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日本の政治情勢(その1)(“忖度捜査”で「レイプ被害潰された」、内閣支持率急落が示す「自民党の劣化」、パワハラ議員の罵声に失笑すら起きない理由 ウソが蔓延する政界にまたもや大ニュース) [国内政治]

今日は、日本の政治情勢(その1)(“忖度捜査”で「レイプ被害潰された」、内閣支持率急落が示す「自民党の劣化」、パワハラ議員の罵声に失笑すら起きない理由 ウソが蔓延する政界にまたもや大ニュース) を取上げよう。

先ずは、5月30日付け日刊ゲンダイ「女性告発に官邸激震 “忖度捜査”で「レイプ被害潰された」」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・29日、元TBS記者でフリージャーナリストの山口敬之氏(51)に「レイプされた」と主張するジャーナリストの詩織さん(28)が、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。山口氏を不起訴処分とした東京地検の判断を不服として、検察審査会に審査を申し立てたことを明らかにした。
・山口氏は安倍政権の内幕をつづった「総理」(幻冬舎)などの著者。著書の中で、安倍首相と登山やゴルフに興じる昵懇の仲であることを明かしている。詩織さんは会見で時折涙ぐみながら、「山口氏が権力側で大きな声で発信し続けている姿を見たときは、胸が締め付けられた」と吐き出すように語り、日本の捜査のあり方に対して不信感をあらわにした。
・詩織さんが配布した資料などによると、“事件”のあらましはこうだ。 15年4月、詩織さんは当時TBSワシントン支局長だった山口氏と都内で食事をした後に突然記憶をなくした。翌朝、目覚めると裸にされた詩織さんの上に山口氏がまたがっており、「自分の意思に反して性行為が行われた」という。その後、詩織さんは警視庁に被害届を提出。高輪署がこれを受理し、同年6月8日、逮捕状を手にした捜査員が成田空港で帰国する山口氏を、準強姦罪容疑で逮捕するため待ち構えていた。ところが、土壇場になって逮捕が見送られたという。その直後、「上からの指示があり逮捕できなかった」と捜査員から詩織さんに連絡があったという。 山口氏は同年8月26日に書類送検されたが、昨年7月、東京地検は最終的に嫌疑不十分で不起訴とした――。
・詩織さんは会見で、「驚くべきことに、当時の警視庁刑事部長が逮捕の取りやめを指示したと聞いた」「私の知り得ない立場からの力を感じた」と訴えた。あくまで一方的な主張ではあるが、彼女は顔と名前をさらしている。相当な覚悟を持って会見に臨んだのは間違いなさそうだ。
▽忖度で逮捕状を握りつぶしたなら重大問題
・それにしても、逮捕状を握り潰した“当時の警視庁刑事部長”とは誰か。この件を最初に報じた「週刊新潮」によると、第2次安倍政権発足時、菅官房長官の秘書官を務め、政権中枢に近いとされる中村格・警察庁組織犯罪対策部長のことらしい。だが、今の日本においてそんな“超法規的措置”みたいなことが可能なのか。
・元大阪高検公安部長の三井環氏がこう言う。 「準強姦事件の逮捕は警察署の署長の判断で行われます。そこに警視庁の刑事部長が口を挟んで待ったをかけたのなら異例中の異例だし、あってはならないことです。女性が会見で述べたことが事実だとしたら、公平公正であるべき日本の司法が歪められたことになる。もっとも、同様のことは、加計学園の獣医学部をめぐる問題に異を唱え、会見した前川喜平前文科次官に降りかかったスキャンダルを見ていても感じます。警察当局にしか集められないような醜聞情報が、政権に近いとされるメディアにリークされた。官邸が捜査機関を手駒のように恣意的に利用しているとしたら問題だし、捜査機関が官邸の意向を“忖度”して動いているとしたらさらに大問題です。この状況下で共謀罪成立なんて絶対に許されません」
・山口氏は自身のフェイスブックで、〈私は法に触れることは一切していません。一昨年の6月以降当局の調査に誠心誠意対応しました。当該女性が今回会見で主張した論点も含め、1年4カ月にわたる証拠に基づいた精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でもありません〉と反論している。
・29日、日刊ゲンダイは改めて山口氏の言い分を聞こうと都内の事務所を訪れ、チャイムを2回鳴らしたが反応ナシ。携帯電話にも連絡したが、国際電話時の呼び出し音が聞こえたまま山口氏が電話に出ることはなかった。 山口氏にジャーナリストとしての良心があるならば、ぜひ、“捜査の内幕”を暴いて欲しいものだ。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206390/1

次に、政治評論家の田原 総一朗氏が6月23日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「内閣支持率急落が示す「自民党の劣化」」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・安倍内閣の支持率が急落している。毎日新聞が6月17、18両日に実施した全国世論調査では、「支持する」と答えた人が、前回の5月調査から10ポイント減の36%。「支持しない」は9%増の44%となった。支持・不支持が逆転した格好だ。  同日に実施した朝日新聞の世論調査でも、「支持する」が前回の5月調査より6ポイント減の41%。「支持しない」は6ポイント増の37%となった。読売新聞社の世論調査では、支持率は5月調査より12ポイント減の49%、不支持率は13%増の41%だった。
・毎日新聞以外は辛うじて「支持」が「不支持」を上回る結果となったが、全て「支持」が50%を割っている。これまで「安倍一強」と言われてきたが、少し風向きが変わってきた。 僕は、これは当然の結果だと思う。 今回の通常国会の幕の引き方は強引極まりなかった。特に、共謀罪法案だ。与党は「中間報告」という形を持ち込んで参院法務委員会での採決を省き、本会議での強行採決に踏み切った。このやり方に対して、国民が不信感を持つのは当然だ。
・与党は恐らく、加計学園問題で国会が長引くほど支持率が落ちると考え、強引に幕を引いたのだろう。 16日に行われた参議院予算委員会の集中審議でも、安倍首相や政府の加計学園問題に関する答弁は歯切れの悪いものだった。 そもそも安倍首相が「岩盤規制にドリルで風穴を開ける一例が、加計学園だった」と言えば大事にはならないのに、そう言わないということは、本当にやましいことがあったのではないかという憶測を呼んだ。安倍首相が「自分は関与していない。具体的な指示を出していない」と主張するほど、国民はやましさを感じる。 安倍首相はこの問題における対応の仕方を間違えたのだ。
▽テロリストは「バッジ」を着けていない
・今回、強行採決した共謀罪法案についても疑問がある。共謀罪法案の立案当時、僕がある自民党議員に「なぜ共謀罪法案が必要なのか」と問うと、その議員は「パレルモ条約を締結する必要があるからだ」と答えた。 パレルモ条約とは国際組織犯罪防止条約のことで、国連加盟国の94%にあたる187の国と地域が締結している。締結していないのは11カ国だけで、先進国では日本だけだ。 パレルモ条約を締結するためには、テロ等準備罪(共謀罪)という新しい法律を作らなければならない。自民党議員は、このように説明した。
・僕はこの話を聞いた時、「そういうものなのか」と思った。ところが、後でパレルモ条約について詳しく調べてみると、これはマフィアなどを対象にした国際経済犯罪を取り締まる条約であって、テロリストとは関係ないことが分かった。 それを、安倍首相は「東京五輪開催に向けたテロ対策」と言って持ち出したのだ。非常にいい加減な理屈だと思う。 さらにいい加減だと思うのは、政府が「これはテロリストを取り締まるための法律だから、組織的犯罪集団の構成メンバーという前提がないと対象にはならない。だから、一般市民は対象にはならない」と言ったことだ。
・しかし、テロリストというのは、「テロリスト」というバッジをつけて歩いているわけではなく、一般市民の中に紛れている。テロリストを捜し出そうとすれば、それこそ一般市民のプライバシーを徹底的に洗わなければ見つけることはできない。 例えば、欧米各国は、テロリストを捜し出すための盗聴まで認めている。ということは、捜し出すために盗聴をしているということだろうが、日本では正面から盗聴を認めていない。テロ対策という意味では、非常に中途半端な法律なのだ。
・安倍首相や政府は、パルレモ条約や共謀罪について、よく理解していなかったのではないだろうか。金田勝年法相も不勉強で、国会では迷走答弁を繰り返した。
▽高支持率にあぐらをかいた自民党
・このように国民の不満や反発の多い問題が重なる中でも、自民党の中で安倍首相に反発する者がいないから、政府は強行的に物事を推し進めてきた。すべての根本的な原因は、「安倍一強体制」だ。 かつての自民党には、こんなことは一度もなかった。昔、僕を含めたジャーナリストたちは、野党には全く関心がなかった。というのは、政策を決めるのは自民党内の主流派、反主流派、非主流派の論争だったからだ。これが非常に面白かった。
・少なくとも麻生内閣まではこの構図が続いていたが、今はその影もなくなってしまった。自民党はみんな、安倍首相のイエスマンになってしまったのだ。本来ならば、党内からも激しい反発が起こり得る共謀罪法案や加計学園問題についても、全く論争にならなかった。 詳しくは、「“茶坊主”ばかりの自民党が崩壊するシナリオ」で述べたが、高い支持率にあぐらをかき、孤立を恐れて安倍首相のイエスマンに成り下がった自民党の議員たちには、全く緊張感がない。政策にも興味がない。だから、自民党の議員たちは次から次へとスキャンダルを起こした。
・これが今の自民党の実力なのだ。安倍内閣の支持率急落は、政策が問題なのではない。安倍内閣、および自民党の「体質の問題」だ。 早急に党内の体質を変えようとしなければ、支持率は今後も落ちていくだろう。7月2日に行われる東京都議会議員選挙も、自民党は苦しい戦いになると思う。 内閣支持率の低下は、都議選にも悪影響を及ぼしかねない。もし、今回の都議選で自民党が苦戦すれば、党内で「安倍ではダメだ」という風が吹き始めるだろう。 これは自民党にとって、党内で議論が生まれる良いきっかけになる。さらに言えば、安倍一強体制を一度崩す方が、党内の風向きを変えるには分かりやすい。
▽民進党は安全保障で勝負すべきだ
・これまでは、高い支持率が安倍一強体制を支えてきた。今回の支持率急落を皮切りに下落が止まらなくなれば、党内でも安倍首相に意見を言いやすい環境になると思う。 ただし、自民党内に風が吹き始めたとしても、野党は依然として厳しい状態が続く。
・民進党には不利な側面もある。 日本は特殊な国だ。例えば、欧米は二大政党制が確立し、片方が保守、もう片方がリベラルとなっている。米国で言えば、共和党が保守で、民主党がリベラルだ。 保守というのは、経済は自由主義。自由競争によって利益を伸ばす。政治は極力、経済活動に関与しない。いわゆる「小さな政府」だ。すると、競争原理から経済は伸びていくが、格差がどんどん広がる。勝者は一握りで、その他大勢は敗者となる。
・格差が広がると、次の選挙ではリベラルが勝利する。リベラルは、格差を是正するために規制を設けようとする。低所得者層を支えるために、福祉や社会保障を手厚くする。その結果、財政が悪化する。規制を強化したことで、経済も伸びにくくなる。こうして、次の選挙では保守が勝つ。 どちらが優れているということではなく、代わるがわる政権を担うことで、バランスを取っているのだ。
・その点、日本では、自民党は保守政党ではあるが、保守とは言い切れない。自由競争を重視する一方で、バラマキに近い政策も立案する。だから、1000兆円もの借金ができてしまった。これはリベラル的な政治だ。 しかも自民党は、リベラルの民進党がやるべき働き方改革まで進めている。民進党は、自民党に対抗する対案が出せないのだ。
・では、自民党と民進党を分けるものは何かというと、安全保障と憲法改正だ。民進党は、それらの点で日本はどうすべきかを考え、自民党と勝負するしかない。 しかし、民進党は憲法改正についての意見を全く出していない。安保関連法案の議論が起こった時も、僕は民進党に「対案を出せ」と言ったが、結局出せなかった。 原因は、勉強不足と、そもそも民進党自身が野党第一党で満足してしまっていることだ。非常に残念であり、不甲斐ない。
・民進党は、加計問題や共謀罪ではなく、安全保障や憲法改正で対案を示し、自民党と真っ向から勝負すべきだ。安倍一強が揺らぎつつある今こそ、民進党に勢いをつけるチャンスではないか。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/122000032/062200026/?P=1

第三に、哲学者の中島 義道氏が6月26日付け東洋経済オンラインに寄稿した「パワハラ議員の罵声に失笑すら起きない理由 ウソが蔓延する政界にまたもや大ニュース」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・(冒頭の部分カット)
▽「ウソ」の連鎖に飽き飽きしてきた
・想い起してみると、本連載のテーマは「哲学と世間」なのですが、「世界がない」ということに関しては哲学と世間とのあいだになんの接点もないように思われる。いや、絶対にそう言わせないのが世間だというくらいの話はできますが、これも何度も言ってきたこと。古代ギリシャだったら死刑になり、中世だったら確実に火あぶりでしょう。そして、現代日本においてさえ、世間がそう言わせないことくらいわかっている。というより、世間とはどうしてもかみ合わないこともわかっている。
・そこで、もう少し、世間とかみ合う議論をしようと思い立って、ここ数回「ウソ」をめぐって問題を提起している次第です。国会の会期も終わり、森友問題も加計問題もうやむやにしたまま、テロ等準備罪法案も予定通り強行採決によって国会を通過し、その後内閣支持率が激減するや否や、安倍晋三首相は「深く反省する」という記者会見を開きながら、具体的には何もせず、という絵にかいたような「ウソ」の連鎖にも、いいかげん(批判するのさえ)飽き飽きしてきました。とにかく、安倍首相と菅官房長官の表情も言葉も、ここまで来ると一切信じる気がなくなってきますね。
・といって、まだ安倍首相を支持する政治家や経済人や一般国民も人もゴマンといるわけです。彼らが「いまの厳しい状況を乗り切るにはかなりのゴマカシも必要だ」とか「安倍政権を維持するには大量のウソも必要だ」と言うのなら、「許してやれる」のですが、絶対にそうは言わない。そして、現内閣あるいは自民党は、どこまでも「法に従って真摯に対応している」とウソを主張するのですから、怒る気力さえ、笑う気力さえなくなってしまいます。
・今回の事件で、安倍さんは「信頼」という政治家にとっての一番の宝をかなぐり捨てたことになり、その点からすると、うまく立ち回っているようで、相当愚かな選択をしたように思います。 というのも、こうしたウソの大合唱の中で、救われることが1つだけあったから。それは、正確な天気予報のように、内閣支持率の急落という現象が生じたこと、さらに、(都議会選挙直前にして)自民党支持率も激減しそうになってきたこと。「わが国民」もそれほどバカではないわけで、総理大臣に対して、とにかく「お前の言葉は信用できない」という石をぶつけたわけです。こうしたわかりやすい力学は、まるで議会制民主主義のお手本をお勉強しているようで、民主主義もまるっきり偽善的な面ばかりではないという印象を与えてくれました。
・今回は、テーマが分散しますが、いじめでわが子が自殺したことをどんなに訴えても、「いじめはなかった」としらを切り続けたのに、文科省の指導が入ったとたん、いじめを認めた取手市の教育委員会の面々も、ウソの達人。被害者宅に赴き、表面上謝ってはいるのですが、まったく言葉に誠意がなく、「形だけ主義」の権化であり、「深く反省し」と言いながら、その表情には反省した形跡の片鱗もない。迎えたご両親はとても上品な人で、父親が「では、なぜいままで認めなかったのですか!」と強く抗議しても、まさにカエルの面にションベンといった顔をしている。これでいいと思っているのでしょうか、理解に苦しみます。(それほど上品ではない)私だったら、殺さないまでも、いや、刺さないまでも、台所からバケツ一杯の水をもってきて、頭からぶっかけてやるでしょう。
▽新たに出てきた「パワハラ」議員の問題
・というわけで、あまりにもウソがはびこっているので、しかもそれが互いに怖ろしく似ているので、これ以上政治家・官僚・官庁職員のウソ問題に切り込む気力さえなくなって、さてどうしようと思案していた矢先、またまたビッグニュースが入ってきました。
・それは、豊田真由子議員(自民党)が男性秘書に対して暴行、暴言の限りを尽くした実録が公開されたこと。その実録によると、彼女は、車を運転している秘書に対して、「バカ!ハゲ!死ね!」とヒステリックに叫び続け、あいだにボコボコ叩く音も聞こえる。何でも、彼が支持者に出すはずの誕生日カードの住所を間違えた(よって、届かなかった?)ということらしい。録音の中では、「お前はどれだけ私の心を叩いている?私の評判をどうしてくれる!」と怒鳴っているのが、とりわけおかしかった。このパワハラの全国公開により、彼女の議員生命もすでにオワリかもしれないのに。
・とはいえ、正直なところ、私はこのニュースを夜のテレビで見たときもまったく驚かなかった。ある自民党の男性議員が「こんなの、男性代議士ならよくあることだ」と言って、すぐに取り消したのもおかしくて、たぶんそうなんだろうなあと思います。 翌朝のテレビのワイドショーでは、さらに意地悪く演出していて、まず先輩議員や支持者に対する彼女の「しおらしい」態度を映し出し、その直後に先の「バカ!ハゲ!死ね!」の罵声を差し込む。
・しかし、興味深いことに、上出来の演出なのに、さしておもしろくもない。軽薄なコメンテーターたちでさえ、笑い声も立てない。たぶんそのわけは、みなあまりにも裏表のはっきりした彼女の態度に「すごく汚い」ものを感じとったからでしょう(これで彼女が国会で安倍さんに対しても「バカ!死ね!」と言うのなら許せる、選挙運動中の有権者に向かっても「バカ!ハゲ!」と叫ぶのなら許せる)。
・もちろん、こっそり録音して新潮社に持っていった元秘書のやり方も卑劣ですが、あまりにも豊田議員のパワハラが下品で執拗で悪質なので、この程度の復讐は当然と思われてしまう。まさに選挙公示日前日のこの不祥事によって、都議選の自民党票が数十万部失われるというのも、なかなかのグッドタイミングでした。豊田議員はこの責任も全身で引き受けねばならず、政治家としては(少なくとも当分のあいだ)「死ぬ」わけですから、元秘書は正確に彼女に向かって「バカ!ブス!死ね!」というお返しをした結果になります。
▽弱者を奴隷のように扱う人に反省を促す方法
・こうかくいう私も、助手時代に教授から2年に及ぶいじめを受けましたが、殴られることもなく、「死ね!」と言われたわけでもなく、せいぜい「きみを生んだ親の顔が見たいもんだ!」という程度でしたが、その教授も他の教授たちの面前では、これ以上ないほど柔和な表情を浮かべながら、自分の研究室に入った途端、血相を変え、両手はぶるぶる震え、こめかみの血管が浮き立ち、外に聞こえないように声を押さえて「なんで、きみはそんなに自分勝手なんだ!なんで、そんなに態度が悪いんだ!なんで、そんなに評判が悪いんだ!なんで、そんなに頑固なんだ!」と2メートル先の私に向かって怒鳴り散らしました。次第に、自分の怒りに感染して、ますます激高し、手が付けられなくなり、これが1年以上、週に2回として、50回は続いたのです(詳しくは『東大助手物語』新潮文庫を参照のこと)。
・いまなら、私はやはり録音して学科長か学部長に直訴したことでしょう。そうでないと、相手を殺さないまでも、相手と「相討ち」することを考えるようになる。この苦しみがずっと続くのなら、もういい、このさい相手も道連れにして地獄に堕ちたくなる。あの元秘書も、運転中でしたから、(人は轢かないまでも)豊田議員を道連れにどこかに激突して自殺することなどちらちら頭の片隅をよぎったのではないか、と思われます(とくに娘のことをヘンな抑揚をつけて歌われたときには)。
・こういう裏表の激しい人、強者には平身低頭し弱者を奴隷のように扱う人、が反省することはない。元秘書が実行したように、最も効果的なむごい形で相手に反省を強要するしかないのです。 とはいえ、最後に確認しておくと、以上のことすべては、この宇宙の中にもはやないのであり、過去という場所にもないのであり(「過去という場所」などないから)、私たちの心の中にもないのであって(「心の中」などないから)、ただ「あった」としか語ることができない、「あたかもあるかのようなもの」にすぎないのですが……。
http://toyokeizai.net/articles/-/177792

第一の記事で、被害者の詩織さんはレイプ被害を記者会見で素顔のまま訴えるという思い切った行動に出たようだが、その勇気はなかなかのものだ。 『逮捕状を握り潰した“当時の警視庁刑事部長”とは誰か・・・第2次安倍政権発足時、菅官房長官の秘書官を務め、政権中枢に近いとされる中村格・警察庁組織犯罪対策部長のことらしい』、というのであれば、あり得そうな話だ。 『官邸が捜査機関を手駒のように恣意的に利用しているとしたら問題だし、捜査機関が官邸の意向を“忖度”して動いているとしたらさらに大問題です』、というのはその通りだ。
第二の田原氏の記事にある 『安倍首相や政府は、パルレモ条約や共謀罪について、よく理解していなかったのではないだろうか』、というのは田原氏が当初知らなかったから、首相や政府も同様なのでは、との意味あいなのだろうが、少なくとも法務省や外務省は知っていた筈で、首相もレクチャーを受けた上で、国民を納得させる口実に使ったとみる方が自然ではないだろうか。 『民進党は安全保障で勝負すべきだ』、との提言も、民進党は保守とリベラルの寄せ集めで、党内がこの問題ではまとまる筈がないことを十二分に承知の上で、言っている「意地悪」な提言だ。
第三の記事は、哲学者だけあって、分かり難い部分もあるが、 『今回の事件で、安倍さんは「信頼」という政治家にとっての一番の宝をかなぐり捨てたことになり、その点からすると、うまく立ち回っているようで、相当愚かな選択をしたように思います』、との指摘は正論だ。 『新たに出てきた「パワハラ」議員の問題』も、自分の 『助手時代に教授から2年に及ぶいじめを受けました』という体験をもとにしているだけに、切り口が面白かった。
いずれにしろ、都議会議員選挙で自民党がどれほど負けるのかが、当面の注目点だ。
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