任されてるんですね。でも、フリーランスだから手当も出ない。かといって仕事を断れば契約も切られる。会社に長くいるつもりはないけど、その先どうなるかも分からないから流されてるだけだって嘆いてました。 僕らの世代で会社に期待してる人なんているのかなぁ? どうせあと10年もしないうちに僕たちも切られるんですよね? そうなったときに他でやっていける自信もない。ホント僕らはどうなるんだろう……」 こう話してくれたのは、某メーカーに勤務する32歳の男性である。他の人たちも言葉は違えど、彼と同様の意見だった。彼らは「やる気はある。でも・・・」と将来を憂い、「もっと上の人たちに教えてもらいたい」と切実に訴えたのである』、「マジでもっと教えてもらいたいこととかあるんですよ。なのに誰も教えてくれる人がいないっていうか、40歳が切り捨ての区切りになっているから、38歳くらいからやる気を失うって『あとは楽させてもらう』とか言う人もいます」、「希望退職でデキる人ほど辞めちゃうし、やる気を失ってる人たちには一緒にやってくれるモチベーションはありません」、「仕事のオペレーションがどんどん複雑になってるのに、結果ばかり求められるから若手も嫌になっちゃう。20代前半の離職率が高まっているのは、そういったことも関係しているんだと思います」、などは今回のリストラの若い世代への影響を如実に示している。
・『若手ほど仕事の充実感が少ない  以前、「60歳以上はワーク・エンゲイジメントが3.70だったのに対し、29歳以下は3.29と全体平均を下回り、正社員では29歳以下の若手ほど働きがいを感じていない」という大規模な調査結果(『労働経済白書 令和元年版 労働経済の分析』)を紹介したが、その背景には彼らが今回話してくれた不完全燃焼感があるのではないだろうか。 (注:「ワーク・エンゲイジメント」とは、「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態」を表す概念で、具体的には「活力=仕事から活力を得ていきいきとしている」「熱意=仕事に誇りとやりがいを感じている」「没頭=仕事に熱心に取り組んでいる」の3つがそろった状態と定義される) 若手ほど、仕事に対する充実感が少ない。『労働経済白書 令和元年版 労働経済の分析 ─人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について』より。 どんな仕事でも実際に現場で回そうとすると、なかなかうまくいかないものだ。そんなとき年配者の気の利いた言葉や、ちょっとした気遣いに救われることがある。一つひとつは小さなことでも、そういった日常が繰り返されることでだんだんと「仕事の筋肉」が鍛えられ、あるとき小躍りするような成果が出たり、自分でも予期しなかった朗報が入ったり。「ああ、頑張ってきてよかった!」と安堵し、仕事が面白くなる。それは自分の成長を実感する瞬間でもある。 こうしたかけがえのない経験が、キャリアを耕すための重要なリソースが、希望退職という悪行により奪われているのだ。そして、それは企業がプロを育てることを放棄したことでもある。 この数年間でさまざまな業界で「プロがいなくなった」とたびたび感じるのも、長年汗をかいてきた熟練者を戦力外にし、彼らの技術移転がなされる機会が奪われ、若者が育たなくなったからに他ならない。 人員削減のような分かりやすいコストカットが、会社に残る人の心理に悪影響を及ぼすことは、世界中の調査研究で一貫して証明されているが、若者に与える影響は私たちの想像をはるかに超えている。 リストラで短期的に企業が救われたとしても長い目で見ればアウト。いわば「企業の自殺」だと繰り返し警告してきたが、希望退職で会社が再建できると考える経営者の人たちには、ぜひともその先に何があるのかを教えてほしいものだ。 今、経営者が新しいと思ってやっていることのほとんどは、何一つ新しいものなく、歴史を振り返れば、むしろそれがいかに愚行かが分かる。 例えば、日本の経営者が大好きな米国では、40年前に今の日本と同じことが起こっていた。意外に思われるかもしれないけど、1970年代まで多くの米国企業では、終身的な雇用を前提に社内で人材育成する「キャリア型雇用」がメジャーだった。 働く人は最初に就職した企業に忠誠を誓う一方で、企業は彼らのキャリアを育成する。定年を迎えるまで出世の階段をコツコツと上っていくのが常識とされていたのだ』、「この数年間でさまざまな業界で「プロがいなくなった」とたびたび感じるのも、長年汗をかいてきた熟練者を戦力外にし、彼らの技術移転がなされる機会が奪われ、若者が育たなくなったからに他ならない」、「人員削減のような分かりやすいコストカットが、会社に残る人の心理に悪影響を及ぼすことは、世界中の調査研究で一貫して証明されているが、若者に与える影響は私たちの想像をはるかに超えている」、「リストラで短期的に企業が救われたとしても長い目で見ればアウト。いわば「企業の自殺」だ」、などは大いに考えさせられる。「1970年代まで多くの米国企業では、終身的な雇用を前提に社内で人材育成する「キャリア型雇用」がメジャーだった。 働く人は最初に就職した企業に忠誠を誓う一方で、企業は彼らのキャリアを育成する。定年を迎えるまで出世の階段をコツコツと上っていくのが常識とされていたのだ」、私の忘れた記憶を思い出させてくれた。
・『1980年代、米国で起きていた不景気と人材の関係  ところが1980年代初頭、米国の景気は急速に冷え込み、リストラと国内工場の閉鎖が横行し、非正規雇用が増大する。 その結果、従業員の企業に対する忠誠心や士気は減退する。同時に、知的産業と他の産業間の雇用格差が拡大し、能力ある人材は「より高く払ってくれる企業」に流れるようになった。人材市場の流動化だ。 つまり、仕事のスキルを伸ばしてキャリアの可能性を広げる責任は、雇用主ではなく従業員みずからに課されるようになったのである。 一方で、ゼネラル・エレクトリック、IBM、シアーズ・ローバックなど米国の大企業は、社内育成制度を従来通り維持し続けた。人の可能性を信じ続けた経営者の“胆力”により、これらの企業は1990年代の米国の経済成長を支えたものの、極めて優秀な「人材供給企業」となり、コア人材の流出防止という新たな課題が生じるようになった。 そこで誕生したのが、MBA(経営学修士)などの経営の学位を取得した経営者の誕生である。 企業を経営する上で優秀な人材を流出させないためのは、きちんとした人材マネジメントをする必要がある。周りに流される経営ではなく、その会社にあったプロフェッショナルな経営ができる人物じゃないと会社は競争に勝てないし、存続できないという当たり前が一般化したのだ。 ここで興味深かったのが、プロになるのは現場経験が必要不可欠だったこと。どんな優秀なエリートCEOでも、経営幹部として現場に出て、多くの職務を経験し、社内で人脈を作り、昇進に伴い権限と責任を拡大させるなど、MBAでは学ぶことのできない「現場経験」をしていることが調査研究により明かされたのだ。 もっともこういった変化が起こったのも、コストカットだけやっていたんじゃ世界との戦いに勝てないと経営者が猛省し、「経営とは人の可能性にかけること」と経営者が考えたからに他らならない。 今のリストラしまくっている日本で、低学歴化(=Ph.Dを活かせない)が進む日本で、30年前の米国と同じような変化が果たして訪れるのだろうか。 “学ばない大人”たちよ、どうか“学びたい若い世代”を潰さないでくださいませ』、米国で「コストカットだけやっていたんじゃ世界との戦いに勝てないと経営者が猛省し、「経営とは人の可能性にかけること」と経営者が考えたからに他らならない」、これに比べ日本の経営者はだいぶ遅れているようだ。ただ、「日本で、低学歴化」には違和感がある。高学歴化が進んだのに、企業が対応し切れず、Ph.Dの就職難が進んだというのが、実態なのではなかろうか。
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