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マスコミ(その1)批判力と成長力の知らざる関係 [メディア]

今日は、このブログでも何回か紹介したソフトブレーンの創業者で中国人の宋文洲氏が今日付けで配信したメールマガジン「批判力と成長力の知らざる関係」が余りに秀逸だったので、マスコミ(その1)批判力と成長力の知らざる関係 として取上げよう。

・先月、IMFが今年と来年の世界経済について最新の見通しを発表しました。 先進国では今年と来年の平均成長率がともに1.8%であるのに対して、新興国では4.1%から4.6%と成長率が伸びる予想をしています。テーブルを眺めていると日本の数字にびっくりしました。日本の成長率はなんと今年は0.3%、来年は0.1%です!
ご参考:三井住友トラスト・アセットマネジメントマーケットレポートリンク  http://r31.smp.ne.jp/u/No/2388872/Ehzq2bh4FyJD_56442/388872_160805001.html
・先進国と新興国を含む世界主要国の経済成長テーブルの中にあると、日本の数字はあまりにも目立ちます。IMF発表の翌日、上海から東京に戻る飛行機の中でたまたま中国の経済新聞を読んでいて見付けた数字でしたが、思わず日本世論の反応が気になりました。 あれから2週間たちましたが、消費増税をやめ、財政再建をあきらめ、世界で7割のマイナス金利国債を発行し、それでもゼロ成長の現状を批判するどころか、28兆円のこれまで通りのばらまき予算について、NHKは「GDPを1.3%押し上げる見込み」と賞賛し、日経新聞はなんと「成長底上げへ」と持ち上げました。
・政府の政策で経済成長ができるならば、社会主義体制が一番良いことになります。 マイナス金利もまさに資本主義の基本を否定する暴挙です。マイナス金利の拡大をやめるだけでも市場は失望したのですから、今後はマイナス金利をやめる訳にも行かないのでしょう。民間企業でも一億円を借りて年間の利息が千円ですから、事業清算もなくなり、ゾンビ会社やゼロ成長会社がウヨウヨするのでしょう。
・要らない会社が存続するから新しい会社が現れません。就職先がたくさんあるから新しい勉強もしません。借りるコストがないから担保になる不動産や株を買うことを安易に考えます。ヘリコプターでお金をどんどんばらまくことを反対する人はいませんが、それはゼロ成長の根源であり、「一億総活躍」ではなく、「一億総堕落」につながっていくのです。
・経済の常識を少しでも持てば、健全な日本経済を保つために上述のような批判をすべきですが、批判がないため、政府も「これしかない」と調子に乗って幼稚な「政策」に貴重な時間を浪費するのです。一億活躍大臣というネーミングは気持ち悪いと思っていたのですが、今度は「働き方改革大臣」が現れました。 この調子だと来年と再来年は「生き方改革大臣」や「考え方改革大臣」も出現しそうです。
・本来、政府内部やシンクタンクや評論家達が批判すべきですが、なぜか政府との調和を優先しているようです。論語には「君子和而不同」という有名な教えがあります。「大人だからこそ、調和を重視するからこそ、異なる意見を持つべきだ」という教えです。「中国こそ政府批判できないじゃないか」と考える日本の方々は多いと思いますが、正確には「政府のメディアで政府批判できない」と言うべきです。14億人の国で人民日報が百万部しか売れない状況を考えれば、1千万人のフォロワーを持つWeChatユーザーのほうがよほど大手メディアです。
・彼らの日本旅行時の一枚の写真と一行のコメントで来日客が万人単位で増えます。 実はこの異なる意見を持つ力はつまり批判力(Critical Thinking)であり、文化背景や個人心理に根差した社会現象であり、社会全体の成長力の源です。
・リーダーは批判を恐れて決断しない訳にもいきませんが、だからこそ批判は重要なのです。批判に直面するリーダーは結果を出す緊張感を持ち、リスクに敏感です。リーダーと批判者が異なる視点で共通の結果を目指すことは「和而不同」であり、本当の「和」なのです。批判しないのは無責任の形式の「和」にすぎません。
・日本の歴史や人類の歴史をみてもわかるように、批判と反省の強い時代に社会が進歩し、経済も成長するのです。これは形式上の社会体制と関係ないことです。なぜならば批判は独立した個人内面に由来するものであり、社会システムに由来しないからです。批判するなと言われると余計に批判的になるのが人間の心理です。
・中国の長い経済成長は間違いなく市民レベルに由来する、過去や現状への批判力です。一党独裁体制下でなぜ経済成長できるのだろうかと不思議に思う日本の方は多いですし、一部の方はその成長は嘘であり、すぐ崩壊するはずだと数十年前から予測してきました。
・先日スタンフォード大学が発表した中国の教育に関する研究結果がこの謎の一端を明らかにしました。想像に反して、中国の学生は数学力や解読力だけではなく、批判力も世界トップレベルであることがわかりました。大学新入生の批判力が米国やロシアの同級生より2、3年も進んでいるのですが、大学に入ってからその勢いが止まってしまうようです。ニューヨークタイムズがこの研究結果を報道しています。
ご参考:The New York Times記事リンクhttp://r31.smp.ne.jp/u/No/2388872/4gYQ2jh4FyJD_56442/388872_160805002.html
・大学に入る前から中国人は既に世界トップレベルの批判力を身につけていることや、大学卒業者があくまでも少数であることを考えれば、過去数十年の経済成長の原因も理解できます。14億人も暮らす中国のような巨大国家が一つの政府のおかげで数十年も経済成長する訳がありません。国家の権力と政策に関係なく独自の眼力と方法でチャンスを見出す批判力にこそ、中国の経済成長がかかっているのです。
・日本でも私は優秀な起業家を多く知っているのですが、彼らも変わった考えを持つ人ばかりです。時の空気を読み、時の流行についていくだけでお金持ちになった人は見たことがありません

これは、マスコミだけでなく、幅広く日本人の考え方の特徴を分析したものだが、ここでは便宜的に「マスコミ」に分類した。それにしても、日本の成長力喪失は由々しい問題であるにも拘らず、これを取上げず安部政権に都合のいい記事しか書かない日本のマスコミや、多くのエコノミストの存在は、本当に深刻な問題だ。確かに、正面から取上げたら、政権は吹っ飛びかねない問題である。ヘリコプターマネーへの期待が「1億総堕落」につながってゆく、とはよくぞ的確に批判したものだ。『今度は「働き方改革大臣」が現れました。 この調子だと来年と再来年は「生き方改革大臣」や「考え方改革大臣」も出現しそうです』、はその恐ろしさに身ぶるいまで覚えた。「批判力」が、『社会全体の成長力の源』との考えも説得的だ。高校時代に漢文を殆ど勉強しなかった私にとって、論語の「君子和而不同」は新鮮に思えた。中国の大学生は、『批判力も世界トップレベル』だが、『大学に入ってからその勢いが止まってしまうようです』は何故なのだろうか。不自由な高校時代までは批判力が磨かれるが、比較的自由な大学時代になるとそれがナマってしまうという常識的な答え以外に思いつくものはなさそうだが・・・。
タグ:マスコミ 論語 IMF 宋文洲 (その1)批判力と成長力の知らざる関係 ソフトブレーンの創業者 批判力と成長力の知らざる関係 日本の成長率はなんと今年は0.3%、来年は0.1% ゼロ成長の現状を批判するどころか、28兆円のこれまで通りのばらまき予算について、NHKは「GDPを1.3%押し上げる見込み」と賞賛し、日経新聞はなんと「成長底上げへ」と持ち上げました マイナス金利もまさに資本主義の基本を否定する暴挙 ゾンビ会社やゼロ成長会社がウヨウヨするのでしょう ヘリコプターでお金をどんどんばらまくことを反対する人はいませんが、それはゼロ成長の根源であり、「一億総活躍」ではなく、「一億総堕落」につながっていくのです 批判がないため、政府も「これしかない」と調子に乗って幼稚な「政策」に貴重な時間を浪費 一億活躍大臣というネーミングは気持ち悪いと 働き方改革大臣 この調子だと来年と再来年は「生き方改革大臣」や「考え方改革大臣」も出現しそうです 政府内部やシンクタンクや評論家達が批判すべきですが、なぜか政府との調和を優先しているようです 君子和而不同 批判に直面するリーダーは結果を出す緊張感を持ち、リスクに敏感 日本の歴史や人類の歴史 、批判と反省の強い時代に社会が進歩し、経済も成長 中国の長い経済成長は間違いなく市民レベルに由来する、過去や現状への批判力 スタンフォード大学が発表した中国の教育に関する研究結果 中国の学生は数学力や解読力だけではなく、批判力も世界トップレベル 大学に入ってからその勢いが止まってしまうようです
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