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アパレル(その3)(コロナ禍「アパレル壊滅」の中 ワークマンが一人勝ち「真の理由」 強みは商品開発力だけではなかった、レナウン経営破綻の真因 アパレルと百貨店は「共依存崩壊」で淘汰・再編も、ユニクロ・セルフレジ特許訴訟「泥沼化」の内情 今度はGUも提訴へ) [産業動向]

アパレルについては、5月9日に取上げた。今日は、(その3)(コロナ禍「アパレル壊滅」の中 ワークマンが一人勝ち「真の理由」 強みは商品開発力だけではなかった、レナウン経営破綻の真因 アパレルと百貨店は「共依存崩壊」で淘汰・再編も、ユニクロ・セルフレジ特許訴訟「泥沼化」の内情 今度はGUも提訴へ)である。

先ずは、5月13日付け現代ビジネスが掲載したディマンドワークス代表・ファッション流通コンサルタントの齊藤 孝浩氏による「コロナ禍「アパレル壊滅」の中、ワークマンが一人勝ち「真の理由」 強みは商品開発力だけではなかった」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72488
・『窮地の3月・4月に見せた「底力」  日本全国の郊外ロードサイド立地を中心に868店舗を展開するワーキングウエア(作業服)チェーン、ワークマン(20年3月末現在、うちワークマンプラス業態は175店舗)。 地味なアイテムを販売する存在ながら、アウトドアやタウンウエアとしても使える機能的コスパアイテムがあるということで、18年からSNSで話題となり、さらにメディアやバラエティ番組でも頻繁に取り上げられることによって、昨年、一般ユーザーにも一気に知名度を高めた急成長中チェーンだ。 従来の作業服、作業用品需要以外に、アウトドアウエア、スポーツウエアを強化し、一般顧客の需要を増やしたことで、20年3月期のチェーン全店売上高は1220億円(前年比31.2%増、既存店売上高25.7%増)、営業利益は191億円(41.7%増)と9期連続の最高益を計上した。 新型コロナウィルスによる外出自粛、商業施設の休業が続く3月、4月のアパレル流通市場の中でも、3月の既存店の売上高前年比は17.7%増、4月も5.7%増。多くの上場アパレル専門店が3月は前年比25〜30%減、4月は60〜70%減といった窮地の中でも、前年比増収を続ける。 もっとも、同社は都心の駅ビルや近郊のショッピングセンターに出店する外出自粛、自主休業の影響を大きく受けた他社と比べて事情が違う。 まず、郊外ロードサイド立地に単独で出店している、社会インフラを支えるプロ向け店舗ということで、休業店舗が極めて少なかったこと(同社がHPで発表しているのはショッピングセンター内の9店舗の休業のみ、その他数日間の休業や時短営業店舗はあり)。次にメイン客層である「社会インフラに関わる働く人」の現場は稼働中であり、その需要に応え続けていたこと。また、4月は現場工事の自粛・中止はあったものの、一方でもともと取り扱っていた感染予防、衛生用品の需要が高まったこと。 そのため、他のアパレル専門店と対前年比の業績比較をして、ワークマンプラス(スポーツウエア・アウトドアウエア)が好調のため、という指摘は適切とは言えない。 一般メディアでは機能性商品開発力やコスパばかりが取り上げられることが多いが、当記事では、そういった表に見える商品力を裏で支える、同社の本当の強さ=ビジネスモデルに注目してみたいと思う』、確かに郊外をドライブしていると、「ワークマン」の店舗が目につくようになった。「3月の既存店の売上高前年比は17.7%増、4月も5.7%増」、とは大したものだ。
・『「持続可能」なフランチャイズ方式  ワークマンは、ホームセンターのカインズホームやスーパーマーケットのベイシアを展開するベイシアグループに属する唯一の上場企業だ。ワークマン単体のチェーン全体売上規模は年商1220億円だが、グループの合計年商規模は1兆円に迫る巨大流通コングロマリットである。 同社はチェーンストアと言っても、フランチャイズ(FC)方式の展開がメインである。全国868店舗の内訳は834店舗のFC店と34店舗の直営店だが、後者の直営店も、ほとんどが、いきなり6年のFC契約(後述)に踏み切れないオーナー候補のための「お試し体験用」(業務委託店舗と呼ぶ)や、トレーニング店舗やワークマンプラスのフラッグシップ店舗である。FC店の多さは、直営店を毎年徐々にFC店に移行し続けて来た結果だ。 店舗のフランチャイズ契約の対象者は、「ワークマンが見つけた新規出店物件から通勤時間30分以内に住む夫婦」が原則というのが面白い。 つまり、地域特性や地域イベントを理解する夫婦と契約を結び、6年ごとに更新をする。初回契約年齢制限は夫婦ともに50歳未満を条件に、平均初回契約年齢は子供に手がかからなくなる年齢に近い42歳。現在の全店長の平均年齢は52歳、最高年齢は70代までいるようで、リタイヤする際は6〜7割が次世代に引き継ぐという。たとえ後継者がいなくても、あとは本部が何とかしてくれるので心配はない。 年間定休日は年間22日で、営業時間は毎日朝7時開店、夜20時閉店。忙しいのは、社会インフラに関わる働く人々が現場に行く前の朝と、帰宅前に作業服、作業用品を買いに来る夕の2つの時間帯。 そんな来客状況の中で、旦那さんが店を開け、奥さんには子供を学校に送り出してから店舗に来てもらい、夜は19時前に上がらせて、家で夕食の支度をしておいてもらう。仕入も販売業務もシステム化されており、残業は5分程度。そのため、帰宅後、8時半には夫婦で一緒に食事がとれるというわけだ。 コンビニだと24時間営業のため、家族で働くことを前提にFC契約をするとすれ違いが起こり、家族関係が崩壊するケースが少なくないという話を耳にするが、同じFCでもワークマンの場合、収入がそこそこ伴えば(後述)、かなり持続可能な脱サラ・独立の選択肢ではないかと思われる』、確かに「持続可能な脱サラ・独立の選択肢」のようだ。
・『人件費の負担が軽い  同社のビジネスモデルの強みは、ローコストオペレーションと稼いだ利益を投資に回し続けるキャッシュフロー経営である。 一般の専門店の販売管理費、特に固定費の中で最も大きなウエイトを占めるツートップが、人件費と家賃(一般的に併せて経費の6割以上)である。同社はバリューのある商品を低価格で顧客に提供するためのローコストオペレーションを行うにあたり、この小売業の2大経費の負担を軽くするしくみを採る。 まず、人件費については、同社はフランチャイズシステムを採ることによって、大幅に軽減している。 本社の負担になるのは、本社に勤務する社員人件費と直営店を運営する人員の業務委託料のみで、チェーン全体売上比率の4.5%に過ぎない(20年3月期決算、以下同様)。一方、FC店のオーナーの収入と同アルバイト人件費は、各店が実際に稼いだ粗利益の中から一定割合が支払われる変動歩合のしくみで、チェーン全体売上高の10%程度である。 つまり、チェーン全体人件費のうち約7割に相当する分が粗利高に応じて支払えばよい変動費となっている。これであれば、本部の人件費負担リスクは小さいし、FCオーナーも頑張った分だけ収入が増えるというウィンウィン構造になる。 ちなみに、同社のFCオーナー募集資料によれば、同社の1店舗あたりの年間平均売上高である1億3800万円の場合、粗利連動の取り分から店舗経費が差し引かれて、オーナーに振り込まれるのは月平均120万円程度(報奨金含む)とのことだ。 オーナーはそこからアルバイトの人件費約40万円を支払うことになるが、残ったオーナー自身の報酬に相当する月80万円は、地方のサラリーマンの年収や、脱サラして一から独自のファミリービジネスを始める場合の収入の不安定さと比べても、決して悪くはない収入になりそうだ(同社フランチャイズ加盟説明資料より)』、「オーナー自身の報酬に相当する月80万円」、第二の人生としては、決して悪くない水準だ。
・『家賃も抑え、高い利益率を実現  次に家賃である。一般の衣料専門店は店舗を賃貸条件で運営し、その賃料は売上比率で10%前後から高い場合で20%近くに上るが、ワークマンの場合、チェーン全体売上高に占める地代家賃比率はたったの1.1%だ。 なぜ、同社の地代家賃比率が格段に低いかというと、ワークマンのほとんどの店舗が同社の所有物だからである。出店先が郊外立地のため、土地の取得も店舗の建設費もローコストで済むので、同社は店舗を賃借するのではなく、自ら取得してしまっているわけだ。 ワークマンの経営の肝は、人件費が変動経費化され、地代家賃は物件取得によってほとんどかからないため、販売管理費の中の固定費が低く済むという点だ。そのため、顧客が商品バリューを感じてもらえる低価格、低粗利率設定(粗利率36.2%; 2020年3月期)で販売しても、同社には営業利益がしっかり残る。 2020年3月期の営業利益は191億円。チェーン全体売上対比17%、決算書上の同社売上対比20.7%となり、ファーストリテイリングの11.2%(2019年8月期)、しまむらの4.4%(2020年2月期)あたりと比べても利益率が格段に高いことがわかるであろう。 稼いだ営業利益は税引き後、投資、すなわち新規出店のための物件取得や店舗改装、店舗作業を効率化させるための前向きなシステム投資に循環することになり、ますます、販売効率アップ、利益向上へとつながっていく。 コストを抑えて、価値のある商品を安く販売する。FCオーナーは持続可能な生活とまずまずの収入を得る。本部は儲けた利益で改善のための再投資を繰り返す。三方よし、キャッシュフロー経営のお手本のようなビジネスモデルと言える』、「経営の肝は、人件費が変動経費化され、地代家賃は物件取得によってほとんどかからないため、販売管理費の中の固定費が低く済む」、素晴らしいビジネスモデルだ。
・『まだまだ伸びしろがある  そんなローコストオペレーションの基盤の上に、ワークマン本社は更なる店舗販売効率アップの施策を次々に打ち続ける。 ひとつめは、プロ向け販売の朝と夕方が忙しいのに対し、比較的閑散としていた昼間の時間帯に対して、一般客に向けたスポーツウエア、アウトドアウエア需要を見込んだことだ。これが、ここ1年間で同社の売上が増えた主要因である。実際、一日あたり1店舗あたりの買上客数はここ2年間で110人から145人に増えているという。 次に、2019年3月期から始めたユニホームの法人営業である。日中、店舗の近隣の零細・中小法人向けに、本部のセールススタッフとFC店舗のオーナーが営業をかける。受注された商品は本部が調達し、FC店舗経由で法人に届けて店舗売上とする。いわゆる外商売上による上乗せである。 さらにクリック&コレクト、つまり、オンライン注文の店舗受け渡しの促進である。「3980円以上送料無料」問題で楽天市場から撤退した同社は、自社公式サイトでのオンライン通販、ローカル店舗受取に力を入れる。これにより、店舗在庫の活用もできるし、倉庫→各店舗の既存ルート便物流網も利用できるわけで、顧客もワークマン側も追加運賃を負担せずに済み、顧客も自分の都合で欲しい商品をスムーズに受け取ることができる。 これらのローコスト運営店舗と物流プラットフォームを活かせば、まだまだ来店機会、販売機会を上乗せし、生産性を上げるアイデアは出て来そうである』、「まだまだ伸びしろがある」、というのは確かなようだ。
・『コロナ禍にも強い財務体質  最後に、コロナ禍の休業に苦しむ流通業の中で、浮き彫りになった同社のビジネス構造の強さをもうひとつご紹介しよう。それはフリーキャッシュフロー(現預金)の厚さ、つまり、いざという時の手元資金の潤沢さ、言い換えれば有事耐久性の強さである。 下の表は、上場アパレル企業の直近の財務諸表(PL、BS、CF)を元に、期末のフリーキャッシュフロー(手元資金)が何カ月分の販売管理費を賄えるかを表した数字だ。 【計算式……フリーキャッシュフロー経費耐久月数(※筆者の造語)=期末フリーキャッシュフロー÷(年間販売管理費÷12)】 売上を上げるために必要な販売管理費には固定費と変動費があるが、小売業にとって固定費が大半を占める。固定費はいうまでもなく、何らかの事情で営業ができず、売上がゼロだったとしても払い出さなければならない経費であり、もしそのような状況に陥った時に、各社の手元資金が何か月持つかという話である。 大手上場衣料専門店の売上上位から、ファーストリテイリングは16.2か月、しまむらは6.8か月、青山商事は6.0か月、アダストリアは2.9か月、AOKIは4.5か月、ユナイテッドアローズは1.0か月、西松屋は10.6か月、パルは9.7か月分保有する。これに対して、ワークマンは22.3カ月分ものフリーキャッシュフローを有する(すべて直近四半期決算短信を元に、経過期間月数で計算)。 あくまでも、これらの数字は、各社の決算期末という断片的に切り取った数字であり、大手企業であれば、借り入れなど資金調達手段はあるので、そう簡単に資金ショートを起こすことはないだろう。 一般的に小売業は店舗を開けていれば、日銭が稼げ、資金が回せるので、手元資金(現預金)をたんまりと持っている必要はなかったが、こうして計算してみると、各社の手元資金は意外と潤沢とは言えない企業もある、というのが筆者の印象だった。 しかし今、新型コロナウィルスショックにより、3月の後半および4月、5月は営業自粛でオンライン通販以外ではほとんど売上が立たない、まさしく有事の状況となった。 有事の時は手元資金がモノを言う。一定月数の手元資金があれば、目先にあたふたせず、落ち着いて未来を考えることができることを、今回、多くの企業が思い知らされたことであろう。そして、このような事態は今後、もう二度と起こらないとは誰も断言できないわけだ。 そんな状況下で今、多くの企業が有事に備えて、かつ投資家にプレッシャーをかけられない範囲で、どれくらいの手元資金を持つべきかを考え、また販売管理費(固定費)の見直しを迫られていることだろう。 ワークマンのフリーキャッシュフローの販売管理費耐久月数が長いのは、同社が営業利益をしっかり稼ぎ、未来の出店やシステム投資に循環させるキャッシュフロー経営発想であること、そして、ローコストオペレーションの徹底により、そもそも販売管理費が低いためである。 商品開発力ばかりが話題になるワークマンであるが、実は、そのビジネス構造や経営発想からも学ぶことがたくさんありそうだ』、今後の展開が楽しみだ。

次に、5月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した流通ジャーナリストの森山真二氏による「レナウン経営破綻の真因、アパレルと百貨店は「共依存崩壊」で淘汰・再編も」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/238299
・『老舗アパレルのレナウンが民事再生手続きに入り経営破綻した。レナウンの破綻をめぐっては新型コロナウイルスの影響、EC(電子商取引)事業への出遅れ、さらに中国の山東如意科技集団見限り説など諸説ある。しかし、真因は別にある』、興味深そうだ。
・『レナウンを“経営破綻の淵”に追い詰めた百貨店業界  レナウンの経営破綻については、「中国企業の傘下に入って以降の経営の混乱」や「EC(電子商取引)の出遅れ」が原因という説が目立っている。 もちろん、それは正しいし、直接的にはレナウンの53%の株を保有している山東如意の香港子会社から売掛金53億円を回収できず、山東如意自らが苦境に陥る中で、レナウンを踏み台にして経営破綻の引き金を引いたからだろう。 しかし、レナウンの経営破綻の“真因”はもっと別のところにある。 実は、レナウンを真綿で首を絞めるようにして“経営破綻の淵”に追い詰めていったのは、言うまでもない。百貨店業界なのだ。 「どんなもの持ってきてくれたの。これ、あまり売れないんじゃない。まあ、いいや。検討するから」 ある日の百貨店バイヤーと大手アパレルの担当者とのやり取りだ。 そう、多くの百貨店のバイヤーはこれまで、アパレルメーカーがシーズンごとに持ってくる商品から選んで売り場に並べる手配をするだけ。 あとは、アパレルから派遣された店員が百貨店の売り場で販売を行い、売れなかったら、アパレルにリスクを取ってもらって返品という見事なまでの「ノーリスクの仕組み」が展開されてきたことは、周知の通りだ』、「レナウンの53%の株を保有している山東如意の香港子会社から売掛金53億円を回収できず、山東如意自らが苦境に陥る中で、レナウンを踏み台にして経営破綻の引き金を引いた」、中国企業頼みが裏切られたようだ。ただ、「経営破綻の“真因”は」「百貨店業界」、はその通りなのだろう。
・『多くの百貨店バイヤーは“ぬるま湯”に浸かっている  多くの百貨店バイヤーは、自らの目利きで商材を探し、仕入れてくるという本来の業務を忘れ、アパレルメーカーが運んでくる商品をひたすらチョイスするという“ぬるま湯”に浸かった状態だ。 硬直化した商慣習が百貨店の衣料品の弱体化を招き、消費者から百貨店の衣料品離れを加速させたのは間違いないところだろう。 百貨店とアパレルは抜き差しならぬ関係とでもいうか、「共依存」とでもいうべき関係を築きあげてきた。あたかもサンクチュアリのように』、ただ、「百貨店」自体も殿様商売は許されなくなってきた。
・『オンワードのSC向け「組曲」に百貨店がクレーム  それを象徴するこんなエピソードがある。 百貨店の衣料品不振が鮮明になってきた2005年、オンワード樫山(現オンワードホールディングス)は百貨店以外の新たな販路を築こうと当時、台頭していたショッピングセンター(SC)向けのブランド、「組曲SiS(シィス)」「組曲FAM(ファム)」を売り出そうとした。 しかし、ここで百貨店からクレームがついた。) 「組曲」といえば、オンワードが百貨店ブランドとして流通しており、百貨店側から「SC向けに、少しだけ名前を変えて販売するのはけしからん」と、同じ「組曲」をつけての販売はまかりならぬという注文がついたのである。 百貨店が組曲の育成にあたって出資したわけでもなく、法的な制約もない。ひたすら、“長年の関係”を持ち出して「けしからん」というだけである。 結局、オンワードでは、組曲のブランド名を外し「any SiS(エニィスィス)」「any FAM(エニィファム)」にブランド名を変えて販売、現在に至っている。 アパレル側もオンワードが6割超、レナウンンも6割の売上高を百貨店に依存。そんな中で、百貨店の発言は絶対。従うしか、なかったのである。 仮定の話ではあるが、レナウンにしても、オンワードにしても百貨店の衣料品が曲がり角を迎え、凋落傾向に入った時点でSCやECに本格的にかじを切っていれば、レナウンは今日のような事態を免れていたかもしれない。 しかし、オンワード樫山の「組曲」のように、アパレルが新しいことをしようとすると、つねに百貨店から“監視の目”が入った。 アパレルが自ら作り上げたとはいえ、百貨店との商慣習に縛られ続けたのだ』、「百貨店」も「アパレルが新しいことをしようとすると」邪魔するとは、大人気ない。
・『アパレルの淘汰は百貨店の危機を招く  レナウンが中国の山東如意に翻弄(ほんろう)され、経営破綻した今回の件だが、アパレルの中でも“特殊なケース”とみるのは早計だ。 アパレルの淘汰(とうた)は、回り回って百貨店にも大きな影響を及ぼすのは明白だ。 百貨店とアパレルは運命共同体であり、一心同体の関係にある。ゆえに、アパレルの淘汰が相次げば、百貨店自体も危機に陥る構図なのだ。 2019年の百貨店の商品別の売り上げ構成比は、食品が27.6%、衣料品が約29.2%、化粧品や宝飾品、貴金属など雑貨が約20%だ。 百貨店の利益は、インバウンド(訪日外国人)に人気の「化粧品」と、商慣習に守られた「衣料品」の2本柱が担っているのが実情だ。 食品の構成比が大きくなっているのだから、アパレルに依存しなくても平気ではないか」というご指摘もあろうが、いくら売り上げ構成が大きくなっても食品の利益貢献度は低い。 足元、コロナでインバウンドが霧消しているのは周知の通り。そこで主流だった中国人観光客らは利益率の高い化粧品を購入してくれたから、非常に良い顧客だった。 しかし、現在は、インバウンドの免税売上高はほぼゼロに近い状態だ。もちろん、この先も中国人をはじめ、多くの外国人観光客らが以前のように日本を訪れ、百貨店で買い物をしていくという保証はまったくない。 ましてや、衣料品の購入場所は、ECや低価格のカジュアル衣料品店に移行している。コロナ禍で百貨店やSCの営業休止が続いているし、過剰在庫問題にも苦しめられている。 「コロナの第2波、第3波が来れば、まず、体力のない地方の百貨店は経営危機を迎える」(証券アナリスト)のは確かだ。 つまり、百貨店、アパレルには共依存が生んだ悲劇ともいうべき「共倒れの構図」が待ち受けているのだ』、その通りなのだろう。
・『ささやかれる百貨店大手同士の再編  今、百貨店業界でまことしやかにささやかれている再編話がある。 それはずばり、大手同士の経営統合だ。地方百貨店の次に苦境は大手にも襲い掛かるという見立てだが、代表的なのが「高島屋」と「エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)」の経営統合と「東武百貨店」と、「松屋」の経営統合だ。 また、再燃していると思われる方は相当な業界通だろうが、高島屋とH2Oは、かつて、伊勢丹の大阪進出にあたって“共闘”、株式まで持ち合っている。 アパレルをはじめとする取引先に無言の圧力がかかったのはいうまでもない。この関係を再び持ち出し、コロナ禍を乗り切ろうということか。 そして東武百貨店と松屋は、松屋の浅草店が東武鉄道の浅草駅にあることでも知られるように、もはや切っても切れない間柄で、東武鉄道は松屋の大株主でもある』、「百貨店大手同士の再編」も確かにありそうだ。
・『四面楚歌の状態に追い込まれるのは必至  その一方、アパレルもオンワード樫山などの持ち株会社であるオンワードホールディングスの20年2月期のECの売上高が前期比30.6%増の333億円、EC比率は13%に達してきており、百貨店離れは着実に進んでいる。 百貨店業界にとって“最後に駆け込む砦(とりで)”となってきたアパレル業界ではあるが、そのアパレル業界自体で淘汰が進み、“百貨店離れ”を引き起こしている。 やがて、百貨店はアパレルに依存できない状態に陥るのは明らかだろう。化粧品や宝飾品などのインバウンド需要も当面、まったく当てにできないとあって四面楚歌(そか)の状態に追い込まれるのは必至だ。 レナウンの経営破綻は、アパレル淘汰の序章であると同時に、百貨店の淘汰・再編の序章でもあるのだ』、「共依存」が進んだ「百貨店、アパレル」の今後の「淘汰・再編」に注目したい。

第三に、6月22日付けダイヤモンド・オンライン「ユニクロ・セルフレジ特許訴訟「泥沼化」の内情、今度はGUも提訴へ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/240953
・『セルフレジの特許侵害で取引先から訴えられているユニクロが、今度はGUでも同型のレジを全国に設置し始めた。特許訴訟の決着はまだついておらず、グレーのままでレジを全国展開するファーストリテイリング。いったい何が起こっているのか』、初めて知ったが、興味深そうだ。
・『特許訴訟中のセルフレジをGUにまで設置するファストリ  「GUの店舗に行ったら、セルフレジがユニクロと同じ形態に変わっていたんです。うちが特許権侵害行為差し止めの仮処分を求めている、あのレジです。店員さんに聞いたら、『5月20日に設置しました』と。ファーストリテイリングさんが何を考えているのか全く分からなくて、頭を抱えました」 そう嘆くのは、セルフレジの特許侵害についてファストリと争っているアスタリスク社の鈴木規之社長だ。 ファストリが全国に設置しているセルフレジは、商品のICタグを読み取り、かごをレジのくぼみに置いただけで決済できる。アスタリスク社は19年1月にこの仕組みと同様のセルフレジに関する特許を取得しており、同年9月、ユニクロに対して特許権侵害行為差し止めの仮処分を求めて東京地裁に申し立てた(詳細記事:https://diamond.jp/articles/-/217080)。 これに対しファストリは、特許そのものが無効であると主張して特許庁に無効審判を請求し、審理が進行中だ。さらにその後、ファストリはアスタリスクのセルフレジに関する別の特許も含めて計5件の無効申請を行う徹底抗戦ぶりだ。 「あれから毎日ファストリさんとの訴訟の資料作りをしている気がします」と鈴木社長は苦笑する。 仮処分申し立ての結果そのものは、2020年初頭にも結果が出るとみられていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で裁判所や特許庁が業務を縮小し、審理がストップしてしまっていた。 訴訟の進展の見られぬ中、ファストリはユニクロだけでなくGUの店舗内のセルフレジも、いつの間にかユニクロと同型のレジへとひっそりと置き換えていた。 GUのセルフレジは、もともとはユニクロのレジとは違い、カゴを置いた後に扉を閉じる仕組みだった。これは、ファストリと東芝テックが共同で特許出願しているタイプだ。ところが今回、わざわざ訴訟中のレジと同型のレジに交換したのである。 GUの店舗を全国的に調査したアスタリスクは6月16日、今度はジーユーに対しても、特許権侵害行為差し止めの仮処分命令を大阪地裁に申し立てた。 「レジが交換されたのは、たまたまコロナの外出自粛期間でした。ですが調達から考えると、昨年末から用意していたはずだ」と鈴木社長は推測する。 GUのセルフレジに対してアスタリスクが仮処分申請したことについて、ファストリにコメントを求めたが期限までに回答はなかった。 昨年5月にファストリがアスタリスクの特許に対して請求している特許無効審判は、最近になってようやく進展が見られた。 6月5日、特許庁は「審決の予告」を行った。審決の予告とは、特許審判で被請求人に「無効審決」など不利な審決の前に出るものだ。つまり、アスタリスク側に不利な内容の結論になりそうだということだ。 ただし、その内容を詳しく見ていくと、どうやらそうともいえないようだ。 特許無効審判では、有効・無効の判断は特許単位ではなく請求項(クレーム)単位で行われる。1つの請求項でも有効とされれば侵害責任は生じるというわけだ。 今回の審決の予告では、ファストリが無効と訴えた特許の請求項1~4のうち、3つの請求項が無効とされた。これは、米国にある1つの特許に引っかかったからだ。 ただし、請求項3は無効とはならなかった。つまりアスタリスクの特許の一部は認められたというわけだ。 テックバイザー国際特許商標事務所弁理士の栗原潔氏は、「一般論として言えば、請求項3が生き残ったということは、『シールド部が、電波吸収層と、電波吸収層の外側に形成された電波反射層から成る』という構成要素をユニクロの機器が持っているか(あるいは、設計変更で持たないように回避可能か)が今後のポイントになる」と指摘した上で、「この点は実際に機器を開発している企業でないとわからない」と解説する。 また、審決の予告の場合は、無効とされた請求項について、60日以内であれば特許権者側が訂正をすることが認められる。これをアスタリスクがクリアできれば、審理は継続する。」』、「ファストリが」「GUのセルフレジ」を、「ファストリと東芝テックが共同で特許出願しているタイプ」から、「わざわざ訴訟中のレジと同型のレジに交換した」、よほど自信があるのかも知れない。
・『特許制度は大企業に有利という最大の問題点が浮き彫りに  ただし、知財の専門家の間では、審決の予告を出す特許庁の意図は、当事者に和解の可能性を探らせる効果があると判断した場合だと考えられている。 もちろんファストリ側も、特許が認められた請求項3に関して、セルフレジがそれを侵害していないと主張する戦い方もできる。 しかし、そもそもアスタリスク側はファストリにライセンス料を求めていただけだったので、金銭的な和解で解決可能だと見るのが妥当だ。 ただ和解するにしても、ファストリができるだけ有利に事を進めたいと考えた場合、考えられる作戦は「裁判の長期化」だ。 実はこの審決が確定した後、ファストリ側が「この審決自体が無効だ」と知財高裁に駆け込めば、ファストリは延長戦に持ち込める。 一方、セルフレジの特許侵害に関する裁判については、7月ごろに審理が再開することが決まった。コロナの影響で延びることも考えられるが、一般的には年内には決定が出る。仮処分が出ればレジを使えなくなるため、ファストリ側は和解するという見方が強い。 こちらもファストリ側は、仮処分ではなく本案訴訟(本訴、一般的な訴訟のこと)にさせて裁判所で決着したいと考えているだろう。仮処分ではなく本訴となった場合、仮処分の決定は先送りされ、最長で最高裁まで戦う可能性も出てくる。 そうなると、勝負を左右する要素の一つに、アスタリスク側の体力が関係してきてしまう。 現時点でファストリとの戦いのために、アスタリスクは弁護士や弁理士費用に月250万円を充てているという。中小企業にとって年間3000万円の出費は痛い。 「たまたま新型コロナの影響が小さかったため訴訟を続けられたが、業績が悪かったら戦えなかった」と鈴木社長は打ち明ける。 このまま仮処分も出ず、特許そのものの争いも知財高裁へと進めば、あと数年はセルフレジが何台置かれようと金は入らず、アスタリスク側にはただ費用だけが積み上がっていく。 知財コンサルタントの藤野仁三氏は、裁判の長期化は、特許制度の本質的な問題であると指摘する。 知財高裁は「後知恵による特許性の否定」を排除しており、特許が審決で無効とされる割合は減っている。 ただし、「裁判所で争う道は依然として残されているので、資金力の有無が最終的な結果に影響することは避けられない。裁判所も現行の制度は中小企業に不利という雰囲気を感じているようなので、それが本件にどのような影響を及ぼすかが今後のポイントだ」(藤野氏)。 ファストリとアスタリスクの戦いからはっきりとわかることは、特許紛争については圧倒的に資本力のある大企業が有利であるということだ。金がなければ、特許を持っていたとしても、そもそも最後まで訴訟を戦い切ることすらできない。 現状は、特許侵害は大企業の「やり得」になっている。ここに、問題の本質があるようだ。 ファストリは6月19日、東京・銀座に日本最大級のグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO」をオープン。その発表会の席上、柳井正会長兼社長は、「客のためになる店は栄える。店に意義があり、働く人が使命感を持ち、良い商品を売っている。行ってよかったという体験ができる。そういう店が生き残る。それ以外の店は今回のコロナでほとんどダメになる」と語った。 確かにその通りだが、世界のアパレル業界の潮流はその先を行っている。アパレルは下請けへの搾取構造がまかり通ってきた業界だ。ただ、社会的責任を果たすべく工場や協力会社を開示し、クリーンさを打ち出すアパレルが海外では急成長している。 商品はもちろん大事だが、顧客の目は厳しくなっている。UNIQLO TOKYOに並ぶレジのほとんどが、係争中のセルフレジだ。特許争いに審決が下されたときのファストリの振る舞いに本性が表れるだろう』、「特許紛争については圧倒的に資本力のある大企業が有利である・・・現状は、特許侵害は大企業の「やり得」になっている」、中小企業が不利にならないよう「特許紛争」の解決のあり方を見直すべきだろう。
タグ:アパレル gu ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス 森山真二 (その3)(コロナ禍「アパレル壊滅」の中 ワークマンが一人勝ち「真の理由」 強みは商品開発力だけではなかった、レナウン経営破綻の真因 アパレルと百貨店は「共依存崩壊」で淘汰・再編も、ユニクロ・セルフレジ特許訴訟「泥沼化」の内情 今度はGUも提訴へ) 齊藤 孝浩 「コロナ禍「アパレル壊滅」の中、ワークマンが一人勝ち「真の理由」 強みは商品開発力だけではなかった」 窮地の3月・4月に見せた「底力」 「持続可能」なフランチャイズ方式 持続可能な脱サラ・独立の選択肢 人件費の負担が軽い ビジネスモデルの強みは、ローコストオペレーションと稼いだ利益を投資に回し続けるキャッシュフロー経営 本部の人件費負担リスクは小さいし、FCオーナーも頑張った分だけ収入が増えるというウィンウィン構造になる オーナー自身の報酬に相当する月80万円 家賃も抑え、高い利益率を実現 ワークマンのほとんどの店舗が同社の所有物 経営の肝は、人件費が変動経費化され、地代家賃は物件取得によってほとんどかからないため、販売管理費の中の固定費が低く済む まだまだ伸びしろがある コロナ禍にも強い財務体質 「レナウン経営破綻の真因、アパレルと百貨店は「共依存崩壊」で淘汰・再編も」 レナウンを“経営破綻の淵”に追い詰めた百貨店業界 レナウンの53%の株を保有している山東如意の香港子会社から売掛金53億円を回収できず、山東如意自らが苦境に陥る中で、レナウンを踏み台にして経営破綻の引き金を引いた 多くの百貨店バイヤーは“ぬるま湯”に浸かっている オンワードのSC向け「組曲」に百貨店がクレーム アパレルの淘汰は百貨店の危機を招く ささやかれる百貨店大手同士の再編 四面楚歌の状態に追い込まれるのは必至 「ユニクロ・セルフレジ特許訴訟「泥沼化」の内情、今度はGUも提訴へ」 特許訴訟中のセルフレジをGUにまで設置するファストリ アスタリスク社 わざわざ訴訟中のレジと同型のレジに交換した 特許制度は大企業に有利という最大の問題点が浮き彫りに 中小企業にとって年間3000万円の出費は痛い 特許紛争については圧倒的に資本力のある大企業が有利である 現状は、特許侵害は大企業の「やり得」になっている 「特許紛争」の解決のあり方を見直すべき
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