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子育て(その6)(「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇、又吉直樹が語る 子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」、「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1) [生活]

子育てについては、7月25日に取上げた。今日は、(その6)(「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇、又吉直樹が語る 子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」、「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1)である。

先ずは、8月6日付け東洋経済オンライン「「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/608499
・『親が「よかれと思って」実践している声かけ・子育てが子どもの未来を呪ってしまっている――。そう語るのは、元法務省でこれまで1万人の犯罪者・非行少年を心理分析してきた犯罪心理学者の出口保行氏。出口氏の最新刊『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』は、そんな実例をまとめた子育ての解説書になっている。 本記事はその中から、「気をつけて」という言葉についての解説を抜粋。子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか。非行少年に限らず、どんな家庭でも気をつけておきたい注意点と解決策を解説する。 ※本記事に出てくる実例はプライバシー等を考慮し一部改変しています』、「「気をつけて」という」、「子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか」、興味深そうだ。
・『「気をつけて!」と言われ続けた少女・マイの結末  親が子どもに言う「気をつけて」という言葉にはさまざまな注意点がありますが、まずは極端な例を見ていきましょう。私が実際に心理分析した、ある非行少女(仮名マイ)の実例をご紹介します。 マイが幼い頃、両親がレストランを始めました。家族経営の小さなレストランですが、地域ではすぐに人気が出たようです。 忙しい父母にかわって面倒を見てくれたのが祖母のカズヨです。カズヨは公立小学校の校長をしていた教育者で、たったひとりの孫のために全身全霊で教育にあたっていました。 マイの父親は、教師であったカズヨをとても尊敬しており、子育てについてはカズヨに任せっきりだったそうです。 母親はといえば、義母であるカズヨに対し大きな引け目を感じていました。自分が高卒であるのに対して、カズヨは校長を退職後も地域の民生委員を務めるなど、地域の評価が高かったからです。 カズヨはマイを非常にかわいがる反面、心配性なところがありました。何かにつけて「危ないことはしちゃダメよ」「気をつけないとね」と言うのです。 同年代の子がブランコで遊んでいるのを見て、マイもブランコに乗ろうとすると、「おばあちゃんが昔いた学校で、ブランコのチェーンに指を挟まれて大ケガした子がいるの。危ないからやめておこうね」。 川のそばに咲く花を摘もうと土手を下りようとすると、「足をすべらせて川に落ち、亡くなった子がいるのよ」などと話してやめさせていたようです』、「ブランコ」や「土手を下り」るのまで、「やめさせていた」とは「心配性」を超えて異常だ。
・『「~してはいけない」ばかりで  マイは小さい頃はあまり疑問に思わなかったものの、小学校高学年になり周囲の子たちが友だち同士だけで遊ぶようになると自分もそうしたいと思うようになりました。 たとえば「みんなでショッピングモールに行くんだって。私も行っていいでしょ?」と聞いても、カズヨは一切認めなかったそうです。 「私は心配で倒れるかもしれない。それでもいいなら行きなさい」 脅しのような言葉に、マイは遊びに行くのをあきらめ、クラスの中でも浮いてしまうことが多くなりました。 中学生になり、塾や部活などの理由がつけられるようになると、さすがにカズヨの監督下から少し抜け出せるようになったようです。 マイは家ではいい子のふりをしつつ、外では不良グループと付き合うようになりました。高校からはティーン誌の読者モデルも始め、洋服やアクセサリーをバンバン買うので、お小遣いはすぐに底をついていました。 大学生になってバイトを始めましたが、金遣いの荒いマイには焼け石に水。思いついたのは、両親のレストランの売上金を盗むこと。多少抜き取ってもバレなかったので、何度も犯行を繰り返しました。 しかし、一度に盗める金額には限りがあります。今度はカズヨのタンス貯金に手をつけました。これまでさんざん自分を抑圧してきた代償を支払ってもらう気持ちで盗るので、とくに悪いことをしている認識はありません。 さらに大金を手に入れたくなったマイは、レストランによく来る高齢者をターゲットに、「うちのお店、3年後にリニューアルオープンして大規模店になる予定なの。いま出資してくれれば、高い配当を得られるよ。でもこれは内緒の話だから誰にも言わないでね」という話をするようになりました。いわゆる、特殊詐欺です。 結果、500万円ほど騙し取っていました。しかし、当然ながら配当をすることはできず、逮捕されることとなったのです』、「特殊詐欺」で「500万円ほど騙し取っていました」、「大学生」にしては悪知恵が凄い。
・『人の気持ちがわからない悲劇  少年鑑別所で面接をした際、マイは「とくに悪いことをしたとは思っていない。被害者の気持ちとか言われても、金儲けの話に目がくらんだだけじゃん。そんなうまい話に簡単に乗るほうがどうかしている」と話していました。共感能力が低く、被害者の気持ちを想像するのが難しいのもあって、なかなか内省が深まりませんでした。 しかし、少年院に送致され、そこでの面接や更生プログラムを通じて、次第に気づくようになっていきました。 「ああ、私から内緒の話をもちかけられて嬉しいと思ってくれたんだ。私はそれを裏切ったんだ……」 そんなふうに被害者の気持ちを考えられるようになるまで、時間がかかったのは確かです。 マイは同年代の子たちと関わる体験が圧倒的に不足していました。心配性の祖母が何でも先回りして失敗させないように動き、子どもだけで遊ぶことを禁じていたからです。いわゆる過保護・過干渉によって、共感性が育つ機会が奪われていたと言えます。 共感とは、他者の気持ちが自分のことのようにわかることです。その前提には2つあります。ひとつは「人の感情を正確に認知できる」。目の前の人が怒っているのか、泣いているのかといった、感情を表情などから読み取って認知することです。 もうひとつは「人の感情を正確に推測できる」。笑っているけれど、悲しい。冷静にしているけれど、怒っている。認知に基づきながら、相手の気持ちを推測できることが必要です。それではじめて共感能力を発揮することができるのです。 共感性はさまざまな人とのリアルなコミュニケーションから育まれます。ちょっとしたひと言で傷ついたり、ケンカになったり仲直りしたりと、対人関係上の失敗も共感能力を高めてくれます。普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも経験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました。) 思春期になって、マイはクラスの中で自分が浮いた存在であることを自覚します。 クラスメイトたちの中でもうまくコミュニケーションをとることができません。自分の話ばかりしたり、余計なひと言を言って相手を傷つけたりしがちでした。仲良くしたくても、どうすればいいのかよくわからないのです。孤独感を感じたマイは、祖母を恨みました。 「おばあちゃんのせいだ。おばあちゃんが何でもかんでもダメだって言うから、私はこんなふうになっちゃったんだ」 そして、祖母の抑圧から助け出してくれない両親に対しても敵意を持つようになりました。レストランの売上金からお金を抜き取るのも、祖母のタンス貯金に手をつけるのも「このくらいやって当然」という感覚です。そうして家庭内窃盗を繰り返すうちに罪悪感もうすれ、投資詐欺に発展しました。 マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。 しかし、当然ながら騙すほうが100%悪いのです。 相手が欲にかられたからといって、犯罪をしていいことにはなりません。「騙されるほうも騙されるほうだ」という言い方がされることがありますが、それは犯罪者側の理屈です』、「普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも経験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました」、「マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。 しかし、当然ながら騙すほうが100%悪いのです」、その通りだ。
・『「気をつけて!」がダメな理由  さて、そろそろこの事例を、一般の子育てに応用していきましょう。 マイの祖母カズヨは、かわいい孫に「イヤな思いをさせたくない」「つらい気持ちになってほしくない」という気持ちが強く、何でも先回りして「気をつけて!」と言い続けてきました。よかれと思ってやってきたのです。 しかし、どう見ても過保護・過干渉でした。せめて両親がもう少しフォローできたらよかったのですが、それもありませんでした。その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました。 同時に共感性が低く、相手の気持ちを推し量ることが苦手になってしまいました。 「気をつけて!」と何でも制止すれば、子どもは経験のチャンスを失います。経験にはポジティブな面もネガティブな面もあり、失敗して落ち込んだりイヤな気持ちになったりすることだってあるでしょう。しかしそれが成長の糧なのです。) たとえばハロウィンパーティーに誘われて行ってみたら、みんな仮装をしていて普段着の自分は恥ずかしい思いをしたとします。すると、次からはどういう服で行ったらいいか事前に確認しようと思うでしょう。自分が人を誘うときは、来てくれた人が恥ずかしい思いをしないようにあらかじめ服装について教えてあげようと思うでしょう。 こういった小さな失敗で致命的なことが起こるわけではありません。先回りして何でも教えていたり、そもそも「パーティーなんてやめておきなさい」と止めていたりしたら、その子は経験ができないのです。 もちろん、本当に危ないことは止めなければいけません』、「どう見ても過保護・過干渉でした」、「その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました。 同時に共感性が低く、相手の気持ちを推し量ることが苦手になってしまいました。 「気をつけて!」と何でも制止すれば、子どもは経験のチャンスを失います。経験にはポジティブな面もネガティブな面もあり、失敗して落ち込んだりイヤな気持ちになったりすることだってあるでしょう。しかしそれが成長の糧なのです」、小学校で校長をしていたといっても、このような「育児」の失敗があり得るというのには、驚かされた。
・『危険の大きさに関する判断を整理することが大切  子どもが切り立った川岸に向かっているのに自由にさせていてはダメです。落ちたら死んでしまいます。親はまず危険の大きさに関する判断を整理することが必要です。 一番の軸は身体生命の安全に関わるかどうか。それ以外はどこまで許容できるかです。 心配でつい口を出したくなる気持ちはわかります。しかし、親はいつまでもついていてあげられるわけではありません。親が「転ばぬ先の杖」となって転ばせなければ、転んだ経験のない子は自分で何に気をつけたらいいかわからないのです。本当に子どものためを思ったら、あえて失敗させてあげることです。 とくに対人関係の失敗は共感性を育てます。友だちに「誰にも言わないでね」と言って打ち明けられた話をうっかり人に言ってしまった。機嫌が悪いときに友だちがふざけてきたのでカッとしてひどいことを言ってしまった。そんな失敗も学びになります。 もし子どもが「だって〇〇ちゃんはいつも自分勝手だから、バカって言いたくなるのも仕方ないよ」と話したら、「そう思ったんだね」と言い訳を否定せず聞いてあげましょう。 たくさん話しているうちに自分で「でもあの言い方はちょっとひどかったかな。傷ついていると思うから、明日あやまろうかな」と気づくかもしれません。自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「〇〇ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです。 子どもの頃に何を経験したかが、その後の人生に長期的な影響をおよぼします。) 年をとってからも学ぶことはできるし、体力は落ちても心理的な発達は続くわけですが、どうしても子どもの頃の経験がベースになります。自立した大人になるためというだけでなく、一生に影響するのだということも知っておいてほしいことです』、「自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「〇〇ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです」、なかなか巧みなやり方だ。
・『反省ではなく、内省を促す  共感性が低く、自己中心的な考え方をしていると、なかなか内省は深まりません。 内省は「反省」に似ていますが、別のものです。自分自身の心に向き合い、自らの言動や考え方について客観的に振り返って分析することです。気づきを得ることを目的にしています。 一方、反省とは、自分の言動や考え方のよくなかった点を振り返り、改めようとすることの意味で使われます。 問題行動があったとき、大人は「反省しなさい」と言いがちです。しかし、残念ながらこの言葉には意味がないことが多いです。 「ごめんなさい。悪いことをしました。もうしません」 そんな言葉を引き出すことに成功しても、本人は心の中で舌を出していることはよくあります。自分自身の心に向き合わないまま、反省の言葉を言わされているだけだからです。 私が見てきた非行少年はとくに反省を表現することに慣れていて、いくらでも言うことができました。それこそお経のように唱えることができるので、感心するくらいです。神妙な顔をするのも得意です。しかし、反省の言葉と表情がどれだけうまくなっても、それが何になるというのでしょうか。 最初はきっと、言い訳をしたに違いありません。 「こういう理由があったから、仕方なかったんだ」 それに対して「言い訳するな!反省しろ」と余計に叱られるようなことを繰り返すと、言い訳をしなくなります。 「ごめんなさい、私のせいでこんなに迷惑をかけてしまいました。これからは心を入れ替えて頑張ります」 このように反省上手になります。しかし、内省していないので同じようなことを繰り返すのです。 さらには、「反省しなさい」という言葉は抑圧を生みます。その子が抱えている不満を聞いてあげることなく一方的に反省を押しつければ、不満はどんどん蓄積し、いずれ爆発するでしょう。 繰り返しますが大事なのは内省です。自分の言動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここがよくなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください』、「大事なのは内省です。自分の言動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここがよくなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください」、確かに「内省を促します」は有効だが、結構、高度な技だ。

次に、11月7日付けAERAdot「又吉直樹が語る、子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」」を紹介しよう。
・『小学生時代の読書体験が与える影響は、大人になるまで分かりません。だからこそ、かけがえのない一冊と出会うかもしれない機会は大切にしたいもの。本を心から愛するお笑い芸人・作家の又吉直樹さんに、本の楽しみ方や子どものころに読んでいた本を教えてもらいました。現在発売中の「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋して紹介します。 小学生のときは、国語の教科書をよく読んでいました。家には遠藤周作や三浦綾子といった大人向けの本しかなくて、子どもが読める本といえば教科書くらいしかなかった。低学年のころは教訓めいた話が多くて、発見のある話はなかった気がするんですけど、3年生のころからハッとするような表現、大人が言葉では言わないことを描いている話が出てきて、面白いと思うようになりました。 自分の教科書を読み終わったら、姉たちが使っていた教科書も読んでいました。特に好きだったのが「沢田さんのほくろ」という話。おでこに大きなほくろのある沢田さんという女の子が「大仏」というあだ名でからかわれているんですけど、強く生きていこうと決意し、前髪で隠していたおでこを出すようになるんです。でも、また何かの拍子に男子から「大仏」って言われてしまう。それに対して沢田さんは「大仏でけっこうよ」というようなことを言って大仏のポーズをするんです。目からは涙が流れていて……。 小学生のときって「子どもだからわからないだろう」と、子ども扱いされますよね。そうやって子どものことを完全に舐なめている感じの大人が僕は大嫌いだったんですよ。でも、このお話に描かれていることはすごくリアルだった。大人でもこういうことを描く人がいると安心できました。 丸っこい表現の話だけを与えられていたら、後々もっと傷つくこともあったんじゃないかな。早い段階で、世の中の不条理さ、何も悪いことをしていなくても環境次第で大変な状況に追い込まれることもあるという前提を、お話の中から踏まえることができたのはよかったと思います』、さすが「又吉」氏だけあって、「子どもの」頃からませた考え方だったようだ。
・『本の読み方を「教えられた」人の読書感想は、みんな似ている  本の読み方に「答え」がある、と思い込みすぎている人が多い気がします。本を読んでどう感じるかは、無限にアプローチがあるから面白い。この本はこう読みなさいと教えられた人ほど、大人になっても本の感想が似る現象があります。気になった箇所は人それぞれ違っていていいはずです。 いま思えば、僕は子どものころ、周りに本を読む人がいなかった。だから自分で考えて自分なりに理解するという本の読み方を身につけられたのかもしれません。親から教えられたり、友だちと答え合わせをしたりすることもなかったですから。「答え」を追い求めすぎずに自由に読むと、もっと読書は楽しくなると思います』、「「答え」を追い求めすぎずに自由に読むと、もっと読書は楽しくなると思います」、その通りなのかも知れない。
・『又吉さんが教えてくれた「本を面白く読んでみるコツ」 (1)まずは、自分がどう感じたのか考えてみる。(周りの目を気にせず、自分が思ったことをストレートに書き出す。)(2)登場人物の体験や気持ちについて、自分の中でも似た体験や感情がなかったか思い出してみる。(友だちとけんかしたときや親に怒られたときの気持ち。自分の人生に結び付けて共感してみる。)(3)描かれていることと反対の意見を考えてみる。(登場人物や作者の考え方とは異なる考えを出してみる。「そんな嫌なら最初から友だちにならなければよかったやん、とか」(又吉さん)) (4)最後に、自分だったらどういう結末にするか考えてみる。(いろいろな立場で考えたことでオリジナルの結末が浮かび上がってきたら、もう本を楽しんでいる証拠。 ※「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋。本誌ではこのほか、子どものころに読んだ本や辞書の遊び方なども紹介しています。(又吉直樹の略歴はリンク先参照)』、「本を面白く読んでみるコツ」は確かに「面白く読」めそうだが、時間もかかりそうだ。

第三に、11月23日付け文春オンライン「「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/58858
・『「子どもの癇癪は愛情不足」「子どもは親を選んで生まれてくる」などの迷信はいかにして生まれるのか? 母親を苦しめる「呪い」が生まれる理由を、新生児科医・小児科医の「ふらいと先生」こと今西洋介さんが解説。金に目がくらんだ医師が、加担することも……(全2回の1回目/後編を読む)(Qは聞き手の質問)』、記事冒頭の大泣きしている写真は、「母親」がいかにも慌てそうな場面だ。
・『母親たちを苦しめる「呪い」  Q:子どもの癇癪は愛情不足。離乳食は手作りが一番。そして育児は基本、母親が担うべき。前時代的だとも思えるような考え方が、いまだ根強くあります。今西先生は、SNSや書籍で、それら母親だけに負担を押しつけて苦しめる育児の迷信・神話の存在を「呪い」と表現していますが、その理由は? 今西洋介医師(以下、今西) 医療の現場で、産まれた子どもが集中治療室に入ったりすると、自分のことを責めてしまうお母さんが本当に多いんですよね。一番多い質問も「私が悪かったんでしょうか?」です。実際、お母さんが食べたものでなる病気はあります。例えばトキソプラズマ症とか。 子どもの病気が「100%お母さんのせいじゃない」とは言えませんが、ほとんどの病気や障がいはお母さんが原因ではありません。それにもかかわらず、なぜ自分を責めてしまうのか? ひとつは、誰かに「母親のせい」と言われるからです。誰かというのは、いままで信頼してきた親御さんだったり、パートナーだったり。その人たちもまた、小さいころに親やまわりからその迷信を聞かされていた。そうした積み重ねの結果です。 家族全体、ひいては社会全体にそういった言説が浸透して伝播して、精神的に特定の人を追い詰めていく。それはまさに「呪い」だと思いませんか』、「誰かに「母親のせい」と言われるからです。誰かというのは、いままで信頼してきた親御さんだったり、パートナーだったり。その人たちもまた、小さいころに親やまわりからその迷信を聞かされていた。そうした積み重ねの結果です。 家族全体、ひいては社会全体にそういった言説が浸透して伝播して、精神的に特定の人を追い詰めていく。それはまさに「呪い」」、日本社会も困った病理を抱えたものだ。
・『「呪い」が生まれた歴史背景  Q:その呪いは、どこから来る? 今西 一例として「子どもを産むと女性は自動的に母性が湧き、心血注いで子どもの世話をしたくなるもの」という母性神話を見てみましょう。 そもそも江戸時代や明治時代にはそんな考え方は存在していません。ところが戦時中、男性が出征して戦地に行かされる事情から「母は強し」などと言って、耐えて国に尽くすのが母親だみたいな啓蒙が行われます。国をあげて、女性を神格化させたわけです。 次に戦争が終わった後の1950年代からの高度成長期には、男性は猛烈に働き、女性が家庭に入る専業主婦モデルが推奨されます。そこでまた専業主婦が神格化され、母性神話が定着しました。 確かに母子の関係性が子どもの発達に関わることは、確固たるエビデンスがあります。しかしそれが母性神話という形になると、母親の理想像の押し付けが強くなり、一気にお母さんの負担が強くなる。 しかも現在は、男性の賃金が減り女性も外で働くようになり、母性神話が成り立たなくなってきています。それなのに思想だけが残り、今を生きる母親たちが苦しめられている現状があります。) Q:「医師がそう言っていた」という点から言説を信頼し、語り継ぐ布教者たちもいそうです。 今西 それも確かにあるでしょう。発達心理学が専門で母性学研究の権威でもある大日向雅美先生の著書によると、1990年代は母性神話を守る「正義の騎士」的な存在が、当時の小児科医であったと説明されています。 大日向先生が「母性神話の罠」という母性神話を否定するテーマの講演をすると、激しく異議を唱えてきたのも小児科医だったと。そのころはまだ医学界も、エビデンスが確立されていない部分がありましたので。 発達障害のひとつである自閉症も同様です。1990年代に自閉症は母親の愛情不足が原因だという説があり、自閉症の子どもを持つ母親たちが「冷蔵庫の心を持った母親」と呼ばれていました。それも、医学界は一部信じていた。しかし今はもう、科学的根拠によって完全に否定されています。ところが否定された事実はあまり浸透せず、いまだにやっぱり愛情不足じゃないかと、責められる母親たちがいるんです』、「専業主婦が神格化され、母性神話が定着」、「母性神話という形になると、母親の理想像の押し付けが強くなり、一気にお母さんの負担が強くなる。 しかも現在は、男性の賃金が減り女性も外で働くようになり、母性神話が成り立たなくなってきています。それなのに思想だけが残り、今を生きる母親たちが苦しめられている現状があります」、「1990年代に自閉症は母親の愛情不足が原因だという説があり、自閉症の子どもを持つ母親たちが「冷蔵庫の心を持った母親」と呼ばれていました。それも、医学界は一部信じていた。しかし今はもう、科学的根拠によって完全に否定されています。ところが否定された事実はあまり浸透せず、いまだにやっぱり愛情不足じゃないかと、責められる母親たちがいるんです」、「冷蔵庫の心を持った母親」とは酷い言い方だ。
・『「子どもは親を選んで生まれてくる」の嘘  Q:「子どもは親を選んで生まれてくる」という迷信・思想はどうでしょう? 今西 胎教という文化から発生した、「胎内記憶」と言われている言説ですね。現在日本で胎内記憶の発信の中心になっているのはとある産婦人科医ですが、その内容は完全にスピリチュアルでしょう。 胎内記憶を医学的に見ると、エビデンスの元とされているのが2~3歳の子どもの言葉でしかありませんので、それを科学的根拠があるかのように話すのは明らかに問題があります。わからないことをわかったように、さらに当事者に言うことは、相手を傷つける可能性もあり非常に危険です。 よく、障害を持って生まれた子どもの母親に「あなたを選んで産まれてきてくれたんだから」と声をかけてしまう人がいる。すると、必要以上に自分が頑張らなくてはならないという呪いに縛られてしまう。 実際、言葉の呪縛に囚われているお母さんはとても多いです。産んだ責任から一人で悩みを抱え込み、「産褥精神病(出産後に幻想や妄想に囚われる病気)」という非常に危険な状態になるケースも。 子どもが自分を選んでくれたという考え方で、救われる人もいるでしょう。そうした考えで育児を頑張ることができたり、絆を感じたり。しかしそれは個人で思えばいい話であり、他人が言うことではありません』、「胎教という文化から発生した、「胎内記憶」と言われている言説ですね・・・その内容は完全にスピリチュアル」、「言葉の呪縛に囚われているお母さんはとても多いです。産んだ責任から一人で悩みを抱え込み、「産褥精神病・・・」という非常に危険な状態になるケースも」、「お母さん」から「言葉の呪縛」を解放する必要がありそうだ。
・『大金に目がくらみ「ダークサイドに堕ちる医師」も…  Q:コロナ禍ではワクチンやマスクに対して不安を煽る医師がSNSで存在感を放っていますが、これはスピリチュアル嗜好や情報の古さなどとはまた別の問題でしょうか。 今西 そのあたりは一部、金銭的な問題がからんでいるでしょう。医療者の中には開業時に億単位の借金を背負っている人も少なくない。窮状にいる医師たちに、大企業なんかが怪しげな療法を売り込んでくるケースは珍しくありません。 しかも、ありえないくらいの高額を提示してくるんです。そこに飛びついてしまう医療者はごく一部ですが、確実に存在します。実際に、僕が信頼していた後輩の医師が、開業したとたんに怪しい療法に手を出しそうになりました。リテラシーの高かったあの人もこうなるんだと、ある意味興味深かったですが。結果的にまわりの医師達から反対の声が相次ぎ、実際には採用しなかったようです。 そうした医師たちがビジネスに直結していると、ターゲットがよく研究されていることもあり、勢いよく広まります。胎内記憶もその例かと。子育て世代は常に更新されていきますから、今育児中のお母さんたちは、デマが原因で起こった昔の事件なんかを知らないわけです。「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」(※1)とか「キッズスタディオン事件」(※2)とか。 だから、どんなデマも既に否定されたからと安心せず、情報は発信し続けなければなりません。過去には医療界がデマ、すなわち呪いを後押ししたものもありますが、1個ずつ絡まった糸をほどくように、間違った情報を正していくのもやはり科学です。この記事を見てくれた方にはまず、社会はこれだけ呪われているということを、知っていただきたいですね。 ※1 「ホメオパシー」という代替医療にもとづく治療によって新生児が死亡したとされる2009年の事故。助産師の指導のもと、ビタミンKを投与せずにビタミンKと同様の効果を持つと主張される砂糖玉を新生児に与え、結果生後2ヶ月で硬膜下血腫が原因で死亡した。 ※2 新潟・上越市のNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」の姫川尚美理事長が、自ら考案した「ズンズン運動」と称する施術で、生後4ヶ月の男児を死亡させたとして2015年に逮捕された。「免疫力を高める」「寝付きがよくなる」などが謳われていた』、「医療者の中には開業時に億単位の借金を背負っている人も少なくない。窮状にいる医師たちに、大企業なんかが怪しげな療法を売り込んでくるケースは珍しくありません。 しかも、ありえないくらいの高額を提示してくるんです。そこに飛びついてしまう医療者はごく一部ですが、確実に存在します」、「過去には医療界がデマ、すなわち呪いを後押ししたものもありますが、1個ずつ絡まった糸をほどくように、間違った情報を正していくのもやはり科学です。この記事を見てくれた方にはまず、社会はこれだけ呪われているということを、知っていただきたいですね」、その通りだ。
タグ:子育て (その6)(「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇、又吉直樹が語る 子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」、「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1) 東洋経済オンライン「「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇」 「「気をつけて」という」、「子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか」、興味深そうだ。 「ブランコ」や「土手を下り」るのまで、「やめさせていた」とは「心配性」を超えて異常だ。 「特殊詐欺」で「500万円ほど騙し取っていました」、「大学生」にしては悪知恵が凄い。 「普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも経験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました」、「マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。 しかし、当然ながら騙すほうが100%悪いのです」、その通りだ。 「どう見ても過保護・過干渉でした」、「その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました。 同時に共感性が低く、相手の気持ちを推し量ることが苦手になってしまいました。 「気をつけて!」と何でも制止すれば、子どもは経験のチャンスを失います。経験にはポジティブな面もネガティブな面もあり、失敗して落ち込んだりイヤな気持ちになったりすることだってあるでしょう。しかしそれが成長の糧なのです」、小学校で校長をしていたといっても、このような「育児」の失敗があり得るというのには、驚かされた。 「自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「〇〇ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです」、なかなか巧みなやり方だ。 「大事なのは内省です。自分の言動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここがよくなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください」、確かに「内省を促します」は有効だが、結構、高度な技だ。 AERAdot「又吉直樹が語る、子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」」 さすが「又吉」氏だけあって、「子どもの」頃からませた考え方だったようだ。 「「答え」を追い求めすぎずに自由に読むと、もっと読書は楽しくなると思います」、その通りなのかも知れない。 「本を面白く読んでみるコツ」は確かに「面白く読」めそうだが、時間もかかりそうだ。 文春オンライン「「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1」 記事冒頭の大泣きしている写真は、「母親」がいかにも慌てそうな場面だ。 「誰かに「母親のせい」と言われるからです。誰かというのは、いままで信頼してきた親御さんだったり、パートナーだったり。その人たちもまた、小さいころに親やまわりからその迷信を聞かされていた。そうした積み重ねの結果です。 家族全体、ひいては社会全体にそういった言説が浸透して伝播して、精神的に特定の人を追い詰めていく。それはまさに「呪い」」、日本社会も困った病理を抱えたものだ。 「専業主婦が神格化され、母性神話が定着」、「母性神話という形になると、母親の理想像の押し付けが強くなり、一気にお母さんの負担が強くなる。 しかも現在は、男性の賃金が減り女性も外で働くようになり、母性神話が成り立たなくなってきています。それなのに思想だけが残り、今を生きる母親たちが苦しめられている現状があります」、 「1990年代に自閉症は母親の愛情不足が原因だという説があり、自閉症の子どもを持つ母親たちが「冷蔵庫の心を持った母親」と呼ばれていました。それも、医学界は一部信じていた。しかし今はもう、科学的根拠によって完全に否定されています。ところが否定された事実はあまり浸透せず、いまだにやっぱり愛情不足じゃないかと、責められる母親たちがいるんです」、「冷蔵庫の心を持った母親」とは酷い言い方だ。 「胎教という文化から発生した、「胎内記憶」と言われている言説ですね・・・その内容は完全にスピリチュアル」、「言葉の呪縛に囚われているお母さんはとても多いです。産んだ責任から一人で悩みを抱え込み、「産褥精神病・・・」という非常に危険な状態になるケースも」、「お母さん」から「言葉の呪縛」を解放する必要がありそうだ。 「医療者の中には開業時に億単位の借金を背負っている人も少なくない。窮状にいる医師たちに、大企業なんかが怪しげな療法を売り込んでくるケースは珍しくありません。 しかも、ありえないくらいの高額を提示してくるんです。そこに飛びついてしまう医療者はごく一部ですが、確実に存在します」、 「過去には医療界がデマ、すなわち呪いを後押ししたものもありますが、1個ずつ絡まった糸をほどくように、間違った情報を正していくのもやはり科学です。この記事を見てくれた方にはまず、社会はこれだけ呪われているということを、知っていただきたいですね」、その通りだ。
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