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スカイマーク再建問題 [企業経営]

今日はスカイマーク再建問題を取上げよう。
ANAとデルタ航空がそれぞれの再建案をめぐって争うというこれまで例のない展開になったが、債権者集会の結果とその背景については、次の2つの記事が参考になる。

先ずは、8月6日付け日経ビジネスオンライン「スカイマーク再生、 ANA側“圧勝”のなぜ?債権者集会後の記者会見で語られた理由」のポイントを紹介しよう。
・当初はどちらの案も、この「議決権要件」と「頭数要件」の両方を満たせずに、2カ月以内に再度、債権者集会を開く「続会」という前代未聞に事態に発展するケースも想定。だが、混乱は起きなかった。債権者集会の開始から40分後。蓋を開けてみれば、ANA支援案の「圧勝」
・議決権ベースで見ると、スカイマークの大口債権者は4社ある。イントレピッドが37.91%を持つほか、欧航空機メーカーのエアバスが29.40%、英エンジンメーカーのロールスロイスが16.03%、米航空機リース会社のCITが13.38%。ANA支援案に反対する最大債権者のイントレピッドが議決権総額の4割弱を持つため、その反対を乗り越えて議決権総額の2分の1以上を得るには、残る3社の大口債権者すべてから賛同を得なくてはならない。極めてハードルの高い条件ゆえに、「額」では最大債権者が支持するデルタ支援案が、「頭数」では国内の多くの小口債権者と取引があるANA支援案が過半を取り、「1勝1敗」となるのではないかと言われてきた。だが結果的に、イントレピッド以外の大口債権者3社はANA側に付いた
・「過去の実績」と「将来の可能性」で説得。ANAはエアバスについては、「昨年の3月と今年1月で、40機近い航空機の発注。そういう信頼関係があった」(長峯取締役)。 ロールスロイスに関しては「我々はボーイング787を83機発注している世界最大級のユーザーだが、この83機すべてにロールスロイスのエンジンを付ける。こういう取引の実績に基づいた、信頼関係がある」(同)。 取引関係のないCITについては、「CITはこれまで日本で取引がないということで、日本市場での取引の可能性を探していることもあった。我々としては、約束はできないが、将来の可能性について少し議論をした」(同)
・エアバスなどの大口債権者に対して、ANA支援案に賛同してもらうために機材の購入などの契約を結んだのではないか、という質問に対して長峯取締役は、「(そういう事実はないという)認識で良い」と説明
・デルタ航空は、ANAHD以上のメガキャリアであり、エアバスやロールスロイス、CITという大口債権者3社との関係も深い
・出資したファンドのインテグラルの佐山代表は、「5月29日に(再生計画案を提出したという)記者会見をした。あとはANAさんが頑張って大口債権者を引きつけてほしいと言った。しかしながら、会見が終わった後に(イントレピッドから)別の案が出てきた。我々の名前が入った対抗案が出てきたので驚いた。それは当初、インテグラルが『仮にエアラインの支援がなくてもやっていける』と言っていたためだろう。だが我々の立場は明確に、ANAさんらと株主間契約やスポンサー契約を結び、その案を遂行する立場にある。しかしながら万一、債権者の方がそれを認めないという時には、その時に考えればいいという立場でいた」
・デルタは「債権者への説得のスタートが遅かった」。「金額の方は、イントレピッドが最初から(議決権ベースで)約38%を持っていた。なので、かなり可能性があると思っていた。残る大口債権者の3社のうち、1社でも入れば、または(議決権を)分割した一部でも来れば勝てると思っていた。それも大口債権者の3社は取引先なので、かなり高い可能性だと思っていた」。「もちろん大口債権者のどこかが入ればと思い、ロールスロイスともCITともエアバスとも日々の付き合いがあるので、さまざまな階層でいろいろな働きかけをしてきた
・ただ、相手があることなので、各社が考えて、こういう結果になったということだろう。ベストを尽くしたというということで、それ以上、今の段階では言えない」
・不服申し立てがなされなければ、約4週間後にこの決定が確定し、本格的に再生計画が実行に移されることになる
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/080500063/?P=1

次に、同日付けの東洋経済オンラインがロイター記事を転載した「滑走路なき「新生スカイマーク」の前途多難 なお債権処理などに難題」のポイントを紹介しよう(重複部分は省略)
・最大債権者との火種消えず。波乱要因になりかねないのが、対抗案を出したイントレピッドだ。同社は、スカイマークにエアバスのA330型7機を今夏までにリースする計画だったが、その契約が宙に浮き、損失の肩代わりを期待していたANAとの交渉も決裂。イントレピッドが主張していた債権額は約1150億円。ほぼ戻らないとみられるだけに、「何が何でもなんらかの見返りを求めるだろう」(別の債権者)と同社の動きを警戒する声もある
・スカイマークは、イントレピッドからのリース問題に加え、エアバスとの間でも、大型旅客機A380の購入中止をめぐる最大7億ドルの違約金問題を抱えている。エアバスは債権者集会でANA支援案に票を投じたが、その裏でANAがエアバスと密約を交わしたのではとの見方もある。集会後に会見したANAの長峯豊之取締役は、エアバスとは「交渉の中で(新しい機材発注を)契約するような話はしていない」と否定
・会見に同席したスカイマークの井出隆司会長は5月、6月は搭乗率が増えてきており、「7月、8月は確実に黒字になった。9月も予算よりも上にいっている」と黒字基調にあることを強調。しかし、こうした時期は盆休みなどの長期休暇があり、夏から秋にかけては旅行などで需要が旺盛な季節でもある。周辺からは「債権者とのゴタゴタが続いたり、冬になれば状況が変わる恐れもある」との声も
・収益性強化と独立性が課題に。収益力の強化も課題だ。ANAの長峯氏は、具体的な契約の中でスカイマークの独立性が担保できる仕組みになっており、「運賃や路線、便数など航空事業に関する具体的な計画について、ANAは一切プロセスに関与しない」と強調。だが、同氏は、スカイマークが収益性を維持するためには、需要期には高く、閑散期には安くといった運賃の弾力性をつけることが重要であることも繰り返し提案
・井出会長は「規模の最適化を図り、これまで取りこんできたスカイマークのマーケット(顧客)を維持することで十分に利益は出る」と説明。「ANAやJAL(日本航空)と同じような運賃では、お客様は離れてしまう」と語り、値上げには慎重な姿勢。スカイマークは今後、ANAと共同運航を「なるべく早い段階で」(長峯氏)実施するなどして収益力を改善
・ただ、ANA色が強まれば、第3極としての立ち位置も揺らぎかねない。国内航空市場が寡占状態にある中で、スカイマークが独立性を貫けるのか。再建を主導するインテグラルの手腕にかかっている
http://toyokeizai.net/articles/-/79589

スカイマークの再建問題は、債権者集会でANA案が了承されたとはいえ、漸くスタート台に立てたところで、まだまだ難題も多そうだ。ANAと大口債権者3社との裏取引も「爆弾」とならなければいいが・・・。
タグ:ANA デルタ ロールスロイス エアバス デルタ航空 東洋経済オンライン インテグラル CIT 日経ビジネスオンライン イントレピッド スカイマーク再建問題 がそれぞれの再建案をめぐって争う 前代未聞の展開 スカイマーク再生、 ANA側“圧勝”のなぜ?債権者集会後の記者会見で語られた理由 議決権要件 頭数要件 混乱は起きなかった ANA支援案の「圧勝」 大口債権者は4社 「1勝1敗」となるのではないかと言われてきた 結果的に、イントレピッド以外の大口債権者3社はANA側に付いた エアバスについては、「昨年の3月と今年1月で、40機近い航空機の発注 83機すべてにロールスロイスのエンジン CITはこれまで日本で取引がないということで、日本市場での取引の可能性を探していることも 我々の立場は明確に、ANAさんらと株主間契約やスポンサー契約を結び、その案を遂行する立場 債権者への説得のスタートが遅かった 約4週間後にこの決定が確定 ロイター記事を転載 滑走路なき「新生スカイマーク」の前途多難 なお債権処理などに難題 最大債権者との火種消えず 何が何でもなんらかの見返りを求めるだろう スカイマークは、イントレピッドからのリース問題に加え、エアバスとの間でも、大型旅客機A380の購入中止をめぐる最大7億ドルの違約金問題 収益性強化と独立性が課題
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