SSブログ

キシダノミクス(その10)(W杯が援軍?岸田首相「次の一手」に広がる疑心暗鬼 麻生・茂木両氏と密談 内閣改造か解散か、岸田内閣・閣僚辞任ドミノで露呈 「清濁併せ呑んでこそ政治家」の大誤解、岸田文雄首相 今度は選挙運動費用131万円を不記載 政治資金規正法違反の疑い) [国内政治]

キシダノミクスについては、11月7日に取上げた。今日は、(その10)(W杯が援軍?岸田首相「次の一手」に広がる疑心暗鬼 麻生・茂木両氏と密談 内閣改造か解散か、岸田内閣・閣僚辞任ドミノで露呈 「清濁併せ呑んでこそ政治家」の大誤解、岸田文雄首相 今度は選挙運動費用131万円を不記載 政治資金規正法違反の疑い)である。

先ずは、11月26日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「W杯が援軍?岸田首相「次の一手」に広がる疑心暗鬼 麻生・茂木両氏と密談、内閣改造か解散か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/635469
・『サッカー・ワールドカップでの日本代表の大活躍に列島が沸く中、師走を迎える政局は混迷の度が深まるばかりだ。 岸田文雄首相の側近閣僚らの“辞任ドミノ”のあおりで、最優先課題の今年度第2次補正予算の成立は12月にずれ込む。国民も期待する、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)への活動規制強化のための被害者救済法案も、与野党協議難航で、今臨時国会での成立はなお見通せない状況だ。 これに伴い、内閣支持率は、複数の調査で30%を割り込む「危険水域」に落ち込み、与党内からも首相の「統治能力」への疑問、不信が噴出している。そうした中、永田町では、八方ふさがりの岸田首相が、「乾坤一擲の苦境打開策として、年末年始の党・内閣人事や、4月の統一地方選前の衆院解散を模索している」(自民党関係者)との臆測が飛び交う』、「年末年始の党・内閣人事や、4月の統一地方選前の衆院解散を模索」とは予想以上に早手回しだ。
・『首相の本音は「こつこつと実績を積み上げる」?  当の岸田首相は24日、臨時国会後の党・内閣人事については否定したが、23日夜には茂木敏充自民党幹事長と、24日夜には都内のホテルで麻生太郎同副総裁と密談している。 テーマは当然、国会終盤の乗り切りと、深まる政権危機の打開策とみられている。自民党内には「混迷政局打開の秘策を話し合ったはず」(閣僚経験者)との臆測、野党陣営からは「抜き打ち解散もありうる」(立憲民主幹部)との疑心暗鬼が、それぞれ広がる状況だ。 首相周辺は「首相はもともと解散など考えず、党内閣人事にも慎重に対応し、当面こつこつと実績を積み上げて支持率回復を待つというのが本音」(最側近)と繰り返す。政界で流布される「内閣改造」「解散」についても「求心力維持のための手練手管の類」(同)と一笑に付す。 しかし、首相を支える立場の自民党執行部内にも、「このまま自滅の道をたどるより、臨時国会後に大幅な党内閣人事で人心を一新し、そのうえで年明けの解散断行で一か八かの勝負に出るべきだ」(有力幹部)との声が消えないのも事実だ。 さらに、「勝負のタイミング」についても、党・内閣人事が「年末」「通常国会召集前」「来年度予算成立後」、衆院解散が「年末から年明け」「4月の統一地方選と同時」などの具体案が取り沙汰され、多くの与野党国会議員も「ひょっとしたら……」(立憲民主若手)と身構える。 そもそも首相は大方の予想を覆し、8月に党・内閣人事を断行した時点で、①次の党内閣人事は1年後の2023年夏、②解散権は環境が整わないかぎり2024年9月の次期自民党総裁選まで行使しない、との戦略を固めていたとされる。 ただ、それは「党内の反岸田勢力を取り込み、総理・総裁としての求心力を維持することによる政権運営の安定化」(岸田派幹部)が大前提だったとされる。このため、「臨時国会召集前後からの人事や政策を判断する際の迷走で、党内的にも『宰相の資質』が問われる事態は想定外」(同)なのは間違いない』、「首相の本音は「こつこつと実績を積み上げる」?」だとしても、「「このまま自滅の道をたどるより、臨時国会後に大幅な党内閣人事で人心を一新し、そのうえで年明けの解散断行で一か八かの勝負に出るべきだ」、との声が消えないのも事実」、「党内的にも『宰相の資質』が問われる事態」は避けたいだろう。
・『「今はちょっと孤独でつらいときもある」  岸田首相自身は、一連の国際会議出席のための東南アジア歴訪から帰国後、連日連夜、麻生、茂木両氏や公明党の山口那津男代表ら与党最高幹部と「密談」を繰り返す一方、反岸田勢力の“旗頭”とされる菅義偉前首相、二階俊博元幹事長への「協力要請」に腐心している。 腹心の寺田稔氏の総務相更迭直後の11月21日夜、母校の早稲田大学出身の国会議員らとの会合では「今はちょっと孤独でつらいときもある」と“弱音”を吐露。同席した森喜朗元首相から「首相は孤独な立場だ」と激励される一幕もあったという。) ただ、側近は「首相は心身が疲弊しても、自信は失っていない」と明言する。早い時期の大幅人事や解散の断行については「結果的に自らの首を絞めるだけ」(首相経験者)との見方が少なくない。「人事をやっても必ず問題閣僚が浮上するし、解散すれば自民の議席減で責任を問われるだけ」(自民長老)だからだ。 その一方で「人事や解散をにおわせば、首相攻撃を控えざるをえないのが議員心理」(同)でもある。だからこそ、岸田首相周辺からは「右往左往せずに内政・外交の難題克服に邁進すれば、党内の批判も収まる」(同)との声が広がるのだ』、「人事や解散をにおわせば、首相攻撃を控えざるをえないのが議員心理」は事実としても、「首相周辺」の「声」は希望的観測の色彩が濃いようだ。
・『密談は「政権中枢での意思統一を図った」との見方  岸田首相は24日午前、首相官邸で年末年始に内閣改造や自民党役員人事を検討しているか総理官邸で記者団に問われ、「私自身そうしたことはまったく考えていない。いまは国会に専念しなければいけない。そして年末に向けて防衛3文書の改定をはじめ、さまざまな政治課題があり、そうした課題に専念していかなければならない」と淡々とした表情で語った。 前日の23日午後、岸田首相は首相公邸で茂木氏と会談したが、官邸側はこの会談を「極秘」扱いとしていた。しかも、岸田首相は引き続いて最側近の根本匠岸田派事務総長とも会談しただけに、自民党内には「今後の政局運営について、政権中枢での意思統一を図った」(自民長老)との見方が広がった。 この23日夜には、サッカーW杯の日本代表の初戦が行われ、4度の優勝を誇るドイツを大逆転で破る「大金星」に列島が沸いた。岸田首相は24日朝、記者団に感想を求められると「私もテレビで観戦した。チーム力、個々の力、さらには監督の采配が発揮された素晴らしい試合」と満面の笑顔で語った。) 苦戦するという当初の予想を覆した日本の勝利に、24日の大手紙朝刊はそろって1面トップに「劇的勝利」などの大見出しを掲げ、NHKや民放テレビは終日、定時ニュースや各種情報番組の大半の時間を割いて、「快挙」を報じ続けた。 これにより、国会での岸田首相に対する野党の追及が取り上げられる時間は激減した。これについて、与党内からも「国民が歓喜する朗報は久しぶりで、苦境にあえぐ岸田首相への助け舟だ」(閣僚経験者)との声が相次いだ』、「サッカーW杯の日本代表の」「善戦」は確かに、「「国民が歓喜する朗報は久しぶりで、苦境にあえぐ岸田首相への助け舟だ」(閣僚経験者)との声が相次いだ」、その通りだ。
・『補正予算成立は順調でも12月2日  そうした中、国会は25日から衆院予算委での基本的質疑が始まった。週をまたいで28日も行われ、29日に衆院通過となる段取り。このため、補正予算成立は順調に進んでも、12月2日となる見通しで、補正成立後の焦点の被害者救済新法案の国会提出・審議は同5日以降にずれ込むことになる。 その一方で、サッカーは27日にコスタリカ、12月1日にスペインと対戦する。決勝トーナメント進出が決まれば、新聞・テレビの報道は「日本代表一色」となるのは確実だ。 岸田首相の周辺からは「世界に広がる日本代表への応援が、首相の強力な援軍になるのでは」(岸田派若手)との期待の声も広がるが……』、「決勝トーナメント」は第一戦で敗退、「首相の強力な援軍になる」のは捕らぬ狸の皮算用に終わったようだ。

次に、11/29ダイヤモンド・オンラインが掲載した立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏による「岸田内閣・閣僚辞任ドミノで露呈、「清濁併せ呑んでこそ政治家」の大誤解」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/313550
・『岸田内閣の支持率が下落し、30%を割り込んだ。「政治と宗教」「政治とカネ」の問題や失言で、閣僚が相次いで辞任しているのだから無理もない。かつて50%台の高支持率を誇った岸田内閣は、なぜ人気が急落するとともに、閣僚の「辞任ドミノ」を招いたのか。その本質的な要因を考察する』、興味深そうだ。
・『宗教・カネ・失言…問題続出で「閣僚の辞任ドミノ」止まらず  岸田文雄内閣の支持率下落が止まらない。マスメディアによる直近の各種世論調査では、内閣支持率が危険水域と呼ばれる30%を割り込んでいる。「不支持率」が50%を超えた結果もある。 内閣発足時から今夏まで、岸田内閣の支持率は50%台で推移していた。そして岸田首相は、2021年の衆議院議員総選挙(衆院選)と22年の参議院議員通常選挙(参院選)で連勝。日本政治では珍しく、国政選挙がない「黄金の3年」を手にした。 にもかかわらず、内閣支持率が急落するのは異常事態だ。 事の発端は、「安倍晋三元首相銃撃事件」であった。容疑者の母親が旧統一教会信者だったことから、政治と旧統一教会の関係が次々と明るみに出た(本連載第309回)。 それ以降、自民党議員が旧統一教会関連の会合に出席したり、祝電を送ったりしていたケースが続々と発覚した。 中でも、山際大志郎・前経済再生担当相は、教団との関係について新たな疑惑が浮上するたびに「記憶していない」「覚えていない」を連発。後から事実を追認する「後出し」対応を繰り返して批判を浴びた。山際氏は結局、最初に事実が発覚してから2カ月後の今年10月に辞任を余儀なくされた。 さらに、宗教関連だけでなく「失言」や「政治とカネ」の問題も目立ち、いわゆる「閣僚辞任ドミノ」が止まらない状況だ。 11月に入ると、葉梨康弘・前法務相(当時)が「法務大臣は死刑のはんこを押したときだけニュースになる地味な役職だ」と、法務大臣の職や死刑を軽んじる失言をした。岸田首相はギリギリまで葉梨氏を続投させる意向を示したが、かばいきれず、事実上の更迭となった。) 追い打ちをかけるように、今度は寺田稔・前総務相が政治資金問題で辞任した。寺田氏の政治団体が、地元・広島県内の事務所を共有する寺田氏の妻に、賃料として9年間で約2000万円を支払っていたと週刊誌が報じるなど、政治資金の問題が次々と指摘されたことが引き金になった。 加えて、岸田首相本人にも、「選挙運動費用収支報告書」に添付した領収書94枚に、宛名もただし書きもなかったことが判明し、公職選挙法違反の疑いがあると指摘された。 この手の閣僚や政治家のスキャンダルは、他にも数多く発覚しており、枚挙にいとまがない。 その中には「政治とカネ」「政治と宗教」に関する深刻な問題もあるが、必ずしも重大とはいえないものも混ざっている。 要するに、メディアが重箱の隅を突き、揚げ足を取り、新しい問題を見つけては報道し、岸田内閣を追い詰めているのだ。それが支持率低下の一因になった可能性も否定できない』、安倍政権時代に比べ、マスコミの政府への忖度は小さくなったようだ。
・『辞任ドミノ」を招いた根本的要因は岸田内閣の初動の悪さだ  だが、この状況を招いた「そもそもの要因」は、安倍元首相銃撃事件が起きた後の、岸田内閣の初動が悪かったことに尽きる。いわば「自業自得」なのだ。 容疑者の動機が明らかになり、「政治と宗教」の問題が浮上してきた当初、岸田首相や茂木敏充自民党幹事長は、自民党と教団の間に「組織的関係はない」と強調した。 「党所属議員が旧統一教会との関わりをそれぞれ点検して、適正に見直す」と説明し、個々の議員の責任だとして、党の責任を回避しようとしたのだ(第314回・P4)。 しかし、それをあざ笑うかのように、国会議員だけではなく、地方の首長・地方議員・地方自治体に至るまで、旧統一教会関連団体との深い関係が明らかになっていった。 私は最初から、岸田首相や茂木幹事長の主張に異議を唱えていた。教団と党の関係は「組織的な関係」そのものであり、責任が党にあるのは明らかだったからだ。 その「組織的な関係」がどのようなものか、詳しく説明していこう』、「教団と党の関係は「組織的な関係」そのものであり、責任が党にあるのは明らかだった」、その通りだ。
・『「タダの人」にならないために教団との付き合いが親密に  新人候補者が初めて選挙区に入るとき、党や派閥の幹部、地元のベテランのスタッフから、支持団体など票を入れてくれる組織や人にあいさつするように指示される。 学校の同級生くらいしか地元に知り合いがいない新人候補者は、勝手がわからず、言われるままに組織や人に頭を下げる。こういう支持団体の一つに旧統一教会がある。そこから候補者と教団の付き合いが始まるのだ。 新人候補者といえども、旧統一教会が霊感商法など「反社会的」な活動をしてきたことは当然知っているはずだ。だが、発言権のない新人に、支持団体との付き合いを拒否することなどできない。初当選後も、容易に関係を切ることはできない。 結果として、旧統一教会関連団体のイベントへの出席やあいさつ、祝電を続けることになる。逆に、教団関係者に政治資金パーティーの券を購入してもらうといった付き合いも続いていく。 「政治家は、選挙に落ちればタダの人」といわれる。もし新人候補者が当選した場合は、「タダの人」に逆戻りしないために、グレーな関係性はますます濃くなっていく。 要するに、自民党と旧統一教会の関係は、「党主導」そのものであり、個々の議員に主体性があるとはいえない。自民党では、各業界団体の票だけでは当選が難しい議員について、旧統一教会の票を割り振っていたという指摘があるくらいなのだ(第309回・p4)。 岸田首相や茂木幹事長が、自民党と教団の「組織的関係」を否定し、個々の議員の責任を押し付けたのは間違いだった。党の責任逃れであり、うそだといえる。メディアの追及によって、綻びが生じるのは当たり前なのだ。 その上、茂木幹事長は旧統一教会との関係を絶てない議員に「離党」を求める可能性にも言及した。結果として、恐れをなして本当のことを隠す議員が多数出てきてしまった。そこに「あら探し」を狙うメディアが群がり、ごまかしが次から次へと暴かれた。 私は、この問題の初期段階に、岸田首相が「党が旧統一教会との関係を主導した責任」を認めるべきだと主張してきた。そして、「個別の議員が自らの意思で教団との関係を拒絶するのは難しかった」と説明して、議員を守るべきだと主張してきた。 この問題を解決するための最適解は、首相の主導によって宗教法人法に基づく「質問権」を行使することではないだろうか。 旧統一教会の宗教法人格の認可を再審査し、場合によっては「宗教法人」としての認可を取り消すことも辞さない姿勢で接し、旧統一教会に変化を求めることしか現実的な解決はないはずだ。) ただし、この問題は、本質的には岸田首相や現在の党執行部だけの責任ではなく、過去の自民党から連綿と続いてきた体制や風土に起因している。そこが、解決に向けた「かじ取り」の難しいところだ。 それでも、岸田首相が先人に忖度(そんたく)することなく、歴史的背景も含めて教団との関係性を説明し、解決に向けて誠実に取り組めば、今のように批判は広がらなかっただろう。岸田首相が初動を誤ったことのツケは非常に大きかったのだ』、「この問題は、本質的には岸田首相や現在の党執行部だけの責任ではなく、過去の自民党から連綿と続いてきた体制や風土に起因している」、「岸田首相が先人に忖度(そんたく)することなく、歴史的背景も含めて教団との関係性を説明し、解決に向けて誠実に取り組めば、今のように批判は広がらなかっただろう。岸田首相が初動を誤ったことのツケは非常に大きかった」、その通りだ。
・『「霊感商法騒動」から時がたち 岸田首相らの危機感が薄れていた?  国のトップである岸田首相ともあろうものが、なぜこうした道を選ばず、「組織的関係を否定する」という小手先の対処に終始し、「辞任ドミノ」を招いてしまったのか。 あくまで私の見立てだが、岸田首相ら幹部は、政治と旧統一教会の問題を、閣僚が辞任するほど深刻な問題とは考えていなかったように思う。 旧統一教会による「霊感商法」は、確かに20年ほど前に大きな社会問題として取り沙汰された。だがそこから時がたち、メディア等で報じられるケースは減った。「宗教2世」の問題が表面化することもなかった。 また旧統一教会側も、その後は体制を是正して「近代化」したと説明していた。岸田首相や党幹部はこれをすっかり信じていたのだろう。 そのため、安倍元首相暗殺事件をきっかけに自民党と教団との関係が批判を浴びても、岸田首相は心のどこかで「一時的なもの」「旧統一教会の問題は終わったこと」だと楽観的に考えていたのかもしれない。 教団との接点が発覚した大臣や政治家も、「自らが積み上げてきた実績と評価を『些末(さまつ)な問題』で失いたくない」という思いがあったのだろう。そう考えると、彼らの対応が後手に回ったことにも合点がいく』、「岸田首相は心のどこかで「一時的なもの」「旧統一教会の問題は終わったこと」だと楽観的に考えていたのかもしれない。 教団との接点が発覚した大臣や政治家も、「自らが積み上げてきた実績と評価を『些末(さまつ)な問題』で失いたくない」という思いがあったのだろう。そう考えると、彼らの対応が後手に回ったことにも合点がいく」、その通りだろう。
・『どんなに優秀な政治家でも世襲でなければ選挙に弱い  では、日本の政治家はそもそも、なぜ宗教団体に頼らないと集票できないのか。ここからはその根本的要因についても考えていきたい。 私の意見では、その要因は世襲議員とその他の議員の「格差」である。 世襲議員は、金銭面・集票面の両方で親の基盤を受け継ぎ、選挙に強い。そのため、宗教団体から支援を受ける必要はない場合が多い。 世襲議員である河野太郎氏が「霊感商法対策の担当大臣」であることは象徴的である。 その一方で、非世襲議員は、どうしても基盤の面で世襲議員に劣る。旧統一教会との接点が発覚した政治家も、どちらかというと「優秀だが、選挙に弱い」人物が多い印象だ。) 一連の問題で最もやり玉に挙げられ、辞任を余儀なくされた山際氏は東京大学大学院出身と優秀だが、世襲ではない「たたき上げ」だ。 旧統一教会との関係が取り沙汰され、8月の閣僚人事で閣外に去った、前経済安保担当相の小林鷹之氏(東京大学卒・ハーバード大学大学院修了)もサラリーマン家庭の出身である。 日本の政治では、どんなに優秀な人でも基盤が弱いと選挙に勝てない。そのため、旧統一教会のような「集票マシーン」に支えられねばならない。 「政治とカネ」の問題においても、非世襲議員は世襲議員と比べると、政治資金を集める上での人脈に大きなハンデを負っている。「泥水をすする覚悟で、どんな手段を使ってでも基盤を強化したい」という考えに至るのも、一応は理解できる。 ただ余談だが、冒頭で述べた寺田稔氏は、池田勇人元首相の孫娘を妻に持つ。例外として、強固な基盤を持ちながら不正に手を染める政治家が一定数いることも書き添えておく。 話を戻すと、金銭・集票の両面で、非世襲議員の基盤の弱さには同情すべき点がある。しかし、だからといって宗教団体と深く関わったり、カネの面で不正をしたりといった所業が許されるわけではない』、「日本の政治では、どんなに優秀な人でも基盤が弱いと選挙に勝てない。そのため、旧統一教会のような「集票マシーン」に支えられねばならない。 「政治とカネ」の問題においても、非世襲議員は世襲議員と比べると、政治資金を集める上での人脈に大きなハンデを負っている。「泥水をすする覚悟で、どんな手段を使ってでも基盤を強化したい」という考えに至るのも、一応は理解できる」、「金銭・集票の両面で、非世襲議員の基盤の弱さには同情すべき点がある。しかし、だからといって宗教団体と深く関わったり、カネの面で不正をしたりといった所業が許されるわけではない」、その通りだ。
・『「清濁併せ呑む」の意味が拡大解釈されている  日本には、古くから「清濁併せ呑んでこそ政治家だ」という概念が存在するように思う。だが、この言葉の意味は、政治の世界では大きく誤解されているようだ。 「清濁併せ呑む」というたとえは、本来は「善人・悪人を問わず、誰でも分け隔てなく受け入れる」という意味で、リーダー的人物の「器の大きさ」や「心の広さ」を表現する際に使われる。 それが一転、政治においては「良いことだけでなく、悪いこと(またはグレーな手段)に手を染めてこそ一人前」と、悪事を肯定したりたたえたりする方向で拡大解釈されている印象だ。 繰り返しになるが、政治の世界には出自による「格差」があることは事実だ。だが、非世襲というハンデを負いながら政治家になることを決めたのは、他でもないその人自身である。非世襲であることは、どんな手段を使っても許されるという「免罪符」にはならない。 こうした政治家像を是とする風潮は、今の世の中には適合しない。閣僚の「辞任ドミノ」が続く今こそ、一人前になる上で「不正」や「グレーな手段」が本当に必要なのか、全ての政治家に自問自答してもらいたい』、「「清濁併せ呑む」というたとえは、本来は「善人・悪人を問わず、誰でも分け隔てなく受け入れる」という意味で、リーダー的人物の「器の大きさ」や「心の広さ」を表現する際に使われる。 それが一転、政治においては「良いことだけでなく、悪いこと(またはグレーな手段)に手を染めてこそ一人前」と、悪事を肯定したりたたえたりする方向で拡大解釈されている印象だ」、「非世襲であることは、どんな手段を使っても許されるという「免罪符」にはならない。 こうした政治家像を是とする風潮は、今の世の中には適合しない。閣僚の「辞任ドミノ」が続く今こそ、一人前になる上で「不正」や「グレーな手段」が本当に必要なのか、全ての政治家に自問自答してもらいたい」、その通りだ。

第三に、11月30日付け文春オンライン「岸田文雄首相 今度は選挙運動費用131万円を不記載 政治資金規正法違反の疑い」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/59071
・『岸田文雄首相(65)が、昨年の衆院選に伴う選挙運動費用収支報告書には自らが代表の政党支部に「内装費用」などの名目で計約131万円を支出していたと記載しながら、政党支部側の政治資金収支報告書には収入として記載していないことが、「週刊文春」の取材でわかった。虚偽記載だとすれば、政治資金規正法違反になる。岸田事務所は取材に対し、誤った記載をしていた事実を認めた。 岸田首相を巡っては、「週刊文春」11月24日発売号で、昨年の衆院選に伴う選挙運動費用収支報告書に宛名や但し書きが空白の領収書を94枚添付していた問題を報道。目的を記載した領収書の提出を定める公職選挙法に違反している疑いがあると指摘した。これに対し、首相は「適切な支出」とする一方、領収書の不備を認め、原因については「出納責任者の確認漏れ」などと説明している。 (宛名も但し書きも空白の領収書 はリンク先参照) 今回、新たに発覚したのは、その選挙運動費用収支報告書に関する別の疑惑だ。 昨年の衆院選の投開票日は10月31日。その6日後の11月6日、岸田首相は選挙運動に関連する「内装費用」として約105万円、「賃貸料」として約26万円の計約131万円を、自らが代表の「自由民主党広島県第一選挙区支部」に支出している。当然、支払いを受けた同支部は、その収入を政治資金収支報告書に記載しなければならない。ところが、同支部の収支報告書(昨年分)には当該の記載が見当たらないのだ。すなわち、岸田首相が代表を務める政党支部が、適切に選挙運動に関する収入を記載していないことになる。(選挙運動費用収支報告書の表紙 はリンク先参照) 他方で、岸田首相の関係政治団体「岸田文雄後援会」の政治資金収支報告書(昨年分)には、「内装費用」として、「岸田文雄選挙事務所」から計約131万円の収入が記載されていた。これは、選挙運動費用収支報告書に記された「自由民主党広島県第一選挙区支部」宛の支出と同額だ。 しかし、選挙運動費用収支報告書に記された支出先は、あくまで「自由民主党広島県第一選挙区支部」であり、「岸田文雄後援会」ではない。実際、選挙運動費用収支報告書には、同支部が「岸田文雄選挙事務所」宛に発行した計約131万円の領収書も添付されている。なお、同報告書に添付された領収書には宛名や但し書きが空白の“空白領収書”が目立っていたが、当該領収書は宛名が「岸田文雄選挙事務所」と明記されている。(計約131万円の領収書 はリンク先参照) 政治資金問題に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する』、「自由民主党広島県第一選挙区支部」と「岸田文雄後援会」を混同するとは、ズサンさにも程がある。
・『「杜撰な会計処理を繰り返してきたと見られる」  「政治資金規正法違反の虚偽記載に当たります。民間企業なら、約130万円もの収入を別の団体に計上することなどあり得ません。岸田首相は『自由民主党広島県第一選挙区支部』と『岸田文雄後援会』を一緒くたにするなど、杜撰な会計処理を繰り返してきたと見られます」 岸田事務所に事実関係の確認を求めたところ、以下のように回答した。 「ご質問の『内装費』及び『賃貸料』は、総選挙の際、選挙区支部への支出であるところ、後援会への支出とされていることが確認できましたので速やかに対応します」 岸田首相はこれまで、政治資金問題が発覚した寺田稔前総務相や秋葉賢也復興相に「丁寧に説明責任を果たしていくことが重要だ」と繰り返してきた。自らの政治資金を巡っても立て続けに疑惑が浮上している中、どのように説明するのか、対応が注目される。 11月30日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び12月1日(木)発売の「週刊文春」では、岸田首相の200枚を超える新たな“空白領収書”問題や、首相が寺田氏の後任総務相に松本剛明氏を起用した背景などについても詳報している』、「岸田首相はこれまで、政治資金問題が発覚した寺田稔前総務相や秋葉賢也復興相に「丁寧に説明責任を果たしていくことが重要だ」と繰り返してきた。自らの政治資金を巡っても立て続けに疑惑が浮上している中、どのように説明するのか、対応が注目される」、本人自らどうするのだろう。
タグ:キシダノミクス (その10)(W杯が援軍?岸田首相「次の一手」に広がる疑心暗鬼 麻生・茂木両氏と密談 内閣改造か解散か、岸田内閣・閣僚辞任ドミノで露呈 「清濁併せ呑んでこそ政治家」の大誤解、岸田文雄首相 今度は選挙運動費用131万円を不記載 政治資金規正法違反の疑い) 東洋経済オンライン 泉 宏氏による「W杯が援軍?岸田首相「次の一手」に広がる疑心暗鬼 麻生・茂木両氏と密談、内閣改造か解散か」 「年末年始の党・内閣人事や、4月の統一地方選前の衆院解散を模索」とは予想以上に早手回しだ。 「首相の本音は「こつこつと実績を積み上げる」?」だとしても、「「このまま自滅の道をたどるより、臨時国会後に大幅な党内閣人事で人心を一新し、そのうえで年明けの解散断行で一か八かの勝負に出るべきだ」、との声が消えないのも事実」、「党内的にも『宰相の資質』が問われる事態」は避けたいだろう。 「人事や解散をにおわせば、首相攻撃を控えざるをえないのが議員心理」は事実としても、「首相周辺」の「声」は希望的観測の色彩が濃いようだ。 「サッカーW杯の日本代表の」「善戦」は確かに、「「国民が歓喜する朗報は久しぶりで、苦境にあえぐ岸田首相への助け舟だ」(閣僚経験者)との声が相次いだ」、その通りだ。 「決勝トーナメント」は第一戦で敗退、「首相の強力な援軍になる」のは捕らぬ狸の皮算用に終わったようだ。 ダイヤモンド・オンライン 上久保誠人氏による「岸田内閣・閣僚辞任ドミノで露呈、「清濁併せ呑んでこそ政治家」の大誤解」 安倍政権時代に比べ、マスコミの政府への忖度は小さくなったようだ。 「教団と党の関係は「組織的な関係」そのものであり、責任が党にあるのは明らかだった」、その通りだ。 「この問題は、本質的には岸田首相や現在の党執行部だけの責任ではなく、過去の自民党から連綿と続いてきた体制や風土に起因している」、「岸田首相が先人に忖度(そんたく)することなく、歴史的背景も含めて教団との関係性を説明し、解決に向けて誠実に取り組めば、今のように批判は広がらなかっただろう。岸田首相が初動を誤ったことのツケは非常に大きかった」、その通りだ。 「岸田首相は心のどこかで「一時的なもの」「旧統一教会の問題は終わったこと」だと楽観的に考えていたのかもしれない。 教団との接点が発覚した大臣や政治家も、「自らが積み上げてきた実績と評価を『些末(さまつ)な問題』で失いたくない」という思いがあったのだろう。そう考えると、彼らの対応が後手に回ったことにも合点がいく」、その通りだろう。 「日本の政治では、どんなに優秀な人でも基盤が弱いと選挙に勝てない。そのため、旧統一教会のような「集票マシーン」に支えられねばならない。 「政治とカネ」の問題においても、非世襲議員は世襲議員と比べると、政治資金を集める上での人脈に大きなハンデを負っている。「泥水をすする覚悟で、どんな手段を使ってでも基盤を強化したい」という考えに至るのも、一応は理解できる」、「金銭・集票の両面で、非世襲議員の基盤の弱さには同情すべき点がある。しかし、だからといって宗教団体と深く関わったり、カネの面で不正をしたりといった所業が 「「清濁併せ呑む」というたとえは、本来は「善人・悪人を問わず、誰でも分け隔てなく受け入れる」という意味で、リーダー的人物の「器の大きさ」や「心の広さ」を表現する際に使われる。 それが一転、政治においては「良いことだけでなく、悪いこと(またはグレーな手段)に手を染めてこそ一人前」と、悪事を肯定したりたたえたりする方向で拡大解釈されている印象だ」、「非世襲であることは、どんな手段を使っても許されるという「免罪符」にはならない。 こうした政治家像を是とする風潮は、今の世の中には適合しない。閣僚の「辞任ドミノ」が 文春オンライン「岸田文雄首相 今度は選挙運動費用131万円を不記載 政治資金規正法違反の疑い」 「自由民主党広島県第一選挙区支部」と「岸田文雄後援会」を混同するとは、ズサンさにも程がある。 「岸田首相はこれまで、政治資金問題が発覚した寺田稔前総務相や秋葉賢也復興相に「丁寧に説明責任を果たしていくことが重要だ」と繰り返してきた。自らの政治資金を巡っても立て続けに疑惑が浮上している中、どのように説明するのか、対応が注目される」、本人自らどうするのだろう。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。