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日本・ロシア関係(日露首脳会談が「負け組同士の歩み寄り」になる懸念、ドゥテルテ大統領を批判できない安倍首相の対ロ単独融資、北方領土問題の最も現実的な着地点) [外交]

今日は、日本・ロシア関係(日露首脳会談が「負け組同士の歩み寄り」になる懸念、ドゥテルテ大統領を批判できない安倍首相の対ロ単独融資、北方領土問題の最も現実的な着地点) を取上げよう。

先ずは、立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長の上久保誠人氏が10月11日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「日露首脳会談が「負け組同士の歩み寄り」になる懸念」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・今年12月15日に、安倍晋三首相の地元である山口県長門市で日露首脳会談が行われることになった。首相は「私の地元である長門市において、ゆっくりと静かな雰囲気の中で平和条約を加速させていく、そういう会談にしていきたいと思っている」と述べ、ロシアとの関係を「本気」で進展させる決意のようだ。当然、首脳会談は「北方領土問題」の解決に向けて動き出すかが焦点となる。
▽「前のめり」な経済協力と「不透明」な領土問題
・「北方領土問題」については、さまざまな論者が、「1956年の『日ソ共同宣言』に基づく歯舞群島と色丹島の返還の実行は、それほどハードルが高くない」と予想している。両国の議会で批准されているので国際法的拘束力があるし、ロシア国内で「平和友好条約締結問題」(「北方領土問題」とは呼ばれていない)は、日露間の重要問題として広く認識されている。ロシア国内で、二島返還の反対論は起きないという見通しがある(北野幸伯『北方領土「2島先行返還」は日本にとって損か得か?』)。二島返還による「平和友好条約」調印は、日本がクリミアを含むロシアの現行国境を承認することを意味し、ロシアに大きなメリットがあるとの指摘もある(佐藤優『北方領土に本気で取り組み―安倍首相ウラジオストク日露首脳会談』)。
・一方、択捉・国後の残り二島の返還については、困難が予想されている。日本は「継続協議」としたいが、ロシアは択捉、国後はロシア領で最終決着したい。ロシアは、「北方領土問題」ばかり持ち出す日本にうんざりしてきた(前連載第18回)。二島返還の日露平和友好条約調印で、本当に領土問題を終わりにしたいのだ。
・安倍政権は、今年5月の首脳会談で、ウラジーミル・プーチン大統領に対して「8項目の経済協力分野」を提案している。この提案は「絵に描いた餅」になるという懐疑的な見方があるが、筆者はかなり具体的な提案だと思う。この連載で紹介した、ロシア・サハリン州の長期経済成長戦略「発展戦略2025」と内容的に一致する部分が多い(第90回)。ロシア側のニーズを事前に掴んで打ち出したものと考えられるからだ。
・また、安倍首相が、ロシア経済分野協力担当相を新設し、世耕弘成経済産業相に兼務させて、9月のウラジオストックでの日露首脳会談に同行させたことも、経済協力への本気度の高さを示している。既に経済協力の具体案として、「日本シベリア鉄道を延伸し、サハリンから北海道までをつなぐ大陸横断鉄道の建設案」も浮上しているのだ。
・ただ、安倍首相が経済協力に「前のめり」なのが明らかなのに対し、領土問題については、楽観的な見通しはあっても、具体的な動きは不透明だ。今回は、日露首脳会談の行方を、両国が抱えている「事情」から考えてみたい。
▽ロシアが外交面で抱える4つの弱み
・本連載のロシアについての主張を端的にまとめたい。まず最初に、冷戦終結後の勢力圏後退がある。地政学を基に、東西冷戦後の長期的観点から見れば、ランドパワー・ロシアはシーパワー・英米によって完全に封じ込められてきた。東欧、中央アジアは民主化し、ロシアは遥かベルリンまで続いていた旧ソ連時代の「衛星国」を喪失した。いまや東欧は民主主義政権の下で、「EUの工場」と呼ばれる経済発展を遂げている。ウクライナ分裂は、ロシアの勢力圏後退という大きな流れの中で、かろうじて繰り出したカウンターパンチ程度でしかなかったのだ(第84回)。
・次に本連載では、ロシア経済の脆弱な体質も指摘してきた。ロシアは旧ソ連時代の軍需産業のような高度な技術力を失っている。モノを作る技術力がなく、石油・天然ガスを単純に輸出するだけだと、価格の下落は経済力低下に直結してしまうのだ(前連載第18回・p2)。実際、現在の長期的な原油価格の下落は、ロシア経済に深刻なダメージを与えている。輸出による利益が減少、通貨ルーブルが暴落し、石油・天然ガス関係企業の開発投資がストップし、アルミ、銅、石炭、鉄鋼、石油化学、自動車などの産業で生産縮小や工場閉鎖が起きているのだ。
・三つ目に、欧州との天然ガス・パイプラインのビジネスが、ロシアにとって深刻なリスクになっている。通説では、天然ガス・パイプラインのビジネスでは、供給国であるロシアが、需要国であるEUに対して有利な立場になるとされてきた。しかし、実際には、供給国と需要国の間に有利不利はない。
・パイプラインでの取引では、物理的に取引相手を容易に変えられないからだ。パイプラインを止めると、供給国は収入を失ってしまう一方で、需要国は瞬間的にはエネルギー不足に悩むものの、長期的には天然ガスは石油・石炭・原子力・新エネルギーで代替可能である(第52回・p3)。つまり、国際政治の交渉手段として、天然ガスを使うことは事実上不可能で、それをやればロシアは自らの首を絞めることになる。ウクライナ危機以降、天然ガスパイプラインは、ロシアの強力な交渉材料ではなく、むしろ大きなリスクとなった。
・最後に、そこでロシアは極東地域の開発を重要視し、中国に接近した。そして、価格面で折り合いがつかず10年越しの懸案であった、総額4000億ドル(約40兆円)に上る歴史的な天然ガスの供給契約を中国と結んだ。しかし、中国とのシベリアにおける関係強化も、ロシアにとって悩ましい部分がある。中国が得意とする人海戦術的な進出で、シベリアを実効支配されることを恐れているからだ(前連載第18回)。これを回避するため、ロシアは、日本の極東開発への協力をなによりも望んでいる面がある。
▽プーチン大統領が掲げる「大国ロシア」は虚構に過ぎない
・ロシアの弱みを書き連ねていくと、違和感を持つ方がいるだろう。プーチン政権下で「ロシア大国主義」が復活しているというのが通説なのは承知している。だが、「大国ロシア」は、実は虚構に過ぎないのである。  ソ連崩壊後、ロシア人には様々なコンプレックスが残り、明確なアイデンティティがなくなっている。明確な国家的思想もなく、国家を団結させる唯一の路線もない。社会はソ連のアイデンティティから、新しいロシアのアイデンティティを探し求めながら揺れ動いてきた(木村汎ら、2010)。
・プーチン大統領は、2000年の就任演説以降「大国ロシア」という言葉を頻繁に使用してきた。2000年代前半には、エネルギー価格の高騰もあいまって急速な経済力の回復を実現させたことで、プーチン大統領の掲げる「大国ロシア」は、自信を取り戻したロシアの新しいアイデンティティとなった。
・だが、繰り返すが「大国ロシア」は虚構に過ぎない。現在のロシアには、どこかを征服したり、失った領土を再併合しようという国力はない。隣国に対する関心はあるがそれも「ソフトに」優位に立ちたいということであって、厳格にコントロールしようとするものではない。「大国」という概念は、過去の遺物でしかないのである(トレーニン、2012)。
・それでも、プーチン大統領が「大国ロシア」の虚構を演出しているのはなぜか。経済の好調により、国内批判を容易に抑え込めた第一次・第二次政権期(2000~2008年)と異なり、ウクライナ危機以降の経済停滞による国民の不満が広がり、大規模な反プーチン・デモを経験した第三次プーチン政権(2012年5月~)では、国内世論の動向に従来以上の注意が必要になっているからだ。プーチン大統領は「大国ロシア」を訴え続けることで、国内の保守層・大衆層の支持を確保し続ける必要があるのだ。
▽大国の生存圏「ブロック化」の潮流で日本が極東の一島国に戻る懸念
・一方、日本にとって最も悩ましい問題は、中国の南シナ海や尖閣への海洋進出だ。地政学的に、ランドパワー(中国)が、海洋に進出してくるのは、シーパワー(日本)にとって最悪の事態である(前連載第64回)。しかし、中国の海洋進出以上に、深刻な問題がある。それは、世界の「グローバル化」から「ブロック化」への変化の潮流である。
・本連載で、「英国のEU離脱」を論じた際、「これまで世界は国家間の『相互依存』の深化に努めてきた。だが、これからは、それぞれの国が『生存圏』をどう確立するかを考える時代に変わっていくのかもしれない。英国のEU離脱問題は、米国の孤立主義とともに、ジョンソン氏やトランプ氏というポピュリストが騒いでいるだけと考えるべきではなく、大きな時代の転換点を象徴しているのだと考えるべきなのかもしれない」と指摘した(第134回)。
・「生存圏」とは、例えば英国の「英連邦」である。英連邦には、資源大国であるカナダ、オーストラリア、南アフリカ、世界で2番目に人口が多く、ハイテク国家としても知られるインドや、マレーシア、シンガポールなど東南アジアの多くの国も含まれる。今後「世界の工場」となることが期待されるアフリカ諸国の多くも英連邦だ。EU離脱後、英国は当然、英連邦との関係を固めることになる。英国は、単体では人口6000万人の小さな島でしかないかもしれないが、英連邦を1つの経済圏と考えて、関係を再構築すれば、凄まじく巨大な「生存圏」を確保することになる。英国は、EU離脱しても生き残る力を持っているのである。
・一方、米国は「シェール革命」によって世界有数の産油国になり、世界最大の石油の輸入国から輸出国に転じようとしている。そして、米国内で「ものづくり」を復活させ、米国内に360万人もの新しい雇用を生み出すという。
・米国がエネルギー自給を達成し、製造業を復活させると、国際社会にどのような影響があるだろうか。ドナルド・トランプ氏の過激な発言を思い出してほしい。「日本から、何百万台もの車が、ひっきりなしに輸入されてくる。アメリカは、日本に何か買わせたか? 牛肉を輸出した、だが日本は買いたがらない。これは貿易不均衡だ」 。 (もし中国などが日本を攻撃したらどうするかという質問に)「アメリカが一歩引いても、日本は自ら防衛できるだろう。 日本は中国との戦争に勝ち続けた歴史がある。なぜ、アメリカは日本を守ってやっているのか?ご存じの通り、日米安保条約は心憎い。なぜなら、他国がアメリカを攻撃しても、日本はアメリカを助けなくてよい。なのに、他国が日本を攻撃したら、アメリカは日本を助けなければならない」。一見、荒唐無稽に聞こえるが、本質を突いている部分がある。
・日本の高度経済成長は、端的にいえば、米国が大量の日本製品を買ってくれたからであり、米国が「世界の警察」として日本を防衛してくれたからだ。そして現在、世界中の新興国が、米国に製品を買ってもらって成長しているし、米国に守ってもらっている。しかし、エネルギーを世界中で探す必要がなくなった米国が、「世界の警察」をやめ、世界中の国からモノを買うのをやめて、米国製品を世界に売り始めたらどうか。実は、米国はなにも困らない。しかし、日本など世界の多くの国は、頭を抱えてしまうことになる。
・米国の孤立主義は、トランプ氏だけの荒唐無稽な考えとはいえない。米大統領選でトランプ氏のライバルであるヒラリー・クリントン元米国務長官も「TPPに反対」である。そもそも、バラク・オバマ大統領も、2013年9月対シリア内戦への軍事不介入声明を発表した際、「もはやアメリカは世界の警察官ではない」と宣言し、中東からの米軍撤退、将来韓国からの米軍撤退(公表)、2020年から2026年の間に沖縄から海兵隊を含む全米軍撤退(非公式)、NATO(北大西洋条約機構)の閉鎖又は欧州中央軍への統合、中南米、アフリカ地域からの米軍撤退等々を打ち出しているのだ。
・英国のEU離脱交渉が、「残留派」だったテリーザ・メイ首相によって行われるように、「ブロック化」の潮流は、トランプやボリス・ジョンソン英外相というポピュリストの煽動と片付けられない、確かな世界的潮流と考えるべきだ。そして、巨大な「生存圏」を持つ国が、「ブロック化」に動けば、資源も食料も防衛力も自立できない日本のような国はなすすべがない。安倍政権が、ロシアとの関係強化に前のめりになるのは、中国の海洋進出だけでなく、米国も頼りにならず、日本が「ブロック化」の潮流に飲み込まれて極東の一小国に戻ることを恐れているのではないだろうか。
▽日露首脳会談は「負け組同士の歩み寄り」か
・結局、日露首脳会談とは、日本・ロシアそれぞれが弱みを抱えている「負け組同士の歩み寄り」のように思える。どちらがやや有利かといえば、衰えたりとはいえ、巨大な領土と資源を持って「生存圏」を確保できるロシアだろう。二島返還に楽観的な論者が多いが、果たしてうまく話が進むだろうか。
・プーチン大統領の「大国ロシア」のメンツを尊重せざるを得なくなり、「二島返還と平和友好条約への協議開始で合意するだけ」で、経済協力を前のめりに進めることになり、それでも安倍首相が「70年間、動かなかったことを、『わ・た・し』が、動かしました!」と、甲高い声とヘラヘラ笑いで、成果を誇ることになる。安倍政権の「いつもの光景」が繰り広げられることになるのではないだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/104143

次に、元レバノン大使の天木直人氏が10月22日付けのブログに掲載した「ドゥテルテ大統領を批判できない安倍首相の対ロ単独融資」を紹介しよう。
・きょう10月22日の日経新聞が一面トップで大スクープを書いた。 国際協力銀行が年内にもロシア最大手銀行であるズベルバンクに単独融資するというのだ。 これが北方領土問題進展の為に安倍首相がプーチン大統領に贈るお土産であることは間違いない。
・しかし、日経新聞は書いている。 ズベルバンクはクリミアやシリアを巡って激しく対立する欧米の制裁対象だ。 これは制裁破りと批判されかねない危う綱渡りだと。 危ういどころではない。 欧米の同盟国を自認している日本が、単独で制裁破りをするのである。
・その大胆さと衝撃の大きさにおいては、とてもドゥテルテ大統領にはかなわないが、日米同盟を最優先してきた日本の首相が単独で対ロ融資に踏み切るのだ。欧米にとって、大きな裏切りと映るだろう。 これでは、安倍首相はドゥテルテ大統領を批判することはできない。 いや、ひょっとして、ドゥテルテ大統領と密かに語り合うのではないか。 米国には一発かませることも重要だと。
・しかし、安倍首相は気をつけたほうがいい。 ドゥテルテ大統領はフィリピンの国益優先で米国と渡り合っているから国民の支持を得ているが、安倍首相は歴史に名を残したいという私欲で北方領土問題の解決を急いでいるだけだ。 それで米国との同盟関係にひびを入れることになれば、国民は評価しない。 米国からも国民からも愛想をつかされたら、安倍首相は終わりである(了)
http://天木直人.com/2016/10/22/post-5579/

第三に、ジャーナリストの歳川 隆雄氏が10月22日付け現代ビジネスに寄稿した「北方領土問題、最も現実的な着地点はこれだ!」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽北方領土の共同統治は本当か
・1956年10月19日の日ソ共同宣言調印60年を控えた同17日、東京・狸穴の在日ロシア大使館2階の大ホールで日本・ロシア協会(会長・高村正彦自民党副総裁)と在京ロシア大使館(エヴゲーニー・アファナシエフ駐日大使)は、午前と午後の2部に分けて会合と各種イベントを催した。
・日本側は高村正彦副総裁を筆頭に、今や一番の旬の大臣である世耕弘成経済産業・対露経済協力相、60年前にモスクワで日ソ共同宣言に調印した鳩山一郎首相(当時)の孫の鳩山由紀夫元首相、クレムリン(大統領府)にアクセスがある鈴木宗男新党大地代表、外務省の杉山晋輔外務事務次官などが出席した。そして、安倍晋三首相はメッセージを寄せた。
・ロシア側はアファナシエフ大使以下、アレクサンドル・パノフ元駐日大使、ミハイル・ベールイ前駐日大使ら歴代大使揃い踏みだった。さらに外務省関係者の注目を集めたのは、5月7日のソチ、9月2日のウラジオストクでの日露首脳会談でプーチン大統領の通訳を務め、9月中旬に東京に着任したイーリ・サプリン駐日参事官であった。 サプリン参事官は、もちろん11月19日のペルーの首都リマで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に行われる安倍・プーチン会談、12月15日に山口県長門市の「大谷山荘」で行われる安倍・プーチン会談でも大統領の通訳を務める。 ちなみに日本側の通訳・J氏(所属と名前は「厳秘」扱いになっている)もまた、ソチ、ウラジオストクに続き首相の通訳を務める。
▽歯舞・色丹の2島を先行返還?
・この日の会合とイベントで存在感を示したのは、「宗さん」こと鈴木宗男氏とその娘の貴子衆院議員の2人だった。 『毎日新聞』(10月19日付朝刊)が「ロシアに人脈を持つ鈴木氏の協力を得るため、首相は昨年末以来7回にわたり、意見を交わしている」と報じているように、安倍首相から相談を受けていると強い自負を抱く鈴木氏の周りには常に人の輪ができていた。
・と同時に出席者の話題は、その日の『日本経済新聞』(朝刊)が一面トップで「北方領土に共同統治案―政府、日ロともに主権行使―12月首脳会談で協議探る」と報道したことに終始した。同報道について、外務省サイドは杉山次官、秋葉剛男外務審議官(政務)、林肇欧州局長、徳田修一ロシア課長すべてが全面否定である。
・同紙報道を筆者なりに咀嚼すると、歯舞・色丹・国後・択捉の北方4島の帰属を巡る交渉は引き続き協議するとして、歯舞・色丹の2島は先行返還し、当面は国後を共同統治するということではないか。同紙には「共同統治を導入した際の施政権の行使」と書かれていたが、国際法の用語だと「施政権」(administration)ではなく「管轄権」(jurisdiction)である。 そして管轄権には、立法管轄権、執行管轄権、司法管轄権の3つのカテゴリーがある。施政権は信託統治における立法・司法の支配のことだが、管轄権は公的権限のよって支配することで権限がはるかに大きい。
・従って、日本が管轄権を確保することを条件に歯舞・色丹・国後の3島を日露共同統治の対象とする案にリアリティがある。何故ならば、択捉は実態的に軍事基地化しており、ロシアが引き渡す(返還する)ことはあり得ない。日露首脳会談で「共同統治案」合意まで行き着くのは簡単ではない。 だが、12月15日の安倍・プーチン会談はノートテイカー(記録係)も同席しない双方通訳のみの「テ・タテ」になり、両首脳が“一発勝負”に出る可能性はゼロではない。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50027

上久保氏が指摘する『天然ガス・パイプラインのビジネスでは、・・・供給国と需要国の間に有利不利はない』、『プーチン大統領が掲げる「大国ロシア」は虚構に過ぎない』 というのは初めて知った。『中国が得意とする人海戦術的な進出で、シベリアを実効支配されることを恐れている』、はなるほどと納得できる。『世界の「グローバル化」から「ブロック化」への変化の潮流』、『エネルギーを世界中で探す必要がなくなった米国が、「世界の警察」をやめ、世界中の国からモノを買うのをやめて、米国製品を世界に売り始めたらどうか』 は確かに日本にとっては困った問題だ。ただ、『英連邦を1つの経済圏と考えて、関係を再構築すれば、凄まじく巨大な「生存圏」を確保することになる』、については英国にそこまでのパワーはないのではなかろうか。『安倍政権の「いつもの光景」』、は出来れば見たくないものだが、そうなってしまう可能性が強まってきたようだ。
日経新聞が伝えたように、『国際協力銀行が年内にもロシア最大手銀行であるズベルバンクに単独融資する』、ようであれば、ドゥテルテ大統領来日時に安部首相が米国の代わりに同氏に注意するような余地は、吹っ飛んだことになる。『ひょっとして、ドゥテルテ大統領と密かに語り合うのではないか。 米国には一発かませることも重要だと』、が秘密裡ながら現実になるのかも知れない。もともと、政府系金融機関は段階的に縮小させる筈だったが、安部政権になってからは政権んにとっての「使い勝手の良さ」から存在感を増してきた。今回も民間銀行は米国からの制裁を恐れて、融資になど絶対に応じないため、政府系の国際協力銀行を使うことになったのだろう。
歳川氏の着地点予想を読んでしまうと、12月15日の日露首脳会談の結果を待つ楽しみがなくなってしまった感じがする。やれやれ・・・。鈴木宗男氏が復権し、またテレビでも観ることになりそうなのもやれやれだ。
タグ:鈴木宗男 ズベルバンク 国際協力銀行 日本・ロシア関係 (日露首脳会談が「負け組同士の歩み寄り」になる懸念、ドゥテルテ大統領を批判できない安倍首相の対ロ単独融資、北方領土問題の最も現実的な着地点) 上久保誠人 ダイヤモンド・オンライン 日露首脳会談が「負け組同士の歩み寄り」になる懸念 山口県長門市 日露首脳会談 「前のめり」な経済協力と「不透明」な領土問題 二島返還による「平和友好条約」調印 択捉・国後の残り二島の返還については、困難が予想 8項目の経済協力分野 ロシア経済分野協力担当相を新設し、世耕弘成経済産業相に兼務 ロシアが外交面で抱える4つの弱み 欧州との天然ガス・パイプラインのビジネスが、ロシアにとって深刻なリスク 天然ガス・パイプラインのビジネスでは 実際には、供給国と需要国の間に有利不利はない ・パイプラインでの取引では、物理的に取引相手を容易に変えられないからだ 中国が得意とする人海戦術的な進出で、シベリアを実効支配されることを恐れているからだ プーチン大統領が掲げる「大国ロシア」は虚構に過ぎない 世界の「グローバル化」から「ブロック化」への変化の潮流 英連邦を1つの経済圏と考えて、関係を再構築すれば、凄まじく巨大な「生存圏」を確保することになる。英国は、EU離脱しても生き残る力を持っているのである エネルギーを世界中で探す必要がなくなった米国が、「世界の警察」をやめ、世界中の国からモノを買うのをやめて、米国製品を世界に売り始めたらどうか 日本など世界の多くの国は、頭を抱えてしまうことになる 70年間、動かなかったことを、『わ・た・し』が、動かしました!」と、甲高い声とヘラヘラ笑いで、成果を誇ることになる 安倍政権の「いつもの光景」が繰り広げられることになるのではないだろうか 天木直人 ブログ ドゥテルテ大統領を批判できない安倍首相の対ロ単独融資 日経新聞 国際協力銀行が年内にもロシア最大手銀行であるズベルバンクに単独融資 日本が、単独で制裁破りをするのである ひょっとして、ドゥテルテ大統領と密かに語り合うのではないか。 米国には一発かませることも重要だと 米国からも国民からも愛想をつかされたら、安倍首相は終わりである 歳川 隆雄 現代ビジネス 北方領土問題、最も現実的な着地点はこれだ!
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