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アジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加問題(続報) [外交]

昨日の「アジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加問題」で引用したファイナンシャル・タイムズ紙が、25日付け(翻訳したJB PRESSの26日付け)で「中国主導のインフラ銀行を拒絶する愚」として大変興味深い記事を掲載していたので、続報として取り上げたい。私が特に興味を惹かれたポイントは以下の通り。

・中国が3.8兆ドルに上る外貨準備高のごく一部をAIIBに投じたいと思っていることは良いニュース。しかもその投資を、中国がどれほど強い発言力を持つとしても、多くの参加国の1つになる多国間機関で行いたいと言っていることは、なお良いニュース。
・米国のジャック・ルー財務長官は、AIIBは組織の統治や融資に関する「最も厳しい国際標準」に従わないのではないかという米国の懸念を表明。かつて世界銀行のスタッフだった筆者としては、苦笑せざるを得ない。世銀が関与したぞっとする事例は少なくないが、例えばザイールのモブツ・セセ・セコへの資金提供で世銀がどんな役割を果たしたか、一度調べてみることをルー長官にはお勧めしたい。
・IMFの出資割当の仕組み改革でG20が合意してから5年になるが、米国連邦議会の批准待ち。
・英国は最も重要な国際的パートナーのそれと異なる方針を採用することでリスクを取っている。だが、支持というものは奴隷的になってはならない。世界は新しい機関を必要としている。新たな大国の台頭に適応しなければならない。ただ単に、米国がもう関与できないからと言って、世界は止まらない。もし米国がその結果を気に入らないのだとすれば、米国は自分を責めるしかない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43312

欧州諸国の参加の皮切り役となった英国側の言い分という面はあるにせよ、米国への痛烈な皮肉が盛り沢山。なかでも、最後の突き放した見解は、日本の米国との付き合い方を考える上でも、参考とすべきだろう。

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山田

今日の新聞では40か国・地域が参加予定となっていたが、日本ももっと独自外交を進めてほしい。
by 山田 (2015-04-01 14:27) 

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