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海外事業(海外投資)の失敗・不振(住友金属鉱山、日本板硝子、鹿島建設等) [企業経営]

今日は、海外事業(海外投資)の失敗・不振(住友金属鉱山、日本板硝子、鹿島建設等) を取上げよう。大商社の巨額減損については、5月26日に取上げたが、今日は一般の事業会社で発生したケースである。

先ずは、3月3日付け東洋経済オンライン「住友金属鉱山、銅で巨額の減損と投資のナゾ 銅と金の絶妙なバランス」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・経営者にとって、「減損」とは自らの判断ミスの告白だ。 投資したものの、とても全額回収できない。やむなく、回収可能額まで資産を減額し、その分損失として計上する。経営者には口惜しく、辛い決断だ。
・2月上旬、非鉄大手の住友金属鉱山がチリ銅山について減損処理し、689億円の投資損失を計上すると発表した。これがたたって、今2016年3月期は14年ぶりの経常赤字に転落する。いわばダブル失点だが、その10日後、サプライズが待っていた。
・新たに10億ドル(1134億円)を投じ、米国銅山の権益を拡大する、と発表したのだ。当然、疑問の声が上がるだろう。「見込み違いをした端から、同じ銅に追加投資するのは、どういう了見か」と。一見、相反する2つの決定は、どういうロジックでつながるのか。まず、減損のほうから見ていこう。
▽「爆食」で価格高騰下の新山投資
・減損の対象は、チリのシェラゴルダ銅山だ。ポーランドの鉱業大手KGHMが主導するプロジェクトで総投資額42.8億ドル(4853億円)。住友金属鉱山はそのうち31.5%、13.5億ドル(1529億円)出資している。同社にとって「史上最大のプロジェクト」だ。
・出資を決めたのは2011年。リーマン危機後、中国の「爆食」が再燃し、銅市況が空前の1トン1万ドルをつけた年だ。「中国が買い占め、誰も銅鉱石を売ってくれない。自分で鉱山を確保するしかない」という切迫感が背中を押した。のれん代も高くついた。ところが、中国経済の減速で銅市況が反転。ピークの半値を割り込み、足元、4600ドル台に下がってしまった。
・シェラゴルダは真っさらの新山だ。しかも、海から140キロメートルの内陸部にある。インフラ構築や副産物モリブデンの分離工程の整備に手間取り、事業費は当初の39億ドルから10%膨らんだ。2015年11万トンのフル生産に持って行くはずの計画も1年遅れになっている。 提携相手のKGHMは共産党政権下で生まれた国営企業。意思疎通も円滑とは言えなかった。緒方幹信専務は「われわれは沈黙の株主だった。これからは現地マネジメントに関与していく」と言う。
・今回の減損で簿価は半減したが、それでも2016年はまだ赤字。どころか、今回の減損は市況が5000~7000ドルのレンジに戻ることを前提にしており、市況低迷が長引けば、再減損を迫られる懸念さえある。  すべてを一から積み上げていかねばならない新山の難しさだ。
▽ピンチをチャンスにかえて
・一方、追加投資を決定したモレンシー銅山はシェラゴルダの対極にある。住友金属鉱山が出資したのは30年前の1986年。本格的な海外投資の嚆矢であり、隅から隅まで知り尽くした山だ。昨年の大拡張を経て、確立した年産48万トンの能力は世界で5指に入る。米国アリゾナ州に立地するモレンシーは、カントリーリスクの心配もない。
・何より、そのコスト競争力、収益性の高さである。 「今の市況でもしっかり利益が出る。生産性は世界の銅山で上位3分の1以内。ここが赤字なら、3分の2の山が潰れる」。今回の追加投資で住友金属鉱山の持ち分は12%から25%に上昇し、相手の資源メジャー、フリーポートの持ち分は85%から72%に低下する。
・フリーポートが"お宝"を切り売りしたのは、畑違いの石油・ガスに大枚200億ドル注ぎ込んで財務が破綻し、資金繰りに行き詰ったからだ。買い手の住友金属鉱山は同じ時期、シェラゴルダやフィリピンのニッケル精錬に投資しながらも、自己資本比率60%超を維持。財務バランスを崩さなかった。
・かねて中里佳明社長は言っていた。「(市況悪化で)資源メジャーが権益を売ろうとしている。われわれにはチャンス」。"お宝"の持ち分拡大によってシェラゴルダの赤字を吸収し、市況回復を待つ時間が稼げるのだ。
・モレンシーの追加投資と同時に発表した「2015中期経営計画」では、「売り上げ1兆円、純益1000億円」という長期ビジョンの数字を変えなかった。住友金属鉱山の自信の表明である。 では、ここから先、資源メジャーが切り出す銅山の権益をさらに買い募るのだろうか。よほどの"お宝"なら話は別だが、新しい中計で住友金属鉱山が注力する分野は金(ゴールド)と新材料だ。
▽バランスこそ要諦
・同社がドメインとする資源は銅、ニッケル、金の3つ。銅、ニッケルについては長期ビジョンの各30万㌧、15万㌧の権益確保にメドがついたが、金は目標30㌧に対して現在まだ16㌧。「従来、金は新山の探鉱で、と言ってきたが、(既存金山の)権益取得を含め、積極化する」(中里社長)。
・30年前、住友金属鉱山が初めてモレンシーに出資したとき、銅市況は1400ドルを切っていた。米国経済誌が「鉱山の死」と書き立て、当時の所有者、フェルプス・ドッジはニューヨーク5番街からアリゾナ州フェニックスに都落ちするまで窮迫していた。 そのとき、住友金属鉱山が買った持ち分12%の値段は7500万ドル(!)。が、いかに割安でも、1400ドルの市況なら、買った瞬間に赤字になる。それでも決断できたのは、その前年に世界屈指の金山、菱刈鉱山が開山していたからだ。 金の利益を銅に変え、今度は銅から金へ。市況激動が宿命なら、財務も資産構成も、バランスこそが生き抜く要諦であること。その一事を住友金属鉱山は骨身に叩き込んでいるのである。
http://toyokeizai.net/articles/-/107536

次に、6月1日付け東洋経済オンライン「日本板硝子、巨額赤字からどう立て直すのか? 業界のライバル企業からは周回遅れ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・好事魔多し、なのだろうか。日本板硝子は2015年3月期に4期ぶりに純益黒字に転じたものの、2016年3月期は再び赤字に転落。しかも、過去最大規模、498億円という巨額な純損失を計上した。この責任を取り、森重樹社長は基本月額報酬を5割削減(3カ月間)、クレメンス・ミラー副社長と諸岡賢一副社長も3割削減(3カ月間)することを決めた。
・2016年3月期も、期初段階では20億円の純益黒字化が見込まれていた。だが、同年8月にはベトナムのディスプレー工場で、生産を開始したばかりのラインでトラブルが発覚。当初は軽微とみられたトラブルが、時を経るにしたがって傷口が広がってきた。 そこに追い打ちをかけるように、ディスプレー市場自体に変調が生じた。2016年1月時点ではすでに中国市場での減益がカバーできないほど膨らみ、75億円の純損失が見込まれるようになっていた。
▽350億円を超える減損損失
・IFRS(国際会計基準)においては、減損テストは期末に1回しか行わない。期中で需給バランスが悪化し、減損損失が発生する蓋然性が高まろうと、それが会社計画に反映されるのは期末決算が近づいてからだ。 このため、海外各地の事業環境見通しが悪化していることがより明確になった第4四半期に入ってから、唐突とも思える大幅な下方修正が行われたのだ。結局、中国での建築用ガラス事業やディスプレー事業、ブラジルの自動車ガラスで想定した利益が得られず、工場やのれんの減損、持分損益悪化、リストラ費用などで総額350億円強の損失計上を余儀なくされた。
・日本板硝子は2006年、板ガラスメーカーでは当時の世界シェア3位、円換算で自社の約2倍の売上高を誇った英国ピルキントン社を買収した。「小が大を飲んだ」と注目を集めたのも今は昔。板ガラスの世界シェアではトップクラスに躍進したものの、その買収によるシナジーが業績に表れることはなく、リーマンショック後の2009年3月期から純損失に沈潜。2011年3月期に1度浮上した後も、再び水面下に沈んでいた。
・同社も単に手をこまぬいていたわけではない。不振が続く欧州で英国を始め、スウェーデン、フィンランド、イタリアなどで次々と生産設備を休止もしくは廃炉、閉鎖をしてきた。ピルキントン買収時には34基あったフロート窯(現在主流となっている板ガラスの製法)も現在では26基まで縮小。世界的な生産調整を行ってきた。2014年後半になって、ようやくこれらの再構築にも一段落つき、わずかずつではあるが回復の道を歩み始めたと思われていた。
・ベトナムでの生産トラブルを除けば、赤字転落は外部経済環境の変化であり、日本板硝子にとって不運な結果に見えるが、原因はそれほど単純ではないかも知れない。減損を行った地域の工場は大きく4カ所。ロシアとブラジル、そして中国、ベトナムだ。 確かにロシアは、経済制裁の影響に加え、原油価格の低下で経済自体が冷え切っている。ロシアでの主体である建築用ガラスの出荷自体も大きく落ち込み、思うような収益が上げられる環境にはなかった。サウジアラビアの動向を見る限り、原油価格が反騰する兆しもみえず、ロシア経済の先行きも不透明なままだ。
▽各地域の環境悪化が直撃
・ブラジルは、世界第4位の自動車市場を要するが、2015年度(2015年4月~2016年3月)の国内生産台数は前期比で3割近くも落ち込んだ。つれて日本板硝子の出荷量も激減。自動車用ガラスの工場を2拠点から1拠点へと統合するなど生産を縮小。人件費削減を進める一方で、粗利の高い自動車の補修用ガラスなどへの拡販も図ったが、それだけでは市場収縮に太刀打ちできなかった。
・一方、中国では連結子会社であるピルキントンソーラーが、結晶シリコン型太陽光パネル向けに板ガラス(カバーガラス)を製造してきた。だが、年を経るごとに中国系企業の安値攻勢は激しさを増し、太陽光パネル向けガラスは供給過剰状態が続く。今後の採算性改善も見込めないため、日本板硝子は6月末にカバーガラス工場を閉鎖、事業からの撤退も決定した。
・ベトナムでも、生産に着手した高機能薄板ガラスが中国企業の浸潤によりいつの間にかコモディティ化。生産が軌道に乗ったときには市場に過剰在庫が滞留し、採算が大きく悪化していたのだ。
・足元では、北米市場は建築用も自動車用も「心配になるくらい好調」であり、欧州も緩やかな回復基調に乗っている。日本では自動車用に減速懸念があるものの、建築用は安定的に増える見通しだ。南米は依然、厳しいが、建築用には動意もみられる。 こうした動きを背景に、2017年3月期業績は、円高が200億円強の減収要因となるため、売上高は前期比1%減となる。だが、営業利益は前期比で120億円も改善する。
・利益の頭は円高が抑えるものの、ピルキントンの買収後10年を経て、買収に伴って発生した無形資産償却が前期までの80億円から50億円も圧縮され、30億円に減ることが大きい。さらに不採算事業からの撤退に加え、2016年3月期に減損を行った結果、70億円超の改善が見込まれるからだ。
・ただ、180億円にも上る金融費用などが依然として重しとして残り、純益も50億円にとどまる。回復と呼ぶにはほど遠い状態だ。2016年度の純益283億円が見込まれる国内売上高トップのAGC旭硝子は言うに及ばず、同3位のセントラル硝子(同100億円)、同4位の日本電気硝子(同100億円)にさえ届かない。日本板硝子は今期にフリーキャッシュフローを億円で3ケタ台に回復させるため、資産流動化に加え、不要不急の投資を抑制する方針を打ち出している。
▽周回遅れの状況を抜け出せるか?
・一方、AGC旭硝子は、日本板硝子が大損を出したブラジルで2018年までにガラス工場の生産能力を2.4倍に増やし、国内でも車載ディスプレー用ガラスの生産能力を高める。それだけではない。クロールアルカリやフッ素系化学品事業の育成にも力を入れており、足元ではガラス事業と並ぶほどの柱に育ちつつある。
・祖業がソーダ灰であるセントラル硝子も、メタル配線形成に使われる六フッ化タングステンや医農薬中間体の工場を増設、フッ素系発泡剤工場を新設など、成長のためへの投資を積極的に行っている。
・今2017年3月期からピルキントン買収で背負った借金が大きく減るとはいえ、日本板硝子は足元で完全に周回遅れとなっている。会社側は「成長投資は継続する」としているが、ガラス事業専業としての強みは今ひとつ見えにくい。たとえば、ベトナムで生産していた薄板高機能ガラスも立ち上げに手こずっている間に、中国企業にシェアを奪われ、ついには生産休止にまで追い込まれた。中国ゾンビ企業が世界の付加価値品の市場に徐々に侵蝕し、売価政策に混乱をもたらしている中で、先頭集団に追いつくのはなまなかなことではない。
・最悪の状況を乗り切ったとは言え、競合他社に迫る強みは打ち出せていない。日本板硝子が周回遅れから脱するまで、厳しい茨の道が続きそうだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/120211

第三に、8月14日付け東洋経済オンライン「鹿島、アルジェリア案件の失敗で学んだ教訓 なぜ日本のゼネコンは海外で通用しないのか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・工事開始からおよそ10年。日本のゼネコンが手掛ける海外事業の中で、”負の遺産”と言われ続けてきたプロジェクトがようやく決着を迎えた。 ゼネコン大手、鹿島を代表とする共同企業体(JV)は7月26日、工事代金の支払いを巡り交渉が難航していた「アルジェリア東西高速道路工事」について、発注者である現地政府と包括和解契約を締結。政府側が未払い金の一部を支払い、約8割まで進んでいた工事は打ち切って、撤収することとなった。
・この工事は、鹿島、大成建設、西松建設、間組(現・安藤ハザマ)、伊藤忠商事の5社JVが2006年、アルジェリア公共事業・交通省高速道路公団から受注した大型プロジェクトだ。受注金額は約5400億円に上り、日本企業による海外インフラ整備事業では過去最大級の案件として、注目を集めた。国内を東西に貫く1200キロメートルの高速道路を建設するという国家プロジェクトのうち、鹿島JVが担当したのは東工区の約400キロメートルで、アルジェリア中部のボルジ・ブ・アレリジからチュニジア国境までを結ぶ。2006年10月に着工し、2010年2月の完成を見込んでいた。
▽治安悪化や資材変更で長引く工期
・が、工事は予定通りに進まなかった。着工直後から、アルジェリア国内では外国人が犠牲となるテロが各地で頻発し、現地の治安は急激に悪化。こうした状況下に加え、当初の想定よりも地質がもろく工事が思い通りに進まなかったり、使用する資材を変更せざるをえなくなったりする事態も発生。政府側からは、度重なる追加工事を要求されるなどして、工期が長引いていた。
・工事が遅れるにつれ、政府の代金支払いは滞った。鹿島JVは設計変更と工期変更を認めて、できあがった部分の工事代金を支払うよう、再三求めたものの、アルジェリア政府はこれを拒否。工事は凍結した状況が続き、「このままではらちが明かない」と判断したJV側が2014年、フランスの国際仲裁裁判所へ仲裁を申し立てる事態にまで発展した。
・未払い金は1000億円程度にまで膨らみ、この間にJVのゼネコン4社は巨額の損失を計上。代表企業である鹿島は、数百億円単位での損失を重ねて引き当てており、複数年にわたって業績悪化を招く結果になった。その後、アルジェリア政府から「(仲裁ではなく)当事者同士で話し合いたい」と打診があり、複数回にわたる交渉の末、未払い金の一部支払いと契約解除を含む、今回の和解にたどり着いたのである。
・和解金の額は明らかになっていないが、JVのゼネコン各社はこの和解が今期業績に与える影響は軽微とみている。とはいえ、4社がこれまでに引き当てた損失の規模を考えれば、アルジェリアの工事で負った痛手は、あまりにも大きい。
・過去には、大林組が代表となって約2300億円で受注した「アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ・メトロ建設工事」でも、契約内容を巡るトラブルなどで、工事代金を回収できず大赤字に転落したケースがある。現地国の政治的混乱や財政悪化の可能性、資材調達の不確実性などを考慮すれば、日本のゼネコンが海外で請け負う工事は、常に巨大なリスクと隣り合わせなのだ。 鹿島の場合、アルジェリア工事の代金支払いをめぐる交渉が長引いた一因について、「行政制度や商慣習の違いがあった」と説明する。
▽追加工事でも費用負担はゼネコン側
・ゼネコンの海外事業は、国内の工事と比べ、1件当たりの規模や請け負い金額が大きいことが特徴だ。だが、「国によって、発注者との関係や税法の違いが複雑で、契約書を入念に読み込んでいても、工事の途中で支払いをめぐるトラブルになることは多い」(中堅ゼネコン幹部)。例えば、追加工事などの代金支払いにしても、発注者に要求するタイミングがずれると受け入れてもらえず、ゼネコン側で費用を背負う結果となることも多いという。
・各社は、こうした海外での契約交渉に精通した人材の確保・育成に取り組んではいるものの、十分なリスク管理体制は構築できていないのが現状だ。ある準大手ゼネコン幹部は、「政府が間に入るODA(政府開発援助)案件や、日系企業が発注する工場建設などでない限り、海外の工事で資金回収をすることは相当難しい」とこぼす。
・2020年の東京五輪やインフラ更新需要、首都圏再開発が重なり、国内の建設市場は繁忙が続いている。しかし、いずれは人口減少に伴い、投資が徐々に減っていくことは避けられない。多くのゼネコンは五輪後を見据えて、海外事業の拡大を経営方針に掲げている。そのときまでに、政治体制や慣習が異なる国での工事でも、確実に利益をあげられる力を身に付けることができるか。アルジェリアの教訓は、日本の建設業界に重い課題を突き付けている。
http://toyokeizai.net/articles/-/131400

住友金属鉱山のチリのシェラゴルダ銅山は、新山であるにも拘らず、支配権を持つ提携相手が、ポーランドの元国営企業というのでは、素人からみても失敗は運命づけられていたのではあるまいか。ただ、それで萎縮せずに、米国のモレンシー銅山への追加投資をしたのはまずまずのリカバリー狙いだ。
日本板硝子は、2006の英国ピルキントン社買収で、「小が大を飲んだ」と注目を集めたが、その後の経営は迷走続きだった。ピルキントン出身の社長は2009に退任、デュポン出身の社長も2012に退任、結局、日本人社長に戻った。ベトナムで生産トラブルに見舞われているうちに、中国企業にやられたというのでは、お粗末の一言に尽きる。ライバルに早いところ追い付かないと、本当の「負け組」になってしまうだろう。
鹿島建設等のアルジェリア高速道路工事は、カントリーリスクやプロジェクトリスクの塊のような案件だ。「行政制度や商慣習の違いがあった」などという言い訳は、契約時から分かっていた筈だ。それにしても、国際仲裁裁判所への仲裁申し立てが2014年というのも遅すぎる。未払金1000億円のうち、和解で取り戻せた分もたいしたことはなさそうだ。大林組もドバイ・メトロ工事で大赤字を出したらしいが、先輩格の英米の建設会社との差を一刻も早く埋めてもらいたいところだ。
タグ:海外事業(海外投資)の失敗・不振 (住友金属鉱山、日本板硝子、鹿島建設等) 大商社の巨額減損 東洋経済オンライン 住友金属鉱山、銅で巨額の減損と投資のナゾ 銅と金の絶妙なバランス 経営者にとって、「減損」とは自らの判断ミスの告白 住友金属鉱山 チリ銅山について減損処理し、689億円の投資損失を計上 新たに10億ドル(1134億円)を投じ、米国銅山の権益を拡大 ポーランドの鉱業大手KGHMが主導 住友金属鉱山はそのうち31.5%、13.5億ドル(1529億円)出資 ・シェラゴルダは真っさらの新山 沈黙の株主だった モレンシー銅山 資したのは30年前 隅から隅まで知り尽くした山 日本板硝子、巨額赤字からどう立て直すのか? 業界のライバル企業からは周回遅れ 日本板硝子 過去最大規模、498億円という巨額な純損失を計上 ベトナムのディスプレー工場で、生産を開始したばかりのラインでトラブルが発覚 ディスプレー市場自体に変調 英国ピルキントン社を買収 。「小が大を飲んだ」と注目 シナジーが業績に表れることはなく 180億円にも上る金融費用などが依然として重しとして残り、純益も50億円にとどまる 周回遅れの状況を抜け出せるか? 鹿島、アルジェリア案件の失敗で学んだ教訓 なぜ日本のゼネコンは海外で通用しないのか 負の遺産 アルジェリア東西高速道路工事 発注者である現地政府と包括和解契約を締結。政府側が未払い金の一部を支払い、約8割まで進んでいた工事は打ち切って、撤収 、鹿島、大成建設、西松建設、間組(現・安藤ハザマ)、伊藤忠商事の5社JV 治安悪化や資材変更で長引く工期 2014年、フランスの国際仲裁裁判所へ仲裁を申し立て 未払い金は1000億円程度にまで膨らみ 未払い金の一部支払いと契約解除を含む、今回の和解 大林組 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ・メトロ建設工事 契約内容を巡るトラブル 大赤字に転落 現地国の政治的混乱や財政悪化の可能性、資材調達の不確実性 常に巨大なリスクと隣り合わせなのだ 行政制度や商慣習の違いがあった 追加工事でも費用負担はゼネコン側 カントリーリスクの塊
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