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バブル(最近)(その7)(日米の株高はバブルか?マネックス松本大氏vs小幡績氏vs山崎元氏が大激論!、まもなく大暴落が始まる米国の株式市場 「21世紀型大恐慌」シリーズ(1)、米株式市場がまもなく大暴落に至る仕組みを詳解 FRBの政策から読み解く「21世紀型大恐慌」シリーズ(2)) [金融]

バブル(最近)については、2月25日に取上げた。今日は、(その7)(日米の株高はバブルか?マネックス松本大氏vs小幡績氏vs山崎元氏が大激論!、まもなく大暴落が始まる米国の株式市場 「21世紀型大恐慌」シリーズ(1)、米株式市場がまもなく大暴落に至る仕組みを詳解 FRBの政策から読み解く「21世紀型大恐慌」シリーズ(2))である。

先ずは、3月22日付けダイヤモンド・オンライン「日米の株高はバブルか?マネックス松本大氏vs小幡績氏vs山崎元氏が大激論!」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/266003
・『週刊ダイヤモンド3月27日号の第1特集は「バブル投資 見通し&リスク」です。日米の株価は沸騰中。日経平均株価が30年半ぶりに3万円を回復し、米国株は過去最高値を更新し続けています。中国株やコモディティ、仮想通貨なども熱を帯びています。これはさらなる高みへの途上なのか?それとも崩壊を避けられないバブルなのか?個人投資家が今知っておくべきファクトや視点を多面的にお伝えします』、興味深そうだ。
・『「明らかにバブルだ」「いや全く違う」 小幡氏と松本氏それぞれの根拠は?  日米の株価はバブルなのか。まだ上がるか、もう持たずに下がるのか。強気派のリーダー格、松本大・マネックスグループCEOと弱気派・バブル崩壊派の旗頭である小幡績・慶應義塾大学大学院准教授が、モデレータを務める経済評論家の山崎元氏を挟んで激突する。白熱座談会の模様をお伝えしよう。 山崎 現在の株価はバブルか。ここから議論を始めましょう。 私の立場は、バブルは現在、形成中である。ただし、かなりタチの悪いものを形成中なので、まだまだ終わらないはずだと。日経平均株価3万円を突破したという株価水準は黄色信号がつき始めた初期ぐらいの感じだと思っています。 まず、株価はもう持たないぞという小幡先生、どうぞ。 小幡 皆さんバブルというと、崩壊直前から崩壊した瞬間を切り取ってイメージしがちなんですが、バブルというのは、今お話にあったように長いんです。生成過程があって、高原状態、乱高下があって最後に崩れる。今はこの一連の過程のただ中にあります。 山崎 かつての日本の資産価格バブルでいえば、1988年くらいの感じかなと思います。 小幡 私は今の株高は明らかにバブルで、しかも最終局面に近いと思っています。その理由は単純で、株価水準とか数字は関係ない。 これは私独自のバブルの定義なんですが、投資家が他人の投資行動に基づいて自分の投資を決めている状態にあって、しかも大多数の投資家がそうであり、かつ買っている場合。これがバブルです。 だから買いが続けば、バブルは続きます。もう3万円だろうが3万1000ドルだろうが関係なく上がる。みんなが買っているから買う。他の人が儲かっているのに自分が儲からないのは嫌だから買うし、最後まで乗って人よりも儲けたいから買う。 松本 私は全然そう思っていない。今、法定通貨、おカネに逆バブルが起きているのだと思います。 新型コロナウイルス禍で大量におカネが刷られ、政府による財政出動もどんどん行われている。米国で昨年6月のひと月で刷られたおカネの額が、建国後200年間で刷られたおカネと同額だったというデータもある。この1年間、世界で新たに供給されたマネーの総量はまさに桁違いのとんでもない規模になります。 例えば、ある野菜を作り過ぎれば安くなるように、おカネも金融緩和と財政出動によって安くなる。おカネの相対価値が下がっていると思うんです。 そうすると供給量の限られている株や不動産、あるいはビットコインみたいな仮想通貨・暗号資産、こういったものの値段が上がる。 おカネをたくさん刷って社会に供給しようという政策意図はもともと、「コロナ禍で大変な状況になった社会を守るため」です。これによってインフレが起き、食料品や日用品などの値段が上がっては困る。政策意図に反する。一方で、株の値段が上がっても、国民生活の上では困らないので放ってある。そう私には見えます。 おカネがジャブジャブになっている中でおカネに逆バブルが起きていて、結果として株などの値段が上がっているということです。 山崎 カネ余り状況については私も同意見です。金融緩和だけでなく財政を使うことで実質的にカネが回るようになった。一方で過剰な流動性が発生して資産に向かっている。では果たして金融政策、財政政策が正常化した時に、この株価が持つのかどうか。 松本 日本の資産バブルの時には不動産融資の総量規制によってバブルがはじけました。今回は新型コロナ感染拡大によって社会が傷んで壊れるのを防ぐためにおカネを出した。例えば、ワクチンが効いて感染拡大が収まったとして、じゃあすぐにおカネを吸い取るでしょうか。すぐに増税とはならないでしょう。 金融緩和の拡大はいずれ止まるでしょう。そこで心理的な調整は起きると思いますが、おカネの総量が急に減るわけじゃない。おカネは急には吸い取らないで、出しっ放しになると思う。だからバブル崩壊みたいなことにはならない。 山崎 株価自体の水準は気にしないんですか?) 松本 そもそもPER(株価収益率)の平均が例えば15倍だったとしましょう。じゃあなぜ15なのか。5ではないのか。科学的な根拠があるわけではないんですよ。 市中のおカネの量が桁違いに多くなった中で、PERが15ではなく、20とか25になったとしても、それはそういう時代になったということだと私は思います。 小幡 いやいや、驚くべきことに意見が全く一緒ですね、実は。 (『週刊ダイヤモンド』3月27日号では、本座談会の完全版を掲載しています)』、「松本」氏と「小幡」氏がマーケットを認める点で「意見が全く一緒」になったとは驚きだ。
・『バブル相場と抜かりなく向き合うための市場の現状、展望、リスクを総まくり!(省略)

次に、3月15日付けJBPressが掲載した元ゴールドマン・サックス本社パートナーでくにうみアセットマネジメント代表取締役の山﨑 養世氏による「まもなく大暴落が始まる米国の株式市場 「21世紀型大恐慌」シリーズ(1)」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64458
・『初めに断っておくが、私は悲観論者ではない。また、常に「大恐慌が来る」と脅かしてきたわけではない。 2009年1月に執筆した『日本「復活」の最終シナリオ』の中では、2008年9月に起きたリーマンショックが「戦前型大恐慌が起きない理由」を説明した。 事実、大恐慌が起きるどころか、今年までに米国株は市場最高値を更新してきた。 しかし、アフターコロナが見えてきた米国株は大暴落すると想定せざるを得ない。しかも、リーマンショックとは違って、米国の債券とドルも大暴落するリスクが高い。 加えて、リーマンショックに際しては瞬時に形成された国際協調体制は、今は機能不全だ。 そうなると、第2次世界大戦後初めての事態であり、「21世紀型大恐慌」に至るリスクが高い。 どうしても警告しなくてはいけないと思い、2020年11月に「21世紀型大恐慌」(PHP出版)を書いた。詳しくはこちらを参照してほしい。 今回は、米株式に絞って暴落へのメカニズムを説明しよう。 ▽大いなる割高(まず、暴落する時には、常に株式は過大評価されている。いまの 米国株がそうである。次に掲げる1枚のグラフには、米国の経済とマーケットのエッセンスが詰まっている。 すぐ目に着くのが、GAMFAなどが含まれるナスダック(NASDAQ)指数(赤い線)がコロナが広がった当初こそは下げたものの、そこから今年の2月までに6割近くも上昇したことだ。 GAMFAの企業価値(時価総額)だけで日本のGDP(国内総生産)を上回っている。 株価水準の過熱度を表す株価収益率(PER)で見た時には、ナスダックのPER(緑の線)は70倍を超えている。今年の純利益の70年分も買われていることになる。) 日本経済が世界最強と言われ、バブルと言われた1980年代末の日本株のPERが40倍であったことを考えるとそれを上回る過熱水準だ。 どうして、コロナで世界も米国も経済が低迷した時に、米国株がこんなに上昇したのだろうか』、知りたいところだ。
・『大いなる錯覚「ゼロ金利になったら買い」  昨年、米国の金利  グラフでは黒線のFF金利)がゼロになった時に、米国はもちろん世界中からGAMFAを中心に米国株に巨額の資金が殺到した。 「ゼロ金利になったら買い」という過去の経験則に世界中の投資家が飛びついたからだ。大いなる錯覚である。 米国の金利は今から6年前の2015年に引き上げが始まっていた。経済と株の過熱を抑制するためだ。 ところが昨年、米国の金利は一気にゼロになった。コロナ禍で米国で失業者と倒産が急増し経済を活性化するために金利を最大限に引き下げたのだ。 グラフの黒線のFF金利の動きをみてほしい。 すると、ナスダックが急上昇したのが分かる。確かにコロナの影響でGAMFAなどの業績は伸びた。しかし、米経済全体は戦後最悪クラスの不況に突入したのだ。 なぜ、そのような矛盾したことが起きたのだろうか? それは、過去2回の経験則から「ゼロ金利は買い」という錯覚が広まったからだ。 どこが錯覚なのだろうか?』
・『過去2回の「ゼロ金利は買い」との違い  過去30年間で2回の米国株買いの大チャンスは、「株式暴落に対応するために」金利が引き下げられて、ゼロ金利になった時だった。 最初が2000年のITバブルの崩壊直後、2回目が2008年のリーマンショックの直後だ。 この過去2回のゼロ金利が起きる前、つまり株式暴落の前は、金利は高い水準まで引き上げられていた。 いったん株価の暴落が起きると、金利はゼロ水準にまで引き下げられた。経済とマーケットに与える影響を緩和して、再びマーケットを上昇させるためのものだった。 だから、企業の資金調達コストは大きく低下した。そして国債などの米国債券は「暴騰」した。 そして、ゼロ金利に近くなった後、長い時間をかけて株価が上昇したことがグラフからわかる』』、なるほど。
・『米国株バブルの終わり  昨年からのゼロ金利と過去2回のゼロ金利との違いは、言うまでもなく今回のゼロ金利はコロナが招いたものであり、株価の暴落が招いたものではないことだ。 もっと言えば、今回はコロナがゼロ金利を招き、ゼロ金利が株の暴騰とバブルを招いた。 過去2回はゼロ金利になったのは株価の暴落後だったから、その後、株は上昇を続けられたが、今回は、株がこのバブル水準から上昇する余地は限られる。 バブル相場の上昇期待がはげ落ちたとき、古今東西を問わず、市場は暴落に向かう。何かのきっかけで、一斉に売りが殺到するからだ』、「今回は、株がこのバブル水準から上昇する余地は限られる。 バブル相場の上昇期待がはげ落ちたとき、・・・市場は暴落に向かう」、その通りなのだろう。
・『株の大暴落だけでは終わらない  今回の米国株のバブルが崩壊した場合には、米国債とドルの暴落との連鎖反応を起こす可能性が高い。 これから世界最大の経済大国、米国のマーケットが全面的に暴落する場合には、その影響は米国だけにとどまらず、世界中に広がるだろう。 ドナルド・トランプ政権が仕掛けた米中の経済対立、世界各国でのコロナ禍と財政の悪化、英国のEU離脱と米欧関係の悪化など、世界経済の国際協調体制は機能不全だ。 さらには、台湾などをめぐる米中間の緊張は、巨大な地政学的なリスクに発展して、IT製品などのサプライチェーンの途絶を引き起こすかもしれない。 そうなると、「21世紀の石油ショック」だ。 こうしたリスクシナリオの多くが現実となった時に、「21世紀型大恐慌」もまた現実として対応しなくてはならなくなる。 次回以降に、そうしたリスクシナリオについて説明していきたい』、「株の大暴落だけでは終わらない」とは不吉な託宣だ。次回を見てみよう。

第三に、この続きを、3月22日付けJBPress「米株式市場がまもなく大暴落に至る仕組みを詳解 FRBの政策から読み解く「21世紀型大恐慌」シリーズ(2)」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64551
・『改めて断っておくが、私は悲観論者ではない。また、常に「大恐慌が来る」と脅かしてきたわけではない。 2009年2月に執筆した『日本「復活」の最終シナリオ 「太陽経済」を主導せよ!!』では、2008年9月に起きたリーマンショックから「戦前型大恐慌が起きない理由」を説明した。 事実、大恐慌が起きるどころか、今年までに米株式市場は最高値を更新してきた。 しかし、アフターコロナが見えてきたことで、今後大暴落すると想定せざるを得ない。しかも、リーマンショックとは違って、株式だけでなく債券とドルも大暴落するリスクが高い。 リーマンショックに際しては瞬時に形成された国際協調体制は、今は機能不全だ。そうなると、第2次世界大戦後初の事態である。 マーケットの大暴落から「21世紀型大恐慌」に至るリスクが高い。 どうしても警告しなくてはいけないと思い、昨年、2020年11月に、『21世紀型大恐慌 「アメリカ型経済システム」が変わるとき』(PHP出版)を書いた。詳しくはこちらを参照してほしい』、トランプが壊した「国際協調体制」の立て直しには相当の時間がかかりそうだ。
・『米マーケット全体が大暴落のリスク  先進国を中心にワクチンの接種が進み、世界最大の犠牲者を出してきた米国でもアフターコロナが見えてきたと思われている。 新型コロナウイルス感染症の被害が世界に広がった昨年の初めから、米国を中心に世界の株式市場は上昇を続けた。アフターコロナになれば、世界のマーケットはどう動くのだろうか? このシリーズの前回のコラムでは、「アフターコロナが見えてきた米株式市場は大暴落すると想定せざるを得ない。しかも、リーマンショックとは違って、債券とドルも大暴落するリスクが高い」と述べた。 なぜだろうか。マーケットの上昇や暴落のメカニズムはどうなっているのだろうか。メカニズムが分かれば対処法も見えてくる』、「マーケットの上昇や暴落のメカニズム」、はどんなものなのだろう。
・『FRBがコントロールできない時代に  米国の経済と金融、そしてマーケットの仕組みの中心に存在するのが米国の中央銀行、FRB(連邦準備制度理事会)だ。 コロナはFRBにも影響を与え、FRBはマーケットに影響を与える。1980年からコロナ以前の2019年までは、FRBの政策をよく理解すれば、経済もマーケットも十分に予測可能だった。 しかし、FRBも常に万能ではない。1970年代まではFRBは経済もマーケットもコンロールできなかった。スタグフレーションと呼ばれた時代だ。 そして、2020年からのコロナをきっかけとして、再びFRBが経済とマーケットのコントロールできない時代に入ろうとしている』、FRBだけでなく、多くの主要国の中央銀行マンは「経済とマーケットのコントロール」に不思議な自信を持っているようだ。
・『FRBの最大の道具がFF金利  下に示しているのがFRBの最大の道具であり政策金利といわれるFF金利(Fed Fund Rate)とインフレ率の過去60年間のグラフ①である。 驚くほどの変動を示しているのがお分かりいただけるだろう。 40年前にはFF金利は20%に近かった。歴史的にみたら今のゼロ金利やゼロインフレはとてもノーマルとは言えない。 なぜ、当時はそんな高金利になったのだろうか? 1970年代の米国は、「偉大な社会」建設を目指した福祉支出拡大とベトナム戦争支出で財政が急速に悪化した。 その上、中東戦争とイランイラク戦争を契機とした2つの「石油ショック」に見舞われ、インフレに襲われて市場の金利が急上昇した。急速に経済が悪化した。 当時のFRBは、景気刺激のために金利を引き下げようと通貨供給量を増やしたが、逆にインフレを高進させる「過剰流動性」を発生させて、金利はさらに上昇してしまった。 高金利に圧迫されて、企業の収益は急速に悪化し、消費や住宅需要は低迷した。 不景気とインフレーションが一緒にやってきたから、「スタグフレーション」という洒落た名前が作られたが、国民はたまったものではなかった』、確かに「スタグフレーション」の時代は酷かった。
・『FF金利でインフレを退治したボルカー  インフレを退治するのに成功したのが、ジミー・カーター政権末期の1979年にFRB議長に就任したポール・ボルカーだった。 ボルカーは、それまでとは逆の発想で、FF金利を大幅に引き上げて、市場に出回る通貨の量を大きく減らした。厳格な「通貨供給量政策」といわれた。 昨今のようにFRBが国債を大量に買って「流動性」つまりお金を供給することなどボルカーには論外だった。 FF金利の大幅な引き上げによってボルカーはインフレ率の大幅低下に成功し、金利も低下して、1980年から始まったロナルド・レーガン大統領時代の「強いアメリカ」を経済から支えた。 ボルカーによってようやく、FRBがFF金利で経済をコントロールできる時代が到来した』、確かに「ボルカー」は偉大だった。
・『FRBの株式市場操作の道具もFF金利  次に掲げるグラフ②には、アメリカの経済とマーケットのエッセンスが詰まっている。 まず、黒い線が米国の金融当局であるFRBが決定するFF金利だ。FRBが民間銀行に強制的に預けさせる「準備預金」に付ける金利だから、民間銀行の「仕入れ値」であり、金利の「元締め」のような役割を果たす。 FF金利は、FRBが米国の経済とマーケットをコントロールする最大の道具である。 冷え込んでいる時にはFF金利を下げて温め(緩和)、過熱だと判断すればFF金利を引き上げて冷まそうとする(引き締め)』、その通りだ。
・『FF金利でマーケットをコントロール  もちろん、FF金利は株式市場も動かす。 ゼロ金利になると、企業の収益が好転するだけでなく、ヘッジファンドや投資銀行といった米国株を動かしている主力投資家の「借入コスト」が劇的に改善する。 なぜなら、彼らは巨額の「レバレッジ」、つまり借り入れを行なっているから、金利が低下すると借入コストも「レバレッジ」、つまり自己資本に対する借入の倍数分低下するからだ。 例えば、レバレッジが5倍の場合、1%金利が上下すれば、自己資本に対する借入コストは5倍上下する。5%金利が上下すれば、自己資本に対する借入コストは25%変化する。 だから、金利を上げられればレバレッジ投資家の収支は大きく悪化し、金利が下がれば収支は大きく改善する。 投資家に投資資金を貸すのは民間銀行だが、銀行の金利は仕入れ値であるFEDのFF金利によって上下する。 つまり、FRBはFF金利を上下させることで、FRB→民間銀行→株式投資家の借入コスト→株式投資の収益性、という経路で株式市場に影響を与えることができる。 こうして、FF金利上げ(引き締め)→株式投資の収益性悪化、FF金利下げ(緩和)→株式投資の収益性改善、という経路で株式市場の上げ下げに影響を与えてきた』、なるほど。
・『過去30年の米株式市場の上昇パターン  再び、グラフ②を見ていただきたい。 1990年から2019年末までは、米国の中央銀行であり金利と金融政策を決定する連邦準備制度(FRB)の政策金利であるFF金利と、米国の株式市場との間には、顕著な「因果関係」が存在した。 FRBが米国の株式市場を相当程度コントロールしてきたからだ。その間のパターンは ①FRBの政策金利であるFF金利が低い時から、経済成長、好景気、株高が継続 ②FRBが市場は過熱と判断、FF金利を継続的に引き上げ、それでも株は上昇 ③FF金利をさらに引き上げ高金利に、やがて株式暴落 ④FF金利を大幅に引き下げ、金利の低下により債券価格は暴騰することで株式市場の暴落ショックを緩和する ⑤は①のパターンに戻り、経済と株式が上昇開始  過去2回の株式市場の暴落であった2000年のITバブルの崩壊と2008年のリーマンショックの双方では以上の①から⑤のパターンが見られた。 いずれの場合にも、経済と株式の上昇はFF金利が低い時に始まり、FRBが金融を引き締めるためにFF金利を引き上げても株式の上昇は止まらず、さらにFF金利を引き上げてから株式「暴落」が起きた。 すると、FRBはFF金利を直ちに5%以上大幅に引き下げたから、それと同時に債券市場は「暴騰」し、低金利をテコに経済活動も活発化して、大底からの経済成長と株価上昇が始まった。 つまり、「FF金利の大幅低下は株式の買いチャンス」というパターンがみられた』、なるほど。
・『「マエストロ」と言われたグリーンスパン  このパターンを確立したのが、1987年から2006年まで19年間にわたり米国の金融政策のトップであったFRBのアラン・グリースパン議長である。 金融だけでなく経済と株式市場の長期成長までもたらしたグリースパン議長は、その絶頂期には「マエストロ」と呼ばれた。 グリースパン議長は、低金利政策により株式や不動産などの資産価値を高めて富裕層の消費を拡大して経済成長を持続させ(その間に貧富の格差は拡大したが)、マーケットが加熱すると金利を引き上げ続けた。 一旦マーケットが暴落すると瞬時に大幅に金利を引き下げて債券価格を上昇させて暴落を緩和し、超低金利効果による経済と株式市場の回復を導いた。 2000年のITバブルの崩壊から回復と成長をもたらし、2006年の退任の直前までは過熱する株式市場を抑制するために金利を引き上げ続けた。 グリースパンの後継者であるベン・バーナンキFRB議長もグリースパン路線を踏襲して金利を引き上げ続け、リーマンショックの暴落が発生すると直ちに金利を低下させて危機を乗り切り、その後の株式と経済の成長に道をつけた』、「グリースパン」は低金利政策でサブプライム問題の種をまいたとの批判も根強い。
・『FRBは株式市場に責任を持つ  ではなぜ、米国の中央銀行であるFRBは株式市場を動かすのだろうか。 FRBが雇用の最大化、つまり経済に責任を持っているからだ。そして、株式市場が株式上昇→消費→雇用→経済、という経路で米国経済に及ぼす影響が大きいからだ。 米国は資本主義の総本山であり、米国資本主義の最大の装置が株式市場であることは過去100年間変わらない。1929年の米国発の大恐慌は株式市場の突然の暴落から始まった。 FRBを含めた米政府にとって、株式市場をコントロールすることは、経済に直結する死活問題である。 1990年代以降の米国の財務長官に、私も共同経営者(パートナー)であったゴールドマンサックスから3人も就任していることも、マーケット重視の表れだ』、「1990年代以降の米国の財務長官に」「ゴールドマンサックスから3人も就任」、確かに「マーケット重視の表れだ」。
・『日銀には制度上、株式市場に責任がない  ここで注意しなくてはいけないのは、日本の中央銀行である日本銀行が法律で定められた責任を持っているのは「物価の安定」だけだ。 日銀は雇用にも経済にも株式市場にも、制度としては責任がない。 日銀が1980年代の株式や不動産のバブルを放置したことも、1990年代以降のバブルの崩壊にも手をこまぬいたことにも、こうした制度上の日米の違いが作用した。 ただし、日銀史上最も国際金融論に通暁した現在の黒田総裁が、2013年の就任以来、日銀の伝統的な手法ではなく、FRBによく似た「金融による成長戦略」をとり、ここまで株式市場を上昇させ、少子高齢化が進む日本経済のマイナス成長を緩和してきたことは特筆すべきだ。 もちろん、世界最大の対外純資産を持つ点では米国と対極的だが、日本の黒田日銀の政策にも、FRBと共通するリスクが内包されている』、「山﨑」氏は、「黒田総裁」を評価しているようだが、私は従来から、異次元緩和はリスクが大き過ぎると批判的だ。
・『コロナが変えたパターン  ドナルド・トランプ政権が誕生した2016年から2019年にはFRBはFF金利をゼロから3.5%まで引き上げていた。 株式市場の上昇が続き、経済は好調で物価上昇の兆候が見られたためだった。 しかし、2020年から始まったコロナ禍により、FRBはFF金利をゼロにまで引き下げた。ここから、米株式市場、特にGAMFAを擁するナスダック(NASDAQ)市場の暴騰が始まった。 「FF金利の大幅低下は買い」という過去の経験則から個人投資家を含む世界中の投資家が米株式市場に資金を流入させたからだ』、米国株式市場のマネー吸引力は確かに凄い。
・『共同幻想が消えるとき  大いなる錯覚である。 過去のFRBによる大幅な金利低下は、株式市場の暴落に対応するためだった。しかし、今回の大幅な金利低下の前には株式市場の暴落は起きていない。 それどころか、米株式市場は歴史的な高値水準にまで上昇した。 この本質的な違いを無視して、「ゼロ金利は買い」という過去の成功の方程式を信じた資金が米国株を押し上げた。 株式市場がどの程度「バブル」状態なのかを表す指標にPER(株価収益率)という「倍数」がある。株価が年間の純利益の何倍なのかを表す。 日本経済がバブルと言われた1989年末で、PERは時期にもよるが、およそ50倍程度であった。 直近の2021年1月末のナスダックの平均PERは約71倍、つまり年間利益の71年分、株が買われているということだ。 グラフ②を見ても、ナスダックがこの1年間でいかに上昇したかが分かる。 この大いなる錯覚が米国株急上昇の最大の原因である。「共同幻想」が消えた時には、暴落の危険をはらんでいる』、その通りだ。
・『コロナはきっかけに過ぎない  パンドラの箱を開けたらあらゆる災いが人類にもたらされたとギリシア神話ではいう。 トランプ大統領が開けたパンドラの箱に、コロナという突風が吹き込んで、これからの米国と世界には「21世紀型大恐慌」のリスクが高まっている』、「21世紀型大恐慌」については殆ど言及がないが、今後出てきたら、紹介するつもりである。
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