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金融業界(その5)(「反社会的勢力」に肩入れして墓穴を掘った西武信 金融庁長官賞賛の「信金の雄」が「第二のスルガ銀行」になるまで、“野村證券情報伝達”が「法令違反」ではないのに 許されないとされる理由、負の遺産を整理 メガバンク3行の人員削減が過去最大規模に、新生銀行と筆頭株主 「20年越しの決別」に金融庁が慌てる理由) [金融]

金融業界については、昨年11月25日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その5)(「反社会的勢力」に肩入れして墓穴を掘った西武信 金融庁長官賞賛の「信金の雄」が「第二のスルガ銀行」になるまで、“野村證券情報伝達”が「法令違反」ではないのに 許されないとされる理由、負の遺産を整理 メガバンク3行の人員削減が過去最大規模に、新生銀行と筆頭株主 「20年越しの決別」に金融庁が慌てる理由)である。

先ずは、6月3日付けニコニコニュースがJBPress記事を転載した「「反社会的勢力」に肩入れして墓穴を掘った西武信 金融庁長官賞賛の「信金の雄」が「第二のスルガ銀行」になるまで」を紹介しよう。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5406379
・『「信金の雄」と呼ばれた西武信用金庫で、理事長の落合寛司氏が辞任に追い込まれた。5月24日、金融庁から業務改善命令処分を受けての引責辞任。当局が最も問題視したのは、落合氏以下複数の経営陣が開けてしまった「パンドラの箱」の存在だった』、たしかアパートローンの不正融資が問題化したスルガ銀行も金融庁長官賞賛の第二地銀だった。検査を通じて実態を把握できる筈の金融庁の目は、2件とも節穴だったようだ。
・『発覚したチャイニーズドラゴン“関係者”と取引  西武信金は1969年に発足。昨年9月末時点の預金量2兆416億円は、全国261信金中14位の大手だ。2010年6月に落合氏が理事長に就任して以降、業容を拡大している。また、前金融庁長官の森信親氏も落合氏の手腕を高く評価していた。その結果、落合氏は金融庁金融審議会専門委員、経済財政諮問会議の政策コメンテーター委員会委員などの要職を務めるまでになった。 順風満帆かと思えた西武信金の風向きが変わったのは昨年4月のこと。「かぼちゃの馬車」を運営する投資用不動産会社スマートデイズが破綻し、スルガ銀行の融資姿勢が問題視されると、同様に多額の不動産向け融資を実行する西武信金にも疑念が向けられ、ついには“第二のスルガ銀行”と呼ばれるようになっていった。 金融庁が昨秋に実施した立ち入り検査では、スルガ銀行ほどの悪質な不動産融資は見つからなかったが、代わりに発覚したのが落合前理事長を始めとした幹部たちの「黒い交際」。それが「チャイニーズドラゴン」との関係だったのだ。 チャイニーズドラゴンとは、中国残留孤児の2世や3世で構成され、警視庁からは関東連合とともに準暴力団と認定されている反社会的勢力だ。 西武信金がチャイニーズドラゴンと関わりを持ったのは、東京郊外の立川市だった。立川市は西武信金とライバル関係にある多摩信金のお膝元で、西武信金は前線基地として立川南口支店を出店している。 立川南口支店の支店長は、今回、落合前理事長とともに辞任した牛山淳一常勤理事だった。その牛山氏は「敵地」立川市で奮戦していたものの、マイナス金利政策の影響で業績は思うように伸びなかった。そんな時、知り合ったのが、預金をしてくれた上に金も借りてくれるスナックのママ。が、彼女こそチャイニーズドラゴン幹部の妻だったのだ』、地元の「多摩信金」はママの正体を把握、近づかなかったのだろうが、地元情報に疎い西武信金が引っかかるという話しは、よくあることだ。
・『内部からの注意喚起もあったのだが・・・  立川市など多摩地区は、チャイニーズドラゴンが跋扈していることで知られている。ママの夫もその一人で、傷害容疑で逮捕された前科がある。だがそんなこととはつゆ知らず、牛山氏は、スナックや居酒屋を手広く経営していたママから、客を紹介されて取引を拡げていった。 ママが経営するスナックの1つは立川南口支店から徒歩数分の距離にある。店内の内装は小奇麗でテーブルが10ほど。料金は、1時間1万円にも満たず、都心のクラブやキャバクラに比べれば格安といえよう。 この店に通っていたのは支店長の牛山氏だけではなかった。今回、ともに辞任した川島弘之専務理事、そして落合理事長まで足を運んでいたのだ。西武信金とこのママは、それくらい密接な関係を結んでいた。 もちろん金融庁もその事実を把握している。立ち入り検査を行った際に提出させた、役員が使った交際費の領収書の中に、この店のものが含まれていたからだ。高給取りの信金幹部が、身銭を切らずに飲食代を信金の経費で落としていたというわけだ。金融庁がママの店で誰と会っていたのか追及すると、牛山、川島の両氏は「合併を模索していた金融機関が相手なので言えない」と答え、検査官から一笑に付されたという。 一方、西武信金内部では、この関係に警鐘を鳴らす者もいた。上場企業の監査役に該当する監事が、ママの夫が逮捕歴のあるチャイニーズドラゴンの幹部との情報を聞きつけて、落合氏に取引停止を進言していたのだ。同じころ、西武信金は地元警察に身分照会をしたものの、対象者としていたのは、チャイニーズドラゴンの幹部である夫ではなく、ママの方。そのため、警察は「反社ではない」と打ち返したという。 これで警察から「非・反社」のお墨付きを得たと勘違いした落合氏は、せっかく忠告した監事を怒鳴りつけ、取引を継続。その結果、ママ本人やその紹介者10人前後で融資総額は合計で40億円近くに膨れ上がったという。 このママたちへの融資について、牛山氏は金融庁に「彼女たちからは、毎月きちんと返済されている」と、資金回収に自信を見せたというが、反社勢力との取引撲滅を目指す金融庁が、そんな言い分を聞き入れるはずもない。投資用不動産融資の問題点と併せて、業務改善命令を突き付けられることになった。 業務改善命令と経営陣の一新。これで西武信金は再生できるのだろうか』、監事がせっかく忠告したにも拘らず、「地元警察に身分照会」したのは、「夫ではなく、ママの方」とは何たるお粗末さだろう。或は、この段階では、正体は把握していたので、問題ない「ママの方」で「照会」したのかも知れない。
・『融資は継続  落合氏の後を継いで理事長に就任した高橋一朗理事長は、記者会見で警察への身分照会を行った結果、「暴力団員としての属性がない」との回答を得たから、暴排条例に該当しないと判断したと明かした。 さらにこの記者会見で、融資の継続と回収に関して質問された高橋理事長は「個別の案件は回答を控える」と回答を濁したが、現時点でも融資は継続されていると見られる。会見時に公表されたニュースリリースには、「現在も当該者の関連者に対する融資残高はあります(債務者名義1人、1社で合計326百万円)」と記載されている。これが件のママに対する融資と言うことだろう。その他に、彼女から紹介された人物を含めれば融資先が10人前後になるというのは前述の通りだ。 実は一連の融資の借り手は飲食店経営者が多く、十分な担保価値のある不動産を保有している人物は少ないのでは、と見られている。とすれば、突然回収に回るわけにもいかず、返済が滞っても担保で補填するわけにもいかない。回収にはどうにも暗雲が立ち込めているように見えるのだ。 落合氏から蓋の開いたパンドラの箱を引き継いだ高橋氏。箱の中身は、回収困難で不良債権化の恐れがある40億円近いカネ、ということになるのだった』、金融庁検査で破綻懸念債権にでも分類されれば、大事だが、最近の金融庁検査は甘くなっているようなので、時間をかけて回収ということになるのだろう。

次に、元東京地検特捜部検事で、 郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士の郷原信郎氏が6月10日付けYahooニュースに掲載した「“野村證券情報伝達”が「法令違反」ではないのに、許されないとされる理由」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20190610-00129575/
・『東京証券取引所(以下「東証」)が設置した「市場構造の在り方等に関する懇談会」(以下「懇談会」)の委員を務める野村総合研究所(以下、「野村総研」)の研究員が、野村證券のリサーチ部門に所属するストラテジストに、東証で議論されている市場区分の見直しについての内容を伝達し、ストラテジストが、従来から市場区分の見直しの議論に関心を示していた野村證券の営業社員等に、「現時点の東証の意向は、上位市場の指定基準及び退出基準を500億円ではなく250億円としたい模様」と伝え、営業社員が、その情報を顧客3社に提供した問題について、野村證券は、5月24日、外部弁護士からなる「特別調査チーム」の報告書を公表した』、「チーム」はどのように処理したのだろう。
・『「特別チーム」調査報告書における「コード・オブ・コンダクト」に関する指摘  この報告書の中に出てくる「コード・オブ・コンダクト」という言葉が、この行為とコンプライアンスとの関係を理解するキーワードだ。 報告書は、研究員は、東証と明文の守秘義務契約を締結していないとしても、懇談会の委員委嘱契約 の内容として一定の守秘義務を負っているものと考えられる ストラテジストによる 2 回にわたるメール発信は、日本証券業協会のルールに基づき厳格な審査が必要なアナリスト・レポートには該当せず、社内の広告審査の対象からも外れており、両者に係る管理態勢の枠外に置かれていた。とし、当該行為が、具体的な法令に違反する行為ではないことを前提にした上で、ストラテジストによる2 回のメール発信は、NRI 研究員の東証に対する守秘義務を全く考慮しない行為である。また、ストラテジストは、懇談会委員であるNRI 研究員がもたらす制度改正に関 する未公表情報を含む情報を伝達したものであり、マーケット・プレイヤーとしての基本的なコード・オブ・コンダクト(以下「コンダクト」)が欠如している としている。 つまり、研究員からストラテジストへの情報伝達が、明文の守秘義務契約違反ではなくても、「実質的な守秘義務」に反しており、ストラテジストが野村證券社員らに伝達し、顧客に情報を提供した行為は、法令には違反していなくても、「コンダクト」に反するということだ』、妥当な判断だ。
・『「LIBOR不正操作事件」とコンダクト・リスク  この「コンダクト」という言葉は、2012年の「LIBOR不正操作事件」で、注目されるようになった。LIBORは、銀行同士でお金を融通する際の金利で、世界の様々な金利の指標となるもので、英国銀行協会が主要銀行から申告させた数字を基に算出することになっている。一部の有力金融機関が意識的に虚偽の金利を申告したため、その“LIBOR”金利が、恣意的に操作されていたという問題だ。 この問題は、具体的な法令に違反するものではないが、「顧客の正当かつ合理的な期待に応えることを金融機関がまず第一に自らの責務として捉え、顧客対応、金融機関間のやり取り、市場における活動をもって、責務を示すこと」(英国Financial Conduct Authority(FCA))という、金融機関に期待される『コンダクト』に反する行為の典型だと言える。 この事件以降、このような行為によって社会的批判を受けるリスクを、「コンダクト・リスク」として、特に金融系の企業にとってのコンプライアンスの重要な問題として意識されるようになった。 今回の野村證券の問題も、法令や規則に違反するものではなく、明示的な契約違反でもない。つまり「法令遵守」の問題ではない。しかし、「東証の市場区分の見直しについての上位市場の指定基準及び退出基準」というのは、その見直しの対象となり得る上場企業の株価に重大な影響を与える事実である。それを議論する東証の懇談会に委員として参加している野村證券の子会社の野村総研の研究員が、委員であるがゆえに知り得た指定基準及び退出基準に関する情報を、親会社である野村證券の営業に利用することは、「投資家間の情報の公平」に反し、証券市場の公正を損なうものであることは明らかだ。それは、金融商品取引法等で、具体的に禁止されていなくても、証券関係者が行ってはならない行為である。 このような行為が、具体的な法令に違反していなくても、「コンダクト」に反するとされることの背景には、証券市場や金融商品の取引の「公正」を確保することに対する「社会的要請」がある。それは、投資判断に重要な影響を与える情報を不正に活用したという点で「インサイダー取引の禁止」の背後にある「社会的要請」と共通するものだ。 このように、具体的な法令規則に違反しない行為のコンプライアンス上の問題を理解するためには、それがどのような「社会的要請」に反するのか、という観点から考えてみる必要がある』、郷原氏の持論である「コンプライアンスとは、法令順守と狭く考えるべきでなく、「社会的要請」に合致すること」、というのに合った考え方だ。
・『日本におけるインサイダー取引禁止規定導入の特殊性  金融商品取引法は、「重要事実を知って公表前に株式を売買する行為」を、インサイダー取引として禁止している。それは、一部の投資家のみが内部情報に基づいて金融商品の取引を行うことが、「投資家間の情報の公平」を損ない、「金融市場の公正」を損なうからだ。 昔から証券市場を通じての企業資金の調達(直接金融)が中心だった米国では、インサイダー取引の禁止が、証券市場において徹底されてきた。米国では、広く国民全体が証券市場に参加するためには、投資家間の情報の公平性を維持することが不可欠だという考え方が、社会的に重視されてきたからである。 一方、戦後長らく金融機関を通じた間接金融が中心だった日本では、証券市場は、不確実な情報と思惑が入り乱れる中で投機的な売買が横行する「博打の場」のようなものだった。儲けるために人よりも早く内部情報を得て売買するのは当然のことで、「早耳筋」などという証券用語にも象徴されるように、インサイダー取引はごく当たり前の行為だった。 法律上、インサイダー取引が明確に禁止されたのは、バブル経済の最中の1986年。実際に処罰・制裁の対象にされるようになったのは、90年代半ば頃からである。金融ビッグバン以降、日本における企業金融が、間接金融から直接金融に大きくシフトしたことがその背景にある。 このように、その国の経済の中での証券市場の位置づけや、投資家間の情報の平等というルールの重要性などによって、インサイダー取引の禁止の必要性は異なってくるが、日本の証券市場は、上記のように、米国の証券市場とは異なる歴史をたどってきた。 現在では、日本の経済社会においても、国民の経済生活においても、インサイダー取引の禁止の背後にある「情報の平等」の要請は、一層重要なものとなっているが、上記のような歴史的経緯もあって、インサイダー取引の禁止の理由や、その背後にある「取引の公正」の考え方が十分に理解されているかと言えば、そうではない。単なる「法令遵守」の問題ととらえられやすい』、確かに「日本の証券市場」では、「インサイダー取引の禁止の理由や、その背後にある「取引の公正」の考え方が十分に理解されているかと言えば、そうではない」、というのは残念なことだ。
・『日本の「インサイダー取引禁止の規定」の特徴  日本のインサイダー取引禁止規定は、構成要件の明確性という観点から、主観的要件によらず形式的に構成要件が定められ、罰則導入当初は、法定刑も交通違反程度に設定された。その結果、本来は処罰の必要がないような行為にまで広く禁止の網がかぶせられていた。 もともとの趣旨からは、内部情報を知ったために株式売買をすることにした場合が対象とされるべきだが、日本の規定では、情報を知ったことと株式売買との因果関係が要件とされていないため、以前から予定していた株式売買であっても、たまたま売買する前に内部情報を知ってしまうとインサイダー取引に該当してしまう。業務上必要な場合も含め、極めて広い範囲の売買が禁止の対象とされていた。 この点については、その後、2015年9月の内閣府令の改正で、未公表の重要事実を知る前に締結・決定された契約・計画が存在し、株式等の売買の具体的な内容(期日および期日における売買の総額または数)があらかじめ特定されている、または定められた計算式等で機械的に決定され、その契約・計画に従って売買等が執行される場合には、契約・計画の締結・策定後に未公表の重要事実を知った場合には、インサイダー取引規制は適用されないとする適用除外規定が設けられた。 しかし、形式犯的性格が強かったという経緯から、日本では、インサイダー取引の禁止規定に関して、「市場の公正」「取引の公正」を害するという実質的な観点より、形式的な「法令遵守」に反するかどうかという形式的な観点が重視される傾向がある』、法令の歴史的経緯が現在でも解釈に影響を与えているのは、残念だ。
・『職業倫理に反する「情報不正活用行為」に対する考え方  企業から未公表の情報の提供を受け、その業務に活用する職業の従事者が、提供された情報を私的に流用して取引を行うことは、その組織や職業自体への信頼を失わせ、職業の存立基盤にも重大な影響を与えかねない行為だが、そのような「職業倫理に反する情報不正使用行為」が、常に金商法のインサイダー取引の規定に違反するかと言えば、必ずしもそうではない。 たとえば、報道関係者が、特定の会社の批判キャンペーン報道をする前にその会社の株を空売りしたとしても、会社関係者から重要事実に当たる情報を「受領」したものでなければインサイダー取引には該当しない。また、証券市場のシステムが大混乱し市場全体が暴落することを事前に知った証券取引所の内部者が持ち株を売ったとしても、個別の会社に関する情報に基づく売買ではないので、インサイダー取引には該当しない。日銀の金融政策に関わる幹部が、非公表の金融政策に関する決定の内容を知って、投資信託等の売買を行ったとしても、同様にインサイダー取引には該当しない。 これらの行為は、重大な職業倫理違反ではあるが、金融商品取引法などの法令に違反する行為ではない。 2007年頃、NHKや新日本監査法人など「未公表の情報の提供を受け、それを活用して社会に価値をもたらす組織」において、その情報を私的に利用して個人的利益を上げようとする行為が相次いで表面化したことがあった。 かかる問題に対して組織として行うべきことは「法令遵守の徹底」や「何が法令に違反するのかを教え込む教育」ではなく、「未公開の情報を提供されて行う業務について、情報の取扱いについての社会的要請をどのように受け止め、どのように要請に応えていくのか」に関して、方針や組織の在り方を全面的に見直すことだ』、その通りだろう。
・『証券会社における「情報活用行為」とコンダクトとの関係  今回の野村證券の情報伝達問題は、証券会社という金融商品の取引を業とする組織が、インサイダー取引の禁止の背景にある「投資家間の情報の公平」という社会的要請にどのように応えていくべきかという問題である。 監査法人、報道機関等の組織は、その業務の性格からして、そもそも「業務上入手した情報を活用して投資を行うこと」自体が許されないのであり、職業倫理としての禁止の徹底も容易だが、証券会社と情報活用との関係は、それとは若干異なる。かつては、営業活動自体が、基本的に「顧客に有利な情報を提供すること」つまり、「情報の差別化」を付加価値としているように思われてきた証券会社では、「法令遵守の範囲内であれば、情報の優位性を営業でアピールすることは許される」という認識を有する営業マンが多かった。そういう意識が根強く残っている組織において、「情報の公平性」に反する行為が「取引の公正」を損なう行為だという認識を定着させ、組織内で徹底していくことは決して容易ではない。 今回の情報伝達問題は、「情報の公平性」に関する「コンダクト」の問題で、証券会社に対して当局の厳しい対応が行われた初めての事例だ。金融業界のコンプライアンスが、「法令遵守」を超えたレベルへの進化を求められていることを表すものと言えよう』、「金融業界のコンプライアンスが、「法令遵守」を超えたレベルへの進化」、を期待したい。

第三に、6月13日付け日刊ゲンダイ「負の遺産を整理 メガバンク3行の人員削減が過去最大規模に」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/255953
・『メガバンクが過去最大の業務・人員削減を進めている。日銀の低金利政策による利ザヤの縮小、IT化、顧客対応ロボット(ペッパー)の代替、そして人口減少などで既存の銀行員の居場所がなくなってきているのだ。 2019年3月期の3メガバンクの決算は、本業の儲けを示す業務利益が三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は、前年比11.8%減の8726億円。三井住友FGは同1%減の7266億円、みずほFGは同83.2%減の965億円だった。 業績の落ち込みが突出したみずほFGは、すでに26年末までに全従業員の3割にあたる1万9000人の削減を発表。21年末までに8000人の削減が予定されている。新規採用も18年の1365人から、20年には550人に抑えられる。そして、「希望した社員には副業や兼業を認める人事制度を改定し、今期中に募集のスタートができる方向で検討しています」(同社広報室)。 三菱UFJFGは、銀行本部に所属する約6000人の社員を半数の約3000人まで縮小。主に営業部門への配置転換を予定している。 「英国のEU離脱に絡んで、ロンドンの欧州統括拠点では、約500人の管理職全員に7月末まで希望退職の募集を開始しています」(同行幹部社員) 三井住友FGは、17年度から3カ年の新中期経営計画に、業務削減量を1000人上積みし、5000人分に拡大した。 「AI化やRPAの導入で事務負担は減りますが、それらを管理する人材は必要です。定年退職による自然減と新規採用の抑制、さらに過剰な人員は営業部門を含めたグループ会社への配置で業務削減分の対応は十分可能です。それにしても、みずほの副業・兼業解禁は驚きです」(同社幹部社員) 同グループの太田純社長がメディアの取材にこう述べている。 「全てのビジネスモデルを根本的に見直さないといけない」とし、「貸金だけでなく、デジタル技術を活用した新規事業の展開、付加価値の提供が銀行の存在価値」。 岡山商科大学の長田貴仁教授が言う。「伝統的な銀行は支店やATMの数が多い上、多くの社員を持つという3つの負の遺産を抱えています。楽天銀行、ソニー銀行、セブン銀行など他業種から参入した銀行が高収益を上げているのはこうした負の遺産を持たないためです。配置転換、自然減というのは銀行の人員削減の常套句ですが、営業部門への配置転換は、2850人の早期退職者を出した富士通のように、不本意な部署への配置でも残るか退職するか、会社への忠誠心を問う選択といえます」 負の遺産を切ろうとする銀行に、生き残りのための革命が起きている』、みずほが、「希望した社員には副業や兼業を認める人事制度を改定」、というのは人員削減が多く、形振り構っていられないということかも知れない。「三菱UFJFGは・・・英国のEU離脱に絡んで、ロンドンの欧州統括拠点では、約500人の管理職全員に7月末まで希望退職の募集を開始しています」、ここでの管理職は派遣行員を除いた現地行員と思われるが、「英国のEU離脱」の影響が予想通り出ているようだ。「営業部門への配置転換は・・・不本意な部署への配置でも残るか退職するか、会社への忠誠心を問う選択といえます」、いまさら「会社への忠誠心」でもないように思える。

第四に、8月26日付けダイヤモンド・オンライン「新生銀行と筆頭株主、「20年越しの決別」に金融庁が慌てる理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/212789
・『新生銀行の筆頭株主である米投資ファンドが、保有株式の売却に動いた。公的資金の返済を実現する上で、今度は監督官庁の金融庁が試される局面に入りそうだ』、もう新生銀行から「むしり取れる」ことはないと諦めたのだろうか。
・『物言う株主と20年越しの決別  筆頭株主であり、社外取締役でもあるクリストファー・フラワーズ氏と“決別”する――。8月8日、新生銀行が発表した内容は、金融関係者の耳目を集めた。 この動きについて、「全く何とも思っていない」(新生銀幹部)と無関心をうたう声も内部から聞こえてくる一方で、経営判断に実質的に携わっていたフラワーズ氏の離脱は、役員人事を含む新生銀の動向を大きく左右し得る要素だ。 そもそもフラワーズ氏と新生銀の関係は、同行の発足当時の2000年頃までさかのぼる。新生銀のルーツである旧日本長期信用銀行(長銀)が、経営破綻して一時国有化された直後、フラワーズ氏は売却先となる米投資会社側の交渉の取りまとめ役として参画した人物だ。その後、社外取締役に就任するかたちで経営への関与を強めた。 07年には、フラワーズ氏を代表とする投資ファンドが新生銀の筆頭株主になる。関連の投資ファンドの保有分を含めると、フラワーズ氏は足元でも発行株式の20%超を保有する存在。「主要株主委員会の場でいろいろと文句をつける」(金融庁関係者)という“物言う株主”の役割を果たしてきた。 そして、新生銀誕生から約20年が経過した今、フラワーズ氏が保有する株式の大半を含む約4500万株を、今月内に売り出すことに至った。筆頭株主でなくなった後、フラワーズ氏は新生銀の社外取締役を退任する意向だ。 フラワーズ氏は近年、保有する新生銀の株式を手放す意向を示していたとされる。売り先としていくつかの投資ファンドとの交渉に入っていたが、有力候補だった「台湾の大手銀行との交渉が破談になった」(新生銀関係者)。これを機に、今回の売り出しに至ったようだ。 ただ、20日に決定した売却価格が1株1387円だった一方、ある市場関係者は「フラワーズ氏の出口戦略として1株3000円ぐらいが妥当だったはずだ」と分析する。 異次元金融緩和がもたらした今の低金利環境では、これ以上の株価上昇は見込めない――。フラワーズ氏の“安売り”は、新生銀に対して三下り半を突きつけたように映る』、フラワーズ氏は米投資銀行ゴールドマンサックス出身で、旧長期信用銀行破綻後から再生を主導、悪名高い「瑕疵担保条項」を付けたことで、不良債権8500億円を預金保険機構に引き取らせた。2004の上場と2005の売り出しで、ファンド全体で売却益5300億円(出資額は1010億円)を稼いでいる。
・『繰り上げ筆頭株主化に焦る金融庁  「私たちも大変な立場になるだろう」――。銀行の監督官庁である金融庁のある幹部は、今回のフラワーズ氏の離脱を受けて危機感を募らせた。 なぜか。フラワーズ氏の関連ファンドが筆頭株主から外れた後は、預金保険機構などで約18%の株式を保有する政府が筆頭株主に繰り上がるからだ。 新生銀は、国から注入された公的資金を返済できていない唯一の大手銀行だ。注入された公的資金は普通株式に転換されていて、完済には株価が1株7400円まで上昇することが必須だ。とはいえ、現状の株価を見ると、返済を早期に実現することは厳しいといわざるを得ない。 新生銀はATMの手数料無料化や消費者ローンなど、先進的なリテール(個人向け)事業の取り組みに注力してきた。こうしたノウハウを持ち、さらには都内での顧客基盤を持つ新生銀に対して、主要株主のフラワーズ氏が抜けたこのタイミングで、地方銀行や他の金融機関が資本面を含めた提携に関心を寄せる可能性は残されている。 今後は、こうしたビジネスモデルの在り方やパートナー探し、そして経営体制の良し悪しという経営課題に関して、筆頭株主が政府のままであれば、金融庁が「正面から問われる」(前出の金融庁幹部)ことになるというわけだ。 フラワーズ氏と決別したとはいえ、新生銀にとっては、もう一つの大きな“足かせ”である公的資金の返済が残されている。 そのためにも、「今の金融界において、存在意義のある金融機関としてのビジネスを展開できるかどうかが重要だ」(別の金融庁幹部)といえる』、「日の株価は1430円と預金保険機構の簿価7400円とは絶望的な開きがある。「先進的なリテール事業の取り組みに注力」、とはいっても、貸金業や消費者ローンでは余り儲けられなくなったようだ。やはり、破綻で優良企業が逃げ出したあとの銀行再建は、容易ではなさそうだ。
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