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小売業(百貨店)(その3)(アジアの日系百貨店は「オワコン」か?中国やタイ資本に猛追される理由、そごう・西武の奇策「再雇用者リストラ」のわけ 希望退職実施が「百貨店再編」の引き金に、三越 日本橋本店に「ビックカメラ誘致」の真相 欧米の潮流を受け、家電量販店を初導入) [産業動向]

小売業(百貨店)については、2018年10月11日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その3)(アジアの日系百貨店は「オワコン」か?中国やタイ資本に猛追される理由、そごう・西武の奇策「再雇用者リストラ」のわけ 希望退職実施が「百貨店再編」の引き金に、三越 日本橋本店に「ビックカメラ誘致」の真相 欧米の潮流を受け、家電量販店を初導入)である。

先ずは、ジャーナリストの姫田小夏氏が昨年9月9日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「アジアの日系百貨店は「オワコン」か?中国やタイ資本に猛追される理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/214040
・『閑古鳥が鳴いていた上海高島屋だけでなく、バンコクに進出する伊勢丹や東急百貨店など、アジアの主要都市で集客に苦労する日系百貨店は少なくない。人気を集めるタイ資本や中国資本の商業施設は、一体どこが優れているのだろうか?』、なんとも寂しい話だ。「オワコン」とは、終わったコンテンツの略で、一時は栄えていたが現在では見捨てられてしまったこと、ブームが去って流行遅れになったこと、および時代に合わなくなった漫画・アニメや商品・サービスを指す(Wikipedia)。
・『タイ資本のショッピングモールに圧倒される日本の百貨店  「凋落する日系、台頭するアジア系」――そのコントラストが顕著に表れるのがバンコクの商業施設だ。伊勢丹、東急百貨店など日系百貨店が進出するも、今やタイ資本のショッピングモールにすっかり圧倒され、その存在感は薄い。 巨大な売り場面積と洗練された館内コーディネート、最先端ブランドの入店とその集客力でプレゼンスを高めるタイ資本の商業施設。経済成長とともに増え続ける「中間層」を惹きつける地元モールのキラーコンテンツは“食”だ。タイ資本のモールは、とにかく“食の演出”がうまい。 地下には気軽なフードコート、上階にはちょっとリッチなレストラン街――バンコクのモールでほぼ共通するレイアウトだが、タイ最大といわれるモール企業「モール・グループ」が運営する「エムクオーティエ」(エンポリアム2号店)の地下フードコートは、モール全体の中で最も人を集めるフロアだ。 バンコク最大の繁華街・スクンビット地区に立地する同モールの地下には、タイのローカルフードはもとより、インド、広州、潮州、香港などの、ありとあらゆる“アジアの味”がずらりと並ぶ。ホールの面積も広大で座席数も多く、内装もシンプルかつお洒落だ。 タイの1人当たりGDPは7187米ドル(2018年)と、中国の9608ドルよりも低いが、このフードコートの1食当たりの平均価格は100~200バーツ(1バーツ=約3.5円)と、日本のファストフード程度並みの食事代を払える消費者層が存在する。 同グループは、サイアム地区に立地する巨大モール「サイアム・パラゴン」も経営する。ここのフードコートは「バンコク最大」だといわれるが、文字通り“食のパラダイス”だった。その充実ぶりは「ありったけのエネルギーとアイディアと資本を投入したのでは」と思わせるほど。バンコクの市民はもとより外国人客も多いが、その選択はあまりにバラエティ豊かなので、誰もが“うれしい悩み”に頭を抱える。こんな巨大なフードコートは日本ではお目にかかったことがない。 同じ商圏には日系百貨店もあるが、規模の小ささや施設の老朽化による“見劣り”がとても気になった。フロア構成も“日本の伝統”を踏襲するが、果たして現地のニーズを反映したものなのかどうか。肝心な食のフロアも単なる“食堂の集合”に近い。日系百貨店といえば、かつては東南アジアの花形といわれた商業施設だったが、進出も早かっただけに、“売り場のレトロ感”は否めない。すでに撤退した店舗もある』、「かつては東南アジアの花形といわれた商業施設」だけに、凋落ぶりは強烈だ。日本から優秀な社員を送り込んでいるのに、時代から取り残されたようなのは情けない。
・『閑古鳥が鳴いていた上海高島屋でも「デパ地下」だけは人気だった  “食”が人を集めるのは、中国の上海高島屋にも共通する。上海高島屋百貨有限公司の清算騒動(「上海高島屋、撤退取りやめて『継続宣言』も前途はいばらの道」参照)は物議を醸したが、6年半前の開業時から一度も黒字を出せず、長らく「閑古鳥が鳴いている」と言われ続けていた同店で、唯一賑わいを見せていたフロアが“デパ地下”部分だった。 同店の、食品スーパーやベーカリー、スイーツなどの売り場の充実ぶりには定評があった。6月の撤退宣言に近隣の住民は「残念なのは、“デパ地下”にあるパン屋の『ドンク』やサラダ・惣菜の『Rf1』がなくなってしまうこと」だと悲しんだ。上階の飲食街には日本料理店やラーメン店が出店しており、昼食時になれば、近隣のホワイトカラーで席が埋まった。多少値が張っても、おいしいものにはつい財布のひもを緩めてしまう――食のフロアには中国人たちの特徴ある消費動向がはっきりと映し出されていた。 ちなみに昨年、高島屋(高の文字は、正式には“はしご高”)はバンコクの大型複合施設の中にアンカーテナントとして初出店した。華々しい幕開けだったが、ほどなくして「(同店が立地する)チャオプラヤー川西岸に行くのは不便」という声が出始める。上海高島屋同様、日本人居住者の間で話題になったのは、むしろその“立地”だった。 衣料品あり、日用品ありのフルラインが日本の百貨店のモデルだったが、アジア全体の市場を見渡せば、“百貨型”の売り場構成はもはや新鮮さを失いつつあるのだろうか。昨夏、筆者はベトナム・ハノイのロッテデパート(韓国系)を視察したが、日本型の百貨店構造に酷似した同店もまた、地下の食品スーパーだけが賑わっており、一階から上の婦人服・紳士服売り場では買物客をほとんど見かけることはなかった。 レジャーサービス研究所(本社:東京・渋谷)の斉藤茂一所長の指摘は興味深い。なんと、中国資本の百貨店では売り上げの半分を「食が占める」というのだ。斉藤氏は「あくまで私がコンサルした範囲ですが」と前置きしつつ、次のように語る。 「北京の百貨店の売上構成比は、実に58%を飲食が占めています。地方では、朝7時に開店して朝食ニーズまで取り込む百貨店もあります。お客さんは朝・昼・晩の食事のために百貨店を訪れるのです。中国では、売り上げを支えているのは物販ではなく飲食であり、これが集客の原動力になっています」 メインは飲食、物販はサブ――この傾向は中国のみならず、アジア市場全体にも共通するのかもしれない。 アジアの人々が最も喜びと感じ、消費を惜しまないのは“食”をおいてほかにはない。“百貨”から“一貨”に絞り込むのはさすがに極端な話だが、「思い切った発想の転換が必要」だと斉藤氏もいう。いかに“食”に光を当てるかが、日系百貨店にとっての起死回生のカギとなりそうだ』、「日本人居住者の間で話題になったのは、むしろその“立地”だった」、メイン顧客がいまだに「日本人居住者」なのだろうか。そうだとすれば、むしろ大問題だ。筆者の情報収集力に疑問を感じざるを得ない。「「デパ地下」だけは人気」、ありそうな話だ。
・『楽しさのプロデュースも計算ずく 東京はもはやアジア最先端ではない  最後に、アジアの各都市・各商業施設で筆者の心に残った集客スポットを紹介したい。 それはバンコクの「アジアティーク・ザ・リバー・フロント」だ。東京ドーム約2.5個分という広大な敷地に約1500もの小売店舗と約40店舗の飲食店 (数字は公式サイトより) を構える商業施設で、観覧車やお化け屋敷などのアトラクションとともに、ファミリーで1日楽しむことができる。バンコクといえば、長らく「寺院」と「パッポン」(男性向けの怪しげなスポット)が観光の代名詞だったが、アジアティークはこの固定観念を払拭させる新名所の一つとなった。 古くは19世紀後半にチャオプラヤー川沿いに建造された船着き場だったが、2012年に観光スポットとして再開発された。古い倉庫や引き込み線を生かしたリノベーションは、横浜の「赤レンガ倉庫」を思い起こさせる。両者ともに、「小売+飲食」のコンセプトは共通するが、アジアティークで世界から集まる観光客をひきつけていたのは、徹底的に充実させた「食」部門だった。 敷地内にはカジュアルから高級店までさまざまなジャンルの飲食店があり、ウォーターフロントならではの解放感が巧みに演出されていた。さらに「夜市」的な食べ歩きスポットも非常に充実。低予算でさまざまな味を訪ねて回れるという「食べ歩きスタイル」は、洋の東西を問わず観光客には大人気であり、最も賑わうエリアとなっていた。 その「夜市エリア」は屋根付きで照明が美しく、什器などのデザインも統一感があり、メニューはどれをとっても洗練されていた。中でも“ワニ肉の解体ショー”は観光客をくぎ付けにし、スマホ撮影の人だかりができていた。生バンドの演奏も観光客を楽しませるには十分に効果的であり、味はもとより、楽しさのプロデュースにも力が入る。単なるテナントの寄せ集めではなく、施設全体が「楽しい時間と空間」を演出しているのだ。 魅力溢れる商業施設の出店ラッシュにあるバンコクは、外国からの訪問者を惹きつけてやまない。バンコクには年間2300万人が訪れ、「世界渡航先ランキング2018」(米マスターカード社調べ)で4年連続1位を維持する。気になる東京は約1300万人で9位だ。 百貨店に限った話ではない。かつて、アジアの諸都市を訪問すると、「日本がまだまだ上」という優越感を持つことが多かったが、今は違う。すでにアジアに学ぶ時代が到来しているのだ』、「バンコクには年間2300万人(の外国からの訪問者)が訪れ、バンコクが「世界渡航先ランキング2018」で4年連続1位を維持する。気になる東京は約1300万人で9位」、確かに、「アジアティーク・ザ・リバー・フロント」は魅力的なようだ。それにしても、日系の不振は目を覆わんばかりだ。現地のライバルの戦略を真剣に学ぼうとしなかった当然のツケだ。撤退か、巻き返しに打って出るのか、早急に決断すべきだろう。

次に、9月13日付け東洋経済オンライン「そごう・西武の奇策「再雇用者リストラ」のわけ 希望退職実施が「百貨店再編」の引き金に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/302404
・『セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店事業会社である「そごう・西武」が、リストラに乗り出していることが明らかになった。 同社は今年7月の一定期間に、「ライセンス社員」と呼ぶ60歳から65歳までの再雇用者を対象にした希望退職を募り、8月31日付で実施した。再雇用時の月収をベースに、65歳まで働いた場合の「みなし」分を割り増しして退職者に支払った。そごう・西武では早期退職制度をすでに設けていたが、今回のような再雇用者を対象に希望退職を募ったのは初めてだ。「今後、再雇用をしないということではない。常設の制度ではなく、今回限りの措置」(広報担当者)という』、「再雇用」する段階で、必要人数に応じて再雇用するのではなく、機械的に再雇用した結果、余剰が生じたのだろうか。それにしても、お粗末だ。
・『再雇用者のリストラは「聞いたことがない」  数多くの商品を扱う百貨店では、ベテランの知識・経験を生かすために再雇用制度を設けている企業が多い。ある大手百貨店の場合は、「60歳で定年退職を迎えた人のうち、おそらく7割ぐらいは再雇用を希望する」(大手百貨店の中堅社員)という。 再雇用後は退職前に従事していた仕事に就くケースが多い。例えば、店舗の紳士服売り場ならば、そのまま紳士服売り場に、事務職ならば事務系の仕事を続けることが一般的だ。中には、外商のセールスマンがコンシェルジュのような店頭の接客専門員として配属されるケースもある。 今回のそごう・西武は、応募した社員の具体的な数など詳細について公表していない。再雇用者が対象のため、店長やフロアマネジャーのような幹部クラスが辞めていったわけではない。ただ、8月31日までに定年退職となる60歳を迎える社員も例外的に対象としたため、退職者の一部には59歳の部長など幹部社員も含まれていたようだ。百貨店の要職であるバイヤー(商品仕入れ担当)に従事していた社員もいた。 こういった再雇用した社員を、わざわざ手厚い手当を支払ってリストラするのは珍しい。前出とは別の大手百貨店中堅は「聞いたことがない」と驚きの声を上げる。) 今回の希望退職実施について、会社側は「組織全体の若返りを図ることが狙い。また、社会が高齢化していく中で、60歳を超える社員の転職支援という意味もある。ワークライフバランスを見直すきっかけになれば」(広報担当者)と説明する。 しかし、この説明は鵜呑みにできない。継続雇用年数の引き上げなどにより高齢者の活用を図る企業が増えている中で、今回の動きは逆行している。今回の希望退職は「余剰人員の整理」と理解するほうが自然だ。 セブン&アイは、今年10月に予定されている今上期(2019年3~8月期)決算説明会において、グループ全体の経営再建策を打ち出すと見られている。低採算に苦しむイトーヨーカ堂については、展開エリアを絞り込むなどの採算向上策を公表する見通し。同じく低採算のそごう・西武についても、何らかの経営改善策が打ち出されそうだ』、決算説明会では所沢店のショッピング・センター化以外には特段の記載はなかった。
・『セブン&アイ入り後も収益は上向かず  歴史を振り返ると、西武百貨店が前身の武蔵野デパートとして創業したのは1940年のこと。その後、1970年代から1980年代にかけて、西武池袋本店の館内に公園・広場を模した設備や美術館を常設し、話題を集めた。西武百貨店の売上高は一時、三越を抜いて業界トップになったほどだ。 ところが、1990年代のバブル崩壊以降は、消費不振を映して業績が冴えなくなっていく。同じく、業績不振の百貨店大手そごうが民事再生法の適用を2000年に申請。この同時期に経営難に苦しんでいた両社が統合し、再建を目指すことになり、2003年に2社の持ち株会社ミレニアムリテイリンググループが発足した。 経営統合後は再建が順調に進んでいたかに見られていた。が、財務的な不安は完全には払拭されなかった。結局、2006年にセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入り、再び立て直しを図ることになった。 セブン&アイ・ホールディングスの傘下に入ってからは、店舗撤退を加速。2016年にそごう柏店(千葉県柏市)、2018年に西武船橋店(千葉県船橋市)など大型店舗も次々に閉店した。そごう神戸店(兵庫県神戸市)と西武高槻店(大阪府高槻市)は2017年に、阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリングに売却した。 こういった経営スリム化を徹底しても、収益性は一向に上向かない。2018年度の営業収益に対する営業利益率は0.5%と、低利益率にあえぐ。そごう・西武は現在15店舗を展開するが、今回さらなる店舗閉鎖に踏み切ることも考えられる。店舗縮小が続けば、いっそうの人員整理も避けられないだろう。 今回の希望退職実施は、次の動きを加速する「引き金」になる可能性もある。百貨店の動向に詳しい業界関係者は、「そごう・西武の最近の動きは、事業整理を進めているように見える。近い将来、一部店舗の譲渡や会社そのものを身売りすることも考えられる」と語る。 店舗譲渡先や身売り先としては、先にそごう・西武の2店舗を譲り渡したエイチ・ツー・オーリテイリングが候補としてあがる。確かに、好立地の西武池袋店本店やそごう千葉店を譲り受ければ、東京圏での展開強化へ向けて、これ以上の足がかりはないように見える。 ただ、エイチ・ツー・オーリテイリングは目下、関西地域を中心に主力小売り業態の集中出店を進める「関西ドミナント戦略」を掲げている。エイチ・ツー・オーリテイリングの幹部は、「ここ2年ほどは、お経のように『ドミナント戦略』の重要性を社内外で唱えている。不得意な関東圏に主力業態で出ていくことは、この戦略から大きく外れることになる」と否定する』、「エイチ・ツー・オーリテイリング」には殆ど期待できないようだ。
・『身売り先候補に「ドン・キホーテ」の名も  店舗譲渡や身売り先としては、ドン・キホーテを擁するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも名前が挙がる。同社の大原孝治社長は2019年3月の東洋経済のインタビューに対し、「(当時売却が噂された)西友よりむしろ、そごう・西武の売却話が出てきてもおかしくないだろう。西武渋谷店は非常に立地がよい」と、興味を示していた。 とはいえ、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、子会社化したユニーの経営立て直しを当面の課題として抱えている。ドンキとユニーのダブルネーム店舗の展開も緒に就いたばかり。9月25日の株主総会後には、大原氏が社長の座を退き、専務の吉田直樹氏が後任となる。マッキンゼー・アンド・カンパニーなどでコンサルタントとしての経験がある吉田氏が、そごう・西武についてどのような見方をしているのかは、現時点では不透明だ。 行方が混沌とするそごう・西武。セブン&アイが「持て余す」存在だけに、10月にはさらに踏み込んだ再建策が打ち出される可能性がある』、「10月にはさらに踏み込んだ再建策が打ち出される」ことはなかったが、どうなるのだろう。「ドン・キホーテ」はスーパーとならシナジー効果もあるかも知れないが、百貨店とは殆ど期待できない筈だ。

第三に、11月28日付け東洋経済オンライン「三越、日本橋本店に「ビックカメラ誘致」の真相 欧米の潮流を受け、家電量販店を初導入」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/316518
・『日本最古の百貨店と家電量販チェーンが結びついた。 百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングスは11月13日、基幹店の1つである日本橋三越本店に家電量販店の「ビックカメラ」を誘致すると発表した。 ビックカメラは新館6階フロアに、広さ約1200平方メートルの店舗を2020年春にオープンする。機能性やデザイン性の高い高級家電を取りそろえ、日本橋三越本店のコンシェルジュやスタイリスト(販売員)と連携して、顧客に商品を提案する。三越伊勢丹が店舗に家電量販店を受け入れるのは、初めてのケースとなる』、他でもない「日本橋三越本店」に誘致するとは、驚きだ。
・『老舗百貨店と家電量販店は不釣り合い?  今回の三越伊勢丹の発表に対して、百貨店関係者は一様に首をかしげる。「日本橋三越本店とビックカメラは、組み合わせとしてはマッチしないのではないか」(ライバル百貨店の中堅社員)。 業界関係者が疑問を持つのも無理はない。百貨店は高級感を大事にする。とくに、日本橋三越本店は、祖業である呉服屋「越後屋」発祥の地に立つ歴史ある店舗だ(越後屋の創業は1673年)。店頭に商品を陳列し、現金で販売をする日本の小売業態のスタイルは、この越後屋が広めたものだ。 その後、呉服屋から百貨店へと進化していく中で、中心顧客である富裕層に対して丁寧な接客を提供することで長期的な関係を構築してきた。 このような長い伝統を持つ百貨店と低価格を訴求する家電量販チェーンは、確かに不釣り合いのようにも映る。 また、百貨店業界では近年、百貨店が商品企画や品ぞろえを決める自主運営の売り場を縮小し、テナントを誘致する賃貸形式に移行する店舗が増えている。例えば、大丸松坂屋百貨店を擁するJ.フロントリテイリングは「脱百貨店」を標榜し、賃貸形式への移行を進めている。 2017年に東京・銀座に開業した商業施設「GINZA SIX」は、テナントから賃料を得る不動産ビジネスに特化した施設だ。 三越伊勢丹は自主運営の売り場にこだわってきたが、今回のビックカメラは賃貸形式での入居となる。そのため、三越伊勢丹もこうした業界の流れに沿って、今後は賃貸形式を増やしていくようにも見える』、「三越伊勢丹は自主運営の売り場にこだわってきたが、今回のビックカメラは賃貸形式での入居となる」、とはいっても、やはり違和感が拭えない。
・『欧米で増える「高級家電」売り場  しかし、ビックカメラの入居は三越伊勢丹全体の方針として、賃貸方式への移行を意味するのではない。「あくまで、品ぞろえ強化の一環」と三越伊勢丹は位置づける。三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長は「ビックカメラには、今までとは違う業態を考えていただいている。高級家電をお客に売ることを主眼にしている」と語る。 そのうえで、「欧米の百貨店では今、家電売り場が増えている。家電が進化していて、『高級家電』というジャンルが確立されている。とくに、欧州の百貨店は高級家電が自分たちのビジネスになることを理解し始めた。日本でももちろん、高所得者層も家電を購入される。そういったお客を、われわれのマーチャンダイジング(商品政策)で取り込んでいきたい」と話す。 さらに、杉江社長は日本橋地域に家電販売店が必要であることを強調する』、『高級家電』となると、「ビックカメラ」のイメージにふさわしくない感じもする。
・『「マーケット調査をしてみると、日本橋エリアに家電店がないことがわかった。地域の皆さまが困っているので、街に必要な機能を持つ必要性がある。また、百貨店は衣料品販売を拡大して儲かるビジネスモデルをつくってきたが、そこから拡縮(変化)してこなかった。われわれは、アパレルにこだわっているわけではない。売れないのであればそこを縮小して、時代に合った、売れるものを入れていくのが、小売業の使命だと思っている」 杉江社長がこのように考えるようになったきっかけは、1年ほど前のある出来事があった。 三越伊勢丹は、東京・新宿の土地・建物をビックカメラに貸している。その関係からビックカメラの宮嶋宏幸社長が杉江社長を訪問し、「ビックカメラは高級家電を扱っていて、品ぞろえはあるが、お客に訴える場所がない。百貨店を利用する富裕層は家電量販店にはあまり来ず、高級家電に触れることがない。みすみす商機を逃している」と訴えた。 欧米の百貨店が高級家電売り場を増やしていることを知っていた杉江社長は、宮嶋社長の話に「商機がある」と判断した。ただ、「高級家電を自分たちで仕入れて販売するのはとうてい無理」(杉江社長)なため、プロジェクトチームを設置して検討を重ね、日本橋三越本店にビックカメラをテナントとして入居させることになった』、「東京・新宿の・・・ビックカメラ」では、「高級家電」の売上は順調なのだろうか。
・『高級家電誘致は理にかなっている  小売業界に詳しい、ある経営コンサルタントは、「日本橋三越本店が品ぞろえ強化の一環として高級家電を取り入れることは、何も驚かない。高級家電のニーズは必ずある。例えば、オーディオメーカーのBOSEは高音質オーディオ機器などを売っており、こういったものを百貨店にそろえることは理にかなっている」と語る。 歴史を振り返ると、百貨店は品ぞろえを柔軟に増やすことで業容を拡大してきた。江戸時代は衣服を中心に扱い、「百貨店化」が進んだ明治時代の後半ごろからは、輸入品への願望が高まっていることを受け、欧米の化粧品や帽子、幼児用服飾品などを取りそろえた。 家族連れの顧客が増えた大正時代には食堂を設けて、和食やぜんざいなどを提供した。そして、1923年に発生した関東大震災を契機に、一般の消費者が生活で必要なものをそろえる必要性を実感し、食料品や一般雑貨、玩具といった日用品を増やしていった。かつては時代の変化やニーズを捉えることが巧みだったのだ。 ネット通販の台頭などの消費者行動の変化をうまく捉えられず、百貨店各社は売り上げが右肩下がりの苦しい状況にある。前出の百貨店中堅社員が指摘したように、三越本店へのビックカメラ誘致は「安売りの家電チェーンが入った」というイメージで顧客に受け止められる懸念もあるが、思惑どおりに高級家電という新しい売り場を確立できれば、販売回復への打開策となる可能性を秘める。 今回のビックカメラ誘致は、業界全体が「百貨店が求められているものは何か」を再考察するきっかけになるのかもしれない』、「ビックカメラ」の「デザイン(高級)家電」のホームページを見ると、BOSEの他にも、高級なトースターや電子レンジ、ダイソンの掃除機や扇風機などが掲載されている。
https://www.biccamera.com/bc/c/kaden/design/index.jsp
「今回のビックカメラ誘致」が狙い通り上手くいくのか、注目したい。
タグ:東洋経済オンライン 小売業 ダイヤモンド・オンライン 姫田小夏 (百貨店) (その3)(アジアの日系百貨店は「オワコン」か?中国やタイ資本に猛追される理由、そごう・西武の奇策「再雇用者リストラ」のわけ 希望退職実施が「百貨店再編」の引き金に、三越 日本橋本店に「ビックカメラ誘致」の真相 欧米の潮流を受け、家電量販店を初導入) 「アジアの日系百貨店は「オワコン」か?中国やタイ資本に猛追される理由」 アジアの主要都市で集客に苦労する日系百貨店は少なくない タイ資本のショッピングモールに圧倒される日本の百貨店 「凋落する日系、台頭するアジア系」 伊勢丹、東急百貨店など日系百貨店が進出するも、今やタイ資本のショッピングモールにすっかり圧倒され、その存在感は薄い 地元モールのキラーコンテンツは“食”だ こんな巨大なフードコートは日本ではお目にかかったことがない フロア構成も“日本の伝統”を踏襲するが、果たして現地のニーズを反映したものなのかどうか かつては東南アジアの花形といわれた商業施設だったが、進出も早かっただけに、“売り場のレトロ感”は否めない。すでに撤退した店舗もある 閑古鳥が鳴いていた上海高島屋でも「デパ地下」だけは人気だった 楽しさのプロデュースも計算ずく 東京はもはやアジア最先端ではない 「アジアティーク・ザ・リバー・フロント」 「夜市」的な食べ歩きスポットも非常に充実 バンコクには年間2300万人が訪れ、「世界渡航先ランキング2018」(米マスターカード社調べ)で4年連続1位を維持する。気になる東京は約1300万人で9位だ 「そごう・西武の奇策「再雇用者リストラ」のわけ 希望退職実施が「百貨店再編」の引き金に」 「ライセンス社員」と呼ぶ60歳から65歳までの再雇用者を対象にした希望退職を募り、8月31日付で実施 再雇用者のリストラは「聞いたことがない」 セブン&アイ入り後も収益は上向かず 身売り先候補に「ドン・キホーテ」の名も 「三越、日本橋本店に「ビックカメラ誘致」の真相 欧米の潮流を受け、家電量販店を初導入」 日本橋三越本店に家電量販店の「ビックカメラ」を誘致 老舗百貨店と家電量販店は不釣り合い? J.フロントリテイリングは「脱百貨店」を標榜し、賃貸形式への移行を進めている 欧米で増える「高級家電」売り場 高級家電誘致は理にかなっている
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