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携帯・スマホ(その9)(楽天問題5話(巨額赤字の楽天、これから迫る「借金返済」の大波 社債償還が「3年で計9000億円」という難路、楽天モバイル元部長ら 水増し請求による詐欺の疑いで逮捕、《楽天の赤字幅は過去最大に》「タケノコ生活」のカギを握る携帯電話事業のゆくえ、楽天銀行「安値上場」で売却額が3割減に 運にも見放された三木谷氏の受難、楽天銀行 親会社に翻弄され続けた上場の顛末 巨大な楽天経済圏を誇るも 市場の逆風に屈す)) [産業動向]

携帯・スマホについては、昨年6月8日に取上げた。今日は、(その9)(楽天問題5話(巨額赤字の楽天、これから迫る「借金返済」の大波 社債償還が「3年で計9000億円」という難路、楽天モバイル元部長ら 水増し請求による詐欺の疑いで逮捕、《楽天の赤字幅は過去最大に》「タケノコ生活」のカギを握る携帯電話事業のゆくえ、楽天銀行「安値上場」で売却額が3割減に 運にも見放された三木谷氏の受難、楽天銀行 親会社に翻弄され続けた上場の顛末 巨大な楽天経済圏を誇るも 市場の逆風に屈す))である。

先ずは、本年2月20日付け東洋経済オンライン「巨額赤字の楽天、これから迫る「借金返済」の大波 社債償還が「3年で計9000億円」という難路」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/653347
・『モバイルへの巨額投資で財務状況が大きく悪化する楽天グループ。資金調達の選択肢が狭まる中、押し寄せる社債償還の波をどう乗り越えるのか。 「健全なバランスシートを保ちながら成長していきたい」。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は記者会見の席上、そう言い切ってみせた。 2月14日に発表した2022年12月期決算は、最終赤字が3728億円と過去最大となった。携帯基地局などの設備投資がかさんだモバイル事業で、4928億円もの営業赤字を計上したことが最大の要因だ。銀行や証券などを除く非金融事業の社債や借入金も、1.7兆円を超えた。 悪化の一途をたどる財務状況に対して、楽天が持ち出したのは、社債をはじめとした有利子負債残高の削減だ。負債膨張の原因だったモバイル事業の設備投資が「一巡した」(三木谷氏)ことを理由に、有利子負債を圧縮すると宣言した。 さらに三木谷氏は、投資家の懸念を払拭するためか、楽天銀行や楽天証券ホールディングス(HD)の上場、外部との資本提携も通じた資金調達まで匂わせる発言もしている。だが、モバイル事業の設備投資にカネをつぎ込んできた「ツケ」は、想像以上に重い』、「銀行や証券などを除く非金融事業の社債や借入金も、1.7兆円を超えた。 悪化の一途をたどる財務状況に対して、楽天が持ち出したのは、社債をはじめとした有利子負債残高の削減だ」、「楽天銀行や楽天証券ホールディングス(HD)の上場、外部との資本提携も通じた資金調達まで匂わせる発言も」、財務健全化は喫緊の課題だ。
・『機関投資家の間で広がる「楽天離れ」  9000億円――。これは今後3年間で償還を迎える社債の合計額だ。 モバイル事業の設備投資に当たって、楽天は資金調達のほとんどを銀行からの借り入れではなく、社債に頼ってきた。2018年12月に発行した劣後債計1820億円を皮切りに、これまで20本以上を発行。調達した資金を子会社の楽天モバイルに出資しては、基地局建設などにつぎ込んでいる。 下図は、2025年までに償還日を迎える社債の一覧だ。劣後債の繰り上げ償還も含めれば、2024年に最大3000億円、2025年に最大5000億円と、巨額の償還が待ち受けている。 2022年末時点における、楽天の連結ベースでの現預金は約4.7兆円。一見潤沢に見えるが、大半は楽天銀行が集めた預金で、楽天単体に限れば現預金はわずか926億円だ。 非金融事業の営業キャッシュフローもいまだ3000億円超のマイナスという状態であり、基地局建設が峠を越えたとしても、資金流出は簡単には止まりそうにない。 この先で手元資金が不足する場合、別の社債を発行して借り換えることも選択肢だ。だが、楽天の場合は事情が異なる。実は今、機関投資家の間で「楽天離れ」が起きているのだ。) 「財務が悪すぎて、楽天グループの社債はもう買えない」。ある大手機関投資家の債券運用担当者は声を潜める。「国内の格付け会社が投資適格(BBB以上)のお墨付きを与えているが、あんなものは誰も信じていない。われわれの内部格付けでは、楽天はもはや投機的水準だ」。 楽天は2021年12月以降、機関投資家向けの円建て社債を発行していない。複数の債券運用担当者は「楽天のクレジット(信用リスク)が悪化し、国内では引き受ける機関投資家がいなくなった」と口を揃える。 代わりにすがったのが海外だ。楽天は2022年11月と2023年1月に、計9.5億ドルの社債を発行した。利率は10.25%(割引分を加味すると12%)で、いわゆる「ジャンク債」扱いだ。前出とは別の運用会社の代表は「スタートアップ企業並みの信用だ」と評する。 国内の機関投資家向けが厳しいと見るや、楽天は個人投資家にも目を付けた。発行体のクレジットよりも目先の利回りを重視するため、社債を引き受けてもらいやすいためだ。2022年6月に1500億円、2023年2月には2500億円のリテール債を発行にこぎ着けたが、利率は前者が0.72%に対して、後者は3.3%。対個人であっても、楽天のクレジットは急速に悪化している』、「劣後債の繰り上げ償還も含めれば、2024年に最大3000億円、2025年に最大5000億円と、巨額の償還が待ち受けている」、「非金融事業の営業キャッシュフローもいまだ3000億円超のマイナスという状態であり、基地局建設が峠を越えたとしても、資金流出は簡単には止まりそうにない」、「国内の格付け会社が投資適格(BBB以上)のお墨付きを与えているが、あんなものは誰も信じていない。われわれの内部格付けでは、楽天はもはや投機的水準だ」、「代わりにすがったのが海外だ。楽天は2022年11月と2023年1月に、計9.5億ドルの社債を発行した。利率は10.25%(割引分を加味すると12%)で、いわゆる「ジャンク債」扱いだ。前出とは別の運用会社の代表は「スタートアップ企業並みの信用だ」と評す」、海外でも「「ジャンク債」扱い」とはギリギリの状況だ。
・『モバイルへの投資は当初計画の倍以上に  果たして楽天は償還の波を乗り越えられるのか。最初の焦点は、2023年12月に控える劣後債680億円のファーストコール(発行時に決められる、最初の繰り上げ償還日)だ。償還は義務ではないが、発行体はこれを行うのが慣例だ。 モバイル事業に対しては2023年も3000億円もの設備投資を見込んでおり、累計の投資額は、当初計画していた6000億円から2倍以上に膨らんでいる。1月のドル建て債や2月のリテール債で調達した資金もここにつぎ込む予定で、償還の原資は別途工面する必要がある。) 2024年と2025年にはさらなる償還の大波が押し寄せる。金額が大きいうえ、過去に低利で発行した社債が多数償還を迎える。海外では格付け機関のS&Pグローバル・レーティングが2022年末、楽天の長期発行体格付けをBB+からBBへと格下げした。国内でも2月15日に格付投資情報センターが、楽天の発行体格付けをA-から格下げする見通しを示した。借り換えとなれば、利率がハネ上がるのは必至だ。 資金繰りの打開策として楽天がもくろむのは、楽天銀行と楽天証券HDのIPO(新規株式公開)だ。三木谷氏は「楽天銀行のIPOはオンプロセスで進めたい。楽天証券HDの上場も今年度(2023年度)中に行う予定」と話す。 ただ、軟調な株式市場のあおりを受けて、ネット専業の金融機関の評価額は落ち込んでいる。楽天銀行も当初予定していた2022年内の上場を延期した。IPOが成就したとしても、グループ内のサービスを回遊させる「楽天経済圏」を貫徹するためには、子会社の支配権を手放せない。そのため上場時に多くの株式は売り出せず、十分な資金を調達できる保証はない』、「モバイルへの投資は当初計画の倍以上に」、「資金繰りの打開策として楽天がもくろむのは、楽天銀行と楽天証券HDのIPO」、しかし、「IPOが成就したとしても、グループ内のサービスを回遊させる「楽天経済圏」を貫徹するためには、子会社の支配権を手放せない。そのため上場時に多くの株式は売り出せず、十分な資金を調達できる保証はない」、本当に厳しそうだ。
・『さらなる子会社「切り売り」も  この点、三木谷氏は2月14日の決算説明会において「親会社および子会社での戦略的業務提携・外部資本の活用」も検討すると言及している。 同社は2022年10月、みずほ証券に楽天証券株の約20%を800億円で売却した。そのためカードや保険会社など、安定して稼いでいる子会社の株式を切り売りする可能性は否定できない。 外部企業からの増資も選択肢だが、クレジットが悪化する楽天グループへの出資要請は、これまでよりも難航が予想される。足元の株価は600円台後半と、2021年に日本郵政などに割り当てた額の6割の水準にとどまる。希薄化を懸念する株主からの反発もあるだろう。) 資金繰りに奔走する楽天とは対象的に、静観を崩さないのが銀行団だ。 関係者によれば、メインバンクのみずほ銀行の楽天本体に対する融資残高は、2022年末時点で約1100億円。前年末から300億円程度しか増えていない。 三井住友や三井住友信託、三菱UFJといった準メイン行の残高もあまり増えていないもようで、モバイル事業の設備投資額からすれば、焼け石に水だ。楽天は2022年夏頃、銀行団に対して2000億円規模のつなぎ融資を要請したが、実行には至らなかったようだ。 ある大手銀行幹部は「モバイル事業が本当に黒字化するか、見極めている」と話す。三木谷氏は2023年中の単月黒字化を掲げるが、楽天の中堅社員は「まず無理だ」と悲観的だ。競合キャリアからも「契約回線数が伸び悩んでおり、黒字化は難しいだろう」という声が漏れる。 かねて約束してきた黒字化が見通せなくなれば、銀行団が態度を急に硬化させかねない』、「楽天は2022年夏頃、銀行団に対して2000億円規模のつなぎ融資を要請したが、実行には至らなかったようだ」、「ある大手銀行幹部は「モバイル事業が本当に黒字化するか、見極めている」と話す」、「かねて約束してきた黒字化が見通せなくなれば、銀行団が態度を急に硬化させかねない」、そうなれば大変だ。
・『伝家の宝刀「コミットメントライン」  楽天にとって最後の手段は、総額1500億円のコミットメントライン(融資枠)の使用だ。銀行団から無条件で融資を引き出せる権利であり、2022年1月に1200億円から増額された。 しかしながら、1500億円は流動性を担保するための見せ金であり、実際に手を付けてしまっては「本当に資金繰りに窮していることの証拠」(銀行幹部)となる。コミットメントラインが使用されたときこそ、楽天が崖っぷちに立たされたことを意味する。 三木谷氏は2023年を「勝負の年」と位置づけるが、こと資金繰りの観点でいえば、勝負はとても年内では決着しそうにない』、「総額1500億円のコミットメントライン(融資枠)」は、「流動性を担保するための見せ金であり、実際に手を付けてしまっては「本当に資金繰りに窮していることの証拠」(銀行幹部)となる」ので使えないようだ。「崖っぷちに立たされた」状況がまだ続きそうだ。

次に、3月9日付け企業法務ナビ「楽天モバイル元部長ら、水増し請求による詐欺の疑いで逮捕」を紹介しよう。
https://www.corporate-legal.jp/news/5189
・『はじめに  携帯電話大手の楽天モバイルからおよそ25億円をだまし取ったとして、警視庁は3月3日、楽天モバイルの元部長と業務委託先の元幹部ら3人を詐欺の疑いで逮捕しました。携帯事業に新規参入した楽天モバイルが携帯電話基地局を整備するために交わした設備運搬の業務委託に絡み、業務委託費を水増しし同社より金を騙し取ったということです』、「楽天モバイルの元部長と業務委託先の元幹部ら3人を詐欺の疑いで逮捕」、グルになっていたのでは始末が悪い。
・『事件の経緯  楽天モバイルの発表や報道などによりますと、当時、物流管理部長だった元従業員が業務委託先の会社関係者と共謀し、資材の保管や運送に係わる業務において携帯電話基地局の整備に関する費用をおよそ9億2000万円水増しするなど、およそ25億円を楽天モバイルに不正に請求していたとされています。 具体的には、資材を運ぶ車両の発注台数を多く装う、資材を保管する倉庫の面積を実際よりも広く偽るなどして輸送費や保管料を水増ししていたとみられていて、これらの業務全般について、元部長が統括的に管理し、決裁権限も有していたということです。 また、架空のコンサルティング料などの名目で水増し請求していたケースもあったとされています。 水増し請求で不正に得た利益は、再委託先の会社から元部長らに流れていたということです』、「およそ25億円を楽天モバイルに不正に請求」とは「楽天」もだらしない。
・『水増し請求の法的取り扱い (省略)
・『決裁権とは  (省略)
・『水増し請求を予防するために  水増し請求は、加害者全員がメリットを享受し合うことが多く、また、クローズドな関係性の中で展開されることも少なくないため、加害者からの自発的な申告や関係者からの内部通報が機能しづらい不正類型といえます。そのため、水増し請求の発覚は、税務調査における取引先への立ち入り調査を端緒とすることが多いとされています。 そんな、水増し請求を予防するうえでは、社員と取引先の関係性のチェック・牽制を強化する手法が有効です。具体的には、上位の役職者が、ときに抜き打ちで取引先を訪問して委託した業務の実際の様子を見学させてもらう、委託業務のアウトプットを見せてもらうなどの方法が考えられます。また、取引先の社長に定期的に挨拶に行くだけでも牽制効果があります。 さらに、初回の取引のみならず、継続中の取引に関しても定期的に相見積もりを行い、取引先選定の適切性を担保することも有効です。また、取引先との数字の中身を知るものが必ず2名以上いる体制を敷く等の工夫も重要になります』、「社員と取引先の関係性のチェック・牽制を強化する手法が有効です。具体的には、上位の役職者が、ときに抜き打ちで取引先を訪問して委託した業務の実際の様子を見学させてもらう、委託業務のアウトプットを見せてもらうなどの方法が考えられます」、その通りだ。
・『コメント  今回の事件を受け、楽天モバイルは元部長を懲戒解雇し、事件に関わった取引先2社との取引を停止した上で、預金口座の仮差押さえを申請したとされています。 水増し請求事案では、会社の口座に入金されたお金を自由に引き出して還元できる人間ということで、取引先の社長や役員と協力して不正が行われるケースが少なくありません。その意味で、社員が取引先の役員と密接な関係性を築いている場合、不正の発生リスクが相対的に高い取引としてアラートを働かせる必要があります。 検知が難しい水増し請求。法務としても、社内規程の周知やコンプライアンス教育の徹底などで、予防に貢献したいところです』、楽天は基地局建設を急いでいた事情があるにせよ、他の報道によれば、「楽天モバイル」の部長は高級車を乗り回し、高額なタワーマンションに住んでいたとの報道もあり、社員の日頃の行動管理という基本的なことがなおざりにされていたようだ。「三木谷」の責任は重大だ。

第三に、3月17日付け文春オンライン「丸の内コンフィデンシャル:《楽天の赤字幅は過去最大に》「タケノコ生活」のカギを握る携帯電話事業のゆくえ」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/61359
・『日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をお届けする人気コラム「丸の内コンフィデンシャル」。月刊「文藝春秋」2023年4月号より一部を公開します。 「ゼロ円プラン」を廃止し、平均収入は大手3社の半分に  楽天(三木谷浩史会長兼社長)の経営に黄信号が灯った。2022年12月期の最終損益は3728億円の赤字。赤字は4期連続で、赤字幅は過去最大となった。 22年12月期の売上収益は21年12月期に比べて15%増の1兆9278億円だった。楽天市場などのインターネットサービス事業、クレジットカード・銀行などの金融事業が伸びを牽引したが、19年10月にサービスを開始した携帯電話事業で進めている基地局の設備投資が利益を吹き飛ばした。 同社のカギを握るのは携帯電話事業の成長だ。同事業の収益は契約者数と契約あたりの月間収入の掛け算で決まるが、昨年、「ゼロ円プラン」を廃止したことで契約数は伸び悩み、同12月末時点で449万件にとどまった。目標とする1200万件は遠い。平均収入は上昇傾向にあるが携帯大手3社の半分程度にとどまる。 22年12月時点で基地局設置数は目標の8割強だ。これまで年間3000億円規模の投資をしてきたが、24年12月期には約半分の1500億円規模に減る見通しという。だが、これから投資のために発行した社債の償還が負担として重くのしかかる。今後3年間で償還を迎える社債の合計は約9000億円。市場はリスクがあると判断し、今年1月に発行した4.5億ドル(約590億円)の優先債の最終利回りは12%となった。同月に別途、起債した個人向け社債2500億円の利回りは3%と高い。 楽天は21年3月に日本郵政から約1500億円の出資を受け、昨年11月には傘下の楽天証券ホールディングスが保有する楽天証券株の約2割をみずほ証券に売却して775億円を確保した。 手元の資産を切り売りする「タケノコ生活」は引き受ける相手がいてこそ成立する話だ。「楽天に興味を示すのはNTTぐらい」というのが通信業界の見立てだが、「いわゆる『楽天経済圏』でNTTが事業展開できない限り、首は縦に振らない」とNTT幹部は言う。「経済圏」という天領を開放するか否か。 三木谷氏は大きな決断を迫られている』、「昨年、「ゼロ円プラン」を廃止したことで契約数は伸び悩み、同12月末時点で449万件にとどまった。目標とする1200万件は遠い。平均収入は上昇傾向にあるが携帯大手3社の半分程度にとどまる」、「22年12月時点で基地局設置数は目標の8割強だ。これまで年間3000億円規模の投資をしてきたが、24年12月期には約半分の1500億円規模に減る見通し」、「これから投資のために発行した社債の償還が負担として重くのしかかる。今後3年間で償還を迎える社債の合計は約9000億円。市場はリスクがあると判断し、今年1月に発行した4.5億ドル(約590億円)の優先債の最終利回りは12%となった。同月に別途、起債した個人向け社債2500億円の利回りは3%と高い」、「「楽天に興味を示すのはNTTぐらい」というのが通信業界の見立てだが、「いわゆる『楽天経済圏』でNTTが事業展開できない限り、首は縦に振らない」とNTT幹部は言う。「経済圏」という天領を開放するか否か。 三木谷氏は大きな決断を迫られている」、瀬戸際だ。
・『岸田首相や麻生氏との関係も深く——経団連新副会長の素顔は?(省略)

第四に、4月24日付け日経ビジネスオンライン「銀行上場も遠い夜明け、楽天Gが背負うモバイルの「重い十字架」」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00128/042100048/
・『楽天グループ子会社でネット銀行の楽天銀行が4月21日、東証プライムに上場した。初値は公開価格を3割上回ったものの、調達額は当初想定より約300億円下がった。株式市場の厳しい目は、楽天銀行よりもむしろ親会社である楽天Gに向けられている。赤字が続くモバイル事業の立て直しが急務だ。・・・同日に都内で開いた会見で永井啓之社長は「1億人超の会員基盤を生かして成長を加速させる」と語った。 初値は公開価格の1400円を33%上回る1856円。その後も1965円の高値を付け、2000円の大台に近づく場面もあった。上場前に市場関係者からは「公開価格割れもありうる」との声も上がっていたが、そんな逆風をはねのけた格好だ。 だが、手放しでは喜べない。3月に東京証券取引所から上場承認を受けた際、楽天銀行の公募・売り出し価格の想定仮条件は1630~1960円だった。ところが4月に入ってから1300~1400円に引き下げられた経緯がある。最終的な公開価格は上場1週間前に上限の1400円と決まった。 一般的に、上場承認を受けた際の想定仮条件は主幹事証券会社が提示する参考価格を基に決まる。上場承認後に機関投資家向けに説明会を開き、そのフィードバックを受けて最終的な公開価格が決まる仕組みだ。機関投資家が「高すぎる」と判断すれば、価格を下げざるを得なくなる。 楽天銀行の場合、3月時点の想定売却額は最大で1057億円とされていたが、最終的には717億円と約300億円減った。米シリコンバレーバンクの破綻などによる市場環境の悪化が主因だが、機関投資家が楽天Gの財務状況を悪材料視した面も否定できない』、「楽天銀行の場合、3月時点の想定売却額は最大で1057億円とされていたが、最終的には717億円と約300億円減った。米シリコンバレーバンクの破綻などによる市場環境の悪化が主因だが、機関投資家が楽天Gの財務状況を悪材料視した面も否定できない」、なるほど。
・『「虎の子」の銀行株放出で赤字埋める  楽天Gの赤字が続いて「楽天経済圏」の成長に陰りが出れば、楽天銀行への悪影響も避けられないとみるためだ。収益力の高い楽天銀行は経営不振の楽天Gにとっていわば「虎の子」。その株式の一部を手放して得た資金は、赤字の続くモバイル事業に投じられる。同事業は楽天G全体の足を引っ張る「重い十字架」だ。 モバイル事業は多額の資金をネットワークに先行投資し、契約数と、ARPUと呼ばれる1契約あたりの月間平均収入をともに増やすことで回収していくビジネスモデルだ。モバイル事業の収益は、契約数とARPUのかけ算によって決まる。 楽天Gのモバイル事業は現状、契約数とARPUの両面で稼ぐ力が弱い状態にある。契約数は月1ギガバイト(ギガは10億。GB)まで無料で利用できる「0円プラン」の廃止以降、減少傾向が続く。一時は500万契約に近づいた契約数は、2022年12月末時点で449万契約にまで落ち込んだ。 「0円プラン」廃止でARPUは上昇基調にあるが、22年10~12月期は1805円と、ライバルであるNTTドコモやKDDI、ソフトバンクの半分以下の水準だ。 22年12月期の自社回線によるモバイル事業の売上高は約750億円にとどまった。一方でモバイル事業への設備投資は、22年12月期に約3000億円だった。さらに23年12月期にも約3000億円を計画し、重い負担が続く。 楽天Gは、法人市場の開拓や紹介キャンペーン、ポイントプログラムの還元率向上など、楽天経済圏のリソースも使って、あの手この手で契約数の積み増しに動く。だが、いずれも決定打に欠ける。 数少ない希望の一つが、楽天モバイルが熱望してきた、つながりやすい電波帯「プラチナバンド」の割り当てが早ければ今秋に予定される点だ。ただ楽天モバイルがプラチナバンドを獲得したとしても、それでようやく大手3社と同じスタートラインに立てるだけ。プラチナバンドは他社から契約者を奪うだけの切り札にはなり得ない。 楽天Gの三木谷浩史会長兼社長は23年2月の決算説明会で「23年は勝負の年」と語った。生き残りに向けて、楽天Gの綱渡り状態は続く。モバイル事業を稼げる体質へと早期に転換させなければ、この苦境からは抜け出せない』、「契約数は月1ギガバイト(ギガは10億。GB)まで無料で利用できる「0円プラン」の廃止以降、減少傾向が続く。一時は500万契約に近づいた契約数は、2022年12月末時点で449万契約にまで落ち込んだ。 「0円プラン」廃止でARPUは上昇基調にあるが、22年10~12月期は1805円と、ライバルであるNTTドコモやKDDI、ソフトバンクの半分以下の水準だ。 22年12月期の自社回線によるモバイル事業の売上高は約750億円にとどまった」、「数少ない希望の一つが、楽天モバイルが熱望してきた、つながりやすい電波帯「プラチナバンド」の割り当てが早ければ今秋に予定される点だ。ただ楽天モバイルがプラチナバンドを獲得したとしても、それでようやく大手3社と同じスタートラインに立てるだけ。プラチナバンドは他社から契約者を奪うだけの切り札にはなり得ない」、さて今後の展開はどうなるのだろう。

第五に、4月26日付け東洋経済オンライン「楽天銀行、親会社に翻弄され続けた上場の顛末 巨大な楽天経済圏を誇るも、市場の逆風に屈す」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/668228
・『楽天銀行は4月21日、東証プライム市場に上場を果たした。公開価格ベースでの時価総額は約2380億円と屈指の大型IPOとなったが、耳目を集めたのは楽天銀行自身よりもむしろ、親会社である楽天グループだった。 2021年9月に楽天銀行が上場準備に着手してから1年半。国内最大手級のネット銀行による上場劇は、最後まで親会社に翻弄された』、どういうことなのだろう。
・『親会社による「金策」  「成長資金を獲得するため、上場を検討している」。2021年11月、楽天Gの三木谷浩史会長兼社長は決算説明会において、初めて楽天銀行の上場に言及した。 上場の意義について、楽天銀行は「より自律的な経営視点と成長戦略を遂行できるとともに、独自の資金調達を含めた様々な成長及び財務戦略を検討することが可能になる」と説明する。ただ、親会社の苦しい懐事情が上場を後押しした面もある。 楽天Gは2018年に携帯事業者として認可を受けて以来、子会社である楽天モバイルを通じて多額の資金を投じている。 当初の計画では基地局建設などの設備投資費用を総額6000億円で十分としていたが、2020年末時点ですでに5000億円弱に膨張。計画以上に投資額が膨らむのは明白で、資金を確保する必要があった。楽天銀行の上場には、株式売り出しによる楽天Gの金策の色合いがにじんだ。 「PBR(株価純資産倍率)6~10倍」。上場発表時の資料で楽天Gは先駆的な銀行のPBR水準を示していた。楽天銀行自身もネット専業かつ楽天経済圏を生かした集客を行うビジネスモデルが先駆的だとして、株式市場からの評価に相当な自信を持っていた。 引き合いに出したのは、2021年8月に韓国取引所へ上場したネット専業銀行「カカオバンク」。初日の時価総額は3兆円規模に達した。さらにブラジルのネット専業金融グループ「ヌー・ホールディングス」も比較対象に挙げた。2021年末のニューヨーク証券取引所に上場した際、時価総額は一時6兆円以上に膨らんだ。) ところが、2022年に入ると欧米の金利上昇や景気後退懸念を受けて、ハイテク株が相次いで下落した。カカオバンクやヌー・ホールディングスの足元の株価は、上場当初からおよそ3分の1に縮小している。 向かい風が吹く中でも、楽天Gの資金繰りを考えれば楽天銀行の上場をいたずらに延期することはできない。こうして2022年7月、楽天銀行は東京証券取引所に上場申請を行った。 ネット銀行の評価が後退する中、楽天銀行は当初の目標だった2022年中の上場を断念。少しでも高値で上場できるタイミングを探った結果、「東証からOKをもらいマーケット状況もまずまずと判断した」(楽天銀行の永井啓之社長)として、2023年4月の上場を目論んだ。 3月22日の承認時に楽天銀行が提出した有価証券届出書では、想定仮条件として1株当たり1630~1960円としていた。ところが、4月5日に決まった仮条件は1300~1400円と、想定を割り込む異例の事態となった。 理由は3月に米シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに欧米金融機関で台頭した信用不安だけではない。楽天の悪化する財務が楽天銀行に飛び火しないか、機関投資家から疑義が出たためだ』、「楽天銀行自身もネット専業かつ楽天経済圏を生かした集客を行うビジネスモデルが先駆的だとして、株式市場からの評価に相当な自信を持っていた」、「3月22日の承認時に楽天銀行が提出した有価証券届出書では、想定仮条件として1株当たり1630~1960円としていた。ところが、4月5日に決まった仮条件は1300~1400円と、想定を割り込む異例の事態となった。 理由は3月に米シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに欧米金融機関で台頭した信用不安だけではない。楽天の悪化する財務が楽天銀行に飛び火しないか、機関投資家から疑義が出たためだ」、これだけ悪条件が揃えば、やむを得ないだろう。
・『調達・運用ともに「楽天経済圏」  楽天銀行は楽天経済圏を2つの面で活用している。1つは預金の獲得だ。1億超を誇る楽天ID保有者に対して、ネット通販や証券、カードなどほかのサービス利用時のメイン口座としての利用を推進。2023年3月末時点の預金残高は9.1兆円と、上位地銀とも肩を並べる水準だ。 調達のみならず、運用サイドにおいてもグループとの関係を活用している。2022年末時点における楽天銀行の運用資産は約7兆円。そのおよそ3分の1を「買入金銭債権」が占める。これは主に楽天カードのクレジットカード債権や楽天モバイルの通信料債権だ。子会社の楽天信託が証券化し、楽天銀行が取得している。相対的に高い利回りが期待できる一方、楽天との関係は一層不可分になっていく』、「2023年3月末時点の預金残高は9.1兆円と、上位地銀とも肩を並べる水準」、大したものだ。「運用資産は約7兆円。そのおよそ3分の1を「買入金銭債権」が占める。これは主に楽天カードのクレジットカード債権や楽天モバイルの通信料債権だ。子会社の楽天信託が証券化し、楽天銀行が取得している。相対的に高い利回りが期待できる一方、楽天との関係は一層不可分になっていく」、なるほど。
・『楽天銀行の運用ポートフォリオ  調達・運用両面で楽天と絡み合う構図に投資家が懸念を示したためか、楽天銀行は4日、英文の目論見書に楽天カードや楽天モバイルの債権を裏付け資産とする信託受益権(収益を受け取る権利)の残高をリスク要因として追記した。) 最終的に公開価格は1400円となった。親会社から飛び火した信用リスクに加えて、「資金繰りを考えれば、これ以上上場は先延ばしできない」(金融筋)と、足元を見られた面もあったようだ。 21日の初値は1856円と公開価格から3割も上昇し、楽天にとっては「底値」で楽天銀行を売却させられた形となった。初値から逆算したPBRは約1.5倍と、6〜10倍どころか、2021年11月に「従来型『銀行』」と揶揄した水準と同程度に着地した。 株価について永井社長は「マーケットや投資家のセンチメントはコントロールできない。証券会社の意見を伺いながらそれぞれのタイミングで価格を決めた」と述べるにとどめた』、「英文の目論見書に楽天カードや楽天モバイルの債権を裏付け資産とする信託受益権(収益を受け取る権利)の残高をリスク要因として追記」、むしろ書かない方が問題だ。
・『上場後に問われる成長戦略  すったもんだの末の上場となった楽天銀行。楽天本体は引き続き約63%を保有する筆頭株主として君臨するが、外部資本を調達した以上、親会社におもねる経営を続けることは許されない。「楽天(本体)が銀行の経営に指示をしてはならないシステムを構築している。少数株主の利益を害さない意思決定をできる」(永井社長)。 楽天銀行は2027年3月期に経常利益700億円、預金量20兆円といった経営目標を設定している。実現すれば国内の地銀を軒並み追い抜き、経常利益833億円、預金量33兆円のりそな銀行の背中も見えてくる。上場に伴う公募増資などで調達した約140億円も活用しつつ、当面は株主還元よりも成長投資を重視する方針だ。 (楽天銀行の経営指標 ハリンク先参照) 今後の焦点は、法人向け事業の伸長やグループ外の企業との連携だ。帝国データバンクによれば、2022年10月末時点で楽天銀行をメインバンクとする企業数が1000社を突破した。法人顧客には専門の営業担当者を配置し、「ITを活用して、他の銀行ではできないソリューションを提案したい」(永井社長)。 2023年1月には、JR東日本と共同でネット銀行を開業すると発表した。楽天銀行が事業会社に銀行機能を提供する形で、これまでも第一生命や地銀と協業している。楽天経済圏を基盤としつつも、グループ外の企業との提携を通じた果実を取り込むバランス感覚も問われる』、「2027年3月期に経常利益700億円、預金量20兆円といった経営目標を設定している。実現すれば国内の地銀を軒並み追い抜き、経常利益833億円、預金量33兆円のりそな銀行の背中も見えてくる」、「楽天銀行をメインバンクとする企業数が1000社を突破」、大したものだ。「楽天」そのものについては問題も多いが、「楽天銀行」は成長のポテンシャルが高いようだ。
タグ:携帯・スマホ (その9)(楽天問題5話(巨額赤字の楽天、これから迫る「借金返済」の大波 社債償還が「3年で計9000億円」という難路、楽天モバイル元部長ら 水増し請求による詐欺の疑いで逮捕、《楽天の赤字幅は過去最大に》「タケノコ生活」のカギを握る携帯電話事業のゆくえ、楽天銀行「安値上場」で売却額が3割減に 運にも見放された三木谷氏の受難、楽天銀行 親会社に翻弄され続けた上場の顛末 巨大な楽天経済圏を誇るも 市場の逆風に屈す)) 東洋経済オンライン「巨額赤字の楽天、これから迫る「借金返済」の大波 社債償還が「3年で計9000億円」という難路」 「銀行や証券などを除く非金融事業の社債や借入金も、1.7兆円を超えた。 悪化の一途をたどる財務状況に対して、楽天が持ち出したのは、社債をはじめとした有利子負債残高の削減だ」、「楽天銀行や楽天証券ホールディングス(HD)の上場、外部との資本提携も通じた資金調達まで匂わせる発言も」、財務健全化は喫緊の課題だ。 「劣後債の繰り上げ償還も含めれば、2024年に最大3000億円、2025年に最大5000億円と、巨額の償還が待ち受けている」、「非金融事業の営業キャッシュフローもいまだ3000億円超のマイナスという状態であり、基地局建設が峠を越えたとしても、資金流出は簡単には止まりそうにない」、「国内の格付け会社が投資適格(BBB以上)のお墨付きを与えているが、あんなものは誰も信じていない。われわれの内部格付けでは、楽天はもはや投機的水準だ」、 「代わりにすがったのが海外だ。楽天は2022年11月と2023年1月に、計9.5億ドルの社債を発行した。利率は10.25%(割引分を加味すると12%)で、いわゆる「ジャンク債」扱いだ。前出とは別の運用会社の代表は「スタートアップ企業並みの信用だ」と評す」、海外でも「「ジャンク債」扱い」とはギリギリの状況だ。 「モバイルへの投資は当初計画の倍以上に」、「資金繰りの打開策として楽天がもくろむのは、楽天銀行と楽天証券HDのIPO」、しかし、「IPOが成就したとしても、グループ内のサービスを回遊させる「楽天経済圏」を貫徹するためには、子会社の支配権を手放せない。そのため上場時に多くの株式は売り出せず、十分な資金を調達できる保証はない」、本当に厳しそうだ。 「楽天は2022年夏頃、銀行団に対して2000億円規模のつなぎ融資を要請したが、実行には至らなかったようだ」、「ある大手銀行幹部は「モバイル事業が本当に黒字化するか、見極めている」と話す」、「かねて約束してきた黒字化が見通せなくなれば、銀行団が態度を急に硬化させかねない」、そうなれば大変だ。 「総額1500億円のコミットメントライン(融資枠)」は、「流動性を担保するための見せ金であり、実際に手を付けてしまっては「本当に資金繰りに窮していることの証拠」(銀行幹部)となる」ので使えないようだ。「崖っぷちに立たされた」状況がまだ続きそうだ。 企業法務ナビ「楽天モバイル元部長ら、水増し請求による詐欺の疑いで逮捕」 「楽天モバイルの元部長と業務委託先の元幹部ら3人を詐欺の疑いで逮捕」、グルになっていたのでは始末が悪い。 「およそ25億円を楽天モバイルに不正に請求」とは「楽天」もだらしない。 「社員と取引先の関係性のチェック・牽制を強化する手法が有効です。具体的には、上位の役職者が、ときに抜き打ちで取引先を訪問して委託した業務の実際の様子を見学させてもらう、委託業務のアウトプットを見せてもらうなどの方法が考えられます」、その通りだ。 楽天は基地局建設を急いでいた事情があるにせよ、他の報道によれば、「楽天モバイル」の部長は高級車を乗り回し、高額なタワーマンションに住んでいたとの報道もあり、社員の日頃の行動管理という基本的なことがなおざりにされていたようだ。「三木谷」の責任は重大だ。 文春オンライン「丸の内コンフィデンシャル:《楽天の赤字幅は過去最大に》「タケノコ生活」のカギを握る携帯電話事業のゆくえ」 「昨年、「ゼロ円プラン」を廃止したことで契約数は伸び悩み、同12月末時点で449万件にとどまった。目標とする1200万件は遠い。平均収入は上昇傾向にあるが携帯大手3社の半分程度にとどまる」、「22年12月時点で基地局設置数は目標の8割強だ。これまで年間3000億円規模の投資をしてきたが、24年12月期には約半分の1500億円規模に減る見通し」、 「これから投資のために発行した社債の償還が負担として重くのしかかる。今後3年間で償還を迎える社債の合計は約9000億円。市場はリスクがあると判断し、今年1月に発行した4.5億ドル(約590億円)の優先債の最終利回りは12%となった。同月に別途、起債した個人向け社債2500億円の利回りは3%と高い」、「「楽天に興味を示すのはNTTぐらい」というのが通信業界の見立てだが、「いわゆる『楽天経済圏』でNTTが事業展開できない限り、首は縦に振らない」とNTT幹部は言う。「経済圏」という天領を開放するか否か。 三木谷 は大きな決断を迫られている」、瀬戸際だ。 日経ビジネスオンライン「銀行上場も遠い夜明け、楽天Gが背負うモバイルの「重い十字架」」 「楽天銀行の場合、3月時点の想定売却額は最大で1057億円とされていたが、最終的には717億円と約300億円減った。米シリコンバレーバンクの破綻などによる市場環境の悪化が主因だが、機関投資家が楽天Gの財務状況を悪材料視した面も否定できない」、なるほど。 「契約数は月1ギガバイト(ギガは10億。GB)まで無料で利用できる「0円プラン」の廃止以降、減少傾向が続く。一時は500万契約に近づいた契約数は、2022年12月末時点で449万契約にまで落ち込んだ。 「0円プラン」廃止でARPUは上昇基調にあるが、22年10~12月期は1805円と、ライバルであるNTTドコモやKDDI、ソフトバンクの半分以下の水準だ。 22年12月期の自社回線によるモバイル事業の売上高は約750億円にとどまった」、「数少ない希望の一つが、楽天モバイルが熱望してきた、つながりやすい電波帯「プラチナバンド」の割り当てが早ければ今秋に予定される点だ。ただ楽天モバイルがプラチナバンドを獲得したとしても、それでようやく大手3社と同じスタートラインに立てるだけ。プラチナバンドは他社から契約者を奪うだけの切り札にはなり得ない」、さて今後の展開はどうなるのだろう。 東洋経済オンライン「楽天銀行、親会社に翻弄され続けた上場の顛末 巨大な楽天経済圏を誇るも、市場の逆風に屈す」 どういうことなのだろう。 「楽天銀行自身もネット専業かつ楽天経済圏を生かした集客を行うビジネスモデルが先駆的だとして、株式市場からの評価に相当な自信を持っていた」、「3月22日の承認時に楽天銀行が提出した有価証券届出書では、想定仮条件として1株当たり1630~1960円としていた。ところが、4月5日に決まった仮条件は1300~1400円と、想定を割り込む異例の事態となった。 理由は3月に米シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに欧米金融機関で台頭した信用不安だけではない。楽天の悪化する財務が楽天銀行に飛び火しないか、機関投資家から疑義が出たためだ」、これだけ悪条件が揃えば、やむを得ないだろう。 「2023年3月末時点の預金残高は9.1兆円と、上位地銀とも肩を並べる水準」、大したものだ。「運用資産は約7兆円。そのおよそ3分の1を「買入金銭債権」が占める。これは主に楽天カードのクレジットカード債権や楽天モバイルの通信料債権だ。子会社の楽天信託が証券化し、楽天銀行が取得している。相対的に高い利回りが期待できる一方、楽天との関係は一層不可分になっていく」、なるほど。 「英文の目論見書に楽天カードや楽天モバイルの債権を裏付け資産とする信託受益権(収益を受け取る権利)の残高をリスク要因として追記」、むしろ書かない方が問題だ。 「2027年3月期に経常利益700億円、預金量20兆円といった経営目標を設定している。実現すれば国内の地銀を軒並み追い抜き、経常利益833億円、預金量33兆円のりそな銀行の背中も見えてくる」、「楽天銀行をメインバンクとする企業数が1000社を突破」、大したものだ。「楽天」そのものについては問題も多いが、「楽天銀行」は成長のポテンシャルが高いようだ。
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