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人工知能(AI)(その13)(中国「ChatGPT」偽ニュース拡散で揺れる政権対応 アメリカに対抗の一方で、懸念も生まれている、チャットGPTは アメリカ社会をどう変えるか?、チャットGPTで株価高まる世界のAI企業 懸念される「巨大リスク」とは) [イノベーション]

人工知能(AI)については、2021年9月3日に取上げた。久しぶりの今日は、(その13)(中国「ChatGPT」偽ニュース拡散で揺れる政権対応 アメリカに対抗の一方で、懸念も生まれている、チャットGPTは アメリカ社会をどう変えるか?、チャットGPTで株価高まる世界のAI企業 懸念される「巨大リスク」とは)である。

先ずは、本年2月21日付け東洋経済オンラインが掲載した経済ジャーナリストの浦上 早苗氏による「中国「ChatGPT」偽ニュース拡散で揺れる政権対応 アメリカに対抗の一方で、懸念も生まれている」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/654040
・『アメリカのスタートアップ企業、オープンAIが昨年末リリースした対話型人工知能(AI)「ChatGPT」が世界的に注目を浴びている。 高度な対話、文章作成が可能なことから、検索、教育、マーケティングなど幅広い応用が期待され、中国では「中国版ChatGPT」の開発競争が過熱するが、その一方で早くも同技術を使ったフェイクニュースがSNSで広がり、警察が介入する騒動も起きている』、興味深そうだ。
・『フェイクニュースで大混乱  2月17日、浙江省の政府系放送局「浙江之声」がSNSの公式アカウントで、前日に拡散した杭州市の政策転換のニュースを「フェイク」だと打ち消した。 「(同省の)杭州市が自動車の通行制限を3月1日に撤廃する」との情報が16日に拡散したが、実際はChatGPTが作成したフェイクニュースだったのだ。 同局の説明によると、地域住民のグループチャットでChatGPTが話題に上った。ITの最新事情に詳しいメンバーが、同技術について説明するため、「杭州市が通行制限を廃止する」という設定でChatGPTにニュースリリースを書かせ、その様子を動画でシェアするとともに完成した文章を投稿した。 その後、ChatGPTを知らない別のメンバーがニュースリリースを本物だと信じ、コピペして別のグループチャットでシェアした。 杭州市は約10年前に、自動車増加に伴う渋滞を緩和するため通行制限を導入したが、ゼロコロナ政策やその後の感染爆発で走行量が減少し、最近は制限解除も期待されている。 絶妙なタイミングで投下された偽リリースは瞬く間に拡散し、ついに浙江省の広報媒体でもある浙江之声が「フェイクニュース」として否定する大騒動となった。) 同局によると警察が捜査に着手し、文章の作成者は「社会や政府に迷惑をかけたこと」を謝罪した。 作成者に悪意はなく、ネットでは同情の声が多く上がっている。一方で多くの人がAI作成の文章だと気づかないまま拡散したことで、これまではIT業界でのバズワードだったChatGPTへの注目度や懸念が一気に高まった。 2022年11月末にリリースされたChatGPTは、誰でも試せる気軽さもあり1月時点でアクティブユーザー数が1億人に達したといわれている。だが、中国のIPアドレスや電話番号では登録できないため、現時点で中国から利用しているのは、アクセスポイントを偽装するソフトや外国の電話番号でアクセスする「IT通」に限られる』、「ChatGPTは、誰でも試せる気軽さもあり1月時点でアクティブユーザー数が1億人に達したといわれている。だが、中国のIPアドレスや電話番号では登録できないため、現時点で中国から利用しているのは、アクセスポイントを偽装するソフトや外国の電話番号でアクセスする「IT通」に限られる」、「「IT通」に限られる」のに、「アクティブユーザー数が1億人」、とはさすが「中国」だ。
・『中国政府は今のところ後押ししている  それでも、お金のにおいがする有望技術に、中国企業や投資家は我先にと飛びついている。 マイクロソフトが2月初旬に、自社の検索エンジン「Bing(ビング)」にChatGPTを搭載し、検索で圧倒的なシェアを持つアルファベット傘下のグーグルが対話型AI「Bard(バード)」を近く一般公開すると発表すると、中国では「中国版ChatGPT」の開発競争が一気に加速した。 株式市場ではAIやマイクロソフトに関係する企業の株価が連日ストップ高となり、当局が注意喚起するほど過熱している。 中国政府は2020年以降IT企業の規制を強化しているが、AIはビッグデータ、5G、ブロックチェーンと並び、次世代の覇権に関わる技術として支援している。 だからか、中国政府の代弁者的なメディアも今のところ中国版ChatGPTの開発を後押しする姿勢を見せる。 政府系経済メディアの経済日報は2月12日、「中国企業の技術力はChatGPTに2年遅れているが、中国は世界最大規模のネットユーザーと多用な応用シーンを持っており、データ蓄積環境の優位性は明らかだ。ChatGPTに追いつき追い越すこともできる」と論評した。 検索に続いて対話型AIが応用されそうな教育・研究分野でも、警戒より期待が上回っている。 上海市で教育行政を統括する倪閩景氏は寄稿で「ChatGPTの登場は教育改革の大きな機会である」「ChatGPTのような学習ツールを教育改革に活用すれば、学習の質をさらに高められる」と指摘した。) そんな中で、共産党のエリート青年組織「中国共産主義青年団(共青団)」の機関紙「中国青年報」は2月17日、中国の大学で学ぶ学生が、ChatGPTを使って期末試験でクラス1位の成績を取った事例をレポートした。 記事によると大学2年生の男子学生は、昨年末に実施された期末試験の課題レポート「インターネット広告マーケティングの特徴」をChatGPTを利用して作成した。 オンラインで実施された期末試験は授業で使った資料や関連論文の閲覧を許可され、制限時間は2時間だった。ほかの学生が授業で配られた資料や数十本の関連論文をパソコンに保存し、試験に備えていたのに対し、男子学生はChatGPTにレポートのテーマを入力し複数回の対話を経て、1分足らずでChatGPTに6000字のドラフトを作らせた。その後、学生が1200文字に編集し、試験終了1時間前に提出したという。 中国青年報によると、「学校の課題にChatGPTを使う是非」について、SNSやインターネット掲示板で少なくとも数十万の投稿が公開されている。学生が「宿題の神器」「最強の家庭教師」と歓迎する一方、「思考力や創造力を奪う」との批判も少なくない。 中国青年報は記事でChatGPTを使って高得点を取った学生を批判しておらず、「正しく質問を入れないと、適切な回答は得られない。AIを使いこなすにも知識や技量がいる」「人間とAIが協業してより価値の高い成果を出せる」といった大学教授の声を多く紹介している。同メディアが共産党の機関紙であることを考えると、政府も対話型AIを「アメリカと肩を並べるための神器」と期待しているように見える』、「期末試験の課題レポート「インターネット広告マーケティングの特徴」をChatGPTを利用して作成した。 オンラインで実施された期末試験は授業で使った資料や関連論文の閲覧を許可され、制限時間は2時間だった。ほかの学生が授業で配られた資料や数十本の関連論文をパソコンに保存し、試験に備えていたのに対し、男子学生はChatGPTにレポートのテーマを入力し複数回の対話を経て、1分足らずでChatGPTに6000字のドラフトを作らせた。その後、学生が1200文字に編集し、試験終了1時間前に提出したという」、なかなか要領がいいようだ。「政府も対話型AIを「アメリカと肩を並べるための神器」と期待しているように見える」、なるほど。
・『締め付けに転じる可能性も  とはいえ、対話型AIの活用についてはまだ始まったばかりで、前述したように中国では使えない建前にもかかわらず、すでに大学の期末試験で使う学生が現れ、フェイクニュースが世の中を騒がせている。政府や企業の前のめりな期待をよそに、政府にとって想定外の事象が次々に生み出されるのは想像にかたくない。 習近平国家主席が率いる共産党政権は社会の秩序を乱す事象を何より嫌う。TwitterやFacebookなどのアメリカのSNSをブロックしたり、巨大なコストをかけてSNSを監視するのも、情報統制に絶対的な価値を置いているからだ。対話型AIが「デマの神器」になりそうな兆候が見えたら、躊躇なく締め付けに転じるだろう。 検索ポータルで中国首位のバイドゥ(百度)は3月に自社開発した対話型AIを発表する計画だが、中国政府のプレッシャーを背負う「中国版ChatGPT」は、どんな姿になるのだろうか』、「対話型AIが「デマの神器」になりそうな兆候が見えたら、躊躇なく締め付けに転じるだろう」、「バイドゥ」の「中国版ChatGPT」はどんな形になるのだろう。

次に、3月1日付けNewsweek日本版が掲載した在米作家の冷泉彰彦氏による「チャットGPTは、アメリカ社会をどう変えるか?」を紹介しよう。引用の順番を部分的に変更した。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2023/03/gpt_1.php
・『<英語で使用する限りでは、文章の作成・添削の能力は実用レベルに達している> 2022年11月30日に、サンフランシスコに本拠を置くベンチャー企業 Open AI 社は、AI(人工知能)が人間と対話する「チャットポット」をインターネットのパブリックな空間でリリースしました。UI(ユーザーインターフェース)は簡単で、ユーザーが文章でポットに質問を投げかけると、文章で回答を返してくるというスタイルです。これが現在、世界中で話題になっているチャットGPT の始まりでした。 私が、その存在と効果を知ったのはリリースから約1カ月弱後の12月後半でした。その時は英文のネイティブチェック的な使い方を、テック技術者のアシストで経験したのですが、その精度に驚嘆したのを覚えています。それから1カ月経過した本年の1月末には、かなり広範な社会現象になり、2月に入るとユーザーが3億人を超えたとして一般のメディアでも話題にされるようになりました。 その後、サーバの容量不足でサービスを受けるのに時間がかかる時期もありましたが、本稿の時点では容量の追加や、日々のアップデートなどがされているらしく、接続については、やや改善されています。運営サイドも、2月13日には「初期リリース」から「安定的リリース」にフェーズを進めています。また、混雑時に優先して使用ができる有料サービスの「PLUS」も始まっていますが、本稿の時点ではキャパを超えているらしく、登録しようとすると「ウェイトリスト」に入れられます。 ちなみに、現時点では日本語のデータ蓄積量はまだまだ少ないようで、事実を問うような質問ではどんどん誤情報が返ってくるのが現状です。試しに、今現在「旬」である芸能人3人について入力してみたところ、1名は「知らない」と言われ、残りの2名については全く間違った情報が返ってきました。ビジネスレターの様式などはある程度は習得しているようですが、日本語特有のニュアンスの表現に関しては、まだまだ実用レベルにはなっていません』、「英語で使用する限りでは、文章の作成・添削の能力は実用レベルに達している」、しかし「日本語特有のニュアンスの表現に関しては、まだまだ実用レベルにはなっていません」、ただ、それも時間の問題だろう。
・『英語の膨大な言語データ  ですが、英語の世界では違います。そもそも Open AI 社が英語圏の企業ということもありますが、恐らく膨大な言語データを有しているものと思われ、まず文章の作成や添削の能力としては、ハッキリ申し上げて実用レベルに達していると思います。現時点では、アメリカ社会もその実力を認め、その上で様々な分野で議論が始まっているところです。今回は4つの分野についてお話したいと思います。 1つ目は、教育の分野です。情報を検索するということでは、既にネットに多くのツールがありますが、チャットGPT を使うと正確な英文が簡単に書けてしまう、これは画期的なことです。まず、高校や大学では宿題のエッセイを書くのに、学生が使い始めており、早速論争になっています。例えば、調査と作文を一括で処理させるような行為が横行するようだと、学生の学習体験にならず学力が向上しないという指摘がされています。このため原則禁止にする学区もあり、学校貸与のデバイスでは接続を遮断するケースも見られます。 一部の大学では、チャットGPT が出力してくる英文の「クセ」を見抜くソフトを導入して「不正行為」の摘発に乗り出すとしているケースもあります。深刻な問題は、大学入試の小論文(エッセイ)試験です。アメリカの場合は、在宅受験であり、しかも教員や親などから英語の「言葉遣い」のチェックを受けることは特に禁止されていません。ですが、最初からAIに書かせたエッセイが横行すると入試制度が混乱してしまう懸念があります。今年の入試(原則として昨年の12月末締め切り)では、表面だった問題にはなっていませんが、次年度へ向けては各大学が対応に追われることと思います。 一方で、修士レベル以上では、文章作成というのが「論文執筆の後工程」に過ぎないという考え方を取るならば、チャットGPT というのは論文の生産性を劇的に高めるのは事実です。また、英語力が発展途上の留学生に取っては、論文執筆の心強い味方になります。もちろん出力された英文が自分の論旨に外れていないかを確認する工程を省略することはできませんし、ある程度はオリジナルな表現を入れるべきですが、こうした使用法は否定できないという意見はあります。) 2つ目は、生活の分野です。医者にちょっと複雑な相談をテキストで行う、小売店などが消費者への注意事項を告知する文書を用意する、保護者が教師に対して子どもの様子を報告する、などといった生活の中で「かなり丁寧で、正確性が求められる」レターを書くという局面はあります。そんな場合に、チャットGPT を使えば誰でも一定レベルの英文が書けるというのは便利です。 さらに、そうした利用者からの依頼や問い合わせに応える側では、一々考えて文章を書くのではなく、AIに条件を放り込めば回答を作ってくれるわけです。この点に関しては、このままAIが進化すると、ある程度の知的労働は機械に取って代わられてしまうのではという議論もあります。 3つ目は、プログラミング(コーディング)の分野です。チャットGPT には、当初からプログラムを入力すると、より良いプログラムの書き方を返してくるという機能があります。もちろん、産業別に込み入った条件があったり、複雑なインターフェースがあったりという条件下では、要件を入れただけでは、使えるプログラムを返してくるわけではありません。 ですが、スキルの低いプログラマーがダラダラ書いたステップ数の多いプログラムを入れると、短くて切れ味の良いプログラムに書き換えてくれるとか、条件の入れ方のコツを習得すると中級者レベルでも生産性支援ツールとして役立つということは確かにあるようです。デバッグ(プログラムのバグの解決)の機能も結構使えるという声があります。そうしたツールは既に色々出回っているわけですが、チャットGPT が相当なビッグデータを集めているとしたら、業界のゲームチェンジャーになる可能性はあります』、「1つ目は、教育の分野です」、「チャットGPT を使うと正確な英文が簡単に書けてしまう、これは画期的」、「調査と作文を一括で処理させるような行為が横行するようだと、学生の学習体験にならず学力が向上しないという指摘がされています。このため原則禁止にする学区もあり」、「2つ目は、生活の分野です。医者にちょっと複雑な相談をテキストで行う、小売店などが消費者への注意事項を告知する文書を用意する、保護者が教師に対して子どもの様子を報告する、などといった生活の中で「かなり丁寧で、正確性が求められる」レターを書くという局面はあります。そんな場合に、チャットGPT を使えば誰でも一定レベルの英文が書けるというのは便利」、「3つ目は、プログラミング(コーディング)の分野です。チャットGPT には、当初からプログラムを入力すると、より良いプログラムの書き方を返してくるという機能があります・・・スキルの低いプログラマーがダラダラ書いたステップ数の多いプログラムを入れると、短くて切れ味の良いプログラムに書き換えてくれるとか、条件の入れ方のコツを習得すると中級者レベルでも生産性支援ツールとして役立つということは確かにあるようです」、この「プログラミングの分野」は本当に便利そうだ。
・「4番目は、これは使用法ではなく、チャットGPT が出力してくる英文の「味付け」の問題です。昨年12月に使い始めた人の多くは、私も含めて、出てくる英語の文章が「とても丁寧で感じがよく、スッキリしていて、しかも世界中の誰も傷つけないように」書かれていることに驚いたのでした。これは、そのような「味付け」がアルゴリズムの中で設定されているようですし、またその背景には、そのような「味付け」が21世紀の英語圏では最も広範な実用性を持つという判断があると考えられます』、「4番目は、これは使用法ではなく、チャットGPT が出力してくる英文の「味付け」の問題です」、なるほど。 
・『ポリコレに汚染されている?  これに対しては早速「チャットGPT はポリコレに汚染されている」とか「政治的バイアスが不快」という声が上がっています。この問題は、もしかすると2022年のイーロン・マスク氏による「同氏の基準による発言の自由」を掲げての、ツイッター買収のような騒動に発展するかもしれません。 チャットGPT が実用化されることで、あるスキル以下のプログラマーは不要になるとか、職種の分担が変わってくるとか、あるいはシリコンバレー名物の「面倒な要件を与えてプログラムを書かせる入社試験」が、今まで以上に、やたらに難しくなるかもしれないなどという議論があります。それはともかく、リベラル寄りとされる チャットGPT に「対抗」して、保守的な立場や、統制的な価値観に基づいたAI開発などの動きが出てくるかもしれません。 いずれにしても、2023年3月初旬の現在、テックの分野では、このチャットGPT が大きな話題になっているのは間違いありません』、「リベラル寄りとされる チャットGPT に「対抗」して、保守的な立場や、統制的な価値観に基づいたAI開発などの動きが出てくるかもしれません」、「リベラル」と「保守」の争いが「AI開発」の分野でまで出てくるとすれば、見物だ。

第三に、3月14日付けダイヤモンドが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「チャットGPTで株価高まる世界のAI企業、懸念される「巨大リスク」とは」を紹介しよう。
・『世界のIT産業ではAI分野に関心がシフトしている。言語型AIなどと呼ばれる「チャットGPT」を用いてマイクロソフトは検索市場のシェアを、王者・グーグルから奪取しようとしている。AIが果たす役割は日常生活から企業の事業運営、社会インフラなどの管理、さらには防衛(安全保障)まで増えている。米国は中国が台頭する状況に懸念を強め、さまざまな対策を講じている。米中対立のはざまで揺れるAI業界の成長性をどのように見極めればいいのだろうか』、興味深そうだ。
・『米中対立のはざまで揺れるAI業界  最近、世界のIT先端分野の中心は、急速に変化している。主な兆候は、AI(人工知能)を使った文章や画像の生成などへの期待の高まりだ。米オープンAIの「GPT-3.5(チャットGPTを支えるAI)」、グーグルの「Bard」、中国バイドゥの「文心一言(アーニーボット)」などが注目を集めている。こうした先端分野の企業に期待する投資家が増え、足元で米ナスダック総合指数も底堅い展開になっている。 米国のバイデン政権は、中国の華為技術(ファーウェイ)に対する全面禁輸を検討している。米議会では超党派議員によって、動画投稿アプリ「TikTok」の一般利用を禁止する法案成立も視野に入っている。なお、オーストラリアでは、AIを搭載した中国製の監視カメラの排除が進みつつあるようだ。日用品などの分野で米中の相互依存度が高まっている一方、先端分野での米中対立はさらに熱を帯びている。それは、世界経済にとって無視できないマイナスの要因になる。 世界経済はウクライナ紛争をはじめとする不安要因を抱え、インフレなどに苦しんでいる。米国や欧州では、想定以上に金融引き締めが長引く可能性が高い。世界経済の成長に大きなインパクトを与えるAIなどの先端分野において、米中対立が一段と激化すると、実体経済と金融市場にマイナス影響が及ぶことは避けられないだろう』、「AIなどの先端分野において、米中対立が一段と激化すると、実体経済と金融市場にマイナス影響が及ぶことは避けられない」、その通りだ。
・『世界のAI企業で期待の星は?  世界のIT先端分野ではサブスクリプションや広告などのビジネスモデルから、より急速にAI関連分野に関心がシフトしている。きっかけの一つが、マイクロソフトとオープンAIとの連携強化だ。 従来のAI利用方法といえば、機器の使い方の説明やアラームの設定などがメインだった。しかし、言語型AIなどと呼ばれる「チャットGPT」は、自ら情報を生成する力を発揮し始めた。それを用いてマイクロソフトは検索市場のシェアを、王者・グーグルから奪取しようとしている。AIは既存の産業構造にかなりのインパクトを与えるとの見方は増えた。 AI利用の範囲は検索にとどまらない。1月12日の米国株式市場では、企業、政府、安全保障関連で意思決定などをサポートするAI開発を行う企業であるビッグ・ベアAI(BigBear.ai Holdings,Inc)の株価が前営業日の引け値から260%(株価は3.6倍)超上昇した。材料視されたのは、同社が米空軍から数量未確定の契約を(期間10年、総額9億ドル、およそ1215億円)を結んだことだった。 日常生活から企業の事業運営、社会インフラなどの管理、さらには防衛(安全保障)まで、AIが果たす役割は増えている。AI利用には、深層学習を支えるチップの性能向上が欠かせない。AI需要の増加期待を背景に、2023年初から3月初旬まで、米国の株式市場では、フィラデルフィア半導体株指数の上昇が顕著だった。 中国でもAI関連企業が注目されている。代表例はファーウェイだ。米トランプ前政権下での半導体禁輸措置などによって一時、ファーウェイの経営体力は大きく低下した。そのため同社は「オナー」ブランドのスマホ事業を売却して生き残りを図りつつ、AI分野に経営資源を急速に再配分した。その成果として、世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキングで上位の天津港で、ファーウェイのAIを用いた港湾の運行システムを稼働し始めた。 中国では寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)など、AI関連新興企業に対する成長期待も高まっている。習国家主席の肝いりで創設された「科創板市場」に上場するカンブリコンの株価は、3月上旬までの年初来で約70%上昇した』、「言語型AIなどと呼ばれる「チャットGPT」は、自ら情報を生成する力を発揮し始めた。それを用いてマイクロソフトは検索市場のシェアを、王者・グーグルから奪取しようとしている」、「中国では寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)など、AI関連新興企業に対する成長期待も高まっている」、なるほど。
・『米中対立がAI分野で先鋭化  米国は中国が台頭する状況に懸念を強めている。ファーウェイの全面禁輸に加え、TikTokなど外国企業のITサービスの利用を禁じる権限を米国政府に付与する法案成立も目指している。なお、欧州委員会、カナダ、わが国でも政府職員の業務用端末でのTikTok利用が禁止された。カナダでは、「19年と21年の連邦議会選挙に中国が介入した」との報道もある。また、米国では港湾で稼働しているクレーンが、「中国によるデータ抜き取りの手段になる」といった懸念が浮上し始めている。 そうしたリスクに対応するために、米国は日韓台との連携を強化し、半導体など先端分野での対中包囲網をさらに強固にする意向だ。また、アップルなどは生産拠点を中国からインドに移管しており、インドともAIなど先端分野での連携を強化しようとしている。 一方、中国共産党政権は、米国などの圧力に対抗し、AI利用を加速させようとしている。象徴的なのが、3月5日から始まった全人代と同じタイミングで実施された、全人代代表の改選だ。経済分野の代表としてAI開発企業である科大訊飛(アイフライテック)トップの劉慶峰氏が再選された。一方、テンセントの馬化騰(ポニー・マー)氏は代表から退いた。 習政権は、産業補助金の積み増しなどによってAI開発、ロジック半導体の微細化などの製造技術向上を加速するはずだ。また、2月下旬から3月上旬にスペイン・バルセロナで開催された世界最大規模の移動体通信展示会「モバイル・ワールド・コングレス」にて、ファーウェイは、政府や大企業だけでなく、中小企業向けの事業を強化すると発表した。シェアは低下したものの依然としてファーウェイは世界トップの通信基地局メーカーだ。その地位を生かし、同社がAIなどを用いたIoTサービスを新興国の中小事業者に提供するもようだ』、「シェアは低下したものの依然としてファーウェイは世界トップの通信基地局メーカーだ。その地位を生かし、同社がAIなどを用いたIoTサービスを新興国の中小事業者に提供するもようだ」、「ファーウェイ」が「世界トップの通信基地局メーカーだ」、には驚かされた。
・『明確な絵が描けないAIの可能性・成長性  現時点でチャットGPTなど生成AIの設計、開発などに関して、米国は中国をリードしている。米国は中国の半導体関連企業への禁輸措置をさらに強化するなどし、ファーウェイをはじめとするIT先端企業の成長をより強く抑え込もうとするだろう。それによって、先端分野における中国の取り組みが鈍化する可能性がある。 翻って米国をはじめ主要先進国のAI利用には、克服されるべき課題も多い。チャットGPTに関して、誤った検索結果の提示や、子どもの教育への配慮などの懸念が多く指摘されている。  一例としてアップルはチャットGPTを用いて過去のメールを検索し、自動で文書を作成するアプリ、「ブルーメール」のアップデートをしなかった。AIを用いることで定型化された業務の効率化などは期待されているものの、現時点では米中対立の先鋭化、人権への配慮、さらには人類の学ぶ意欲への悪影響など、AI利用がどのように進捗(しんちょく)するか不確定な要素は多い。そう考えると、年初来のAI関連株の上昇は、「行き過ぎ」に見える。 加えて、主要先進国は当面の間、インフレ沈静化のために金融を引き締めなければならない。米国を中心に世界的に金利はさらに上昇し、株価は下落しやすくなる。特に、期待先行で株価が上昇したAI関連銘柄への売り圧力は相対的に大きくなりやすい。 懸念されるのは、世界的に株価が下落するタイミングで、先端分野での米中対立の先鋭化が本格化する展開だ。AI、半導体、さらには人権の分野で米中対立が一段と熱を帯びれば、サプライチェーンの混乱が再燃する。台湾侵攻の緊迫感も高まり、中国ではなく他国に生産拠点をシフトさせる動きも激化するだろう。 そうなると、これまで以上に在庫を積み増そうとする企業は増えるに違いない。それに伴い、各国企業のコストは増加し、世界経済と金融市場の不安定感が追加的に高まると予想される。現在、AI関連企業を物色する投資家は多いが、チャットGPTなどの利用は一筋縄にはいかないだろう』、「期待先行で株価が上昇したAI関連銘柄への売り圧力は相対的に大きくなりやすい。 懸念されるのは、世界的に株価が下落するタイミングで、先端分野での米中対立の先鋭化が本格化する展開だ。AI、半導体、さらには人権の分野で米中対立が一段と熱を帯びれば、サプライチェーンの混乱が再燃する。台湾侵攻の緊迫感も高まり、中国ではなく他国に生産拠点をシフトさせる動きも激化するだろう」、「現在、AI関連企業を物色する投資家は多いが、チャットGPTなどの利用は一筋縄にはいかないだろう」、投資の観点からは、当面、「AI関連企業」は要警戒のようだ。
タグ:東洋経済オンライン (その13)(中国「ChatGPT」偽ニュース拡散で揺れる政権対応 アメリカに対抗の一方で、懸念も生まれている、チャットGPTは アメリカ社会をどう変えるか?、チャットGPTで株価高まる世界のAI企業 懸念される「巨大リスク」とは) 人工知能(AI) 浦上 早苗氏による「中国「ChatGPT」偽ニュース拡散で揺れる政権対応 アメリカに対抗の一方で、懸念も生まれている」 オープンAI 「ChatGPT」 「「IT通」に限られる」のに、「アクティブユーザー数が1億人」、とはさすが「中国」だ。 「期末試験の課題レポート「インターネット広告マーケティングの特徴」をChatGPTを利用して作成した。 オンラインで実施された期末試験は授業で使った資料や関連論文の閲覧を許可され、制限時間は2時間だった。ほかの学生が授業で配られた資料や数十本の関連論文をパソコンに保存し、試験に備えていたのに対し、男子学生はChatGPTにレポートのテーマを入力し複数回の対話を経て、1分足らずでChatGPTに6000字のドラフトを作らせた。その後、学生が1200文字に編集し、試験終了1時間前に提出したという」、なかなか要 領がいいようだ。「政府も対話型AIを「アメリカと肩を並べるための神器」と期待しているように見える」、なるほど。 「対話型AIが「デマの神器」になりそうな兆候が見えたら、躊躇なく締め付けに転じるだろう」、「バイドゥ」の「中国版ChatGPT」はどんな形になるのだろう。 Newsweek日本版 冷泉彰彦氏による「チャットGPTは、アメリカ社会をどう変えるか?」 「英語で使用する限りでは、文章の作成・添削の能力は実用レベルに達している」、しかし「日本語特有のニュアンスの表現に関しては、まだまだ実用レベルにはなっていません」、ただ、それも時間の問題だろう。 「1つ目は、教育の分野です」、「チャットGPT を使うと正確な英文が簡単に書けてしまう、これは画期的」、「調査と作文を一括で処理させるような行為が横行するようだと、学生の学習体験にならず学力が向上しないという指摘がされています。このため原則禁止にする学区もあり」、 「2つ目は、生活の分野です。医者にちょっと複雑な相談をテキストで行う、小売店などが消費者への注意事項を告知する文書を用意する、保護者が教師に対して子どもの様子を報告する、などといった生活の中で「かなり丁寧で、正確性が求められる」レターを書くという局面はあります。そんな場合に、チャットGPT を使えば誰でも一定レベルの英文が書けるというのは便利」、 「3つ目は、プログラミング(コーディング)の分野です。チャットGPT には、当初からプログラムを入力すると、より良いプログラムの書き方を返してくるという機能があります・・・スキルの低いプログラマーがダラダラ書いたステップ数の多いプログラムを入れると、短くて切れ味の良いプログラムに書き換えてくれるとか、条件の入れ方のコツを習得すると中級者レベルでも生産性支援ツールとして役立つということは確かにあるようです」、この「プログラミングの分野」は本当に便利そうだ。 4番目は、これは使用法ではなく、チャットGPT が出力してくる英文の「味付け」の問題です 「リベラル寄りとされる チャットGPT に「対抗」して、保守的な立場や、統制的な価値観に基づいたAI開発などの動きが出てくるかもしれません」、「リベラル」と「保守」の争いが「AI開発」の分野でまで出てくるとすれば、見物だ。 ダイヤモンド 真壁昭夫氏による「チャットGPTで株価高まる世界のAI企業、懸念される「巨大リスク」とは」 「AIなどの先端分野において、米中対立が一段と激化すると、実体経済と金融市場にマイナス影響が及ぶことは避けられない」、その通りだ。 「言語型AIなどと呼ばれる「チャットGPT」は、自ら情報を生成する力を発揮し始めた。それを用いてマイクロソフトは検索市場のシェアを、王者・グーグルから奪取しようとしている」、「中国では寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)など、AI関連新興企業に対する成長期待も高まっている」、なるほど。 「シェアは低下したものの依然としてファーウェイは世界トップの通信基地局メーカーだ。その地位を生かし、同社がAIなどを用いたIoTサービスを新興国の中小事業者に提供するもようだ」、「ファーウェイ」が「世界トップの通信基地局メーカーだ」、には驚かされた。 「期待先行で株価が上昇したAI関連銘柄への売り圧力は相対的に大きくなりやすい。 懸念されるのは、世界的に株価が下落するタイミングで、先端分野での米中対立の先鋭化が本格化する展開だ。AI、半導体、さらには人権の分野で米中対立が一段と熱を帯びれば、サプライチェーンの混乱が再燃する。台湾侵攻の緊迫感も高まり、中国ではなく他国に生産拠点をシフトさせる動きも激化するだろう」、 「現在、AI関連企業を物色する投資家は多いが、チャットGPTなどの利用は一筋縄にはいかないだろう」、投資の観点からは、当面、「AI関連企業」は要警戒のようだ。
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