英国EU離脱問題 [世界情勢]
今日は 一昨日に予告していた 英国EU離脱問題 を取上げよう。
先ずは、2月29日付け日経ビジネスオンライン「英国EU離脱は、もう止められない? みずほ総合研究所の吉田健一郎氏に聞く」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問)。
Q:英国がEU(欧州連合)から離脱するか、残留するかを問う国民投票が今年6月に実施されます。現地の世論調査などを見ていると、離脱が現実味を帯びてきているように見えます。
吉田:最新の世論調査(You Gov)の結果を見てみましょう。EU離脱を求める人が38%で、EU残留を求める人の37%を若干上回っています。この調査は、2月21~23日にかけて実施されました。キャメロン首相が提案したEU改革案が2月19日に合意したことを受けて実施されたものです。
+革案の主なポイントは後ほど解説しますが、合意前の2月3~4日の調査から世論がどう動いたかを見ると、今後の動向を推察できます。 2月3~4日の調査では、EU離脱派が45%と、EU残留派の36%を圧倒的に上回っていました。つまり、改革案の合意を受けて、離脱派は7ポイント減ったわけです。しかし、この結果から離脱する可能性が大きく下がったと見るべきではないでしょう。残留派は1ポイントしか上昇していないからです。では、意見を変えた離脱派は、どこに行ったのでしょうか。今回の調査の結果では、「わからない」「投票しないだろう」が増えています。要するに、態度を保留にした人が増えたに過ぎません。
+この世論調査から透けて見えるのは、多くの英国民にとって合意内容は不十分で、積極的な残留支持に転じる理由とはならないという印象を持ったということではないでしょうか。 実際、合意発表後に、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏や閣僚6人が離脱支持を表明するなど、与党内でも離脱派が勢いづいています。キャメロン首相は、離脱を支持するか残留を支持するかは個人の判断に任せる考えです。
▽英国にとってEUの経済的重要性が低下
Q:そもそも、英国でなぜEUからの離脱を求める意見が増えてきたのでしょうか。
吉田:昔から英国人には、EUの官僚主義的な態度が気に入らないという感情がありました。(EU本部がある)ブリュッセルの決定を押しつけられていると思っている人は少なくありません。そして、何よりも欧州統合の経済的メリットをあまり受けていないという感覚があります。
+少し歴史を振り返ってみましょう。下の図を見てください。各年のEU15カ国の1人当たりGDP(国民総生産)を100としたときの、英国の1人当たりGDPの水準の推移を示したものです。 まず、英国がEUの前身であるEC(欧州共同体)に加盟したのは1973年。当時、英国は「英国病」とも言われる不景気のどん底にあり、相対的にEU15カ国の経済の方が堅調だった様子が分かります。しかし、その後金融ビッグバンを経て90年代後半からは英国の相対的優位が顕著になります。2000年代にはグローバル化による世界的なマネーフロー拡大の波に乗り、いわゆる、金融街シティが英国経済のけん引役になっていきました。
+2008年にリーマンショックが起き、そのときはシティが大打撃を受けたために、欧州大陸の経済力より一時的に劣りました。しかし、ロンドンの復活は比較的早く、その一方で欧州大陸ではユーロ危機が起きて、債務危機に陥っていきました。その結果、相対的に英国経済の優位性が再び高まっています。逆に言えば、経済的に見て英国にとってEUの重要性は下がってきました。
+実際、英国の輸出額を見ると、リーマンショック後に大きく落ち込んだ後、2010~12年の間に大きく拡大しましたが、その牽引役は主に非EU向け、より具体的に言えば、中国向けと米国向けでした。一方、EU向けはリーマンショックで落ち込んだ後、一時は回復基調にあったものの、債務危機が深刻化するにつれて再び減少していきました。
▽欧州債務危機で英国内のEU懐疑派を勢いづけた
+特に、欧州危機は英国内の政治にも大きな影響を与えました。キャメロン政権が誕生することになる2010年の選挙戦では、ユーロ圏がギリシャに対して数百億ユーロ規模の金融支援を検討するなか、キャメロン首相は「もし我々が今ユーロに入っていたら、皆さんの税金、国民保険料は病院、学校、警察へは行かず、ギリシャやほかの国の救済に使われていただろう」といった趣旨の発言をするなど、債務危機により高まっていたEU懐疑的な有権者の取り込みを図りました。
+その結果誕生した連立政権では、保守党議員の307名の中に、80人近いEU懐疑派が議席を得たと思われます。こうした傾向はその後も続き、2015年の選挙では、保守党議員330人のうち、EU懐疑派は100人を上回り、その勢力は拡大しました。
+欧州で債務危機が深刻化するにつれて、EUは様々な金融規制を導入したほか、債務危機に陥っている国に対する支援策をまとめていきました。それに対し英国は、すべてブリュッセル中心に物事が決まっていくことに、不満を募らせていきました。 このあたりの経緯や議論については、私がロンドン事務所長をしていた当時のレポートをお読みいただければ、より雰囲気がお分かりになると思います(「英国の賭け、“Brexit(脱EU)”の現実味」)
▽難民問題がEU懐疑論に拍車
Q:最近では、急速な移民の流入も反EUの感情を刺激していますね。
吉田:まず、EU域内では労働者は自由に移動ができるという原則があります。その結果、何が起きたか。貧しい国から豊かな国へ、労働者はより稼げる仕事を求めて移動するようになり、英国に流入する移民の数が急速に増えてきました。
+EUは2004年以降、中東欧へと段階的に加盟国を増やしてきました。その結果、中東欧諸国からの英国への移民が増えたことに加えて、債務危機以降はEU主要国からの移民も増加しました。さらに、2014年にルーマニアとブルガリアの労働者に対するEU域内就労の制限が撤廃されてからは、両国の労働者の英国への流入が加速しています。
+移民については英国経済を活性化させているという議論がある一方、英国人の職を奪っているという指摘もあります。そのため、キャメロン政権は、EU域外からの移民に対するハードルを少しずつ高めてきました。しかし、ここにきて、EU域外からの移民で新たな事態が発生しています。それが難民問題です。
+シリア内線による難民は昨年から急増しており、英仏の国境にあるフランス側の町カレーでは、英国を目指してきた難民たちが入国を阻止されて「ジャングル」と呼ばれるキャンプを作っています。そこには3000人とも6000人とも言われる難民たちが生活しており、これまで暴動などが起きるなど社会問題になっているほどです。
+昨年、パリで発生したテロ事件では、実行犯の一部が難民に紛れ込んで入国したとも言われており、英国では難民の流入に対する警戒感が高まっています。さらに、今後春になって暖かくなると、難民がさらにEUに流入してくるとも見られています。ドイツをはじめとして当初から難民受け入れに寛容なEUに対して、英国は不信感を抱いているのです。
▽EU合意の4つのポイント
Q:キャメロン首相がEU残留の条件として提案したEU改革案が、欧州首脳会議で合意されました。合意内容のポイントを教えてください。
吉田:主には4つに分けられると思います。
+1つ目は、EU加盟国の主権に関するものです。まず、EUがこれから政治的に統合を深化させていく際に不可欠となる、加盟国からのEUへの主権の委譲などに、英国はこれ以上コミットしないということが、次のEU基本条約を改正する際に盛り込まれることになりました。 また、EU各国議会の55%以上、すなわち16カ国以上の賛成があれば、EUの決定に対して、いわゆる「レッドカード」とよばれる拒否権を発動することができるようになります。EU加盟国議会は、各2票、もし2院制であれば、上下院が1票ずつ投票権を持つので、31票の反対があれば拒否権が発動できるわけです。しかし、これだけの賛同を他国の議会から得るのはそれほど簡単ではないですし、ちょっとハードルは高いかもしれません。
+2つ目が、ユーロの安定化への非ユーロ加盟国の関わり方です。つまりは、金融街シティの保護がテーマです。 まず、非ユーロ圏の銀行、焦点となったのは当然、シティにある銀行のことですが、ユーロ圏の銀行同盟の規制から除外されることになります。預金者保護や銀行の清算などに関する規制の対象外になることが確認されました。また、ユーロ圏安定のために非ユーロ圏の予算が拠出されることはなくなります。昨年、ギリシャ危機が再燃した際には、欧州金融安定メカニズム(EFSM)から英国の資金がギリシャ救済に拠出されましたが、英国はこれに反発していました。
+3つ目が移民に関するものです。まずは、社会保障制度の制限。EUでは、移民に対して在職給付が与えられていますが、EU理事会が承認した場合においては、例外的に4年間、停止できるようになります。移民の流入によって福祉制度に過度な負担がかかる場合の緊急処置で、加盟各国は徐々にこの制度を導入していくことになります。ちなみに英国は今、こうした状況だと認められています。
+そして4つ目も移民に関するものですが、子ども手当です。EU域内であれば、子供と同じ場所に住んでいなくても、親が住んでいる国から子ども手当が給付されます。例えば、ルーマニアからの出稼ぎ労働者が、子どもは故郷に残して英国で働いていた場合、英国の子ども手当がルーマニアの子供に給付される仕組みです。英国政府の子ども手当の方がルーマニア政府の子ども手当より金額が大きいため、出稼ぎにきて子ども手当をもらった方が有利なわけです。この子ども手当を、子どもが住んでいる国の生活水準に合わせて支給するようになります。
+これらの制度変更は「EU改革」という枠組みですので、英国だけに適応されるのではなく、加盟国すべてに適応されます。そのため、移民を受け入れる立場にあるEU主要国にとっても、3つ目、4つ目の移民へのベネフィットを制限する内容は受け入れやすいものでした。また、1つ目の拒否権を発動できるようになることも、英国以外のEU加盟国にとってもプラスになるものです。2つ目のユーロの安定化についても、英国以外の非ユーロ加盟国にとっても受け入れやすいものでしょう。
+今回の合意の内容は、英国以外のEU加盟国にとっても、基本的に賛同しやすいものが多かったのではないかと思います。言い換えれば、英国のEU離脱派にとっては小粒で、不満の残る内容でした。 1つ目の拒否権についても、なぜ、英国単独で拒否権を発動できないのか、という不満が残るでしょうし、3つ目の在職給付金の停止についても、なぜ、4年間の完全な停止ではなく徐々に緩和していくのかという不満もあるでしょう。移民に対しては、EU離脱派からは具体的な移民の数に制限を求める声も聞かれていました。今回の合意案草案が出た時点で、予想されていた部分もあるのですが、こうした点が、世論調査でEU残留派が大きく伸びなかった背景にあります。
▽最終的に英国がEUから離脱したらどうなる?
Q:結局、最終的に英国がEUを離脱したら、英国やEUはもちろんですが、日本にはどのような影響が及んでくるのでしょうか。
吉田:まず、6月23日の国民投票でEU離脱が決まった場合、即座に離脱手続きに入ることになります。基本的には2年後までに離脱することになるので、2018年夏にも英国がEUから出ていくことになるかもしれません。
+EU離脱が決まった場合、英国が望むシナリオは、何らかの方法でEUの単一市場にアクセスできる仕組みを維持しながら、中国、米国、日本、インド、オーストラリアといった大市場との貿易量を増やすことでしょう。
+課題は、どうやって単一市場へのアクセスを維持するか、と言う点です。私は、それほど簡単なことではないと考えています。例えば、ノルウェーのように、欧州経済領域(EEA)という枠組みを利用するということで単一市場へのアクセスを確保することも選択肢としては考えられますが、この場合はEUの規制を受け入れたり、EU予算への拠出を求められたりしますので、英国にとっては受け入れ難いと思います。そもそも、規制を受けるのが嫌でEUを出るわけですから。
+スイスのように二国間協議によってEU加盟国と個別にFTA(自由貿易協定)のような経済協定を結んでいくことの方が、まだ英国としては受け入れやすいと思います。ただ、そうなると、これまでEU加盟国として得ていた単一市場へのアクセスと同等のメリットを享受出来るかもわかりませんし、協定の締結には非常に時間がかかります。
▽スコットランドの独立投票をもう一度?
+英国がEUに残留した場合は、将来的にはEUの「準会員」のような制度を新たに作り、そこに英国が名を連ねる、と言う選択肢も出てくるかもしれません。ただし、これにはEUの基本条約の改正が必要となる可能性もあるので、ハードルは高いですね。
+ただ、既にEUは、ユーロを採用している“コア”の加盟国と、ユーロは採用せずに単一市場のみに参加している“ノンコア”の加盟国があります。こうした状況を、そろそろ整理する時期に来ているのかもしれません。
+いずれにしても、短期的には英国と欧州のマーケットは荒れるでしょう。まず、英国企業の株価は下がり景気への悪影響も出てくるでしょうし、不確実性が増すことになるので直接投資も減るでしょう。ポンドやユーロは売られ、円には上昇圧力がかかると思います。サッカーのプレミアリーグでは、「優秀な選手を欧州から引き抜いてくるのが難しくなる」と言う声も聞かれているようです。
+また、昨年実施されたスコットランドの独立を問う国民投票のやり直しを求める声が高まる懸念もあります。独立を支持しなかったのは、英国がEUにとどまっていることが前提だったと。その前提が崩れた以上、独立してスコットランド単独でEUに加盟したい、と言う意見も出てくるのではないでしょうか。
+キャメロン首相はこれから、EU残留に向けて様々なキャンペーンを打ってくるでしょう。既に、在英主要企業の経営者は、英紙に「ビジネスが成長を続けるには制約のない欧州市場へのアクセスが必要であり、EU離脱は投資抑制や雇用維持の脅威となる」との投書を行っています。こうした産業界から反対の声を挙げさせる戦略は、2014年のスコットランドの英国離脱の是非を問う住民投票の際にもみられました。英国のEU国民投票まで約4カ月、英国の動向から目が離せません。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/022600139/?P=1
次に、元オーストラリア外相のギャレス・エヴァンス氏が3月6日付け東洋経済オンラインに寄稿した「イギリスのEU離脱は、「名誉なき孤立」を招く 英語圏は、もはや盟主など求めてはいない」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・英国が欧州連合(EU)離脱の是非をめぐって揺れている。賛成派の根拠の一つとなっているのが、英国が「アングロスフィア」と言われるコミュニティのリーダーとして、新時代の役割を担うだろうとの考え方である。
・アングロスフィアとは、同様の文化や価値観を持った英語圏諸国のこと。具体的には米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれる。これらの国々は価値観だけでなく、歴史や法律、民主主義制度といった社会基盤も共有しており、その結束が世界平和に貢献できると一部で考えられているのだ。
・彼らの主張は、英国が率先してこのコミュニティの中心に位置すれば、硬直化して分裂の兆しさえあるEUにとどまるよりも価値がある、というものだ。しかし、旧植民地の住民である私の偏見なのかもしれないが、それは幻想にすぎないように見える。
▽関心持ちそうな国は皆無
・アングロスフィアの根本的な問題は、地政学的、経済的、あるいは政治的な点で、このコミュニティに興味を持って参加しそうな国がほとんど見当たらないことだ。
・今世界で地政学的に重要なことの一つは、米国と中国との覇権争いだ。米国は中国を牽制するためにも同盟国を欲しており、豪州やニュージーランドといった英語圏の国々はその候補ではある。しかし米国にとってより重要なのは、日本や韓国、さらにインドネシア、タイといった東南アジアの国々である。オバマ大統領が2月、カリフォルニアで米ASEANサミットを開催したのは、その好例だ。
・もちろん米国にとって、北大西洋条約機構(NATO)メンバーである英国やカナダとの関係は重要だ。しかし、豪州やニュージーランドとなれば話は別である。
・逆の立場から見ても同様だ。豪州が今見据えるのはアングロスフィア間の連携よりも、むしろインド太平洋での東アジア諸国とのパートナーシップだ。今や豪州では海外生まれが約3割に上り、4分の1の国民が家庭で英語以外の言語を話している。
・1942年にシンガポールが(日本軍に)降伏して以来、英国は東南アジアやオセアニアの防衛で何ら重要な役割を果たしていない。アングロスフィアが国際的な存在感を示したのは数十年前、南アフリカでのアパルトヘイトの撲滅に向けた闘いが最後だった。
・経済的に見ても同様だ。英国が欧州共同市場に参加してアングロスフィア諸国との関係を断絶したことは、豪州の乳製品産業にとっては痛手だったが、英国はその際、抜け目のない利己主義を発揮した。
・そうした利己主義は、残されたわれわれの側にも行き渡っている。豪州の場合、通商の面で鍵となるプレイヤーは米国やASEAN、中国、インド、日本、韓国、ニュージーランドだ。それに米国のフロマン通商代表も昨年10月、EUから離脱するのであれば英国との自由貿易協定交渉に関心はない、と述べている。
▽郷愁はあっても帰属意識はない
・私個人は、イングランドのカントリーウォークやパブへの憧れから(「イギリス見て歩き」を書いた米国人の)旅行作家ビル・ブライソンにだけは傾倒している。しかし、われわれは英国に郷愁を感じることはあっても、もはや帰属意識はないのだ。
・今なおアングロスフィアの再起を望む人々は、そうした郷愁に心を奪われた人々かもしれない。しかし、現実は厳しいのだ。英国が仮に、新たなコミュニティに期待してEUから脱退するとすれば、独りよがりな寂しい結末を迎えかねない。
http://toyokeizai.net/articles/-/107416
それにしても、キャメロン英首相はEUに英国の主張を飲ませるためとはいえ、総選挙でEU離脱の是非を問う国民投票実施を公約するという、馬鹿げた「賭け」を打ったものだ。ここまでくると、英国人は「賭け」が大好きとはいっても、どう考えてもやり過ぎだ。中東欧諸国からの移民問題以外に国民投票を公約した時点では発生してなかったシリア難民問題までが加わると、手ぬるいEU改革案では、離脱への流れを止められず、英国のみならず、EUを大混乱に陥らせた「史上まれにみる馬鹿宰相」の汚名をかぶせられる懸念も強そうだ。
ギャレス・エヴァンス氏の「アングロスフィア」幻想についての記事は、「旧植民地の住民である私の偏見」を考慮したとしても、手厳しい批判だ。
キャメロン英首相の残留に向けての今後の手綱さばきが注目される。
先ずは、2月29日付け日経ビジネスオンライン「英国EU離脱は、もう止められない? みずほ総合研究所の吉田健一郎氏に聞く」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問)。
Q:英国がEU(欧州連合)から離脱するか、残留するかを問う国民投票が今年6月に実施されます。現地の世論調査などを見ていると、離脱が現実味を帯びてきているように見えます。
吉田:最新の世論調査(You Gov)の結果を見てみましょう。EU離脱を求める人が38%で、EU残留を求める人の37%を若干上回っています。この調査は、2月21~23日にかけて実施されました。キャメロン首相が提案したEU改革案が2月19日に合意したことを受けて実施されたものです。
+革案の主なポイントは後ほど解説しますが、合意前の2月3~4日の調査から世論がどう動いたかを見ると、今後の動向を推察できます。 2月3~4日の調査では、EU離脱派が45%と、EU残留派の36%を圧倒的に上回っていました。つまり、改革案の合意を受けて、離脱派は7ポイント減ったわけです。しかし、この結果から離脱する可能性が大きく下がったと見るべきではないでしょう。残留派は1ポイントしか上昇していないからです。では、意見を変えた離脱派は、どこに行ったのでしょうか。今回の調査の結果では、「わからない」「投票しないだろう」が増えています。要するに、態度を保留にした人が増えたに過ぎません。
+この世論調査から透けて見えるのは、多くの英国民にとって合意内容は不十分で、積極的な残留支持に転じる理由とはならないという印象を持ったということではないでしょうか。 実際、合意発表後に、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏や閣僚6人が離脱支持を表明するなど、与党内でも離脱派が勢いづいています。キャメロン首相は、離脱を支持するか残留を支持するかは個人の判断に任せる考えです。
▽英国にとってEUの経済的重要性が低下
Q:そもそも、英国でなぜEUからの離脱を求める意見が増えてきたのでしょうか。
吉田:昔から英国人には、EUの官僚主義的な態度が気に入らないという感情がありました。(EU本部がある)ブリュッセルの決定を押しつけられていると思っている人は少なくありません。そして、何よりも欧州統合の経済的メリットをあまり受けていないという感覚があります。
+少し歴史を振り返ってみましょう。下の図を見てください。各年のEU15カ国の1人当たりGDP(国民総生産)を100としたときの、英国の1人当たりGDPの水準の推移を示したものです。 まず、英国がEUの前身であるEC(欧州共同体)に加盟したのは1973年。当時、英国は「英国病」とも言われる不景気のどん底にあり、相対的にEU15カ国の経済の方が堅調だった様子が分かります。しかし、その後金融ビッグバンを経て90年代後半からは英国の相対的優位が顕著になります。2000年代にはグローバル化による世界的なマネーフロー拡大の波に乗り、いわゆる、金融街シティが英国経済のけん引役になっていきました。
+2008年にリーマンショックが起き、そのときはシティが大打撃を受けたために、欧州大陸の経済力より一時的に劣りました。しかし、ロンドンの復活は比較的早く、その一方で欧州大陸ではユーロ危機が起きて、債務危機に陥っていきました。その結果、相対的に英国経済の優位性が再び高まっています。逆に言えば、経済的に見て英国にとってEUの重要性は下がってきました。
+実際、英国の輸出額を見ると、リーマンショック後に大きく落ち込んだ後、2010~12年の間に大きく拡大しましたが、その牽引役は主に非EU向け、より具体的に言えば、中国向けと米国向けでした。一方、EU向けはリーマンショックで落ち込んだ後、一時は回復基調にあったものの、債務危機が深刻化するにつれて再び減少していきました。
▽欧州債務危機で英国内のEU懐疑派を勢いづけた
+特に、欧州危機は英国内の政治にも大きな影響を与えました。キャメロン政権が誕生することになる2010年の選挙戦では、ユーロ圏がギリシャに対して数百億ユーロ規模の金融支援を検討するなか、キャメロン首相は「もし我々が今ユーロに入っていたら、皆さんの税金、国民保険料は病院、学校、警察へは行かず、ギリシャやほかの国の救済に使われていただろう」といった趣旨の発言をするなど、債務危機により高まっていたEU懐疑的な有権者の取り込みを図りました。
+その結果誕生した連立政権では、保守党議員の307名の中に、80人近いEU懐疑派が議席を得たと思われます。こうした傾向はその後も続き、2015年の選挙では、保守党議員330人のうち、EU懐疑派は100人を上回り、その勢力は拡大しました。
+欧州で債務危機が深刻化するにつれて、EUは様々な金融規制を導入したほか、債務危機に陥っている国に対する支援策をまとめていきました。それに対し英国は、すべてブリュッセル中心に物事が決まっていくことに、不満を募らせていきました。 このあたりの経緯や議論については、私がロンドン事務所長をしていた当時のレポートをお読みいただければ、より雰囲気がお分かりになると思います(「英国の賭け、“Brexit(脱EU)”の現実味」)
▽難民問題がEU懐疑論に拍車
Q:最近では、急速な移民の流入も反EUの感情を刺激していますね。
吉田:まず、EU域内では労働者は自由に移動ができるという原則があります。その結果、何が起きたか。貧しい国から豊かな国へ、労働者はより稼げる仕事を求めて移動するようになり、英国に流入する移民の数が急速に増えてきました。
+EUは2004年以降、中東欧へと段階的に加盟国を増やしてきました。その結果、中東欧諸国からの英国への移民が増えたことに加えて、債務危機以降はEU主要国からの移民も増加しました。さらに、2014年にルーマニアとブルガリアの労働者に対するEU域内就労の制限が撤廃されてからは、両国の労働者の英国への流入が加速しています。
+移民については英国経済を活性化させているという議論がある一方、英国人の職を奪っているという指摘もあります。そのため、キャメロン政権は、EU域外からの移民に対するハードルを少しずつ高めてきました。しかし、ここにきて、EU域外からの移民で新たな事態が発生しています。それが難民問題です。
+シリア内線による難民は昨年から急増しており、英仏の国境にあるフランス側の町カレーでは、英国を目指してきた難民たちが入国を阻止されて「ジャングル」と呼ばれるキャンプを作っています。そこには3000人とも6000人とも言われる難民たちが生活しており、これまで暴動などが起きるなど社会問題になっているほどです。
+昨年、パリで発生したテロ事件では、実行犯の一部が難民に紛れ込んで入国したとも言われており、英国では難民の流入に対する警戒感が高まっています。さらに、今後春になって暖かくなると、難民がさらにEUに流入してくるとも見られています。ドイツをはじめとして当初から難民受け入れに寛容なEUに対して、英国は不信感を抱いているのです。
▽EU合意の4つのポイント
Q:キャメロン首相がEU残留の条件として提案したEU改革案が、欧州首脳会議で合意されました。合意内容のポイントを教えてください。
吉田:主には4つに分けられると思います。
+1つ目は、EU加盟国の主権に関するものです。まず、EUがこれから政治的に統合を深化させていく際に不可欠となる、加盟国からのEUへの主権の委譲などに、英国はこれ以上コミットしないということが、次のEU基本条約を改正する際に盛り込まれることになりました。 また、EU各国議会の55%以上、すなわち16カ国以上の賛成があれば、EUの決定に対して、いわゆる「レッドカード」とよばれる拒否権を発動することができるようになります。EU加盟国議会は、各2票、もし2院制であれば、上下院が1票ずつ投票権を持つので、31票の反対があれば拒否権が発動できるわけです。しかし、これだけの賛同を他国の議会から得るのはそれほど簡単ではないですし、ちょっとハードルは高いかもしれません。
+2つ目が、ユーロの安定化への非ユーロ加盟国の関わり方です。つまりは、金融街シティの保護がテーマです。 まず、非ユーロ圏の銀行、焦点となったのは当然、シティにある銀行のことですが、ユーロ圏の銀行同盟の規制から除外されることになります。預金者保護や銀行の清算などに関する規制の対象外になることが確認されました。また、ユーロ圏安定のために非ユーロ圏の予算が拠出されることはなくなります。昨年、ギリシャ危機が再燃した際には、欧州金融安定メカニズム(EFSM)から英国の資金がギリシャ救済に拠出されましたが、英国はこれに反発していました。
+3つ目が移民に関するものです。まずは、社会保障制度の制限。EUでは、移民に対して在職給付が与えられていますが、EU理事会が承認した場合においては、例外的に4年間、停止できるようになります。移民の流入によって福祉制度に過度な負担がかかる場合の緊急処置で、加盟各国は徐々にこの制度を導入していくことになります。ちなみに英国は今、こうした状況だと認められています。
+そして4つ目も移民に関するものですが、子ども手当です。EU域内であれば、子供と同じ場所に住んでいなくても、親が住んでいる国から子ども手当が給付されます。例えば、ルーマニアからの出稼ぎ労働者が、子どもは故郷に残して英国で働いていた場合、英国の子ども手当がルーマニアの子供に給付される仕組みです。英国政府の子ども手当の方がルーマニア政府の子ども手当より金額が大きいため、出稼ぎにきて子ども手当をもらった方が有利なわけです。この子ども手当を、子どもが住んでいる国の生活水準に合わせて支給するようになります。
+これらの制度変更は「EU改革」という枠組みですので、英国だけに適応されるのではなく、加盟国すべてに適応されます。そのため、移民を受け入れる立場にあるEU主要国にとっても、3つ目、4つ目の移民へのベネフィットを制限する内容は受け入れやすいものでした。また、1つ目の拒否権を発動できるようになることも、英国以外のEU加盟国にとってもプラスになるものです。2つ目のユーロの安定化についても、英国以外の非ユーロ加盟国にとっても受け入れやすいものでしょう。
+今回の合意の内容は、英国以外のEU加盟国にとっても、基本的に賛同しやすいものが多かったのではないかと思います。言い換えれば、英国のEU離脱派にとっては小粒で、不満の残る内容でした。 1つ目の拒否権についても、なぜ、英国単独で拒否権を発動できないのか、という不満が残るでしょうし、3つ目の在職給付金の停止についても、なぜ、4年間の完全な停止ではなく徐々に緩和していくのかという不満もあるでしょう。移民に対しては、EU離脱派からは具体的な移民の数に制限を求める声も聞かれていました。今回の合意案草案が出た時点で、予想されていた部分もあるのですが、こうした点が、世論調査でEU残留派が大きく伸びなかった背景にあります。
▽最終的に英国がEUから離脱したらどうなる?
Q:結局、最終的に英国がEUを離脱したら、英国やEUはもちろんですが、日本にはどのような影響が及んでくるのでしょうか。
吉田:まず、6月23日の国民投票でEU離脱が決まった場合、即座に離脱手続きに入ることになります。基本的には2年後までに離脱することになるので、2018年夏にも英国がEUから出ていくことになるかもしれません。
+EU離脱が決まった場合、英国が望むシナリオは、何らかの方法でEUの単一市場にアクセスできる仕組みを維持しながら、中国、米国、日本、インド、オーストラリアといった大市場との貿易量を増やすことでしょう。
+課題は、どうやって単一市場へのアクセスを維持するか、と言う点です。私は、それほど簡単なことではないと考えています。例えば、ノルウェーのように、欧州経済領域(EEA)という枠組みを利用するということで単一市場へのアクセスを確保することも選択肢としては考えられますが、この場合はEUの規制を受け入れたり、EU予算への拠出を求められたりしますので、英国にとっては受け入れ難いと思います。そもそも、規制を受けるのが嫌でEUを出るわけですから。
+スイスのように二国間協議によってEU加盟国と個別にFTA(自由貿易協定)のような経済協定を結んでいくことの方が、まだ英国としては受け入れやすいと思います。ただ、そうなると、これまでEU加盟国として得ていた単一市場へのアクセスと同等のメリットを享受出来るかもわかりませんし、協定の締結には非常に時間がかかります。
▽スコットランドの独立投票をもう一度?
+英国がEUに残留した場合は、将来的にはEUの「準会員」のような制度を新たに作り、そこに英国が名を連ねる、と言う選択肢も出てくるかもしれません。ただし、これにはEUの基本条約の改正が必要となる可能性もあるので、ハードルは高いですね。
+ただ、既にEUは、ユーロを採用している“コア”の加盟国と、ユーロは採用せずに単一市場のみに参加している“ノンコア”の加盟国があります。こうした状況を、そろそろ整理する時期に来ているのかもしれません。
+いずれにしても、短期的には英国と欧州のマーケットは荒れるでしょう。まず、英国企業の株価は下がり景気への悪影響も出てくるでしょうし、不確実性が増すことになるので直接投資も減るでしょう。ポンドやユーロは売られ、円には上昇圧力がかかると思います。サッカーのプレミアリーグでは、「優秀な選手を欧州から引き抜いてくるのが難しくなる」と言う声も聞かれているようです。
+また、昨年実施されたスコットランドの独立を問う国民投票のやり直しを求める声が高まる懸念もあります。独立を支持しなかったのは、英国がEUにとどまっていることが前提だったと。その前提が崩れた以上、独立してスコットランド単独でEUに加盟したい、と言う意見も出てくるのではないでしょうか。
+キャメロン首相はこれから、EU残留に向けて様々なキャンペーンを打ってくるでしょう。既に、在英主要企業の経営者は、英紙に「ビジネスが成長を続けるには制約のない欧州市場へのアクセスが必要であり、EU離脱は投資抑制や雇用維持の脅威となる」との投書を行っています。こうした産業界から反対の声を挙げさせる戦略は、2014年のスコットランドの英国離脱の是非を問う住民投票の際にもみられました。英国のEU国民投票まで約4カ月、英国の動向から目が離せません。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/022600139/?P=1
次に、元オーストラリア外相のギャレス・エヴァンス氏が3月6日付け東洋経済オンラインに寄稿した「イギリスのEU離脱は、「名誉なき孤立」を招く 英語圏は、もはや盟主など求めてはいない」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・英国が欧州連合(EU)離脱の是非をめぐって揺れている。賛成派の根拠の一つとなっているのが、英国が「アングロスフィア」と言われるコミュニティのリーダーとして、新時代の役割を担うだろうとの考え方である。
・アングロスフィアとは、同様の文化や価値観を持った英語圏諸国のこと。具体的には米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれる。これらの国々は価値観だけでなく、歴史や法律、民主主義制度といった社会基盤も共有しており、その結束が世界平和に貢献できると一部で考えられているのだ。
・彼らの主張は、英国が率先してこのコミュニティの中心に位置すれば、硬直化して分裂の兆しさえあるEUにとどまるよりも価値がある、というものだ。しかし、旧植民地の住民である私の偏見なのかもしれないが、それは幻想にすぎないように見える。
▽関心持ちそうな国は皆無
・アングロスフィアの根本的な問題は、地政学的、経済的、あるいは政治的な点で、このコミュニティに興味を持って参加しそうな国がほとんど見当たらないことだ。
・今世界で地政学的に重要なことの一つは、米国と中国との覇権争いだ。米国は中国を牽制するためにも同盟国を欲しており、豪州やニュージーランドといった英語圏の国々はその候補ではある。しかし米国にとってより重要なのは、日本や韓国、さらにインドネシア、タイといった東南アジアの国々である。オバマ大統領が2月、カリフォルニアで米ASEANサミットを開催したのは、その好例だ。
・もちろん米国にとって、北大西洋条約機構(NATO)メンバーである英国やカナダとの関係は重要だ。しかし、豪州やニュージーランドとなれば話は別である。
・逆の立場から見ても同様だ。豪州が今見据えるのはアングロスフィア間の連携よりも、むしろインド太平洋での東アジア諸国とのパートナーシップだ。今や豪州では海外生まれが約3割に上り、4分の1の国民が家庭で英語以外の言語を話している。
・1942年にシンガポールが(日本軍に)降伏して以来、英国は東南アジアやオセアニアの防衛で何ら重要な役割を果たしていない。アングロスフィアが国際的な存在感を示したのは数十年前、南アフリカでのアパルトヘイトの撲滅に向けた闘いが最後だった。
・経済的に見ても同様だ。英国が欧州共同市場に参加してアングロスフィア諸国との関係を断絶したことは、豪州の乳製品産業にとっては痛手だったが、英国はその際、抜け目のない利己主義を発揮した。
・そうした利己主義は、残されたわれわれの側にも行き渡っている。豪州の場合、通商の面で鍵となるプレイヤーは米国やASEAN、中国、インド、日本、韓国、ニュージーランドだ。それに米国のフロマン通商代表も昨年10月、EUから離脱するのであれば英国との自由貿易協定交渉に関心はない、と述べている。
▽郷愁はあっても帰属意識はない
・私個人は、イングランドのカントリーウォークやパブへの憧れから(「イギリス見て歩き」を書いた米国人の)旅行作家ビル・ブライソンにだけは傾倒している。しかし、われわれは英国に郷愁を感じることはあっても、もはや帰属意識はないのだ。
・今なおアングロスフィアの再起を望む人々は、そうした郷愁に心を奪われた人々かもしれない。しかし、現実は厳しいのだ。英国が仮に、新たなコミュニティに期待してEUから脱退するとすれば、独りよがりな寂しい結末を迎えかねない。
http://toyokeizai.net/articles/-/107416
それにしても、キャメロン英首相はEUに英国の主張を飲ませるためとはいえ、総選挙でEU離脱の是非を問う国民投票実施を公約するという、馬鹿げた「賭け」を打ったものだ。ここまでくると、英国人は「賭け」が大好きとはいっても、どう考えてもやり過ぎだ。中東欧諸国からの移民問題以外に国民投票を公約した時点では発生してなかったシリア難民問題までが加わると、手ぬるいEU改革案では、離脱への流れを止められず、英国のみならず、EUを大混乱に陥らせた「史上まれにみる馬鹿宰相」の汚名をかぶせられる懸念も強そうだ。
ギャレス・エヴァンス氏の「アングロスフィア」幻想についての記事は、「旧植民地の住民である私の偏見」を考慮したとしても、手厳しい批判だ。
キャメロン英首相の残留に向けての今後の手綱さばきが注目される。
タグ:英国 日経ビジネスオンライン 英国EU離脱は、もう止められない? みずほ総合研究所の吉田健一郎氏に聞く 国民投票 世論調査 離脱が現実味 ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏 閣僚6人 離脱支持を表明 英国にとってEUの経済的重要性が低下 相対的に英国経済の優位性が再び高まっています 欧州債務危機で英国内のEU懐疑派を勢いづけた すべてブリュッセル中心に物事が決まっていくことに、不満 難民問題がEU懐疑論に拍車 急速な移民の流入 中東欧諸国からの英国への移民が増えた EU主要国からの移民も増加 シリア内線による難民 カレー 「ジャングル」と呼ばれるキャンプ EU合意 EU加盟国の主権 ユーロの安定化への非ユーロ加盟国の関わり方 移民に関するものです 社会保障制度の制限 子ども手当 今回の合意の内容は、英国以外のEU加盟国にとっても、基本的に賛同しやすいものが多かった 2年後までに離脱 課題は、どうやって単一市場へのアクセスを維持するか スコットランドの独立投票をもう一度
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