SSブログ

広告(その1)(大好きな「電通」を辞めて僕たちはどこへ行くのか クリエイティブディレクターが語る広告の未来、「SNSに投稿で一品サービス」が法律違反に!10月1日開始“ステマ規制”の重要点を解説) [文化]

今日は、広告(その1)(大好きな「電通」を辞めて僕たちはどこへ行くのか クリエイティブディレクターが語る広告の未来、「SNSに投稿で一品サービス」が法律違反に!10月1日開始“ステマ規制”の重要点を解説)を取上げよう。

先ずは、昨年3月3日付け東洋経済オンラインが掲載したクリエイティブディレクター/CMプランナー の東畑 幸多氏とコミュニケーション・デザイナー/クリエイティブディレクターの齋藤 太郎氏の対談「大好きな「電通」を辞めて僕たちはどこへ行くのか クリエイティブディレクターが語る広告の未来」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/509268
・『HONDA「ONE OK ROCK Go,Vantage point」やサントリー天然水「宇多田ヒカル 水の山行ってきた」など、数々の名作CMを世に送り出してきたクリエイティブディレクター、東畑幸多氏。この1月に長年勤めた電通を退社した同氏は、なぜ独立という道を選んだのか。そしてどこへ向かうのか。東畑氏と同じく、電通を退社し、今はサントリーの角ハイボールやポケトークの仕掛け人として有名なクリエイティブディレクターの齋藤太郎氏の初著書『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』の発売を記念して特別対談を行い、2人に、広告業界の今と未来、そして自分たちのやりたいことを語ってもらった。 齋藤:電通からの独立に関して、僕と東畑さんの共通点は「時代の変わり目にある」ことかなと思います。振り返ると、僕が電通を辞めた2000年代中頃はマスメディアがネットによって変わりつつあった頃でした。 東畑:今はまさに広告業界自体がドラスティックに変わろうとしていて、会社も生き残るために変化をしようとしています。世の中の、効率化と最適化の流れは、不可逆だと思っています。ただ行きすぎた効率化は、答えが同質化するので「らしさ」を失わせる。「らしく生き残る」ために、企業やブランドの存在意義を再発見して、効率だけではなく、意味や価値やLOVEを作る専門家でありたい。自分を役立てる場所をハッキリさせたいと思いました』、「「らしく生き残る」ために、企業やブランドの存在意義を再発見して、効率だけではなく、意味や価値やLOVEを作る専門家でありたい。自分を役立てる場所をハッキリさせたいと思いました」、との「東畑」氏の主張はなかなか高度だ。
・『最高の職場、電通  齋藤:もう1つの共通点に「後ろ髪を引かれる気持ち」があるように思っていて。電通はあまりにもいい会社じゃないですか。居心地がよくて、すばらしい人がいっぱいいて、刺激もある。 東畑:まさにそうで、辞めるにあたって、悩み迷い葛藤しました。たくさんの仲間がいて、やるべき仕事があって、自分にとって本当に居心地のいい場所でした。だから、迷いなく踏み出したわけではなく、51:49、ギリギリの決断でした。 いざ辞めるとリアルに考え出すと、怖くなったり不安になったり。夜中、うなされて目が覚めることが何度もありました。退職ボタンを押すか悩んだ最後の夜に、息子と2人でご飯を食べていたとき、ふと「会社辞めるのが怖いんだ」と打ち明けたんです。そのとき、息子から「どっちがよかったか、教えてよ」と言われて。その一言を聞いて、「挑戦してみよう」と思えたんです。) 齋藤:独立して個人になることで、きっと一段と大きな成長があるはず。東畑さんは今や日本を代表するクリエイティブディレクターだけど、おそらく入社して最初の10年でいちばん成長して、そこからは氷の上を走り出したカーリングのストーン(石)のような感じだったんじゃないかな。その石をもう一度後押しするのが、今回の独立なんだと思います。 東畑:まさに年齢的にもポジション的にも、会社の中である種のゴールが見えてしまった感覚がありました。そのまま余力で残りの時間を過ごすこともできたでしょうけど、もう一度自分を別の場所に連れ出さなければ、新しい自分には出会えない。そう思ったことも独立を考えた理由の1つでしたね。 齋藤:電通を辞める人が僕に報告をしてくれることがあるんだけど、そのときに必ず伝えているのは「絶対うまくいく」ということ。辞めずに会社に残った未来を確認することはできないじゃないですか。そして、自分が選んだ人生をいいものにする「後付け力」が人間にはある。だから「これでよかったんだ」と思える未来は絶対に自分の力で作り出せます』、「電通はあまりにもいい会社じゃないですか。居心地がよくて、すばらしい人がいっぱいいて、刺激もある。 東畑:まさにそうで、辞めるにあたって、悩み迷い葛藤しました。たくさんの仲間がいて、やるべき仕事があって、自分にとって本当に居心地のいい場所でした。だから、迷いなく踏み出したわけではなく、51:49、ギリギリの決断でした」、「電通」は女性社員の過労死問題はあったとはいえ、全体としてはやはり素晴らしい会社のようだ。
・『「教育担当・太郎さん」から学んだこと  東畑:僕が電通に新卒入社して、最初の教育担当が太郎さんでしたよね。社会人として、電通マンとして、大切な基礎を教わりました。あと、入社して早々に太郎さんの結婚式の寿ビデオを作ったことがあって。いわば初めてのクライアントでもあります(笑)。 齋藤:その節はお世話になりました(笑)。 東畑:僕の当時の太郎さんの印象は「ザ・電通」。人間力とパワーがあふれていて、「こんな人には絶対になれないし、この会社で俺はやっていけないかもしれない」と思ったことを覚えています。幸い、その後出会った人で太郎さん以上の人はいませんでしたが。 齋藤:いきなりラスボスに出会った感じだったんだね。 東畑:太郎さんは、相手への気遣いがすさまじいですよね。著書では自身をテイカー(Takeする人)だったと書いていましたけど、めちゃくちゃギバー(Giveする人)だと思います。特に昔聞いてすごく好きなのが「ビッグアイデアよりビッグ愛だ」っていうフレーズで。 齋藤:懐かしい(笑)。相手に愛情を持つことがいちばん重要だというのは、今も変わらず思っていることですね。 東畑:クライアントや関係部署だけでなく、「世の中がどうしたら喜ぶかを考え続けることが仕事なんだ」というメッセージを、僕は太郎さんの姿勢から勝手に受け取っていました。) 東畑:のちに僕が新人の教育係になったときも「相手が何をしたら喜ぶか」という想像力が僕らの仕事にとってとても大事なんだという話をしていましたね。1つひとつ相手の想像を上回るから人の記憶に残るのであり、だからこそ面白いしやりがいがあるのかなと思います。 それに関連する話で、後輩が屋形船で宴会をやってくれたことがあって。1人遅刻で乗れないまま出港したんですけど、1時間後にびしょ濡れで「すみません、遅刻しました」と登場したんです。こっそり隠れておいて、頃合いを見て自分で水を掛けて現れたんでしょうね。 齋藤:面白い(笑)。 東畑:相手の想像を半歩上回る、サービス精神。僕は太郎さんを見ていて、いつもそんな姿勢を感じるんです。仕事はつねに考えることがあってつらい側面もありますが、相手をハッピーにするための仕事は、苦しい顔をしてやるものじゃない。苦しいときは、「そんな顔してやる仕事じゃないだろ」と自分にツッコんでいます。これは太郎さんから大きく影響を受けたことですね』、「「世の中がどうしたら喜ぶかを考え続けることが仕事なんだ」というメッセージを、僕は太郎さんの姿勢から勝手に受け取っていました」、「相手をハッピーにするための仕事は、苦しい顔をしてやるものじゃない。苦しいときは、「そんな顔してやる仕事じゃないだろ」と自分にツッコんでいます」、なるほど。
・『「自分は何ができるのか」を見つける  東畑:僕の中で太郎さんは根アカでポジティブな、「どこでも生きていける人」。dofの「なんとかする会社。」というところに、まさに太郎さんの生き様が集約されているなと思います。 だから太郎さんの著書を読んで、太郎さんも悩みながら自分の存在意義を必死で作ろうともがいてきたんだと、意外な気持ちになりました。 齋藤:根アカでいたり、ポジティブに考えていられるように、人知れず努力と訓練はそれなりにしているからね。よく映画とかで鏡に向かって「俺はできる!」って叫ぶシーンがあるじゃないですか。あれ、僕も毎朝やっているから(笑)。 東畑:仕事って、自分の居場所を作っていくことでもあるじゃないですか。著書にもメディアや営業、経営と、ある種の「辺境」からクリエイティブディレクターのポジションを作るために必死に戦い、その中で存在理由をつむぎ出してきた歴史が書かれている。でも、自分の強みを作ることは弱みを知ることと一緒ですよね。一緒に起業した大島(征夫)さんというクリエイティブディレクターの大ボスみたいな人と対峙しながら、「自分に何ができるのか」を問い続けるのは、大変だったと思います。広告業界の太陽みたいな存在ですからね。 齋藤:太陽のなかでも、ほぼ黒点みたいな人だよね(笑)。 東畑:巨大な太陽の前で、全然違う付加価値を持つクリエイティブディレクターを目指し続ける。これはすごくタフな環境ですよ。だから太郎さんは異常なスピードで成長したんだろうし、そこで「クリエイティブは誰もが持っていて、誰もが用いたほうがいい」という結論にたどり着き、その過程で得てきたメソッドが僕はすごく面白かったです。) 東畑:クリエイティブディレクターとして、太郎さんと僕は違うふもとから同じ頂上を目指していて、そのルートは明確に違う。普段自分が考えたことがない、新しい発見がいっぱいありました。この本は「非クリエイターのため」とあるけど、むしろクリエイターの人が読んだほうがいいんじゃないかな。 齋藤:例えばどんな発見がありました?』、「根アカでいたり、ポジティブに考えていられるように、人知れず努力と訓練はそれなりにしているからね。よく映画とかで鏡に向かって「俺はできる!」って叫ぶシーンがあるじゃないですか。あれ、僕も毎朝やっているから(笑)」、「根アカでいたり、ポジティブに考えていられるように、人知れず努力と訓練はそれなりにしている」、天性のものと思っていたが、「人知れず努力と訓練はそれなりにしている」とは初めて知った。
・『ビジネスを知らないとつねに満塁を目指してしまう  東畑:印象的だったのは、ハイボールの話で、『角瓶』1本から23杯のハイボールを作ることができる。それは飲食店にとってロックや水割りを出すよりも、利益を出せる。そこがハイボールブームの後押しになったというエピソード。業界の収益構造や力学まで理解することで、世の中を巻き込む現象が作れるんだなと、学びがありました。 経営者から話を引き出す「いい質問」を作るために、会社の財務諸表を見ることがヒントになる。そんな視点を持っているクリエイティブディレクターは少ないと思います。まだまだアイデアをたぐり寄せるヒントはあるんだなと思いました。 齋藤:野球で例えると、ビジネスの構造を知ることは球場の広さや相手の戦力を知ることに近いように思っています。ビジネスを理解していないクリエイターはつねに満塁を目指してしまうけど、本当はバントが重宝される案件もあって、状況によって打つべき手は変わるはず。そこを理解し、把握することが僕らの仕事では特に重要だと思うんですよね。 東畑:太郎さんは表現に近づきすぎないというか、全体像を見ている。みんなが課題に向き合ってるときの目線の上げ方や広げ方が、太郎さんの真骨頂ですよね。 齋藤:それは東畑さんも得意なんじゃない? 東畑:太郎さんは身近でわかりやすいんですよ。「ビアガーデンみたいに、ハイボールガーデンがあったらいいよね」っていう提案は捉えやすいじゃないですか。 齋藤:東畑さんの仕事を見ていると、ど真ん中であり、苦しい道を選んでいるのを感じます。置きに行かず、足跡のない道をわざわざ探している。それを繰り返した結果、誰も登ったことのない山の頂上にたどり着くことができているよね。 一方、今はよくも悪くもデータからいろいろなものが見えた気になって、「失敗したくない病」が蔓延している感じがします。地方都市の街並みも、商業施設の各店舗に置いてある洋服も、どれも似通っている。売れ筋や売り方を考えるとどうしても画一的になって、個性が失われていくんですよね。) 東畑:今は過渡期で、多くの企業がDXをはじめ、ルールや体質を変えようと模索しています。持続可能な資本主義に向けて世の中が変わろうとする中、あらゆる企業が存在意義を再定義するタイミングにある。「効率」と「幸福」とが違うことに、みんなそろそろ気がつき始めている。ソロバンも大切だけど、ロマンも忘れちゃいけない。その両方を見据えながら、企業やブランドと向き合っていく必要があると思っています』、「ビジネスを理解していないクリエイターはつねに満塁を目指してしまうけど、本当はバントが重宝される案件もあって、状況によって打つべき手は変わるはず。そこを理解し、把握することが僕らの仕事では特に重要だと思うんですよね」、「「効率」と「幸福」とが違うことに、みんなそろそろ気がつき始めている。ソロバンも大切だけど、ロマンも忘れちゃいけない。その両方を見据えながら、企業やブランドと向き合っていく必要があると思っています」、なるほど。
・『これから再び「らしさ」が重要になっていく  齋藤:広告でも機械が判断した「調査結果がこうなので、この情報を入れてください」によって、70点の広告を量産するようなことが起きている。東畑さんはそこへの危機感があるように思います。足跡がついていない道を歩みながら人の気持ちを動かすことをやらないと、世の中が痩せてしまう感覚があるんじゃないかな。 東畑:僕は、広告とは「にぎわい」を作る仕事だと思っていて。にぎわいができれば、パワーが生まれるし、マネタイズもできる。ブランドに、TVCMに、SNSに、店頭に、イベントに、地域に、企業と企業とのリレーションの間に、「にぎわい」を作っていく。 そのために必要なのは、「人を魅了する」こと。効率も作るけど、フェロモンも作る。それを忘れてしまうと、僕たちは存在意義を失ってしまうのかもしれない。そういう意味では、これから再び「らしさ」が重要になっていくようにも思っています。太郎さんが言うように、今はあらゆる分野で正解を出そうとしてしまっているけど、最後に大切なのは企業やブランドが持つ「らしさ」。太郎さんの「なんとかする」クリエイティブディレクションでも、太郎さんが持っている記憶や視点、感動が役立つわけですよね。 広告業界が生き残ろうと変革する中で不安を持っている人もいるけれど、僕はそれこそ「ビッグ愛」を持って、後輩やこれから広告業界を目指す人に明るい背中を見せられる存在でありたいです。人を魅了する仕事だから人生を懸ける価値があるし、こんな面白い仕事はないですから』、「僕は、広告とは「にぎわい」を作る仕事だと思っていて。にぎわいができれば、パワーが生まれるし、マネタイズもできる。ブランドに、TVCMに、SNSに、店頭に、イベントに、地域に、企業と企業とのリレーションの間に、「にぎわい」を作っていく。 そのために必要なのは、「人を魅了する」こと。効率も作るけど、フェロモンも作る。それを忘れてしまうと、僕たちは存在意義を失ってしまうのかもしれない。そういう意味では、これから再び「らしさ」が重要になっていくようにも思っています。太郎さんが言うように、今はあらゆる分野で正解を出そうとしてしまっているけど、最後に大切なのは企業やブランドが持つ「らしさ」。太郎さんの「なんとかする」クリエイティブディレクションでも、太郎さんが持っている記憶や視点、感動が役立つわけですよね。 広告業界が生き残ろうと変革する中で不安を持っている人もいるけれど、僕はそれこそ「ビッグ愛」を持って、後輩やこれから広告業界を目指す人に明るい背中を見せられる存在でありたいです。人を魅了する仕事だから人生を懸ける価値があるし、こんな面白い仕事はないですから』、「広告」を愛するトップ・「クリエイティブディレクター」らしい含蓄のある発言だ。

次に、本年10月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子氏による「「SNSに投稿で一品サービス」が法律違反に!10月1日開始“ステマ規制”の重要点を解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330140
・『2012年頃、ほしのあき、熊田曜子といったグラビアアイドルを中心に複数の芸能人が関わっていた「ペニーオークション詐欺事件」を覚えているだろうか。あれから約10年、この一件で広く知られるようになった「ステマ(ステルスマーケティング)」を景品表示法の禁止行為として規制する、通称「ステマ規制」が10月1日から始まった。ステマと聞くと、インフルエンサーや芸能人、あるいは広告を出稿する企業の問題だと思われるかもしれないが、実はこれ、一般的な消費者である“普通”の人たちにも関わってくる内容なのだ。どんな点に注意すればいいのか、専門家に話を聞いた』、「一般的な消費者である“普通”の人たちにも関わってくる」とは、どういうことなのだろう。
・『2023年10月1日施行 “ステマ規制”とは何なのか  「うちの店のことをSNSに投稿してくれたら、お礼にアイスクリームをサービスするよ」 なじみの店で食事した後、店主からこんなふうに問いかけられたことはないだろうか。「親しい仲だし、自分の投稿が役立つなら……」と、投稿した人も少なくないだろう。しかし、良かれと思って投稿したことが、結果的に店主に迷惑をかけてしまう可能性が出てきた。それが、2023年10月1日に施行された、ステルスマーケティング(ステマ)行為を規制する、いわゆる「ステマ規制」だ。 ステルスマーケティングとは、企業が商品やサービスを宣伝する際に、広告であるにもかかわらず、広告であることを隠す行為を指す。例えば、ある人が企業から「報酬を渡すのでこの商品をSNSに宣伝して」と頼まれたとする。その人は報酬を受け取ったことにまったく触れず、商品をSNSでおすすめした。すると、SNS投稿を見た人は「SNSで評価が高かったから」と通常のクチコミとして誤認してしまう可能性がある。 消費者庁はこうした事態を防ぐために、景品表示法(景表法)を改正し、不当な表示に当たる「優良誤認表示」(第5条第1号)、「有利誤認表示」(第5条第2号)、「その他、誤認されるおそれのある表示」(第5条第3号)の中から、「その他、誤認されるおそれのある表示」に「ステルスマーケティング」を追加した。 なぜ消費者庁は景表法にステルスマーケティングを告示したのか、企業だけでなく一般の人にも影響があるのかなど、博報堂ビジネスコンプライアンス局クリエイティブリスクコンプライアンスグループ GMで、一般社団法人クチコミマーケティング協会運営委員会副委員長も務める山本京輔氏に話を伺った』、興味深そうだ。
・『デジタル・アナログを問わず、ネット上の書き込み、レビュー 新聞、ラジオ、テレビ、雑誌などすべて「ステマ規制」の対象  ステルスマーケティングという言葉自体は、2012年頃から話題になり始めた。2012年に発覚したペニーオークション詐欺事件では、複数の芸能人が広告であることを伏せて、自らのブログでペニーオークションサイトを使って商品を安く購入できたとおすすめしていたため、犯罪行為に加担したのではと大きな話題となった。山本氏が所属するクチコミマーケティング協会(WOMJ)では、2010年から、ステルスマーケティングを防止するための指針「WOMJガイドライン」を策定している。 消費者庁がステマ規制に乗り出した理由を山本氏に尋ねた。 「私が分かる範囲でさかのぼると、2021年の時点で消費者庁の景表法の検討会でアフィリエイト広告が問題視され、その流れでステルスマーケティングについても検討が始まりました。その経緯で、最初はデジタルだけが対象となっていたのですが、検討を進め、景表法の指定告示で対応するとなったときに、デジタルだけでなく(景表法の定める)『表示』のすべてが対象となりました」(山本氏) ステマ規制は、商品またはサービスについて行う表示であれば、すべてが対象となる。インターネット上の表示(SNS投稿、ECサイトのレビュー投稿など)だけでなく、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌などが該当する。 また、規制の対象となるのは、「商品・サービスを供給する事業者(広告主)」だ。ここに、インフルエンサーやアフィリエイターなどは原則として含まれない。規制の対象となる事業者や広告主は、違反行為が認められた場合、消費者庁(あるいは都道府県)により告示違反に対する措置命令が行われる。もし、表示内容に優良誤認や有利誤認もある場合は、加えて課徴金など景品表示法上の措置を受けることになる。 であれば、商品やサービスの宣伝活動を行っていない、一般の人にはあまり関係がない規制なのだろうか。 「ステルスマーケティングは一部のインフルエンサーだけに関係するものではありません。冒頭のアイスクリームの例では、SNS投稿を行った本人は罰せられることはありませんが、行政処分等で店主に迷惑をかけることになりかねません。また、行政処分の対象にはならなくても、『あの店はステマをしたらしい』という悪評が立ってしまう可能性もあります」(山本氏) 良かれと思ってしたことが、自分の大事な人に迷惑をかけてしまうかもしれない。ステマ規制は“普通”の人にとっても、他人事ではないのだ』、「冒頭のアイスクリームの例では、SNS投稿を行った本人は罰せられることはありませんが、行政処分等で店主に迷惑をかけることになりかねません。また、行政処分の対象にはならなくても、『あの店はステマをしたらしい』という悪評が立ってしまう可能性もあります」(山本氏) 良かれと思ってしたことが、自分の大事な人に迷惑をかけてしまうかもしれない。ステマ規制は“普通”の人にとっても、他人事ではないのだ」、なるほど。
・『「SNS投稿してくれたらサービスするよ」の問題点とは? ステマ規制の対象にならないためのSNS投稿ポイント  とはいえ、常連で通っている飲食店や美容院など、自分が本当に良いと感じておすすめしたい店舗もある。その店のオーナーからSNS投稿への依頼を受けた場合、自分も投稿して力になりたい気持ちがあるだろう。 「もし飲食店からごちそうになった上で、そのお店についてSNS投稿をしたのなら、その投稿は『事業者の表示』となり得ますし、ステマとして不当表示とされる可能性が生じます。しかしそうした場合は、“お店からアイスクリームをいただきました”と明瞭に書いていれば、『事業者の表示』であることが十分に分かるので不当表示とはなりません。もしくは、ハッシュタグでPR表記をするとか、SNSのプロモーション表記機能をオンにするという方法もあります。ケースバイケースで対応しておくといいですね」(山本氏) 「事業者の表示」とは、「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示」のことを指す。さらに「事業者の表示」には、「第三者に表示させる/表示内容を委ねる」場合も含まれる。SNS投稿などの表示に事業者が関与している場合は、表示内容全体から一般消費者にも関与が分かるように明示しなければならない。 つまり、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といったキーワードを入れたり、文章で「お店から提供されました」などと説明したりすれば、第三者が見ても誤認しないため、規制対象にはならない。ただし、小さな文字で表記する、その投稿だけでは判別できない、大量のハッシュタグの最後に記載するなど不明瞭な場合は不当表示に該当する恐れがある』、「「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といったキーワードを入れたり、文章で「お店から提供されました」などと説明したりすれば、第三者が見ても誤認しないため、規制対象にはならない」、なるほど。
・『10月1日より前のSNS投稿も対象に 各プラットフォームの機能を用意するのも手  SNSの場合、プラットフォーム側で関係性を明示する機能を用意しているものもある。ただし、アカウントを一般アカウントからビジネス用に変更するケースもあり、普段からよく宣伝を依頼される人以外にはハードルが高いかもしれない。仕事柄、関係性を明瞭にしておきたい人は以下の機能を利用すると良い。 (図_プラットフォーム別のプロモーション表示機能 はリンク先参照) (Instagramのブランドコンテンツタグ Instagramのブランドコンテンツタグでは、フィードやストーリーズ投稿のサブヘッダーに「XXX(ブランド名)とのタイアップ投稿」と表示される(出所:メタ) はリンク先参照) また、ステマ規制では2023年10月1日以前の投稿も対象になる点も注意が必要だ。山本氏によると、「景表法では消費者の誤認を招く『表示』は、掲出された時期に関わらず対象となりえます。過去に出版された書籍、昔から掲出されている看板なども、現時点で閲覧できるならば『対象』となりえます。しかし、現実的には今回の『ステマ規制』の施行前に出版・放送されたものを処分対象とすることは難しいのだと思います。一方でデジタルに掲出されているものは(現実的に対処が不可能なもの以外は)修正対処が可能であり、かつ一般消費者の誤認を招きかねないものなので、行政処分の対象となりうると考えられます。」という。 過去の投稿をすべて消費者庁がチェックすることは現実的には難しいと思われるが、自分の過去の投稿が規制の対象になる場合には、今からでも表示の追記や投稿の削除などで対応しておくといいだろう』、「過去に出版された書籍、昔から掲出されている看板なども、現時点で閲覧できるならば『対象』となりえます。しかし、現実的には今回の『ステマ規制』の施行前に出版・放送されたものを処分対象とすることは難しいのだと思います。一方でデジタルに掲出されているものは(現実的に対処が不可能なもの以外は)修正対処が可能であり、かつ一般消費者の誤認を招きかねないものなので、行政処分の対象となりうると考えられます」、なるほど。
・『アフィリエイトも対象になるので注意 「ステマ規制」を理解し、問題にならない表示を心がけよう  ここまでは、広告主に当たる人に依頼された場合について説明してきた。しかし、お小遣い稼ぎのためにSNSにアフィリエイトリンクを投稿している人もいるだろう。 アフィリエイトとは、商品やサービスの広告をサイトやSNSなどに掲載し、購買や会員登録などに結び付いた場合に報酬を得られる仕組みだ。Amazonや楽天などのECサイトが提供するアフィリエイトプログラムのほか、アフィリエイトを提供するASP、広告主や代理店からの依頼で行われる。 アフィリエイトのためにWebサイトを開設し、本気で稼いでいる人もいるが、一般的にはECサイトでアフィリエイトリンクを生成して、SNSやブログなどに投稿する程度だろう。その場合もアフィリエイト広告だと分かるように明示する。もし、事業者に依頼された場合は、「広告」などのキーワードや文章で関係性を記載しておけば、規制の対象にはならない。不明瞭にすると事業者からの評価が下がり、依頼が来なくなる可能性があるので注意したい。 消費者としては、ステマにだまされたくない気持ちもある。しかし、山本氏は「私でも完全に見抜くのは難しい」と語る。 「巧妙に行われてしまうと、グレーだなとは思っても、明確な証拠がなければステマだとは言えません。だからこそ、ステマ規制が必要になったということです。雑誌などに広告を出せないスモールビジネスの事業者はインフルエンサーマーケティングを行うことが多いですが、方法を間違えると相当なレピュテーションリスク(企業価値や信用低下を招くリスク)を追う(岩崎注:正しくは「負う」)ことになります。本当に気を付けてほしいと思います」(山本氏)  「ステマ規制」は、宣伝したい事業者だけでなく、消費者である“普通”の人も意識していく必要がある。特に事業者は、消費者庁が公開している「事例で分かるステルスマーケティング告示ガイドブック」を参照されたい。さらに詳しく知りたい場合は、消費者庁の「景品表示法に関する御相談」に参考リンクや相談先の電話番号が記載されている。少しでも疑問を抱く点があったら、確認しておくと安心だ。また、WOMJでも、「にならないクチコミを行うためのガイドラインを公開している。かなり細かいFAQも載っているので、詳しく知りたい人はここを確認することをお勧めする。 次回は、Webメディアや雑誌・新聞など商用媒体で記事や広告を作成する場合、ステマ規制がどのように関わってくるかについて解説する』、「雑誌などに広告を出せないスモールビジネスの事業者はインフルエンサーマーケティングを行うことが多いですが、方法を間違えると相当なレピュテーションリスク・・・を負う)ことになります。本当に気を付けてほしいと思います」、なるほど。「ステマ」自体は、一般消費者を騙すことであり、今回の規制そのものが望ましいことは言うまでもない。
タグ:「「世の中がどうしたら喜ぶかを考え続けることが仕事なんだ」というメッセージを、僕は太郎さんの姿勢から勝手に受け取っていました」、「相手をハッピーにするための仕事は、苦しい顔をしてやるものじゃない。苦しいときは、「そんな顔してやる仕事じゃないだろ」と自分にツッコんでいます」、なるほど。 「電通はあまりにもいい会社じゃないですか。居心地がよくて、すばらしい人がいっぱいいて、刺激もある。 東畑:まさにそうで、辞めるにあたって、悩み迷い葛藤しました。たくさんの仲間がいて、やるべき仕事があって、自分にとって本当に居心地のいい場所でした。だから、迷いなく踏み出したわけではなく、51:49、ギリギリの決断でした」、「電通」は女性社員の過労死問題はあったとはいえ、全体としてはやはり素晴らしい会社のようだ。 「「らしく生き残る」ために、企業やブランドの存在意義を再発見して、効率だけではなく、意味や価値やLOVEを作る専門家でありたい。自分を役立てる場所をハッキリさせたいと思いました」、との「東畑」氏の主張はなかなか高度だ。 齋藤 太郎氏の対談「大好きな「電通」を辞めて僕たちはどこへ行くのか クリエイティブディレクターが語る広告の未来」 (その1)(大好きな「電通」を辞めて僕たちはどこへ行くのか クリエイティブディレクターが語る広告の未来、「SNSに投稿で一品サービス」が法律違反に!10月1日開始“ステマ規制”の重要点を解説) 広告 東畑 幸多氏 東洋経済オンライン 「根アカでいたり、ポジティブに考えていられるように、人知れず努力と訓練はそれなりにしているからね。よく映画とかで鏡に向かって「俺はできる!」って叫ぶシーンがあるじゃないですか。あれ、僕も毎朝やっているから(笑)」、「根アカでいたり、ポジティブに考えていられるように、人知れず努力と訓練はそれなりにしている」、天性のものと思っていたが、「人知れず努力と訓練はそれなりにしている」とは初めて知った。 「ビジネスを理解していないクリエイターはつねに満塁を目指してしまうけど、本当はバントが重宝される案件もあって、状況によって打つべき手は変わるはず。そこを理解し、把握することが僕らの仕事では特に重要だと思うんですよね」、「「効率」と「幸福」とが違うことに、みんなそろそろ気がつき始めている。ソロバンも大切だけど、ロマンも忘れちゃいけない。その両方を見据えながら、企業やブランドと向き合っていく必要があると思っています」、なるほど。 ダイヤモンド・オンライン る仕事だから人生を懸ける価値があるし、こんな面白い仕事はないですから』、「広告」を愛するトップ・「クリエイティブディレクター」らしい含蓄のある発言だ。 そういう意味では、これから再び「らしさ」が重要になっていくようにも思っています。太郎さんが言うように、今はあらゆる分野で正解を出そうとしてしまっているけど、最後に大切なのは企業やブランドが持つ「らしさ」。太郎さんの「なんとかする」クリエイティブディレクションでも、太郎さんが持っている記憶や視点、感動が役立つわけですよね。 広告業界が生き残ろうと変革する中で不安を持っている人もいるけれど、僕はそれこそ「ビッグ愛」を持って、後輩やこれから広告業界を目指す人に明るい背中を見せられる存在でありたいです。人を魅了す 「僕は、広告とは「にぎわい」を作る仕事だと思っていて。にぎわいができれば、パワーが生まれるし、マネタイズもできる。ブランドに、TVCMに、SNSに、店頭に、イベントに、地域に、企業と企業とのリレーションの間に、「にぎわい」を作っていく。 そのために必要なのは、「人を魅了する」こと。効率も作るけど、フェロモンも作る。それを忘れてしまうと、僕たちは存在意義を失ってしまうのかもしれない。 「「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といったキーワードを入れたり、文章で「お店から提供されました」などと説明したりすれば、第三者が見ても誤認しないため、規制対象にはならない」、なるほど。 「冒頭のアイスクリームの例では、SNS投稿を行った本人は罰せられることはありませんが、行政処分等で店主に迷惑をかけることになりかねません。また、行政処分の対象にはならなくても、『あの店はステマをしたらしい』という悪評が立ってしまう可能性もあります」(山本氏) 良かれと思ってしたことが、自分の大事な人に迷惑をかけてしまうかもしれない。ステマ規制は“普通”の人にとっても、他人事ではないのだ」、なるほど。 「一般的な消費者である“普通”の人たちにも関わってくる」とは、どういうことなのだろう。 鈴木朋子氏による「「SNSに投稿で一品サービス」が法律違反に!10月1日開始“ステマ規制”の重要点を解説」 「雑誌などに広告を出せないスモールビジネスの事業者はインフルエンサーマーケティングを行うことが多いですが、方法を間違えると相当なレピュテーションリスク・・・を負う)ことになります。本当に気を付けてほしいと思います」、なるほど。「ステマ」自体は、一般消費者を騙すことであり、今回の規制そのものは望ましいことは言うまでもない。 「過去に出版された書籍、昔から掲出されている看板なども、現時点で閲覧できるならば『対象』となりえます。しかし、現実的には今回の『ステマ規制』の施行前に出版・放送されたものを処分対象とすることは難しいのだと思います。一方でデジタルに掲出されているものは(現実的に対処が不可能なもの以外は)修正対処が可能であり、かつ一般消費者の誤認を招きかねないものなので、行政処分の対象となりうると考えられます」、なるほど。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感