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ブラック企業(その5)(大手損保社員の「過労死」、、「労働組合潰し」の酷い実態、ブラック企業化の一因「つい仕事を増やす組織」への処方箋) [企業経営]

ブラック企業については、昨年8月13日に取上げた。今日は、(その5)(大手損保社員の「過労死」、、「労働組合潰し」の酷い実態、ブラック企業化の一因「つい仕事を増やす組織」への処方箋) である。

先ずは、フリージャーナリストの吉田 典史氏が昨年11月16日付け日経Bpnetに寄稿した「早稲田卒の25歳大手損保社員が「過労死」した」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽過労死は「集団リンチ」
・ここ1か月半、電通の20代前半の女性社員の「過労自殺」について、多くの新聞やテレビ、インターネットなどが報じました。それにより、「長時間労働」を否定する世論や空気が以前よりは強くなりつつあるかに見えます。 しかし私は、「長時間労働批判キャンペーン」により、事の真相が見えなくなってしまうのではないか、と思っています。したがって、前回「電通「過労自殺」を「ないもの」にしようとする人たち」と前々回「電通の「過労自殺」議論で、抜け落ちていること」の記事において、「過労自殺」や「過労死」が起きる「前段階」に着眼すべきと書いてきました。
・というのも、この前段階で、上司などからのパワハラやいじめ、退職強要、退職脅迫、セクハラなどが何らかの形で行われている可能性が高いのです。周囲の社員や企業内労組の役員らも、見て見ぬふりをしている疑いがあるからです。
・上司などは、ターゲットにした人の意識をなえさせ、精神などを潰していきます。ときには、脳の働きや機能を不全に追い込みます。周りは、当然、ほおかむり。それが臨界に達したとき、狙われた人は死を迎えるのではないか、と私はみています。 これは、一種の「集団リンチ」であり、「職場内DV」であり、「殺人類似行為」といえるのではないでしょうか。残業時間を規制したところで、この闇にメスを入れない限り、形を変えて同じことが繰り返されるはずです。 今回も、その「前段階」について、私の考えを述べます。
▽大手損害保険会社で過労死した男性のケース
・まず、一例を挙げます。1989年11月19日、25歳で死亡した男性がいます。遺族は、「過労死によるもの」と受け止めています。会社は、それを認めていないと思われます。 男性は早稲田大学を1987年3月に卒業し、87年4月に大手損害保険会社に入社。横浜支店に配属され、営業に携わっていました。入社2年目、東京都中野区のビルで開かれた会議中に倒れ、病院に運ばれましたが、死亡。遺体は、最寄りの野方警察署に運ばれました。
・この死を、私は、1991年に発売された「日本は幸福(しあわせ)か―過労死・残された50人の妻たちの手記」(全国過労死を考える家族の会 ・編集) で知りました。内容は、1970年代~80年代に、過労死や過労自殺で夫や子どもを亡くした遺族(主に妻や母)が、手記という形で過労死について語っているものです。
・私がこの本を読み終えたのが、1998年。50人の過労死・過労自殺の中で、当時20代後半だった私がもっとも真剣に読み込んだのが、前述の営業マンの男性の母親が書いた数ページです。この男性に、私の年齢が近いことも関心をもった大きな理由です。 その中から、「過労死の前段階」について考えるうえで参考になる箇所をいくつか、抜粋します。( )は、私が補足したものです。
▽なぜこんな死に方をしたのか
・母親が息子である男性が死亡した日を思い起こし、書いたものです。 (野方警察署の)うす暗い署内の廊下を通り、階段を下り、裏口の古びたプレハブのバラックの前に立った。いまから何が起こるのか? 錠をはずし、線香のにおいのなか、白いひつぎのなかに息子の姿があった。4、5人の、上司であろう人たちが、悲しみというより、夫と私のようすを興味深そうに見ていた。 「勝っちゃん(息子である男性のこと)……」。私は涙も出なかった。どうしてこんなところにいるのか、どうして、自分がこんな立場にいるのか。頭のなかが空白になるとは、こんなことをいうのでしょうか。(P22) 母親が、男性が亡くなる前のことを思い起こしたものです。
・(19)88年8月、(実家のある静岡県の)焼津に帰ってきたとき、いままで楽しい話が多かった彼(亡くなった男性のこと)が、「支社長が変わると仕事のやり方も変わり、毎日夜遅くまで残業で、とても疲れる」と言った。89年1月、妹娘の結婚式前夜に(実家に)帰ってきたときは、家に着くなり、そのまま床にたおれ込んだ。翌日式の時間ぎりぎりまで死んだように眠っていた。
・「お兄ちゃん、大丈夫?」 「うん、大丈夫、大丈夫。俺、会社辞めようと思うんだ。転勤届け出してもだめだしね」 そう言いながらも、翌日の仕事のためにまた横浜へ帰っていった。そして、11月19日、とうとう2度と帰らぬ人となってしまった。(P22~23)
▽いくら頑張ってもそれ以上を要求される職場
・男性が過労死になる前、母親に話した言葉を、母親が回想して書きあらわしたものです。 大企業といっても、俺たちのように真面目に勉強して入った者より、縁故での入社が多いのにはガッカリした。タイムカードもなく、残業は給料締切日前日に自分で書いて提出。しかも1か月30時間まで。あとはいくらやってもサービス残業。土曜日も午前中は仕事。たまの休日も、一人で出社している支社長にときおり呼び出される。会社訪問の説明会とはまったく違うんだ。(P23)
・母さんには分からないよ。俺の気持ちは。いくら一生懸命やっても次にはかならずそれ以上を要求されるんだ。疲れたよ。(P23) 損保会社の業界では、〇〇〇〇は〇位なんだけど、神奈川だけは〇位なんだ。〇〇〇〇に越されるな。負けるな。これが、合い言葉なんだ。とにかく異常だよ、うちの会社は。ハードだよ。母さんには俺の顔見せられないよ。目の下にはくまができてしまっているんだ。疲れたよ。ゆっくり寝たいよ。(P23~P24)
・〇には、会社名や数字が書かれてあります。今回の記事では、空欄にします。会社名などを実名として盛り込むとき、その会社に確認することが望ましいのです。前々回の記事「電通の「過労自殺」議論で、抜け落ちていること」では、三菱重工業を実名で書きました。これは、裁判などで記録が残っているためです。今回、取り上げた男性の遺族は、この損害保険会社と裁判をした痕跡がありません。労災認定を求め、労働基準監督署などと争ったことを見つけることもできませんでした。
・実は、1990年代後半、私は男性のことを取材しようと、この損害保険会社の広報課に取材交渉をしましたが、断りを受けました。その時点で、男性が死亡し、10年ほどが経っています。「その頃のことを詳細に把握しているものがいない」という回答を、広報課から受けました。これらを踏まえ、匿名としました。
▽つねに行動を監視し私物のように扱う上司
・次は、男性の会社員時代の日々を母親が思い起こし、書いたものです。上司によるパワハラやいじめと思える記述もあります。そのいずれもが、「前段階」を考えるうえで、意味の深いものです。このくだりが、過労死を考えるうえでもっとも大切と私は考えています、長い労働時間に、精神的な強いストレスを与える人がいるのです。その多くは、私の観察では上司です。
・息子のノルマは異常だった。いつもみんなより一ケタ多かった。朝から支社長の机の前に立たされて、たびたび小言を言われていた。昼間は外回りをし、毎日夜遅くまで、一人書類の整理に追われていた。いつも息子の机の上は書類の山だった。月末から月始めは、(帰宅が)午前2時、3時になることもあった。たまに早く帰っても、どこからかけてくるのか、夜中12時ころ支社長から電話がかかってくる。そして執拗に、自分の納得のいくまで電話を切らないという状態だった。
・また、ポケットベルを息子にだけ持たせ、つねに行動を監視し、まるで自分の私用物のように扱っていたという。それは異常なほどだった。もちろん、土曜日も日曜日も、友人がアパートに泊まった日にも呼び出しの電話が何度もあったという。日曜日の朝、焼津市の自宅(実家のこと)へも「早川君そちらに帰っていますか」と電話がかかってきたこともある。(P24)
・医師の診断は、「どこも悪くはないようだけど、一度検査をしたほうがよい」とのことだった。その週の土曜日に検査の予約を入れた。しかし支社長の呼び出しで、とうとう行くことができなかった。倒れる何日か前から食事もとらず、食べても吐いてしまう状態が続いていたという。(損保の)代理店へ行っても、「疲れた」と言って、なかなか立ち上がれないようすだったそうだ。(P24~P25)
▽過労死の代償は20万円の弔慰金
・(男性が倒れ、死亡し、その遺体が運ばれた東京中野区の)野方警察署に若い女性がいた。「ああ君か。早川君(男性のこと)とつきあっていたのは。君はまだ若い。すぐにまたいいのが見つかるよ」。私(手記を書く母親)の前で彼女の肩をポンとたたいた支店長。 「亡くなる前一週間を調べたが、彼は暴飲暴食だ。女の子と遊んだり、マージャンをやったり。マージャンをやらなかったら死にはしなかった。しかも早川君からみんなを誘ったんだ。彼は過労死じゃない。じゃあ、そういうことで」。アパートの整理に行った私と娘(男性の妹)に、さも迷惑だといわんばかりの捨てゼリフを残し立ち去った横浜支店の課長。娘と泣いた。
・「うちのお兄ちゃんは、そんなお兄ちゃんじゃない」(P25) 警察の勧めで死因特定のため、翌日司法解剖。結果は「形態学的に説明できない突然死」。執刀医も、「あえて言えば急性心不全だが、どこも悪いところはなく、因果関係が説明できない」と言った。(P26) 
・息子の死後、会社が遺族である私たちに支払ったのは、退職給与金26万8928円と弔慰金20万円だった。会社の指示に従い、上司の命令のままに働き、命まで失ったのに、その死の責任は会社にはないのか。残された家族の悲しみは、いったいどうしたらよいのか……。(P26)
▽ 職場での「いじめ・嫌がらせ」が4年連続で最多に
・これらは、遺族による手記であり、会社側の言い分は載っていません。書かれてあることがすべて事実と言い切ることも私にはできません。しかし、手記のところどころから、今回の電通の「過労自殺」と重なるものがあるように思えるのです。前々回、取り上げた三菱重工業や、過労死遺族の馬渕さんの夫のケースとも、重なるところがあります。それぞれの事件が起きた時代は違います。月日が経っても、本質は変わっていないのです。
・忘れてはいけないのは、ここ10数年、個別紛争が増えていること。厚生労働省は、8月に「平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。総合労働相談の件数は8年連続で100万件を超えました。総合労働相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」が6万6566件と、4年連続で最多となっています。
・過労死や過労自殺を「いじめ・嫌がらせ」をはじめ、パワハラ、セクハラ、退職強要などと同じものとして位置づけるべきなのです。さらには、あいまいな人事評価や、その評価に異議を申し立てることができないことなども、根っこは同じです。賃金の決定や人事異動、配置転換、職種転換などにも、社員の側が意見すらいえないという点ではつながっています。多くの職場では、会議などで上司と意見を激しく闘わせることも、十分にはできないはずです。これもまた、実は関係があることなのです。
・これらの一連の、ゆがんだ構造がある限り、犠牲者は生まれ続けます。「過労死」や「過労自殺」は、この構造が凝縮された形で現れるものであり、特異なものでもなければ、めずらしいものでもないのです。残業などの労働時間のあり方に目を向けるほどに、この本質が見えなくなっていきかねません。むしろ、そこを利用してくる人たちが政府中枢や財界、一部の労働界、有識者にいます。
▽企業が隠ぺい体質を助長する危険性も
・私は、その議論や現在の報道のあり方に疑問を感じています。そこで、ある弁護士に、電通の「過労自殺」をテーマに取材交渉をしました。近く、取材をさせていただくことになりました。その弁護士は、今回の電通の事件に、少なくとも次のような問題を指摘していました。 「長時間労働」「ステータスのある職場で横行する、いわゆるやりがい搾取」「パワハラ、アルハラ」「女性的であると同時に、男性的であることを求められる女性労働者」
・今回の事件により、企業が隠ぺい体質を助長する結果となったり、労働者を請負契約にして法適用を免れようという流れが加速したりする可能性があることも指摘しています。長時間労働の法的な規制に反対はしないものの、それだけで、過労死・過労自殺などの問題を克服するのは難しいのではないか、とも考えているようでした。
・読者の皆さんが、この弁護士に、過労死・過労自殺について尋ねたいことがあれば、書き込みの欄に質問を簡潔に記入してください。弁護士の取材の際に、回答をしてもらえるように試みます。数が多い場合は、こちらで選ぶことをいたします。その旨、ご理解ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/92290/111500048/?P=1

次に、1月23日付け東洋経済オンライン「賞与1円で報復、「労働組合潰し」の酷い実態 引越社やプリマハムで何が起きているのか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・政府主導で「働き方改革」が叫ばれ、長時間労働の是正が求められている中、前近代的ともいえる「不当労働行為」が繰り返されている。不当労働行為とは、労働組合に入っていることを理由に遠隔地に左遷・解雇したり、組合との団体交渉に応じなかったり、組合からの脱退を促したりすることだ。
・SEだった有村有氏(仮名)は、結婚を機に転職を希望。「年収1000万円も」とうたうチラシを見て、「アリさんマーク」で有名な引っ越し専業大手・引越社関東に入社した。
▽100万円だった賞与は1円に
・営業成績は優秀だったが、営業車で交通事故を起こすと、会社に弁償(48万円)を求められた。「自分に弁償する義務はあるのか」。そう悩んだ有村氏だが、会社に労働組合はなく、相談相手もいない。そこで2015年3月、雑誌で知った社外の労働組合「プレカリアートユニオン」に加入。同組合を通じて会社に団体交渉を申し出た。
・すると会社は、有村氏を引っ越し作業の現場から、電話対応が主のアポイント部に配置転換。その後すぐに、1日中シュレッダーをかけ続けるシュレッダー係への異動を命じた。度重なる異動で、「営業成績がいいときには1回100万円もらえた賞与が1円になった」(有村氏)。 しまいには「罪状」と書かれた有村氏の顔写真入りの紙を社内の各所に張り出し、同僚の前で読み上げたうえで、有村氏を懲戒解雇した。
・東京都労働委員会の公開審問で、会社は組合加盟が異動・解雇の理由ではないと主張している。シュレッダー係への異動は「遅刻が多く顧客に迷惑をかけてはいけないと思ったから」。懲戒解雇は「会社の機密を漏らしたから」。だが動画投稿サイトのユーチューブでは「何でもかんでも組合の名前出したらいけると思ったらあかんぞ」とすごむ経営者の姿が公開された。
・解雇無効の訴えを起こされた途端、会社は2カ月足らずで有村氏の復職を認めたが、職務はシュレッダー係のまま。「北朝鮮人は帰れ」と書かれたビラがシュレッダーから見える壁に張られていた。シュレッダー横にモニターが設置され、有村氏の記者会見の様子が流された。 会社は誰がビラを張ったかは不明で、モニターを設置したのは近くの部署に見せるためだとしている。
▽プリマハムでは組合設立で雇い止め
・食肉加工大手・プリマハムの女性従業員2人は、得意先を回るルートセールスだと聞き入社。ところがしばらくして、肉体労働である納品業務も命じられる。ソーセージで1箱3キログラム、ベーコンで1塊4キログラム。それだけの荷物を抱え、大きな冷蔵庫と営業車の間を行き来することになる。 それでは体がもたない。プリマハムには労働組合があるが、2人は正社員ではないからと、社外の組合「派遣ユニオン」に相談。そこで「プリマハムユニオン」を結成、会社に団交を申し入れた。
・会社は2人に「形式上は有期契約だが、よほどのことがないかぎり再契約する」と言っていた。団交の最初のうちは「契約を打ち切るつもりはない」としていたが、最終的には2人に雇い止めを通告した。2015年3月のことだ。 雇い止めの理由は「1日当たりの訪問店舗数が少ない」「営業時間内の携帯電話での会話時間が長い」。ただ会社は「ユニオンに加入したということは会社に敵対するということだね」と発言している。
・ほかにも相鉄ホールディングス、ドラマ「下町ロケット」の撮影場所になったことで有名な金属精密加工メーカー・桂川精螺製作所など、労働委員会で審問中の労働事件は多い。
・不当労働行為の新規申し立ては年300件台。労働運動が盛んだった昭和40年代に比べれば3分の1だが、中身が異なる。労働問題を約50年見てきた宮里邦雄弁護士は、「年300件のうち約7割はユニオン関連だ」と指摘する。 宮里弁護士の言うユニオンとは、1人でも結成できる労働組合のことだ。名ばかり管理職になり組合を脱退した者を救うためにできた「管理職ユニオン」が有名。会社に組合のない正社員、管理職や、派遣、非正社員、パートタイマーのための組合である。
▽過剰反応が問題を大きくする
・ユニオンの多くは少人数で活動資金が乏しい。その中で動画サイトへの投稿など、先鋭的な活動も少なくない。 そうしたこともあり、ユニオンが出てくると過度に萎縮する経営者が多い。正面から食ってかかるのは少数派だ。そして多くの場合は弁護士に対策を委ねるようになる。 弁護士は団交の申し入れ文書を「ここの趣旨が不明」と突き返す。やっと団交が開かれたかと思うと、弁護士が同席し主に弁護士が発言する。弁護士のみが団交に出席する……これでは従業員と向き合っているとはいえそうもない。
・ユニオンに対する過剰反応が問題を大きくし、そこに収益機会を見いだす弁護士も存在することで、問題が複雑化しているようだ。 労働者の権利を軽視する事例は決してなくなっていない。それは「働き方」以前の問題だ。経営者には、組合に対する正確な理解と、自らが労働者と正面から向き合う覚悟が求められている。
http://toyokeizai.net/articles/-/154700

第三に、モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授の渡部 幹氏が2月1日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「ブラック企業化の一因「つい仕事を増やす組織」への処方箋」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽日本には「ブラック職場」を促進する文化がある!?
・以前、某有名外資系コンサルタント事務所に勤め始めた友人が、その忙しさに愚痴を言っていた。 「だって、夜11時くらいにやっと帰れるかなと思ってたら、電話帳くらいの厚さの資料持ってきて、『明日7時の早朝会議の資料です。目を通しておいてください』って、無理だろそんなの!しかもその資料、全部英語!」 「で、そんなの無理だと思って、テキトーに目を通して、会議に出て話してたら、上司から『そんなこと資料に書いてあんだろ!お前読んできたのか!』って怒られた(笑)。その上司も俺と同じ時に資料もらったはずなんだけど、なんで読めてんだろう?」
・やるべき仕事は変わらないのに、いつの間にか新たにタスクを作り出すのが人間の習性。特に日本は文化として職場がブラック化しやすい面がある。残業時間削減そのものを目標にするよりはは、知的生産性を上げることを意識することが、問題解決の近道である
・その友人の働いていた会社は、名うてのエリートが集まることで有名だった。それ以上に、仕事のきつさでも有名で、だいたいの社員は3~5年勤めたら転職したり、起業したりしていた。 友人も5年ほど勤めてから、別のコンサルタント会社に転職したが、それまではあまりの激務に身体を壊して入院したり、ストレスで円形脱毛症になったりしたという。
・面白かったのは、世界中にあるそのコンサルタント事務所の中で、そんなに「ブラック」なのは日本とドイツだけだったという。本家本元の米国事務所は、夜7時過ぎには誰もいなくて連絡がとれないと話していた。 つまり日本の職場には、文化として「ブラック化」を促進する土壌がありそうだ。だがそんな土壌のない西洋でも同じことが起こっていた。
・英国の政治学者であるシリル・パーキンソンは、大英帝国の官僚制を詳しく分析した結果、なすべき仕事の量に関係なく、官僚の仕事は毎年5~7%増加したことを報告している。そしてその原因は主に2つあり、(1)官僚は部下を多く持ちたがること、(2)官僚は相互に仕事を作りあうこと――だとしている。 このようにホワイトカラーの仕事量は自然と増える傾向にある。それに日本の文化的要素が加わると、職場のブラック化がどんどん加速することになる。
▽職場のブラック化に関わる3つの要素とは
・実は古くからそのことに気づいていた日本企業があった。パナソニックの前身である松下電器産業では、かつて事業部内の全部門に対し、3年に一度「業務費用の一律3割削減」をルーチンとして課していた。 この背景には「業務というのは削っても削っても、時間がたつと自然と増えてくる。そのため数年に一度、大胆に目標を設定し削減しなくてならない」という松下幸之助の考えがあったそうだ。松下幸之助は早くから企業のブラック化について考えを持っていた。いち早く週休2日制を導入したのも松下電器だった。
・電通女子社員の過労自殺事件をきっかけに、職場のブラック化に伴う超過労働の問題が大きく取り上げられるようになった。政府も首相肝煎りで「働き方改革実現会議」を立ち上げている。 だが、政府は基本的に行政と立法にのみ関わるため、それぞれの企業の独自の働き方について、法律以外でコントロールする術を持たない。そのため、残業時間の上限を設定する以外の措置が取りにくいのが実情だと思われる。
・そうなると、やはり個々の企業の取り組みが重要となる。経済紙などでは、各企業のユニークな取り組みを取り上げて紹介している。筆者もそれらの事例を拝見したり、自身でも情報を得たりして分析したが、効果的な働き方改革には、共通するものがある。
・それは、(1)企業風土、(2)管理職および部下のマインドセット、(3)スキルあるいは仕組み――の3つの要因のうち、少なくともひとつを変えることを実践している点だ。 電通女子社員の過労自殺事件では、これら3つの要素すべてが、職場のブラック化を促進する要因だった。それらのうちの1つでも健全に機能していれば、少なくとも自殺は防げていたのではないかと、筆者は考える。
・このうち、企業風土は組織全体に関わるもののため、変えるためには経営陣の問題意識が重要となる。過剰に業務コストを無視していないか、丸投げかつ上司が責任を取らない体質になっていないか、顧客重視を偏重するあまり社員が悲鳴をあげていないか――これらに問題があれば、取締役レベルで自分たちの企業風土に危機感を持たなくてはならない。したがってこのレベルの取り組みはトップダウン方式になりやすいだろう。
▽残業時間削減はあくまで結果 知的生産性向上を目指すべき
・一方、管理職、部下のマインドセットは、部署や課単位で取り組める要素だ。その分、管理職の個人的なマインドセットに左右される要因でもある。上司が理解のある人ならば良いが、全く理解のない上司ならば、部下にとって職場は地獄になる。 例えば、部下にシステマティックな教育を全くせず、過度に「仕事から学べ」を強要したり、生産性よりも「頑張り」を評価したりする上司は、必然的に部下に長時間労働を強いる。そのあげくに、部下自身が「社畜」マインドに陥ってしまう可能性もある。
・そして、3つ目の要因であるスキルアップに関して、日本の企業は、まだこの点について工夫の余地が多くありそうだ。サービス残業を含む長時間労働の緩和には、生産性向上が必要だ。そのためには、高いスキルで効率よく仕事ができるようになればよい。
・だが、日本の職場では、仕事に必要なスキルのほとんどを、OJTで学ばせようとする。OJTは大事だが、それらが真価を発揮するのは、暗黙知の伝達においてであって、マニュアル化できるもの、言語化できるスキルについては、できるだけシステマティックな教育が必要だ。 もちろん、これは簡単にできるものではないのも、また事実だ。労働流動性が高まっている中、いつ辞めてしまうかわからない社員に、コストをかけて教育するべきかという問題や、社員個人個人に適したスキルアッププログラムを安価で提供できるかという問題がある。
・結局のところ、上記3要因はすべて、仕事での知的生産性を上げるためのものだ。残業時間削減は、働き方改革の結果になるべきであって、目標にするべきではない。目標は、いかに効率良くビジネス上のゴールを目指すことができるかについて、知恵を絞ることにある。筆者も微力ながら、それに少しでも貢献できればと思っている。
http://diamond.jp/articles/-/116204  

第一の記事にある大手損害保険会社での入社2年目の社員の職場での突然死は、発生したのが88年。最近であれば、パワハラ・いじめや過労死で問題化するた案件である。それが、僅か 『20万円の弔慰金』、とは、約30年前の日本社会は、現在からみるととんでもないブラックが横行していたものだ。それにしても、『息子のノルマは異常だった。いつもみんなより一ケタ多かった』、とは明らかな「いじめ」以外に考えようがない。支店長の言い分の、『「亡くなる前一週間を調べたが、彼は暴飲暴食だ。女の子と遊んだり、マージャンをやったり。マージャンをやらなかったら死にはしなかった』、については、とんでもない言い訳だが、筆者の吉田氏は本来検証すべきだろう。
第二の「労働組合潰し」の2つの話も酷いが、多くの日本企業では大いにあり得る話だ。
第三の記事での、『日本には「ブラック職場」を促進する文化がある!?』、はその通りだ。『世界中にあるそのコンサルタント事務所の中で、そんなに「ブラック」なのは日本とドイツだけだったという』、のはさもありなんとの感じだ。ただ、渡部 幹氏が、『スキルアップに関して、日本の企業は、まだこの点について工夫の余地が多くありそうだ』、としているのには、違和感がある。それらに工夫の余地が多いことは確かだが、それ以上に本来、仕事の交通整理をすべき経営陣、管理職が全てを部下に丸投げするという「企業風土」の問題の方が大きいように思う。2月1日付けのこのブログで取上げたように、我が国では教育にすらブラックな要素が強いこと、さらに2月6日付けでは、いじめが日本社会独特の「同調」への過剰適応が暴走したとの小田嶋氏の見立て、などを考慮すると、ブラック企業問題の解消は容易ではなさそうだ。
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