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エプスタイン事件(その1)(エプスタイン怪死事件とマックスウェルの亡霊、MITメディアラボのスキャンダルが「テック産業全体」への不信感に繋がる理由) [世界情勢]

今日は、米国で大問題になっており、日本人スタープレーヤーにも影響も与えているエプスタイン事件(その1)(エプスタイン怪死事件とマックスウェルの亡霊、MITメディアラボのスキャンダルが「テック産業全体」への不信感に繋がる理由)を取上げよう。

先ずは、在米作家の冷泉彰彦氏が8月17日付けでメールマガジンJMMに投稿した「エプスタイン怪死事件とマックスウェルの亡霊」from911/USAレポート」を紹介しよう。
・『大統領選挙は「前年の夏」を迎え、本来であればトランプへのチャレンジャーを選ぶ民主党予備選はもっと盛り上がっていてもいはずです。また、連続して発生している乱射事件の報道も、直後はともかく全体として低調です。一方で、中国との通商戦争、そして大統領の連銀への介入などから、米国株は急速に調整が入り実体経済原則(正しくは→減速)の兆候も指摘されていますが、こちらの報道も経済紙やビジネス局が中心となっています。 その代わりと言っては何ですが、この2019年の夏、アメリカでは一つの事件が大きく報道される中で、意外な展開を遂げています。ヘッジファンドを主宰し、巨万の富を築いた億万長者であると同時に、未成年の女性の多くを人身売買や性的虐待の対象とした容疑で逮捕・起訴されたジェフリー・エプスタインの事件に他なりません。 この事件ですが、7月6日にニュージャージーのテターボロ空港に自家用機で着陸したところで、エプスタインが逮捕されたことで、一気に報道が拡大しました。その後一旦は鎮静化していたのですが、8月10日の早朝に、拘置所で死亡しているのが発見されると、改めて大きな騒動となっています。 このエプスタインの事件が話題となった理由としては、容疑そのものが極めて悪質だったことがまずあります。金の力で女性を食い物にしたという話は古今東西に色々とあるわけですが、ここまで大規模なものは珍しいと思います。 カリブ海のUSバージン諸島の一部である、リトル・セント・ジェームス島という島を1998年に買って別荘とした上で、この島を舞台に多くの少女を「人身売買で連行」してきて、虐待の対象としたというだけで、まるで小説や映画のような話です。 更に、話題となっているのが、エプスタインの交友関係の中にビル・クリントンや、その側近であったジョージ・スファノポロス、また英国王室のアンドリュー王子、そして外でもないドナルド・トランプ夫妻の名前があることです。ですから、全貌が明るみに出たとしたら、大きな政治スキャンダルに発展する可能性があるわけです。 これに加えて、エプスタインが死亡したことで、現在この事件の中心人物として、追及を受けつつある一人の女性の問題があります。この女性ですが、20世紀末の欧米で「メディア王」として著名であった故ロバート・マックスウェルの遺児であるギスレーヌ・マックスウェル女史(現在57歳)です』、超弩級のスキャンダルで、確かに「大きな政治スキャンダルに発展する可能性がある」ようだ。
・『このギスレーヌ・マックスウェルですが、ある時期にエプスタインの愛人であったとされています。その一方で、エプスタインは少女性愛の病癖があるので、ギスレーヌは、その幇助をしていた容疑があります。つまり交際相手のエプスタインのために、少女を「調達」していたという疑惑です。 現時点では、ギスレーヌに対する逮捕状は請求されていませんが、彼女に対する民事訴訟が提起される中、メディアは彼女の行方を必死になって追っています。数日前には、カリフォルニアのファーストフード店に現れたとして、『ニューヨーク・ポスト』というタブロイド紙がその写真をスクープして話題になりました。 しかし、他でもない『ニューヨーク・ポスト』が、ロバート・マックスウェルの遺児をスキャンダルで追跡しているというのは、何という因縁でしょう。『ニューヨーク・ポスト』というのは、FOXグループの総帥であるルパート・マードックが1970年代から保有していますが、このマードックこそ、マックスウェルとのメディア戦争を戦った仇敵であったからです。 ちなみに、ロバート・マックスウェルは、その最晩年である90年代初頭に、同紙のライバル紙である『ニューヨーク・デイリー・ニュース』の経営権を保有していたこともあるわけで、何とも言えない巡り合わせを感じます』、「マードックこそ、マックスウェルとのメディア戦争を戦った仇敵であった」、とは確かに「何とも言えない巡り合わせ」までおまけがつくとはまさに超弩級のスキャンダルに恥じない内容だ。
・『この事件ですが、大きく分けて3つの謎を秘めていると思います。 1点目は、外でもないエプスタインの「怪死」という問題です。そもそも、エプスタインの「身柄」に関しては、不自然なことだらけでした。まず、7月6日にどうしてアメリカに入国したのかという疑問があります。報道によればパリから自家用ジェットで戻ってきたところを捕まったのだというのですが、アメリカに入国すれば逮捕される危険がある中で、どうして堂々と戻ってきたのでしょうか? どうしてもアメリカに来て「しなくてはならないこと」があったとして、それは何だったのでしょう? 全くもって小説のような話ですが、もしかしたら何らかの証拠となる文書なりを自分の手で隠滅する必要があったとか、あるいはアメリカ国内に潜伏している何者かと、直接会って会話する必要があったなどの理由が考えられますが、謎のままです。 ところで、逮捕後のエプスタインについては、様々な動きがありました。中でも大きな話題になったのは弁護人からの保釈請求でした。弁護人側は、6千万ドル(約630億円)の保釈金を積んで、エプスタインの身柄を未決囚用の拘置所からマンハッタンの自宅での軟禁に移そうと請求しました。その交渉の過程では、「検察はパスポート、現金、貴金属を押収する」という条件で保釈が認められそうだとか、いやダメだというようなニュースが連日報道されていたのです。 これに対しては、「拘置所から出したら『消される』のでは?」といった説がネットでは飛び交っていました。この保釈請求という問題も、全くの謎です。必死の思いでアメリカに入国した以上は、自宅コンドミニアムにある「証拠隠滅」あるいは、何者かとの面会にこだわったのか、あるいは、弁護人の方が刺客を用意していてエプスタインを「消す」ために保釈を狙ったのか、これも謎のままです。 結果的に、保釈は認められませんでしたが、そのエプスタインは8月10日(土)の早朝6時30分ごろに、拘置所の房内で死亡しているのが発見されました。首には絞めた跡があり、警察は明らかに自殺であると発表しています。 このニュースを受けて、メディアは騒然となりました。警察は「明らかな自殺」としていますが、疑わしい点が数多くあるからです。まず、エプスタインは、一旦、7月27日に自殺未遂を起こしており、直後に24時間のスーサイド・ウォッチ(自殺防止の監視)の対象となっています。ですが、なぜか2日後の29日にはその監視が外されています。これは拘置所の規則違反だそうです。 そのほかにも、2人の房であったのに、同室の被疑者が他に移されて結局は独房状態だったそうで、これも規則違反でした。また、死亡の直前には弁護人が「エプスタインは落ち着いているので、監視の厳しい房から通常の房に出してくれ」という申し立てをして、それが認められたそうです。そこで房を移動したその晩に自殺したというのです。また規定にあった「30分間隔での監視」もされておらず、7時間にわたって監視が外れていたのだそうです。これも規則違反ですが、一連の違反については「人手不足のため」という説明がされています。 極め付けは、検死結果です。エプスタイン側の人間が、遺体を運び出して第三者による検死を行ったところ、通常の縊死ではあり得ないような形で、首の骨が折れていたというのです。仮にそうであれば、他殺説が浮上しそうで大変なのですが、今のところ、この疑惑については多くの疑惑の一つという扱いで、それほど決定的なインパクトは持っていません。そのこと自体が不自然でもあるのですが、この事件の全体が謎であり、闇であることを示しているのかもしれません』、警察が「「一連の違反については「人手不足のため」という説明」、というのはいかにも不自然、自殺との「検死結果」にも疑惑が出るなど、突っ込みどころ満載のようだ。
・『ところで、本稿のこの部分を書いている正にその時点で、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトからプッシュで送られてきた情報によれば、警察の公式的な検死結果としては、自殺であることは間違いないという結果が出たそうです。 ちなみに、著名人で、事件への関与も噂されている人物がこの「他殺説」を吹聴しているのですから困ったものです。それは、合衆国大統領であるトランプ自身であり、「下手人はビルとヒラリー」だという陰謀説を、何の根拠なくツイートで拡散しているのです。要するに、クリントン夫妻は、過去に多くの悪事を働いてきたと批判するパフォーマンスの延長ですが、全くもって困ったものです』、トランプ大統領が「下手人はビルとヒラリー」だという陰謀説を、何の根拠なくツイートで拡散している」、というのもおどろくべきことだ。
・『2番目の問題は、そのトランプとエプスタインの「接点」です。 両者の「接点」を具体的に示唆した問題としては、アコスタ問題があります。今から12年前の2007年、エプスタインは、未成年者への性的虐待で起訴されそうになったのですが、フロリダの連邦検事と「秘密の司法取引」を行って、罪を免れたことがありました。その当時の検察官の一人を、こともあろうにトランプは自分の政権下で労働長官に任命していたのです。 それは、アレキサンダー・アコスタという人物です。こんなことをやっていると、本来であれば重罪になるはずのエプスタインを「不起訴にした」ことへの見返りとして閣僚にしたような印象を与えるわけです。この問題については、報道とともに大騒ぎとなり、結局、アコスタは大臣から罷免されました。 更に取り沙汰されているのは、エプスタインがトランプの持っている有名な、フロリダのマー・ア・ラゴを性的虐待の舞台にしていたという疑惑です。両者は、1990年前後から極めて親密で、マー・ア・ラゴを舞台として、多くの美女を集めたパーティーを繰り返していたそうです。 一部には、そもそも奥さんのいるトランプに、メラニアを紹介したのはエプスタインだという噂もあるぐらいです。中でも話題になっているものとしては、レイプ疑惑の問題があります。2016年の大統領選の最中に、匿名の女性が名乗り出て、「自分は13歳の時に、エプスタインのパーティーで、トランプにレイプされた」として、損害賠償請求の民事訴訟を提起したという事件です。ただ、この事件は原告が匿名を貫いたこともあり、信憑性が疑われる中で、トランプ支持者からは「根拠なき誹謗中傷」という抗議が出ました。そんな中で、メディアもこの事件を一旦は敬遠していたという経緯があります』、トランプも叩けばいくらでもホコリが出てくるようだ。
・『3番目の問題は、最初に少しご紹介したギスレーヌ・マックスウェルという女性の位置付けです。エプスタインが死亡した現在、彼女が事件の核心を知る人物として、当局も、またメディアも重大な関心を寄せています。 このギスレーヌ・マックスウェルですが、どうやらエプスタインの交際相手であったのは間違いないようです。但し、エプスタインは少女性愛の病癖があるので、ギスレーヌは、愛する男性のためにその幇助をしていた共犯という可能性が指摘されています。さて、このギスレーヌのことを語るには、やはり父親であるロバート・マックスウェルに触れないわけにはいきません。マックスウェルというのは、ルパート・マードックのライバルとして、英国のデイリー・ミラー、そして当時は米国最大の出版社であったマクミラン社などを手中に収めてメディアの企業帝国を築いていた存在でした。 そのマックスウェルとマードックの確執については、英国の政治家で作家のジェフリー・アーチャーが "The Fourth Estate(1996年、邦題は『メディア買収の野望』)でフィクション化していますので、当時は世界的に大変に有名なライバル同士でした。 また、マックスウェルは、ユダヤ系の実業家としても有名で、一部には秘密組織モサドの工作員だったという説もあります。そのマックスウェルは、1991年11月に地中海で事故死したとされています。その葬儀は、イスラエルのオリーブ山で行われたそうですが、参列した財界人から直接聞いた話では、大変に盛大なものであったそうです。 このマックスウェルの死については、モサドに殺されたなどの噂が多数ありますが、結局のところ彼の死後に明らかとなったのは、裏金を含めた資金繰りが行き詰まっていたということです。ですから、金策尽きて自殺したという考え方が一番自然ではあるのですが、公式的には事故死ということになっています。 ところが、今回の事件などを通して明らかとなってきたのは、その晩年のマックスウェルが、個人的な金融アドバイザーとしてエプスタインを雇っていたという事実です。またその際に父親とエプスタインの連絡係をやっていたのが、ギスレーヌだという説もあります。 そこで一つの疑問が浮かび上がってきます。1991年にロバート・マックスウェルが急死すると同時に、彼が一代で築いたメディア帝国はガラガラと崩壊していきました。グループ全体の本当の財務状況は、マックスウェルだけが把握する中で、総帥の死は綱渡り的な資金繰りを滞らせ、グループの崩壊を招いたのですが、その崩壊は同時にグループの経営の違法性を暴露したのでした。 つまり企業年金資産を抵当に入れて資金調達をするとか、子会社を上場させて調達した資金を非上場の親会社に流したりといった違法行為によって、この企業グループの資金繰りが成立していた、その違法性が明らかになったのです。 マックスウェル帝国が総帥の死によって崩壊したのちに、家業に参画していたその子達、つまりギスレーヌの兄たちは負債を相続したと同時に、違法な企業経営に参画した責任を問われて破滅していったのでした。多くの場合、民事上も、そして刑事上も責任を問われていったのです。 疑問というのは、多くの兄たちが破滅していった一方で、どうして末子のギスレーヌが「経済的にも社会的にも生き残ったのか?」という問題です。同時に、このマックスウェル帝国の崩壊に当たって、マクスウェルの相談相手であったエプスタインが、むしろ財を成している可能性があるという点です。 何しろ、マックスウェルの残したのは、最低でも4億ポンド(530億円?)という巨額の負債と、主として英国と米国を舞台にした刑事訴追というマイナスでした。 そこから、エプスタインとギスレーヌがどうして逃げおおせたのか、どうしてもその点に疑問を感じざるを得ないのです』、これだけ多くの疑惑が山積しているのであれば、当面、アメリカのメディアは大忙しだろう。
・『いずれにしても、エプスタインの死の真相、そしてトランプとの関係、更にはエプスタインとマックスウェル家、特に亡くなった総帥ロバートと、残されたギスレーヌとの関係と、謎が謎を呼ぶストーリーであることは間違いありません。そこには、セクシャリティの異常性という問題、あるいは政治やスパイ組織の陰謀という可能性も含まれており、そうした要素を完全に排除することはできません。 ですが、この一連の問題を整理するには、やはり「カネ」という観点を軸に考えるのが一番の近道である、そのようにも思うのです。つまり、1991年のロバート・マックスウェルの死も、その28年後、2019年のジェフリー・エプスタインの死も、同じように資金繰りに窮する中での自滅であったという可能性です。 その上で、ギスレーヌがエプスタインに接近したのは、男女の関係という要素もあったかもしれませんが、それ以上に亡くなった父の財産を、少なくとも母であるマックスウェル夫人と自分の手元にはある程度残しておきたい、そのためにエプスタインの協力が必要だったという可能性はあります。もしかしたら、マックスウェル帝国の破滅に巻き込まれないためには、エプスタインの方もギスレーヌを必要としていたのかもしれません。 トランプとエプスタインとの関係も、同じように「女性を集めて支配するのが好き」という悪癖で仲間になったのかもしれませんが、それ以上に、破産法を駆使して事業を整理しながら私財はチャッカリ確保してきたトランプにとって、エプスタインの才覚と組む理由はあったのかもしれません。 そう考えると、やはりこのエプスタインとトランプというのは、最近はともかく相当に抜き差しならない関係であり、エプスタインの事件の捜査が続く限り、トランプは恐らく気が休まることはないのではないでしょうか。決定的な証拠が出て来る可能性は薄くても、2020年の選挙へ向けて、中間層におけるトランプの印象にはダメージになる可能性はあると思われるからです』、「エプスタインとトランプというのは、最近はともかく相当に抜き差しならない関係であり、エプスタインの事件の捜査が続く限り、トランプは恐らく気が休まることはないのではないでしょうか」、トランプのコア支持層である「忘れられた白人層」への影響は余りないだろうが、その他の支持層へは影響しそうだ。
・『ちなみに、捜査の現状としては、やはりエプスタインによる、多くの当時未成年であった女性たちへの虐待についての事実確認ということが中心です。当局も、メディアも、当面は、そうした捜査の状況を追いながら、最終的にはエプスタインとギスレーヌがあらゆる手段を使って保全した父ロバート・マックスウェルの遺産が、エプスタインから虐待を受けた被害者救済に使われることを目指している、現在進んでいるのは事実上そのような方向性であると考えられます。 いずれにしても、この事件、主役は死んだとはいえ、全くの現在進行形であり、今後の展開が注目されます』、劇場型のトランプ政治に、飛んでもない1幕が加わったものだ。「今後の展開」が楽しみだ。

次に、マイナースタジオ代表取締役CEOの石田 健氏が9月11日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「MITメディアラボのスキャンダルが「テック産業全体」への不信感に繋がる理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/214469
・『MITメディアラボの所長を務めていた伊藤穣一氏が9月7日に辞表を提出した。「Joi」の愛称で知られ、日本とアメリカのテクノロジー・コミュニティーから尊敬を集めていた同氏の去就は、日本国内でも話題を集めている。 この辞任の引き金となったのは、アメリカの実業家として知られるジェフリー・エプスタイン被告の獄中自殺を発端とした報道だ。エプスタイン被告は多数の少女を性的虐待したことで起訴された後、不審とも言える自殺を遂げた。その後、被告からメディアラボが寄付を受けていたことが明らかになり、複数の研究者が抗議辞任。先月15日、伊藤氏は自身の個人ファンドも被告から出資を受けていたことを明らかにした上で謝罪文を公開した』、伊藤穣一氏はNHK番組にもよく登場し、参考になる意見を述べていたので、尊敬していたが、このような結果になり残念だ。
・『The New Yorkerのスクープで事件が急変  謝罪文を公開した時点では伊藤氏が「飛び火」を受けたかのような印象だったが、今月6日にThe New Yorkerが新たな記事をスクープしたことで事態は急変する。 それによれば、エプスタイン被告はMITの寄付者データベースに「不適格」と示されていたものの、メディアラボ側はそれを知りながら寄付を受け取っていた。しかも、リークされたメールでは、伊藤氏がスタッフに対して被告に関係した資金を匿名処理するよう指示しており、メディアラボにおいて被告が「ヴォルデモート」(小説『ハリー・ポッター』シリーズ)に登場する“名前を言ってはならない人”)と呼ばれていたことも明かされた。また被告に関係した資金は当初80万ドルとされていたが、750万ドルにのぼることも示唆されている。 一連の報道は、伊藤氏が違法行為に手を染めていたわけではないものの、明らかに倫理的逸脱があり、当初の謝罪にも虚偽が含まれていることを示した。たとえば朝日新聞は今回の辞任を「混乱を収束させる狙い」と記事で述べるなど、日本の主要メディアでは未だに伊藤氏が飛び火を受けたかのような論調で報じているが、事件のインパクトと経緯を考えれば、より踏み込んだ理解が必要になる』、確かに「伊藤氏が飛び火を受けたかのような論調」、というのは通用しないようだ。
・『起業家、投資家としての手腕も買われた伊藤氏  伊藤穣一氏は、日本のテック産業で広く知られる存在である。TwitterやFlickrなど名だたるネットサービスの投資家として知られ、日本でも東証一部に上場するデジタルガレージの共同創業者を務めるほか、ソニーやカルチュア・コンビニエンス・クラブなど名だたる大企業で取締役などを務めた。 最近では、NHK教育テレビ「スーパープレゼンテーション」でナビゲーターを務めたことで世間一般での知名度も高まっていた。2011年、伊藤氏がメディアラボ所長へと就任した際は、学位を取得していない人物の選任という「異例」の人事が注目を集めたが、彼の実績を考えても適任だという声が出てくるほど、業界内では知名度のある存在であった』、「学位を取得していない人物の選任という「異例」の人事が注目」、よほど他の能力が優れていたのだろう。
・『「#MeToo」ムーブメントに連なる事件の重大性  事件の重大性は、たんに伊藤氏が有名人だからという点ではない。そこには3つの重要なポイントが指摘できる。 まず、この事件が2017年から続く「#MeToo」ムーブメントの延長線上の出来事として理解される点だ。今回、The New Yorkerで記事を執筆したのが、ローナン・ファロー氏。同氏は、MeTooムーブメントのきっかけとなったハーヴェイ・ワインスタイン被告によるセクハラの調査報道記事を執筆したことで知られる。 驚くべきことに、ファロー氏は女優ミア・ファロー氏と映画監督ウディ・アレン氏の実子であり、最近ではミア・ファロー氏が「(アレン氏の子どもではなく)フランク・シナトラの息子かもしれない」と明かしたことで話題を集めた。セレブリティの息子でありながらジャーナリストとして申し分のない実績を上げている同氏が、この問題を1つの研究機関の醜聞としてではなく、アメリカ社会を揺るがすムーブメントのなかに位置づけていることは想像に難くない。 当初メディアラボに批判が集まった際、業界の著名人らが伊藤氏を擁護するサイトを立ち上げたが、メディアラボの院生アルワ・ムボヤ氏は「なぜエプスタインによって傷つけられていた少女に心を傷めなかった人が、伊藤が職に留まることを気にかけるのでしょうか?」と批判した。おそらく伊藤氏を擁護した人々は、この問題が#MeTooムーブメントに連なる重大な局面にあるという認識はなかっただろう』、なるほど。
・『NYTは最も酷「い真実を印刷しなかった」  もう1つは、本件がThe New Yorkerで報じられる前に、The New York Times(NYT)に持ち込まれていたものの、根幹部分が報道されなかったという疑惑だ。これは、ジャーナリストのジーニ・ジャーディン氏が指摘しており、内部告発者がすべてを話したにもかかわらず「最も酷い真実を印刷しなかった」と述べている。 ジャーディン氏の指摘にNYTから応答はないものの、重要な事実は伊藤穰一氏がNYTのボードメンバーであった(すでに辞任)点だ。言うまでもなく、NYTには本件に対する説明責任が求められる。 そして最後に、メディアラボ自体の問題がある。日本でも知名度の高いメディアラボだが、今回の事件を受けて批判的な声も出始めている。メディアラボの研究成果について疑義を投げかけるBusiness Insiderやテクノエリートの欺瞞(ぎまん)を指摘するGuardian、メディアラボを「疑似科学の学術機関」とすら述べるFortuneのような声は、近年の巨大テック企業への不信感と相まってますます増えていくだろう。 メディアラボに限らず、誇大宣伝された研究や理想主義的な美辞麗句によって内実が覆い隠されたプロジェクトを検証する動きは、今後強まっていくかもしれない。 またメディアラボの行く末自体も不透明だ。人身売買の被害者が、エプスタイン被告が所有する島において人工知能の大家マーヴィン・ミンスキー氏(2016年死去)と性行為をさせられたという告発がすでに報道されている。ミンスキー氏はメディアラボの共同創設者であり、研究機関のスタート時点から問題を抱えていたことが明らかになれば、その存続に影響が出てくる可能性もある』、「メディアラボの研究成果について疑義」が出てきたとは大変なことだ。
・『テック産業全体の不信感につながる可能性  今後、事件が起きた背景も解明されていくはずだが、伊藤氏がメディアラボの資金調達を期待されていたという点は見逃せない。 所長就任に際してNYTは、伊藤氏がメディアラボの資金調達を推進する役割があることを報じていた。メディアラボの創設者ニコラス・ネグロポンテ氏によれば、政府や大企業のスポンサーから得ているメディアラボの運営費用は過去10年間で減少しており、伊藤氏は他候補よりも資金調達を推進するリーダーシップが際立っており、その点が評価されたことを明言している。 「自戒:クソ野郎から投資話や金を受け入れてはならない」と自らTwitterで表明していた伊藤氏にとって、資金調達を重視するあまりの倫理的逸脱が本件を招いたのか、あるいはエプスタイン被告の愚行を軽視していたのかは、まだ明らかではない。しかし伊藤氏が被告の行為を「知らなかった」と述べているが、2008年にはエプスタイン被告の罪は明らかになっていた。自宅に足を運ぶ間柄でありながら、被告の罪を知らなかったことに疑念の声もあがっており、MITの調査によって踏み込んだ事実も明らかになっていくだろう。 テック産業と不透明な資金の関係性は、今回だけの問題ではない。 サウジアラビアのジャーナリストが暗殺された事件にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が関与していた可能性を受けて、サウジアラビア政府から出資を受けているソフトバンクにも批判が集まっている。完全に透明性を持った資金を探してくることは容易ではないが、MITやソフトバンクのような業界のリーダーたちが不透明な資金を受け入れていたことは、産業全体への不信感に繋がっていくことだろう。 テック産業がアメリカ西海岸のユートピアを体現するカウンターカルチャーであった時代はすでに終焉した。いまやそれは、プライバシーや倫理的観点から強い疑義を向けられる巨大産業であり、その資金源に注目が集まるのは至極当然のことである。産業で最もよく知られた研究機関の1つが直面したスキャンダルは、当初の印象よりも広い範囲に影響を及ぼすかもしれない』、広く「テック産業」にも「当初の印象よりも広い範囲に影響を及ぼすかもしれない」、というのは重大なことだ。今日は、長くなったので、明日はエプスタイン事件とMITメディアラボの関係を、さらに掘り下げてみたい。
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