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”右傾化”(その16)(神社庁幹部による約3000万円の「横領」が発覚 横領したのは神道政治連盟・打田会長の親族、極右の相次ぐ選挙勝利 マスコミが「ポピュリズム」報道の詭弁で助長する愚行、「世界的右傾化はなぜ止まらないのか」…衆愚政治から抜け出すたった一つの解決法 真剣に政治のことを考えないと国が消滅する) [経済政治動向]

”右傾化”については、昨年5月7日に取上げた。今日は、(その16)(神社庁幹部による約3000万円の「横領」が発覚 横領したのは神道政治連盟・打田会長の親族、極右の相次ぐ選挙勝利 マスコミが「ポピュリズム」報道の詭弁で助長する愚行、「世界的右傾化はなぜ止まらないのか」…衆愚政治から抜け出すたった一つの解決法 真剣に政治のことを考えないと国が消滅する)である。

先ずは、昨年5月20日付け東洋経済オンライン「神社庁幹部による約3000万円の「横領」が発覚 横領したのは神道政治連盟・打田会長の親族」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/673965
・『全国8万社の神社を包括する神社本庁の傘下組織である東京都神社庁(小野貴嗣庁長)の幹部が、複数年にわたって神社庁の口座などから約3000万円を自身の口座に移し、生活費や競馬代として使っていたことがわかった。この幹部は1月に東京都神社庁を解雇されている。 「金銭上の非違行為」(東京都神社庁の庁報『東神』)で解雇されたのは、現在も都内の神社で宮司をしているM氏。複数の関係者によると、M氏による横領が発覚したのは2022年12月。東京都神社庁の口座から別の口座に不自然に現金が移動していることに職員が気づいたという。 発覚後、M氏が東京都神社庁に提出した「事情説明書」によると、生活資金がままならなくなり、「借入だと勝手に考え資金の流用を繰り返してしまいました」としている。妻との不和によるストレスで競馬に費消した旨も書かれている』、「東京都神社庁・・・の幹部が、複数年にわたって神社庁の口座などから約3000万円を自身の口座に移し、生活費や競馬代として使っていた・・・この幹部は1月に東京都神社庁を解雇・・・解雇されたのは、現在も都内の神社で宮司をしているM氏」、「約3000万円」もの金銭を横領、「解雇された」が、「現在も都内の神社で宮司をしている」、とは驚かされた。「約3000万円」は何らかの方法で「弁済」されたのだろうか。下の記事を読むと、うち1900万円は「父親」が「弁済」したようだ。
・『「教誨師」の口座を通して  横領の総額はわかっているだけで約3000万円にのぼる。 2022年12月に発覚した横領額は約1900万円。発覚後、東京都神社庁の小野氏がM氏の父親(都内の宮司)にかけあい、弁済させたという。 だが、2023年に入るとM氏の別の横領も明るみに出る。3月には、新たに630万円が東京都神職教誨師会の口座に移された後、引き出されていたことが発覚した。教誨師(きょうかいし)とは、刑務所などで受刑者に精神的、宗教的な教えを説き、二度と罪を犯さぬよう教えを説く者のことで、M氏は東京都神職教誨師会の事務局長を務めていた。 5月11日の役員会では、さらに約600万円が神職教誨師会の口座から引き出されていたことが確認されたが、損害を被ったのが神社庁か神職教誨師会かははっきりしていない。 神社庁として被害届けを出すべきか、それとも刑事告訴すべきか。5月11日の役員会は紛糾した。「小野庁長はじめ役員が引責辞任するべきではないか」という意見も出たが、この日は組織として被害届けを出す方針だけ固まった。 横領の発覚から5カ月が経過しており、不祥事対応としては遅きに失した感はぬぐえない。) 都内の宮司は「この間、神社庁は『調査中』というばかりで横領の手口や、金が何に使われていたのかなど、ほとんど具体的には説明しなかった。警察に被害届けを出すと決めるまでにどうして5カ月もかかったのか」と首を傾げる。
背景に見え隠れするのが、上部組織である神社本庁で起きている内紛だ』、「刑務所などで受刑者に精神的、宗教的な教えを説き、二度と罪を犯さぬよう教えを説く者のことで、M氏は東京都神職教誨師会の事務局長を務めていた・・・ここからも「630万円」が引き出されたというのは、呆れ果てた。「教誨師」が横領しているのでは、説教を聞かされた「受刑者」も呆れるだろう。
・『神社本庁で起きている泥沼の争い  神社本庁では2022年から2人の宮司が「総長の座」をめぐって争っている。一人は、2期6年が通例であるところ4期12年の長期政権を敷いてきた田中恆清氏(京都・石清水八幡宮宮司)、もう一人が芦原高穂氏(北海道・旭川神社宮司)だ。 経緯は以下の通り。 2022年5月、全国の神社庁長など約170人が集まる評議員会で、神社本庁の宗教的な権威である「統理」に伊勢神宮大宮司を務めた鷹司尚武氏が全会一致で選任された。 鷹司氏はその後の役員会で次期総長に芦原氏を指名。5期15年を目指した田中氏に退任を迫った。 ところが翌6月の役員会では15人中9人が田中氏の続投を支持。結果、宗教的権威である鷹司氏が指名した芦原氏と、宗教法人である神社本庁の役員会が議決した田中氏が、総長の正当性をめぐって争う構図が生まれた。 2022年の7月、神社本庁は芦原氏が宮司をする北海道の旭川地裁に、芦原氏が神社本庁の総長ではないことを確認する仮処分を申し立て、旭川地裁はこれを認めた。一方の芦原氏は東京地裁に地位確認請求訴訟を提起。「真の総長」をめぐる泥沼裁判が始まってしまう。 こうした中、約3000万円もの金を横領していながら東京都神社庁の態度が煮え切らないのは、実は理由がある。それは、M氏が田中氏を支持する神社本庁の中枢と結びついているからだ。 旭川地裁が「芦原氏は総長の地位にはない」という決定をした昨年7月7日、地裁の前に白のベンツが乗りつけた。クルマから出てきたのは神社本庁の吉川通泰副総長と小野貴嗣常務理事。小野氏は東京都神社庁の庁長でもあり「田中総長の長期政権を支えた『ポスト田中』の筆頭格」(有力神社の宮司)と言われる人物だ。 【2023年5月20日7時5分追記】上記の初出時の日付を修正しました。 その2人の後ろから姿を現したのが運転をしていたM氏だ。小野氏の出張に同行するなど行動を共にすることが多く、田中氏の側近である神道政治連盟・打田文博会長の親戚でもあることからM氏は自民党国会議員との接点も多い。 【2023年5月22日11時20分追記】上記と記事の見出しで、初出時の親族を親戚に修正しました。 そうしたM氏のポジションから、「芦原総長」を支持する側からは「横領は本当にこれだけなのか。3000万円もの金の使い道は本当に生活費や競馬だけなのか。徹底した調査がなされているのか疑問だ」という声があがる。 というのも、企業や団体で不祥事が発覚すれば、利害関係のない外部の弁護士や会計士が調査するのが通例だが、今回の調査は東京都神社庁内部のみで行われているからだ。しかもその調査には、「総長をめぐる裁判」において田中氏側の代理人であるだけでなく、東京都神社庁の顧問弁護士であり、M氏と親交のある弁護士が関与している。このような調査で、横領の真相は明らかになるのか。関係者の間では疑念が渦巻いている。 【2023年5月24日13時55分追記】上記を初出時から一部修正しました』、「「真の総長」をめぐる泥沼裁判が始まってしまう。 こうした中、約3000万円もの金を横領していながら東京都神社庁の態度が煮え切らないのは、実は理由がある。それは、M氏が田中氏を支持する神社本庁の中枢と結びついているからだ」、「神社本庁」、「東京都神社庁」は本当にいい加減な組織だ。
・『「話せるときがきたら話します」  5月22日から1週間、神社本庁では全国の宮司・総代が勢揃いする会議が開かれる。田中体制の執行部はM氏の横領についてどんな説明をするのか。 5月中旬、神社で月に一度の月次祭(つきなみさい)を執り行っていたM氏。祭祀終了後、横領について尋ねた。M氏は「今は、否定も肯定もしないことにしています。話せるときがきたら話します。申し訳ありません」と言うばかりだった。 東洋経済は東京都神社庁と神社本庁に「横領額とその内訳」「横領したM氏が神職の資格を剥奪されない理由」「小野庁長の責任」「M氏と親しい弁護士に横領の調査を任せている理由」などを尋ねたが、どちらからも期限までに回答はなかった』、こんないい加減な組織は免税の特権を停止するような荒療治も検討すべきだろう。

次に、昨年12月6日付けNewsweek日本版「極右の相次ぐ選挙勝利、マスコミが「ポピュリズム」報道の詭弁で助長する愚行」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/12/post-103179.php
・『<アルゼンチンやオランダで極右が相次ぎ勝利、脅威を喧伝しながらポピュリストの形容により極右を「主流」にしてしまう報道関係者・研究者の罪をあばく> 新たな「ポピュリズムの衝撃」だった。 11月19日に行われたアルゼンチン大統領選決選投票を制した右派のハビエル・ミレイと、11月22日のオランダ総選挙で第1党になった極右政党・自由党を率いるヘールト・ウィルダース。2人の勝利は、弱体化する自由民主主義に襲いかかる「ポピュリズムの波」の象徴だ。 一方、リアリティー番組に出演するイギリス独立党(UKIP)元党首ナイジェル・ファラージュのように、親しみやすい人物として世間に浸透する極右指導者もいる。 この構図には、極右への反応の矛盾がむき出しになっているが、問題はもっと根深い。 娯楽番組などで人間性を強調すれば、極右は「普通」になる。 極右とその脅威を懸念する者にとって、これは自明の理のはずだ。 だが、極右の脅威を大げさに伝えるのも同じくらい有害だ。 反動政治の復活は想定内であり、かなり前から始まっている。それなのに極右が勝利するたび、予想外の新たな現象という分析が出てくる。 「ポピュリズム」も同様だ。 専門的な研究はどれも、彼らの本質はポピュリストではなく、極右にほかならないと指摘する。だがメディアも学者も、ポピュリストと不用意に形容しがちだ。 極右や人種差別主義者の代わりにポピュリストと呼ぶのは、極右の正当化に貢献する行為だ。 この「人民」を語源とする単語は民主的な支持を想起させ、彼らのエリート主義的本質を消し去ってしまう』、ここではトランプは何故か「極右」、「ポピュリズム」とされてないようだ。
・『主流メディアの責任放棄  極右の主流化や正常化というプロセスは、主流そのものと強く結び付いている。 主流に取り込まれることなく、何かが主流化することはあり得ない。 反対姿勢をアピールして自身の責任を否定しながら主張を取り上げ、過剰報道し、正当化してしまう。それが極右主流化のプロセスだ。 主流派メディアは世論形成に重要な役割を持つが、その多くは役割に伴う責任を放棄するか、無視している。編集方針による選択の結果を、無作為の事象と言わんばかりだ。 いい例が2018年から英紙ガーディアンが連載した「新ポピュリズム」特集だ。その出発点は「なぜ突然、ポピュリズムが大ブームになったのか」という問いだった。 ポピュリズムを取り上げた同紙の記事は、1998年には約300件だったが、16年は2000件に増えたという。だがそれは、単純に同誌がポピュリズムという単語を多用するようになったからではないのか? 極右台頭は「サイレント・マジョリティー」や「白人労働層」のせいにされている。 極右は規範や主流の枠外のアウトサイダーと捉えられがちだが、そうした見方は社会の中核に埋め込まれた構造的格差や抑圧を見落としている。 研究者もそうだ。 この5年間に発表された論文2500件以上のタイトルと要旨を分析したところ、選挙や移民を論点にして極右をごまかし、例外扱いする傾向が強かった。 主流化という問題では、主流自体の大きな役割を考慮すべきだ。 世論形成への特権的アクセスを持つメディアや学術研究者は、主流という良識と正義の砦(とりで)の中にいるのではない。彼らが立っているのは、権力が極めて不均衡な形で分配された闘技場だ。 極右にも「一理ある」が、極右には反対──そんな詭弁は許されない』、「この5年間に発表された論文2500件以上のタイトルと要旨を分析したところ、選挙や移民を論点にして極右をごまかし、例外扱いする傾向が強かった。 主流化という問題では、主流自体の大きな役割を考慮すべきだ。 世論形成への特権的アクセスを持つメディアや学術研究者は、主流という良識と正義の砦(とりで)の中にいるのではない。彼らが立っているのは、権力が極めて不均衡な形で分配された闘技場だ。 極右にも「一理ある」が、極右には反対──そんな詭弁は許されない」、手厳しいメディア批判だ。

第三に、昨年12月27日付けプレジデント 2024年1月12日号が掲載したビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏による「「世界的右傾化はなぜ止まらないのか」…衆愚政治から抜け出すたった一つの解決法 真剣に政治のことを考えないと国が消滅する」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/77131
・『グローバル経済の恩恵を忘れるな  世界の右傾化が止まらない。2023年11月19日に行われたアルゼンチン大統領選の決選投票で、「アルゼンチンのトランプ」を自称する右派のハビエル・ミレイ下院議員が、左派のセルヒオ・マサ経済大臣を破って当選、12月10日に就任した。その他、各地で極右政党が勢力を伸ばしている。これは世界の破滅につながる道である。 今では知らない人も多いが、20世紀初頭のアルゼンチンは非常に豊かな国だった。肥沃な土壌を活かして農業大国として成長し、最盛期は世界第5位の経済大国になったほどだ。 しかし、世界恐慌以降のアルゼンチンは没落の一途だ。工業化の波に乗りきれず、左派の正義党(ペロン党)による長期政権のバラマキ政策で政府の債務が増大。何度もデフォルトを起こし、今やインフレ率は140%に達した。経済的には、もはや三流国だ。 こうした状況に不満を持つ国民が選んだのが、過激な政策を掲げる野党ラ・リベルタド・アバンザ(自由の前進)を率いるミレイ氏だ。ミレイ氏は銃所持の合法化を訴え、臓器売買を容認する。しかし、急進的な自由主義者なのかというと、宗教的には保守的で、人工妊娠中絶には反対の姿勢を示している。演説会ではチェーンソーを振り回し、筋骨隆々の大型犬マスティフを5匹飼っているという。まさにマッチョを売りにするミニ・トランプだ。 トランプ的な政治家の躍進は、アルゼンチンに限らない。イタリアでは22年10月に極右のジョルジャ・メローニ氏が首相に就任。ドイツでは23年10月、ヘッセン州の州議会選挙で、反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が第二党に躍り出た。 フランスではマクロン大統領の支持率が低迷しており、27年の大統領選では親子2代にわたって極右を標榜しているマリーヌ・ル・ペン氏が勝つと分析する評論家が多い。世界が右傾化する流れを決定的なものにしたドナルド・トランプ氏も、4つの刑事裁判を抱えながら依然として一定の支持があり、24年大統領選でふたたび政治の表舞台に出てくる可能性がある。 トランプ的な主張が支持を集める原因は、グローバル経済への「慣れ」だ。) 私が『ボーダレス・ワールド』(プレジデント社)を書いてグローバル経済を提唱したのは、約30年前だ。世界には、「材料」生産の最適地と、それを加工成形して組み立てる「人材」の最適地がある。2つの最適地でモノをつくって自由に輸入できるようすれば、品質のいいものが安く手に入り、世界中の消費者に恩恵をもたらす。このボーダレス経済論は一世を風靡ふうびし、事実、世界経済はその方向で発展していった。 ボーダレス経済論は、価格に敏感な繊維・アパレル業を例にするとわかりやすい。戦後、日本は材料でも人でも世界の繊維産業で最適地だった。自国の繊維産業の衰退を恐れたアメリカは、日米繊維交渉で日本を抑え込もうとした。アメリカを前に日本は屈服せざるをえなかったが、交渉しているうちに日本の人件費が上がり、すでに最適地は韓国に移っていた。その後、最適地は韓国から台湾、インドネシアへと移動を重ね、90年代からは中国だ。 今では中国も人件費が上がり、産業によっては最適地が異なるものの、総じてみれば世界の工場は中国に集まり、そこでつくられた製品を各国が輸入している。そして、消費者は自国でつくるよりも安い価格で製品を手に入れるというのが、ここ30年の流れだった。 90〜00年代は、多くの消費者がグローバル経済の恩恵を実感していた。それが今では当然になり、逆にグローバル経済が右派政治家による排外主義的な主張のやり玉に挙がったとしても、抵抗を覚えなくなってしまったのだ。 トランプ氏は大統領在任中、中国による知的財産権侵害に対する懲罰と称し、対中関税をたびたび引き上げた。懲罰の目的を「自国の産業保護」と謳うたっていたが、これは建前だ。本当は「中国は日本のように尻尾を振らないから、罰を与えて支持者の溜飲を下げる」という、政治的なパフォーマンスなのだ。 
実際、トランプ氏による中国の排斥が政治的なパフォーマンスにすぎなかったことは、現状を見ればわかる。トランプ氏は補助金をちらつかせ、メーカーが中国ではなくアメリカに工場をつくるように働きかけた。釣られた台湾の鴻海ホンハイ精密工業は、ウィスコンシン州で工場建設を計画。トップの郭台銘(テリー・ゴウ)氏が現地に来て鍬入れ式まで行ったが、その後頓挫した。 アメリカの執拗な中国叩きにもかかわらず、結局iPhoneなどのスマートフォンは今も中国で組み立てられており、中の部品についても6割が中国製である。アメリカの消費者はその高くなったスマホを喜んで買い、アメリカ政府は高くなった関税をポケットにしまい込んで知らん顔をしている。精巧なサプライチェーンを基盤としたボーダレス経済は、何も変わっていないのだ』、「アメリカの執拗な中国叩きにもかかわらず、結局iPhoneなどのスマートフォンは今も中国で組み立てられており、中の部品についても6割が中国製である。アメリカの消費者はその高くなったスマホを喜んで買い、アメリカ政府は高くなった関税をポケットにしまい込んで知らん顔をしている。精巧なサプライチェーンを基盤としたボーダレス経済は、何も変わっていないのだ」、なるほど。
・『愛国者を喜ばせるパフォーマンス  前述のアルゼンチンのミレイ大統領は、新自由主義者らしく国内政策では小さな政府を標榜している。しかし、対外的には保護主義色が強く、選挙期間中は南米の自由貿易協定であるメルコスール(南米南部共同市場)からの離脱をほのめかしていた。ただ、これもおそらくパフォーマンスだ。南米のライバル国であるブラジルが中心的存在を担うメルコスールを抜けると言えば、国内の愛国者たちが喜ぶからだ。 ミレイ大統領は中央銀行の廃止や、ペソを廃止してドル化するといった無茶苦茶な政策も掲げている。 もしペソを廃止してドルを使うなら、ユーロ導入国がマーストリヒト条約に批准するのと同じような図式でアメリカと条約を結ぶ必要がある。ユーロを参考にすると、その導入には①物価安定性②健全な財政とその持続性③為替安定④長期金利の安定性という4つの基準を満たす必要がある。このうち、①と②については次の通りだ。 ①過去1年間の自国のインフレ率が、ユーロ導入国でインフレ率が最も低い3カ国の平均値との格差が1.5%以内
②財政赤字がGDP比3%以下、債務残高がGDP比60%以下 アメリカが同様の水準をアルゼンチンに求めたら、ドル化の話は瞬時に終わる。140%のインフレ率を一桁台に抑える魔法は存在しない。また、基準を満たすくらいに債務を減らすには、あらゆる行政サービスを削らなくてはならず、国内で暴動が起きるだろう。 ミレイ大統領は経済学部の出身で、大学で教鞭をとっていたほどだから、自分が掲げる政策が実現できないことがわかるはずだ。もし本気なのであれば、頭がおかしいと言わざるをえない』、「ミレイ大統領は中央銀行の廃止や、ペソを廃止してドル化するといった無茶苦茶な政策も掲げている。 もしペソを廃止してドルを使うなら、ユーロ導入国がマーストリヒト条約に批准するのと同じような図式でアメリカと条約を結ぶ必要がある・・・アメリカが同様の水準をアルゼンチンに求めたら、ドル化の話は瞬時に終わる。140%のインフレ率を一桁台に抑える魔法は存在しない。また、基準を満たすくらいに債務を減らすには、あらゆる行政サービスを削らなくてはならず、国内で暴動が起きるだろう。 ミレイ大統領は経済学部の出身で、大学で教鞭をとっていたほどだから、自分が掲げる政策が実現できないことがわかるはずだ。もし本気なのであれば、頭がおかしいと言わざるをえない」、「ミレイ大統領は経済学部の出身で、大学で教鞭をとっていたほどだから、自分が掲げる政策が実現できないことがわかるはずだ」、どういうことなのだろう。南米人らしく無責任なのだろうか。
・『衆愚政治化を止める唯一の方法とは  問題は、現実にありえない政策を掲げる人物を、なぜ国民が選ぶのかだ。トランプ氏は、大統領選で「MAGA」というスローガンを掲げて当選した。Make America Great Again、アメリカをふたたび偉大な国にするという意味だ。実はミレイ大統領も選挙で「MAGA」を掲げて聴衆から喝采を浴びている。アルゼンチンも頭文字がAなので、国名だけを入れ替えてスローガンを拝借したわけだ。 MAGAという主張には、誰も反論のしようがない。アメリカのリベラル派も自国が復活してほしいと願っている。このように誰も文句のない主張をする人を、英語圏では「マザーフッド」と呼ぶ。「母の愛は素晴らしい」といったあたりまえのことを、さも意味のあることのように言うのはバカだと揶揄するときに使う表現である。 MAGAはまさにマザーフッドだが、右傾化を許した国の国民は、マザーフッドだと思わずに素直に心を震わせる。反知性主義とも言われる所以だ。はっきり言えば、衆愚政治化が進んでいる。 衆愚政治から抜け出す道は一つしかない。国民が賢くなることである。 私は学校で政治家の甘言を見抜く政治リテラシーの教育をしたらいいと思う。特定の政治的思想を教えるのではない。右だけではなく左にもポピュリストやアジテーター(扇動者)はいる。「こういうのが還付金詐欺です」と警察が啓蒙するように、ポピュリストの手口を広く教えて、それに惑わされずに自分の頭で考える術を教えるのだ。 残念ながら今のところ学校で「市民術」と言えるような、政治リテラシーを教えている国はない。それならば、右傾化していない国の国民は、なぜ政治的に成熟しているのか。 ポピュリスト勢力の拡大を抑えられている国には、ある共通点がある。ベルギー、シンガポール、ポーランド。これらは国土や人口、資源などの面でハンデを負った小国であり、政治的には大国のはざまで何とか生き抜いてきた歴史を持つ。真剣に政治のことを考えないと国が消滅するおそれがあるので、国民が政治参加に積極的で、お互いに啓発し合うのである。 一方、右傾化しやすいのは、少なくとも一度は栄華を誇った過去があり、現在も何らかの条件に恵まれ、必死にならなくてもとりあえず生きていける国だ。アメリカやヨーロッパの大国、アルゼンチンがまさしく当てはまる。 没落しつつも、まだ経済大国である日本は後者だ。アルゼンチンと同じバラマキ大国である日本も同じ轍を踏むのか。それは、国民の集団知性しだいである』、「誰も文句のない主張をする人を、英語圏では「マザーフッド」と呼ぶ。「母の愛は素晴らしい」といったあたりまえのことを、さも意味のあることのように言うのはバカだと揶揄するときに使う表現である。 MAGAはまさにマザーフッドだが、右傾化を許した国の国民は、マザーフッドだと思わずに素直に心を震わせる。反知性主義とも言われる所以だ。はっきり言えば、衆愚政治化が進んでいる・・・右傾化しやすいのは、少なくとも一度は栄華を誇った過去があり、現在も何らかの条件に恵まれ、必死にならなくてもとりあえず生きていける国だ。アメリカやヨーロッパの大国、アルゼンチンがまさしく当てはまる。 没落しつつも、まだ経済大国である日本は後者だ。アルゼンチンと同じバラマキ大国である日本も同じ轍を踏むのか。それは、国民の集団知性しだいである」、「日本」も「国民の集団知性」には多くを期待できないので、やはり「右傾化しやすい」、或いは既に「右傾化している」のは確かだ。
タグ:”右傾化” (その16)(神社庁幹部による約3000万円の「横領」が発覚 横領したのは神道政治連盟・打田会長の親族、極右の相次ぐ選挙勝利 マスコミが「ポピュリズム」報道の詭弁で助長する愚行、「世界的右傾化はなぜ止まらないのか」…衆愚政治から抜け出すたった一つの解決法 真剣に政治のことを考えないと国が消滅する) 東洋経済オンライン「神社庁幹部による約3000万円の「横領」が発覚 横領したのは神道政治連盟・打田会長の親族」 「東京都神社庁・・・の幹部が、複数年にわたって神社庁の口座などから約3000万円を自身の口座に移し、生活費や競馬代として使っていた・・・この幹部は1月に東京都神社庁を解雇・・・解雇されたのは、現在も都内の神社で宮司をしているM氏」、「約3000万円」もの金銭を横領、「解雇された」が、「現在も都内の神社で宮司をしている」、とは驚かされた。「約3000万円」は何らかの方法で「弁済」されたのだろうか。下の記事を読むと、うち1900万円は「父親」が「弁済」したようだ。 「刑務所などで受刑者に精神的、宗教的な教えを説き、二度と罪を犯さぬよう教えを説く者のことで、M氏は東京都神職教誨師会の事務局長を務めていた・・・ここからも「630万円」が引き出されたというのは、呆れ果てた。「教誨師」が横領しているのでは、説教を聞いた「受刑者」も呆れるだろう。 「刑務所などで受刑者に精神的、宗教的な教えを説き、二度と罪を犯さぬよう教えを説く者のことで、M氏は東京都神職教誨師会の事務局長を務めていた・・・ここからも「630万円」が引き出されたというのは、呆れ果てた。「教誨師」が横領しているのでは、説教を聞かされた「受刑者」も呆れるだろう。 「「真の総長」をめぐる泥沼裁判が始まってしまう。 こうした中、約3000万円もの金を横領していながら東京都神社庁の態度が煮え切らないのは、実は理由がある。それは、M氏が田中氏を支持する神社本庁の中枢と結びついているからだ」、「神社本庁」、「東京都神社庁」は本当にいい加減な組織だ。 こんないい加減な組織は免税の特権を停止するような荒療治も検討すべきだろう。 Newsweek日本版「極右の相次ぐ選挙勝利、マスコミが「ポピュリズム」報道の詭弁で助長する愚行」 ここではトランプは何故か「極右」、「ポピュリズム」とされてないようだ。 「この5年間に発表された論文2500件以上のタイトルと要旨を分析したところ、選挙や移民を論点にして極右をごまかし、例外扱いする傾向が強かった。 主流化という問題では、主流自体の大きな役割を考慮すべきだ。 世論形成への特権的アクセスを持つメディアや学術研究者は、主流という良識と正義の砦(とりで)の中にいるのではない。彼らが立っているのは、権力が極めて不均衡な形で分配された闘技場だ。 極右にも「一理ある」が、極右には反対──そんな詭弁は許されない」、手厳しいメディア批判だ。 プレジデント 2024年1月12日号 大前研一氏による「「世界的右傾化はなぜ止まらないのか」…衆愚政治から抜け出すたった一つの解決法 真剣に政治のことを考えないと国が消滅する」 「アメリカの執拗な中国叩きにもかかわらず、結局iPhoneなどのスマートフォンは今も中国で組み立てられており、中の部品についても6割が中国製である。アメリカの消費者はその高くなったスマホを喜んで買い、アメリカ政府は高くなった関税をポケットにしまい込んで知らん顔をしている。精巧なサプライチェーンを基盤としたボーダレス経済は、何も変わっていないのだ」、なるほど。 「ミレイ大統領は中央銀行の廃止や、ペソを廃止してドル化するといった無茶苦茶な政策も掲げている。 もしペソを廃止してドルを使うなら、ユーロ導入国がマーストリヒト条約に批准するのと同じような図式でアメリカと条約を結ぶ必要がある・・・アメリカが同様の水準をアルゼンチンに求めたら、ドル化の話は瞬時に終わる。140%のインフレ率を一桁台に抑える魔法は存在しない。 また、基準を満たすくらいに債務を減らすには、あらゆる行政サービスを削らなくてはならず、国内で暴動が起きるだろう。 ミレイ大統領は経済学部の出身で、大学で教鞭をとっていたほどだから、自分が掲げる政策が実現できないことがわかるはずだ。もし本気なのであれば、頭がおかしいと言わざるをえない」、「ミレイ大統領は経済学部の出身で、大学で教鞭をとっていたほどだから、自分が掲げる政策が実現できないことがわかるはずだ」、どういうことなのだろう。 南米人らしく無責任なのだろうか。 「誰も文句のない主張をする人を、英語圏では「マザーフッド」と呼ぶ。「母の愛は素晴らしい」といったあたりまえのことを、さも意味のあることのように言うのはバカだと揶揄するときに使う表現である。 MAGAはまさにマザーフッドだが、右傾化を許した国の国民は、マザーフッドだと思わずに素直に心を震わせる。反知性主義とも言われる所以だ。 はっきり言えば、衆愚政治化が進んでいる・・・右傾化しやすいのは、少なくとも一度は栄華を誇った過去があり、現在も何らかの条件に恵まれ、必死にならなくてもとりあえず生きていける国だ。アメリカやヨーロッパの大国、アルゼンチンがまさしく当てはまる。 没落しつつも、まだ経済大国である日本は後者だ。アルゼンチンと同じバラマキ大国である日本も同じ轍を踏むのか。それは、国民の集団知性しだいである」、 「日本」も「国民の集団知性」には多くを期待できないので、やはり「右傾化しやすい」、或いは既に「右傾化している」のは確かだ。
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