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女性活躍(その27)(3人の女性首相が世界に示した 「辞めたい」と言える勇気、「女の子だからできない」じゃなく「やってみたらできた」へ 昭和女子中高の女性校長が語る“理系教育”、「カエル好きのお姉さん」が昭和女子中高の校長になるまで 理系教育への情熱の“根っこ”とは) [社会]

女性活躍については、本年4月12日に取上げた。今日は、(その27)(3人の女性首相が世界に示した 「辞めたい」と言える勇気、「女の子だからできない」じゃなく「やってみたらできた」へ 昭和女子中高の女性校長が語る“理系教育”、「カエル好きのお姉さん」が昭和女子中高の校長になるまで 理系教育への情熱の“根っこ”とは)である。

先ずは、本年4月27日付けNewsweek日本版が掲載したジャーナリストのイモジェン・ウェストナイツ氏による「3人の女性首相が世界に示した、「辞めたい」と言える勇気」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2023/04/post-837_1.php
・『<「辞めたのは弱いからではない」...燃え尽きた時には誰もが「辞めたい」と言える社会に成長するために、3人の女性首相が教えてくれたこととは> 政治家が自ら職を辞すのは、たいてい何らかの「へま」をやらかしたときだ。へまの度合いは、その国の文化によって異なる。 些細なこと(公務用のクレジットカードでスナック菓子を買ったスウェーデンのモナ・サーリン議員)もあれば、とんでもない話(側近の痴漢行為を知りつつ隠していたイギリスのボリス・ジョンソン首相)もある。 しかし今年に入って辞意を表明した3人の首相の場合、その理由はもっと真摯で率直なものだった。 最初は1月、2017年からニュージーランドの首相を務めていたジャシンダ・アーダーン。次いで2月には、スコットランド自治政府の首相を8年以上務めたニコラ・スタージョン。そして4月初めには、フィンランド首相のサンナ・マリンが総選挙に敗れて辞意を表明した。敗れたとはいえ個人としての人気はまだ高いのに、与党・社会民主党の党首の座も退くという。 よほどの失言でもない限り、政治家が自ら身を引く本当の理由を知るのは難しい。だが3人は驚くほど率直に、辞める理由を語っている。 「私はこの仕事の過酷さを知っているし、自分にはもうこの役目を十分に果たすだけのエネルギーがないことも知っている」と言ったのはアーダーン。一方、マリンは「私の持久力の限界が試された。(首相になってからの日々は)おそろしく困難だった」と打ち明けた。 そしてスタージョンも、首相の職に全身全霊をささげるのはもはや限界だと気付いたと語った。「この仕事が私に及ぼす身体的・精神的な打撃に、私はここへ来てようやく気付き、受け入れました」』、「最初は1月、2017年からニュージーランドの首相を務めていたジャシンダ・アーダーン」、「次いで2月には、スコットランド自治政府の首相を8年以上務めたニコラ・スタージョン」、「4月初めには、フィンランド首相のサンナ・マリンが総選挙に敗れて辞意を表明」、「よほどの失言でもない限り、政治家が自ら身を引く本当の理由を知るのは難しい。だが3人は驚くほど率直に、辞める理由を語っている」、3人の女性「首相」が相次いで辞任したとは、偶然の一致にしても不思議だ。相互に影響を与え合っていたのだろうか。
・『政治家と人間の両立?  要するに「燃え尽きた」ということだが、職を辞す政治家がこうも率直に、それを口にしたのはたぶん前代未聞。ああ、そうした私的なことを誰もが口にできる時代が来たのか、と思いたいところだ。 でも違う。この3人が注目されたのは、働きすぎはいけないと誰もが気付き始めたからじゃない。3人とも女性だったからだ。) この点については、いくつかの見方ができると思う。高い地位に就いている女性ほど仕事の過酷さを進んで認め、それ故に燃え尽きるリスクがあると正直に言えるのかもしれない。 あるいは、一般論として女性のほうが心の健康に敏感で、それについてオープンに語れるということか。一方で男性陣は今も、心の問題で職を辞すのは敗北であり、弱さの証しだと信じている。 女性が指導的な立場に就くと、家庭と仕事をきちんと両立させるよう求められるのが常だ(男性だと、そんなことは言われない)。それがプレッシャーになって、仕事を辞める女性もいる。 そもそも、政治家と人間の両立は難しいのかもしれない。「私は人間。政治家も人間。私たちは可能な限り全力を尽くす。でも限界が来る」。アーダーンは辞意表明の演説でそう言った。スタージョンも基本的に同じことを言った。「私は政治家だけれど、人間でもある」と』、「要するに「燃え尽きた」ということだが、職を辞す政治家がこうも率直に、それを口にしたのはたぶん前代未聞。ああ、そうした私的なことを誰もが口にできる時代が来たのか、と思いたいところだ。 でも違う。この3人が注目されたのは、働きすぎはいけないと誰もが気付き始めたからじゃない。3人とも女性だったからだ」、「高い地位に就いている女性ほど仕事の過酷さを進んで認め、それ故に燃え尽きるリスクがあると正直に言えるのかもしれない。 あるいは、一般論として女性のほうが心の健康に敏感で、それについてオープンに語れるということか・・・女性が指導的な立場に就くと、家庭と仕事をきちんと両立させるよう求められるのが常だ・・・それがプレッシャーになって、仕事を辞める女性もいる。 そもそも、政治家と人間の両立は難しいのかもしれない」、「「私は人間。政治家も人間。私たちは可能な限り全力を尽くす。でも限界が来る」。アーダーンは辞意表明の演説でそう言った。スタージョンも基本的に同じことを言った」、なうほど。
・『無理なら辞めるが一番  政治家も人間だなんて、思えないこともある。他人の人間性など気にもかけない政治家がたくさんいるからだ。 もちろん、今の時代にそんな振る舞いをすれば必ずしっぺ返しに会う。横柄な政治家に、私たちはおまえを最低のクズだと思っているぞと伝える方法はいくらでもある。ツイッターやメールで、いくらでも文句を言える。 そんなふうにして炎上した政治家に、私は同情しない。英国首相を務めた過去5人の男女には、私だって残飯を投げ付けてやりたい。でもネット上の誹謗中傷や脅迫が、とりわけ女性の政治家に向けられやすいのは事実だ。この4カ月で自ら職を辞した3人の首相が全て女性だったのは、そのせいかもしれない。 とはいえ、一連の辞任が「フェミニズムの今後にどんな影響を及ぼす?」なんて考えるのはやめてほしい。そんなのは愚問だ。 いま必要なのは、性別や年齢に関係なく私たち全員が、この3人の女性のレベルまで成長すること。彼女たちが辞めたのは弱いからじゃない。誰もが自分を見つめ直し、「もう私はこの仕事に全力で取り組めない」と気付いたら、正直にそう言える。そんな世の中になってほしい。) 昨年の今頃は、私も含めてほとんどのイギリス人が心から、ジョンソンの首相退陣を願っていた。彼はもうボロボロで、失態に失態を重ねるばかりで見るに堪えなかった。さっさと辞めればいい首相や大統領は、たぶんほかにもいる。なにしろすごく難しくて、きつい仕事だから。 身も心も擦り切れるまで働くタイプと、何が起きても週末はゴルフというタイプ。その中間のどこかに、きっと適当な落としどころがある。 でも個人的には、政治家に休暇など必要ないと言わんばかりの人には違和感を覚える。疲れ果て、自分の地位の重責に押しつぶされそうな人物に、重要な物事の判断を委ねるのが得策とは思えない。 残念ながら、大多数の(ええ、とりわけ男性の)政治家には、そんなふうに自分の限界に気付く機会はなさそうだ。たぶん、そういう機会を持ちたいと思ってもいない。 自分の限界を知るのは大事なことだ。もう首相の重責に耐えられないと思ったら、正直にそう告げる。国のためには、それがベストな選択だろう。違う?』、「疲れ果て、自分の地位の重責に押しつぶされそうな人物に、重要な物事の判断を委ねるのが得策とは思えない。 残念ながら、大多数の(ええ、とりわけ男性の)政治家には、そんなふうに自分の限界に気付く機会はなさそうだ。たぶん、そういう機会を持ちたいと思ってもいない。 自分の限界を知るのは大事なことだ。もう首相の重責に耐えられないと思ったら、正直にそう告げる。国のためには、それがベストな選択だろう』、同感である。

次に、5月2日付けAERAdot「「女の子だからできない」じゃなく「やってみたらできた」へ 昭和女子中高の女性校長が語る“理系教育”」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023042700055.html?page=1
・『「理科の楽しさを伝えたい」と、理系教育に尽力してきた昭和女子大学付属昭和中高の真下峯子校長。スーパーサイエンスコースを設け、大学やブリティッシュスクールとの連携にも力を入れるなど、次々と策を講じてきた。「女の子がやってみたらできちゃった、というモデルを証明したい」と話す真下校長の思いとは(Qは聞き手の質問、Aは「真下」氏の回答)』、興味深そうだ。
・『メダカの記憶を研究  Q:昭和女子大学付属昭和中高は、サイエンス教育に力を入れています。  A:2015年から学校改革を行い16年にグローバル留学コースを、18年にスーパーサイエンスコース(SS)を設けました。SSコースは当初中3からが対象だったのですが、私の校長着任後の21年から中1に引き下げました。 前校長の判断ですが、小学生のころからサイエンスに興味がある生徒に来てもらおうという、狙いがあったようです。やはり1年次からやることでスキルも厚くなるし、経験を積むことで考察も深くなります。 Q:スーパーサイエンスコースの特徴はどのような点ですか。 A:1年次から実験や研究を重視し、サイエンスの学びをトレーニングします。その蓄えた力をもって、中3の後半からテーマを決めて研究に入ります。ある生徒は、「メダカの記憶の維持」というテーマを設定しました。観察のための実験装置を作って、いつのタイミングで測ればいいのか、試行錯誤しながらいろいろな条件で観察を続けました。 この成果として、中高生の研究のための学会「サイエンスキャッスル2021関東大会」で最優秀賞を受賞するなど、SSコースを設定した芽が出始めています。 Q:理科が苦手という女子生徒は多いです。何が理科嫌いにさせているのでしょうか。 A:小学生のころは、みんな理科が好きなんです。でも中学生になったとたん、起こっている現象の理屈を考えなくてはならなくなるので、一気に難しくなりお手上げになってしまうのだと考えています。 SSコースの1年生が神奈川県・足柄の林間学寮に行ったときのことですが、車中、みんなでダンゴムシの絵を描いてみようということになったんです。私たち大人だと、普通上から見たダンゴムシを描きますよね。なかには真横の姿や、ひっくり返しておなかを描いた生徒もいて、みんなで笑ったり、感心しあったりしました。そうやって楽しむのも理科の原点なんです。 理科の第一歩は、対象物をきちんと見ること。そうすると自然に「なぜ」という疑問が湧いてきます。次のステップとして調べてみようとか、考えてみようとなる。そのときお手上げにならないように、スキルや方法をきちんと教えていくことが大切なんです。) Q:楽しむことで、理科離れを防ぐのですね。 A:昨年夏に、専門家に依頼してデータサイエンスの特別講座を開催しました。募集したところ、30人集まればいいと思っていましたが、100人近く集まりました。SSだけでなく、本科コースやグローバル留学コースの生徒も、特に中学生が大勢参加しました。みんな関心はあるのです。 実験はもちろんですが、学校全体にデータサイエンス系も、プログラミング系もできるサイエンスをつくり上げていきたい。「女の子だからできない」じゃなくて、「やってみたらできちゃった」を、証明するモデルになってほしいと思います。 Q:サイエンスを学ぶことで、どんな力がつきますか。 A:実験は、そううまくいくものではありません。100失敗して、1つ成功すればいいほう。世の中で脚光を浴びている研究の基には、失敗が山ほどあります。科学とはそういうものです。実験を繰り返し、結果が出るまでやることで、うまくいかなくてもへこたれない力がつきます。 実はその力は汎用性が高くて、社会に出て困難にぶつかったときに役にたちます。中高時代、サイエンスにがっつりと取り組んで失敗を繰り返しながらも目的に向かっていく、そういうタフな力を身につけてほしいのです』、「スーパーサイエンスコースの特徴は」、「1年次から実験や研究を重視し、サイエンスの学びをトレーニングします。その蓄えた力をもって、中3の後半からテーマを決めて研究に入ります。ある生徒は、「メダカの記憶の維持」というテーマを設定しました。観察のための実験装置を作って、いつのタイミングで測ればいいのか、試行錯誤しながらいろいろな条件で観察を続けました」、「実験は、そううまくいくものではありません。100失敗して、1つ成功すればいいほう。世の中で脚光を浴びている研究の基には、失敗が山ほどあります。科学とはそういうものです。実験を繰り返し、結果が出るまでやることで、うまくいかなくてもへこたれない力がつきます。 実はその力は汎用性が高くて、社会に出て困難にぶつかったときに役にたちます」、「実験を繰り返し、結果が出るまでやることで、うまくいかなくてもへこたれない力がつきます」、その通りだが、うまくいくよう過剰なアドバイスをしないよう抑制するのも、我慢が必要なようだ。
・『大学との連携を強化し五修生制度導入  Q:昭和女子大学の坂東眞理子理事長は、ジェンダー教育に熱心に取り組んでいます。大学との連携は。 坂東先生は、女性にいろいろなところで活躍してほしいという思いがあり、必要と思うコンテンツをどんどん取り入れてくれます。大学には実務家の教員が大勢いて、学問だけではなく、社会とどうつながっているのか実践的な学びもなさっている。本科コースのなかには探究の授業のチームで大学の研究室を訪れて、そんな先生方に指導してもらっている生徒もいます。 40年前から、高2までに卒業のための必要単位を取り、高3から昭和女子大で学ぶ「五修生制度」を取り入れています。飛び級だと高校の卒業資格が取れませんが、この制度なら取得するこができます。 今年は6人、昨年は8人がこの制度を利用しました。先日面談したある生徒は国際的な公認会計士を目指しており、高3の1年間の余裕をその勉強にあてたいと考え制度を利用したと話していました。) 昭和女子大は中国の上海交通大学や、米国のテンプル大学などとダブルディグリープログラムを結んでおり、5年間で2つの大学の学位を取ることができますが、五修生制度を使えば大学4年修了時に取ることが可能です。 23年からは、他の大学に進学する可能性も残したい生徒のために、五修生制度とは別に昭和女子大科目等履修生制度も導入しました。高校2、3年生が対象で、放課後に大学の授業を履修できます。昭和女子大に進学した場合は、それが単位として認められます。いろいろな面で、大学との連携が強化されていますね。 Q:高大連携は、他大学にも広がっています。 A:生徒たちの進路選択を広げるために、昭和女子大にないコンテンツを持っている大学との連携をしていこうと、働きかけています。現在は東京理科大、早稲田大、芝浦工業大、東京農工大、お茶の水女子大に協力していただいています。 お茶の水女子大は千葉・館山に湾岸生物教育研究所があるのですが、すぐ近くに本校の海浜学寮があるので、生徒たちが研修で訪れたときに指導いただけるように、お願いしています。 Q:大学生もメンターとして受け入れていますね。 A:昭和女子大の学生はもちろんですが、東京理科大生はチームをつくり学習サポートに入ってくれています。今年からは早稲田大も学習支援に来てくれることになりました。実験には危険もつきものですから、1つのグループに学生さんがついてくれるのは、教員にとっても安心です。 実験だけでなく、授業にも入ってサポートしてもらっています。先生と生徒は1対36ですが、先生と生徒の間に学生がいることで、授業がもっと密になる。また先生ではない、年齢の近い学生がアドバイスしてくれたり、教えてくれたりするので、生徒も気負わず素直に受け入れられます。 勉強だけでなく、学生から研究や学問の苦労話や失敗談など生の声を聞くのも、生徒にとって貴重な体験です。学生が生徒たちのロールモデルになってくれています』、「高2までに卒業のための必要単位を取り、高3から昭和女子大で学ぶ「五修生制度」を取り入れています」、「今年は6人、昨年は8人がこの制度を利用しました。先日面談したある生徒は国際的な公認会計士を目指しており、高3の1年間の余裕をその勉強にあてたいと考え制度を利用したと話していました」、「高大連携は、他大学にも広がっています。 A:生徒たちの進路選択を広げるために、昭和女子大にないコンテンツを持っている大学との連携をしていこうと、働きかけています。現在は東京理科大、早稲田大、芝浦工業大、東京農工大、お茶の水女子大に協力していただいています」、なかなかいい制度のようだ。
・『グローバル教育への挑戦  Q:主にイギリス人の子弟が通う、ブリティッシュスクールとの連携も深まっています。グローバル教育はどうなっていますか。 A:お隣がブリティッシュスクールという、物理的に非常に恵まれた環境にあります。以前はボランティア活動を一緒にする程度でしたが、先方の校長先生ともっと交流を深めましょうということで思いが一致しました。 今はグローバル留学コースや本科コースの生徒とブリティッシュの生徒が、1週間ほど授業をエクスチェンジしたり、SSコースの生徒があちらの理科の授業を受けたりしています。当然英語での授業なので、サイエンスに英語という武器が加わります。授業でのアカデミックな交流がしやすいように、両校の時間割の調整を検討しているところです。 授業以外にも、地球環境を守るための活動をしたりブックトークをしたりと、できるだけいろいろなことを一緒にやる方向で動いています。生徒たちは「ブリティッシュスクールの子たちは同年代なのにとても教養が高い」と、良い刺激を受けていますね。 グローバル留学コースは、高1のときに1年間カナダへ留学するのが必須となっています。帰国して国際系の大学を目指す生徒が多いですが、なかには海外の医学部に行きたいという生徒もいます。サイエンスコースの生徒に影響されたのでしょう。お互いに刺激し合って、進路が広がっていると感じます。 真下峯子(ましも・みねこ) 昭和女子大学付属昭和中学校・高等学校校長。埼玉県生まれ。奈良女子大学理学部卒業。埼玉県に理科の教員として赴任。埼玉県立川越女子高等学校教頭、埼玉県立総合教育センター指導主事、大妻嵐山中学校・高等学校校長などを経て2020年から現職。 <<後編:「カエル好きのお姉さん」が昭和女子中高の校長になるまで 理系教育への情熱の“根っこ”とは>>へ続く』、「お隣がブリティッシュスクールという、物理的に非常に恵まれた環境にあります・・・今はグローバル留学コースや本科コースの生徒とブリティッシュの生徒が、1週間ほど授業をエクスチェンジしたり、SSコースの生徒があちらの理科の授業を受けたりしています。当然英語での授業なので、サイエンスに英語という武器が加わります・・・授業以外にも、地球環境を守るための活動をしたりブックトークをしたりと、できるだけいろいろなことを一緒にやる方向で動いています」、「生徒たちは「ブリティッシュスクールの子たちは同年代なのにとても教養が高い」と、良い刺激を受けていますね。 グローバル留学コースは、高1のときに1年間カナダへ留学するのが必須となっています。帰国して国際系の大学を目指す生徒が多いですが、なかには海外の医学部に行きたいという生徒もいます。サイエンスコースの生徒に影響されたのでしょう。お互いに刺激し合って、進路が広がっていると感じます」、「お互いに刺激し合って、進路が広がっている」、なかなかいいことだ。

第三に、この続きを、5月2日付けAERAdot「「カエル好きのお姉さん」が昭和女子中高の校長になるまで 理系教育への情熱の“根っこ”とは」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023042700056.html?page=1
・『「女子は理数が弱いという思い込みを捨てれば、もっと可能性が広がる」と、理系教育に力を入れる昭和女子大学付属昭和中高の真下峯子校長。その情熱の根っこは、幼いころの植物や動物への関心にあった。理科の面白さを追い求めてきた真下先生のこれまで、そしてこれからの教育への思いとは。 <<前編:「女の子だからできない」じゃなく「やってみたらできた」へ 昭和女子中高の女性校長が語る“理系教育”>>より続く』、「真下峯子校長。その情熱の根っこは、幼いころの植物や動物への関心にあった」、とは興味深そうだ。
・『生き物の不思議にひかれ、生物学科へ  Q:先生ご自身は子どものころから生き物に興味があったそうですね。 A:小学生のころから、植物や動物が好きでしたね。自然の現象について、母親にいつも「どうして、どうして」と聞いていました。母親の影響も大きくて、夏休みの自由研究を一緒にやっていました。小学3年生の担任が理科の専門の先生で、自分の研究についていろいろ話してくれ、ますます理科に興味を持つようになりました。 高校の生物の発生の授業で、カエルの卵の原口背唇部という部位が中に入り込んで神経になると教わり、何でそうなるのか不思議でしょうがなかったんです。 今でいうiPS細胞なんですね。運命が決まっていない細胞が、何かのきっかけで髪の毛や皮膚になる。その仕組みが不思議で、もっと勉強したいと生物学科に進みました。 Q:奈良女子大に進学されました。 A:学びたい発生学の研究が進んでいるのは、京都大や大阪大でした。たまたま奈良女子大に母親の知り合いがおり、奈良女子大ならと許されたのです。関西まで行けばなんとかなるだろうと(笑)。 奈良女子大では京都大や大阪大の先生も教えていました。オープン講座もあって、京都大や大阪大に出かけて授業を受けたりもしていました。大学院の特論は学部の学生も聴講できるのですが、一流の先生が最先端の研究を講義してくれる。感化されましたね。 Q:その後埼玉に戻られ、教職の道に入られたわけですね。 A:事情があって、埼玉の実家に戻ることになりました。でも、生物のことは好きでしょうがない。何も持っていないとカエル好きの変わったお姉さんですが(笑)、学校の先生になれば堂々と生物に関われると。) 中学の教員免許を取ったのですが、ちょっと物足りない。そこで高校の採用試験を受けました。高校ではいろいろな材料を使いながら、授業をするのが楽しかったですね。これでもか、というほど「理科は面白いよ」と生徒に伝えました。 ただ、私1人だと担当した生徒だけにしか理科の面白さを伝えられない。もっと大勢の子どもたちに伝えるために、私と同じような考えを持ってくれる先生を育てればいいと気が付いたんです。 そこで管理職の試験を受け、埼玉県立総合教育センターの指導主事になりました。私が研修を担当した先生のなかには、スーパーサイエンスハイスクールの指定校で理科を教えている先生もいる。1人でできることは限られていますが、次世代の先生方が活躍している姿を見ると、頼もしいです』、「小学生のころから、植物や動物が好きでしたね。自然の現象について、母親にいつも「どうして、どうして」と聞いていました。母親の影響も大きくて、夏休みの自由研究を一緒にやっていました」、「小学3年生の担任が理科の専門の先生で、自分の研究についていろいろ話してくれ、ますます理科に興味を持つようになりました」、「高校の生物の発生の授業で、カエルの卵の原口背唇部という部位が中に入り込んで神経になると教わり、何でそうなるのか不思議でしょうがなかったんです。 今でいうiPS細胞なんですね。運命が決まっていない細胞が、何かのきっかけで髪の毛や皮膚になる。その仕組みが不思議で、もっと勉強したいと生物学科に進みました」、「私1人だと担当した生徒だけにしか理科の面白さを伝えられない。もっと大勢の子どもたちに伝えるために、私と同じような考えを持ってくれる先生を育てればいいと気が付いたんです。 そこで管理職の試験を受け、埼玉県立総合教育センターの指導主事になりました」、「私と同じような考えを持ってくれる先生を育てればいいと気が付いた」とはさすがだ。
・『女子校は女子の特性を生かした理系教育ができる  Q:川越女子高校では、高2での文理選択をやめ、高2までは数学をしっかりやる、としたのですよね。 川越女子高校には教頭として赴任しました。生徒は能力が高く、やる気がある。この生徒たちが、理科や数学ができない、興味がないからといって選択肢を狭めるのは、実にもったいないと思ったんです。 「好きな子はどんどんやりましょう、そうでない子もやりましょう」と、女子生徒の選択肢を広げるためには、 理系の勉強をあきらめないことだと生徒に語り続けました。その時代の子たちも30歳を過ぎて、いろいろな方面でがんばっています。 Q:世の中にはまだ、女子は理系が弱いという偏見があります。女子校にできることはありますか。 A:女子の選択の幅を狭めているのは数学や理科です。でも、女子は苦手と思い込んでいるだけ。中高の数学や理科は、コツコツやればできるんです。 鴎友学園女子中高の吉野明・前校長が、「女子校は、女子の特性に合わせた理数教育ができる」とおっしゃっていましたが、本当にその通りだと思います。 女の子のコツコツやる特性は、実は研究向き。アイデアや発想は男子が勝っているといわれますが、そんなことはありません。研究を続けていれば、新しい着眼点が出てきます。何もないところから、発見はできません。) Q:今後の課題はありますか。 A:工学系にも興味をもってくれればいいな、と。生徒や保護者は昔のイメージで、工学というと「ガテン系で油にまみれている」という先入観があるようです。工学はものごとをコントロールする、バラエティーに富んだ可能生がある魅力的な分野です。 ある媒体でそういう発信をしたところ、いろいろな会社から「本当にその通り。工学がわかる女子社員がほしい」と連絡をいただきました。クレーンを作っている加藤製作所からは「工場見学や体験にもぜひ来てほしい」と招待を受け、中2の生徒と保護者と出かけて、クレーンの試乗体験や、建機を設計している女性社員との懇談会に参加させてもらいました。 Q:奈良女子大が工学部を開設、お茶の水女子大が共創工学部(仮称)を開設予定と、女子大に工学部をつくる動きが出ています。東京工業大や東京理科大も入試に「女子枠」を設けると表明しています。 A:生徒には「今がチャンスだよ」と、話しています。「女の子だから」という思い込みを捨てて学びの選択肢を狭めなければ、可能性は広がっていることを伝えていきたいですね。(構成/柿崎明子)〇真下峯子(ましも・みねこ)昭和女子大学付属昭和中学校・高等学校校長。埼玉県生まれ。奈良女子大学理学部卒業。埼玉県に理科の教員として赴任。埼玉県立川越女子高等学校教頭、埼玉県立総合教育センター指導主事、大妻嵐山中学校・高等学校校長などを経て2020年から現職』、「女子の選択の幅を狭めているのは数学や理科です。でも、女子は苦手と思い込んでいるだけ。中高の数学や理科は、コツコツやればできるんです」、「女の子のコツコツやる特性は、実は研究向き。アイデアや発想は男子が勝っているといわれますが、そんなことはありません。研究を続けていれば、新しい着眼点が出てきます。何もないところから、発見はできません」、「今後の課題は・・・工学系にも興味をもってくれればいいな、と」、「生徒には「今がチャンスだよ」と、話しています。「女の子だから」という思い込みを捨てて学びの選択肢を狭めなければ、可能性は広がっていることを伝えていきたいですね」、今後の展開を大いに期待したい。
タグ:女性活躍 (その27)(3人の女性首相が世界に示した 「辞めたい」と言える勇気、「女の子だからできない」じゃなく「やってみたらできた」へ 昭和女子中高の女性校長が語る“理系教育”、「カエル好きのお姉さん」が昭和女子中高の校長になるまで 理系教育への情熱の“根っこ”とは) Newsweek日本版 イモジェン・ウェストナイツ氏による「3人の女性首相が世界に示した、「辞めたい」と言える勇気」 「最初は1月、2017年からニュージーランドの首相を務めていたジャシンダ・アーダーン」、「次いで2月には、スコットランド自治政府の首相を8年以上務めたニコラ・スタージョン」、「4月初めには、フィンランド首相のサンナ・マリンが総選挙に敗れて辞意を表明」、「よほどの失言でもない限り、政治家が自ら身を引く本当の理由を知るのは難しい。だが3人は驚くほど率直に、辞める理由を語っている」、3人の女性「首相」が相次いで辞任したとは、偶然の一致にしても不思議だ。相互に影響を与え合っていたのだろうか。 「要するに「燃え尽きた」ということだが、職を辞す政治家がこうも率直に、それを口にしたのはたぶん前代未聞。ああ、そうした私的なことを誰もが口にできる時代が来たのか、と思いたいところだ。 でも違う。この3人が注目されたのは、働きすぎはいけないと誰もが気付き始めたからじゃない。3人とも女性だったからだ」、 「高い地位に就いている女性ほど仕事の過酷さを進んで認め、それ故に燃え尽きるリスクがあると正直に言えるのかもしれない。 あるいは、一般論として女性のほうが心の健康に敏感で、それについてオープンに語れるということか・・・女性が指導的な立場に就くと、家庭と仕事をきちんと両立させるよう求められるのが常だ・・・それがプレッシャーになって、仕事を辞める女性もいる。 そもそも、政治家と人間の両立は難しいのかもしれない」、「「私は人間。政治家も人間。私たちは可能な限り全力を尽くす。でも限界が来る」。アーダーンは辞意表明の演説でそう言った。スタージョンも基本的に同じことを言った」、なうほど。 「疲れ果て、自分の地位の重責に押しつぶされそうな人物に、重要な物事の判断を委ねるのが得策とは思えない。 残念ながら、大多数の(ええ、とりわけ男性の)政治家には、そんなふうに自分の限界に気付く機会はなさそうだ。たぶん、そういう機会を持ちたいと思ってもいない。 自分の限界を知るのは大事なことだ。もう首相の重責に耐えられないと思ったら、正直にそう告げる。国のためには、それがベストな選択だろう』、同感である。 AERAdot「「女の子だからできない」じゃなく「やってみたらできた」へ 昭和女子中高の女性校長が語る“理系教育”」 昭和女子大学付属昭和中高の真下峯子校長 「スーパーサイエンスコースの特徴は」、「1年次から実験や研究を重視し、サイエンスの学びをトレーニングします。その蓄えた力をもって、中3の後半からテーマを決めて研究に入ります。ある生徒は、「メダカの記憶の維持」というテーマを設定しました。観察のための実験装置を作って、いつのタイミングで測ればいいのか、試行錯誤しながらいろいろな条件で観察を続けました」、 「実験は、そううまくいくものではありません。100失敗して、1つ成功すればいいほう。世の中で脚光を浴びている研究の基には、失敗が山ほどあります。科学とはそういうものです。実験を繰り返し、結果が出るまでやることで、うまくいかなくてもへこたれない力がつきます。 実はその力は汎用性が高くて、社会に出て困難にぶつかったときに役にたちます」、 「実験を繰り返し、結果が出るまでやることで、うまくいかなくてもへこたれない力がつきます」、その通りだが、うまくいくよう過剰なアドバイスをしないよう抑制するのも、我慢が必要なようだ。 「高2までに卒業のための必要単位を取り、高3から昭和女子大で学ぶ「五修生制度」を取り入れています」、「今年は6人、昨年は8人がこの制度を利用しました。先日面談したある生徒は国際的な公認会計士を目指しており、高3の1年間の余裕をその勉強にあてたいと考え制度を利用したと話していました」、「高大連携は、他大学にも広がっています。 A:生徒たちの進路選択を広げるために、昭和女子大にないコンテンツを持っている大学との連携をしていこうと、働きかけています。現在は東京理科大、早稲田大、芝浦工業大、東京農工大、お茶の水女子大に協力していただいています」、なかなかいい制度のようだ。 「お隣がブリティッシュスクールという、物理的に非常に恵まれた環境にあります・・・今はグローバル留学コースや本科コースの生徒とブリティッシュの生徒が、1週間ほど授業をエクスチェンジしたり、SSコースの生徒があちらの理科の授業を受けたりしています。当然英語での授業なので、サイエンスに英語という武器が加わります・・・授業以外にも、地球環境を守るための活動をしたりブックトークをしたりと、できるだけいろいろなことを一緒にやる方向で動いています」、 「生徒たちは「ブリティッシュスクールの子たちは同年代なのにとても教養が高い」と、良い刺激を受けていますね。 グローバル留学コースは、高1のときに1年間カナダへ留学するのが必須となっています。帰国して国際系の大学を目指す生徒が多いですが、なかには海外の医学部に行きたいという生徒もいます。サイエンスコースの生徒に影響されたのでしょう。お互いに刺激し合って、進路が広がっていると感じます」、「お互いに刺激し合って、進路が広がっている」、なかなかいいことだ。 AERAdot「「カエル好きのお姉さん」が昭和女子中高の校長になるまで 理系教育への情熱の“根っこ”とは」 「真下峯子校長。その情熱の根っこは、幼いころの植物や動物への関心にあった」、とは興味深そうだ。 「小学生のころから、植物や動物が好きでしたね。自然の現象について、母親にいつも「どうして、どうして」と聞いていました。母親の影響も大きくて、夏休みの自由研究を一緒にやっていました」、「小学3年生の担任が理科の専門の先生で、自分の研究についていろいろ話してくれ、ますます理科に興味を持つようになりました」、 「高校の生物の発生の授業で、カエルの卵の原口背唇部という部位が中に入り込んで神経になると教わり、何でそうなるのか不思議でしょうがなかったんです。 今でいうiPS細胞なんですね。運命が決まっていない細胞が、何かのきっかけで髪の毛や皮膚になる。その仕組みが不思議で、もっと勉強したいと生物学科に進みました」、「私1人だと担当した生徒だけにしか理科の面白さを伝えられない。もっと大勢の子どもたちに伝えるために、私と同じような考えを持ってくれる先生を育てればいいと気が付いたんです。 そこで管理職の試験を受け、埼玉県立総合教育センターの指導主事になりました」、「私と同じような考えを持ってくれる先生を育てればいいと気が付いた」とはさすがだ。 「女子の選択の幅を狭めているのは数学や理科です。でも、女子は苦手と思い込んでいるだけ。中高の数学や理科は、コツコツやればできるんです」、「女の子のコツコツやる特性は、実は研究向き。アイデアや発想は男子が勝っているといわれますが、そんなことはありません。研究を続けていれば、新しい着眼点が出てきます。何もないところから、発見はできません」、 「今後の課題は・・・工学系にも興味をもってくれればいいな、と」、「生徒には「今がチャンスだよ」と、話しています。「女の子だから」という思い込みを捨てて学びの選択肢を狭めなければ、可能性は広がっていることを伝えていきたいですね」、今後の展開を大いに期待したい。
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