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世界同時株安 [世界経済]

今日は昨日のソニーの続きをやるたもりだったが、株価の暴落が続いたこともあり、急遽、世界同時株安を取上げよう。

先ずは、25日付け闇株新聞「宴(うたげ)は終了したのか?」のポイントを紹介したい(内容は24日付け)
・本日(8月24日)の日経平均は895円安の18540円となり、半年前の2月23日の水準まで後退。わずか1週間前の8月17日は20620円だったため、そこから2080円(10.1%)も急落
・ところが本当の嵐はNY市場が開いた直後の(日本時間)午後10時半過ぎで、NYダウは一気に1089ドル安の15370ドルまで売り込まれました。さすがにそこから急速に買い戻されていますが、やはり1週間前の8月17日は17545ドルだったため、そこから本日の安値まで2175ドル(12.4%)も下落
・同じころのDAX(ドイツ)も786ポイント安の9338まで売り込まれました
・本日の上海総合指数は297ポイント安の3209と、前回の急落で「なりふり構わぬ」株価対策を動員させた7月9日の瞬間安値・3373ポイントを下回ってしまいました
・また為替もNYダウが急落していた(日本時間)午後10時過ぎに一時1ドル=116.17円と急激な円高。同じ頃に一時1ユーロ=1.17ドル台のユーロ高となっていたため、これは円高・ユーロ高というより「ドル安」
・このままでは明日(8月25日)の日経平均も上海総合指数も、またかなり下落することになりそうです。 株価急落の理由としては、中国経済の状況が想定されていたよりも深刻であることや、FRBの利上げが近いことが挙げられますが、どちらもここ1週間で突然に出てきた「悪材料」ではありません
・とくに中国経済については8月11日~13日に人民元の「基準値」が合計で約4.6%引き下げられたのですが、日経平均をはじめ世界の株式市場はそれほど影響を受けていませんでした
・世界の株式市場は、FRBが量的緩和を終了させ原油価格が急落していた昨年10月中旬にボトムをつけています。各国株式市場のその頃の安値は、日経平均が14532円、NYダウが16117ドル、DAXが8571ポイント、上海総合指数が2290ポイントでした。これらの「安値」は今後を占うときに大変重要となります
・そして昨年10月31日に日銀が意外にも追加量的緩和に踏み切り、それをきっかけに中国人民銀行やECBを含む世界中ほとんどの中央銀行が新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに突入し、そこから世界の株価が急上昇となり「つい最近」まで続いていました。つまり、つい最近まで宴が続いていたことになります
・それでは最近の世界的な株価急落を受け、宴をもう少し続けるにはどうすればよいのでしょう?
・それは世界の中央銀行が「新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに突入すること」です。具体的には利上げが近いと考えられていたFRBが利上げを取りやめ、中国経済低迷の影響が最も大きいため中国人民銀行が追加金融緩和(基準金利の引き下げよりも預金準備率の引き下げの方が有効と思われます)に踏みきることです
・金融緩和・量的緩和が実際に経済を回復させる効果があるわけではありませんが、少なくとも金融緩和・量的緩和が各国の株式市場を上昇させたことは事実です。 もう1度だけ、その効果に期待することになります
・それでは日銀も追加量的緩和に踏み切るべきなのでしょうか? 特にFRBが利上げを見送れば、さらなる円高圧力がかかるため、2017年4月の消費増税までは株価を維持させたい財務省と官邸の意向のためにも、追加量的緩和は大変に安直で有効そうなカードとなります
・たぶん日銀は追加量的緩和に踏み切ってしまうはずですが、ここからのさらなる量的緩和は「弊害」の方が大きいはずです。 宴か弊害の「究極の選択」となりそうです
http://yamikabu.blog136.fc2.com/

次に、22日付け東洋経済オンラインに、元財務官僚で慶応義塾大学准教授の小幡 績氏が寄稿した「日本の株価暴落が、世界一深刻になる理由 世界的な株価の下落はまだ終わっていない」のポイントを紹介しよう。
・なぜ株価はこれからもっと下落するのか:個人的な予測は、世界も日本も下がる。日本がもっとも大きく下がる、というものだ
・なぜか。世界の株式はずっと上昇を続けてきた。欧州は紆余曲折あったが、結局、上昇トレンドで来た。米国は、暴落の反動で、また異常な金融緩和により、相場上昇は加速しただけでなく、長期化し、約6年間上昇が続いてきた。景気も同様で、米国実体経済は6年間、好況が続いてきたのである。これが反転しない、というわけにはいかない
・景気とは景気循環であり、その言葉の定義からも構造からも、循環するものであり、上昇すれば下落する。好況が続けば、過熱して、停滞から不況へと向かう。山高ければ谷深し。これは、日本のバブル崩壊だけでなく、バブルも景気循環も同じであり、今後は、好況が終わり、その調整は大きく、長期にわたるだろう
・これは米国経済よりは中国経済について深刻である。それは、中国の景気上昇が、高度成長期という中期的な構造要因もあって、長期に高い実体経済の成長を続けてきたからだ。そして、不動産バブルは長期にわたり、また全土に広がり、そして水準も高く、崩壊すれば、長く深い崩壊となるだろう
・個人の「バランスシート調整」が長引く可能性:中国不動産バブルには、さらに2つ致命的な問題がある。第一に、個人が投資の主体であるにもかかわらず、自己使用のための住宅ではなく、純粋な投資物件で、売りやすいように未入居のままにして売却を狙ってきたことだ。 これは完全にバブルだ。だがバブルが崩壊したときに、商業用不動産を企業やファンドが投機の対象とした場合には、崩壊は激しくなるが、短期で調整も終わる。しかし、個人では、損切りや倒産が難しいから、調整が長引くと言うことだ。だから1回暴落して、回復してきたように見えても、それは見せかけであり、さらに深い底が待っている
・二つ目の致命傷とは、まさにこのことだ。中国不動産市場は回復を見せている。特に深センが一見勢いよく回復しているが、これは勢いがありすぎて、今後の調整が深くなるだろう
・なぜ、中国について長く語る必要があるかというと、中国の資産市場、不動産市場と株式市場は、他の市場から独立しているからだ。 あれ?それなら、世界市場には影響ないのでは?というのが普通の印象だろう。その通りだ。世界的な暴落の伝染は、投資家が同じ投資家であること、機関投資家が大規模に世界的に投資しているから起きる。そして、彼らはプロ中のプロだから、極めて論理的に行動するから、彼らは同じタイミングで売るときは売るし、買うときは買う。リスクオフになれば、世界同時にリスクオフとして売るから、同時に下落するのだ
・しかし、中国の投資家とは中国の個人と事業会社だとすると、世界のリスク資産市場から隔絶されており、暴落の伝播はない、というのが理屈である。それなのに、なぜ今回の世界暴落の時に中国が一番重要なのか。 それは、今回の株式市場の暴落が、中国の金融政策によるものではなく、米国の利上げという金融政策によるものでもなく、純粋に、中国経済の後退を中心とする世界的な新興国の実体経済の低迷が理由だからだ。この暴落は、ある意味静かで怖い
・なぜ静かで怖いかというと、パニックで非合理的に投資家が投げ売っているからではないからだ。金融的理由による売りなら、売りが出尽くせば、それで止まる。また、パニックになればなるほど、すべての膿は吐き出され、冷静に戻った後では、買いが入りやすい展開になる。 要は、気分の乱高下に市場がつきあわされる、あるいは市場が投資家を錯乱させ、それがブーメランのように市場に返ってくるだけだ。ところが、実体経済の停滞という理由で世界的に売られると、回復には実体経済が戻らないといけない。それには時間がかかる。だから、今回の下落は深刻なのである
・日本のバブルが崩壊するのも早い:なぜ日本の株価がなぜ世界の主要国で一番下がるかを述べよう。それは、日本が一番上がってきたからである。日銀が買う、GPIFが買う、という理由で海外の投資家が買い、GPIFが買うから海外の投資家が買うから、と言う理由で国内の投資家も買い、個人の投資経験の浅い人々も、最後にその流れに乗ってきた
・だから、下がり始めれば、日本だけは、金融的なセンチメントでも下がるのである。しかも、下手に公的に近い組織が買い支えるように見える展開が続くと、落ちたときにそのショックは大きくなる。他人が買うから自分も買う、というのは、まさにバブルであり、崩壊するのも早いからだ
・今後、株価は乱高下と言うよりは、次第にいったん戻したり、また下がったり、という一進一退を繰り返すようになるだろう。そのときに、明示的な、大きなネガティブショックが来たときが、大きく崩壊するときだ。それは日本発ではなく、中国か米国発だろうが、そのときに一番下がるのは日本であろう
http://toyokeizai.net/articles/-/81432

小幡 績氏の指摘は、いつもながら鋭い。執筆時点後の現在の暴落が、「大きく崩壊するとき」であって、これ以上の崩壊はないことを祈るばかりだ。
これまでの日本の株式相場の好調や円安は、アベノミクスの数少ない成功例とされてきた。安保法案などで安部政権の支持率が大きく低下したなかでの株価暴落は、政権にとって致命傷となりかねない大問題である。闇株新聞の見方のように、追加金融緩和も大いにありそうだ。短期的に戻すことはあっても、やはり株価バブルは終わったとみるべきなのだろう。
タグ:どちらもここ1週間で突然に出てきた「悪材料」ではありません FRBの利上げが近い 中国経済の状況が想定されていたよりも深刻 急激な円高 上海総合指数 2175ドル(12.4%)も下落 NYダウ 2080円(10.1%)も急落 1週間 日経平均 世界同時株安 昨年10月31日に日銀が意外にも追加量的緩和 中国人民銀行やECBを含む世界中ほとんどの中央銀行が新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに突入 世界の株価が急上昇 つい最近まで宴が続いていた 宴をもう少し続けるにはどうすればよいのでしょう 世界の中央銀行が「新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに突入すること」 もう1度だけ、その効果に期待 日銀は追加量的緩和に踏み切ってしまうはず ここからのさらなる量的緩和は「弊害」の方が大きいはずです 東洋経済オンライン 小幡 績 日本の株価暴落が、世界一深刻になる理由 世界的な株価の下落はまだ終わっていない 世界も日本も下がる。日本がもっとも大きく下がる 米国実体経済は6年間、好況が続いてきたのである。これが反転しない、というわけにはいかない 景気とは景気循環 上昇すれば下落する バブルも景気循環も同じであり、今後は、好況が終わり、その調整は大きく、長期にわたるだろう 中国経済について深刻 不動産バブル 自己使用のための住宅ではなく、純粋な投資物件で、売りやすいように未入居のままにして売却を狙ってきた 個人では、損切りや倒産が難しいから、調整が長引く 二つ目の致命傷 中国不動産市場 さらに深い底が待っている 今後の調整が深くなるだろう 中国の資産市場、不動産市場と株式市場は、他の市場から独立 今回の株式市場の暴落が 中国経済の後退を中心とする世界的な新興国の実体経済の低迷が理由だからだ この暴落は、ある意味静かで怖い 回復には実体経済が戻らないといけない。それには時間がかかる 日本のバブルが崩壊するのも早い 日本だけは、金融的なセンチメントでも下がるのである 一進一退を繰り返す 明示的な、大きなネガティブショックが来たときが、大きく崩壊するときだ 一番下がるのは日本
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