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株式・為替相場(その11)(景気が悪いのにやたら株が高い「違和感」の正体 街で目にする風景と経済指標が異なるからくり、30年ぶり3万円台回復の日経平均 その要因と背後に潜む3つの危険因子、株価がかなり不安定になっている本当の理由 コロナ後のリスク巡り投資家の見方が大揺れ) [金融]

株式・為替相場については、本年2月24日に取り上げた。今日は、(その11)(景気が悪いのにやたら株が高い「違和感」の正体 街で目にする風景と経済指標が異なるからくり、30年ぶり3万円台回復の日経平均 その要因と背後に潜む3つの危険因子、株価がかなり不安定になっている本当の理由 コロナ後のリスク巡り投資家の見方が大揺れ)である。

先ずは、3月2日付け東洋経済オンラインが掲載した 第一生命経済研究所 主任エコノミストの藤代 宏一氏による「景気が悪いのにやたら株が高い「違和感」の正体 街で目にする風景と経済指標が異なるからくり」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/413852
・『日経平均株価が一時3万円の大台を回復したことについては「景気が悪いのに、株価が高い」という評価が多い。もっとも「景気」の定義は人それぞれであるから、現実のデータがどうであろうと「景気が悪い」と思えばそれまでである。そこに正解・不正解はない』、興味深そうだ。
・『なぜ景気の実感と株価がズレるのか?  人々は景気を可視的な情報で判断する傾向がある。そのため、人出の少ない街の様子、閑散とした飲食店を目にすると、景気が悪いという印象を強く抱く。 実は、そうした空気が数値に表れている重要な指標が「景気ウォッチャー調査」だ。景気の現状を示す指数はコロナ感染状況が悪化した昨年12月に急落した後、今年1月は首都圏を中心とする緊急事態宣言を受けて一段と低下した(表)。人々が抱く景況感は景気ウォッチャー調査に近いと思われ、こうしたデータをみる限り現在の株価上昇は違和感を禁じえない。 一方、定量的なデータが示す景気の姿は異なる。2月15日に発表された日本の実質GDP(10〜12月期)は日本経済の力強い回復を示した。2020年4〜6月期の落ち込み分の9割以上を埋め、水準は2019年10〜12月期との比較でマイナス1.2%、消費税率引き上げ前にあたる2019年7〜9月期との比較でマイナス2.9%まで回復した。 つい半年ほど前の段階では「実質GDPが直近ピークの2019年7~9月期の水準を回復するのは2024年頃との見方が多かった。だが、そうした見方は悲観的すぎた」ように思われる。当社の最新予想(2/16時点)は、2019年10〜12月期の水準を取り戻すのは2022年4〜6月期、2019年7〜9月期を回復するのは2022年10〜12月期となっている。 力強いリバウンドに貢献したのは製造業である。実質輸出はコロナ禍前の水準を回復し、鉱工業生産も1月の生産計画を踏まえると前年水準の回復が目前に迫っている。 これは世界的なIT関連財需要の高まりに加え、アメリカにおける自動車販売台数の回復が大きく貢献した。そうした下で企業は設備投資再開に踏み切っており、GDPベースの設備投資はパンデミック発生以降で初めて増加した。設備投資は先行きも明るい。先行指標の機械受注統計によるとコア民需(船舶・電力を除く民需)は12月まで3カ月連続で増加し、水準は2019年平均を上回った。企業がコロナ禍の終息を見据え、生産設備の更新や能力増強に前向きになっている様子が透けて見える。こうした前向きな循環が始まりつつあることは心強い。 ここで認識しておきたいのは、日経平均株価に採用されている225銘柄のうち、6割強が製造業であることだ。こうした製造業の底堅さは、街角景気との直接的な関係が希薄であるから、人々の景気認識と株価(≒上場製造業の業績改善期待を受けた上昇)が異なるのは、ある意味当然かもしれない』、「景気」を何で捉えるかは難しい問題だ。
・『日経平均株価には外食は入っていない  コロナ禍では“巣ごもり消費”が盛り上がり、家具、家電、タブレット端末などの売れ行きが好調で製造業の業績改善につながったのは上述のとおりだ。 一方でやや意外なことにサービス消費も持ち直している。10〜12月期の個人消費は耐久財が前期比+9.2%、半耐久財がマイナス2.0%、非耐久財がマイナス0.5%、サービスが+3.0%であった。 サービス消費の水準は2019年10〜12月期の水準をなお下回るものの、Go Toキャンペーンによる支えのほか、旅行・飲食以外の支出が増加したことで、少なくとも10〜12月期までは回復経路を歩んでいた。関連指標の第3次産業活動指数で業種別の推移を確認すると対面・移動・集合を伴うサービス業“以外”の底堅さが示されている。サービスセクターの落ち込みは鉄道、空運、宿泊・飲食、音楽・芸術等興行、遊園地・テーマパークで大半が説明可能だ。 これも重要なポイントだ。というのも、日経平均採用銘柄をみると、コロナの打撃がきつい鉄道は8社と多く含まれているものの、空運はわずかに1社、飲食・宿泊に至ってはゼロである。このように、日経平均株価とコロナの直接的な関係が希薄であるという「そもそもの事実」は見落とされがちだ。 次に海外経済に目を向けると、1月のアメリカの小売売上高の異常値的な強さが目を引いた。強さの背景にあるのは、同国議会が昨年末に決定した1人当たり600ドルの給付金だ。同国の消費者は1月中旬までに支給が完了された給付金を直ちに消費に回したもようだ。 個別にみると家具(+12.0%)、電子製品(+14.7%)、衣料(+5.0%)、スポーツ用品(+8.0%)、百貨店(+23.5%)、オンラインショップ(+11.0%)といった具合に2桁の伸びを示すものが多く見られた。自動車、ガソリン、建材等を除いたコア小売売上高は前月比+6.0%、前年比では+11.8%と極めて強く、前年比の伸び率は1990年以降に経験したことのない伸びであった』、「日経平均株価とコロナの直接的な関係が希薄であるという「そもそもの事実」」は説得力がある。「1月のアメリカの小売売上高」に、「議会が昨年末に決定した1人当たり600ドルの給付金」が早くも出たというのは、さすが「アメリカ」らしい。
・『「需要先食い」の懸念も  ここで1つリスク要因にも触れておこう。まず認識すべきは、上記で示した消費は基本的に「財(モノ)」であるということ。財消費の行方を読むにあたっては、その特有なパターンを考慮する必要がある。 というのも、サービス消費と違って「前倒し購入」が可能な財消費は、将来の需要を先食いしてしまうことがしばしばあるからだ。コロナ禍で外食や旅行、エンターテインメントなどといったサービス消費が制限されるなか、お金の使い道に悩んだ消費者が財(含む住宅)の購入を前倒しした可能性があり、そうだとすればこの先は反動減を覚悟しなければならない。 参考事例としては、日本の家電エコポイントがある。商業動態統計で家電量販店が含まれる「機械器具小売業」をみると、エコポイント政策実施中の販売好調とその後の反動がきれいに見て取れる。消費動向調査(内閣府)によると主要家電の平均使用年数は10~15年であるから、反動減はすぐには終わらなかった。 もちろん現在のアメリカや世界の状況が、当時の日本ほど極端でないとはいえ世界の消費動向を読むうえでこの点は考慮しておく必要があるだろう。また日本株視点では、これまでの上昇が製造業主導であったことを踏まえる必要がある。地味ながら重要なリスク要因かもしれない。 「現在の強さと将来の反動」という視点では、最近の日本株上昇に大きく貢献しているIT関連財(電子部品、半導体製造装置・部材など)も例外ではない。機械受注統計で半導体製造装置の受注動向を反映する「電子計算機等」をみると、12月の受注額は前年比23.0%と大きく増加した』、なるほど。
・『2021年後半にはIT関連材の需要ピークアウトも  この指標は日本株との連動性が強いため、その増加は目下の株高を正当化するという点において好感すべき材料である。しかしながら、こうした強さが長続きすると考えるのは早計である。 というのも、IT関連財の需要変動は、ほかの業種に比べ極めて大きいからだ。経済産業省の鉱工業統計で電子部品・デバイス工業の「在庫」をみると前年比40%程度の増減を繰り返していることがわかる。最近の半導体不足が象徴するように、在庫(生産量)を最適水準にコントロールするのが極めて困難ということだろう。要するにこれが2年ごとに上下を繰り返すシリコンサイクルであり、現在は上向きサイクルの中にいるということだ。 コロナ禍が引き起こした経済活動の変化、具体的には在宅勤務の浸透やさまざまなサービスのオンライン化によってIT関連財の需要が構造的に高まったのは事実だろう。ただし、それによって2019年後半を起点とする世界半導体売上高の上向きサイクルが過去のそれと比べ長く続くかは別問題と考えられる。2021年後半には、日本株上昇に大きく貢献してきたIT関連財の需要がピークアウトする可能性を視野に入れておく必要があるだろう』、妥当な見方のようだ。

次に、3月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「30年ぶり3万円台回復の日経平均、その要因と背後に潜む3つの危険因子」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/264204
・『日経平均株価が3万円台に乗った。1990年8月以来、約30年ぶりのことである。昨年(2020年)11月にコロナショック前の日経平均株価の水準である2万4000円を回復してから、2月22日の引け値までの上昇率は約25%と、かなり急ピッチの上昇となった。ただし、その状況が長く続くとは想定しづらい』、興味深そうだ。
・『約30年ぶりに日経平均株価が3万円台に上昇  2月15日、日経平均株価が3万円台に上昇した。1990年8月以来、約30年ぶりのことである。 昨年(2020年)11月にコロナショック前の日経平均株価の水準である2万4000円を回復してから、2月22日の引け値までの上昇率は約25%と、かなり急ピッチの上昇となった。 今回の株価上昇の背景には、米国を中心に多くの国が金融緩和策を実施して、世界的に「カネ余り状況」が続いていることがある。それに加えて、ワクチン接種が広まり、新型コロナウイルス感染低下への期待が高まっていることが大きい。ワクチン接種によって世界経済が正常化に向かい、今年後半にかけてわが国の主力企業の収益が増加する展開を見込む海外投資家は増えつつある。 ただし、その状況が長く続くとは想定しづらい。 足元の日本株の上昇ペースはやや過熱気味で、このまま調整が一時的なもので済むのか、いずれかの段階で本格的な調整が入るのか、瀬戸際にある。加えて、米国のIT先端銘柄を中心に、相場の過熱感に警戒を強める投資家が増えつつある。また、米国のインフレリスクなど、世界経済を取り巻く不確定要素は多い。今後、わが国をはじめ、株価がやや不安定になることも懸念される』、「このまま調整が一時的なもので済むのか、いずれかの段階で本格的な調整が入るのか、瀬戸際にある」、その通りだ。
・『日経平均株価3万円台回復の2つの要因 「カネ余り」と「世界経済回復への期待」  日経平均株価が3万円台を回復した要因として2つの点が重要だ。 一つ目の要因が、「カネ余り」である。米国を中心に世界の中央銀行は、コロナ禍における企業や家計などの資金繰りを支えるために量的金融緩和策などの金融緩和策を継続している。世界各国の財政支出も拡大している。 その状況下、世界的に金利が低下し、投資家は利得を手にするために株式を購入している。 株を買う投資家が増えた結果、「買うから上がる」→「上がるから買う」という強気心理が連鎖し、世界的に株価上昇が勢いづいた。 その状況下、米国では政府による現金給付を元手に株式を取引する「ロビンフッダー」と呼ばれる個人投資家が増加し、わが国でも個人投資家の取引が活発だ。日本銀行がETF(上場投資信託)を購入することによって株価がサポートされていることも、投資家心理を支えている。 もう一つの要因が、今後の世界経済の回復への期待だ。すでに、イスラエルでは、人口の50%程度が1回目のワクチン接種を受け、感染者と死者数は減少傾向にある。ワクチン接種の進行は、経済の正常化を支える必要条件といえる。 日本銀行が公表している「実質輸出入の動向」のデータを見ると、2020年11月にわが国の輸出は、コロナショックが発生する前の2019年12月の水準を上回り、その後は輸出の勢いが増している。世界的に外出制限や都市封鎖などによって抑制された需要(ペントアップデマンド)が発現し、わが国の機械や高機能素材、(半導体供給の影響はあるものの)自動車などの輸出が上向いた。 ワクチン接種は、そうした世界的な需要の回復を勢いづかせ、わが国の企業業績に追い風だ。その見方から2021年3月期に関して、収益の上方修正や過去最高益を見込む国内企業は多い』、「ペントアップデマンド」、とは実際にはそれほど確実なものではなく、消えてしまうものもある。
・『今年後半のわが国企業の業績拡大を予想する海外投資家  わが国の株価動向に大きな影響を与える海外投資家は、本邦企業のさらなる収益回復を見込んで株を買い上げている。海外の投資家と意見交換をすると、年後半の増益期待は強い。短期的に、日本株は一段高の可能性がある。 わが国には機械や自動車などの在来産業に属する企業が多い。企業の海外売上比率は上昇している。ワクチン接種によって世界経済が正常化する展開は、基本的にわが国企業の収益増加を支え、株価に追い風だ。 歴史的にわが国株式市場のPER(株価収益率)は14~17倍で推移してきた。足元の日経平均株価のPERはおよそ23倍だ。理論的に「株価」は、半年程度先の経済状況を示す、経済の先行指標だ。海外投資家は7~9月期以降にわが国企業が30%以上の増益を実現すると考えて、期待先行で日本株を買っている。 その見方には相応の説得力があるだろう。昨年(2020年)10~12月期以降、自動車などわが国の主力産業の一角ではフル操業、あるいはそれに近い水準で生産設備を稼働させる企業が増えていると聞く。それに加えて、世界経済が持ち直し、需要が高まる展開を重ね合わせると、わが国企業の収益が増加する可能性は高まっている。 なお、在来産業の株が買われるのは、わが国に限った動きではない。2月中旬に入り米国では、過熱感が高まるナスダック総合指数が下落する一方で、ニューヨークダウ工業株30種の平均株価や素材などの銘柄が上昇する場面があった。 主要投資家にとって、株価の高いITなどのグロース銘柄を買い増すのは難しい。そのため、世界経済の正常化の恩恵を受けやすい在来セクターに投資資金が向かいやすいのである。わが国の株価上昇は、先行きへの強気な見方に加えて、ITから在来産業へのセクター・ローテーションに影響されている部分もある』、「わが国の株価上昇は、先行きへの強気な見方に加えて、ITから在来産業へのセクター・ローテーションに影響されている部分もある」、「わが国」は「IT部門」が弱いので、「セクター・ローテーション」は確かに「わが国」にはプラスの効果があったということなのだろう。
・『無視できない株価調整の3つのリスク要因  ただ、足元の株価上昇が長い期間続くことは考えづらい。世界経済の今後の展開を想定したとき、株価の調整圧力を高める要因は多い。 まず、新型コロナウイルスの感染が続く可能性は過小評価すべきでない。ワクチンの接種が進んでいるのは主に先進国だ。新興国でのワクチン接種がどう進むかに関しては、COVAX(日本を含む190以上の国や地域が参加する、新型コロナウイルスのワクチンを共同調達する国際的な枠組み)の資金不足をはじめ不透明感が漂う。 次に、米国のインフレリスクがある。2月23日、FRB(連邦準備理事会)のパウエル議長は、インフレ進行やバブル膨張のリスクは低く、緩和的な金融政策を続ける姿勢を示した。 目先、金利は株価の腰を折る要因になりにくいだろう。しかし、やや長めの目線で考えると、需要の回復や景気刺激策に影響され、米国のインフレ期待が相応のペースで上昇する可能性は否定できない。もし、短期間でインフレ率が2%を超えれば、金融政策が修正される可能性は高まる。その場合には低位かつ安定して推移してきた米2年金利が上昇し、景気不透明感が高まる。すると投資家はリスクオフに動き、価格変動リスクを嫌ってキャッシュの保有動機を強め、株式などの資産価格には相応の調整圧力がかかるだろう。 それに加えて、金融規制の影響も軽視できない。米国ではSNSを通して個人投資家が結託し、株式市場の不安定性を高めていると考える経済の専門家が多い。さらに手数料無料の株式取引業者であるロビンフッドなどへの規制が強化され、投資家のリスクテイクが阻害される展開も考えられる。それは、株式市場への資金流入を減じる要因だ。 言うまでもなく、高値を警戒する投資家の売りが売りを呼び、強気相場が崩れる可能性もある。 短期的にわが国の株価上昇余地はあると考えられるが、中長期的に株価の調整圧力をもたらすリスクファクターがあることは冷静に考えるべきだ』、「株価の調整圧力をもたらすリスクファクター」には十二分に気を付けたい。

第三に、3月5日付け東洋経済オンラインが掲載したエコノミストの村上 尚己氏による「株価がかなり不安定になっている本当の理由 コロナ後のリスク巡り投資家の見方が大揺れ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/415094
・『世界の株式市場の値動きが荒くなっている。アメリカの長期金利上昇が懸念され、日本でも3万円の大台にのせた日経平均株価が2月26日に3万円を割り込んだ後、3月4日には2万9000円も下回った。 アメリカの10年物国債金利は2月25日に1.6%に一瞬達する急騰をみせた後、翌日には1.4%前後に低下するなど、高い変動率を伴いながら約1カ月で約0.4%も上昇した。 オファー・ビット(売り手の希望価格と買い手の希望価格)の価格差が広がるなど債券市場の流動性が低下したことが、米欧の長期金利の大きな変動をもたらしたとみられる。多くの債券投資家が想定していた水準を超えて長期金利が上昇したことで、需給悪化への思惑から売りが売りを呼んだのだろう。そして、妥当な金利水準が不明になり投資を手控える動きが強まったことも、パニック的な売り(大幅な金利上昇)を招いた』、「アメリカの10年物国債金利」が「約1カ月で約0.4%も上昇」、まさに「パニック的な売り」だ。
・『なぜ「新たな材料」もないのに長期金利が上昇したのか  もっとも、今年1月半ばから、アメリカの経済動向そして金融財政政策など、本来長期金利に影響する重要かつ新たな材料はほとんどないので、ファンダメンタルズ要因で最近の金利上昇を直接説明することは難しい。 実際には、アメリカ経済正常化が実現するとの思惑は、昨年の大統領選挙後から、金融市場の中ではくすぶっていたのだろう。そして、2月19日のコラム「アメリカで『ひどいインフレが起きる』は本当か」で紹介した、ジョー・バイデン政権が打ち出した財政政策がインフレをもたらすリスクを指摘するハーバード大学のローレンス・サマーズ教授の発言などが報じられ、経済状況を改めて認識した債券投資家の心理が揺らいだとみられる。 もちろん、バイデン政権が拡張的な財政政策を掲げていることは、昨年からすでにはっきりしていた。 同政権による財政政策などがアメリカの経済成長率を押し上げると筆者は予想しており、大統領選挙直後から株高が続くと見込んだが(2020年11月13日のコラム「2021年も米国株は上昇するといえる充分な理由」)、ほぼ想定通り、年明け以降も株式市場は順調だ。 債券市場の投資家は、株式市場の値動きを横目にしていたが、アメリカの経済回復シナリオに対して総じて懐疑的にみていたのだろう。そして、連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和強化が続くので、低金利が永続するかのような幻想が広がっていたように思われる』、「バイデン政権が打ち出した財政政策がインフレをもたらすリスクを指摘するハーバード大学のローレンス・サマーズ教授の発言」は、確かに「債券市場の投資家」、にとって大きなショックだったのだろう。
・『なぜ債券市場の心理はインフレ警戒へと転じたのか  その結果、FRBの金融緩和と政府の財政政策が、将来の経済回復やインフレ上昇をもたらす、経済の教科書通りの「動的な視点」が希薄になっていたとみられる。 だが政策発動によって、経済成長率が高まるのはむしろ必然である。株式市場の投資家は景気循環の変動に敏感な一方で、債券市場がこの変化に鈍感になるケースはこれまでもたびたびあった。今回、それが繰り返されたのだと筆者は認識している。 また、2月中旬までの長期金利上昇は、インフレ期待の上昇が主たる要因だった。 ただ2月末に見られた大幅な金利上昇は、FRBの継続的な利上げが2023年に始まるとの予想が織り込まれながら、年限が短い短中期金利を含めて金利全般が上昇した。FRBメンバーの想定よりも早い2023年からの持続的な利上げを織り込むまでに、債券市場の心理がインフレ警戒方向へと真逆に転じたのである。) 市場参加者に対する最近の調査では、コロナ後のリスクはデフレよりもインフレとの見方に変わったことが示されていた。 こうしたなかで、年初までみられた「金融緩和が徹底されるので、アメリカの長期金利は日本同様に上がらないとの極端な見方」から、「コロナ後にはインフレが加速するのでFRBが早々に利上げに踏み出さざるをえなくなるとの見方」へと、真逆の方向に転じた。こうした投資家の期待のスイングを意味する最近のアメリカの金利上昇は、スピード違反だと筆者は考えている。 コロナ克服後(コロナ克服には時間がかかるリスクは残っている)の経済状況、インフレ率に関して、この3カ月で筆者自身の見方はほとんど変わっていない。昨年11月の大統領選挙でバイデン氏が勝利し、ほぼ同時期に最先端技術で開発されたワクチンの良好な治験結果が示されたが、これらを超える大きな出来事はほぼないだろう。 2021年のアメリカ経済は5%近い高成長に加速すると筆者は予想しているが、一方で、インフレ率が持続的に上昇する可能性は低いと見ている。このため、インフレ警戒的に転じた債券市場が懸念する、FRBの想定が前倒しを迫られるような、インフレ上昇が起こる可能性は低いとみている』、「最近のアメリカの金利上昇は、スピード違反だと筆者は考えている」、「債券市場が懸念する、FRBの想定が前倒しを迫られるような、インフレ上昇が起こる可能性は低いとみている」、これらには違和感を感じる。
・『なぜインフレリスクは大きくないのか  そして、2月19日にも書いたが、元財務長官のローレンス・サマーズ氏が言及した、財政政策に起因するインフレリスクは大きくないと見ている。2021年に経済成長率が加速するとしても、基調的なインフレ率を左右する労働市場の回復が遅れる可能性が高いと考えているからである。 新型コロナによって産業構造が大きく変わるとみられるが、これに伴い雇用資源のシフトも同時に起こるだろう。アメリカの労働市場は日欧よりは流動的ではあるが、それでも雇用の産業を超えたシフトが進むには時間がかかると予想する。 つまり、労働市場が、FRBが目指す完全雇用に達するには、かなりの時間を要するのではないか。このため、大規模な財政政策の発動によって、いわゆる需給ギャップは縮小しても、それがインフレ率の上昇に直結しないと予想している』、「労働市場が、FRBが目指す完全雇用に達するには、かなりの時間を要するのではないか」、との筆者の見方は、私には楽観的過ぎるように思われる。
タグ:東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 真壁昭夫 株式・為替相場 (その11)(景気が悪いのにやたら株が高い「違和感」の正体 街で目にする風景と経済指標が異なるからくり、30年ぶり3万円台回復の日経平均 その要因と背後に潜む3つの危険因子、株価がかなり不安定になっている本当の理由 コロナ後のリスク巡り投資家の見方が大揺れ) 藤代 宏一 「景気が悪いのにやたら株が高い「違和感」の正体 街で目にする風景と経済指標が異なるからくり」 景気が悪いのに、株価が高い なぜ景気の実感と株価がズレるのか? 「景気」を何で捉えるかは難しい問題だ。 日経平均株価には外食は入っていない 「日経平均株価とコロナの直接的な関係が希薄であるという「そもそもの事実」」は説得力がある。 「1月のアメリカの小売売上高」に、「議会が昨年末に決定した1人当たり600ドルの給付金」が早くも出たというのは、さすが「アメリカ」らしい 「需要先食い」の懸念も 2021年後半にはIT関連材の需要ピークアウトも 2021年後半には、日本株上昇に大きく貢献してきたIT関連財の需要がピークアウトする可能性を視野に入れておく必要があるだろう』、妥当な見方のようだ 「30年ぶり3万円台回復の日経平均、その要因と背後に潜む3つの危険因子」 約30年ぶりに日経平均株価が3万円台に上昇 「このまま調整が一時的なもので済むのか、いずれかの段階で本格的な調整が入るのか、瀬戸際にある」、その通りだ 日経平均株価3万円台回復の2つの要因 「カネ余り」と「世界経済回復への期待」 「ペントアップデマンド」、とは実際にはそれほど確実なものではなく、消えてしまうものもある 今年後半のわが国企業の業績拡大を予想する海外投資家 「わが国の株価上昇は、先行きへの強気な見方に加えて、ITから在来産業へのセクター・ローテーションに影響されている部分もある」、 「わが国」は「IT部門」が弱いので、「セクター・ローテーション」は確かに「わが国」にはプラスの効果があったということなのだろう 無視できない株価調整の3つのリスク要因 「株価の調整圧力をもたらすリスクファクター」には十二分に気を付けたい。 村上 尚己 「株価がかなり不安定になっている本当の理由 コロナ後のリスク巡り投資家の見方が大揺れ」 「アメリカの10年物国債金利」が「約1カ月で約0.4%も上昇」、まさに「パニック的な売り」だ なぜ「新たな材料」もないのに長期金利が上昇したのか 「バイデン政権が打ち出した財政政策がインフレをもたらすリスクを指摘するハーバード大学のローレンス・サマーズ教授の発言」は、確かに「債券市場の投資家」、にとって大きなショックだったのだろう なぜ債券市場の心理はインフレ警戒へと転じたのか 「最近のアメリカの金利上昇は、スピード違反だと筆者は考えている」 「債券市場が懸念する、FRBの想定が前倒しを迫られるような、インフレ上昇が起こる可能性は低いとみている」、これらには違和感を感じる なぜインフレリスクは大きくないのか 「労働市場が、FRBが目指す完全雇用に達するには、かなりの時間を要するのではないか」、との筆者の見方は、私には楽観的過ぎるように思われる
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