中国国内政治(その13)(「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性 「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁、ゼロコロナへの疑問 米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる「これだけの理由」、これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる根拠) [世界情勢]
中国国内政治については、昨年10月9日に取上げた。今日は、(その13)(「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性 「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁、ゼロコロナへの疑問 米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる「これだけの理由」、これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる根拠)である。
先ずは、昨年11月23日付け東洋経済オンラインが掲載した 東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性 「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/470899
・『日本を含め世界中が注目した中国共産党の「第3の歴史決議」なる文書が先日、公表された。タイトルは『党の百年奮闘の重要な成果と歴史的経験に関する中共中央の決議』(新華社日本語版の表記)。中国語での字数は約3万6000字、日本語訳は約5万5000字にのぼる。日本の新聞1ページの活字が約1万1000字なので、5ページ分相当の膨大な文書だ。 日本語訳が公表されたからといって全文を読む人は、中国研究者や政府関係者らごく一部の専門家に限られるだろう。筆者も覚悟して日本語訳を読んでみたが、これほど読みにくくわかりにくい文書はあまり見たことがない。翻訳が悪いのではなく、定義や意味が不明な抽象的な言葉や造語がこれでもかというほど次から次へと列挙されているから読みにくいのである。 しかし、決議が言いたいことだけはよくわかった。まずアヘン戦争以降に屈辱的な歴史を刻んだ中国の運命を変えて今の素晴らしい中国を作ったのは、結党百年を迎えた中国共産党であるということ。次にこれから先、「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」を実現するためにも中国共産党の指導が不可欠であるということ。最後は、その中国共産党にとって習近平国家主席の存在が党の「核心」として不可欠であるということだ』、「定義や意味が不明な抽象的な言葉や造語がこれでもかというほど次から次へと列挙されているから読みにくいのである」、無理な論理構成が読み難さにつながったのかも知れない。
・『共産党と習近平、断固とした「二つの擁護」 つまりこの決議は、中国共産党による一党支配と、習近平氏の権力を維持し継続することの正統性を示すための文書なのである。それは決議文の冒頭に登場する「二つの擁護」という言葉がはっきりと示している。「習近平同志の党中央・全党の核心としての地位を断固として擁護し、党中央の権威と集中的・統一的始動を断固として擁護する」というのがポイントで、ここに決議文の意図が明記されている。 では、中国は共産党一党支配と習近平体制の下でいったい、どういう国を目指しているのか。それを示すキーワードが「中国の特色ある社会主義」だ。決議文はこの言葉についていろんな角度から言及しており、それを整理してみると以下のようになる。 まずこの言葉を創り出したのはいうまでもなく習近平主席とされている。習近平氏が「どのような社会主義現代化強国を建設するか、いかにしてそれを建設するかについて、一連のオリジナルな国政運営の新理念、新思想、新戦略を打ち出した」というのである。問題はその具体的な内容であるが、冒頭に触れたようにわかりにくい。) まずその全体像については、「マルクス主義の基本原理を中国の具体的な実情と結びつけ、中国の優れた伝統文化と結びつけることを堅持」、「毛沢東思想、鄧小平理論、『三つの代表』重要思想、科学的発展観を堅持」などとしている。 マルクス主義という普遍性を求めるイデオロギーと中国の伝統文化という特殊な空間をどう結び付けるのかがよくわからない。それ以上に、毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦涛という歴代の指導者の掲げた思想のすべてを堅持するというのは、過去に指導者同士が対峙したり、後継者が前任者を否定してきたりした歴史を考えると、成り立たないことであるはずだ。 日本政治に例えれば、「軽武装経済優先」の吉田ドクトリンと、「日米安保改定」の岸信介、「所得倍増論」の池田勇人、「列島改造論」の田中角栄、「財政均衡論」の福田赳夫ら戦後の主歴代の指導者の掲げた思想のすべてを堅持するというのは、首相の政策や理念をすべて堅持すると言っているようなものだ』、「マルクス主義という普遍性を求めるイデオロギーと中国の伝統文化という特殊な空間をどう結び付けるのかがよくわからない」、「過去に指導者同士が対峙したり、後継者が前任者を否定してきたりした歴史を考えると、成り立たないことであるはずだった」、確かに明らかな矛盾もあるようだ。
・『「中国の特色ある社会主義」とは共産党の一党独裁 今回の決議は、毛沢東時代の「文化大革命」を「まったく誤った判断」と表現するなど一部の歴史を批判しているが、これまで同様、毛沢東そのものを全面否定はせず、相変わらず、中国共産党は間違ったことをしてこなかったという無謬性を重視する立場に立っている。つまり、過去の指導者の思想を堅持することは一党支配の無謬性や正統性を維持するためには不可欠なのだ。だから、習近平氏にとって歴代指導者の「思想の堅持」はおそらく建前にすぎない。 本音は「中国の特色ある社会主義」に関するさらに踏み込んだ説明部分にあるだろう。そこでは以下のように書かれている。 「中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴は中国共産党の指導であり、中国の特色ある社会主義制度の最大の優位性は中国共産党の指導であり、中国共産党は最高の政治的指導勢力である」 「改革の全面的深化の総目標は、中国の特色ある社会主義制度を充実・発展させ、国家統治体系・統治能力の現代化を推し進めることである」 「新時代における党の軍隊強化の目標は、『党の指揮に従い、戦闘に勝利できる、優れた気風をもつ』人民軍隊を建設し、人民軍隊を世界一流の軍隊に築き上げることだ」) 要するに共産党だけが支配する政治体制が「中国の特色ある社会主義」ということなのだ。その目標である「中華民族の偉大なる復興」とは、軍事的にも経済的にもアメリカに匹敵する、あるいはアメリカを上回る国家の建設ということだ。このあたりは特に目新しいものではなく、習近平氏がこれまでも繰り返し主張してきたことだ。 経済や軍事についての具体的な政策的目標の数値などは一切、登場しない。つまりこの決議文はあくまでも政治的文書であって、国民に対し政策を提示した文書ではないのである。その結果、習近平氏がどういう社会を目指しているのかが余計にわかりにくくなっているのだ。 そして、決議文は中国社会の将来像を示す代わりに、党への服従を国民に強く求めている』、「この決議文はあくまでも政治的文書であって、国民に対し政策を提示した文書ではない」、「中国社会の将来像を示す代わりに、党への服従を国民に強く求めている」、ムシのいい話だ。
・『鄧小平は分権を進め、習近平は自らへ権力を集中 「党中央による集中的・統一的指導は党の指導の最高原則であり、それを強化・擁護することは全党共通の政治責任」 「党の指導を堅持するには、全党の中央への服従を確保しなければならない」 「個人主義・分散主義・自由主義・自己本位主義・事なかれ主義などを防ぎ、それに反対する」 「面従腹背する者を一掃し、全党が政治的立場、政治的方向、政治的原則、政治的道筋において党中央と高度の一致を保つ」 毛沢東への権力集中への反省から、鄧小平は形式的な面もあったものの、権力集中を改め集団指導体制を取り入れるなど、政府と党の役割分担を明確にする分権を進めた。しかし、習近平氏はその逆を突き進んでいる。 2017年の党大会で習近平氏は「党政軍民学、東西南北中、党はすべてを領導する」と発言して大きな話題になった。その後、習近平氏は強力にそれを実践し、党への権力集中、習近平氏への権力集中を徹底的に進めた。今回の決議文は党や習近平氏への権力集中をさらに進めようという姿勢が明確に出ている。) もちろん権力集中は内政問題だけではない。決議文には「党が対外活動を指導する体制・仕組みを整え、対外活動でのトップダウン設計を強化し、中国の特色ある大国外交について戦略的構想をうち出す」とか、「中国の特色ある強軍」などという表現も登場している。 こうなると、外交交渉の場ではたとえ王毅外相であっても党が決めた方針をオウム返しで繰り返すことしかできなくなる。双方の妥協や譲歩によって合意形成を目指す外交は中国政府相手では成り立たなくなってしまう』、「毛沢東への権力集中への反省から、鄧小平は・・・権力集中を改め集団指導体制を取り入れるなど、政府と党の役割分担を明確にする分権を進めた。しかし、習近平氏はその逆を突き進んでいる」、なるほど。
・『ナショナリズムや民族主義の称揚は不安の裏返し 「中国の特色ある社会主義」のもう1つの特徴は、社会主義というイデオロギーと中国の伝統や文化との融合を強調することによって、ナショナリズムや民族主義を強調している点だ。決議文では「人類の歴史上、外部の力を当てにし、外国のモデルをそのまま取り入れ、人の後についてまねばかりすることで強くなり栄えた民族や国家は1つもない。そのようなことをすれば、失敗をなめるか、従属国になるよりほかはない」などと民族性の重要性を繰り返し強調している。 中国は西側諸国の自由、民主主義などの普遍的価値を強く否定、批判し続けている。香港に対する一連の対応が示すように、民主主義的潮流が中国国内に広がれば、それが共産党一党支配の否定につながることを理解しているからであろう。 ここから浮かび上がってくるのは、共産党指導部の強気の姿勢とは裏腹の一党支配の維持、継続への不安ではなかろうか。共産党は毛沢東時代には抗日戦争や国民党との内戦の勝利、そして建国という歴史とそれらを支えてきたイデオロギーでその支配の正統性を獲得してきた。次の時代の中心人物の鄧小平は「改革開放路線」による経済成長によって正統性の確保に成功した。 しかし今、中国は経済成長に陰りが見えはじめるとともに貧富の格差拡大など数多くの深刻な社会問題を抱えている。共産党がこれから先、一党支配の正統性をどうやって確保するのかは悩ましい問題であろう。 定義の不明な抽象概念の乱用と、ナショナリズムや民族主義を煽って党や習近平氏への忠誠心を国民に強いる今回の決議文からは、習近平氏の圧倒的な権力の強さと同時に、共産党一党支配が抱える脆弱性も読み取ることができる』、「中国は経済成長に陰りが見えはじめるとともに貧富の格差拡大など数多くの深刻な社会問題を抱えている。共産党がこれから先、一党支配の正統性をどうやって確保するのかは悩ましい問題であろう」、「今回の決議文からは、習近平氏の圧倒的な権力の強さと同時に、共産党一党支配が抱える脆弱性も読み取ることができる」、その通りだ。
次に、1月31日付け現代ビジネス「ゼロコロナへの疑問、米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる「これだけの理由」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91927?imp=0
・『21世紀は中国の世紀だと言われてきたが、無理を重ねて、急激に膨張した大国に異変が生じ始めている。国際的孤立、内政の混乱、人民の不満、そしてコロナの激増—崩壊の序曲が聞こえてきた。その崩壊の根拠を前後編にわたり7つ挙げる。 (1)「ゼロコロナ」政策は大失敗 今年、世界が直面する最大のリスクは中国の「ゼロコロナ政策」の失敗だ—米国のリスク調査会社ユーラシア・グループが発表した論文が大きな波紋を呼んでいる。 同グループ社長のイアン・ブレマー氏がこう警告する。 「新型コロナが流行し始めた'20年に中国が行ったアプローチは世界で最も効果的なものでした。新規感染者を追跡し、大規模なロックダウンで感染拡大を防ぐことができた。しかし、昨年から爆発的に流行を始めたオミクロン株は、これまでの変異株とは段違いの感染力を持っています。 そして、中国製のワクチンはオミクロン株の感染拡大に効果はありません。つまり、ほとんどの中国人はオミクロン株に対する抗体を持っていない。これまで2年間、『国ごとロックダウン』を行ってきたため、再び国を開くことが危険になってしまいました」 2月4日に開幕する北京五輪を控え、中国政府はロックダウンを連発している。西安市では半月以上も都市封鎖が続き、オミクロン株の市中感染が確認された天津市では全市民を対象にPCR検査を行っている。 西安市では、1月1日に腹痛を訴える妊娠8ヵ月の女性が、陰性証明が4時間前に切れていることを理由に診察を拒否され、病院の前に放置されて死産するという悲惨な事件も起こった。 有効かどうかもわからないゼロコロナ政策のために、市民の生活が厳しく制限され、死人まで出ているのが現状だ。 「中国の政策では感染を抑えることができず、より厳しい封鎖が必要になるでしょう。その結果、経済的な混乱が拡大し、『中国はコロナに勝利した』という政府のプロパガンダに対して国民の不満が高まるはずです。 欧米が開発したようなmRNAワクチンを作り、ブースター接種を進めなければ、この状態からは抜け出せない。世界のサプライチェーンの要であった中国が、今年は苦境に立たされることになるのです」(ブレマー氏)) こうした現状に中国の庶民の不満も高まっている。中国の社会問題に詳しいジャーナリストの古畑康雄氏がこう話す。 「中国の国営メディア、新華社通信が米国のコロナ対策がいかにまずかったかを指摘する記事をSNSに投稿しました。すると、SNSでは『米国では病院の前で妊婦が死産するのか』と反論が浮上。ロックダウンしている地域では食べるものもないような生活を強いられているといった批判も書き込まれています。 そういった書き込みはすぐに削除されるのですが、習近平政権の極端な『ゼロコロナ』対策への疑問の声が出ているのも事実です」 五輪が終わり、オミクロン株が爆発的に感染拡大したとき、中国崩壊の序章が幕を上げる』、「欧米が開発したようなmRNAワクチンを作り、ブースター接種を進めなければ、この状態からは抜け出せない。世界のサプライチェーンの要であった中国が、今年は苦境に立たされることになるのです」、「五輪」終了後はどうなるのだろう。
・『(2)米中激突へのカウントダウン ゼロコロナの失政から国民の目を逸らすために習近平国家主席が画策するのが、台湾侵攻だ。 「祖国の完全な統一という歴史的な任務は、必ず実現しなければならないし、実現できる」 習近平氏が高らかに宣言したのは、昨年10月のことだ。だが、五輪を前に、台湾に対する言動は一転して、おとなしくなっている。むしろそれが怖いと指摘するのは、中国に詳しいジャーナリストの福島香織氏だ。 「去年は台湾を想定した軍事訓練を何度も行っていたのに、今年に入ってやけに静かなのです。北京五輪や秋に控える5年に一度の共産党大会に向けて、穏やかにしているのでしょう。ですが、その後はわかりません。 本当にことを起こすときは騒がない。『殺すぞ』と脅すよりも、いきなり刺すほうが怖い。中国の台湾に対する沈黙を武力行使の前触れと取るべきなのか、現時点では判断がつきません」) 中国が台湾に牙を剥けば、もちろん米バイデン政権が黙っていない。ブッシュ政権で大統領上級顧問を務めたリチャード・ハース氏が言う。 「米国の二大政党、共和党と民主党は多くの点で対立していますが、中国に対して強硬路線を取ることについては同意しています。両党とも半導体で世界をリードする台湾の安全保障については強い危惧を抱いています。そのことは中国も理解しているはずです。 もし中国が台湾に対して軍事力を行使したら、米国と日本はすぐに行動しなければなりません。米中で全面戦争が起こる可能性は低いですが、台湾と中国の突発的な衝突は起こりうる。日米両国はすぐにでも危機に備えなくてはいけません」 軍事衝突のカウントダウンは始まっている』、「ゼロコロナの失政から国民の目を逸らすために習近平国家主席が画策するのが、台湾侵攻だ」、「もし中国が台湾に対して軍事力を行使したら、米国と日本はすぐに行動しなければなりません」、その通りだ。
・『(3)習近平国家主席「暗殺」の危機 今年秋の党大会で習近平氏が異例の3期目に突入するのは確実視されている。国家主席に就任してから10年。さらに5年の任期が延長される。 だが、そうすんなりいくとは限らない。ユーラシア・グループが今年の10大リスクで4位に挙げたのが、「中国の内政」だった。ブレマー氏が言う。 「たしかに習近平氏は毛沢東以来のパワフルな指導者であることは間違いありません。ただ、個人崇拝の復活や社会の統制強化など、毛沢東時代への回帰を強める習氏の強硬路線には、共産党内で異論があることもたしかです。 習氏が3期目の国家主席に就任したら、政策を実行するためにますます独裁へと走るでしょう。しかし、独断的な政策を実行すればするほど国の借金は増え、環境も悪化し、社会に不協和音が生じます。そうなると、政治的な安定が揺らぐことになる。習氏にとっては、今まで経験したことのないような、脆い中国となるはずです」) 党大会を前に、習氏と反対勢力の間では水面下で激しい権力争いが繰り広げられている。 「習氏は3期目突入のために、敵対する勢力をどんどん失脚させています。最近では昨年末に元解放軍上将の劉亜洲氏が逮捕されたとの情報が飛び交っています。劉氏はスタンフォード大学への留学経験のある親米派の軍人で、台湾への武力侵攻に反対してきました。 こうした劉氏の言動が習氏の逆鱗に触れて、失脚させられたとの見方もあります」(福島氏) 反習近平派にとって、習氏が3期目に突入すれば、さらに冷や飯を食わされることになる。いつどこで社会的生命を抹殺されるかわからない。そうした危機感から、習体制を転覆させようとする動きが出てきてもおかしくはない。 「もちろん、権力を持っている側が圧倒的に強いので、習近平体制がひっくり返されるかというとなかなか難しいでしょう。しかし、党大会まであと半年以上あります。 習氏がその座を追われるとしたら、政変以外にもっともありそうなのが、暗殺です。毛沢東時代に副主席だった林彪が毛沢東の殺害を企てたとされるように、中国で暗殺という手段は比較的多く使われます。 米国を拠点にする中国問題専門のニュースサイト『博訊新聞網』によると、直近では'18年10月、習氏が中国南方を視察中に暗殺計画が発覚したとされます。この視察では当初の予定が何度もいきなり変更されたそうですが、それは暗殺の動きが直前に判明したからだと報じられました」(福島氏) 追い詰められた反対勢力の逆襲が起こるのか。 引き続き後編記事『これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は大打撃を受ける」といえる根拠』にて、残り4つの根拠を示そう』、「習氏がその座を追われるとしたら、政変以外にもっともありそうなのが、暗殺です」、なるほど。
第三に、1月31日付け現代ビジネス「これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる根拠」を紹介しよう。
・『21世紀は中国の世紀だと言われてきたが、無理を重ねて、急激に膨張した中国に異変が生じ始めている。前編記事『ゼロコロナへの疑問、米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は大ダメージ」といえる「これだけの理由」』では、7つの根拠のうち、ゼロコロナ政策の失敗や米中対立、習近平の暗殺の可能性についてお伝えした。後編でも引き続きその根拠を示そう。 (4)21世紀の天安門事件が勃発する 中国政府による民主活動家への締め付けは激烈だ。現代中国を研究する東京大学大学院教授の阿古智子氏が解説する。 「著名な民主活動家、郭飛雄氏は昨年1月、米国在住の妻ががんを患っていることを知りました。郭氏は面会のために米国行きを求めましたが叶わず、妻は今月10日に亡くなった。その2日後には、郭氏自身が国家政権転覆扇動容疑で逮捕されたのです。こうした強圧的な支配に国民の不満が溜まっていないはずがありません。 これまでも局地的な小さい暴動やデモは頻発しているはずです。それが私たちの耳に入らないのは、当局がニュースで拡散される前にもみ消しているから。20世紀の天安門事件ほど大規模なものになるかはわかりませんが、今後も政府批判の動きは続くはずです」 とりわけ、若者の間に不満のマグマは密やかに蓄積されている。昨年、中国で大学を卒業したのが909万人。実にその4割が就業できていない。大学進学率が急激に上がったこともあって、学歴エリートとなった若者を吸収するだけの受け皿がないのだ。 中国の社会問題に詳しいジャーナリストの古畑康雄氏が言う。 「仮に就職できたとしても、『996問題』があります。これは朝9時から夜の9時まで週に6日間働かされるというもの。むちゃくちゃに働かされて、30歳くらいで心身を病む。使い物にならなくされ、企業から追い出されてしまうのです」 昨年11月には中国の大手自動車メーカー、BYDで、36歳の男性社員が過労死する事例が報じられた。その前月の休みはわずか2日間で、残りはすべて12時間以上の勤務だったという。) 「中国ではネットが厳しく監視されていますが、それでも規制が届きにくいVPN(仮想プライベートネットワーク)を使って、ツイッターなど、本来、中国国内では使えないサービスで情報発信をしている若者もいます。 彼らは海外の情報も手に入れることができます。若者の本音はこうしたネット空間に溢れていて、当局もそれを規制しきれていません。ネットで若者の連帯が生まれているのです」(古畑氏) 今後、若者の怒りが習近平政権にとってのリスク要因になるはずだ。 20世紀の民主化運動は天安門が舞台となったが、21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者が21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者がITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろうITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろう。』、「21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者がITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろう」、「ネット空間」は「規制」されているとはいえ、「当局もそれを規制しきれていません」からだ。
・『(5)不動産バブル崩壊経済は破綻へ 中国経済が抱える最大の問題は不動産バブルの崩壊だ。昨年から中国の大手不動産会社、恒大集団が債務不履行を繰り返し、倒産の危機に直面している。中国で日本企業向けにリサーチ業務を行う日本人コンサルタントが明かす。 「中国は昨年、人口が48万人しか増えず、今年から人口減少に転じると指摘されています。不動産価格が上昇してきたのは、人口増加で住宅需要が高まることが前提だったわけで、それが終わるのだから不動産価格が暴落するのは目に見えています。 中国人が不動産価格の急落は金融危機を引き起こす。日本のバブル崩壊もそうだった。地価が下がったため、銀行の担保割れが発生。さらに不動産が叩き売られるという悪循環に陥り、「失われた30年」に突入した。 「中国でも金融機関がこぞって不動産会社にカネを貸し付けていますが、経営が破綻すると債権の放棄を迫られるでしょう。そうすると、金融システムが機能不全に陥り、経済の血液であるカネの流れがストップする。すべての産業から資本を引き上げる動きが進み、経済は破綻します。 バブル崩壊が襲った'90年代の日本は、まだ人口が増えていました。それと比べて、人口が減少に転じた中国を襲う不動産バブルの崩壊は日本以上にピッチが早く、大きくなるはずです」(前出・コンサルタント) これまで、中国の庶民はいつか豊かになれるはずだと夢を見て、辛い日々を生きてきた。しかし、その夢は叶わず、それどころか、明日は今日よりも悪くなる時代を生きなければならない。 科学技術振興機構アジア・太平洋総合研究センター特任フェローの大西康雄氏がこう話す。 「中国の庶民の間では『未富先老』—豊かになる前に老いてしまうという不安が蔓延しています。だったら、共産党の現体制に協力したところで意味がないという不満も同時に広がりつつある。日本はバブルが崩壊する前に、雇用や年金、医療・福祉などの社会的インフラを整備してきました。 しかし、中国では社会的インフラへの投資が十分ではない。数億人の比較的貧しい農村住民がいるうえ、社会保障も未整備のまま、高齢化社会を迎えるわけです。庶民は正直なもので、将来が不安だから若者は子供を作らない。その結果、ますます少子高齢化が進むという負のスパイラルに陥っています」 破綻はすぐそこに迫っている』、「中国では社会的インフラへの投資が十分ではない。数億人の比較的貧しい農村住民がいるうえ、社会保障も未整備のまま、高齢化社会を迎えるわけです。庶民は正直なもので、将来が不安だから若者は子供を作らない。その結果、ますます少子高齢化が進むという負のスパイラルに陥っています」 破綻はすぐそこに迫っている」、情勢は極めて深刻なようだ。
・『(6)「嫌われ中国」国際社会でも孤立無縁に 中国政府も直面する国内問題に手をこまねいているわけではない。国内だけで国民を食わせられないなら、海外へ進出して仕事を作る。それが、コロナ以前に習近平政権が強力に推進してきた、中国と欧州を結ぶ広域経済圏構想「一帯一路」だった。中国に詳しいジャーナリストの姫田小夏氏が言う。 「中国と欧州を結ぶ『21世紀海上シルクロード』の中継地点にケニアのナイロビがあり、中国の王毅外相は今年最初の外遊先として同地を訪れるほど重視しています。しかし、中国のアフリカ進出はいまだに物議を醸しています。 中国資本が大挙して押し寄せてきますが、現地におカネが落ちない仕組みだからです。中国はケニアに鉄道を敷設しましたが、車両や駅舎のみならず、列車の車掌や案内係の制服まですべてがメイド・イン・チャイナ。 川上から川下まで中国企業が握り、ほんのわずかな肉体労働だけを現地人が担う。儲けを持っていくのは圧倒的に中国企業なのです」 さらに中国が借金のカタに自分たちが整備したインフラを取得する「債務の罠」も世界中から批判されている。 「ギリシャではピレウス港に中国企業が出資して一部運営権を取得し、地元が反発しています。オーストラリアやスリランカでも重要港の99年間の運営権を取得し、インドや欧州から警戒されている。中国が債務と引き換えに世界進出を企んでいることに世界は気づいているのです」(姫田氏) 中国の孤立は刻々と深まっているのだ』、「中国が借金のカタに自分たちが整備したインフラを取得する「債務の罠」」は、本当に悪どい。「一帯一路」も漸く化けの皮が剥がれてきたようだ。
・『(7)頭脳流出で人材の焼け野原 国内外で風当たりが強まる習近平政権に愛想をつかして、国外脱出を企てる人材も増加している。中国事情に詳しいジャーナリストで、千葉大学客員准教授の高口康太氏はこう分析する。 「中国政府は『共同富裕』(みんなで豊かになる)をスローガンに、大手IT企業を儲けすぎだとして叩いています。ポピュリズムを背景にした上手なやり方かもしれませんが、叩かれるほうからしたらたまったものではない。見切りをつけて海外へ行ってしまう、優秀な社員も多いでしょう。 また、オンラインゲームが若者を腐敗させるとして、昨年からゲーム会社も批判の的になっています。昨年の7月以降、新作が1本も出ておらず、1万4000社が倒産したと言われています。こうした流れが続けば、優秀なIT人材を国内に引き止めることはできなくなります」 中国から逃れて日本に来たエリートは「『内巻』に疲れた」と口を揃える。姫田氏が言う。 「『内巻』とは無駄な競争を意味します。若者からは『上司のヨイショや無駄な徹夜作業がバカバカしい』というグチをよく聞きます。企業間競争も激しく、一つのヒット商品が生まれれば、次々と同じような商品が発売され、すぐに供給過剰になってしまう。果てしない競争に巻き込まれることを嫌って、海外脱出を希望する学歴エリートの若者が多い」 優秀な頭脳は海外へ流出し、国内に留まらざるを得ない若者は無気力に苛まれていく。これでは衰退していくばかりだ。 北京五輪では、コロナによる各国選手の調整不足もあり、中国はメダルラッシュに沸くだろう。しかし、祝祭が終われば、7つの危機が明るみになる。北京五輪は中国最後の輝きになるだろう』、「中国」の「メダルラッシュ」は大したことはなかったようだ。「祝祭が終われば、7つの危機が明るみになる」、どんな感じになるのだろう。余り深刻な危機に陥らないことを願うばかりだ。
先ずは、昨年11月23日付け東洋経済オンラインが掲載した 東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性 「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/470899
・『日本を含め世界中が注目した中国共産党の「第3の歴史決議」なる文書が先日、公表された。タイトルは『党の百年奮闘の重要な成果と歴史的経験に関する中共中央の決議』(新華社日本語版の表記)。中国語での字数は約3万6000字、日本語訳は約5万5000字にのぼる。日本の新聞1ページの活字が約1万1000字なので、5ページ分相当の膨大な文書だ。 日本語訳が公表されたからといって全文を読む人は、中国研究者や政府関係者らごく一部の専門家に限られるだろう。筆者も覚悟して日本語訳を読んでみたが、これほど読みにくくわかりにくい文書はあまり見たことがない。翻訳が悪いのではなく、定義や意味が不明な抽象的な言葉や造語がこれでもかというほど次から次へと列挙されているから読みにくいのである。 しかし、決議が言いたいことだけはよくわかった。まずアヘン戦争以降に屈辱的な歴史を刻んだ中国の運命を変えて今の素晴らしい中国を作ったのは、結党百年を迎えた中国共産党であるということ。次にこれから先、「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」を実現するためにも中国共産党の指導が不可欠であるということ。最後は、その中国共産党にとって習近平国家主席の存在が党の「核心」として不可欠であるということだ』、「定義や意味が不明な抽象的な言葉や造語がこれでもかというほど次から次へと列挙されているから読みにくいのである」、無理な論理構成が読み難さにつながったのかも知れない。
・『共産党と習近平、断固とした「二つの擁護」 つまりこの決議は、中国共産党による一党支配と、習近平氏の権力を維持し継続することの正統性を示すための文書なのである。それは決議文の冒頭に登場する「二つの擁護」という言葉がはっきりと示している。「習近平同志の党中央・全党の核心としての地位を断固として擁護し、党中央の権威と集中的・統一的始動を断固として擁護する」というのがポイントで、ここに決議文の意図が明記されている。 では、中国は共産党一党支配と習近平体制の下でいったい、どういう国を目指しているのか。それを示すキーワードが「中国の特色ある社会主義」だ。決議文はこの言葉についていろんな角度から言及しており、それを整理してみると以下のようになる。 まずこの言葉を創り出したのはいうまでもなく習近平主席とされている。習近平氏が「どのような社会主義現代化強国を建設するか、いかにしてそれを建設するかについて、一連のオリジナルな国政運営の新理念、新思想、新戦略を打ち出した」というのである。問題はその具体的な内容であるが、冒頭に触れたようにわかりにくい。) まずその全体像については、「マルクス主義の基本原理を中国の具体的な実情と結びつけ、中国の優れた伝統文化と結びつけることを堅持」、「毛沢東思想、鄧小平理論、『三つの代表』重要思想、科学的発展観を堅持」などとしている。 マルクス主義という普遍性を求めるイデオロギーと中国の伝統文化という特殊な空間をどう結び付けるのかがよくわからない。それ以上に、毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦涛という歴代の指導者の掲げた思想のすべてを堅持するというのは、過去に指導者同士が対峙したり、後継者が前任者を否定してきたりした歴史を考えると、成り立たないことであるはずだ。 日本政治に例えれば、「軽武装経済優先」の吉田ドクトリンと、「日米安保改定」の岸信介、「所得倍増論」の池田勇人、「列島改造論」の田中角栄、「財政均衡論」の福田赳夫ら戦後の主歴代の指導者の掲げた思想のすべてを堅持するというのは、首相の政策や理念をすべて堅持すると言っているようなものだ』、「マルクス主義という普遍性を求めるイデオロギーと中国の伝統文化という特殊な空間をどう結び付けるのかがよくわからない」、「過去に指導者同士が対峙したり、後継者が前任者を否定してきたりした歴史を考えると、成り立たないことであるはずだった」、確かに明らかな矛盾もあるようだ。
・『「中国の特色ある社会主義」とは共産党の一党独裁 今回の決議は、毛沢東時代の「文化大革命」を「まったく誤った判断」と表現するなど一部の歴史を批判しているが、これまで同様、毛沢東そのものを全面否定はせず、相変わらず、中国共産党は間違ったことをしてこなかったという無謬性を重視する立場に立っている。つまり、過去の指導者の思想を堅持することは一党支配の無謬性や正統性を維持するためには不可欠なのだ。だから、習近平氏にとって歴代指導者の「思想の堅持」はおそらく建前にすぎない。 本音は「中国の特色ある社会主義」に関するさらに踏み込んだ説明部分にあるだろう。そこでは以下のように書かれている。 「中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴は中国共産党の指導であり、中国の特色ある社会主義制度の最大の優位性は中国共産党の指導であり、中国共産党は最高の政治的指導勢力である」 「改革の全面的深化の総目標は、中国の特色ある社会主義制度を充実・発展させ、国家統治体系・統治能力の現代化を推し進めることである」 「新時代における党の軍隊強化の目標は、『党の指揮に従い、戦闘に勝利できる、優れた気風をもつ』人民軍隊を建設し、人民軍隊を世界一流の軍隊に築き上げることだ」) 要するに共産党だけが支配する政治体制が「中国の特色ある社会主義」ということなのだ。その目標である「中華民族の偉大なる復興」とは、軍事的にも経済的にもアメリカに匹敵する、あるいはアメリカを上回る国家の建設ということだ。このあたりは特に目新しいものではなく、習近平氏がこれまでも繰り返し主張してきたことだ。 経済や軍事についての具体的な政策的目標の数値などは一切、登場しない。つまりこの決議文はあくまでも政治的文書であって、国民に対し政策を提示した文書ではないのである。その結果、習近平氏がどういう社会を目指しているのかが余計にわかりにくくなっているのだ。 そして、決議文は中国社会の将来像を示す代わりに、党への服従を国民に強く求めている』、「この決議文はあくまでも政治的文書であって、国民に対し政策を提示した文書ではない」、「中国社会の将来像を示す代わりに、党への服従を国民に強く求めている」、ムシのいい話だ。
・『鄧小平は分権を進め、習近平は自らへ権力を集中 「党中央による集中的・統一的指導は党の指導の最高原則であり、それを強化・擁護することは全党共通の政治責任」 「党の指導を堅持するには、全党の中央への服従を確保しなければならない」 「個人主義・分散主義・自由主義・自己本位主義・事なかれ主義などを防ぎ、それに反対する」 「面従腹背する者を一掃し、全党が政治的立場、政治的方向、政治的原則、政治的道筋において党中央と高度の一致を保つ」 毛沢東への権力集中への反省から、鄧小平は形式的な面もあったものの、権力集中を改め集団指導体制を取り入れるなど、政府と党の役割分担を明確にする分権を進めた。しかし、習近平氏はその逆を突き進んでいる。 2017年の党大会で習近平氏は「党政軍民学、東西南北中、党はすべてを領導する」と発言して大きな話題になった。その後、習近平氏は強力にそれを実践し、党への権力集中、習近平氏への権力集中を徹底的に進めた。今回の決議文は党や習近平氏への権力集中をさらに進めようという姿勢が明確に出ている。) もちろん権力集中は内政問題だけではない。決議文には「党が対外活動を指導する体制・仕組みを整え、対外活動でのトップダウン設計を強化し、中国の特色ある大国外交について戦略的構想をうち出す」とか、「中国の特色ある強軍」などという表現も登場している。 こうなると、外交交渉の場ではたとえ王毅外相であっても党が決めた方針をオウム返しで繰り返すことしかできなくなる。双方の妥協や譲歩によって合意形成を目指す外交は中国政府相手では成り立たなくなってしまう』、「毛沢東への権力集中への反省から、鄧小平は・・・権力集中を改め集団指導体制を取り入れるなど、政府と党の役割分担を明確にする分権を進めた。しかし、習近平氏はその逆を突き進んでいる」、なるほど。
・『ナショナリズムや民族主義の称揚は不安の裏返し 「中国の特色ある社会主義」のもう1つの特徴は、社会主義というイデオロギーと中国の伝統や文化との融合を強調することによって、ナショナリズムや民族主義を強調している点だ。決議文では「人類の歴史上、外部の力を当てにし、外国のモデルをそのまま取り入れ、人の後についてまねばかりすることで強くなり栄えた民族や国家は1つもない。そのようなことをすれば、失敗をなめるか、従属国になるよりほかはない」などと民族性の重要性を繰り返し強調している。 中国は西側諸国の自由、民主主義などの普遍的価値を強く否定、批判し続けている。香港に対する一連の対応が示すように、民主主義的潮流が中国国内に広がれば、それが共産党一党支配の否定につながることを理解しているからであろう。 ここから浮かび上がってくるのは、共産党指導部の強気の姿勢とは裏腹の一党支配の維持、継続への不安ではなかろうか。共産党は毛沢東時代には抗日戦争や国民党との内戦の勝利、そして建国という歴史とそれらを支えてきたイデオロギーでその支配の正統性を獲得してきた。次の時代の中心人物の鄧小平は「改革開放路線」による経済成長によって正統性の確保に成功した。 しかし今、中国は経済成長に陰りが見えはじめるとともに貧富の格差拡大など数多くの深刻な社会問題を抱えている。共産党がこれから先、一党支配の正統性をどうやって確保するのかは悩ましい問題であろう。 定義の不明な抽象概念の乱用と、ナショナリズムや民族主義を煽って党や習近平氏への忠誠心を国民に強いる今回の決議文からは、習近平氏の圧倒的な権力の強さと同時に、共産党一党支配が抱える脆弱性も読み取ることができる』、「中国は経済成長に陰りが見えはじめるとともに貧富の格差拡大など数多くの深刻な社会問題を抱えている。共産党がこれから先、一党支配の正統性をどうやって確保するのかは悩ましい問題であろう」、「今回の決議文からは、習近平氏の圧倒的な権力の強さと同時に、共産党一党支配が抱える脆弱性も読み取ることができる」、その通りだ。
次に、1月31日付け現代ビジネス「ゼロコロナへの疑問、米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる「これだけの理由」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91927?imp=0
・『21世紀は中国の世紀だと言われてきたが、無理を重ねて、急激に膨張した大国に異変が生じ始めている。国際的孤立、内政の混乱、人民の不満、そしてコロナの激増—崩壊の序曲が聞こえてきた。その崩壊の根拠を前後編にわたり7つ挙げる。 (1)「ゼロコロナ」政策は大失敗 今年、世界が直面する最大のリスクは中国の「ゼロコロナ政策」の失敗だ—米国のリスク調査会社ユーラシア・グループが発表した論文が大きな波紋を呼んでいる。 同グループ社長のイアン・ブレマー氏がこう警告する。 「新型コロナが流行し始めた'20年に中国が行ったアプローチは世界で最も効果的なものでした。新規感染者を追跡し、大規模なロックダウンで感染拡大を防ぐことができた。しかし、昨年から爆発的に流行を始めたオミクロン株は、これまでの変異株とは段違いの感染力を持っています。 そして、中国製のワクチンはオミクロン株の感染拡大に効果はありません。つまり、ほとんどの中国人はオミクロン株に対する抗体を持っていない。これまで2年間、『国ごとロックダウン』を行ってきたため、再び国を開くことが危険になってしまいました」 2月4日に開幕する北京五輪を控え、中国政府はロックダウンを連発している。西安市では半月以上も都市封鎖が続き、オミクロン株の市中感染が確認された天津市では全市民を対象にPCR検査を行っている。 西安市では、1月1日に腹痛を訴える妊娠8ヵ月の女性が、陰性証明が4時間前に切れていることを理由に診察を拒否され、病院の前に放置されて死産するという悲惨な事件も起こった。 有効かどうかもわからないゼロコロナ政策のために、市民の生活が厳しく制限され、死人まで出ているのが現状だ。 「中国の政策では感染を抑えることができず、より厳しい封鎖が必要になるでしょう。その結果、経済的な混乱が拡大し、『中国はコロナに勝利した』という政府のプロパガンダに対して国民の不満が高まるはずです。 欧米が開発したようなmRNAワクチンを作り、ブースター接種を進めなければ、この状態からは抜け出せない。世界のサプライチェーンの要であった中国が、今年は苦境に立たされることになるのです」(ブレマー氏)) こうした現状に中国の庶民の不満も高まっている。中国の社会問題に詳しいジャーナリストの古畑康雄氏がこう話す。 「中国の国営メディア、新華社通信が米国のコロナ対策がいかにまずかったかを指摘する記事をSNSに投稿しました。すると、SNSでは『米国では病院の前で妊婦が死産するのか』と反論が浮上。ロックダウンしている地域では食べるものもないような生活を強いられているといった批判も書き込まれています。 そういった書き込みはすぐに削除されるのですが、習近平政権の極端な『ゼロコロナ』対策への疑問の声が出ているのも事実です」 五輪が終わり、オミクロン株が爆発的に感染拡大したとき、中国崩壊の序章が幕を上げる』、「欧米が開発したようなmRNAワクチンを作り、ブースター接種を進めなければ、この状態からは抜け出せない。世界のサプライチェーンの要であった中国が、今年は苦境に立たされることになるのです」、「五輪」終了後はどうなるのだろう。
・『(2)米中激突へのカウントダウン ゼロコロナの失政から国民の目を逸らすために習近平国家主席が画策するのが、台湾侵攻だ。 「祖国の完全な統一という歴史的な任務は、必ず実現しなければならないし、実現できる」 習近平氏が高らかに宣言したのは、昨年10月のことだ。だが、五輪を前に、台湾に対する言動は一転して、おとなしくなっている。むしろそれが怖いと指摘するのは、中国に詳しいジャーナリストの福島香織氏だ。 「去年は台湾を想定した軍事訓練を何度も行っていたのに、今年に入ってやけに静かなのです。北京五輪や秋に控える5年に一度の共産党大会に向けて、穏やかにしているのでしょう。ですが、その後はわかりません。 本当にことを起こすときは騒がない。『殺すぞ』と脅すよりも、いきなり刺すほうが怖い。中国の台湾に対する沈黙を武力行使の前触れと取るべきなのか、現時点では判断がつきません」) 中国が台湾に牙を剥けば、もちろん米バイデン政権が黙っていない。ブッシュ政権で大統領上級顧問を務めたリチャード・ハース氏が言う。 「米国の二大政党、共和党と民主党は多くの点で対立していますが、中国に対して強硬路線を取ることについては同意しています。両党とも半導体で世界をリードする台湾の安全保障については強い危惧を抱いています。そのことは中国も理解しているはずです。 もし中国が台湾に対して軍事力を行使したら、米国と日本はすぐに行動しなければなりません。米中で全面戦争が起こる可能性は低いですが、台湾と中国の突発的な衝突は起こりうる。日米両国はすぐにでも危機に備えなくてはいけません」 軍事衝突のカウントダウンは始まっている』、「ゼロコロナの失政から国民の目を逸らすために習近平国家主席が画策するのが、台湾侵攻だ」、「もし中国が台湾に対して軍事力を行使したら、米国と日本はすぐに行動しなければなりません」、その通りだ。
・『(3)習近平国家主席「暗殺」の危機 今年秋の党大会で習近平氏が異例の3期目に突入するのは確実視されている。国家主席に就任してから10年。さらに5年の任期が延長される。 だが、そうすんなりいくとは限らない。ユーラシア・グループが今年の10大リスクで4位に挙げたのが、「中国の内政」だった。ブレマー氏が言う。 「たしかに習近平氏は毛沢東以来のパワフルな指導者であることは間違いありません。ただ、個人崇拝の復活や社会の統制強化など、毛沢東時代への回帰を強める習氏の強硬路線には、共産党内で異論があることもたしかです。 習氏が3期目の国家主席に就任したら、政策を実行するためにますます独裁へと走るでしょう。しかし、独断的な政策を実行すればするほど国の借金は増え、環境も悪化し、社会に不協和音が生じます。そうなると、政治的な安定が揺らぐことになる。習氏にとっては、今まで経験したことのないような、脆い中国となるはずです」) 党大会を前に、習氏と反対勢力の間では水面下で激しい権力争いが繰り広げられている。 「習氏は3期目突入のために、敵対する勢力をどんどん失脚させています。最近では昨年末に元解放軍上将の劉亜洲氏が逮捕されたとの情報が飛び交っています。劉氏はスタンフォード大学への留学経験のある親米派の軍人で、台湾への武力侵攻に反対してきました。 こうした劉氏の言動が習氏の逆鱗に触れて、失脚させられたとの見方もあります」(福島氏) 反習近平派にとって、習氏が3期目に突入すれば、さらに冷や飯を食わされることになる。いつどこで社会的生命を抹殺されるかわからない。そうした危機感から、習体制を転覆させようとする動きが出てきてもおかしくはない。 「もちろん、権力を持っている側が圧倒的に強いので、習近平体制がひっくり返されるかというとなかなか難しいでしょう。しかし、党大会まであと半年以上あります。 習氏がその座を追われるとしたら、政変以外にもっともありそうなのが、暗殺です。毛沢東時代に副主席だった林彪が毛沢東の殺害を企てたとされるように、中国で暗殺という手段は比較的多く使われます。 米国を拠点にする中国問題専門のニュースサイト『博訊新聞網』によると、直近では'18年10月、習氏が中国南方を視察中に暗殺計画が発覚したとされます。この視察では当初の予定が何度もいきなり変更されたそうですが、それは暗殺の動きが直前に判明したからだと報じられました」(福島氏) 追い詰められた反対勢力の逆襲が起こるのか。 引き続き後編記事『これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は大打撃を受ける」といえる根拠』にて、残り4つの根拠を示そう』、「習氏がその座を追われるとしたら、政変以外にもっともありそうなのが、暗殺です」、なるほど。
第三に、1月31日付け現代ビジネス「これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる根拠」を紹介しよう。
・『21世紀は中国の世紀だと言われてきたが、無理を重ねて、急激に膨張した中国に異変が生じ始めている。前編記事『ゼロコロナへの疑問、米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は大ダメージ」といえる「これだけの理由」』では、7つの根拠のうち、ゼロコロナ政策の失敗や米中対立、習近平の暗殺の可能性についてお伝えした。後編でも引き続きその根拠を示そう。 (4)21世紀の天安門事件が勃発する 中国政府による民主活動家への締め付けは激烈だ。現代中国を研究する東京大学大学院教授の阿古智子氏が解説する。 「著名な民主活動家、郭飛雄氏は昨年1月、米国在住の妻ががんを患っていることを知りました。郭氏は面会のために米国行きを求めましたが叶わず、妻は今月10日に亡くなった。その2日後には、郭氏自身が国家政権転覆扇動容疑で逮捕されたのです。こうした強圧的な支配に国民の不満が溜まっていないはずがありません。 これまでも局地的な小さい暴動やデモは頻発しているはずです。それが私たちの耳に入らないのは、当局がニュースで拡散される前にもみ消しているから。20世紀の天安門事件ほど大規模なものになるかはわかりませんが、今後も政府批判の動きは続くはずです」 とりわけ、若者の間に不満のマグマは密やかに蓄積されている。昨年、中国で大学を卒業したのが909万人。実にその4割が就業できていない。大学進学率が急激に上がったこともあって、学歴エリートとなった若者を吸収するだけの受け皿がないのだ。 中国の社会問題に詳しいジャーナリストの古畑康雄氏が言う。 「仮に就職できたとしても、『996問題』があります。これは朝9時から夜の9時まで週に6日間働かされるというもの。むちゃくちゃに働かされて、30歳くらいで心身を病む。使い物にならなくされ、企業から追い出されてしまうのです」 昨年11月には中国の大手自動車メーカー、BYDで、36歳の男性社員が過労死する事例が報じられた。その前月の休みはわずか2日間で、残りはすべて12時間以上の勤務だったという。) 「中国ではネットが厳しく監視されていますが、それでも規制が届きにくいVPN(仮想プライベートネットワーク)を使って、ツイッターなど、本来、中国国内では使えないサービスで情報発信をしている若者もいます。 彼らは海外の情報も手に入れることができます。若者の本音はこうしたネット空間に溢れていて、当局もそれを規制しきれていません。ネットで若者の連帯が生まれているのです」(古畑氏) 今後、若者の怒りが習近平政権にとってのリスク要因になるはずだ。 20世紀の民主化運動は天安門が舞台となったが、21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者が21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者がITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろうITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろう。』、「21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者がITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろう」、「ネット空間」は「規制」されているとはいえ、「当局もそれを規制しきれていません」からだ。
・『(5)不動産バブル崩壊経済は破綻へ 中国経済が抱える最大の問題は不動産バブルの崩壊だ。昨年から中国の大手不動産会社、恒大集団が債務不履行を繰り返し、倒産の危機に直面している。中国で日本企業向けにリサーチ業務を行う日本人コンサルタントが明かす。 「中国は昨年、人口が48万人しか増えず、今年から人口減少に転じると指摘されています。不動産価格が上昇してきたのは、人口増加で住宅需要が高まることが前提だったわけで、それが終わるのだから不動産価格が暴落するのは目に見えています。 中国人が不動産価格の急落は金融危機を引き起こす。日本のバブル崩壊もそうだった。地価が下がったため、銀行の担保割れが発生。さらに不動産が叩き売られるという悪循環に陥り、「失われた30年」に突入した。 「中国でも金融機関がこぞって不動産会社にカネを貸し付けていますが、経営が破綻すると債権の放棄を迫られるでしょう。そうすると、金融システムが機能不全に陥り、経済の血液であるカネの流れがストップする。すべての産業から資本を引き上げる動きが進み、経済は破綻します。 バブル崩壊が襲った'90年代の日本は、まだ人口が増えていました。それと比べて、人口が減少に転じた中国を襲う不動産バブルの崩壊は日本以上にピッチが早く、大きくなるはずです」(前出・コンサルタント) これまで、中国の庶民はいつか豊かになれるはずだと夢を見て、辛い日々を生きてきた。しかし、その夢は叶わず、それどころか、明日は今日よりも悪くなる時代を生きなければならない。 科学技術振興機構アジア・太平洋総合研究センター特任フェローの大西康雄氏がこう話す。 「中国の庶民の間では『未富先老』—豊かになる前に老いてしまうという不安が蔓延しています。だったら、共産党の現体制に協力したところで意味がないという不満も同時に広がりつつある。日本はバブルが崩壊する前に、雇用や年金、医療・福祉などの社会的インフラを整備してきました。 しかし、中国では社会的インフラへの投資が十分ではない。数億人の比較的貧しい農村住民がいるうえ、社会保障も未整備のまま、高齢化社会を迎えるわけです。庶民は正直なもので、将来が不安だから若者は子供を作らない。その結果、ますます少子高齢化が進むという負のスパイラルに陥っています」 破綻はすぐそこに迫っている』、「中国では社会的インフラへの投資が十分ではない。数億人の比較的貧しい農村住民がいるうえ、社会保障も未整備のまま、高齢化社会を迎えるわけです。庶民は正直なもので、将来が不安だから若者は子供を作らない。その結果、ますます少子高齢化が進むという負のスパイラルに陥っています」 破綻はすぐそこに迫っている」、情勢は極めて深刻なようだ。
・『(6)「嫌われ中国」国際社会でも孤立無縁に 中国政府も直面する国内問題に手をこまねいているわけではない。国内だけで国民を食わせられないなら、海外へ進出して仕事を作る。それが、コロナ以前に習近平政権が強力に推進してきた、中国と欧州を結ぶ広域経済圏構想「一帯一路」だった。中国に詳しいジャーナリストの姫田小夏氏が言う。 「中国と欧州を結ぶ『21世紀海上シルクロード』の中継地点にケニアのナイロビがあり、中国の王毅外相は今年最初の外遊先として同地を訪れるほど重視しています。しかし、中国のアフリカ進出はいまだに物議を醸しています。 中国資本が大挙して押し寄せてきますが、現地におカネが落ちない仕組みだからです。中国はケニアに鉄道を敷設しましたが、車両や駅舎のみならず、列車の車掌や案内係の制服まですべてがメイド・イン・チャイナ。 川上から川下まで中国企業が握り、ほんのわずかな肉体労働だけを現地人が担う。儲けを持っていくのは圧倒的に中国企業なのです」 さらに中国が借金のカタに自分たちが整備したインフラを取得する「債務の罠」も世界中から批判されている。 「ギリシャではピレウス港に中国企業が出資して一部運営権を取得し、地元が反発しています。オーストラリアやスリランカでも重要港の99年間の運営権を取得し、インドや欧州から警戒されている。中国が債務と引き換えに世界進出を企んでいることに世界は気づいているのです」(姫田氏) 中国の孤立は刻々と深まっているのだ』、「中国が借金のカタに自分たちが整備したインフラを取得する「債務の罠」」は、本当に悪どい。「一帯一路」も漸く化けの皮が剥がれてきたようだ。
・『(7)頭脳流出で人材の焼け野原 国内外で風当たりが強まる習近平政権に愛想をつかして、国外脱出を企てる人材も増加している。中国事情に詳しいジャーナリストで、千葉大学客員准教授の高口康太氏はこう分析する。 「中国政府は『共同富裕』(みんなで豊かになる)をスローガンに、大手IT企業を儲けすぎだとして叩いています。ポピュリズムを背景にした上手なやり方かもしれませんが、叩かれるほうからしたらたまったものではない。見切りをつけて海外へ行ってしまう、優秀な社員も多いでしょう。 また、オンラインゲームが若者を腐敗させるとして、昨年からゲーム会社も批判の的になっています。昨年の7月以降、新作が1本も出ておらず、1万4000社が倒産したと言われています。こうした流れが続けば、優秀なIT人材を国内に引き止めることはできなくなります」 中国から逃れて日本に来たエリートは「『内巻』に疲れた」と口を揃える。姫田氏が言う。 「『内巻』とは無駄な競争を意味します。若者からは『上司のヨイショや無駄な徹夜作業がバカバカしい』というグチをよく聞きます。企業間競争も激しく、一つのヒット商品が生まれれば、次々と同じような商品が発売され、すぐに供給過剰になってしまう。果てしない競争に巻き込まれることを嫌って、海外脱出を希望する学歴エリートの若者が多い」 優秀な頭脳は海外へ流出し、国内に留まらざるを得ない若者は無気力に苛まれていく。これでは衰退していくばかりだ。 北京五輪では、コロナによる各国選手の調整不足もあり、中国はメダルラッシュに沸くだろう。しかし、祝祭が終われば、7つの危機が明るみになる。北京五輪は中国最後の輝きになるだろう』、「中国」の「メダルラッシュ」は大したことはなかったようだ。「祝祭が終われば、7つの危機が明るみになる」、どんな感じになるのだろう。余り深刻な危機に陥らないことを願うばかりだ。
タグ:中国国内政治 (その13)(「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性 「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁、ゼロコロナへの疑問 米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる「これだけの理由」、これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる根拠) 東洋経済オンライン 薬師寺 克行氏による「「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性 「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁」 「定義や意味が不明な抽象的な言葉や造語がこれでもかというほど次から次へと列挙されているから読みにくいのである」、無理な論理構成が読み難さにつながったのかも知れない。 「マルクス主義という普遍性を求めるイデオロギーと中国の伝統文化という特殊な空間をどう結び付けるのかがよくわからない」、「過去に指導者同士が対峙したり、後継者が前任者を否定してきたりした歴史を考えると、成り立たないことであるはずだった」、確かに明らかな矛盾もあるようだ。 「この決議文はあくまでも政治的文書であって、国民に対し政策を提示した文書ではない」、「中国社会の将来像を示す代わりに、党への服従を国民に強く求めている」、ムシのいい話だ。 「毛沢東への権力集中への反省から、鄧小平は・・・権力集中を改め集団指導体制を取り入れるなど、政府と党の役割分担を明確にする分権を進めた。しかし、習近平氏はその逆を突き進んでいる」、なるほど。 「中国は経済成長に陰りが見えはじめるとともに貧富の格差拡大など数多くの深刻な社会問題を抱えている。共産党がこれから先、一党支配の正統性をどうやって確保するのかは悩ましい問題であろう」、「今回の決議文からは、習近平氏の圧倒的な権力の強さと同時に、共産党一党支配が抱える脆弱性も読み取ることができる」、その通りだ。 現代ビジネス「ゼロコロナへの疑問、米中衝突の危機…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる「これだけの理由」」 「欧米が開発したようなmRNAワクチンを作り、ブースター接種を進めなければ、この状態からは抜け出せない。世界のサプライチェーンの要であった中国が、今年は苦境に立たされることになるのです」、「五輪」終了後はどうなるのだろう。 「ゼロコロナの失政から国民の目を逸らすために習近平国家主席が画策するのが、台湾侵攻だ」、「もし中国が台湾に対して軍事力を行使したら、米国と日本はすぐに行動しなければなりません」、その通りだ。 「習氏がその座を追われるとしたら、政変以外にもっともありそうなのが、暗殺です」、なるほど。 現代ビジネス「これから大国に起こる「ヤバすぎる事態」…「北京五輪後に中国は崩壊する」といえる根拠」 「21世紀の天安門事件は、ネット空間が舞台となる。連帯した若者がITを駆使して中国全土で一斉に蜂起したとき、前回のように武力で弾圧することは困難だろう」、「ネット空間」は「規制」されているとはいえ、「当局もそれを規制しきれていません」からだ。 「中国が借金のカタに自分たちが整備したインフラを取得する「債務の罠」」は、本当に悪どい。「一帯一路」も漸く化けの皮が剥がれてきたようだ。 「中国」の「メダルラッシュ」は大したことはなかったようだ。「祝祭が終われば、7つの危機が明るみになる」、どんな感じになるのだろう。余り深刻な危機に陥らないことを願うばかりだ。
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