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買収ファンド(その1)(日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体 挑発したり貶めたりして獲物に食らいつく、ジャンク債に格下げの「ユニゾ」 負債3000億円で高まるデフォルトリスク、ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る) [金融]

今日は、買収ファンド(その1)(日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体 挑発したり貶めたりして獲物に食らいつく、ジャンク債に格下げの「ユニゾ」 負債3000億円で高まるデフォルトリスク、ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る)を取上げよう。

先ずは、昨年11月20日付け東洋経済オンラインが記載した 作家の黒木 亮氏による「日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体 挑発したり貶めたりして獲物に食らいつく」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/389675
・『日本市場に姿を現し始めたアメリカのカラ売りファンド。その実力はいったいどの程度なのか?実際の事件に基づいて、アメリカ系カラ売りファンドと病院買収グループ、シロアリ駆除会社、商社絵画部の攻防を描いた経済小説『カラ売り屋、日本上陸』を上梓した作家の黒木亮氏がレポートする』、興味深そうだ。
・『センセーショにあおるのが手法  アメリカのカラ売りファンド、シトロン・リサーチが、装着型ロボットを開発するサイバーダインの株(東証1部)を“うんこ”と呼び、強烈な売り推奨レポートを発表したのは2016年8月のことだった。 当時、2000円程度だったサイバーダインの株価は、創業以来続く赤字の影響などから、ほぼ一貫して下がり続け、現在は858円になった。カラ売りは明らかに成功である。 同じ2016年には、アメリカ系のカラ売りファンド、グラウカス・リサーチ(カリフォルニア州)が伊藤忠商事を、マディ・ウォーターズ(同)が日本電産をカラ売りし、話題を呼んだ。 シトロン・リサーチは、デトロイト市郊外で生まれたユダヤ人で、ボストンにあるノースイースタン大学を卒業後、強引かつ詐欺的な商品取引会社のセールスマンとして働き、業界団体から制裁を受けたことがあるアンドリュー・レフトが2001年に設立した。 レポートの中で企業を挑発したり、下品な表現で貶めたりすることで知られ、レフト自身は「他社の分析レポートは退屈極まりないので、自分は読者に読みたいと思わせるように書いている」とうそぶいている。 サイバーダインに関しては「うんこ」「核となる技術と製品の成長率は壊滅的」「同社の馬鹿げた株価は、山海嘉之CEOが日本文化におけるロボットの長年の魅力を利用し、宣伝してきた結果」「投資家の無知や日本市場の株式に関する公開情報不足を逆手に取っている企業の実例」などとこき下ろした。 確かにロボット・ブームの中で、サイバーダインが持ち上げられるのが定番化していたので、皆が便乗しつつも抱いていた違和感を上手く捉えた感じはある。期待先行で上昇していた株価にカラ売りファンドが一石を投じた格好だ。 ここ2年間ほどの、シトロンの主なカラ売り案件と結果は次の通りである。 昨年1月、動画配信・DVDレンタル会社、ネットフリックス(カリフォルニア州)について「ネットフリックスの投資家はバード・ボックス(鳥の巣箱)のように盲目だ」として、売り推奨した(『バード・ボックス』は同社が配信したサンドラ・ブルック主演映画)。 当時のネットフリックスの株価は約337ドルだったが、いったん260ドル近くまで下がった。その後、シトロンは株価が290ドル前後まで戻った11月に、ネットフリックスの海外ビジネスに期待が持てるとして、買い推奨に転換。現在の株価は482ドルまで上昇した。カラ売り、買い推奨ともに成功していると思われる。 同じく昨年1月には、バイオ医薬品会社、リガンド・ファーマシューティカルズ(サンディエゴ)の「最も汚い秘密のいくつかを暴露する」と宣言。同社が薬品を共同開発しているとする複数の会社は実質的に存在していないなどと指摘し、売り推奨した。当時のリガンド社の株価は130ドル台だったが、現在は約82ドルとなり、カラ売りは成功した』、株式市場はややもすると、一時的な熱気で暴騰する銘柄も少なくないだけに、「カラ売りファンド」は市場に冷静さを取り戻させる機能もある。
・『失敗している案件も少なくない  昨年12月、エアロバイクやトレッドミルなどを製造している新興企業ペロトン社(ニューヨーク市)を「業界の競争は厳しく、株価は86%下がる。商品が売れた過去の栄光の日々はバックミラーの風景だ」と売り推奨。しかし、同社の株価は当時の約35ドルから現在は101ドルにまで上昇した。カラ売りは今のところ失敗である。 今年1月、大学経営や教育サービスを提供するグランド・キャニオン・エデュケーション(アリゾナ州フェニックス)を「同社のグループであるグランド・キャニオン大学に経費や債務を押し付け、利益を引き出す粉飾を行っている“教育業界のエンロン”」であるとして売り推奨。同社の株価は当時の約84ドルから2か月弱で約59ドルまで下がった。 その後、約102ドルまで上昇し、現在は85ドル。下がった時点で買い戻していればカラ売りは成功だが、そうでなければ成功とも失敗ともつかない。 今年2月、シトロンは4年前からカラ売りしていた、家具・家庭用品のオンライン販売業、ウェイフェアー社(ボストン市)のポジションを手仕舞った。手仕舞った時点での株価は約63ドル。カラ売りを始めた4年前の株価は45ドル程度だったので、この部分では損を出しているはずだ。 しかし、その2年後に同社の株価は100ドル程度まで上昇し、それが今年1月末頃まで続いていたので、継続的にカラ売りをしていれば、利益は出ている可能性がある。 今年4月、シトロンは、中国のオンライン教育プラットフォームでニューヨーク証券取引所に上場している跟誰学(GSX Techedu、北京)を「売上げを7割水増ししており、2011年以降で最も明らかな中国株詐欺」であるとして売り推奨した。 これには別の著名カラ売りファンド、マディ・ウォーターズ(カリフォルニア州)も賛同したが、当時約31ドルだった株価は、現在は71ドルまで上昇した。カラ売りは今のところ失敗である。 以上のとおり、当たったり外れたりといった実績だ。 金融アナリストのパフォーマンスを評価している「TipRanks」は、シトロンのレポートの的中率は54%と算出している。ただし、過去2年間でダウ平均は約12%、日経平均は約17%上昇しているので、カラ売りファンドにとっては向かい風の環境である。 なおカラ売りの利益は、カラ売りした価格と買い戻した価格の差額から、借株料、経費、売買手数料を差し引いた残額である。借株料は流通量の多い一流銘柄なら年率0.4~1%だが、株価に影響を与えるコーポレートアクション(株式分割、合併等)や悪材料で需給が逼迫した時は5~10%、あるいはそれ以上になる。 ファンドが払う売買手数料はセールストレーダーを介した時は0.4%程度、自分でやる電子取引だと0.05~0.1%程度である』、「シトロン」の成果は「当たったり外れたりといった実績」、「レポートの的中率は54%」、上昇相場のなかではまずまずのようだ。
・『得意の中国案件で、地元ヘッジファンドに敗北  シトロンは中国案件に強く、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、売り推奨した18社の中国企業のうち、15社の株価が70パーセント以上下がったという。しかし、今年、得意の中国市場で、中国系ヘッジファンドに手痛い敗北を喫した。 問題となったのは、中国でスターバックスの向こうを張って急成長してきたコーヒーチェーン、ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲、福建省市廈門市)である。2018年1月に北京に1号店を出店して以来、2020年5月に6912店舗を有するまでに急成長を遂げ、米ナスダック(新興企業向け)市場に上場していた。 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ラッキンコーヒーの急成長に疑いの目を向けたのは、香港と北京に拠点を持つスノー・レイク・キャピタルだった。カリフォルニア大学バークレー校で数学と経済学の学位を取り、投資銀行クレディ・スイス・ファースト・ボストンやニューヨークのアジア向け投資ファンドで経験を積んだショーン・マが、2009年に創業した中国系ヘッジファンドだ。 スノー・レイク・キャピタルは、昨年10~12月にかけて1500人以上を動員し、ラッキンの全店舗の15%を訪問し、店内の顧客数を数え、大量のレシートを集め、1万1000時間以上のビデオを撮り、売上が捏造されていると指摘した。 今年1月31日、スノー・レイク・キャピタルから情報提供を受けた米系カラ売りファンド、マディ・ウォーターズは、89ページにわたるラッキンの売り推奨レポートを公表した。レポートの発表でラッキンの株価は17%下がり、32ドル49セントになった。また複数の法律事務所がラッキンの株主に対し、集団訴訟を提起するよう提案した。 一方、シトロン・リサーチは「マディ・ウォーターズには敬意を払うが、各種データやライバル社との話し合いによると、ラッキンの財務データは正しい。ラッキンの経営陣からの反応を待つ」として、同社の株への投資(買い持ち)を維持するという正反対の対応を取った。 ラッキンコーヒーは直ちに「疑惑をすべて否定する。顧客の注文はすべてオンラインであり、誤魔化しようがない」と反論した。 しかし4月2日、ラッキンコーヒーは2019年第2四半期から第4四半期にかけて、22億元(約339億円)の売り上げを水増ししていたことを発表し、5月12日までに銭治亜CEOと劉剣COOを解任した。 5月19日にはナスダックから上場廃止の通告を受けたことを公表した。上場が廃止されれば、株式は無価値になる』、「スノー・レイク・キャピタル」の調査が本格的なのには驚かされた。ただ、「シトロン」は従わずに失敗したようだ。
・『カラ売りファンドの新たな視点は参考になる  以上のとおり、アメリカ系カラ売りファンドの分析は当たることもあれば、外れることもある。アカデミックと言っていいほどの綿密な分析でエンロンの粉飾を見抜いた著名カラ売り投資家、ジム・チェイノスですら、時々予想を外し、反省の弁を述べたりしている。 チェイノスに比べると、シトロンは若干大雑把で、乱暴な印象を受ける。サイバーダインの売り推奨レポートの日本語版も、機械翻訳のようなおかしな日本語である。 なお「うんこ」はbullshit(たわごと、直訳は牛の糞)を日本語にしたものかと思って英語版を見てみたが、「UNKO」と書かれていた。チェイノスとシトロンの中間の立ち位置にいるのが、マディ・ウォーターズあたりだろう。 結局のところ、カラ売りファンドであろうとなかろうと、アナリストの分析を信じるかどうかは、もっぱら過去の実績次第である。ただカラ売りファンドは、常識にとらわれず、根本的なところから物事を調べていくので、新たな視点を与えてくれるのは間違いない。したがって、少なくとも耳を傾けてみる程度の価値はあるはずだ。(敬称略)』、「カラ売りファンドは、常識にとらわれず、根本的なところから物事を調べていくので、新たな視点を与えてくれるのは間違いない。したがって、少なくとも耳を傾けてみる程度の価値はあるはずだ」、その通りだ。

次に、本年1月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した東京経済東京支社情報部の井出豪彦氏による「ジャンク債に格下げの「ユニゾ」、負債3000億円で高まるデフォルトリスク」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261183
・『中堅不動産会社のユニゾホールディングス(ユニゾHD)の債務不履行(デフォルト)リスクが注目されつつある。昨年6月に米投資ファンドのローン・スターと組んで上場企業初となる従業員による買収で非公開化したが、早くも危機に立たされている。ユニゾHDには複数の地銀が多額の融資を行っており、行方次第では地銀経営にも大きな打撃となる』、「非公開化」して1年足らずで「危機」とは、どういうことなのだろう。
・『1週間に2度の格下げでジャンク債に転落  昨年6月、東証1部をEBO(従業員による買収)で上場廃止となった中堅不動産会社の「ユニゾホールディングス(ユニゾHD)」(横浜市中区)の債務不履行(デフォルト)の可能性に金融機関や債券投資家が注目している。上場廃止から1年ともたず、破綻する可能性があるとの悲観論が一部で出ている。 JCR(日本格付研究所)は同社の長期発行体格付けを昨年12月21日に「BBB-」と1ノッチ下げたが、わずか1週間後の12月28日に「BB+」とさらに1ノッチ下げる異例の判断を行った。一般的に「BB+」以下の社債は投資不適格(いわゆる「ジャンク債」)に該当する。 JCRは格下げの理由について「12月21日以降も足元の業績及び財務状況に加え、これらの見通しなどについてさらに精査を行った。その結果、チトセア投資(筆者注:ユニゾHDを完全子会社化したペーパーカンパニー)を含めた実質的な財務構成の悪化状況、安定収益源であったオフィスビル売却やコロナ禍の影響などによるCF(同キャッシュフロー)創出力の低下、金融機関との関係強化の重要性が増していることなどを従来以上に格付けに反映させる必要があると判断し」たと説明している。 ユニゾHDの半期報告書(2020年4-9月期)が関東財務局に提出されたのは昨年12月18日の金曜日。上場廃止以降、極端に情報開示が減ったため、この報告書は銀行や投資家が渇望していたものだ。JCRは週末返上で内容を精査し、週明けの21日に格下げを決めた』、「1週間に2度の格下げでジャンク債に転落」、よほど実態が厳しいのだろう。
・『地銀への打撃から金融庁や日銀も関心  ところが、事情通によれば、その直後のタイミングで「ユニゾHDが取引行向けに説明会を実施し、2021年5月までに200億円程度の融資をお願いしたい」という要請を行ったというのだ。 今年5月といえば、26日に100億円の社債償還期日が到来する。さらに11月29日にも100億円の償還が控える。その合計は200億円で今回の要請額と一致する。資金繰りは常に「万が一の事態」に備えた余裕が必要だ。ユニゾHDが5月までに11月分も含めた社債償還資金を手当てしたいと考えたとしても不自然ではない。 この要請の内容をJCRがつかんだことが「金融機関との関係強化の重要性が増している」という文言と異例の再格下げにつながったと筆者はみる。つまり今年の社債償還すら危ないのではないかというわけだ。 ユニゾHDは上場廃止後、資産売却を進めているとはいえ、昨年9月末時点の連結バランスシート上の負債は3171億円に達する。このうち社債が1040億円、銀行借入金は1962億円と金融債務が大部分を占める。 社債は昨年11月27日に50億円償還されたので、残りは990億円。上場していた当時に公募で発行されたもので全額無担保。期限が最も先のもので27年11月(10年債、50億円)まである。 もともと国内の金融機関や機関投資家が保有していたとされるが、「投資不適格」が近づくにつれ、売り圧力が高まり、債券市場では額面を大きく下回る価格で取引されている。保有者の顔ぶれはすでに海外ファンド勢中心に変わっているという。 借入金についてはに達するとされ、一部の地銀や都道府県信連(JAバンク)のなかには50億円を超える融資残高を抱えているところもある。一方、かつてメインバンクだったみずほ銀行をはじめとする3メガの融資残高はすでにほぼゼロとされる。 このため万が一の場合には地域金融機関の経営に大きな打撃を与えかねず、「金融庁や日銀もユニゾ問題には重大な関心を持っている」(金融業界関係者)という。ただでさえ地銀は収益力の低下が指摘されており、コロナ禍で潜在的な不良債権が積み上がっている。そこに大口融資先の倒産が重なればタダゴトではなくなる可能性があるためだ』、「かつてメインバンクだったみずほ銀行をはじめとする3メガの融資残高はすでにほぼゼロ」、メガバンクが既に逃げているのに、「融資取引のある金融機関数は80以上」、とは「融資」を続けている金融機関は何を考えているのだろう。
・『ユニゾHDが掲げた金融債権者の保護  そもそも昨年ユニゾHDの上場企業初となるEBOが決まったとき、現在の混乱は想定されていなかった。 というのもチトセア投資によるTOB(株式公開買い付け)に際し、ユニゾHDが昨年2月10日に関東財務局に提出した「訂正意見表明報告書」では「本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」に「(ウ)当社金融債権者保護に係る合意書」という項目が加わり、金融債権者の保護がうたわれたからだ。極めて重要な部分なので、以下に転記する。     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
(ウ)当社金融債権者保護に係る合意書  本買付条件等変更後の本公開買付けに関連して、公開買付者(筆者注:チトセア投資)及び当社(同ユニゾHD)は、当社の金融債権者(担保を有する債権者であるか、無担保の債権者であるか問いません。)の保護を担保する観点より、令和2年(2020年)2月9日付で、以下の合意書を締結しております。  合意書 株式会社チトセア投資(以下「甲」という。)とユニゾホールディングス株式会社(以下「乙」という。)は、以下のとおり、甲による乙株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)に関連して、合意書(以下「本合意書」という。)を締結する。  第1条(既存金融債務の保全) 1. 甲及び乙は、剰余金の配当、貸付けその他方法の如何にかかわらず、乙から甲に対して金銭その他の資産の移動を行う場合には、当該移動に先立ち、乙の金融機関に対する既存の借入金に係る債務及び乙の社債権者に対する債務(総称して、以下「既存金融債務」という。)について、担保差入れその他の方法により債権保全を図るか、又は、期限前弁済を行うことに合意する。(以下略)
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
契約上では、「金融債権者の保護」が図られている。
・『巨額のカネが流出し実質的に債務超過か  ところが、この合意書が破られたことから問題が起きたわけだ。 チトセア投資がEBOに際し、20年4月9日に米ローン・スターグループから調達した資金は借り入れ1510億円とA種優先株式550億円の合計2060億円。 そのうち、借り入れの返済期限は180日後のため10月6日に返済された。 一方、A種優先株も180日間の「無配期間」を超えると年20%以上という、とんでもない額の配当を払わなければいけない契約のため、同日987億円で買い入れ消却した。買い入れに際し80.6%ものプレミアムを払うというのもチトセア投資とローン・スターとの間であらかじめ決められていた。 借入金の金利をいくら払ったかは不明だが、借り入れ元本返済とA種優先株買い入れだけでも2497億円のキャッシュがチトセア投資からローン・スター側に渡ったことになる。 この原資はどこからきているのか。チトセア投資は19年12月にユニゾHDを買収するために設立されたペーパーカンパニーで事業収益はゼロ。というわけで、ユニゾHDからチトセア投資に資金移動が行われたと考えるほかないわけだ。 実際、ユニゾHDの半期報告書からは、短期貸付金2160億円と配当金支払531億円の合計2692億円の資金流出が確認できる。 一方、既存金融債務の繰り上げ弁済や担保提供などの保全が行われた形跡はなく、これは前述の「金融債権者保護に係る合意書」に違反している。 これまで社債を額面割れで買い集めてきた外資ファンドのなかには、はなからデフォルトを織り込み、この合意書違反をタテに訴訟を起こしてローン・スターからカネを取り戻し満額償還させるプランを描く向きもあるようだ。 いずれにしても2000億円を超える親会社(チトセア投資)向け貸付金に資産価値はないも同然で、保有する賃貸不動産の含み益262億円(昨年9月末時点)を考慮してもユニゾHDは実質的に債務超過に陥ったとの見方が広がっている。 仮に5月までの融資要請に銀行が応じる場合も担保などでのフル保全が前提となろうが、それでも合意書違反のユニゾHDに対してはアレルギー反応が強いだろう。 なお、ダイヤモンド・オンライン編集部はユニゾHDに対し、合意書違反や融資要請に関する質問状を送ったものの、期限までに回答はなかった』、「チトセア投資」は「米ローン・スターグループから調達した資金」に対し、初めから条件通り高い負担で返済するのではなく、「買い入れ消却」するつもりであったとすれば、初めから仕組まれたスキームだった可能性もある。「これまで社債を額面割れで買い集めてきた外資ファンド」などがどう動くのか、大いに注目される。

第三に、2月20日付け日刊ゲンダイが掲載した金融ジャーナリストの小林佳樹氏による「ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/285460
・『いま地域金融機関経営者が背筋が寒くなる思いで見守る企業がある。オフィスやビジネスホテルを運営する中堅不動産会社「ユニゾホールディングス(HD)」(横浜市中区)だ。地銀幹部によると「ユニゾの大口社債権者である香港のファンドが質問状を送っており、場合によっては会社更生法の申し立てを行う可能性があるのです。期限は今月末、臨戦態勢です」というのだ。 もしこのファンドが実際に申し立てを行い、裁判所が受理した場合、地域金融機関のユニゾ向け融資や同社の社債は、管財人の管理下に置かれることになる。ユニゾの資産状況によるが更生手続きの結果、地域金融機関の債権が減価することは避けられそうにない。 ユニゾはもともと、みずほフィナンシャルグループ(FG)の親密企業で、収益性の高い物件を多数保有する優良企業だった。そこにまず目を付けたのがHISの澤田秀雄氏で、2019年7月にユニゾに買収を仕掛けた。これに対してユニゾはホワイトナイトとして投資ファンドを呼び込み切り返した』、「ユニゾ」の「EBO」が「HISの澤田秀雄氏」のTOBへの対抗から始まったようだ。
・『逆転劇を仕掛けたのは、かつてみずほFGで佐藤博康氏(現会長)とトップの座を争った異才のバンカー小崎哲資・ユニゾHD前社長だ。「小崎氏は飄々とした風貌もあるが、佐藤会長と旧興銀同期でFG副社長まで上り詰めた切れ者として知られている」(みずほ関係者)。 しかし、ここからユニゾに対する外部資本の買収攻勢はさらにヒートアップしてくる。対抗する小崎氏は資産売却を進める一方、従業員による買収(EBO)を行い、昨年6月に株式を非公開化。経営刷新で小崎氏は退任した。 だが一連の買収対抗策でユニゾの財務内容は悪化し、資金繰りもタイトになっている。「ユニゾは5月までに200億円の融資借り換え、11月に100億円の社債償還を控えている」(地銀幹部)という。ユニゾの取引金融機関は88社(昨年12月時点)で、大半が地銀で占められている。また、「社債は信用金庫などが多数保有している」(同)とされる。ユニゾにもしものことがあれば地域金融機関に甚大な影響が及びかねない』、EBOが成功、「小崎哲資」氏は通常では社長を続ける筈なのに、「経営刷新で」「退任した」というのは、解せない。かつては超優良企業だった「ユニゾ」が、「EBO]で「財務内容は悪化」、「メガンク」は皆手を引いたのに、「取引金融機関は88社」は依然として、取引を継続していたというのは、お粗末な話だ。
タグ:東洋経済オンライン 日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 黒木 亮 小林佳樹 井出豪彦 買収ファンド (その1)(日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体 挑発したり貶めたりして獲物に食らいつく、ジャンク債に格下げの「ユニゾ」 負債3000億円で高まるデフォルトリスク、ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る) 「日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体 挑発したり貶めたりして獲物に食らいつく」 た経済小説『カラ売り屋、日本上陸』 株式市場はややもすると、一時的な熱気で暴騰する銘柄も少なくないだけに、「カラ売りファンド」は市場に冷静さを取り戻させる機能もある 「シトロン」の成果は「当たったり外れたりといった実績」、「レポートの的中率は54%」、上昇相場のなかではまずまずのようだ。 「スノー・レイク・キャピタル」の調査が本格的なのには驚かされた。ただ、「シトロン」は従わずに失敗したようだ 「カラ売りファンドは、常識にとらわれず、根本的なところから物事を調べていくので、新たな視点を与えてくれるのは間違いない。したがって、少なくとも耳を傾けてみる程度の価値はあるはずだ」、その通りだ 「ジャンク債に格下げの「ユニゾ」、負債3000億円で高まるデフォルトリスク」 「非公開化」して1年足らずで「危機」とは、どういうことなのだろう。 「1週間に2度の格下げでジャンク債に転落」、よほど実態が厳しいのだろう。 「かつてメインバンクだったみずほ銀行をはじめとする3メガの融資残高はすでにほぼゼロ」、メガバンクが既に逃げているのに、「融資取引のある金融機関数は80以上」、とは「融資」を続けている金融機関は何を考えているのだろう。 当社金融債権者保護に係る合意書 金融債権者の保護 「チトセア投資」は「米ローン・スターグループから調達した資金」に対し、初めから条件通り高い負担で返済するのではなく、「買い入れ消却」するつもりであったとすれば、初めから仕組まれたスキームだった可能性もある 「これまで社債を額面割れで買い集めてきた外資ファンド」などがどう動くのか、大いに注目される。 「ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る」 「ユニゾ」の「EBO」が「HISの澤田秀雄氏」のTOBへの対抗から始まったようだ EBOが成功、「小崎哲資」氏は通常では社長を続ける筈なのに、「経営刷新で」「退任した」というのは、解せない かつては超優良企業だった「ユニゾ」が、「EBO]で「財務内容は悪化」、「メガンク」は皆手を引いたのに、「取引金融機関は88社」は依然として、取引を継続していたというのは、お粗末な話だ。
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