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「安倍晋三記念小学校」(森友学園)への国有地払い下げ問題(その3)(「錯誤」登記をめぐる謎、安倍首相の怪しい出張と財務官僚との会談、佐川理財局長国会答弁不正を衝くべき、財務省の「交渉記録は残っていない」は本当か) [国内政治]

「安倍晋三記念小学校」(森友学園)への国有地払い下げ問題については、2月24日に取上げたばかりだが、その後、重要な新事実が出てきているので、今日は、(その3)(「錯誤」登記をめぐる謎、安倍首相の怪しい出張と財務官僚との会談、佐川理財局長国会答弁不正を衝くべき、財務省の「交渉記録は残っていない」は本当か) である。

先ずは、元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏が2月27日付けの同氏ブログに掲載した「森友学園問題「錯誤」登記をめぐる謎」を紹介しよう。
・学校法人「森友学園」に対して国有地が不当に安く売却された問題をめぐる疑惑が、ますます深まる中、小林よしのり氏が紹介するブログ「ゴー宣道場」の2月24日の記事【豊中市国有地格安売却疑惑「錯誤」の不可思議な登記】で、この土地の登記をめぐる興味深い指摘が行われている。
・もともとこの一帯は伊丹空港の離着陸ルートにあたり、昭和53年ごろに騒音対策地として国が買収した土地だった。 その後、騒音が軽減されたとして、平成24年7月、この騒音対策地は「国(運輸省)」から「新関西国際空港株式会社(新関空会社)」に売却されている。 一昨年、豊中市が同じ騒音対策地から、学校給食センターの建設用地として、7210平米の土地を購入しているのだが、この時点での土地の所有者は「新関空会社」だから、豊中市は当然「新関空会社」に購入費を支払っている。金額は7億7000万円。
・問題は、その後に書かれている指摘だ。 森友学園が小学校用地として購入した土地の登記を見ると、平成24年7月に、所有者が国から「新関西国際空港株式会社」に移転。 ここまでは豊中市が購入した土地と同じだ。しかし、平成25年1月10日、なぜか「錯誤」を理由に所有者が抹消され、その上、なぜか所有者が「国(国土交通省)」に戻っているのだ。 同日に出された同じブログの記事【「錯誤」登記の補足と、安倍首相の「森友学園切り捨て答弁」】に登記簿の写しが掲載されている。これを見ると、この土地は、運輸省(現国土交通省)の所有であったところ、 ①平成24年10月22日に、「平成24年7月1日 現物出資」を原因として、新関空会社に所有権が移転 ②平成25年1月10日に、「錯誤」を原因として、①の所有権(新関空会社)が抹消  されている。
・つまり、問題の土地は、国から新関空会社に現物出資されたことになっていたが、その現物出資が「錯誤」で無効だったとして、国に戻り、その後、問題とされている森友学園との間で定期借地契約や売買契約が行われたりしたのである。
・このことは、今回の問題が、単に、国が所有していた土地を安価で森友学園に売却したというだけにとどまらず、一旦、新関空会社に現物出資したものを、国が取り戻した上で、森友学園との契約を行うという「特別の取り計らい」が行われたのではないかという疑いを生じさせる。
・しかも、【赤旗「森友学園問題 審議前に貸し付け内諾」】によると  森友学園は近畿財務局に国有地の賃貸を申し出ている段階で2014年10月31日、大阪府私学審議会(私学審)に新設認可を申請。私学審は、15年1月27日に「認可適当」と答申しました。 この答申の2週間後、国有財産の処分を決める近畿財務局の国有財産近畿地方審議会が、森友学園に国有地を10年間貸すことを決めました。 とのことである。「錯誤」を理由にして現物出資がなかったことにし、国が所有権を取り戻した後に、森友学園が賃貸を申し出たわけだが、その話はいつから始まっていたのか。
・上記ブログによると、国交省大阪航空局は「手続き上のミスがあったので国に所有権を戻した。」と説明しているとのことだ。もともと現物出資が有効に成立していなかったという趣旨であろう。 しかし、平成24年度の新関空会社の有価証券報告書によれば、国から新関空会社への現物出資は、「関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律」に基づいて行われている。現物出資が行われたとされた半年後に、「錯誤」で所有権を抹消する登記が行われたのであれば、「手続き上のミス」を明らかにする書類が残されているはずだ。
・法律に基づく現物出資等である以上、近畿地方財務局が「既に廃棄した」と説明している森友学園と財務局との交渉経過に関する文書等とは異なり、行政文書として確実に保存されているはずであり、それに関する文書を確認することで、事実関係は明らかになるはずだ。一旦は国有地ではなくなっていた土地について、その後、森友学園から賃貸の申し出があった。なぜ、都合良く、「錯誤」によって国に戻っていたのか。
・いずれにせよ、国と政府100%出資会社との間での通常の取引や登記では考えにくいことが行われているように思える。この点についても、真相の解明が必要だろう。
https://nobuogohara.wordpress.com/2017/02/27/%E6%A3%AE%E5%8F%8B%E5%AD%A6%E5%9C%92%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%80%E3%80%8C%E9%8C%AF%E8%AA%A4%E3%80%8D%E7%99%BB%E8%A8%98%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E8%AC%8E/

次に、2月28日付け日刊ゲンダイ「森友学園疑惑 安倍首相の怪しい出張と財務官僚との会談」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・疑惑の会合の当日、安倍首相も現地に滞在していた。戦前回帰のアナクロ学校法人「森友学園」への国有地“爆安”払い下げ問題をめぐり、共産党が国会で暴露した財務省近畿財務局での価格交渉会合。財務省は当日の交渉記録をすでに廃棄したというが、安倍首相の動向もかなり怪しい。この日は国会をわざわざ抜け出し、大阪入り。安保法制の審議が大詰めを迎えていた時期に政治のウラ側で何が起きていたのか。ひとりの高級官僚の存在が一躍クローズアップされている。
・近畿財務局9階の会議室に関係当事者が集結したのは、2015年9月4日のこと。森友学園側からは「瑞穂の國記念小學院」の校舎建築を請け負った設計会社と建設会社の両所長が出席。共産党の調査によると、土地を管理していた国交省大阪航空局の調査係と近畿財務局の統括管理官を相手に、埋設ゴミの撤去について、かなり高額な費用を提示しながら話し合ったとされる。
・午前10時から2時間に及んだ交渉が終わった頃、安倍首相は伊丹空港に降り立った。その後、読売テレビの2番組に出演。読売テレビは近畿財務局から車で10分程度の距離にある。国会開会中の平日(金曜)に現役首相の地方出張は異例で、ましてや当時は安保法制審議がヤマ場を迎えていた。
・東京からの中継という選択肢もあったのに、午後6時過ぎの飛行機で再び羽田へトンボ返り。安保法制の鴻池祥肇・参院特別委員会委員長(当時)に「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示されても強行軍を敢行した安倍首相には、大阪入りへの並々ならぬ決意を感じざるを得ない。
・「国交省はこの日、小學院の校舎建築に対し、補助金約6200万円の交付を決定。翌日には首相夫人の昭恵氏が、園児に教育勅語を暗唱させる『塚本幼稚園』で講演、小學院の名誉校長に就任しました」(問題を取材するジャーナリスト)
・これらのタイミングが安倍首相の大阪入りと重なったのは、単なる偶然だろうか。実は出張の前日、安倍首相は国有地問題のキーマンである高級官僚と会っていた。 当時の首相動静を見ると、午後2時17分から10分間、官邸で財務省の迫田英典・理財局長(現国税庁長官)と会談。理財局の主な仕事は国有財産の管理だ。つまり、国有地の売却を差配する責任部局のトップから、安倍首相は何らかの報告を受けていたのだ。
・「迫田氏は安倍首相の地元・山口県豊北町(現下関市)出身で、東大法学部卒。昨年6月17日付の定例人事で国税庁長官に“棚上げ”されるまで、82年入省同期の福田淳一・現主計局長と次期次官レースを争っていました」(財務省関係者) トップの事務次官ポストを狙う高級官僚が、時の首相に取り入るために「花を持たせる案件」を常に探り、ライバルと忠誠心を競い合う――。官僚組織を扱う小説や映画では、そんなシーンがよく出てくる。
・野党は今回の問題で迫田氏の国会出席を要請しているが、与党側は一切、応じようとしない。迫田氏はやましい要素がなければ、身の潔白を進んで証明したらどうか。 「森友学園との国有地の売買契約締結は昨年6月20日。1年未満の案件の交渉記録が既に廃棄されたのは不自然です。いずれにしろ、国有地は理財局長の決裁がなければ動かせないし、その際は次官の了承を必ず得ることになります」(財務省OB)
・交渉当時、財務次官だった田中一穂氏は、第1次政権時代に首相秘書官を務めた安倍首相の“大のお気に入り”。 同期2人が次官に就いた後の異例のトップ人事には、安倍首相の猛プッシュがあったとされる。疑惑の登場人物が皆、安倍首相と強い接点を持つのはなぜなのか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200390

第三に、エコノミスト植草一秀氏が3月1日付けの同氏のブログに掲載した「財務省佐川理財局長国会答弁不正を衝くべきだ」を紹介しよう。
・問題の本質は、不動産鑑定評価書が9億5600万円の国有地を1億3400万円で払い下げたことが妥当であったのかということだ。 国は埋設物撤去費用を8億1974万円と算出して、これを鑑定評価額から差し引いて払い下げた。
・この国有地払い下げにかかる経緯は以下の通り。
 2016年3月11日 地下埋設物が発見されたと森友学園が近畿財務局に通告。
 2016年3月14日 廃材発見の旨を財務局が航空局へ連絡。現地確認が実施された
 3月15日には、森友学園の籠池泰典理事長が財務省本省で、理財局国有財産審理室長と面会している。
 2016年3月24日 埋設物対策・早期開校の為、森友学園が近畿財務局へ土地を買い取りたい旨を申し出る。
 2016年4月6日 森友学園が負担したとされる地下3メートルまでの埋設物除去費用1億3176万円(埋設物対策分が約8632万円、土壌汚染対策分が約4543万円)を大阪航空局が森友学園に支払う。
 2016年4月14日 校地面積の約6割を対象とした、埋設物撤去費用8億円(1万9500トン/ダンプカー4000台分と推計)の見積りを航空局が近畿財務局へ連絡。
 2016年5月31日 不動産鑑定評価書を提出(鑑定評価額9億5600万円)。
 2016年6月20日 当該国有地が1億3400万円で森友学園に払い下げられ、所有権が移転。
・このような経緯を辿っている。 隣接する9492平米の国有地は、2011年3月10日に国から豊中市に14億2300万円で売却されている。 また、森友学園に払い下げられた国有地については、2011年から2012年にかけて、大阪音大が当該国有地の取得を要望して、埋設物撤去・土壌改良費2億5000万円を控除した5億8000万円の価格での取得を提示したにもかかわらず、価格が低すぎるとの理由で排除されている。
・さらに、森友学園に対しては、学園が負担したとされる、2015年に実査されたとされる地下3メートルまでの埋設物除去にかかる費用1億3176万円(埋設物対策分が約8632万円、土壌汚染対策分が約4543万円)が、2016年4月6日に大阪航空局から支払われている。
・さらに大きな謎は、当該国有地が2012年7月1日に財務省から関空会社へ現物出資され、移転登記が完了していたにもかかわらず、 2013年1月10日に、錯誤を原因として現物出資が無効(所有権移転登記を抹消)とされ、その上で、森友学園の学校用地として提供されたことである。 2013年1月10日は、第2次安倍政権が発足した直後である。 第2次安倍政権の発足と同時に、国有地激安取得プロジェクトが始動したのではないか。
・本題に戻るが、問題の核心は、国が払い下げた1億3400万円が適正な価格ではないとの疑惑にある。 この点について、財務省の佐川宣寿理財局長は、 森友学園から国有地購入希望の申し入れがあった2016年3月は、小学校開校まで1年と時間が差し迫っていたため、大阪航空局が埋設物撤去費用を「適正に」算出して、この金額を控除して払い下げたもので、法令上の手続きとして問題がない、 と主張している。
・しかし、この佐川宣寿という人物は、法律の基本を知らないのではないか。 財政法第9条に以下の条文がある。 第九条 国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。 「国の財産は、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならない」 というのが、財政法の規定であって、これが何よりも重要なのだ。
・「適正な対価」 でなく国有地を譲渡していたのなら、これは明確に、財政法違反の事案になる。 「手続きが適正」であるのかどうかではなく、「対価が適正」であるのかどうかが最大の争点なのである。 開校が1年後に迫っていたから、航空局が算定し、これを控除した金額で払い下げたというのは、正当性の根拠にならない。
・その算定価格が「適正」であったのかどうかが、財政法上の係争点になるのだ。 近畿財務局の対応は不適切であり、背任の疑いが濃厚である。 その理由は後段に記述する。
・もう一つ、重大な問題がある。 佐川氏は、財務省文書管理規則を盾に、交渉記録を廃棄したことを正当化しているが、この主張がとんでもない誤りである疑いがある。 国有財産の管理にかかる文書の保存期間は、1年未満でなく、10年であるはずだ。 行政文書の分類において、規則違反を犯している疑いがある。 もちろん、交渉録は存在している。 存在していない場合は、問題発覚後に、証拠隠滅を図ったものであると推察される。 国会審議では、重要論点を厳しく突く追及が不可欠だ。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-68c4.html

第四に、デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員 山田厚史氏が3月2日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「森友学園、財務省の「交渉記録は残っていない」は本当か」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・国有財産は国民の財産だ。火の車の財政を抱える財務省は切り売りして収入を確保しようと必死だ。少しでもいい値段で売る。それが役人の務めだろう。ところが大阪府の森友学園の一件には唖然とさせられた。 評価9億5600万円の土地が1億3400万円で払い下げられた。85%の値引き。
・交渉経過を示す文書は「残されていない」(佐川宣寿理財局長)という。ところが、ある財務省OBは一笑に付す。「文書がないなどありえない」と。財務省は重要文書は「私的メモ」として公文書から外して保管している、というのである。一連の経過は、近畿財務局や本省理財局の担当者の手元にあるはず、というのだ。
・それにしても今回の事件で財務省の動きは不可解だ。トンデモ売却の実現は、財務官僚の手引きなしにできるものではない。交渉経過が表に出ると困るのは誰なのか。
▽ほぼ同じ広さの隣地は14億円 財務省に何が起きたのか
・大阪府豊中市。伊丹空港の滑走路近くにある問題の土地8770平米は、騒音被害に悩む住民の家を大阪航空局が買い上げ更地にした。技術の進歩で騒音は減り、土地は売却されることになった。何件かの交渉は不調に終わり、2013年に大阪市内で幼稚園を経営する森友学園が小学校用地として名乗りを上げ、昨年6月近畿財務局と売買契約を交わした。
・疑惑の発端は昨年9月、豊中市の木村真市議が起こした情報公開請求だ。近畿財務局は「売却価格は開示できない」と拒否。国有財産をいくらで売ったかは「原則公開」と理財局長通達で決まっているのに、である。  市議は決定取り消しを大阪地裁に提訴。財務局は一転して1億3400万円という売却額を公開し、大騒ぎになった。 かつて7億円で買収を申し出た業者があったが、財務局は「安すぎる」と一蹴した。豊中市が買ったほぼ同じ大きさの隣地は14億円だった。この違いは何だろう?
・「値引き」の根拠とされた「地下埋設物の処理」に疑惑の眼は集まった。 財務省は内規で、算定価格は不動産鑑定士など専門家の評価を参考にすることを決めている。9億5600万円は鑑定士によるものだったが、8憶2200万円という「値引き」は、外部の専門家がはじいたものではない。財務局に頼まれ大阪航空局が算出した。地下9.9メートルまで掘り返し、土盛りする経費として8億円余を計上したという理屈だ。
・敷地全体のゴミの掘り返しなど森友学園はしていなかったことが後に明らかになる。森友学園の籠池泰典理事長はテレビのインタビューで「校庭の土は入れ替えていない」と語った。処理費8億円のうち少なく4億円は「丸儲け」になったわけだ。
▽ないはずがない交渉記録 巧妙に隠す財務省の“手口”
・「東西の ここ掘れわんわん 腐敗臭」 朝日新聞に載った読者の川柳である。西の瑞穂の国記念小学校に腐敗臭が立ち上ったのは2015年の7月である。学校用地に鉛などで汚染された土がある、と学校を建設する森友学園が言い出した。「地下3メートルまで汚染土を除去した」とゴミ処理の支払いを請求。財務局は1憶3176万円を森友に支払った。
・ゴミが出ればカネになる、と思ったのだろうか。森友側は「地下にもっと大量のゴミがある」と言い出し、併せて土地の購入を申請した。そんな中で2015年9月4日、近畿財務局9階会議室で会議が開かれた。 森友学園、近畿財務局、大阪航空局の三者が建設業者を交えて会合を持った。共産党の宮本岳士議員が内部資料をもとに参加者の実名を示し、予算委員会で質問した。
・財務省は佐川理財局長が「売却価格について森友側と交渉したことはない」と答弁していただけに、会議については「確認できていない」と突っぱねた。そして答弁は変わる。 「個別の会議はたくさんあり交渉記録は残っていないと思われます」(同局長) 財務省の行政文書管理規則は保存期間1年未満、保存期間は事案の終了までだという。2016年6月の売買契約締結をもって保存期間は終了した、文書は残っていない、というのだ。
・この答弁に、財務省の文書管理に詳しいOBは、私の取材にこう語った。 「交渉記録を残しておかないとあとで問題になった時、困る。行政経験の積み上げという面からも資料を残すことは大事だ」 ただ外部から覗かれるのは困る、というのが財務省の基本的な立場である。決裁文書などは公文書として保管するが、経過や政治家など外部対応などが詳細に書かれた文書は「担当者の私的メモ」とする。情報公開の対象から外すための工作である。 「私的メモ」といっても担当者個人が持っているのではない。関係者が共有できるファイルになっている。取り扱い区分は「私物」なので、捨てたり焼却しても法に触れない、という便利な扱いだ。
・佐川局長は「交渉記録はない」「保存期間は終了している」と強調するが、「廃棄した」とは言っていない。  文書はまだ残っているのだろう。本省も財務局も担当者は毎年のように変わる。いま問題が紛糾しているのだから、財務省にとって当時を知る大事な文書のはずだ。
・財務省は「私的メモ」を理由に公開を拒否するだろう。その際、国会は国政調査権を発動して文書を押さえることができるが、国政調査権の発動は与党の協力がなければできない。 「ゴミ処理費」と称して8億円も値引きしながら、麻生財務相は「適正な価格によって処分を行った」と言い張り、ゴミは処理されたのか、と聞かれた理財局長は「確認していない。確認する必要もない」と木で鼻をくくった答弁を繰り返す。
・国会とは何なのか、と思う。国民の利益を代弁する議員が集まり国民主権を全うする場だというのに、与党はひたすら隠し事をしている。こうした中で、国民の財産が「格安」で得体の知れない学校法人に払い下げられたのである。 ひどい話ではないか。財務省や国土交通省には立派な役人が沢山いる。こんな払い下げはまずいよ、と言う役人はいなかったのか。今になっても「適正に処理された」と言い張っている。
▽時代の空気が生んだ森友学園 幼稚園児まで巻き込むアナクロニズム
・日本でおかしなことが立て続けに起きている。東芝もそうだったが、多くの人が「おかしい」と思うことを口に出せなくなっているのではないか。空気を読み、忖度し、長いものに巻かれろ、と判断を停止する。 「全体主義」と言ってもピンとこない人が多いだろう。私たちの親や祖父母の時代、若者は「天皇陛下万歳」の歓声で戦地に送られた。戦争はイヤだ、と思っても口に出せない。学校では子どもたちが教育勅語を暗唱し、「鬼畜米英」と叩きこまれた。
・そんなのは昔のこと。ほとんどの人はそう思っているだろう。ところがである。 「朕オモフニ我ガ皇祖皇宗國ヲハジムルコト……」。 幼稚園児が集団で教育勅語を暗唱する動画にネットで出合った。70余年前にタイムスリップしたかのようだ。運動会のシーンもある。運動着姿のかわいい子どもたちが、思いっきり声を張り上げている。 「大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が、心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願い致します。安倍首相ガンバレ!安倍首相ガンバレ!安保法制国会通過よかったです!」 森友学園が経営する大阪の塚本幼稚園のひとコマだ。言葉も意味も分からない子どもに「愛国心」を刷り込んだ過去と重なる光景である。
・いまさら戦前には戻りませんよ、と多くの人たちは言う。そうであればいいと思う。 トランプ大統領がアメリカに登場した。欧州では大戦の反省から生まれたEU統合が崩れつつある。ネオナチや極右が台頭している。移民や難民を敵視する排外主義は日本も無縁ではない。近隣の中国・韓国を敵視する偏狭な愛国主義を煽る人たちが日本に増えた。
・森友学園は、時代の空気と無縁ではない。園児まで巻き込むアナクロニズムが、堂々と次に小学校を狙っている。 奇妙なことがひとつある。「天皇陛下万歳」ではなく、なぜか「安倍首相がんばれ!」なのだ。 森友学園が開校する小学校(瑞穂の国記念小学院)は「安倍晋三記念小学校」という名称で寄付金を集めていた。  名誉校長になって「広告塔」を演じたのが首相夫人安倍昭恵さんだ。2014年4月、12月、15年9月と、三度にわたって塚本幼稚園を訪れ、講演までしている。 「こちらの教育は大変素晴らしいと主人も思っています」と持ち上げていたという。
・首相は「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と答弁しており、昭恵夫人が学園を深くかかわることを夫が了解していたことを伺わせた。 私学が独自の理念に沿って教育することは尊重されても、判断のつかない幼稚園児や小学生に極端な政治教育をすることは問題だろう。2006年に東京新聞が塚本幼稚園の異常さを取り上げた時、文部科学省の担当者は「適当ではない」とコメントした。 それから10年。首相夫人が訪れ「大変すばらしいと主人も思っています」と褒めたたえた。
▽東芝で起きたことが財務省でも起きているのではないか
・国有地の異常な払い下げは、この時代の空気と無縁ではないだろう。10年前なら相手にもされなかった教育方針を掲げる小学校が、大阪府の私学審議会で「認可」され、認可されれば、という条件付きで国有地が払い下げられた。 私学審議会では教育方針や運営に疑問が吹き出て一度では決まらなかった。私学審の紛糾を知りながら財務省は、国有財産地方審議会にかけ、契約相当という結論を引き出した。 議事録を読むと、森友学園の財務や賃貸借契約に疑義が出ていた。それを事務局が「私学審が条件付き認可をしたのだから、その条件を満たせば」という苦しい理屈付けで押し切った。
・国有地売却は競争入札が原則だが森友は随意契約だった。払い下げは売却が原則だが、賃貸借でという異例のケースだった。 「小学校を設立する、という公益にかない、経営基盤がぜい弱なことに配慮した措置」と財務省は言う。初めから優遇されていたことがうかがわれる。
・「ゴミが埋まっている」ということで処理費用や値引きが繰り返され、破格の安値で森友は国有地を手に入れた。定められた規則を潜り抜ける様々な手法は財務省上層部の了解なくしてできることではない、と関係者は言う。疑われているのは近畿財務局長、理財局長という高級官僚の関与だ。
・「佐川局長は自分は関与していないから強気の答弁ができる」。財務官僚OBは言う。 関係者が注目するのは前近畿財務局長の武内良樹国際局長と前理財局長の迫田英典国税庁長官という。その上に誰がいるのか。明らかにするのが国会の役割だ。
・「安倍晋三記念小学校」の応援団は安倍夫妻だけではない。自民党、立ち上がれ日本、大阪維新などの右翼系議員が支援していた。「ナチスの手法を見習ったらどうか」と言った麻生財務大臣も日本会議と近い関係にある。 官僚の世界で上り詰める条件のひとつが「空気を読む術」である。どう立ち回れば組織で評価されるか。上司やトップが期待することを読んで、行動する。トップが狂うと組織が暴走する。 東芝で起きたことが、財務省でも起きているのではないか。安倍首相や麻生副総理の責任は重い。
http://diamond.jp/articles/-/119787

郷原氏の記事にある、一旦は、『現物出資」を原因として、新関空会社に所有権が移転』、したのに、『半年後に、「錯誤」で所有権を抹消する登記が行われた』、とは信じられないような不自然な流れである。ただ、そうであれば、『「手続き上のミス」を明らかにする書類が残されているはずだ』との鋭い指摘はさすがだ。
日刊ゲンダイの記事にある、2015年9月4日に安部首相が、安保法制審議のヤマ場で、読売テレビ出演を大義名分にわざわざ大阪出張したのは、確かに不自然だ。当日の関係当事者の会合には出席しなかったとはいえ、何らかの事後報告を受けたとしてもおかしくない。しかも、その前日に、『午後2時17分から10分間、官邸で財務省の迫田英典・理財局長(現国税庁長官)と会談』していたとなれば、疑惑はますます深まる。さらに、『国交省はこの日、小學院の校舎建築に対し、補助金約6200万円の交付を決定。翌日には首相夫人の昭恵氏が、園児に教育勅語を暗唱させる『塚本幼稚園』で講演、小學院の名誉校長に就任しました」』、というのでは、様々なタイミングが合い過ぎている。働きかけを断ったとして昨日から記者会見している、審議中の退席については、鴻池祥肇・参院特別委員会委員長(当時)に「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示されても強行軍を敢行した、というのも笑ってしまう。鴻池氏は籠池氏夫妻から口利きの依頼伊を受けたが、断ったとしている。
植草氏が指摘する 『近畿財務局の対応は不適切であり、背任の疑いが濃厚』、『国有財産の管理にかかる文書の保存期間は、1年未満でなく、10年であるはずだ』、というのも重大な問題だ。
山田氏が指摘する 『「文書がないなどありえない」と。財務省は重要文書は「私的メモ」として公文書から外して保管している、というのである。一連の経過は、近畿財務局や本省理財局の担当者の手元にあるはず、というのだ』、というのは大いにあり得る話だ。『国会は国政調査権を発動して文書を押さえることができるが、国政調査権の発動は与党の協力がなければできない』、というのは残念なことだ。『「安倍晋三記念小学校」の応援団は安倍夫妻だけではない。自民党、立ち上がれ日本、大阪維新などの右翼系議員が支援』、この際、こうした応援団の真の姿を暴く絶好の機会になる筈だが、そのためにはマスコミが国民の側につく必要がある。しかし、安倍政権の顔色ばかり見ている現状からは、「ないものねだり」に過ぎないのだろう。
タグ:森友学園 安倍晋三記念小学校 伊丹空港の離着陸ルート 森友学園は近畿財務局に国有地の賃貸を申し出ている段階で2014年10月31日、大阪府私学審議会(私学審)に新設認可を申請。私学審は、15年1月27日に「認可適当」と答申 国有財産の管理にかかる文書の保存期間は、1年未満でなく、10年であるはずだ 森友学園問題「錯誤」登記をめぐる謎 「交渉記録を残しておかないとあとで問題になった時、困る。行政経験の積み上げという面からも資料を残すことは大事だ」 ただ外部から覗かれるのは困る、というのが財務省の基本的な立場 森友学園の籠池泰典理事長はテレビのインタビューで「校庭の土は入れ替えていない」と語った。処理費8億円のうち少なく4億円は「丸儲け」になったわけだ 日刊ゲンダイ 出張の前日、安倍首相は国有地問題のキーマンである高級官僚と会っていた。 当時の首相動静を見ると、午後2時17分から10分間、官邸で財務省の迫田英典・理財局長(現国税庁長官)と会談 「適正な対価」 でなく国有地を譲渡していたのなら、これは明確に、財政法違反の事案になる 一連の経過は、近畿財務局や本省理財局の担当者の手元にあるはず、というのだ ダイヤモンド・オンライン 平成25年1月10日、なぜか「錯誤」を理由に所有者が抹消され、その上、なぜか所有者が「国(国土交通省)」に戻っているのだ 植草一秀 安保法制の鴻池祥肇・参院特別委員会委員長(当時)に「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示されても強行軍を敢行 第2次安倍政権の発足と同時に、国有地激安取得プロジェクトが始動したのではないか 2013年1月10日に、錯誤を原因として現物出資が無効(所有権移転登記を抹消)とされ、その上で、森友学園の学校用地として提供 文書がないなどありえない」と。財務省は重要文書は「私的メモ」として公文書から外して保管している 郷原信郎 「安倍晋三記念小学校」の応援団は安倍夫妻だけではない。自民党、立ち上がれ日本、大阪維新などの右翼系議員が支援していた 東芝で起きたことが財務省でも起きているのではないか (その3)(「錯誤」登記をめぐる謎、安倍首相の怪しい出張と財務官僚との会談、佐川理財局長国会答弁不正を衝くべき、財務省の「交渉記録は残っていない」は本当か) 時代の空気が生んだ森友学園 幼稚園児まで巻き込むアナクロニズム 東京からの中継という選択肢もあった 国会開会中の平日(金曜)に現役首相の地方出張は異例で、ましてや当時は安保法制審議がヤマ場を 読売テレビの2番組に出演 交渉が終わった頃、安倍首相は伊丹空港に降り立った 埋設ゴミの撤去について、かなり高額な費用を提示しながら話し合った ないはずがない交渉記録 巧妙に隠す財務省の“手口” 「手続き上のミス」を明らかにする書類が残されているはずだ 国有地払い下げ問題 与党はひたすら隠し事をしている 国会は国政調査権を発動して文書を押さえることができるが、国政調査権の発動は与党の協力がなければできない 近畿財務局9階の会議室に関係当事者が集結したのは、2015年9月4日 森友学園、財務省の「交渉記録は残っていない」は本当か 平成24年7月に、所有者が国から「新関西国際空港株式会社」に移転 財務省文書管理規則を盾に、交渉記録を廃棄したことを正当化しているが、この主張がとんでもない誤りである疑い 山田厚史 財務省佐川理財局長国会答弁不正を衝くべきだ 財務省は「私的メモ」を理由に公開を拒否するだろう 森友学園疑惑 安倍首相の怪しい出張と財務官僚との会談 騒音対策地は「国(運輸省)」から「新関西国際空港株式会社(新関空会社)」に売却
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