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トランプ大統領(その47)(大前研一「なぜトランプ大統領の再選は、絶望的になったか」 11月選挙までの注目は副大統領候補、米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない、超法規の政府職員を動員してデモ制圧に乗り出したトランプ、小田嶋 氏:「中二病」という都民の宿痾) [世界情勢]

トランプ大統領については、6月20日に取上げた。今日は、(その47)(大前研一「なぜトランプ大統領の再選は、絶望的になったか」 11月選挙までの注目は副大統領候補、米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない、超法規の政府職員を動員してデモ制圧に乗り出したトランプ、小田嶋 氏:「中二病」という都民の宿痾)である。

先ずは、7月19日付けプレジデント 2020年7月31日号が掲載したビジネス・ブレークスルー大学学長の大前 研一氏による「大前研一「なぜトランプ大統領の再選は、絶望的になったか」 11月選挙までの注目は副大統領候補」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/36896
・『トランプ大統領の再選はなぜ絶望的になったか  米中西部のミネソタ州ミネアポリスで、アフリカ系黒人男性ジョージ・フロイド氏(46歳)が白人警官の暴力によって死亡する事件が起きた。フロイド氏は偽造紙幣でタバコを購入しようとした疑いで街中で拘束され、地面に組み伏せた警察官の膝で約9分間も首を圧迫され続け死亡したのだ。事件の一部始終を撮影した動画がネットにアップされたこともあって、人種差別と黒人に対する警察の暴力を非難する声が瞬く間に全米に広がり、各地で大規模な抗議活動が行われ、さらには世界的な人種差別反対運動へと発展した。 警察の暴力行為によって黒人が死亡する事件は、アメリカでは後を絶たない。そのたびに世論は沸騰し、抗議集会やデモが繰り返されてきた。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と、それによる不況下で起きている今回の抗議活動は、規模や国際的な広がりにおいて過去のそれとは異なった印象を受ける。しかし、何よりも異様さが際立つのは、トランプ大統領の言動である。 私は2016年の大統領選挙以来、時々刻々、リーダーとしての資質に疑問を呈してきたが、今回の抗議活動に対するトランプ大統領の言動は「異様」を通り越して「異常」としか思えない。統治者としてあり得ない判断ミスを犯したと思う。 抗議運動の初期には略奪や破壊行為も起きたし、一部で夜間外出禁止令も発令された。しかし、地面に片膝をついてただじっと人種差別への抗議を示すなど、ほとんどの抗議デモは平和的に行われてきた。にもかかわらず、トランプ大統領は暴徒化した一部のデモ参加者を「国内テロ」と非難し、「無政府主義者がデモを過激化させている」と主張した。各州の知事に対して十分な州兵を投入して「抗議デモを制圧せよ」と呼びかけ、応じない場合には、「全土に連邦軍の派遣も辞さない」と警告、実際に首都ワシントン近郊に陸軍の憲兵部隊を待機させたのだ』、「トランプ大統領の言動は「異様」を通り越して「異常」としか思えない」、同感である。
・『共和党にもバイデン支持者が増え始めている  連邦軍の投入には野党民主党ばかりか、与党共和党や国防総省内からも反対の声が上がった。ホワイトハウスでも、マーク・エスパー国防長官と米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が米軍の動員に異を唱えて説得に当たった結果、大統領は何とか思いとどまったという。 トランプ大統領は「法と秩序」というフレーズを好んで使うが、デモ鎮圧に強硬姿勢を示す最大無二の理由は、20年11月の大統領選挙に向けて己を「法と秩序の大統領」「秩序の回復者」とアピールするためだ。抗議デモの最中、ホワイトハウスからほど近いセント・ジョンズ教会にわざわざ徒歩で出向いて、教会前で聖書片手にメディアの撮影に応じたのも、「福音派」と呼ばれる自らの支持基盤の宗教保守派にアピールする狙いがあったと言われる。 このとき平和的に抗議活動していた人々を催涙ガスやゴム弾で強制排除していて、迷彩服を着て教会に同行したミリー統合参謀本部議長は「私があの場にいたことは国内政治への軍の関与という認識をつくり上げてしまった」と、自らの行動を悔いて謝罪した。 米軍は一貫して政治的中立を保つことで世界最大の民主主義国家の守護神として国民の信頼を得てきた。ところが、軍の最高司令官であるトランプ大統領は、「再選」という自らの野望のために米軍さえも政治利用しようとした。米軍と国民の信頼関係さえも平気で分断しようとしたのである。 国民に銃口を向けることをためらって最高司令官の命令に従わなければ、軍のシビリアンコントロールは崩壊する。かといって命令に従って平和的な抗議デモを力で鎮圧すれば、アメリカが非難してやまない天安門事件の再現である。どちらに転んでも分断の傷口は広がって、米国の民主主義は存続の危機に立たされることになるのだ。 トランプ政権は発足以来、閣僚や高官の解任や辞任が相次いで、発足3年半にして閣僚クラスが2回転以上も入れ替わっているという。それだけ愛想を尽かして政権を離れた人が多いわけで、ジョン・ボルトン元大統領補佐官のように暴露本を出版する人も出てくる。シリア駐留米軍の撤退に抗議して辞任したジェームズ・マティス前国防長官(退役海兵隊大将)も、抗議デモをめぐるトランプ大統領の一連の言動を痛烈に批判している。 「アメリカ軍のすべての将兵は、アメリカ国民をアメリカの敵から守るために命を投げ出すことになっても戦うことを憲法上誓約している。そのようなアメリカ軍を憲法上の権利を擁護しようと抗議運動に参加している国民に差し向けるとは何事か!」「トランプ氏は私の人生でアメリカ国民を1つにまとめようとしない、あるいは団結させようと見せかけもしない、それどころかアメリカ国民を分断させようとしている初めての大統領だ」 民主党のオバマ前大統領、クリントン元大統領、カーター元大統領など歴代の大統領からも政権批判が相次ぎ、オバマ前大統領は「本当の変化には抗議だけではなく、政治も必要。変化をもたらす候補者を確実に当選させるように組織化していかなければいけない」と訴えた。 大統領経験者が現職リーダーを正面切って批判するのは異例だが、同じ共和党内でもジョージ・W・ブッシュ元大統領やミット・ロムニー上院議員らが、20年11月の大統領選挙でトランプ大統領の再選を支持しないと表明した。同じ共和党重鎮のコリン・パウエル元国務長官も、トランプ大統領の抗議行動への対応は「憲法から逸脱している」と厳しく批判し、大統領選挙では民主党のジョー・バイデン前副大統領を支持すると言い切った。 また、歌手のテイラー・スウィフト氏も「就任以来、白人優位主義と人種差別の火をたきつけてきた」とトランプ大統領を批判、「11月に投票によってあなたを退陣させる」とツイートした。彼女のツイッターのフォロワーは8600万人。影響は決して小さくないだろう。 アメリカの新型コロナウイルスの感染者数は250万人を超え、死者数は12万人を超えた(20年6月29日現在)。トランプ大統領は事態を軽視して初動を誤ったとの批判もあるし、感染対策をめぐるニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事とのバトルではポイントを失った。ただし、誰が大統領でも感染拡大を防げなかったという見方もある。従って、トランプ離れ、反トランプの流れを加速した最大の理由は、やはり暴行死事件や抗議デモに対する自身の常軌を逸した言動なのだ』、「アメリカ軍のすべての将兵は、アメリカ国民をアメリカの敵から守るために命を投げ出すことになっても戦うことを憲法上誓約している。そのようなアメリカ軍を憲法上の権利を擁護しようと抗議運動に参加している国民に差し向けるとは何事か!」、との「マティス前国防長官」の批判は強烈だ。「トランプ離れ、反トランプの流れを加速した最大の理由は、やはり暴行死事件や抗議デモに対する自身の常軌を逸した言動なのだ」、「大前」氏の見立てはその通りなのだろう。
・『アメリカで注目を集めるのは副大統領候補  大統領選挙の世論調査を見ると、20年3月くらいまではトランプ大統領と民主党のバイデン氏の支持率は拮抗していたが、20年5月に入ってバイデン氏が完全にリードした。米国内のあらゆる世論調査でバイデン氏が優位に立ち、州別の分析でもトランプ大統領が有利な州は1つもなくなった。 先の大統領選挙でトランプ大統領の誕生を後押ししたプアホワイト(白人の低所得者層)にしても、この3年半でトランプ大統領に救われたわけではない。むしろ、コロナ不況でアメリカの失業率は急上昇して、プアホワイトの生活はより苦しくなっている。トランプ大統領は20年5月の失業率が改善したことを「アメリカ史上最大の復活」と臆面もなく自画自賛したが、20年5月の失業率は依然として10%オーバーの高水準。このまま大統領選挙に突入する公算が高いが、高失業率を改善できなかった「失業大統領」が勝ったことは、これまで1度もない。 一方、民主党のバイデン氏は、オバマ政権の副大統領として知名度はあるが、失言癖やセクハラ疑惑、外国企業をめぐる息子の汚職疑惑など、すねの傷もある。バイデン氏の場合に注目されるのは、当人のリーダーとしての資質よりも、副大統領候補に誰を指名するかだ。バイデン氏は「女性を選ぶ」と明言しているが、民主党にはカマラ・ハリス上院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員など弁の立つ女性が揃っている。77歳というバイデン氏の年齢からすれば、指名された副大統領は、次の大統領の有力候補になるのだ。 トランプ陣営の副大統領候補はこのままいけばマイク・ペンス副大統領になるだろうが、こちらはまったくキャラが立たない。トランプ大統領は自分には手に負えないとばかりにペンス副大統領を新型コロナ担当に任命したが、存在感はちっともない。当然、再選の助けにもならない。 トランプ大統領が約3カ月半ぶりに開いた選挙集会は、空席ばかりが目立った。逆風に吹きさらされる中、「トランプ大統領は常にうまくいかない事業を投げ出してきた。今回の大統領選挙も共和党大会までに投げ出すのでは」という見方をする人さえ出てきている。 帽子から鳩が飛び出すようなマジックでも披露しない限り、状況は反転しそうにない。側近を身内で固めたトランプ再選の目は、限りなく厳しいと見る』、「バイデン氏」はあと1つパンチに欠けるが、強力な「副大統領候補」を立てて、勝利してもらいたいものだ。

次に、7月21日付けNewsweek日本版「米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない」との驚きのニュースを紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/post-94012_1.php
・『<大統領選挙で負けたら辞めるか、という質問に「単純にイエスとは言えない」「不正が行われるかもしれない」と、このまま居座る気満々。コロナ対策の郵便投票を不正の温床と批判しているのも、辞めないための狡猾な伏線だ> ドナルド・トランプ大統領が11月の大統領選で負けても辞めない可能性を考えて、米国民は備えをしておかなければならない――反トランプを掲げる非営利団体「スタンドアップ・アメリカ」はこう訴えている。 トランプは7月19日に放送されたFOXニュースのインタビューの中で、選挙に敗れたらどうするかという度重なる質問に、はっきりと答えなかった。草の根運動を展開する同団体はこれを受け、トランプは「アメリカの民主主義を脅かす」存在だと非難している。 トランプは選挙結果を受け入れるかという問いに対し、単純にイエスとは言えない」と答えた。「選挙で不正が行われれば辞めない」などと最後まで言い逃れを続けた。 スタンドアップ・アメリカはトランプのこうした発言について、票が投じられる前から、有権者の間に投票結果に対する疑念を植えつける「狡猾な」やり方だと批判している。11月の大統領選に関する各種世論調査では現在、民主党の指名獲得を確実にしているジョー・バイデンが優勢となっている。 トランプは(コロナ禍の影響で)急増している郵便投票について、本選の結果の正当性を損なうことになると証拠もなく繰り返し主張。「外国政府が数百万枚の郵便投票用紙を偽造して、一大スキャンダルになる!」などと根拠のない主張を行ってきた』、民主主義の根幹をなす選挙制度に対して公然と挑戦しているようだ。
・『2024年以降も居座る  トランプは2016年の大統領選についても、自分が一般投票で(クリントンに)負けたのは「何百万もの」不正投票があったせいだと主張したが、実際に不正投票があったことを示唆する証拠は出ていない。また米大統領は2期までという任期制限があるが、トランプは2期を超えて大統領の座にとどまる可能性も示唆しており、ツイッターに(2期目が終わる)2024年以降の4年毎の選挙スローガンを掲げる映像や、「トランプ2188」「トランプ9000」「トランプ4Eva(フォーエバー)」などの言葉を投稿している。 スタンドアップ・アメリカのショーン・エルドリッジ創業者兼社長は声明を発表し、トランプが選挙結果を受け入れるかどうか明言を拒んだことは、彼が「法の秩序をまったく尊重していない」ことを示していると批判した。 「トランプはこの5年間、外国政府に干渉をそそのかしたり、有権者の不正について根拠のない主張をしたり、2016年の選挙結果について嘘をついたりして、この国の選挙を台無しにしようとしてきた。アメリカ国民は、トランプが負けを認めることを拒んだ場合に備えるべきだ。我々はそれに立ち向かう備えをしておくつもりだ」 スタンドアップ・アメリカは6月に、同じく草の根運動を展開する組織「インディビジブル」と共同で「プロテクト・ザ・リザルツ(結果を守れ)」運動を立ち上げた。トランプが選挙結果の受け入れを拒んだ場合、あるいは結果が確定していないのに勝利を宣言しようとした場合に行動を起こすために、「何百万人ものアメリカ人」のネットワークを築くことが目的だ。 「嫌な予感がしている。トランプは過去3年半、この国の民主主義を弱体化させ、制度化された規範を無視してきた」と、インディビジブルのエズラ・レビン共同事務局長は言う。「彼は11月3日の投票後にも、それと同じことをしようとしている」 トランプが選挙結果の受け入れについて明言しなかったことについては、米議員の間からの批判の声が上がっている。大統領選に向けて民主党から立候補を表明し、3月に選挙戦を撤退したエイミー・クロブチャー上院議員は、「(投票結果が尊重されるから)私たちは投票するのであり......議会と憲法があるのだ」とツイッターに投稿。「私たちは独裁体制下に暮らしている訳ではない」と主張した』、「「プロテクト・ザ・リザルツ(結果を守れ)」運動を立ち上げた」、万が一、落選後も居座ろうとした場合、一体、どうするのだろう。
・『「公正な選挙ならトランプが勝つ」  ニュージャージー州選出のビル・パスクレル下院議員(民主党)は、こう述べた。「トランプだけではない。共和党の上院議員と下院議員あわせて248人のうち圧倒的多数が(弾劾裁判で)トランプを罷免せずに彼の権威主義を支持する票を投じた。共和党の指導部は、民主主義が自分たちの支配への脅威だと考えているからだ」 トランプ陣営の広報担当者であるティム・マートーは本誌への回答の中で、次のように述べた。「本人の希望に関係なく全ての登録有権者に投票用紙を郵送するなど、選挙を完全なものではなくそうとするのが、今や民主党の目標となっている。彼らは偽造投票への道を開こうとしている。郵便投票では、ニューヨークやニュージャージーなどで問題が起きている。死んだネコに投票用紙が送られた例もある」 マートーはさらにこう続けた。「こうした背景を考えると、ペテンの王様である民主党が11月に向けて何をしようとするか、分かったものではない。確かなのは、自由で公正な選挙では、トランプ大統領が勝利するということだ」』、「トランプ陣営の広報担当者」らしい主張だ。

第三に、7月21日付けNewsweek日本版が掲載した在米作家の冷泉彰彦氏による「超法規の政府職員を動員してデモ制圧に乗り出したトランプ」を紹介しよう。これも驚きのニュースだ。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2020/07/post-1177_1.php
・『<デモ隊を制圧した謎の「迷彩服集団」は、国土安全保障省が組織した政府職員のグループであることが判明> 今年5月末にBLM(Black Lives Matter)の運動が全国に拡大したなかで、トランプ大統領はデモ隊を敵視して、実力行使を宣言してきました。自分は「法と秩序を実現する大統領」だとして、デモ隊のもたらす無秩序を制圧するのが任務だというのです。 例えば、6月1日には、ワシントンDCにおける平和的デモを敵視して、正規軍の投入を示唆しましたが、この時にはエスパー国防長官が拒否しています。ちなみに、トランプの忠臣と思われていたエスパー長官は、この一件で大統領の不興を買ってクビになるという観測がありましたが、結果的に更迭はされませんでした。 その理由としては、連邦の正規軍が自国市民に銃口を向けることへの「拒絶」は「軍の総意」だったから、という見方があります。ですが、トランプはその後も、連邦政府としての実力行使によってデモ隊を制圧する構想を何度も口にしていました。 例えば、6月8日にワシントン州シアトル市の「キャピトル・ヒル」地区がデモ隊によって占拠され「解放区」となった際に、大統領は軍の投入による制圧を何度も匂わせましたが、そのたびにインスリー知事やダーカン市長などの強い拒絶にあっています。この占拠については、域内で発生した銃撃事件を契機に、シアトル市警が整然とした排除行動を行い、占拠側も順次退去したことで7月1日に終了しています。 大統領としては結果的に連邦政府としての介入のチャンスを失ったわけですが、それでも諦めていなかったようです。その後、7月17日になって、大統領は予想外の形で介入を始めたのです』、「トランプ大統領は・・・「法と秩序を実現する大統領」だとして、デモ隊のもたらす無秩序を制圧するのが任務だというのです」、「連邦の正規軍」投入が拒否されても、代替策を探っていたようだ。
・『ポートランドに出現した謎の集団とは  場所は、シアトルから南に3時間ほど走ったオレゴン州のポートランド市。ここも、リベラルなカルチャーの強い地区で、俗に言う「アンティファ(Anti-Fa、反ファシズムの略)」の拠点だと思われている街です。その「アンティファ」というのは、トランプが「テロ団体指定」をしているのですが、実際は組織ではなく、反ファシズムをスローガンに掲げた一種の文化運動のようなものですが、確かにポートランドはそうした運動が盛んな街に違いはありません。 ちなみに、「アンティファ」というのは、このポートランドで行われた右派の集会に対する「カウンター行動」として登場したのが契機と言われています。そのポートランドでは、5月以来「BLM」のデモは断続的に続いていました。トランプはこれを標的として動き始めたのです。 具体的には、迷彩服を着た謎の集団がデモ隊に襲いかかり、リーダー格の人間を一方的に拘束するという活動です。その迷彩服ですが、組織を示すエンブレムもないし、階級・氏名などを明示した正式な制服ではなく、謎に包まれた存在でした。ですが、その実体は「国土安全保障省(ホームランド・セキュリティ)」の職員ということが分かりました。 この行動に対して、オレゴン州のブラウン知事、ポートランドのウィーラー市長、そしてポートランド市警などは一斉に激怒しています。というのは、国土安全保障省がこのような形で、実力行使をするとか、捜査権を使ったり逮捕拘禁を執行したりという法律はないからです。つまり超法規的な私兵として、謎の迷彩服集団を投入してデモ隊に暴力を加えているということになります。 連邦議会でもこの超法規的な暴力集団については問題になっているのですが、調子に乗った大統領は、「民主党の地方政治が治安を悪化させている都市には順次投入する」と息巻いており、とりあえずシカゴ、ニューヨーク、フィラデルフィアなどに活動範囲を拡大すると言っています。 左右対立を煽って一緒に「敵」を叩くことで、支持者を喜ばせ、投票所に行かせるという行動を続け、政治的勢いをキープするのは大統領にとって常套手段です。そんなトランプ大統領としては、この「迷彩服集団」によってデモ隊を挑発し、暴力行為に駆り立てながら徹底的に叩くという図式を作りたいようです。 ですが、最悪の場合は地元警察が武装してデモ隊を守る構図も予想され、かえって自分の首を絞める危険もあります。何しろ根拠法のない暴力行為というわけですから、落選して退任した後には刑事責任を問われる可能性も十分にあるのです。 一連の「マスク着用拒否戦術」が、あまりに深刻な南部・中西部の感染拡大のために崩れた今、このような乱暴な手段でしか「対立を煽る」という「いつもの手段」を形にできない、大統領はそんなところまで追い詰められているのかもしれません』、「超法規的な私兵として、謎の迷彩服集団を投入してデモ隊に暴力を加えている」、法治国家でこんなことが行われたというのは信じ難い。「落選して退任した後には刑事責任を問われる可能性も十分にある」、当然のことだ。

第四に、7月3日付け日経ビジネスオンラインが掲載したコラムニストの小田嶋 隆氏による「「中二病」という都民の宿痾」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00077/?P=1
・『昨年の夏に、Spotify(スポティファイ)という音楽配信サービスに会員登録した。実は、それ以前に、似たような会員制の配信サービスであるApple MusicとAmazon Musicに加入している。サービス内容がカブっていることは、承知している。ただ、いくつかのコンテンツやアーティストについては、サービス運営会社ごとに若干の異同があって、現状では、すべてを聴くためには、3つのサービスを網羅せねばならなかったりするのだ。なので、90%以上のコンテンツに関して、まったく同じ楽曲をカバーしているほぼ同一内容の3つの配信サービスを、重複して利用している。 無駄といえば無駄ではある。 でも、不思議ななりゆきではあるのだが、どうやら、私は、こと音楽に対しては、積極的に無駄遣いをしたいみたいなのだ。 事実、10代の頃から、この分野にはずっと不毛な投資を繰り返してきた。 アナログで揃えたコレクションを、CDで買い直しただけでは飽き足らず、目新しいリミックスが出たり、ボックスセットが発売されたりする度に、何度でも買い足してきた。そうした献身の果てに、私という人格が形成されている。 音楽が私を作ったというのは、さすがに言いすぎなのだろうが、無駄遣いが私を作った部分は、少なからずあると思っている。投資は、それが無駄で見返りのない蕩尽であればあるほど、カネを費やした当人を向上させる。私はそう思っている。なぜそう思うかというと、そうでないと計算が合わないからだ。 CDであれ楽曲ファイルであれストリーミングコンテンツであれ、鳴っている音楽に大きな違いはない。リミックスの方向性や味付けが多少違っていたところで、結果として出てくる音はほぼ同じだ。それに、私のオーディオ環境は、微妙なリミックスの差を再現できるような高級なブツではない。私自身の聴力も、長年のカナル型イヤホンによる酷使のせいなのか、同年配の人々のそれよりは明らかに早期劣化している。 それでも、音楽への投資はやめられない。 おそらく、私は、音楽自体を求めているのではない。 からくりとしては、音楽にカネを使ったという実感が、私に心理的な報酬をもたらす……という回路が形成されているのだと思う。 まるで実験室の中の、薬物の出るスイッチを押すネズミだ。 あるいは、資本主義の世界で暮らす人間である私たちは、貨幣を使うことによってしか満足を得られない主体として条件づけられているということなのかもしれない。 原稿を書く時は、そのSpotifyの「お気に入り」にマークアップした楽曲を、ランダム設定で流すことにしている。 で、さきほど、意外な曲に心を奪われて、音楽の力にあらためて感じ入っている次第だ。 それは、"Us and Them"というタイトルの5分ほどの曲で、ピンク・フロイドの"The Dark Side of the Moon(狂気)"という1973年発売のアルバムに収録されているものだ。 あるタイプの楽曲は、その曲に耽溺していた時代の自分自身の気分や経験を、正確に冷凍保存している。であるからして、うっかりしたタイミングで当該の楽曲を再生したリスナーは、手もなくタイムスリップしてしまう。 実は、昨晩、Spotifyの「お気に入り」をランダム再生していたところ、それこそ何十年かぶりに"Tubular Bells"というアルバムのB面が突然鳴り出して、おかげで私は、10代の頃の鬱屈と孤独と焦燥がないまぜになったどうにも整理のつかない気分のまま眠りに就いたのだが、朝起きてみて、PCを立ち上げてみたところが、今度は"Us and Them"である。 まったく油断もスキもあったものではない。 "Us and Them"は、私が最も偏向した考えに取り憑かれていた時代に、いやというほど繰り返し聴いていた曲で、それゆえ、これが鳴ると、私の脳内は、思うにまかせない世間への憎悪でいっぱいになってしまう』、「投資は、それが無駄で見返りのない蕩尽であればあるほど、カネを費やした当人を向上させる」、趣味とはそんなものなのかも知れない。
・『直訳すれば「オレたちとあいつら」といったほどの意味のタイトルを持ったこの曲は、しかしながら、内容的には、さして深遠な作品ではない。 いくつか思わせぶりなフレーズが散りばめられてはいるものの、素直に読めば若干のシニシズムを漂わせた、よくある70年代ロックのひとつに過ぎない。 ところが、「狂気」を毎晩ヘッドホンで聴いていた当時の私は、この歌の歌詞を思い切り大げさに解釈して、心から賛同しているパラノイアだった。 もちろん、全面的ないしは全人格的にパラノイアだったというわけでもないのだが、少なくとも音楽を聴いている間はパラノイアだった。結局、ロックミュージックにハマっていた当時の私は、多くの病んだマニアと同じく、パラノイアックな考えを脳内に展開するためのスイッチとして、音楽を利用していたということなのだろう。 そうでなくても、特定の作品から、作者が創った以上のものを引き出すことのできる人間をマニアと呼ぶのであれば、私は、当時、まぎれもないマニアだった。 とにかく、どういう道筋からそう考えていたのかは、いまとなってはわからないのだが、当時、私は、この作品の中で歌われている"Them"すなわち「あいつら」こそが、世界を牛耳っている者の正体なのである、という考えを心の中にあたためている穏やかならぬ若者だった。 「あいつら」は、特定の組織や体制ではない。 しかし、「あいつら」は、確実に実在する。 その、誰にとっても決して自分自身ではない永遠の他人である「あいつら」という不定形な人間集団こそが、この世界を自在に動かしている主体であり、また民主主義の「主」とされる「民」でもある……てなことを、私はわりと真剣に考えていたわけなのである。 「中二病」という言葉は当時はまだ発明されていなかった。 しかし、こうしてみると、私の17歳の自画像は、見事なまでに典型的な中二病の症状を呈している。なんというのか、私は世界の秘密を解明し得たつもりでいたのだね。哀れなことに。 その70年代当時のオダジマのものの見方をあてはめて、現在の世界を解釈してみると、たとえば、2日後に投票日がやってくることになっている東京都知事選挙は、あいつら(Them)が、自分たちの思惑を、オレたち(Us)の意思であるかのように見せかけるために仕組んだ巧妙な詐術だ、てなことになる。 なるほど。 「オレたち」は、もちろん「あいつら」よりも賢い。 なのに「オレたち」は、常に、その愚かな「あいつら」に敗北し続けている。 なぜだろう。 理由は簡単で、多数決民主主義が機能している場所では、少数派は必ずや多数派に敗北する決まりになっていて、しかも、ほとんどすべての評価軸において、賢明な人間は愚かな人間よりも数が少ないからだ  なるほど。 中二病の考察によれば、数の多さを競っている限りにおいて、上品な人間や賢い人間や趣味の良い人間は、絶対に下品な人間や愚かな人間や悪趣味な人々に勝てないらしい。 そして、われわれはまたしても敗北することになっている。 もう何十年も前に中二病を克服したにもかかわらず、だ。 中二病は、あるいは、都民の宿痾だったのだろうか。 それどころか、マッカーサー元帥が喝破した通り、われわれは永遠に12歳(注)だと、そういうお話なのだろうか』、「多数決民主主義が機能している場所では、少数派は必ずや多数派に敗北する決まりになっていて、しかも、ほとんどすべての評価軸において、賢明な人間は愚かな人間よりも数が少ないからだ  なるほど。 中二病の考察によれば、数の多さを競っている限りにおいて、上品な人間や賢い人間や趣味の良い人間は、絶対に下品な人間や愚かな人間や悪趣味な人々に勝てないらしい」、面白い考察だ。「マッカーサー元帥の「日本人12歳説」」、とは思い上がった見方だ。
(注)マッカーサー元帥の「日本人12歳説」:1951年、アメリカ上院軍事外交合同委員会で、科学、美術、宗教、文化などの発展の上から見て、アングロ・サクソン民族が45歳の壮年に達しているとすれば、ドイツ人もそれとほぼ同年齢である。しかし、日本人はまだ生徒の段階で、まだ12歳の少年であると述べた(国土技術センターJICEの部屋)
・『話題を変える。 これまで、公の場でのマスクの着用を頑なに拒んできたトランプ大統領が、7月に入るや、にわかにマスクの着用を「全面的に支持する」と言い始めているのだそうだ。 たしかに、トランプ氏のラリー(支持者集会)をとらえた映像を見ると、会場に結集した支持者たちは、ほぼ全員がマスクをしていない。あの動画は、さぞや各方面から悪評を招いたはずだ。 トランプ支持者がマスクをしないせいなのかどうかはわからないが、アメリカでは、いち早く対策を打ち出したニューヨークをはじめとするいくつかの州を除くと、新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収束していない。 それで、トランプ氏は、マスク着用についての態度を改めたのだろうか。 理由はわからない。 ともあれ、彼が非を認めるのは極めて珍しい出来事ではある。 これは裏目に出るかもしれない。 というのも、トランプ氏の人気は、その頑迷さ(コアな支持層から見れば「強さ」)を含みおいた上のもので、「ブレるトランプ」てなことになったら、その魅力(←もちろん「支持者にとっての」という但し書き付きだが)は、半減してしまうはずだからだ。 この先のさまざまな政治日程の中で、私が個人的に最も気にかけているのは、11月の大統領選挙で、トランプ氏が再選されるのかどうかだ。 そのアメリカの大統領選挙の結果が全世界に及ぼすであろう影響力の大きさに比べれば、都知事選も、この秋にやってくるかもしれない総選挙も、たいした意味はないとさえ感じている。 理由は、日本のリーダーも、都民のリーダーも、結局のところ、アメリカのボスがどう振る舞うのか次第で態度を変える変数に過ぎないと思うからだ。 安倍首相ご自身にしてからが、アメリカのトップがオバマ大統領だった当時の振る舞い方と、トランプ氏がホワイトハウスに入ってから後の態度を比べてみると、驚くほど(もちろん悪い方に)変わってしまっている。 もちろん、モリカケ問題の端緒はオバマ時代から潜在していたわけだし、ネポティズムもお友達政治も、すべては政権発足当初から一貫した傾向だ。 しかし、それらの欠点を堂々と押し通す図々しさが、トランプ時代に入ってからよりあからさまになったことは誰の目にも明らかだと思う。 《安倍さんが露骨にグレたのは、アメリカのボスがトランプになって以来だと思います。なんか、中学校にあがって悪い友達ができたバカな中学二年生みたいな感じですよ。あたしとしては、本人の更生はもうどうでも良いです。それよりトランプ番長が少年院送りになることを願っています。ぜひ。午前0:33 2020年6月29日》 というこのツイートは、5000件以上の「いいね」を集めている。 バラけた原稿だと思っている読者がたくさんいるはずだ。 支離滅裂と思っている人も少なくないだろう。 中二病という視点から読み直してみると、一応ひとつながりのスジは通っている。そう思ってどうか、ご寛恕いただきたい。 読者のみなさんの多くは、すでに中二病を卒業した賢明な大人であるはずだ。 かく言う私も、さすがに還暦を過ぎて、中二病とは縁が切れたと思っている。 ただ、正直なところを申し上げるに、話題が政治となると、自分の中で中学二年生が動き出す傾向は否定しきれない。 わがことながらなさけないことだと思っている。 とはいえ、政治は、そもそも中二病患者が担うべき仕事なのかもしれない。 ひと回りして、そういう考え方もアリなんではなかろうか。 いっそ選挙権年齢を14歳に引き下げれば色々なことがはっきりするはずだ。 ……という結論は、いかにも中二病だな。もうしわけない』、「安倍さんが露骨にグレたのは、アメリカのボスがトランプになって以来だと思います。なんか、中学校にあがって悪い友達ができたバカな中学二年生みたいな感じですよ。あたしとしては、本人の更生はもうどうでも良いです。それよりトランプ番長が少年院送りになることを願っています」、秀逸な「ツイート」だ。安部首相は大統領選挙前に退陣する可能性もありそうだ。
タグ:大前 研一 日経ビジネスオンライン 冷泉彰彦 Newsweek日本版 トランプ大統領 小田嶋 隆 (その47)(大前研一「なぜトランプ大統領の再選は、絶望的になったか」 11月選挙までの注目は副大統領候補、米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない、超法規の政府職員を動員してデモ制圧に乗り出したトランプ、小田嶋 氏:「中二病」という都民の宿痾) プレジデント 2020年7月31日号 「大前研一「なぜトランプ大統領の再選は、絶望的になったか」 11月選挙までの注目は副大統領候補」 トランプ大統領の再選はなぜ絶望的になったか トランプ大統領の言動は「異様」を通り越して「異常」としか思えない 共和党にもバイデン支持者が増え始めている トランプ離れ、反トランプの流れを加速した最大の理由は、やはり暴行死事件や抗議デモに対する自身の常軌を逸した言動なのだ アメリカで注目を集めるのは副大統領候補 「米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない」 大統領選挙で負けたら辞めるか、という質問に「単純にイエスとは言えない」「不正が行われるかもしれない」と、このまま居座る気満々。コロナ対策の郵便投票を不正の温床と批判しているのも、辞めないための狡猾な伏線だ 2024年以降も居座る 「超法規の政府職員を動員してデモ制圧に乗り出したトランプ」 デモ隊を制圧した謎の「迷彩服集団」は、国土安全保障省が組織した政府職員のグループであることが判明 「法と秩序を実現する大統領」だとして、デモ隊のもたらす無秩序を制圧するのが任務 ポートランドに出現した謎の集団とは 国土安全保障省(ホームランド・セキュリティ)」の職員 実力行使をするとか、捜査権を使ったり逮捕拘禁を執行したりという法律はない 超法規的な私兵として、謎の迷彩服集団を投入してデモ隊に暴力を加えている 落選して退任した後には刑事責任を問われる可能性も十分にある 「「中二病」という都民の宿痾」 投資は、それが無駄で見返りのない蕩尽であればあるほど、カネを費やした当人を向上させる マッカーサー元帥が喝破した通り、われわれは永遠に12歳 多数決民主主義が機能している場所では、少数派は必ずや多数派に敗北する決まりになっていて、しかも、ほとんどすべての評価軸において、賢明な人間は愚かな人間よりも数が少ないからだ  なるほど。 中二病の考察によれば、数の多さを競っている限りにおいて、上品な人間や賢い人間や趣味の良い人間は、絶対に下品な人間や愚かな人間や悪趣味な人々に勝てないらしい 安倍さんが露骨にグレたのは、アメリカのボスがトランプになって以来だと思います。なんか、中学校にあがって悪い友達ができたバカな中学二年生みたいな感じですよ。あたしとしては、本人の更生はもうどうでも良いです。それよりトランプ番長が少年院送りになることを願っています
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