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日本の政治情勢(その52)(自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏、安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない、危機感不在の呆れた第3次補正予算案 菅政権「国民のために働く」はどこへ) [国内政治]

日本の政治情勢については、12月9日に取上げた。今日は、(その52)(自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏、安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない、危機感不在の呆れた第3次補正予算案 菅政権「国民のために働く」はどこへ)である。

先ずは、12月19日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「自民と公明、「衆院広島3区」で異例の対立のわけ 河井被告の後任候補で苦悩を深める岸田氏」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/397439
・『混迷を極める「Go To政局」の陰で、ポスト菅を目指す岸田文雄前政調会長が苦悩を深めている。地元の衆院広島3区での次期衆院選与党候補をめぐって、公明党と自民党広島県連が真っ向から対立しているからだ。 長年にわたり全国の小選挙区ですみ分けを続けてきた自公両党が、特定選挙区の候補擁立をめぐって表舞台で激しくぶつかり合うのは極めて異例のことだ。 「自公両党の闇試合のような複雑な駆け引き」(閣僚経験者)の裏側には、公明との太いパイプを持つ菅義偉首相や二階俊博自民党幹事長の影もちらつき、「次期総裁選をにらんだ岸田つぶしの陰謀」(岸田派幹部)との見方も広がる』、「広島」は2010年の参院選挙で、現職だが、反安部の横手に加え、河合安里を追加公認、執行部の河合テコ入れで、横手は落選。今に至る問題を生じたところだが、衆院選がキナ臭くなったようだ。
・『宏池会の「牙城」で自公が対立  発端は、広島3区現職の河井克行元法相が巨額買収事件で検察当局に逮捕・起訴され、自民党を離党して法廷闘争を続けていることだ。自民党が同区の新たな候補者を擁立する作業を進めている最中に、公明党が先手を打つ形で斉藤鉄夫副代表(68)=衆院比例中国=の出馬を機関決定した。 慌てた自民党広島県連は、公募を経て石橋林太郎県議(42)を擁立したことで地元での自公対立が決定的となり、「県連レベルでの調整は困難」(自民選対)な事態に陥った。 そもそも、広島は宏池会(岸田派)の創始者の故池田勇人元首相や、故宮沢喜一元首相の地元として、派閥結成以来の「宏池会の牙城」(派幹部)だった。岸田氏にとって今回の公認争いで指導力を発揮できなければ、「総理・総裁候補失格の烙印」(自民幹部)を押されかねない。) 自民広島県連は、11月に河井氏に代わる同区の公認候補となる新支部長選任のための公募を始めたが、その間隙を突くように公明党が11月19日に斉藤氏の擁立を決定。すぐさま山口那津男代表が菅義偉首相や二階俊博自民党幹事長に協力を要請した。 一方、自民県連は12月8日に公募者の中から石橋氏を選び、9日に県連会長の宮沢洋一元経済産業相が党本部で二階氏と山口泰明選対委員長と会談、与党としての石橋氏一本化を要請した。 公明の斉藤氏擁立は「自民議員が買収事件を起こした選挙区では、後任の自民候補は応援できない」(幹部)のが理由。擁立決定を受けて斉藤氏も直ちに選挙区回りを始めるなど、党を挙げての選挙態勢づくりを進めている』、「公明の斉藤氏擁立は「自民議員が買収事件を起こした選挙区では、後任の自民候補は応援できない」(幹部)のが理由」、予め分かっていた筈で、自民党はどうするつもりだったのだろう。
・『『菅、二階両氏と岸田氏の「微妙な関係」  対する自民県連は「選挙区に出さない選択肢はありえない」(幹部)と、石橋氏での候補一本化を譲らない。ただ、県連会長の宮沢氏は岸田氏の従兄弟であり、「最終的には岸田氏が決断するしかない」(自民幹部)との見方が多い。 しかし、公明側は岸田氏が斉藤氏での一本化に反対すれば、「他選挙区の岸田派候補の支援は拒否する」と脅しをかけたとされる。岸田氏周辺でも「党本部裁定しかない」との声が広がっている。 そこで問題となるのが、最終的な公認決定権限をもつ菅首相(自民党総裁)、二階幹事長の両氏と岸田氏との関係だ。安倍晋三前首相の突然の退陣表明を受けた後継レースでは、岸田氏に批判的な二階氏の主導で菅政権が実現し、菅首相も党・内閣人事で岸田氏を無役に追いやった経緯がある。 今回の公明党の斉藤氏擁立について、菅首相や二階氏は「特に異論を唱えなかった」(自民幹部)とされ、候補者調整の責任者の山口選対委員長も、9日の宮沢氏の要請に「党幹部でよく相談したい」とあいまいな態度に終始した。 候補者調整で後手に回った岸田派は、8日の臨時幹部会で対応を協議したが、主戦論が出る一方で、「今回は公明に譲って石橋氏は比例に回る」「河井案里被告(参院議員)の失職による参院広島選挙区補選での公明の選挙協力の確約」など、「条件闘争に移るべきだ」(派幹部)との意見も出て、こちらも腰が定まらない状態だ。 岸田氏は、9日夜の民放BS番組に出演した際、「これは党と党で話し合う問題だ」と党本部の対応に委ねる姿勢を強調。自公両党の調整作業についても「与党が分裂して戦うことはあり得ない。私は私の立場で努力したい」と踏み込んだ発言は控えた』、「岸田氏」は本当に頼りないようだ。危機感はないのだろうか。
・『斉藤氏を与党候補とする方向で調整へ  そうした中、地元での調整が膠着状態に陥ったのを見透かすように、自民執行部は12月中旬に公明との水面下での調整を本格化。その結果、自民は次期衆院選広島3区では公認候補を立てず、斉藤氏を与党候補とする方向で12月下旬にも公明側との協議を進める構えだ。 自公両党は「与党の議席を確保することが最優先」(山口那津男代表)との立場で一致している。このため「自民候補では公明の協力が得られず、当選もおぼつかない」(自民選対)との判断から公明に譲歩する方向になったとされる。山口選対委員長は16日の岸田文雄前政調会長との会談を踏まえ、「複数の選択肢があるが、円満になるようやっていきたい」と今後の調整に自信をにじませた。 これに対し、岸田氏は17日に「簡単なことではない。ぜひ丁寧にやってもらいたい」と党執行部による一方的な調整作業を牽制した。ただ、一連の調整作業で弱腰にもみえる岸田氏に対し、自民党内では「密かに公明党と通じる菅、二階両氏による岸田つぶしに徹底抗戦する度胸はない」(細田派幹部)との厳しい見方も広がる。 その一方、次期衆院選の候補者調整をめぐる「菅・二階連合の強権的手法」(細田派幹部)には自民党内の反発も強い。多くの派閥は次期衆院選での公認調整での二階氏ら党執行部の対応に不満を隠せず、「岸田氏が簡単に降りると、他の選挙区の公認調整にも影響が出かねない」(竹下派幹部)との不安を隠さない。 特に岸田派は広島3区以外でも、静岡5区や山口3区で二階派との公認争いを展開しており、「広島で腰砕けになれば、総崩れになりかねない」(岸田氏周辺)と危機感を強める。 折しも、師走に入ってのGoTo政局は混迷の度を深めている。コロナ感染者の拡大が続き、菅首相は14日、肝いり政策だったGo Toトラベルの全国一斉停止に追い込まれた。同日夜には二階幹事長ら8人と会食し、「言ってることとやってることが正反対」との国民の批判を招いて菅首相が陳謝を余儀なくされた』、「菅・二階」が逆風にあるのに、「岸田氏」は高見の見物なのだろうか。
・『「反菅」は岸田氏の追い風になるか  これに先立つ11日のインターネット番組出演の際の「ガースーです」発言も含め、ここにきて「菅首相はやることなすこと悪手の連続」(自民長老)との批判が拡大。自民党内でも「密かに反菅のうごめきが始まっている」(閣僚経験者)とされる。 だからこそ、9月の総裁選で2位につけた岸田氏の存在が注目を集める。9月の総裁選で菅首相に大差で敗れた岸田氏だが、「ここにきての菅首相への逆風は、ポスト菅を狙う岸田氏のチャンス拡大につながる」(自民幹部)との指摘もある。岸田氏周辺でも「党内の菅・二階連合への不満が岸田政権誕生への追い風になる」(若手)との期待が広がる。 岸田氏は10月以降、当選同期で総裁選後も親交が続く安倍前首相との連携強化に向け、側近も含めて安倍氏サイドとの交流を図ってきた。ただ、その安倍氏は桜を見る会をめぐる虚偽答弁疑惑が再燃し、「身動きが取れない状況」(安倍氏周辺)となっている。 岸田氏は17日、菅首相のステーキ会食について、「コロナ対策は大変厳しい状況だ。政治家あるいは政府の関係者は自らの行動をしっかりと考えていかなければいけない」と間接的な表現で批判してみせた。ただ、「広島3区で党執行部にあっさり押し切られるようだと、党内の岸田待望論もしぼみかねない」(閣僚経験者)。「党執行部にどう対峙するかで、岸田氏の真価が問われる」(同)ことになりそうだ』、「岸田氏」は「安倍氏」に後継問題で裏切られながら、いまだに「親交」を続けているとは、本当に甘い人物だ。当面、期待できそうもない。

次に、12月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した事件ジャーナリストの戸田一法氏による「安倍前首相、桜前夜祭の補填「知らなかった」は常識では考えられない」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258483
・『安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した前夜祭の費用補填(ほてん)問題で、東京地検特捜部(以下、特捜)は24日、政治資金規正法違反(不記載)と公職選挙法違反(寄付行為)の両容疑で告発されていた安倍前首相を嫌疑不十分で不起訴とした。後援会代表の配川博之公設第1秘書については、政治資金収支報告書に3000万円余を記載しなかったとして、政治資金規正法違反の罪で略式起訴した。特捜は一連の捜査を終結し、安倍前首相は刑事事件に問われることはなかったが、政治責任を問われるのは必至だ』、「特捜」は検察審査会を意識して捜査した形を整えただけなのだろう。
・『安倍前首相は関与否定、秘書は認める  配川秘書の起訴内容は、後援会の2016~19年分の報告書に、前夜祭の参加者から集めた収入約1157万円、ホテルに支払った支出約1865万円を記載せずに山口県選挙管理委員会に提出したとされる事実だ。 前夜祭は13~19年に桜を見る会の前日、東京都内の二つのホテルで開催された。参考までに、昨年の前夜祭には海外の要人も利用する「超」が付く高級ホテル「ニューオータニ」で約800人が参加。会費は5000円だったが、ホームページは「立食パーティーは1人1万1000円から」としていた。 安倍前首相側が19年までの5年間でホテルに支払った総額は計約2300万円とされる。参加者の会費5000円との差額は安倍前首相が代表の資金管理団体「晋和会」が補填(ほてん)したとみられるが、後援会や晋和会には記載されていなかった。 全国紙社会部デスクによると、特捜は安倍前首相を不起訴とした理由について「収支報告書の作成に関与しておらず、不記載についても認識していたという証拠はない」とし、配川秘書を公判請求ではなく略式とした理由は「犯行形態や金額、過去の事案との比較で総合的に判断した」と説明したという。 安倍前首相は21日、特捜の任意聴取に対し「費用を補填していた事実は知らなかった」と関与を否定。配川秘書は補填と不記載の事実を認めていた。結局、刑事処分されたのは配川秘書だけで、後援会と晋和会の会計責任者はそれぞれ嫌疑不十分で不起訴、後援会の事務担当者は起訴猶予とされた。 配川秘書の起訴内容について16~19年分としたのは、山口県選管が政治資金規正法の保存期間に基づき、15年以前の分を既に廃棄しており、期間を絞ったとみられる。後援会は23日、山口県選管に17~19年分について前夜祭の収支を計上し、収支報告書を訂正した。 告発状は全国の弁護士や法律研究者が今年5月以降、相次いで提出。前夜祭の費用を補填したのは晋和会だが、収支報告書には記載がなかったため、晋和会も不記載に当たると主張していたが、特捜は証拠不十分で立件は見送った。 また補填は有権者への寄付や選挙の買収に当たり、公選法違反だと訴えたが、こちらも不起訴となった。前夜祭は立食パーティーで飲み物のほかは簡素な食事だったため、参加者が特捜の聴取に「5000円でも高いと思った」と供述したことや、衆院選の時期と離れていたため、安倍前首相側や参加者に寄付や買収の意図・認識はなかったと判断したもようだ』、「特捜」の判断は大甘だ。
・『問題発覚も「クビ」にならない秘書  この問題を巡っては、インターネットの投稿サイトなどに安倍前首相の熱烈な支援者らが「何ら問題ない」と擁護。野党支持者からは猛烈な批判が飛び交い、自民党支持者とみられる投稿にも「はっきりさせるべきだ」などとする意見も見られた。 筆者は自民支持でもアンチでもないが、国会答弁などを見ていて「説得力のない、子どもじみた説明だな」と感じていた。「補填した事実はない」「ホテルから明細はもらっていない」「各個人がそれぞれの費用で上京し、ホテルに直接、払っている」……。 補填した事実がないと言い切るなら、会費が5000円と分かっているのだから、ホテルに「1人の飲食代金はいくらか」と問い合わせれば問題は一発で解決したはずだ。立食パーティーでホテルが1人ずつ代金を徴収するはずがないということは、一般常識をわきまえた社会人なら分かるはずだ。 首相経験者を一般常識のない社会人とは思いたくない。 では、なぜ一発で解決する問い合わせをしなかったのか。理由は簡単だ。 補填していたという事実が明らかになり、国会答弁が虚偽だったと認めざるを得なくなるからだ。自分が虚偽答弁をしているという自覚があったからにほかならない。 今回の問題では結果的に、配川秘書が安倍前首相にうそをつき続けていたということになるのだが、そんなことがあり得るだろうか。安倍前首相の熱烈な支持者は「安倍前首相をだまし続けていた秘書を許せない」と言うところだろうが、常識ある方なら自民支持者でも「そんな訳ないだろう」と思っているはずだ。 配川秘書は当然、聴取を受けた段階で安倍前首相には「補填と不記載を認めた」と報告したはずだ。百歩譲って、安倍前首相が事実関係を知らなかったとしたら、その場で「勝手なことをして! クビだ!」となるはずだ。しかし、配川秘書は今も現職にとどまっている(24日夜の安前首相の記者会見で公設秘書辞任を発表)。 平たく言えば、配川秘書は雇い主(厳密に言えば公設秘書は国家公務員なので雇い主は国)に断りなく、後援会や資金管理団体の資金を勝手に流用。国会で追及されても、うその報告を続けていたということだ。結果、安倍前首相は118回の虚偽答弁をしていたということになる(衆院調査局調べ)。 これで「おとがめなし」としていること自体が異常だ。 普通に考えれば事務所やスタッフが「証拠がない」をいいことに、配川秘書に責任をすべて負わせ安倍前首相を守ろうとした、と考えるのが自然だ。これ以外に考えようがない。 現職の首相が、後援会や資金管理団体などの細かい経理に口をはさむことは考えられない。 しかし、疑惑として注目され、国会でも取り上げられるような事態になってもなお、秘書や事務所スタッフの不可解な報告を鵜呑みにするとは思えない。もし、そうだったとしたら、それは首相としてではなく、社会人としての資質を欠いていたといえるだろう』、その通りだ。
・『問題は不記載ではなく税金の私物化  もともと「桜を見る会」の問題が浮上したきっかけは、安倍前首相の公私混同が疑問視されたことだった 会は本来、首相が公費で主催する公的な行事だ。 1952(昭和27)年に始まり、八重桜が見頃となる4月中旬に新宿御苑で開催される。目的を「各界で功績や功労のあった人を招待し、慰労するもの」とし、衆参両議長・副議長や大臣、官僚や地方の知事や議員、各国の駐日大使、各界の代表者らが対象だ。参加費は無料で費用は税金から支出される。 「各界の代表者」については当初は文化人が多かったが、次第に芸能人やスポーツ選手など、どちらかというと「慰労会」というよりはテレビのワイドショー受けするイベント色が強くなっていった。 ちなみに始まった当初は4000人余で、予算は約30万円程度だった。その後、招待者は増え、2000年の森喜朗首相のころは約8000人になり、06年の小泉純一郎内閣のころには1万人を超えた。さらに第2次安倍内閣で急増し、19年は約1万8000人で支出も約5500万円と巨額になった。 その上、会には安倍前首相の地元後援会員が多く招かれたことを受け「私物化」との批判が相次いだ。 事実、安倍前首相の選挙区からツアーを組んで参加する実態が浮上。前述の全国紙社会部デスクによると、参加者から「会の費用が税金とは知らなかった。後援会の観光ツアーだと思っていた」との証言もあったという。 この参加者は「安くはないけれど、有名なスポーツ選手や芸能人に会えるから、楽しみにして出掛けた」と話すように悪意はなく、政治的な背景にも疎かったようだ。 刑事事件として立件されることなく、前科はつかなかった安倍前首相。熱烈な支持者らは「刑事的責任を問われなかった。これで身の潔白は晴れた」と投稿するだろう。しかし、刑事責任を問われなかったことで「秘書に責任を擦り付けて逃げ切った卑怯な政治家」というイメージが張り付いたのではなかろうか。 少なくとも、筆者はこの国のリーダーだった方に対して、尊敬の念はいだけない』、「国会」では118回も「虚偽答弁」していたことになる。いくら自民党が多数とはいえ、民主主義の根幹を揺るがす深刻なスキャンダルだ。

第三に、12月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏による「危機感不在の呆れた第3次補正予算案、菅政権「国民のために働く」はどこへ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258214
・『12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案。その中身をみれば、新型コロナ不況の対策には全くなっていないのは明らかだ。これらの問題点を指摘する』、興味深そうだ。
・『結論からいえば新型コロナ不況対策にはなっていない  12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案、その一般会計歳出の総額は、経済対策関係経費が19兆1761億円、税収減に伴う一般会計の地方交付税交付金の減額の補塡や地方法人税の税収減に伴う地方交付税原資の減額の補塡等に加え、既定経費に減額分等と合わせて、15兆4271億円である。 財源となる国債は、税収の減額分8兆3880億円と合わせて22兆3950億円発行される(なお、この他に税外収入及び前年度余剰金受入あり)。 さて、この補正予算案、結論からいえば、新型コロナ不況対策には全くなっていない。なぜそう言えるのか? 本稿では第3次補正予算案編成の前提となった、12月8日に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(以下「総合経済対策」)を下地としつつ、経済に関する部分を中心に、具体的な措置について金額も含め見ていきたいと思う(なお、大元となった自民党提言のお粗末さについては、拙稿『お粗末すぎる自民党「新たな経済対策への提言」、コロナ禍の影響を無視』を参照されたい)』、「結論からいえば新型コロナ不況対策にはなっていない」、どんなにお粗末なのだろう。
・『「ショックドクトリンを進めます」と言っているに等しい  まず、現状認識。「経済対策の考え方」には総合経済対策の肝が次のように凝縮し記載されている。 『「攻め」とは、今回のコロナ危機を契機に浮き彫りとなった課題である国・地方のデジタル化の著しい遅れや、東京一極集中、特定国に依存したサプライチェーンといった我が国の脆弱性に対処することである。そして、環境と経済の好循環を生み出すグリーン社会の実現、経済の基盤を支える中小・小規模事業者の事業再構築支援を通じた体質強化と業種・職種を越えた労働の円滑な移動、非連続なイノベーションを生み出す環境の強化など、民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、所得の持続的な拡大と成長力強化につながる施策に資源を集中投下することである。』 これは、過去20年以上にわたって行ってきたインフレ対策にしかならない構造改革という間違いをまだまだ繰り返すことになる。それどころか今回の「コロナ禍」という惨事に便乗して「ショックドクトリンを進めます」と言っているに等しい。 今なすべきは、さまざまな影響を受けている全産業を守ること、国民の生活を下支えすること、そしてデフレ下で需要が決定的に不足しているところに有効な需要を創出すること、そのための手厚い公共投資である(民間投資はその先である)。 12月16日から1月11日の期間の協力金は月額換算最大60万円から120万円に倍増されている。ただし、日額でいえば最大4万円である上に、必ず満額支給されるとは限らない。年末年始のかき入れ時であることを考えれば、この程度の協力金で持ち堪えられる事業者はどの程度いるのだろう。 そのような中途半端なものではなく、持続化給付金の拡充(実質的な粗利補償)などにより対処した方が、事業も雇用も守ることができるはずだ』、竹中平蔵がアドバイザー役に復帰したので、新自由主義的色彩が濃くなったのだろう。
・『新型コロナ不況の対策とは無関係のものがほとんど  二つ目の柱である「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」は、各項目には「新型コロナ」の文字が目立つが、言わずもがなであるが、新型コロナ不況対策とは無関係のものがほとんどである。 例えばデジタル関係で、「教育、医療・福祉等におけるICT化等の一層の推進」として、厚生労働省関係でオンライン診療・服薬指導の恒久化等が措置されている。こうしたものも新型コロナ対応との関係で語られることが多いが、オンライン診療という名の遠隔診療では、専門医の話によれば診療・診断は困難であるようであり、遠隔診療ICTプラットフォームの利用負担と相まって、保険医療を崩壊させることにつながりかねないとの指摘もある。 さらに、服薬指導のオンライン化における「エビデンスに基づき」とは、要は医療費の削減のため、米国の保険会社が行っているようにするということであろう。そうなれば、国民の健康が着実に守れるわけもなく、弱者切り捨て、患者切り捨ての愚策と言わざるをえなくなる。 そもそもデジタル・ガバメントの確立にマイナンバーカードの普及などの「デジタル改革」なるものは、新型コロナ不況の今、補正でやるべき話なのだろうか(そうしたものが、各府省で多く措置されているのは、つまるところ一部の者だけが得をするためなのではないかと邪推したくなる)。「グリーン社会の実現」もまた然りである。 「カーボンニュートラルに向けた新技術の開発」「グリーン社会の実現のための国民のライフスタイルの転換等」とあるが、新型コロナ不況対策とどう関係があるのだろう?(環境だグリーンだと言えばなんでも許されるわけではない。筆者の目には新エネ利権のようなものを新たに創出するための措置にしか見えないが)。 そして、大いに問題なのが「経済構造の転換・イノベーション等による生産性向上」で一括りにされている措置たち。 「中小・小規模事業者の経営転換や企業の事業再構築等の支援」として、「地域の経済を支える基盤である中小・小規模事業者に対して、淘汰を目的とするものではないことは当然として、ポストコロナに向けた業態転換や新たな分野への展開等の経営転換を強力に後押しすること等を通じて、生産性の向上、賃金の継続的な上昇につなげる。」とある』、各省庁がここぞとばかりに、「新型コロナ不況の対策」とこじつけて出してきたものが多いので、「新型コロナ不況の対策」とは無関係のものがほとんど」とは当然である。
・『業態転換を事実上無理やり迫り事業再編の名の下に潰そうとしている  具体的問題点については、拙稿『菅内閣は「中小企業つぶし」という日本経済つぶしを押し進めている』を参照されたいが、「淘汰を目的とするものではない」としているものの、要は業態転換を事実上無理やり迫り、それができない企業を事業再編の名の下に潰そうとしていることは明らかである。 具体的措置として、経済産業省関係で「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築を支援する。特に中堅企業に成⻑する中小企業については補助上限を1億円に引き上げて支援を重点化する。」として、中小企業等事業再構築促進事業に1兆1485億円もの予算が措置されている。需要が収縮し、かつ新型コロナ不況で多くの事業者が困窮している中で、新分野展開や業態転換を迫り、生産性の向上や賃金の上昇を迫るなど、正気の沙汰とは思えない。 同じく経済産業省関係で、「サプライチェーンの強靭化と国際競争力の向上」として、「サプライチェーン強靱化・多元化」の支援措置に2225億円計上されている。新型コロナショックにより世界的なモノの流れが止まったり鈍くなったりしており、本来はサプライチェーン、生産拠点を国内回帰させなければいけないのであるが、まだグローバル化を信じる周回遅れの発想が根強いようで、国内における増産等に寄与する設備投資も含まれているものの、海外拠点の多元化に資する設備投資も対象となっている。第2次世界大恐慌が来るとも来たとも言われているところ、まずは生産拠点の国内回帰のみを対象とした措置とすべきであるはずだ。 「地域・社会・雇用における民需主導の好循環の実現」と銘打ち、「地方への人の流れの促進など活力ある地方創り」と言いながら、「国内観光を中心とした旅行需要の回復」を考えているようで、国土交通省関係で「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」(49億9700万円)等が措置されている。 新型コロナの感染の今後の状況も不透明である中で外国人観光客の受け入れなどもってのほかであり、非現実的である。 当面、世界的な人の動きはほとんどないか鈍化したままであろう。そうなれば、やはり国民の国内移動の利便性を高めることが必要であり、そのための公共投資を今から進めるべきであるし、それは困窮する交通事業者の救済にもつながる。 また、「民族共生象徴空間(ウポポイ)の誘客等の取組の推進」(19億8200万円)など、歴史的経緯も考証も曖昧な、単に「アイヌを観光コンテンツにする」という結論ありきの事項であり、問題外だ。 さて、具体的に取り組む施策に関し、(1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止策、(2)ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、および(3)防災・減災、国土強靱化の推進の3本の柱が掲げられている。これは当初の経済対策提言と同じであるが、中身がより具体的になっている。本稿では(1)および(2)を中心に見ていく。 1本目の柱である「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」については、多くが厚生労働省関係で措置されているが、内閣府関係の次の点については大いに懸念がある。 「知見に基づく感染防止対策の徹底」として、地方公共団体が酒類を提供する飲食店等に営業時間短縮要請等を行い、協力金の支払等を行う場合の柔軟な対応を可能とするため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充を行うこととし、11月24日および12月15日に発出された事務連絡『新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「協力要請推進枠」の運用拡大について』により既に措置された』、「サプライチェーン強靱化・多元化」には、中国からベトナムへといったものが多いのだろう。
・『雇用確保の支援はするが業種転換や転職・再就職が前提  菅政権の中小企業政策をわかりやすく表現すれば、「観光関連産業は救ってやるが、それ以外の中小企業は潰れて構わない」「ハゲタカファンドや外資系企業の餌食になって構わない」「職に困った連中は観光業に転職して外国人観光客相手に商売しろ」と言っているようなものだ。 「新たな人の流れの促進など地域の独自の取組への支援」も規定されているが、地方への人の流れを作りたいのなら、インフラをはじめとした地方への大規模な公共投資を通じて生活や仕事の利便性を高めることである。地方への移住は長期観光ではない。生活の拠点を移すことなのであるから、テレワーク拠点等が整備されればなんとかなるという類の話ではない。東京からの流出超過が続く中(実態としては入ってこないということなのだが)、これを好機と捉えるなら、手厚い公共投資を躊躇なく進めることである。 「成長分野への円滑な労働移動等の雇用対策パッケージ」なるものも規定され、「業種転換等による雇用確保も視野に、出向や早期再就職による新たな分野への円滑な労働移動の支援や〜(中略)〜雇用対策パッケージとして総合的に取り組む。」とあるが、その心は、雇用確保の支援はするが業種転換や転職・再就職が前提であるということ。 つまりは中小企業再編政策と軌を一にしているということであるが、人はそう簡単に全く経験のない仕事に就くことなどできない。それをあたかも一つの箱に入っていたものを別の箱に移すかのように考えるのは、机上の空論であり、全く現実性のない話だ(それを強行に主張されるのなら、ご自身が全く未経験の仕事にでも直ぐに就いてみてはいかがか)。 要するに、本気で今の雇用を守る気はないということであろう。 「家計の暮らしと民需の下支え」とあるが、家計の下支えと言っても、基本は融資。携帯の料金を引き下げても、もともとさまざまなプランがある上に、無料Wi-Fiの普及で通信料のさらなる低減は可能なのだから、家計負担の大幅軽減にはつながらない。家計にとって一番の負担は消費税である。 「携帯料金値下げは消費税率○%の引き下げに相当する」といった詭弁はもういいので、早期にゼロ、少なくとも5%に引き下げるべきだ。  そして、少子化にも本気で取り組むのであれば、待機児童問題や不妊治療よりも、まずは貧困問題の解決である。そのためには、派遣労働の規制強化、コーポレートガバナンス改革をやめて元に戻すこと、四半期決算の廃止、公共投資を増加させて、例えば介護職や保育職などを公務員化して給料を上げることなどにより「家計の暮らしと民需の下支え」をすることを検討・実現すべきであろう』、「待機児童問題や不妊治療よりも、まずは貧困問題の解決である。そのためには、派遣労働の規制強化、コーポレートガバナンス改革・・・」、「コーポレートガバナンス改革」などは私は異論がある。ただ、「介護職や保育職などを公務員化」は賛成だ。
・『菅政権は何をしようとしているのか  これらのほか、「世界に開かれた国際金融センターの実現」や「更なる輸出拡大を軸とした農林水産業の活性化」といった、現下の状況を踏まえない、新型コロナ不況対策とは無関係であることが一目瞭然のものもある。 そうしたものについての問題点の解説などは文字数の関係で割愛するが、いずれにせよ、緊張感も現実感も欠ける第3次補正予算を通じて菅政権は何をしようとしているのだろうか? 筆者の頭には、「亡国」や「衰退」「荒廃」「疲弊」といった言葉しか浮かんでこないのだが…』、「新型コロナ不況対策」にかこつけて、各省庁がやりたかった政策を並べただけなので、筆者の印象も当然である。菅政権には、残念ながら全く期待できそうもないようだ。
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