安心・安全(その2)(交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵、大前研一「電動キックボードは危険すぎる」…世界の潮流に逆らう道交法改正のウラ側 パリでは9割が反対なのに日本では規制緩和) [社会]
安心・安全については、2021年12月10日に取上げたままだった。今日は、(その2)(交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵、大前研一「電動キックボードは危険すぎる」…世界の潮流に逆らう道交法改正のウラ側 パリでは9割が反対なのに日本では規制緩和)である。
先ずは、昨年2月4日付け東洋経済オンラインが掲載した住生活ジャーナリストの田中 直輝氏による「交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/507831
・『住まいは人の暮らしの中心となる最も重要な場所であり、だからこそ本来は安全・安心なものであるべきだ。しかし、現実には安全・安心への対策が十分でないために、命を落とす出来事が発生するなど、数多くの危険が潜む残念な状況がある。 本稿では、各種数字を比較しながらその危険性について明らかにするとともに、なぜ住宅に危険があるのか、事故が減らないのはなぜなのか、さらに現在、対策としてどのような取り組みが行われようとしているのかについて紹介する。頻出のテーマではあるが、寒い時期にヒートショックが増えることから改めて記事化する』、興味深そうだ。
・『交通事故死は減少傾向 本稿において重視したいのは「住宅(家庭)内の不慮の事故」による死亡者数であるが、残念ながら2020年については厚生労働省の「人口動態統計」による詳細な数字は、本稿作成時にはまだ公表されていない。そこで、明らかにされている2019年のデータを紹介しておくと1万3800人となっていた。この数字はここ数年高止まりしている。 一方、交通事故での死亡者数は3215人(2019年)。住宅内の死亡者数は交通事故と比べ4倍超になっている。また、2020年の交通事故による死亡者数は2839人で、統計を開始して以来、最少で、初めて3000人を下回ったという。これは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が強く影響したものだと考えられる。 参考までに、2020年に日本国内で新型コロナ感染により死亡した人の数は、交通事故による死者数より多い3459人(厚生労働省オープンデータ)となっている。さらに、2021年のコロナ感染による死亡者数は約1万5000人(同)となり、2019年の住宅内の事故死亡者数はそれに匹敵するものとなる。 これらから住宅内での事故死者数の多さと、住まいに数多くの危険が潜んでいることを、何となくイメージでき、問題の深刻さを理解していただけると思う。 では、住宅内における死亡事故の要因はどうなっているのだろうか。それを理解しておくことで、なぜ住宅内の事故死が多いのかを理解する一助になる。) 2019年の住宅内の不慮の事故死者数1万3800人の内訳は、多い順に「溺死及び溺水」(5673人)、「窒息」(3187人)、「転倒・転落・墜落」(2394人)となっている。 このうち「溺死及び溺水」の要因の1つに「ヒートショック」がある。これは暖かな空間から寒い空間に移動した際、急激な温度変化により血圧が乱高下し脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことをいう。 断熱性の低い住宅の場合、冬期には脱衣所が氷点下近くになることがある。お風呂のお湯との温度差は40℃くらいで、この大きな温度差がヒートショックを招き、浴槽内で意識を失ったりして溺死するというのが発生要因の1つだ。 住まいの断熱性能には窓が重要な役割を担う。 余談だが、この手のテーマはすでに何度もメディアを賑わせており、読者の方々も目にされたことがあるだろう。 とくに今のような寒さが厳しい時期にヒートショックが多くなることから、ハウスメーカーやリフォーム事業者もこの時期に「おうちの断熱性能を高めませんか」などという提案を強化するし、メディアにもそれに関連する話題が増えるわけだ。つまり、決して目新しい話題ではない』、「住宅(家庭)内の不慮の事故」による死亡者数」は「2019年のデータを紹介しておくと1万3800人・・・一方、交通事故での死亡者数は3215人(2019年)。住宅内の死亡者数は交通事故と比べ4倍超に」、「2019年の住宅内の不慮の事故死者数1万3800人の内訳は、多い順に「溺死及び溺水」(5673人)、「窒息」(3187人)、「転倒・転落・墜落」(2394人)となっている。 このうち「溺死及び溺水」の要因の1つに「ヒートショック」がある。これは暖かな空間から寒い空間に移動した際、急激な温度変化により血圧が乱高下し脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことをいう」、なるほど。
・『全体の30%を占める無断熱住宅 裏を返せば、それだけ日本には断熱性能が低い住宅が数多く存在するということで問題の深刻さを表している。国土交通省によると、日本にある住宅(約5000万戸)のうち、「無断熱」住宅が約1500万戸(30%)を占めるという。 そのほとんどが1985年以前の住宅、つまり築40年以上経過したものであり、当然ながら冬期の室内は非常に寒くなる。そこで暮らす多くの人たちが高齢者であると推察され、ヒートショックによる体の異変にさらされる可能性があるわけだ。 40年以上が経過した住宅では、「転倒・転落」の危険性も高い。同じフロア内でも段差があり、階段が急なことが多く、足腰が衰え、骨が弱くなったお年寄りの場合、わずかな段差でつまずき大けがになることがある。ましてや階段から転げ落ちたら命を落とすことにつながる。 さて、住宅内の事故死者数が多い理由に、事故を防止するためのソリューションが導入される機会が非常に少ないことがあると、筆者は考えている。それを理解していただくためには、住宅と自動車の比較がわかりやすいだろう。) 交通事故での死亡者数は年々減少しており、2021年は2636人と過去最少になった。減少の理由はさまざまあるが、その要因の1つに次々に導入される安全装置や機能の恩恵を受けやすいということがあるだろう。 自動車検査登録情報協会によると、日本における乗用車の平均使用年数が13.87年、平均車齢(新車登録してからの経過年数)が8.84年(いずれも2021年)としている。一方、住宅の場合は正確な統計はないが、平均耐用年数は一般的に30年程度とされている。 持ち家の場合には「一生で最も高額な買い物」となるため、自動車を買い換えるほどの住み替えの機会、それによるソリューションの導入機会が少なくなるわけだ。当然ながら、住み替えが進まないのはコストの問題がシビアだからだ。 断熱リフォームを実施する場合は大規模な工事となり、費用は安くても数百万円になる。ましてや新築なら数千万円単位になるため、次々に住み替えをしたり新しい機能を積極的に入れることはかなり難しい。 こうした住宅ならではの事情が、住宅内での死亡者数が減らない要因の1つとなっているわけだが、住宅にもソリューションがないわけでは決してない。例えば、断熱リフォームでは低コスト、かつ短工期の仕組みもある』、「断熱リフォームを実施する場合は大規模な工事となり、費用は安くても数百万円になる。ましてや新築なら数千万円単位になるため、次々に住み替えをしたり新しい機能を積極的に入れることはかなり難しい。 こうした住宅ならではの事情が、住宅内での死亡者数が減らない要因の1つとなっているわけだが、住宅にもソリューションがないわけでは決してない。例えば、断熱リフォームでは低コスト、かつ短工期の仕組みもある」、なるほど。
・『ソリューションも登場しているが… 具体的には、開口部(窓など)は熱の移動が最も大きく断熱に影響が大きい箇所だが、ヒートショックが懸念される居室に限定して二重窓にするというものだ。壁を壊さずにすむなどのメリットもある。 前述した住宅内事故死の発生要因の1つである「窒息」については、例えば乳幼児がおもちゃや電池など誤飲し亡くなるというケースがある。これについても整理整頓を促す収納の工夫で、事故発生を未然に防ぐ提案を行っている住宅事業者がいる。 「転落」についても、子どもの犠牲が多い箇所。ベランダのフェンスを乗り越えることで発生することから、乗り越えにくい高さと握りにくい柵のフェンスを設置するなどで、安全性に配慮したものもある。 浴室では、子どもが目を離した隙に浴室に入り犠牲になるといった事故が発生している。これを防ぐために浴室のドアにカギを設置することが最近のユニットバスでは一般的になっている。 このほか、熱湯によるやけどや滑りやすいタイル上での転倒、打撲など、さまざまな危険が潜んでいるとされており、浴室は高齢者や乳幼児のいる世帯では安全のための配慮が求められる箇所といえそうだ。) 住宅内での事故による死亡者数以上に深刻なことは、死亡には至らないものの、近い将来死亡につながる、あるいは体に深刻な後遺症が残る事故が住宅内で日常茶飯事に起こっている可能性があることだ。 東京消防庁がまとめた「救急搬送データからみる日常生活事故の実態(2019年)」によると、都内で救急搬送された14万4767人のうち、5割強の7万4677人が「住居等居住場所」での事故によるものだったとしている。 この資料には発生要因が明示されていないが、例えば高齢者が脳内出血や大動脈解、心筋梗塞、脳梗塞などを発症した場合、その後の生活が不自由なものになることは想像にかたくない。 住宅の安全・安心に関するソリューションは事故が発生してから導入される、つまり後手に回り対処療法的になりがちなのも問題点の1つと言えるだろう』、「東京消防庁がまとめた「救急搬送データからみる日常生活事故の実態(2019年)」によると、都内で救急搬送された14万4767人のうち、5割強の7万4677人が「住居等居住場所」での事故によるものだったとしている。 この資料には発生要因が明示されていないが、例えば高齢者が脳内出血や大動脈解、心筋梗塞、脳梗塞などを発症した場合、その後の生活が不自由なものになることは想像にかたくない。 住宅の安全・安心に関するソリューションは事故が発生してから導入される、つまり後手に回り対処療法的になりがちなのも問題点の1つと言えるだろう」、なるほど。
・『新築でも多い安全配慮に欠けた住宅 では、住宅内での事故・事故死者数の減少に向けた抜本的な取り組みについて、最後に簡単に紹介しておく。その1つに、国や事業者によるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をはじめとする省エネ住宅の普及がある。 省エネ住宅がなぜ安心・安全な暮らしの実現につながるのか疑問に思われる人もいるだろうが、省エネ性能を高めるには建物の断熱性能の強化が必要。無断熱住宅をZEHなどに置き換えることで、少なくともヒートショックが多発する現状を改善できると考えているわけだ。 もう1つ、近年の大きな傾向として、とくに高齢者による住宅内事故の防止策とヒートショック改善の関係について、医療関係者がエビデンス(根拠)を示すケースが増えている状況があげられる。 「餅は餅屋」ではないが、これまで住宅は建設・建築関係、病気やケガは医療関係者(あるいは介護関係者)が問題解決策を探ってきたのだが、それでは問題の解決スピードが遅かった。それが変わりつつあるのだ。 ちなみに、解決策として推奨されているのが、「省エネ住宅+24時間全館空調システム」を導入すること。要は、高い断熱性とどの場所にいてもほぼ一定温度の住空間を実現することが重要というわけだ。 いずれにせよ、国や良心的な住宅事業者が住宅内事故・事故死が多いことに危機感を抱いているのは事実である。その一方で、例えば、急な傾斜の階段が設置されるなど、安全性への配慮に欠けた住宅を供給する事業者もいまだ存在するのは残念な現実である』、「省エネ性能を高めるには建物の断熱性能の強化が必要。無断熱住宅をZEHなどに置き換えることで、少なくともヒートショックが多発する現状を改善できると考えているわけだ。 もう1つ、近年の大きな傾向として、とくに高齢者による住宅内事故の防止策とヒートショック改善の関係について、医療関係者がエビデンス(根拠)を示すケースが増えている状況があげられる・・・解決策として推奨されているのが、「省エネ住宅+24時間全館空調システム」を導入すること。要は、高い断熱性とどの場所にいてもほぼ一定温度の住空間を実現することが重要というわけだ』、なるほど。
次に、8月31日付けプレジデント 2023年9月15日号が掲載しtビジネス・ブレークスルー大学学長の大前 研一氏による「大前研一「電動キックボードは危険すぎる」…世界の潮流に逆らう道交法改正のウラ側 パリでは9割が反対なのに日本では規制緩和」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/73125
・『世界の流れに逆らう不可解な規制緩和 電動キックボードの規制緩和で、街の交通が混乱に陥っている。善良な市民が安全に街を往来できるよう、できるだけ早く現行ルールを見直すべきだ。 電動キックボードに規制緩和をもたらした改正道路交通法は、2023年7月1日から施行されている。従来、電動キックボードの走行は車道に限られ、運転には自動車の運転免許証所持やヘルメットの装着が必須だった。 しかし法改正によって、国土交通省が定める規格を満たした電動キックボードであれば、運転には免許が不要に。制限速度は時速30キロメートルから20キロメートル(歩道は6キロメートル)に規制強化されたものの、16歳以上であれば誰でも電動キックボードの運転が可能になった。ヘルメットの装着は罰則なしの努力義務と化し、歩道でさえ走行可能となり、電動キックボードの普及に大きく与するような法改正である。 街中を見渡すと、交通法規に反した電動キックボードの乗り方をしている利用者がかなり目立つ。事実、都内では7月だけで352件もの交通違反が取り締まりを受けた。電動キックボードが関係する人身事故はすでに8件生起しており、これでは悲劇的な事故が起きるのも時間の問題だ。) 法改正の背景には、電動キックボードのシェアリングサービスを提供する企業「Luup」のロビー活動がある。 シェアサイクルのように、小型モビリティのシェアリングサービスを認めて車の利用を減らすこと自体は、社会にとっていいことである。 しかし、安全とのバランスを欠いた形で電動モビリティのシェアリングサービスを推し進めると、反発を招いてかえって普及が妨げられる。 実際、23年4月にパリで実施された住民投票では、約9割の住民が電動キックボードのシェアリングサービスに「反対」の意思を示した。 フランス政府も国民の電動キックボードへの反発を重く受け止めており、交通違反の罰金額を引き上げるなど、規制強化策を発表している。一方日本は、フランスという格好の先行事例があるにもかかわらず、規制緩和に突っ走っている。正気の沙汰ではない』、「フランス政府も国民の電動キックボードへの反発を重く受け止めており、交通違反の罰金額を引き上げるなど、規制強化策を発表している。一方日本は、フランスという格好の先行事例があるにもかかわらず、規制緩和に突っ走っている。正気の沙汰ではない」、「日本」では誰が後押ししているのだろう。
・『運転免許を必須にするべき では、どうすれば電動キックボードの安全性を担保できるのか。自動車の交通ルールを知らない人が乗ると危険なので、まずは運転免許を必須にするべき。ヘルメットの装着も任意ではなく、バイクに準じて義務化するべきだ。 免許は道路交通法を学ぶという点で、50㏄以下の原動機付自転車を運転できる原付免許さえ持っていればよい。それなら16歳から運転できる。そして、実際の運転も原付に準じるべきだ。 法改正して以来、歩道での運転が目につくが、特に高齢者にぶつかったら悲惨な事故につながる。また、一方通行の道路を(自転車と同じように)反対側から入ってくるが、これも危ない。歩行者にとってはハッとさせられる危険な走行になる。走行ルールを自転車並みにしてしまうと、酒気帯び運転等に対する規制が曖昧なので、むしろバイク並みに規則を厳格化し、法令遵守を徹底させるべきだった。 例えば、自動車の危険運転致死傷罪は、幼い姉妹が命を落とした東名高速の飲酒運転事故がきっかけで制定された。同様の事故が起きてからでは遅い。大事故が起こってからではなく、未然に防ぐために、早急な見直しが必要だ。 電動キックボードの規制強化は必須。しかし、そもそもその前に手をつけるべきモビリティがある。自転車だ。 自転車は便利な乗り物で、地球環境にも健康にもいい。ところが、ルールがおかしかったり、徹底されていなかったりで、危険な乗り物と化している。 自転車は、車道を走るのが原則である。道路標識で許されていたり、交通状況でやむをえない場合は歩道を走るが、その際も歩行者が優先だ。しかし、ルールを忠実に守っている自転車の利用者を見たことがない。 安全の意識が低いのは自転車の乗り手ばかりではない。車道に自転車レーンが設けられているところがあるが、そこに平気で自動車を駐車する人がいる。駐車車両があると、自転車は車道側に逸れて避けることになり、後続車両の確認で頻繁に背後を見る必要がある。これはかなり危なっかしい。 歩道についている自転車レーンも安全とはいえない。色まで変えて自転車レーンであることを示しても、そこを歩道感覚で普通に歩く歩行者が多い。 まずは、自転車のルールを明確にすべきなのだ。自転車は軽車両という「クルマ」なのだから、原則的には車道の走行を徹底したほうがいい。例外をつくるのは、子どもを前後に乗せてゆっくり走っている自転車くらいでよい。 ルールを自転車の乗り手だけでなく、自動車のドライバーや歩行者に周知することも大切である。自転車側がいくらルールを守ろうとしても、自動車や歩行者がそれを無視していると、結局、自転車も危険を避けるためにルールを逸脱せざるをえなくなる。社会全体で自転車のルールを共有してこそ、安全な交通が実現するのだ』、「まずは、自転車のルールを明確にすべきなのだ。自転車は軽車両という「クルマ」なのだから、原則的には車道の走行を徹底したほうがいい。例外をつくるのは、子どもを前後に乗せてゆっくり走っている自転車くらいでよい。 ルールを自転車の乗り手だけでなく、自動車のドライバーや歩行者に周知することも大切である・・・社会全体で自転車のルールを共有してこそ、安全な交通が実現するのだ」、なるほど。
・『路上喫煙を撲滅した「千代田区方式」が参考に ルールを定着させるやり方は、路上喫煙を撲滅した「千代田区方式」が参考になる。千代田区は当初、路上喫煙をしないようにマナーの向上を訴えたが、改善が見られなかった。そこで、全国に先駆けて「生活環境条例」を制定し、指定地区での路上喫煙やポイ捨てに過料を科した。 その結果、住民やオフィスワーカーが路上喫煙する姿はほぼ見かけなくなった。この状態になるまで、条例制定から10年はかかっている。ルールの定着を受けて、千代田区は「マナーから、ルールへ。そしてマナーへ」という標語を掲げて、マナー回帰に動き出した。罰則なしで路上喫煙の禁止ができるなら、それに越したことはない。 自転車のルールも同様だ。まずはルールを明確にして、違反者は容赦なく取り締まる。ルールが浸透するまで時間はかかるだろうが、定着すればそれから規制緩和していけばよい。 同時に自転車用のインフラ整備も必要だ。自転車の普及率が非常に高い「自転車王国」であるオランダやデンマークに行くと、自転車レーンの広さに驚く。幅は車道でいうと1車線くらいあって、もはや歩道のほうが狭い。 もちろん自転車レーンに自動車を駐車する人はいないし、歩行者も歩いていない。オランダとデンマークの共通点は、山がなくて平らな土地が広がっていること。自転車移動にもってこいだ。幼いころから自転車が身近にあって、ルールをよく教育されているから、ドライバーや歩行者も協力的だ。 インフラ整備やルール教育も含め、自転車に関してはオランダとデンマークから学べるものは多い。特に平地が広がっている東京都などの都市圏はまるごとオランダ式を導入すると、住みやすい街になるに違いない』、「インフラ整備やルール教育も含め、自転車に関してはオランダとデンマークから学べるものは多い。特に平地が広がっている東京都などの都市圏はまるごとオランダ式を導入すると、住みやすい街になるに違いない」、同感である。
・『交通違反の取り締まりがそもそもいい加減だ そもそも、日本の道路交通法の取り締まりには不可解な点が多すぎる。 たとえば、自動車の一時停止違反。交差点手前の一時停止線が、左右の見通しが悪い箇所に引かれている。警察は罠にかかる獲物を待つかのように、交差点から見えないところで、一時停止違反を厳しく取り締まっている。私の実体験だが、確実に一時停止してから交差点に進んだのにもかかわらず、警察官に車を止められたことがある。私が確実に止まったことを抗議すると、「よく見えなかった」と言い訳をしてきて、切符を切ることをあきらめた。 速度超過違反の取り締まりも、実態はかなり適当だ。以前知人から、「自動車やバイクの速度超過は、測定区間が200メートル以上ないと無効」と教えてもらったことがある。知人が言うには、速度超過違反の疑いでパトカーに車を止められたとき、警察官に「200メートルの証拠はあるか?」と聞くと、大概バツが悪そうに退散していくそうだ。 「制限速度のプラス15キロまでなら捕まらない」などと言ってスピードを出す人は少なくないだろうから、警察官は指摘すれば手軽に捕まえられると思っている。結局、警察官は点数稼ぎのために、自分のさじ加減で交通違反を取り締まっているのだ。取り締まるほうがいい加減なのだから、自転車やLUUPの利用者も交通ルールにいい加減だともいえる。まずは取り締まりのあり方を根本的に見直すべきだ。 23年7月、政府は物流の2024年問題――残業規制強化で引き起こされるドライバー不足――に対応するため、高速道路を走るトラックの制限速度を現行の時速80キロメートルから100キロメートルへ引き上げる方針を示した。安全のために設定される制限速度は、現場ごとの状況に合わせてルールが作られている。それなのに、こともあろうか安全性の検証を飛ばして、政治家の「鶴の一声」でルールを変えようとしているのだ。 トラックの制限速度の規制緩和は、経済産業省の猛プッシュがあった電動キックボード推進と情景が被る。 私は散歩を日課としている。いままではルール無視の自転車に脅かされてきたが、最近は電動キックボードにハッとすることが多い。このようなありさまなので、散歩にはクルマ通りの少ない狭い道を選ばざるをえない。同じような思いをしている人が、ほかにもたくさんいるはずだ。モビリティに関しては、第一に安全性を犠牲にしてはならないことを肝に銘じてほしい』、「こともあろうか安全性の検証を飛ばして、政治家の「鶴の一声」でルールを変えようとしているのだ。 トラックの制限速度の規制緩和は、経済産業省の猛プッシュがあった電動キックボード推進と情景が被る」、規制する以上、科学的な根拠が必要な筈だ。「「自動車やバイクの速度超過は、測定区間が200メートル以上ないと無効」と教えてもらったことがある」、これは2点間で速度を図るネズミ捕りで、自動取締装置のオービスでは瞬時で快速可能だ。「日本の道路交通法の取り締まりには不可解な点が多すぎる。 たとえば、自動車の一時停止違反。交差点手前の一時停止線が、左右の見通しが悪い箇所に引かれている。警察は罠にかかる獲物を待つかのように、交差点から見えないところで、一時停止違反を厳しく取り締まっている」、は大いに問題だ。大前氏の主張には、全面的に同意できる。
先ずは、昨年2月4日付け東洋経済オンラインが掲載した住生活ジャーナリストの田中 直輝氏による「交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/507831
・『住まいは人の暮らしの中心となる最も重要な場所であり、だからこそ本来は安全・安心なものであるべきだ。しかし、現実には安全・安心への対策が十分でないために、命を落とす出来事が発生するなど、数多くの危険が潜む残念な状況がある。 本稿では、各種数字を比較しながらその危険性について明らかにするとともに、なぜ住宅に危険があるのか、事故が減らないのはなぜなのか、さらに現在、対策としてどのような取り組みが行われようとしているのかについて紹介する。頻出のテーマではあるが、寒い時期にヒートショックが増えることから改めて記事化する』、興味深そうだ。
・『交通事故死は減少傾向 本稿において重視したいのは「住宅(家庭)内の不慮の事故」による死亡者数であるが、残念ながら2020年については厚生労働省の「人口動態統計」による詳細な数字は、本稿作成時にはまだ公表されていない。そこで、明らかにされている2019年のデータを紹介しておくと1万3800人となっていた。この数字はここ数年高止まりしている。 一方、交通事故での死亡者数は3215人(2019年)。住宅内の死亡者数は交通事故と比べ4倍超になっている。また、2020年の交通事故による死亡者数は2839人で、統計を開始して以来、最少で、初めて3000人を下回ったという。これは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が強く影響したものだと考えられる。 参考までに、2020年に日本国内で新型コロナ感染により死亡した人の数は、交通事故による死者数より多い3459人(厚生労働省オープンデータ)となっている。さらに、2021年のコロナ感染による死亡者数は約1万5000人(同)となり、2019年の住宅内の事故死亡者数はそれに匹敵するものとなる。 これらから住宅内での事故死者数の多さと、住まいに数多くの危険が潜んでいることを、何となくイメージでき、問題の深刻さを理解していただけると思う。 では、住宅内における死亡事故の要因はどうなっているのだろうか。それを理解しておくことで、なぜ住宅内の事故死が多いのかを理解する一助になる。) 2019年の住宅内の不慮の事故死者数1万3800人の内訳は、多い順に「溺死及び溺水」(5673人)、「窒息」(3187人)、「転倒・転落・墜落」(2394人)となっている。 このうち「溺死及び溺水」の要因の1つに「ヒートショック」がある。これは暖かな空間から寒い空間に移動した際、急激な温度変化により血圧が乱高下し脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことをいう。 断熱性の低い住宅の場合、冬期には脱衣所が氷点下近くになることがある。お風呂のお湯との温度差は40℃くらいで、この大きな温度差がヒートショックを招き、浴槽内で意識を失ったりして溺死するというのが発生要因の1つだ。 住まいの断熱性能には窓が重要な役割を担う。 余談だが、この手のテーマはすでに何度もメディアを賑わせており、読者の方々も目にされたことがあるだろう。 とくに今のような寒さが厳しい時期にヒートショックが多くなることから、ハウスメーカーやリフォーム事業者もこの時期に「おうちの断熱性能を高めませんか」などという提案を強化するし、メディアにもそれに関連する話題が増えるわけだ。つまり、決して目新しい話題ではない』、「住宅(家庭)内の不慮の事故」による死亡者数」は「2019年のデータを紹介しておくと1万3800人・・・一方、交通事故での死亡者数は3215人(2019年)。住宅内の死亡者数は交通事故と比べ4倍超に」、「2019年の住宅内の不慮の事故死者数1万3800人の内訳は、多い順に「溺死及び溺水」(5673人)、「窒息」(3187人)、「転倒・転落・墜落」(2394人)となっている。 このうち「溺死及び溺水」の要因の1つに「ヒートショック」がある。これは暖かな空間から寒い空間に移動した際、急激な温度変化により血圧が乱高下し脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことをいう」、なるほど。
・『全体の30%を占める無断熱住宅 裏を返せば、それだけ日本には断熱性能が低い住宅が数多く存在するということで問題の深刻さを表している。国土交通省によると、日本にある住宅(約5000万戸)のうち、「無断熱」住宅が約1500万戸(30%)を占めるという。 そのほとんどが1985年以前の住宅、つまり築40年以上経過したものであり、当然ながら冬期の室内は非常に寒くなる。そこで暮らす多くの人たちが高齢者であると推察され、ヒートショックによる体の異変にさらされる可能性があるわけだ。 40年以上が経過した住宅では、「転倒・転落」の危険性も高い。同じフロア内でも段差があり、階段が急なことが多く、足腰が衰え、骨が弱くなったお年寄りの場合、わずかな段差でつまずき大けがになることがある。ましてや階段から転げ落ちたら命を落とすことにつながる。 さて、住宅内の事故死者数が多い理由に、事故を防止するためのソリューションが導入される機会が非常に少ないことがあると、筆者は考えている。それを理解していただくためには、住宅と自動車の比較がわかりやすいだろう。) 交通事故での死亡者数は年々減少しており、2021年は2636人と過去最少になった。減少の理由はさまざまあるが、その要因の1つに次々に導入される安全装置や機能の恩恵を受けやすいということがあるだろう。 自動車検査登録情報協会によると、日本における乗用車の平均使用年数が13.87年、平均車齢(新車登録してからの経過年数)が8.84年(いずれも2021年)としている。一方、住宅の場合は正確な統計はないが、平均耐用年数は一般的に30年程度とされている。 持ち家の場合には「一生で最も高額な買い物」となるため、自動車を買い換えるほどの住み替えの機会、それによるソリューションの導入機会が少なくなるわけだ。当然ながら、住み替えが進まないのはコストの問題がシビアだからだ。 断熱リフォームを実施する場合は大規模な工事となり、費用は安くても数百万円になる。ましてや新築なら数千万円単位になるため、次々に住み替えをしたり新しい機能を積極的に入れることはかなり難しい。 こうした住宅ならではの事情が、住宅内での死亡者数が減らない要因の1つとなっているわけだが、住宅にもソリューションがないわけでは決してない。例えば、断熱リフォームでは低コスト、かつ短工期の仕組みもある』、「断熱リフォームを実施する場合は大規模な工事となり、費用は安くても数百万円になる。ましてや新築なら数千万円単位になるため、次々に住み替えをしたり新しい機能を積極的に入れることはかなり難しい。 こうした住宅ならではの事情が、住宅内での死亡者数が減らない要因の1つとなっているわけだが、住宅にもソリューションがないわけでは決してない。例えば、断熱リフォームでは低コスト、かつ短工期の仕組みもある」、なるほど。
・『ソリューションも登場しているが… 具体的には、開口部(窓など)は熱の移動が最も大きく断熱に影響が大きい箇所だが、ヒートショックが懸念される居室に限定して二重窓にするというものだ。壁を壊さずにすむなどのメリットもある。 前述した住宅内事故死の発生要因の1つである「窒息」については、例えば乳幼児がおもちゃや電池など誤飲し亡くなるというケースがある。これについても整理整頓を促す収納の工夫で、事故発生を未然に防ぐ提案を行っている住宅事業者がいる。 「転落」についても、子どもの犠牲が多い箇所。ベランダのフェンスを乗り越えることで発生することから、乗り越えにくい高さと握りにくい柵のフェンスを設置するなどで、安全性に配慮したものもある。 浴室では、子どもが目を離した隙に浴室に入り犠牲になるといった事故が発生している。これを防ぐために浴室のドアにカギを設置することが最近のユニットバスでは一般的になっている。 このほか、熱湯によるやけどや滑りやすいタイル上での転倒、打撲など、さまざまな危険が潜んでいるとされており、浴室は高齢者や乳幼児のいる世帯では安全のための配慮が求められる箇所といえそうだ。) 住宅内での事故による死亡者数以上に深刻なことは、死亡には至らないものの、近い将来死亡につながる、あるいは体に深刻な後遺症が残る事故が住宅内で日常茶飯事に起こっている可能性があることだ。 東京消防庁がまとめた「救急搬送データからみる日常生活事故の実態(2019年)」によると、都内で救急搬送された14万4767人のうち、5割強の7万4677人が「住居等居住場所」での事故によるものだったとしている。 この資料には発生要因が明示されていないが、例えば高齢者が脳内出血や大動脈解、心筋梗塞、脳梗塞などを発症した場合、その後の生活が不自由なものになることは想像にかたくない。 住宅の安全・安心に関するソリューションは事故が発生してから導入される、つまり後手に回り対処療法的になりがちなのも問題点の1つと言えるだろう』、「東京消防庁がまとめた「救急搬送データからみる日常生活事故の実態(2019年)」によると、都内で救急搬送された14万4767人のうち、5割強の7万4677人が「住居等居住場所」での事故によるものだったとしている。 この資料には発生要因が明示されていないが、例えば高齢者が脳内出血や大動脈解、心筋梗塞、脳梗塞などを発症した場合、その後の生活が不自由なものになることは想像にかたくない。 住宅の安全・安心に関するソリューションは事故が発生してから導入される、つまり後手に回り対処療法的になりがちなのも問題点の1つと言えるだろう」、なるほど。
・『新築でも多い安全配慮に欠けた住宅 では、住宅内での事故・事故死者数の減少に向けた抜本的な取り組みについて、最後に簡単に紹介しておく。その1つに、国や事業者によるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をはじめとする省エネ住宅の普及がある。 省エネ住宅がなぜ安心・安全な暮らしの実現につながるのか疑問に思われる人もいるだろうが、省エネ性能を高めるには建物の断熱性能の強化が必要。無断熱住宅をZEHなどに置き換えることで、少なくともヒートショックが多発する現状を改善できると考えているわけだ。 もう1つ、近年の大きな傾向として、とくに高齢者による住宅内事故の防止策とヒートショック改善の関係について、医療関係者がエビデンス(根拠)を示すケースが増えている状況があげられる。 「餅は餅屋」ではないが、これまで住宅は建設・建築関係、病気やケガは医療関係者(あるいは介護関係者)が問題解決策を探ってきたのだが、それでは問題の解決スピードが遅かった。それが変わりつつあるのだ。 ちなみに、解決策として推奨されているのが、「省エネ住宅+24時間全館空調システム」を導入すること。要は、高い断熱性とどの場所にいてもほぼ一定温度の住空間を実現することが重要というわけだ。 いずれにせよ、国や良心的な住宅事業者が住宅内事故・事故死が多いことに危機感を抱いているのは事実である。その一方で、例えば、急な傾斜の階段が設置されるなど、安全性への配慮に欠けた住宅を供給する事業者もいまだ存在するのは残念な現実である』、「省エネ性能を高めるには建物の断熱性能の強化が必要。無断熱住宅をZEHなどに置き換えることで、少なくともヒートショックが多発する現状を改善できると考えているわけだ。 もう1つ、近年の大きな傾向として、とくに高齢者による住宅内事故の防止策とヒートショック改善の関係について、医療関係者がエビデンス(根拠)を示すケースが増えている状況があげられる・・・解決策として推奨されているのが、「省エネ住宅+24時間全館空調システム」を導入すること。要は、高い断熱性とどの場所にいてもほぼ一定温度の住空間を実現することが重要というわけだ』、なるほど。
次に、8月31日付けプレジデント 2023年9月15日号が掲載しtビジネス・ブレークスルー大学学長の大前 研一氏による「大前研一「電動キックボードは危険すぎる」…世界の潮流に逆らう道交法改正のウラ側 パリでは9割が反対なのに日本では規制緩和」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/73125
・『世界の流れに逆らう不可解な規制緩和 電動キックボードの規制緩和で、街の交通が混乱に陥っている。善良な市民が安全に街を往来できるよう、できるだけ早く現行ルールを見直すべきだ。 電動キックボードに規制緩和をもたらした改正道路交通法は、2023年7月1日から施行されている。従来、電動キックボードの走行は車道に限られ、運転には自動車の運転免許証所持やヘルメットの装着が必須だった。 しかし法改正によって、国土交通省が定める規格を満たした電動キックボードであれば、運転には免許が不要に。制限速度は時速30キロメートルから20キロメートル(歩道は6キロメートル)に規制強化されたものの、16歳以上であれば誰でも電動キックボードの運転が可能になった。ヘルメットの装着は罰則なしの努力義務と化し、歩道でさえ走行可能となり、電動キックボードの普及に大きく与するような法改正である。 街中を見渡すと、交通法規に反した電動キックボードの乗り方をしている利用者がかなり目立つ。事実、都内では7月だけで352件もの交通違反が取り締まりを受けた。電動キックボードが関係する人身事故はすでに8件生起しており、これでは悲劇的な事故が起きるのも時間の問題だ。) 法改正の背景には、電動キックボードのシェアリングサービスを提供する企業「Luup」のロビー活動がある。 シェアサイクルのように、小型モビリティのシェアリングサービスを認めて車の利用を減らすこと自体は、社会にとっていいことである。 しかし、安全とのバランスを欠いた形で電動モビリティのシェアリングサービスを推し進めると、反発を招いてかえって普及が妨げられる。 実際、23年4月にパリで実施された住民投票では、約9割の住民が電動キックボードのシェアリングサービスに「反対」の意思を示した。 フランス政府も国民の電動キックボードへの反発を重く受け止めており、交通違反の罰金額を引き上げるなど、規制強化策を発表している。一方日本は、フランスという格好の先行事例があるにもかかわらず、規制緩和に突っ走っている。正気の沙汰ではない』、「フランス政府も国民の電動キックボードへの反発を重く受け止めており、交通違反の罰金額を引き上げるなど、規制強化策を発表している。一方日本は、フランスという格好の先行事例があるにもかかわらず、規制緩和に突っ走っている。正気の沙汰ではない」、「日本」では誰が後押ししているのだろう。
・『運転免許を必須にするべき では、どうすれば電動キックボードの安全性を担保できるのか。自動車の交通ルールを知らない人が乗ると危険なので、まずは運転免許を必須にするべき。ヘルメットの装着も任意ではなく、バイクに準じて義務化するべきだ。 免許は道路交通法を学ぶという点で、50㏄以下の原動機付自転車を運転できる原付免許さえ持っていればよい。それなら16歳から運転できる。そして、実際の運転も原付に準じるべきだ。 法改正して以来、歩道での運転が目につくが、特に高齢者にぶつかったら悲惨な事故につながる。また、一方通行の道路を(自転車と同じように)反対側から入ってくるが、これも危ない。歩行者にとってはハッとさせられる危険な走行になる。走行ルールを自転車並みにしてしまうと、酒気帯び運転等に対する規制が曖昧なので、むしろバイク並みに規則を厳格化し、法令遵守を徹底させるべきだった。 例えば、自動車の危険運転致死傷罪は、幼い姉妹が命を落とした東名高速の飲酒運転事故がきっかけで制定された。同様の事故が起きてからでは遅い。大事故が起こってからではなく、未然に防ぐために、早急な見直しが必要だ。 電動キックボードの規制強化は必須。しかし、そもそもその前に手をつけるべきモビリティがある。自転車だ。 自転車は便利な乗り物で、地球環境にも健康にもいい。ところが、ルールがおかしかったり、徹底されていなかったりで、危険な乗り物と化している。 自転車は、車道を走るのが原則である。道路標識で許されていたり、交通状況でやむをえない場合は歩道を走るが、その際も歩行者が優先だ。しかし、ルールを忠実に守っている自転車の利用者を見たことがない。 安全の意識が低いのは自転車の乗り手ばかりではない。車道に自転車レーンが設けられているところがあるが、そこに平気で自動車を駐車する人がいる。駐車車両があると、自転車は車道側に逸れて避けることになり、後続車両の確認で頻繁に背後を見る必要がある。これはかなり危なっかしい。 歩道についている自転車レーンも安全とはいえない。色まで変えて自転車レーンであることを示しても、そこを歩道感覚で普通に歩く歩行者が多い。 まずは、自転車のルールを明確にすべきなのだ。自転車は軽車両という「クルマ」なのだから、原則的には車道の走行を徹底したほうがいい。例外をつくるのは、子どもを前後に乗せてゆっくり走っている自転車くらいでよい。 ルールを自転車の乗り手だけでなく、自動車のドライバーや歩行者に周知することも大切である。自転車側がいくらルールを守ろうとしても、自動車や歩行者がそれを無視していると、結局、自転車も危険を避けるためにルールを逸脱せざるをえなくなる。社会全体で自転車のルールを共有してこそ、安全な交通が実現するのだ』、「まずは、自転車のルールを明確にすべきなのだ。自転車は軽車両という「クルマ」なのだから、原則的には車道の走行を徹底したほうがいい。例外をつくるのは、子どもを前後に乗せてゆっくり走っている自転車くらいでよい。 ルールを自転車の乗り手だけでなく、自動車のドライバーや歩行者に周知することも大切である・・・社会全体で自転車のルールを共有してこそ、安全な交通が実現するのだ」、なるほど。
・『路上喫煙を撲滅した「千代田区方式」が参考に ルールを定着させるやり方は、路上喫煙を撲滅した「千代田区方式」が参考になる。千代田区は当初、路上喫煙をしないようにマナーの向上を訴えたが、改善が見られなかった。そこで、全国に先駆けて「生活環境条例」を制定し、指定地区での路上喫煙やポイ捨てに過料を科した。 その結果、住民やオフィスワーカーが路上喫煙する姿はほぼ見かけなくなった。この状態になるまで、条例制定から10年はかかっている。ルールの定着を受けて、千代田区は「マナーから、ルールへ。そしてマナーへ」という標語を掲げて、マナー回帰に動き出した。罰則なしで路上喫煙の禁止ができるなら、それに越したことはない。 自転車のルールも同様だ。まずはルールを明確にして、違反者は容赦なく取り締まる。ルールが浸透するまで時間はかかるだろうが、定着すればそれから規制緩和していけばよい。 同時に自転車用のインフラ整備も必要だ。自転車の普及率が非常に高い「自転車王国」であるオランダやデンマークに行くと、自転車レーンの広さに驚く。幅は車道でいうと1車線くらいあって、もはや歩道のほうが狭い。 もちろん自転車レーンに自動車を駐車する人はいないし、歩行者も歩いていない。オランダとデンマークの共通点は、山がなくて平らな土地が広がっていること。自転車移動にもってこいだ。幼いころから自転車が身近にあって、ルールをよく教育されているから、ドライバーや歩行者も協力的だ。 インフラ整備やルール教育も含め、自転車に関してはオランダとデンマークから学べるものは多い。特に平地が広がっている東京都などの都市圏はまるごとオランダ式を導入すると、住みやすい街になるに違いない』、「インフラ整備やルール教育も含め、自転車に関してはオランダとデンマークから学べるものは多い。特に平地が広がっている東京都などの都市圏はまるごとオランダ式を導入すると、住みやすい街になるに違いない」、同感である。
・『交通違反の取り締まりがそもそもいい加減だ そもそも、日本の道路交通法の取り締まりには不可解な点が多すぎる。 たとえば、自動車の一時停止違反。交差点手前の一時停止線が、左右の見通しが悪い箇所に引かれている。警察は罠にかかる獲物を待つかのように、交差点から見えないところで、一時停止違反を厳しく取り締まっている。私の実体験だが、確実に一時停止してから交差点に進んだのにもかかわらず、警察官に車を止められたことがある。私が確実に止まったことを抗議すると、「よく見えなかった」と言い訳をしてきて、切符を切ることをあきらめた。 速度超過違反の取り締まりも、実態はかなり適当だ。以前知人から、「自動車やバイクの速度超過は、測定区間が200メートル以上ないと無効」と教えてもらったことがある。知人が言うには、速度超過違反の疑いでパトカーに車を止められたとき、警察官に「200メートルの証拠はあるか?」と聞くと、大概バツが悪そうに退散していくそうだ。 「制限速度のプラス15キロまでなら捕まらない」などと言ってスピードを出す人は少なくないだろうから、警察官は指摘すれば手軽に捕まえられると思っている。結局、警察官は点数稼ぎのために、自分のさじ加減で交通違反を取り締まっているのだ。取り締まるほうがいい加減なのだから、自転車やLUUPの利用者も交通ルールにいい加減だともいえる。まずは取り締まりのあり方を根本的に見直すべきだ。 23年7月、政府は物流の2024年問題――残業規制強化で引き起こされるドライバー不足――に対応するため、高速道路を走るトラックの制限速度を現行の時速80キロメートルから100キロメートルへ引き上げる方針を示した。安全のために設定される制限速度は、現場ごとの状況に合わせてルールが作られている。それなのに、こともあろうか安全性の検証を飛ばして、政治家の「鶴の一声」でルールを変えようとしているのだ。 トラックの制限速度の規制緩和は、経済産業省の猛プッシュがあった電動キックボード推進と情景が被る。 私は散歩を日課としている。いままではルール無視の自転車に脅かされてきたが、最近は電動キックボードにハッとすることが多い。このようなありさまなので、散歩にはクルマ通りの少ない狭い道を選ばざるをえない。同じような思いをしている人が、ほかにもたくさんいるはずだ。モビリティに関しては、第一に安全性を犠牲にしてはならないことを肝に銘じてほしい』、「こともあろうか安全性の検証を飛ばして、政治家の「鶴の一声」でルールを変えようとしているのだ。 トラックの制限速度の規制緩和は、経済産業省の猛プッシュがあった電動キックボード推進と情景が被る」、規制する以上、科学的な根拠が必要な筈だ。「「自動車やバイクの速度超過は、測定区間が200メートル以上ないと無効」と教えてもらったことがある」、これは2点間で速度を図るネズミ捕りで、自動取締装置のオービスでは瞬時で快速可能だ。「日本の道路交通法の取り締まりには不可解な点が多すぎる。 たとえば、自動車の一時停止違反。交差点手前の一時停止線が、左右の見通しが悪い箇所に引かれている。警察は罠にかかる獲物を待つかのように、交差点から見えないところで、一時停止違反を厳しく取り締まっている」、は大いに問題だ。大前氏の主張には、全面的に同意できる。
タグ:プレジデント 2023年9月15日号 医療関係者がエビデンス(根拠)を示すケースが増えている状況があげられる・・・解決策として推奨されているのが、「省エネ住宅+24時間全館空調システム」を導入すること。要は、高い断熱性とどの場所にいてもほぼ一定温度の住空間を実現することが重要というわけだ』、なるほど。 「省エネ性能を高めるには建物の断熱性能の強化が必要。無断熱住宅をZEHなどに置き換えることで、少なくともヒートショックが多発する現状を改善できると考えているわけだ。 もう1つ、近年の大きな傾向として、とくに高齢者による住宅内事故の防止策とヒートショック改善の関係について、 「2019年の住宅内の不慮の事故死者数1万3800人の内訳は、多い順に「溺死及び溺水」(5673人)、「窒息」(3187人)、「転倒・転落・墜落」(2394人)となっている。 このうち「溺死及び溺水」の要因の1つに「ヒートショック」がある。これは暖かな空間から寒い空間に移動した際、急激な温度変化により血圧が乱高下し脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことをいう」、なるほど。 「住宅(家庭)内の不慮の事故」による死亡者数」は「2019年のデータを紹介しておくと1万3800人・・・一方、交通事故での死亡者数は3215人(2019年)。住宅内の死亡者数は交通事故と比べ4倍超に」、 田中 直輝氏による「交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵」 たとえば、自動車の一時停止違反。交差点手前の一時停止線が、左右の見通しが悪い箇所に引かれている。警察は罠にかかる獲物を待つかのように、交差点から見えないところで、一時停止違反を厳しく取り締まっている」、は大いに問題だ。大前氏の主張には、全面的に同意できる。 「「自動車やバイクの速度超過は、測定区間が200メートル以上ないと無効」と教えてもらったことがある」、これは2点間で速度を図るネズミ捕りで、自動取締装置のオービスでは瞬時で快速可能だ。「日本の道路交通法の取り締まりには不可解な点が多すぎる。 「まずは、自転車のルールを明確にすべきなのだ。自転車は軽車両という「クルマ」なのだから、原則的には車道の走行を徹底したほうがいい。例外をつくるのは、子どもを前後に乗せてゆっくり走っている自転車くらいでよい。 「こともあろうか安全性の検証を飛ばして、政治家の「鶴の一声」でルールを変えようとしているのだ。 トラックの制限速度の規制緩和は、経済産業省の猛プッシュがあった電動キックボード推進と情景が被る」、規制する以上、科学的な根拠が必要な筈だ。 「インフラ整備やルール教育も含め、自転車に関してはオランダとデンマークから学べるものは多い。特に平地が広がっている東京都などの都市圏はまるごとオランダ式を導入すると、住みやすい街になるに違いない」、同感である。 ルールを自転車の乗り手だけでなく、自動車のドライバーや歩行者に周知することも大切である・・・社会全体で自転車のルールを共有してこそ、安全な交通が実現するのだ」、なるほど。 「フランス政府も国民の電動キックボードへの反発を重く受け止めており、交通違反の罰金額を引き上げるなど、規制強化策を発表している。一方日本は、フランスという格好の先行事例があるにもかかわらず、規制緩和に突っ走っている。正気の沙汰ではない」、「日本」では誰が後押ししているのだろう。 大前研一「電動キックボードは危険すぎる」…世界の潮流に逆らう道交法改正のウラ側 パリでは9割が反対なのに日本では規制緩和」 住宅の安全・安心に関するソリューションは事故が発生してから導入される、つまり後手に回り対処療法的になりがちなのも問題点の1つと言えるだろう」、なるほど。 「東京消防庁がまとめた「救急搬送データからみる日常生活事故の実態(2019年)」によると、都内で救急搬送された14万4767人のうち、5割強の7万4677人が「住居等居住場所」での事故によるものだったとしている。 この資料には発生要因が明示されていないが、例えば高齢者が脳内出血や大動脈解、心筋梗塞、脳梗塞などを発症した場合、その後の生活が不自由なものになることは想像にかたくない。 「断熱リフォームを実施する場合は大規模な工事となり、費用は安くても数百万円になる。ましてや新築なら数千万円単位になるため、次々に住み替えをしたり新しい機能を積極的に入れることはかなり難しい。 こうした住宅ならではの事情が、住宅内での死亡者数が減らない要因の1つとなっているわけだが、住宅にもソリューションがないわけでは決してない。例えば、断熱リフォームでは低コスト、かつ短工期の仕組みもある」、なるほど。 東洋経済オンライン (その2)(交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵、大前研一「電動キックボードは危険すぎる」…世界の潮流に逆らう道交法改正のウラ側 パリでは9割が反対なのに日本では規制緩和) 安心・安全
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