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外国人労働者問題(その15)(驚くほど真っ黒だった「ノリ弁」 入管民営化に漂う不信(無料部分)、「不法就労する外国人」激増させた日本の大失態 「300万円の罰金」国から請求された経営者も、“新移民国家”日本 失踪する技能実習生1万人と新型コロナ対策) [社会]

外国人労働者問題については、昨年10月25日に取上げた。今日は、(その15)(驚くほど真っ黒だった「ノリ弁」 入管民営化に漂う不信(無料部分)、「不法就労する外国人」激増させた日本の大失態 「300万円の罰金」国から請求された経営者も、“新移民国家”日本 失踪する技能実習生1万人と新型コロナ対策)である。

先ずは、5月22日付け朝日新聞「驚くほど真っ黒だった「ノリ弁」 入管民営化に漂う不信」の無料部分を紹介しよう。
https://www.asahi.com/articles/ASN5M6WJCN5MUUPI005.html
・『外国人専門の中堅の人材派遣会社が、不正な申請で多くの外国人を呼び寄せているのではないか――。そんな情報をもとに、朝日新聞の取材班が本格的に動き出したのは昨年夏のことだった。この人材派遣会社は、出入国在留管理庁(入管庁)の名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の窓口業務を担っているという』、興味深そうだ。
・『外国人入国で虚偽の契約書提出か 入管業務担う派遣会社  私は驚いた。 入管といえば、日本で働く外国人の入国審査をしたり、在留資格の延長の可否などを判断したりする「役所」である。その窓口の仕事をしているのが公務員ではなく民間企業の人たちなのだという。しかも、外国人専門の人材派遣会社。外国人受け入れの利害関係者が役所の窓口の仕事をしているとは、外国人問題を取材してきた私にとって思いもよらないことだった。 次から次へと疑問が浮かんだ。 なぜ役所の仕事を、公務員でなく民間企業の人たちがやっているのか。 どうして人材派遣会社がその役所仕事を請け負うことになったのか。 外国人受け入れの当事者である人材派遣会社に公的な仕事を任せて大丈夫なのか。 不正の有無を調べる取材と並行して、これらの疑問を解くための取材を始めた。相手は役所である。ふつうに取材していけば、それほど時間をかけずに疑問は解けるだろうと思っていた。だがそれは甘い期待だったと、後になって思い知ることになる。 最初の疑問。窓口業務をなぜ民間に任せることになったのか、経緯を調べた。ルーツは小泉政権時代(2001~06年)にさかのぼる。 小泉政権の代名詞といえば「郵政民営化」だが、民営化したのは郵政だけではなかった。当時、小泉純一郎首相のブレーン的存在だった経済学者の竹中平蔵氏(現パソナグループ会長)が旗振り役となり、さまざまな行政サービスの民営化を進めたのだ。 そこで登場したのが「市場化テスト」というやり方だ。公共サービスの担い手を決める入札に、役所(官)と企業(民)が対等な立場で参加するしくみで、官民を問わず、より効率的に仕事ができるところに業務を任せるというものだ。やみくもに民営化してしまうのではなく、「テスト期間」を設けることで官民を競わせながら、うまくいくところは民間に任せていくという狙いだ。 入管の窓口業務の民営化も、この「市場化テスト」をつかって進められた』、あの「竹中平蔵」の置き土産とは・・・。「民営化」そのものには賛成だが、監督・摘発権限を持った「入管の窓口業務」には馴染まず、反対である。
・『波乱続きだった「入管民営化」  ここで入管という役所の組織図をおさらいしておく。 法務省の管轄下にある入管庁の下に、全国8カ所にある地方入管がぶら下がっている。この地方入管が、在留資格の更新などの実務を担う。 地方入管のうち、東京、名古屋と大阪の3カ所について、窓口業務などの民営化をめざした市場化テストが11年度に始まった。 「入管民営化」のプロセスを調べてみると、じつは波乱続きだった。東京入管の窓口業務を最初に請け負った事業者は2年目に経営破綻(はたん)し、その後は国の直営、さらに公益財団法人である入管協会と、担い手はめまぐるしく変わった。 14年度に受託した民間企業は「取扱件数が想定より多い」と撤退してしまった。国側は「3年契約」をもくろんでいたが、単年度ごとの契約にならざるを得なかった。 こうしたゴタゴタにもかかわらず、民営化の是非を判定する国の「官民競争入札等監理委員会」は入管窓口業務の民営化を「妥当」と判断。19年度からは法務省が業者選びの入札や契約をするようになった。 不正申請が疑われる人材派遣会社が、名古屋入管の窓口業務の委託先を決める入札で落札したのは、まさにこのタイミングだった。 19年度からは、入札のやり方も変更されていた。入札価格だけでなく企業の業務遂行能力などを総合的に判断して決める「総合評価方式」から、最低価格を提示した企業がそのまま落札する「最低価格方式」に変わったのだ。 価格だけで決まるしくみは、取材対象となった人材派遣会社のような比較的規模の小さい業者にとってチャンスといえる。 そこで新たな疑問が浮かぶ。なぜこのタイミングで入札方式を変えたのだろう? 名古屋入管に取材を申し込み、電話やメールで問い合わせてみたが、よくわからない。 46枚のノリ弁(入管業務民営化の裏にある真実に迫ろうと、取材班の藤崎麻里記者はその一部始終を調べるため情報公開請求をしました。しかし、今度は役所が公開した書類そのものに疑念を持たざるをえない事態が生じます。その後のやりとりを詳報します。(無料ここまで)』、「不正申請が疑われる人材派遣会社が、名古屋入管の窓口業務の委託先を決める入札で落札」、とは信じられない。「入管の窓口業務」が、利害関係者である業者に委託されているのでは、公正な業務遂行は期待できない。

次に、6月10日付け東洋経済オンラインが掲載した経済ジャーナリストの夏目 幸明氏による「「不法就労する外国人」激増させた日本の大失態 「300万円の罰金」国から請求された経営者も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/354358
・『コロナショックは全国の飲食店に甚大な被害を与えた。また“ステイホーム”中の物流を支えた運送業者も人手不足で疲弊しきった状態だ。その裏で、国策により、飲食店や運送業者に追い打ちをかけるような施策が実施されているのをご存じだろうか。何と、ある日突然、国から300万円の納付を求められるのだ。その原因は、さまざまな業界にはびこる“制度疲労”にあった』、どういうことだろう。
・『「技能実習生の失踪」という日本社会の闇  現在、日本の産業の多くは、少子高齢化による深刻な人手不足に陥っている。これが海外――おもに発展途上国からの「留学生」と「技能実習生」によりまかなわれてきたことはなかば常識と言っていい。 しかし話を少し巻き戻すと「留学生」「技能実習生」という呼び方に違和感はないだろうか? 彼、彼女らは実質的には労働力である場合が多い。なのに、日本で働く時は「留学生」「技能実習生」という立場でなければ在留許可を得られない。 このズレの原因は、日本の入管法(出入国管理及び難民認定法)にあった。この法は“専門的知識、技術的知識を持つ外国人材だけを専門的な職業で受け入れる”と定めている。逆に言えば、法は“肉体労働や単純労働とみなされる職種では外国人を受け入れない”と言っているのだ。 実質的に労働力は足りない、しかし肉体労働や単純労働の現場では外国人を雇用できない。ならば留学生、もしくは“日本の国際貢献として発展途上国の若者に農業や漁業や機械加工を教える”という大義名分の元に与えられる「技能実習生」という資格で来日してもらい、現実的には働いてもらおう、というわけである。 これぞ「建前」だと感じないだろうか。そして国家は、この「建前」による弊害をすべて、貴重な労働力であるはずの外国人の方、さらには労働力不足に悩む現場に押しつけてきた。 前提を整理したい。日本学生支援機構の発表によると、2019年5月1日時点で留学生の数は31万2214人。ちなみにこの層は語学力も高いためコンビニなどで働くことが多い(そう、コンビニで複雑なオペレーションをこなせる外国人の方たちは“労働力”としての価値が非常に高い方たちなのだ)。次に厚生労働省の発表によると、2019年10月末時点で、技能実習生は38万3978人いる。 では、留学生や技能実習生は「建前」によってどう苦しんでいるのか。 まず、個人では日本の複雑な制度に対応できず、多くが現地のエージェントに高額な料金を支払って在留許可を取得することになる。さらに、留学生は「就労時間は週に28時間まで(夏休みなどは1日8時間まで拡大される)」という制約を課され、技能実習生は、実質、来日後に実習先を変えることはほぼ不可能、という状況に置かれる。 実習先が倒産した場合などに、複雑な手続きを経れば実習先を変えることはできるが、実質的には、来日後、どれだけハードな労働を課されても“転職”は不可能だ』、「国家は、この「建前」による弊害をすべて、貴重な労働力であるはずの外国人の方、さらには労働力不足に悩む現場に押しつけてきた」、安部政権らしいやり方だ。
・『偽造カードのブラックマーケット  もし、こうした状況に直面したら、どうするのか? 話すのは、外国人労働問題に詳しい、ワンチェック株式会社の山田貴裕社長だ。 「留学生は偽名を使って2つ目のアルバイト先を探します。コンプライアンスが厳しいアルバイト先では本名で働き、地場の家族経営のような建築業者では偽名で働くのです」 より深刻なのは技能実習生だ。 「こちらは、年間なんと3%もの方が失踪します。失踪の理由は“労働が厳しすぎる”“もっと給与がいい仕事に誘われる”などさまざまです。38万人ですから、約1万人もいなくなっています。厳しい条件で働く技能実習生をそそのかし、別の会社に“売る”ブラックマーケットも存在するんですよ。 さらには、これらの外国人が身分を偽れるよう、ニセの在留者カードを製造・販売するマーケットまで形成されています。私はカードの製造元にも行きました。1枚2万円程度で取引されており、非常によくできています」 ちなみに「ワンチェック」は偽造カードを見抜く機械を販売している企業。山田氏いわく「ニセのカードをつくる側も必死で、ホログラムまで精巧に再現されていて目視ではまずわかりません」という。 要するに、肉体労働を行う外国人は入国できない、とする「建前」のせいで、エージェント(中には詐欺同然の手口で途上国の若者を日本に送り込む業者もある)、さらにはブラックマーケットの人間がトクをし、そのツケは現場の留学生、技能実習生に押しつけられてきたのだ』、「「建前」のせいで、エージェント・・・さらにはブラックマーケットの人間がトクをし、そのツケは現場の留学生、技能実習生に押しつけられてきた」、これでは現代版の公的な搾取だ。
・『「知らなかったでは済まない」罰金300万円  この状態をクリーンにすべく国は動いた。しかし、今度はこのツケを雇用する側に払わせようとしている。 2019年4月1日、入国管理局は「出入国在留管理庁」へと格上げされた。その背景には、五輪開催の年から2025年の万博まで海外からの入出国が増え、国内の労働者も今より足りなくなる、という事情があり、組織は人数、予算共に大幅に拡充された。 そして、拡充された組織は「特定技能」と呼ばれる在留資格をスタートさせた。簡単に言えば、介護、建設、漁業など14の業種で、幅広く外国の人材を受け入れていく、と決めたのだ。 ところが、これが「滑った」。さらには暴走した。 まず、外国人が集まらない。5年で最大34万5150人の受け入れを目指すとしているが、2019年4月の制度開始から半年後、ビザが交付されたのはたった732人という滑りっぷりだ。この原因を山田氏が話す。 「途上国のエージェント、さらには日本で働きたいと思う外国人の方への告知がまったく足りていないのです」 その原因は、政治家のセンセイ方の事情だ。産業界・財界は人手不足に悩み、突き上げを続けていた。一方、政治家は選挙をにらんで強制送還も「国民の血税」、票田、献金の確保のため、急遽この法改正を実現する必要に迫られ、2018年12月8日に法改正を実現し、なんと2019年4月1日にスタートとした。これでは告知の時間もない。 しかもこの法案の一部を厳格に適用し始めた。入管法には「不法就労助長罪」があり、密入国者・不法残留者など、在留資格を持たない外国人を雇用すると300万円の罰金を科せられる。 以前は「働きたい」「雇いたい」というニーズの合致があったためあまり問題も起きず、罰金の件数も少なかったが、入国管理局が出入国在留管理庁になると摘発が急増した。 法律は「知らなかった」では済まない。そしてこれが、コロナショックで大きな被害を被った飲食店や運送業などの現業に追い打ちをかけているのだ。 ある建設業者の実例だ。出入国在留管理庁の職員がやってきて、外国人労働者全員の在留カードの確認を求められた。建設業者は在留カードを確認して雇ったが、それは例のブラックマーケットでつくられたニセのカードだった。 山田氏が話すとおりよくできていて、雇用者はカードを偽造と見抜く術はなかった。なのに「法を知らなかったでは済まない」とばかりに300万円もの罰金を科せられるのだ。 上の建築業者の話だ。 「偽造のカードがあるなんて知らなかったから悔しいですよ。もし厳格に法を適用するなら“あなたの会社で働いている外国人は大丈夫ですか?”といった告知がほしかったし、偽造を見抜けるツールもほしかった。捕まった子は食事も自宅で一緒にとるような間柄でしたが、強制送還されていきました。私も“何かおかしい”と思いながら罰金を払いました。ちなみに強制送還の“旅費”も国民の税金ですよ」』、「入国管理局が出入国在留管理庁になると摘発が急増した」、のは当然のことだ。ただ、罪に問うべきは、「偽造のカード」で「建築業者」に紹介した「エージェント」の筈で、「強制送還の“旅費”」も負担させるべきだろう。
・『今こそ“制度疲労”を正せ  筆者は考える。この不幸の元はすべて、外国人労働者を奇妙な「建前」で日本に招いたことだ。そもそも2019年に始まった「特定技能」のような制度を実施し、正々堂々とビザを発給していれば、ブラックマーケットも失踪者も生まれず、業者も300万円払わされることもなく、我々の税が浪費されることもなかったのだ。 現実に即さない法があれば、人が抜け道を探すのは当然だ。倫理的な是非は置き、現実に風俗営業、遊技場の営業など「抜け道」に頼っている産業は多い。今こそ、政治家・官僚は現実に即しさまざまな法を積極的に改正し、細やかに告知する時期ではないか。 逆に、コロナ禍のさなかには、厚労省、総務省消防庁、国税庁が法を弾力的に運用し、酒造メーカーが「消毒にも使えますよ」と飲用のアルコールを販売している。経産省も持続化給付金を異例の速さで給付した。関係者の努力は高く評価されるべきだ。そしてこれだけのことができるならば、その他の現実にあわない法も続々と改正すればよいはずなのだが……?』、同感である。

第三に、7月8日付け日経ビジネスオンラインが掲載したJX通信社の松本 健太郎氏による「“新移民国家”日本 失踪する技能実習生1万人と新型コロナ対策」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00067/070300032/?P=1
・『公的統計データなどを基に語られる“事実”は、うのみにしてよいのか? 一般に“常識“と思われていることは、本当に正しいのか? 気鋭のデータサイエンティストがそうした視点で統計データを分析・検証する。結論として示される数字だけではなく、その数字がどのように算出されたかに目を向けて、真実を明らかにしていく。 第2次安倍政権の発足以降、政府は女性活躍、さらに一億総活躍と皆に「活躍」を求めてきました。 意地の悪い表現をすると、要は「新たな労働力の確保」だと筆者は解釈しています。もっとも「働きたいけど働けない」「希望の働き方ができない」人たちは大勢いるわけですから、そうした方々にとって「働きやすさ」を推進する施策は決して悪いことではありません。 実際、各年代の人口に対する労働力人口の比率を見てみると、2013~15年ごろから上昇傾向が見られます。とはいえ、1人当たりの年収は増えたのかとか、非正規雇用が増えているとか、様々なつっこみポイントがあるのかもしれませんが……。 年齢階級別の労働力人口比率(図はリンク先参照) 一方、農業や漁業、製造業、サービス業など、まだまだ労働力不足が著しい産業・業種もあります。そこで政府は、日本国民だけでなく外国人にも活躍を求めて18年に出入国管理法を改正しました。具体的には外国人の受け入れ政策を見直し、その人数を増やそうという政策です。 もっとも、日本でより多くの外国人に働き手となってもらうなら、それは実質的には「移民」の推進ではないか、と筆者は感じます。実際、入管法改正時にこのことが国会で大きな論戦を巻き起こしました。しかし、安倍首相は一貫して「移民政策ではない」と否定しています。 政府としての定義でありますが、今回の受け入れは移民政策には当たらない。そして、移民政策とはどういう政策であるかということでございますが、例えば、国民の人口に比して一定程度の割合で外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策、そういう政策は取らないということでございます(第196回国会 国家基本政策委員会合同審査会(平成30年6月27日)。  この法改正で新たに受け入れることになるのはざっくりと言えば、「日本に永住しない外国人」です。しかし、それは「移民」と何がどう違うのでしょうか。世界中に新型コロナウイルスがまん延した現在、こうした政策でどのような潜在的デメリットが生まれたのかを改めて振り返ってみることにします』、「安倍首相は一貫して「移民政策ではない」と否定」、建前論に過ぎない。実態をみてゆくべきなのは言うまでもない。
・『国によって異なる移民の定義。具体的に「誰」なのか?  「移民」の数え方について、世界で合意された定義はありません。したがって各国が発表している数字は微妙に意味が異なります。それほどセンシティブな話なのだと推察します。 一般によく引用される1997年の国連事務総長報告書では「通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12カ月間当該国に居住する人」を移民と定義しています。また国際連合広報センターでは「定住国を変更した人々を国際移民とみなす」「3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住」と定義しています。 そうなるとケースによっては、留学生、仕事での赴任者、長期旅行者も「移民」となり得ます。ちなみに、定義には国籍に関する言及はないので、日本で生まれ育った外国籍保有者は、通常の居住地が日本のため「移民」ではなくなります。 これらの定義に従うと、安倍首相の言う「定住しない外国人」も実際は「移民」になるのですが、共通認識となる定義がないため、移民議論は「私はそうは感じない」「日本政府はそのような立場をとらない」といったオピニオン論争に終始してしまいます。実際、国会論戦でそうした場面を多く見かけました。 そこで、いったん「移民とは何か」論争は脇に置いて、数字に目を向けます。 まず、2006年以降の在留外国人の推移を確認します。08年のリーマン・ショック、11年の東日本大震災で少し減少しましたが、12年を底に7年間で約1.4倍に増加して、19年末には293万3137人を記録しました。 在留外国人の推移(2006年~19年)(図はリンク先参照) 在留外国人と聞くと、主に在日韓国・朝鮮人や在日台湾人の方々など特別永住者の方が半数を占めているイメージがありますが、実態は大きく異なります。特別永住者は19年末時点で31万2501人、全体の11%ほどでしかありません。 実際には、中長期在留者と呼ばれる外国人が大半です。中でも永住者、技能実習生、留学生など上位3つの在留資格で過半数を占めます。過去10年間の推移を見ると、技能実習生が特に大きく増えていると分かります。 残留資格別に見た中長期残留者の過去10年間の推移(図はリンク先参照) 仮に「移民」を国連の定義より厳格にして、安倍首相のイメージされているような「日本に永住している人たち」に限ったとしても、「特別永住者+永住者」で2019年には110万人を数えます。この数は富山県や秋田県の人口より多いのです』、「「特別永住者+永住者」で2019年には110万人」、とは想像以上に多いようだ。
・『知られていない移民大国「日本」の実態  世界各国の「移民」に関する指標と比べてみると、日本がどのような位置付けにあるかが分かります。OECDの「International Migration Outlook 2019」によれば、17年の外国人流入数で日本は第4位にランクインしています。その順位の高さにちょっと驚きます。 各国の外国人流入数(2017年)(図はリンク先参照) ただし、「流入数」は「フロー」であり、「ストック」を意味していません。また伝統的な移民国家として知られるオーストラリア(11位)、カナダ(9位)、ロシア(対象外)が日本より下にランクしている結果は、どうにも解せません。これらの国の「流入数」は、各国統計のうちどのデータを参照しているのか細かい記述が見当たらないのですが、おそらく日本で言うところの「永住のみ」を対象にしているのではないか、と推察します。 そこで今度は国連による移民データに目を向けます。それぞれフローとストックが用意されていました。「The 2019 Revision of World Population Prospects」ではフローが分かります。15~20年の5年間の推計値で純移民流入数(自国への移民流入数から外国への移民流出数を差し引いた人数)は以下の通りと分かりました。この図で見ると日本は16位、先進国に限れば(ロシアを含めなければ)7位となります。 国別の純移民流入数(2015~20年)(図はリンク先参照) 米国やドイツを基準にすると低く感じますが、先進国第7位は「思っているより高い順位」ではないでしょうか。 さらに「International Migrant Stock 2019」ではストックが分かります。19年におけるinternational migrant(自国に住む外国生まれの居住者もしくは外国籍の居住者の推計人口)は以下の通りです。これを見ると日本は26位、先進国に限れば(ロシアを含めなければ)10位となります。 国別の移民人口(図はリンク先参照) どうやら、日本のニュースの多くはOECDのデータを参照しているようですが、より実態に近いのは国連のデータではないかと思います。 そして、米国、英国、オーストラリア、カナダのような代表的な先進国における移民国家と違い、日本が先進国の中で新興の「移民国家」として顔をのぞかせているのは、相対的な順位からしても間違いありません。 すなわち、入管法改正で「移民か」「移民ではないか」と議論するよりも、早急に「増え続ける外国人にとって、働きやすい日本であるためにどうするか」について議論が必要なのです』、これだけ存在感を増し、「移民大国」になっている以上、その通りだ。
・『残るも地獄、帰るも地獄、技能実習生制度の問題  「働きやすさ」には様々な観点があるでしょうが、少なくとも「低賃金」「長期労働」の職場ではありません。しかし、実際にそうした職場で働かされていたのが外国人技能実習生です。 法務省が18年に公開した「失踪技能実習生の現状」と題したリポートには、不法残留などの入管難民法違反で検挙された2892人に対して実施した聞き取り調査で、「低賃金」「低賃金(契約賃金以下)」「低賃金(最低賃金以下)」があり、このうちいずれかあるいは複数にチェックしたのは2870人中1929人(67.2%)でした(この調査では当初、これら低賃金による失踪原因を「より高い賃金を求めて」という調査項目にない言葉に言い換えていたとして問題になりました)。また、法務省が18年に発表した「平成29年の『不正行為』について」によれば、299件あった外国人の研修・技能実習にかかわる「不正行為」中、労働時間や賃金不払等によるものは163件(54.5%)と最も多かったのです 。 この結果を受けて、「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム」が18年に設置され、19年3月に「調査・検討結果報告書」が発表されました。報告書では5218人の失踪技能実習生と4280の実習実施機関に調査を行い、客観的な資料が手に入った3560人中721人(重複含め延べ893人分)に不正行為が認められました。 類型別に見た失踪技能実習生への不正行為(図はリンク先参照) 客観的な資料が手に入ったもので、この状態ですから、資料が手に入らなかった(資料すらない?) 1658人が働いていた環境はより過酷なものだったのではないかと思うのは、私だけでしょうか。ちなみに、「協力を拒まれたため調査を行うことができなかった(113機関155人分)」「倒産、所在不明等により、調査を行うことができなかった(270機関320人分)」との記載もあり、闇の深さを感じずにいられません。 技能実習生の失踪は年々増加しており、14年には4847人でしたが4年後の18年には9052人と2倍近くまで増えています。 技能実習生には、日本に中長期間在留する外国人に対して交付される在留カードが渡されますが、失踪した時点で失効します。そうなると、実習生は「不法滞在者」となってしまいます。「不法滞在者=見つかったら本国送還」です。ちなみに日本における不法滞在者は19年1月1日時点で計7万4167人と分かっています。 在留技能実習生+新規技能実習生の合計人数に占める失踪技能実習生数の割合の推移)(図はリンク先参照) ちなみに、この増加傾向については「技能実習生が増加しており、失踪率は2~3%の範囲内で収まっている」と説明する人もいますが、国が「分母は増やす」と言っている以上、率を下げないと失踪者自体は増加する一方です。新型コロナ禍の中、当面、新規の実習生が増えることはないでしょうが、すでに40万人を超える人たちが実習生として働いています。そして年に1万人近い人たちが失踪するという現実は無視してはいけないでしょう』、確かに「年に1万人近い人たちが失踪」、重い現実だ。
・『技能実習生にも新型コロナ対策を  失踪者の増加は、今まで重く受け止められなかった問題かもしれませんが、このコロナ禍においては大問題です。皆さんに想像してほしいのです。もし、うち1人でも新型コロナに感染したとします。どうやって適切な検査・治療を受けられるでしょうか? 他人に在留カードを貸与することは違法です。よほどでない限り「在留カードを使って治療を受ける」ことは難しいでしょう。 社会的弱者へのケアが感染拡大リスクを低減させるために必要なことは、この連載の「新型コロナ第2波に向け社会的弱者のケアを」でも書きました。同じことが、“移民”にも必要だと思います。 現在、再び感染が広がっていますが、多くは20~30代の若者で、無症状が大半だといわれています。しかし、自覚症状が出たとしても病院にすら怖くて行けない人たちが一定数いることに、もう少し着目してほしいのです。不法滞在者が集まって暮らしている環境はおそらく3密であり、その場所自体がクラスターとなった場合、どうやって発見、根治できるでしょうか。 こうした状況は失踪した技能実習生を責めるのではなく、そうせざるを得なかった環境をつくった人たち、一定の割合で起こることスルーしている法務省や政治家の皆さん、そして外国人にも活躍を求めた政府の皆さんのそれぞれが「どうすればよいのか」と考えるべき事案だと考えられます。 例えば、不法滞在者が新型コロナに感染した場合、「感染を隠す」ことにならないように医療費は無償、かつ完治するまで日本に滞在させ、また何らかの罰則が科された後、日本で再び就労できるような支援はできないでしょうか。今は、感染を隠してしまう状況をつくることが怖いと思うのです』、「移民」での感染の恐ろしさは、自国民の感染対策では成功したシンガポールで問題化、ドイツでも食肉工場での外国人労働者で問題化した。日本でも自らの問題として、早急に対策を打ち出すべきだ。
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