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SNS(ソーシャルメディア)(その9)(フェイスブックを使うほど「孤独感」が増す訳 私たちは人生の数年をFB利用に費やしている、トランプのSNSアカウント停止に アメリカ国内で異論が出ない理由、クラブハウス誕生前からあった音声SNS「ダベル」 日本人開発者はどう戦うか) [メディア]

SNS(ソーシャルメディア)については、昨年12月23日に取上げた。今日は、(その9)(フェイスブックを使うほど「孤独感」が増す訳 私たちは人生の数年をFB利用に費やしている、トランプのSNSアカウント停止に アメリカ国内で異論が出ない理由、クラブハウス誕生前からあった音声SNS「ダベル」 日本人開発者はどう戦うか)である。なお、今回からタイトルにSNSを入れた。

先ずは、本年1月8日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医のアンデシュ・ハンセン氏による「フェイスブックを使うほど「孤独感」が増す訳 私たちは人生の数年をFB利用に費やしている」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/394424
・『フェイスブックの登場は、私たちの生活を大きく一変させました。便利で快適な世の中になった一方、フェイスブックの利用で心を病んでしまう人たちもいます。精神科医のアンデシュ・ハンセン氏が上梓した『スマホ脳』を一部抜粋・再構成し、SNSが心理面に与える影響を紐解きます。 2004年2月、当時19歳のマーク・ザッカーバーグは、インターネットを使った社交(ソーシャル)ネットワーク「ザ・フェイスブック」を、ハーバード大学のクラスメートのために立ち上げた。 間もなく大勢の学生が参加するようになり、別の大学の学生たち、さらには一般にまで開かれるようになった。世間の関心は尽きることがなく、14年後、名前から「ザ」を外したフェイスブックの総ユーザー数は20億人を超えている。 地球上の人間の約3人に1人がフェイスブック上にいる。全大陸のほぼすべての国のあらゆる世代が、みんなフェイスブックを使っているのだ。そして私たちはフェイスブックをよく使う。 平均すると、写真を眺めたり、更新された情報を読んでシェアしたり、デジタルな親指を集めたりすることに1日30分以上もかけている。同じだけの時間を今後も費やすなら、現在の20歳が80歳になる頃には、人生の5年間をSNSに費やす計算になり、そのうちの3年近くがフェイスブックに充てられる』、SNSに「平均すると」「1日30分以上もかけている」、「現在の20歳が80歳になる頃には、人生の5年間をSNSに費やす計算」、とはやはり多いようだ。
・『私たちは自分のことを話したい  20億人もの人が毎日半時間以上使う製品──これまでにそんな成功を収めた企業はない。マーク・ザッカーバーグは、「自分の周囲の人のことを知っておきたい」という人間の欲求をネットワーク化することに成功した。 しかし、成功の秘訣はそれだけでは終わらない。常に周囲のことを知っておきたいという以外に、もうひとつフェイスブックを成功に導いたことがある。人間に根差す「自分のことを話したい」という欲求だ。 自分のことを話しているとき、脳の中では何が起きているのだろうか。ある研究グループがそれに答えるべく、被験者を集め、自分のことを話しているときの脳の状態を調べた。 スキーについてどう思うかと訊かれ、被験者は例えば「スキーは最高だよ」と言う。それから、他の人がスキーについてどう思っているかも言わされる。 自分のことを話しているときのほうが、他人の話をしているときに比べて、被験者の脳の複数箇所で活動が活発になっていた。特に前頭葉の一部、目の奥に位置する内側前頭前皮質(medial prefrontal cortex)で。ここは主観的な経験にとって大事な領域なので、驚くことではない。しかし、もう1つ別の箇所でも活動が活発になっていた。 俗に報酬中枢と呼ばれる側坐核(nucleus accumbens)だ。セックス、食事、人との交流に反応する領域が、私たちが大好きな話題──つまり自分自身のことを話しているときにも活性化するのだ。 つまり人間は先天的に、自分のことを話すと報酬をもらえるようになっている。なぜだろうか。それは、周りの人との絆を強め、他者と協力して何かをする可能性を高めるためだ。しかも、周りが自分の振舞いをどう思っているかを知るための良い機会にもなる。 自分の発言に対する他者の反応を見れば、自分の行動を改善することができる。この先天的な報酬のせいで、発話として私たちの口から出てくる言葉の半分近くが、主観的な経験に基づいた内容になる。 人類の進化の期間のほとんど、聴衆は1人~数人程度だった。現在はSNSのおかげで、思いもよらない可能性を与えられた。数百人から数千人に自分のことを語れるのだ。ただ、たいていの人は自分のことを話すのに夢中だとは言っても、どれくらい夢中かということになると、当然個人差がある』、「人間は先天的に、自分のことを話すと報酬をもらえるようになっている・・・自分の発言に対する他者の反応を見れば、自分の行動を改善することができる。この先天的な報酬」、なるほど。「人類の進化の期間のほとんど、聴衆は1人~数人程度だった。現在はSNSのおかげで、思いもよらない可能性を与えられた:、確かに影響力は潜在的には大きくなったようだ。
・『人間は本当にFBで社交的になったのか?  先ほどの、自分と他人のことを話す実験では、被験者の脳では報酬中枢の活動が確かに全員活発になっていたが、その程度には違いがあった。興味深いことに、いちばん活発になったのはフェイスブックをよく使っている人たちだった。自分のことを話して賞賛され、報酬中枢が活性化するほど、SNSでも積極的になるのだ。 ボタンひとつで20億人のユーザーと繋がるSNSは、人と連絡を取り合うのに非常に便利な道具だ。でも私たちは本当に、フェイスブックなどのSNSによって社交的になったのだろうか。そういうわけでもないらしい。 2000人近くのアメリカ人を調査したところ、SNSを熱心に利用している人たちのほうが孤独を感じていることがわかった。この人たちが実際に孤独かどうかは別問題だ。おわかりだろうが、孤独というのは、友達やチャット、着信の数で数値化できるものではない。体感するものだ。そしてまさに、彼らは孤独を体感しているようなのだ。 私たちは人と会うと、それがインターネット上にしても現実(リアル)にしても、気持ちに影響が出る。5000人以上を対象にした実験では、身体の健康状態から人生の質、精神状態、時間の使い方まで様々な質問に答えてもらった。 そこにはフェイスブックをどれくらい使うかという質問も含まれていた。その結果、本当の人間関係に時間を使うほど、つまり「現実(リアル)に」人と会う人ほど幸福感が増していた。 一方で、フェイスブックに時間を使うほど幸福感が減っていた。「私たちはSNSによって、自分は社交的だ、意義深い社交をしていると思いがちだ。しかしそれは現実の社交の代わりにはならない」研究者たちはそう結論づけている。 だがなぜ孤独になり落ち込むのだろうか。パソコンの前に座っているせいで、友人に会う時間がなくなるからだろうか。別の可能性としては、皆がどれほど幸せかという情報を大量に浴びせかけられて、自分は損をしている、孤独な人間だと感じてしまうことだ』、「フェイスブックに時間を使うほど幸福感が減っていた。「私たちはSNSによって、自分は社交的だ、意義深い社交をしていると思いがちだ。しかしそれは現実の社交の代わりにはならない」、やはり「本当の人間関係」には及ばないようだ。
・『群れのボスはセロトニンの量が多い  SNSが幸福感に与える影響を分析するとき、ヒエラルキーの中でのその人の位置は重要な要因だ。その仕組みを理解するために、また別の脳の伝達物質について見ていこう。ドーパミンのように私たちの気分に影響を与える伝達物質、セロトニンだ。 セロトニンはこれまで、心の平安、バランス、精神力に関わるとされてきた。気分に影響するだけでなく、集団の中での地位にも影響するようだ。サバンナザルの群れを複数調査したところ、群れのボスはセロトニン量が多く、支配的でない個体と比べるとおよそ2倍もあった。ボスが自分の社会的地位の高さを認識していることの表れだろう。つまりボスザルは自分に強い自信があるのだ。 セロトニンは人間にも同じような影響を与えているようだ。アメリカの学生寮に住む大学生を調査したところ、長く寮に住むリーダー的存在の学生は、新顔の学生に比べてセロトニンの量が多かった。ちょっとしたジョークで、教授と研究助手らのセロトニン量も測定してみた(脳を測定するのは難しいので、血中量を測定)。その結果は?もちろん、教授のセロトニン量がいちばん多かった。) 私が子供の頃は、自分を比べる相手はクラスメートくらいだった。憧れの存在といえば、手の届かない怪しげなロックスターくらいで。今の子供や若者は、クラスメートがアップする写真に連続砲撃を受けるだけではない。インスタグラマーが完璧に修正してアップした画像も見せられる。 そのせいで、「よい人生とはこうあるべきだ」という基準が手の届かない位置に設定されてしまい、その結果、自分は最下層にいると感じる。 私が育った80年代よりもっと前に時間を巻き戻すと、比較対象はさらに変わる。人間の祖先も部族内で競い合ってはいたが、ライバルはせいぜい20~30人程度だった。それ以外の人は歳を取り過ぎているか若過ぎた。 一方で、現在の私たちは何百万人もの相手と張り合っている。何をしても、自分より上手だったり、賢かったり、かっこよかったり、リッチだったり、より成功していたりする人がいる』、「人間の祖先も部族内で競い合ってはいたが、ライバルはせいぜい20~30人程度だった・・・現在の私たちは何百万人もの相手と張り合っている」、SNSで世界が広がったことのマイナス面だ。
・『常に周りと比較してしまう  SNSを通じて常に周りと比較することが、自信を無くさせているのではないか。まさにそうなのだ。フェイスブックとツイッターのユーザーの3分の2が「自分なんかダメだ」と感じている。何をやってもダメだ──。だって、自分より賢い人や成功している人がいるという情報を常に差し出されるのだから。特に、見かけは。 10代を含む若者1500人を対象にした調査では、7割が「インスタグラムのせいで自分の容姿に対するイメージが悪くなった」と感じている。 20代が対象の別の調査では、半数近くが「SNSのせいで自分は魅力的ではないと感じるようになった」と答えている。同じことが10代にも当てはまる。あるアンケートでは、12~16歳の回答者の半数近くが「SNSを利用したあと、自分の容姿に不満を感じる」という。男子に比べ、女子の方がさらに自信が揺らぐようだ。 ヒエラルキーにおける地位が精神状態に影響するなら、この接続(コネクト)された新しい世界──あらゆる次元で常にお互いを比べ合っている世界が、私たちの精神に影響を及ぼすのはおかしなことではないのだ』、「若者1500人を対象にした調査では、7割が「インスタグラムのせいで自分の容姿に対するイメージが悪くなった」と感じている」、「常に周りと比較してしまう」マイナス面は無視できないようだ。

次に、1月14日付けNewsweek日本版が掲載した在米作家の冷泉彰彦氏による「トランプのSNSアカウント停止に、アメリカ国内で異論が出ない理由」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2021/01/sns_1.php
・『<トランプ派の暴動は首都ワシントンだけでなく、全米各州の「差し迫った」危機となっている> 先週6日に発生した、米連邦議会の議事堂に暴徒が乱入した事件では、トランプ大統領に対する連邦下院の弾劾決議が可決されました。議会への「進軍」を扇動したことが「内乱扇動罪」であるとして、民主党議員の全員に加えて共和党議員からも10人の賛成が出た結果です。 弾劾案は上院に送られ、上院は最高裁判所長官を裁判長とする弾劾裁判所を開くことになりますが、現時点では早い時点での審議が行われるかどうかは不透明です。また上院(弾劾裁判所)での有罪の評決には100議席中の67票の賛成が必要ですが、共和党議員17人の賛成を得る見通しは立っていません。 現時点では、弾劾裁判の再開は「バイデン新政権が軌道に乗った後」に、「過去の大統領の犯罪を審理して、有罪にして将来の立候補資格を剥奪するかを決する」という可能性が取り沙汰されています。その一方で、20日の新大統領就任を前にトランプ派による深刻な暴力の兆候が出ているので、緊急避難的に大統領の権力を1日でも早く停止する必要が出た場合には共和党も審議に応じるかもしれません。 現時点でのアメリカの政局は、とにかく「今ここにある危機」であるトランプ派の暴力を、いかにして押さえ込むかが焦点となっています。一部には、17日の日曜日に「武装総決起」が行われるという情報もあり、20日に就任式が行われる首都ワシントンだけでなく、全国各州の州政府庁舎は厳戒態勢となっています。 トランプ個人に対する一連の「SNSアカウント停止」の措置に関しては、このように切迫した状況が背景にあります』、「トランプ」前「大統領」はフロリダの別荘に移って、次期大統領選挙を狙っているようだ。
・『「穏健」メッセージはスルーされる  2017年の就任以来、トランプは白人至上主義者のテロへの賛否など、自分の立ち位置を問われる事態においては、プロンプターを使って原稿を読み上げる演説では「建前」を、そしてツイッターなどのSNSでは「ホンネ」をというように、メッセージ発信を使い分けてきました。 その結果として、ツイッターのメッセージについては、全国の過激なトランプ派が「真に受けて」直接行動に走ってしまう一方で、テレビ会見などで「穏健な」メッセージを喋っても、「あれは建前を言わされているだけ」だとして「スルー」してしまうという傾向が見えています。 そんななかで、この1月17日、そして20日に向かって、トランプが何らかのメッセージを発信すると「どんな些細な表現であっても、暴力を誘発する」可能性は否定できない状況となっています。ですから、SNSを運営する各社は、切迫した暴力の可能性を避けるために、「緊急避難的に」トランプのSNSを停止する措置に出たのです。 例えばですが、すでにペンス副大統領の議事進行により、上下両院が憲法の規定に基づいて「バイデン当選」を承認していますが、それにもかかわらず、仮にトランプが「選挙は盗まれた。奪われた政権を奪還せよ」というツイートをしたとします。1月6日以前であれば、一方的に「もう一つの真実」を語っているだけという評価も可能でした。 ですが、こうした表現が暴力を誘発することが証明された現状では、仮にこうしたツイートがされた場合、他に手段がないなかで「暴力による新大統領就任の妨害」を扇動していると判断せざるを得ないわけです。それは、「政権を奪還せよ」という言葉に刺激されて、武装蜂起するようなグループが全国に存在することが証明されたからです。 このSNSのアカウント停止という措置については、民間企業による言論の自由の否定だという意見が、アメリカ国外では議論されているようです。ですが、この点に関しては、アメリカでは多数意見としては大きな異論は出ていません。その理由は4点指摘できます』、どういう理由なのだろう。
・『民間主導の危機管理  1点目は、ここまでお話してきたような、切迫した危険を回避するという緊急避難的な措置という意味合いです。 2点目は、この種の暴力誘発ツイートを国家権力によって禁止する道を残すと、それこそ言論の自由を国家が規制することになります。民間が自己規制することは、国家による言論統制を防止するという意味合いもあると思われます。 3点目は、国家による統制を懸念する以前に、規制すべき対象が大統領職にあり、現時点では規制する権限を有しているというパラドックスの中では、民間主導で危機管理をするしかないという状況があります。 4点目に、アメリカ社会の慣行として、社会的な広がりをもった紛争についても、民事の枠組みで処理するという伝統があります。例えば、60年代末から大きな問題となった産業公害については、国の規制と同時に、個々のケースについては民事裁判で処理してきています。 もちろん問題はあります。確かにGAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)やツイッター社など巨大化したテック企業が、文化や政治に関する事実上の規制を行えるというのは、弊害も多くあるでしょう。ですが、今回の判断については、何よりも緊急避難措置として、しかし徹底した対応として取られたものだということで、アメリカでは理解されているのです』、特に「2点目」の「民間が自己規制することは、国家による言論統制を防止するという意味合いもある」、というのは絶妙なやり方だ。

第三に、2月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したダベルCEOの 井口尊仁氏による「クラブハウス誕生前からあった音声SNS「ダベル」、日本人開発者はどう戦うか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/263520
・『日本で爆発的にユーザーを増やしているクラブハウス(Clubhouse)だが、クラブハウスが生まれるおよそ1年前から、私は声のソーシャルアプリ「ダベル」を公開していた。アプリの機能はほぼ同じ「クラブハウス」と「ダベル」だが、どう対抗していくのか。そして、今の音声ビジネス業界全体が抱える課題と今後の展望を伝えたい』、興味深そうだ。
・『ダベル開発の動機は「とにかく寂しいから誰かとしゃべりたい!」  私はかつて2009年に一般公開したAR(拡張現実)アプリ「セカイカメラ」や、2013年のウェアラブル機器「Telepathy One」と言う呼称の眼鏡型コンピューターなどを世に送り出してきた。連続起業家としてグローバル市場で戦い、何度もGAFAとはぶつかってきたことがある。 そして、今、オーディオソーシャルの世界市場でクラブハウスが爆発的な人気となっているが、クラブハウスがローンチする約1年前の2019年1月に「ダベル(Dabel)」を公開していた。機能はほぼ同じで、声のソーシャルアプリだ。 当初から多人数で同時にライブで雑談することができるアプリとしてデビューしており、その後アメリカ市場で、特に視覚障害者のユーザーたちから熱烈に支持され普及していった。 日本では2020年6月頃、日本語化と日本市場での本格的普及が始まった。今ではウイークリーで1万人ほどが日々雑談を楽しむ、本格的な声のソーシャルアプリとして世界市場シェアの一角を担っている。 とは言え、2020年3月に創業してから間もなく100億円の時価総額となり、先だっては1000億円と言われる時価総額(推定)で100億円前後の資金調達を成功させ、一説には既に200万アクティブユーザーを軽々超えていると言われているクラブハウスに比べるなら、ダベルはまだまだマイナー勢力であり、現状は単なるニッチ製品にすぎない。 だが、今後数兆円規模に成長するだろうと推定されている音声テクノロジーの領域で、しかも最も成長分野と目されている、音声ソーシャルアプリの領域で世界市場にデビューを果たした以上、私もクラブハウスに対抗する何らかの競争戦略を巡らすべきだろう。 そもそも、相変わらず急成長を遂げているクラブハウスの盤石とも言える戦略には、一切死角は無いのだろうか?』、「連続起業家としてグローバル市場で戦い、何度もGAFAとはぶつかってきたことがある」、「ダベル」が「アメリカ市場で、特に視覚障害者のユーザーたちから熱烈に支持され普及していった」、とは大したものだ。「井口氏」は「クラブハウスに対抗する何らかの競争戦略」をどのように打ち出すのだろうか。
・『話す行為そのものに疲れ切ってしまう人はどれだけ話し続けられるのか?  音声ソーシャルのそもそもの宿命として「話す」という行為が無い限り何も起こらない。しかし、インターネットとパソコンの普及によって人が電話を利用する機会は極めて減少し、テキストでメッセージをやり取りするチャット文化はもはや当たり前になった。 だからこそ、クラブハウスの温故知新的な音声対話の新鮮な驚きと感動があったといえる。 だが、その一方「果たして人はずっと話し続けられるのだろうか?」という根本的な課題がある。これはクラブハウスに限らず、全ての音声ソーシャルが抱えている深刻な課題だ。 ひたすら話し続けることを求められるクラブハウスの精神的苦痛をも伴う「労働作業」のような雑談時間の疲労・疲弊は大きな課題と言える。そこで、最近では「Roadtrip」というアプリが登場した。これは、参加メンバーが音楽を聴きながら時々喋るようにしていて、ライブ空間そのものは雑談可能とはいえ、音楽再生を中心に据えることで雑談し続けることの苦痛や疲労感を大幅に軽減しているのだ。 ダベルでもBGMやASMR(人が聴覚への刺激によって感じる心地良い音を指し、咀嚼音などが人気)などを背景音として流しながら雑談を楽しめる機能を開発しているのだが、それはまさにずっとしゃべり続ける大変さ、参加者の疲労度を考えての施策なのだ』、「ひたすら話し続けることを求められるクラブハウスの精神的苦痛をも伴う「労働作業」のような雑談時間の疲労・疲弊」への対策として、「「Roadtrip」というアプリが登場」、そこまでやるのか、と驚かされた。
・『スピーカーとリスナーで分断するか、しないか  クラブハウスの普及は、その招待制と「FOMO」と呼ばれる射幸心をあおる仕組みが存在しているためだと、多くの人たちが指摘している。 「FOMO」とはFear of Missing Momentの省略形(要するに「参加し損ねることへの恐怖心」)だが、例えば、「ライブで交わされているセレブ同士のレアな雑談に参加したい!それを聞き逃したくない!」というような気持ちを生む。初期クラブハウスは、人を惹きつける「FOMO」のメカニズムを見事に利用していて、普及に火を付けたと言える。 だが、多くの人たちが指摘しているように、その「FOMO」のメカニズムは大きな声を持っているスピーカーとリスナーたちの間に解消しがたい人の格差と分断をもたらしかねない。 一方、我々が開発するダベルでは、話者と聞き手の間の分断はほぼ存在しない。 なぜなら少人数で語り合う「グローバルな井戸端会議」として設計開発されているダベルでは、話し手と聞き手の距離が極めて近いのだ。それは放課後の部室とか、オフィスでは給湯室とかたばこ部屋のような解放区なのだ。 セミナー会場やカンファレンスホールにいるビジネス感覚のクラブハウスと、ファミレスやカフェ、それこそ銭湯でくつろいでいるようなアットホーム感覚のダベル。機能セットは一見よく似通っていても滞在中の感覚は相当違う』、「クラブハウス」の「FOMO」は一時的効果だけで、持続性はなさそうだ。私としては「ダベル」の方に魅力を感じる。
・『実名性の息苦しさに耐えきれず、沈黙するほかない人たち   クラブハウスは基本的に実名性を奨励している。だからこそ、SMSで招待するという仕組みをとり、アプリ利用直後から、現実社会のつながりに則った、ユーザーがユーザーを育成する(同僚同士とか先輩後輩とか上司部下のような関係性を生かした)といった導線が綿密に張り巡らされている。そして、そのことが驚異的な最初のユーザー体験に結実している。 例えば、あなたが会社の先輩のAさんに招待された場合、アプリに参加する際にその参加の通知がAさんに届くだけでなく、ほぼ自動的に、Aさんと最初の雑談ができるルームまでが作成されるのだ。この初期導入の仕組みはクラブハウスの醍醐味でもある。 ただ、だからこそ声という人の人格をそのまま体現しているとも言える音声ソーシャルネットでは、実名性の前提はあまりに生々しくて、重すぎると言えなくもない。 例えば、会議でも発言の際に目上・目下や上司・部下などの関係性を強く意識せざるを得ない日本のビジネス社会では、それは特に重い行動の足かせになるとも言えるだろう。 気軽に人の悪口を言うようなことは現実社会でも当然災いを呼びやすいが、クラブハウスではそのインパクトはより広まりやすいし、強い。どこで誰が聞いているのかということが分かりにくいので、思わぬ失言で予想できないようなトラブルが起こるかもしれない。現実にアメリカでは、ニューヨークタイムス記者も巻き込んだ一連のスキャンダルにまで発展してしまったことが、2020年にニュースになっている(参照)。 一方、ダベルは実名制を採用せず、匿名でも使い続けられる。要するに音声ソーシャルの空間内だけで別人格を演じることも、本人がやろうとすれば出来る。その自由さや開放的な気分はダベルの持ち味の一つだと考えている』、「クラブハウス」では「実名性の息苦しさに耐えきれず、沈黙するほかない人たち」がいると問題視しているが、私はネット空間での「匿名性」に疑問を持っているので、この点では「クラブハウス」の方を支持する 。
・『クラブハウス以前の時代に戻りたいと強く願っている人たち  あれだけ電話を嫌がっていた人たちが、一度クラブハウスにハマると改めて人と生声で交流できる楽しさにどっぷり浸かっている。しかし、それも度を越してしまうと健康を損ねかねない程の粘着性がある。 海外の記事を読んでも、その利用時間(アプリ開発業界ではエンゲージメントという言い方をする)はかなり長い。クラブハウスもダベルも、平均利用時間は、1日につき50分から2時間程度だ。通常のSNS環境ではせいぜい平均1日あたり10〜40分程度が当たり前だったことを考えると、その時間の溶け方は尋常ではない。 私はクラブハウス内で「クラブハウス以前の時代に戻りたい」という発言を何度か聞いているのだが、それはうなずける。クラブハウスの時間の溶け方は凄いからだ。 音声ソーシャルメディアでの滞在時間の長さとどう向かい合うのかは、クラブハウスにとっても、ダベルにとっても今後ますます大きな課題になるだろう』、「クラブハウスもダベルも、平均利用時間は、1日につき50分から2時間程度だ。通常のSNS環境ではせいぜい平均1日あたり10〜40分程度が当たり前」、それだけ魅力がある一方で、「時間の溶け方は尋常ではない」のも問題だ。
・『新しい人間関係を作り出せる、声の時代は始まったばかり  とはいえ、今回クラブハウスが拓いた、人と声で交流できるセレンディピティの世界を多くの人は否定できないし、そこから完全に抜け出すは、その快楽と中毒性が高いことを認めざるを得ないだろう。 コロナ時代だからこそ感じる、人の声の温もりの再発見とも言えるかもしれない。 ダベルは人の孤独を癒やし、決して一人でポツンと生きている訳ではないことを感じ取れるアプリであり続けたいし、それをよりスムーズに楽しめる体験価値こそ提供したいと思って開発している。 そろそろ大きく変化を遂げた新しいバージョン(通称「ダベル V2」)もβテスト開始を控えて開発も佳境を迎えつつある。 クラブハウスのセレブリティー中心のカンファレンスホール空間に対し、ダベルは日本の茶の湯や健康ランドのような世界観をどれだけグローバルに届けられるのか…ということに挑戦している。その可否は2021年に改めて試されるだろう。 「とにかく寂しいから、誰かとしゃべりたい!」という自分自身の動機付けから始まったダベルは、その存在意義として、寂しさの解消にひたすらに向き合い続ける。それは結果として、マウント合戦や実名制プレッシャーにさらされやすいクラブハウスとは、一線を画した、独自の存在価値をやがて発揮すると確信している』、「「ダベル V2」もβテスト開始を控えて開発も佳境を迎えつつある」、どのような反響があるか、楽しみだ。
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