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日本の構造問題(その19)(日本は豊かな国だと信じる人の「大いなる誤解」 日本型経営は数字を見ず合理的経営ができない、ひろゆきが語る「日本企業の残念すぎる病」、コロナよりも怖い日本人の「正義中毒」 和田秀樹×中野信子が解説、テレワークが命を救った? 和田秀樹の「自殺者急増」予想が外れた理由) [経済政治動向]

日本の構造問題については、昨年11月29日に取上げた。今日は、(その19)(日本は豊かな国だと信じる人の「大いなる誤解」 日本型経営は数字を見ず合理的経営ができない、ひろゆきが語る「日本企業の残念すぎる病」、コロナよりも怖い日本人の「正義中毒」 和田秀樹×中野信子が解説、テレワークが命を救った? 和田秀樹の「自殺者急増」予想が外れた理由)である。

先ずは、本年1月9日付け東洋経済オンラインが掲載した APU(立命館アジア太平洋大学)学長 の出口 治明氏と東京大学名誉教授の上野 千鶴子氏との対談「日本は豊かな国だと信じる人の「大いなる誤解」 日本型経営は数字を見ず合理的経営ができない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/398662
・『本人にとっての幸せになる働き方とは? 『日本人は「移民は優秀な人」だとわかっていない』(2020年12月25日配信)、「日本の男は自分の履く『ゲタの高さ』を知らない」(2021年1月1日配信)に続いて、出口治明さんと上野千鶴子さんが、語り合った新著『あなたの会社、その働き方は幸せですか? 』から一部を抜粋、再構成してお届けします』、興味深そうだ。
・『日本の1人当たりGDPはシンガポールに劣る  出口 治明(以下、出口):この30年間で日本の名目GDP(国内総生産)の世界シェアは最も高かった時の半分以下になりました。国民1人当たりの名目GDPも2000年には2位でしたが、このあとずっと下降し続けて2018年には26位まで落ちています。 日本がどんどん貧しくなっていることは確かなのですが、名目GDPではまだ世界3位だから、自分たちはお金持ちだと錯覚しています。名目GDPが大きくなるのは人口が多いからにすぎません。さらに労働生産性では、1970年に比較統計を取り始めてからずっとG7(主要7カ国)で最低です。 ある友人がシンガポールに行ったら、えらい物価が高くてびっくりしたと。「ホテルでアフタヌーンティーを頼んだら、5000円以上取られたけれど、外国人やからぼったくられたんやろか」と言うので、スマホで検索して、シンガポールの1人当たりのGDPを見せたら、すぐに納得しました。無意識にシンガポールより日本が上やと思っていたけれど、違うんやなと。 上野 千鶴子(以下、上野):1人当たりGDPは、すでにシンガポールに抜かれているんですね。 出口:より実態を表わす1人当たり購買力平価GDPを見ると、シンガポールはおろか、日本は香港にも台湾にも抜かれていて、お隣りの韓国とほぼ横一線の状態です。G7では最下位です。 上野:日本は人口小国になったらシンガポール型を目指せばいいというシナリオももはや実現可能性は低くなっている。つまり貧しくなっていくしかないのでしょうか。 出口:日本経済がこのように停滞しているのは、製造業の工場モデルに過剰適応した男性の長時間労働という働き方を変えることができなかったからだと思います。働き方が変わっていたら、日本はもっといい社会になって、生産性も上がっていたはずです。働き方がほとんど変わらなかったことが日本社会の根源的な問題ではないでしょうか。) 上野:言わせてください。女性にとっては、労働状況は変わっていないどころか悪化しています。 出口:その通りです。121位ショックが象徴的ですが、女性の地位は下がってきています。 上野:私と出口さんの共通認識は働き方が変わらなくては、働き方を変えなくては、です。出口さんはかねてから、新卒一括採用、終身雇用制、年功序列給、定年制をやめることを提言しておられます』、「日本経済がこのように停滞しているのは、製造業の工場モデルに過剰適応した男性の長時間労働という働き方を変えることができなかったからだ」、その通りだ。
・『日本型経営は人口増と高度成長なしに成り立たない  出口:このワンセットの労働慣行が日本型経営を支えたと認識しています。しかしこのガラパゴス的な慣行は、人口の増加と高度成長という2つの前提条件が揃わないと成り立たない仕組みでもあるのです。 上野:私はこれにもう1つ加えたい。企業内労働組合です。労働者を守るべき組合がそれぞれの企業内で組織されたことから、企業との共存共栄で生き残ってきました。労働者の味方というよりも企業の共犯者です。 出口:日本生命に入社した頃に、酒の席では、労働組合のことを考えすぎる会社と、会社以上に会社の経営を考えすぎる労働組合が団体交渉をしているのは、何か変ではないかとよく話していました。 上野:労働組合のリーダー経験者は企業の出世コースでしたね。人事管理が得意ですから、経営者に向いています。 出口:そういう面が間違いなくありますね。日本生命でも組合の幹部は出世コースです。 上野:労働組合はフェミニズムの敵でもありました。日本型経営は女性の犠牲のもとに成り立っていたと、ジェンダー研究では結論が出ています。女性を構造的・組織的に排除する効果があるからです。 労働組合は、人口が増えていた時期に失業率を抑えて、完全雇用に近い状態を達成したと言いますが、それができたのは、女を労働市場から排除したからです。女が労働市場から排除されていなければ、失業率はもっと高かったでしょう。 長時間労働や年功序列などの日本型雇用慣行がやめられないのは、過去に成功体験があるからだとおっしゃる人が多いのです。だからその頃と同じことを続けていると。 でも、本当にそうなんでしょうか?それだって誰にとっての成功だったのか。女性にとっては抑圧だったのかもしれません。 出口:成功体験だったかどうかは別として、人間は一度考えの枠組みができてしまうと、なかなか変えられないということだと思います。) 上野:惰性ですね。成功体験があると、自然とその状況に依存することは、日本に限らずどの国の社会にもあります。 出口:無意識の偏見がずっとあるような気がしています。たまたま戦後うまく復興ができたから、日本型経営が正しいという偏見が強化されたのではないでしょうか。 でも、戦後の日本の高度成長を計量的に分析すれば、ほとんどが人口増と、朝鮮戦争による特需などの偶然が重なったことが実は大きいのです。 上野:歴史の偶然のおかげですね。 出口:そうです。必ずしも日本型経営が優れていたからではありません。日本型経営が優れていたら、この30年間、正社員ベースで2000時間以上働いて平均1パーセントしか成長しないことの説明がつきません。 欧米は数百時間少ない労働時間で平均2.5パーセント成長しているわけですから、真実はむしろ日本型経営は劣っていると理解すべきです』、「労働組合はフェミニズムの敵でもありました。日本型経営は女性の犠牲のもとに成り立っていたと、ジェンダー研究では結論が出ています。女性を構造的・組織的に排除する効果があるからです」、初めて知った。「欧米は数百時間少ない労働時間で平均2.5パーセント成長しているわけですから、真実はむしろ日本型経営は劣っていると理解すべきです」、同感である。
・『数字を見ない、合理的経営ができない経営者  上野:経済学者の川口章さんが、差別型企業と平等型企業を比較した実証研究で、平等型企業のほうが売上高経常利益率は高いことを明らかにしました。他にも、女性差別が少なく女性役員がいるような企業のほうが、生産性が高く、パフォーマンスがいいという実証データが上がっています。 それなら差別型企業は内部改革をして平等型企業に移行するかというと、ノー。なぜなら、変わる動機がないからだと言います。 出口:僕が働いていた日本生命はずっと業界1位でした。でも一度だけ瞬間的に第一生命に抜かれたことがあって、その時、「これは看過できない」と役員がコメントしていました。 それで何をしたかというと、別の生命保険会社を買収して1位を取り戻したのです。そして伝統を守ったということでした。 上野:めちゃくちゃ内向きの発想ですね。企業は、経済合理性を追求するものではないのですか。 出口:これは僕自身よくわからないところもありますが、仮説の1つは、経営者はそれほど経済合理性を考えていないということです。 上野:それでは、企業は何をもとに動いているんでしょう? 出口:一般に企業は経済合理性、つまり数字(トップラインやボトムライン)を見て動くと考えられていますが、日本の経営者は、グローバル企業の経営者に比べれば、数字よりも業界内の序列やシェアに関心を向ける人が多いのではないでしょうか。 上野:企業のトップや管理職の人に、「どうしてこんな不合理な慣習が続いているのですか?」と聞いても、彼らには危機感があるとは思えない。それがどう考えても不思議です。) 出口:危機感がないのは、今までと同じことをやるほうが楽だからじゃないですか。今までと同じことをやって、同じ給与がもらえるのであれば人はなかなか変わらないように思います。 上野:追い詰められていることがわからないから? 出口:国際比較した数字をきちんと見ないからです。 上野:国内しか見ないということですか? 出口:はい。前年の売り上げが300億円で、今年は310億円。国内しか見ていなかったら、まあこんなもんやろと。働いている人たちも同じことをやり続けて同じ給与がもらえるのであれば仕事を変えようとはしない』、「日本の経営者は、グローバル企業の経営者に比べれば、数字よりも業界内の序列やシェアに関心を向ける人が多いのではないでしょうか」、確かに内弁慶な人が多いようだ。 
・『完全に閉じた世界しか見ていない  上野:実質所得は減り続けていますよ。 出口:その通りで、前述した1人当たり購買力平価GDPでみれば、絶対額がG7最下位であるばかりではなく、伸び率も小さい。つまりアメリカやドイツとの差は開いているのです。でも、そうしたデータを誰もみない。 加えて、物価も上がりませんから、そんなに痛みを感じないのでしょう。経営者は、業界何位とか業界シェア、社会的地位、たとえば経団連(日本経済団体連合会)企業だとか、そういうことを見て満足しています。 経常利益率や生産性の向上、あるいは従業員の給与を上げれば初めて合理的経営といえるのですが、そういう数字はあまり真剣に見ようとしないから、合理的な経営が行なえないのです。平等型企業のほうがはるかにパフォーマンスはよくても、不幸なことにそれほど大きくないので、大企業にとっては痛くもかゆくもないのでしょうね。 上野:平等型企業は新興のベンチャー等に多く、ビジネスの規模が小さいですね。 出口:アメリカのGAFAのように規模もガンガン伸びて、古い企業を淘汰していけばみんなが必死になるのですが、現状だと、ええことやっているけれどあれは小さい会社やからできることやで、と安心しきっています。 上野:おっしゃる通りだと思います。完全に閉じた世界しか見ていません。同じような話をある大企業の会長からも聞いたことがあるんです。彼も日本の大企業は横並びでお互いしか見ていない。グローバル企業の利益率は平均15パーセントだけど、日本の大企業の利益率は平均4~5パーセントと。比べものにならない。 出口:利益率はグローバル企業の3割にも満たない。 上野:それでも横並びでしか見ていないから、これでいいんだと。お互いに低位安定しているのが日本だ、とおっしゃっていました』、「日本の大企業は横並びでお互いしか見ていない。グローバル企業の利益率は平均15パーセントだけど、日本の大企業の利益率は平均4~5パーセントと。比べものにならない」、こんな経営者のダラシナイ姿勢が日本に低成長をもたらしているようだ。

次に、3月11日付けダイヤモンド・オンライン「ひろゆきが語る「日本企業の残念すぎる病」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/264098
・『日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続ける、ひろゆき氏。 そのロジカルな思考は、ときに「論破」「無双」と表現されて注目されてきたが、彼の人生観そのものをうかがう機会はそれほど多くなかった。『1%の努力』では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。 「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」 「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より) そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――(こちらは2020年3月21日付け記事を再構成したものです)』、「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない」、とは面白い問題意識だ。
・『起業して必要だった「能力」  2000年代に、僕が運営をしていた「2ちゃんねる」というサイトは、どんどん大きくなっていった。 とはいえ、2ちゃんねるの事業で利益があがるわけではなく、トラブルが多くてビジネスとしては割に合わなかったかもしれない。 当時、月250万円のサーバー代を捻出するために、バナー広告や出版でお金をまかなっていた。起業してうまくいっている人は、派手な能力ではなく、地味なやりくり能力や総務のような事務処理能力が必要だ。 問題が起きたら、粛々と対処する。そこに、「好き嫌い」の私情を入れる余地はなかった。 そして、2008年には、2ちゃんねるのユーザーは1000万人を超えた。 平均年齢は30歳くらい。活字として消費されて、ネット広告も儲かり出し、僕の年収は1億円を超えた。 ただ、広告に頼るメディアは厳しくなる予感があった。新しいメディアが増えると、そのぶん食い合うことになり、薄利多売にならざるを得ない』、「2008年には、2ちゃんねるのユーザーは1000万人を超えた・・・僕の年収は1億円を超えた」、なるほど。
・『競争しないところまで行けるか?  たとえばユーチューブは、グーグルに買収されたことで、ある意味「何もしなくていい企業」になった。 潰れる心配もなく、競争して頑張る必要もない。 ユーチューブがここまでの規模になれたのは、「著作権侵害コンテンツを見られたから」という理由がある。もちろん、削除依頼を出せば消されてしまうが、そこにはタイムラグがあるため、一時的には見ることができてしまう。削除依頼が来ないものは、ずっと放置され続けてしまう。 あなたもきっと、最初に見たユーチューブ動画は、テレビや映画、音楽など、著作権違反の動画だっただろう。 それを自分たちの売り物であるかのようにして、いまや世界一の動画サイトとしてブランディングしてしまったわけだ。 動画サイトが大きくなるためには、グレーな部分をひたすら攻めるしかなかったのかもしれない』、「ユーチューブがここまでの規模になれたのは、「著作権侵害コンテンツを見られたから」、すごい本質を突いた発言だ。
・『スティーブ・ジョブズとグレーゾーン  また、スティーブ・ジョブズが高校生だった頃に、無料で電話が掛けられる装置「ブルーボックス」を発明して大儲けした話は有名だ。 電話会社のシステムをハッキングして、電話料金をタダにしてしまうという、まさにグレーゾーンを攻めたビジネスだった。というより、明らかに違法であることを本人も認めている。 ブルーボックスという装置は、デザイン性にも優れていて、持っているだけでもカッコよかったという。まさに、後のアップル製品にも通じる考え方が表れていた。 こうやってインターネット界の覇者たちを観察していると、1つの結論に結びつく。 「物事は大きくなりすぎると、『共存』する」ということだ。 「出る杭は打たれる」という言葉があるが、出すぎた杭は打たれなくなる。 会社の中の社員も、1人だけが騒いでいるだけなら退職に追い込むことができるかもしれないが、1人1人が組合として大きい存在になってしまうと、共存をするしかない。 「数」を優先させてしまうのは、ビジネスの戦略としても正しい』、「物事は大きくなりすぎると、『共存』する」」、なかなか深い言葉だ。
・『「機能優先」という病  なぜ、日本人の多くが検索サイトに「ヤフー」を使うかというと、一度、習慣として付いてしまっているからだ。 パソコンを買ってきて、インターネットにつないだら、最初はヤフーのトップ画像が表示される。だから、使い続ける。 ソフトバンクの孫正義さんは、携帯電話事業に参入したとき、「電波がつながりにくい」という機能性の問題をいったん脇に置いて、格安の使用料でシェア拡大を優先させた。 2ちゃんねるの利用者が増えたときの背景も、「匿名」という部分を変えなかったからだ。 匿名であることで、正直、やっかいな問題はたくさん増えた。しかし、やっかいな問題は置いておき、利用者が増えるほうを選んだのだ。 日本は「機能優先」の病がある。 電化製品を見ていても、新しい機能を付け足したりしているだけで、それでは世界では戦えない。 まず、シェアを拡大させ、叩かれないほどに大きくする。機能で勝負するのはそれからだ。 うまくいっているときは、慎重に問題を1つ1つ解決するより、規模拡大を選んだほうがいいのかもしれない。それも、「1%の努力」の道だろう』、「日本は「機能優先」の病がある・・・それでは世界では戦えない。 まず、シェアを拡大させ、叩かれないほどに大きくする。機能で勝負するのはそれからだ」、なるほど。
・『「1%の努力」とは何か  「99%の努力と1%のひらめき」というのは、発明家エジソンの有名な言葉だ。これの真意をみんな誤解している。本当は、「1%のひらめきがなければ、99%の努力はムダになる」ということだ。しかし、「努力すれば道が開ける」という表現で広まっている。 発明の世界では、出発点が大事だ。 「光る球のようなものを作ろう」という考えが先にあって初めて、竹や金属などの材料で実験をしたり、試行錯誤を重ねたりして努力が大事になってくる。 ひらめきもないまま、ムダな努力を積み重ねていっても意味がない。耳障りのいい言葉だけが広まるのは、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。 そんな思いから、この本の企画は始まった』、「「99%の努力と1%のひらめき」というのは、発明家エジソンの有名な言葉だ・・・これの真意をみんな誤解している。本当は、「1%のひらめきがなければ、99%の努力はムダになる」ということだ」、確かにひろゆき氏の解釈の方に説得力がある。
・『「自分の頭で考える世代」の教え  僕は、1976年生まれの「就職氷河期世代」だ。 この世代の特徴は、「自分の頭で考えることができる」ということだと思う。 僕らより上の世代は、バブル世代であり、時代を謳歌してきた。会社からも守られてきただろう。 彼らの世代が、いま、早期退職でリストラの嵐に巻き込まれている。僕の世代は時代が悪かったぶん、考えることを余儀なくされ、おかげで能力が身についた。 僕より上の世代は、「昔はよかった」と話す人が多い。しかし、ちゃんとデータを見ることができれば、昭和の時代より平成のほうが、殺人事件や餓死が少なく幸せの総量は多いことがわかる。 人生で選択肢が目の前にあるときに、どういう基準で考えるのかは人それぞれ違う。そこには、「判断軸」が存在する。「考え方の考え方」みたいな部分だ。 これについては、僕の経験をもとに教えられるのではないかと思った。できるだけ長期的な目線を持ち、「よりよい選択肢をとる」というクセがつくように、根っこの部分を書いた。それが、この本だ』、興味深そうだ。
・『本書の内容  この本では、7つのエピソードを語る。「前提条件」「優先順位」「ニーズと価値」「ポジション」「努力」「パターン化」「余生」という7つの話だ。それぞれに、重要な「判断軸」をいくつか与える。 エピソード1 団地の働かない大人たち ―― 「前提条件」の話 「前提が違うんじゃないか?」「人は権利を守る生き物だ」「片手はつねに空けておけ」 エピソード2 壺に何を入れるか ―― 「優先順位」の話 「これはロジックの世界か、趣味の世界か?」「それは修復可能か?」「自分にとって何がストレスだろう?」 エピソード3 なくなったら困るもの ―― 「ニーズと価値」の話 「なくなったら困る体験は何か?」「やられたときだけ、やり返す」「誰しもがひと言だけ言いたい」 エピソード4 どこにいるかが重要 ―― 「ポジション」の話 「場所があれば、人は動きはじめる」「日本人、1億人に投げかける」「特殊なポジションに手を挙げる」 エピソード5 最後にトクをする人 ―― 「努力」の話 「最後に勝つにはどうすればいいか」「上の判断がよければ、下がテキトーでもうまくいく」「あなたは先輩に歯向かえるか?」 エピソード6 明日やれることは、今日やるな ―― 「パターン化」の話 「ゼロイチ以外でできることは何か?」「身近に支えたい人がいるだろうか?」「この1週間で、『新しいこと』はあっただろうか?」 エピソード7 働かないアリであれ ―― 「余生」の話 「調べる労力を惜しんでいないか?」「聞き分けのいい豚になっていないか?」「ブラックボックスの部分は持っているか?」』、時間が出来たら読んでみたい。

第三に、4月8日付けAERAdot「コロナよりも怖い日本人の「正義中毒」 和田秀樹×中野信子が解説」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/wa/2021040700009.html?page=1
・『新型コロナウイルスとの闘いが始まって、1年あまり。「新しい生活様式」のなかで自粛警察が横行するなど、この間に、日本が抱える問題点が浮き彫りになってきた。精神科医の和田秀樹氏と脳科学者の中野信子氏が分析する。 和田:新型コロナウイルスは、日本やアジアではインフルエンザと大して変わらないんですよ。日本でのインフルエンザでの死者数は、年に約1万人(注1)ですから。 中野:コロナで怖く感じたのは、むしろ営業を継続する店への嫌がらせとか、ちょっと出かけただけでバッシングするとか。そういう人間の行動です。本人は強い正義感でやっているつもりでしょうが、他人を攻撃することでドーパミンが放出され、快楽にはまってしまうんです。私はそれを「正義中毒」と呼んでいます。 和田:飲食店がどういう対策を取っているかが重要なのに、形式的に開けているか開けていないかで、悪いか良いかを決めて、叩く。 中野:日本人は「スパイト行動(注2)」を取りがちだという実験結果が出ています。自分以外の人間が得をしているのを見ると、許せないという気持ちが強い。そのため、皆が我慢をしているときに得をしている人がいると、その人を激しい攻撃対象にしてしまうんです。攻撃のターゲットにならないように、皆、より強く我慢を強いられます。マスクにしても、「自分はルールを遵守する人間ですよ」という象徴。ルールに従う人、従わない人を峻別する装置です。 和田:日本人は、ルールは絶対に守らないといけないという強迫観念が強い。そしていったん決まったルールを変えるのは、とても苦手なんです。 中野:敗戦という集団的な大きなトラウマ体験があると、自分たちがもともと持っていた価値観に自信を喪失してしまうということはあるのでしょうか? それで、自分で新しくルールを設定しにくいとか。 和田:日本のように長い歴史で1回しか負けたことがないと、「負けたら最後、相手の言うことを全面的に聞かないといけない」と刷り込まれる可能性があるでしょう。トラウマに関していえば、あまりにもひどいことをされたら、割と加害者の言うことを聞くんですよ。たとえば子どもが親からひどい虐待を受けると、親の機嫌を取るようになる。「サレンダー心理」といって、無抵抗の状態に陥ってしまうんです』、「コロナで怖く感じたのは、むしろ営業を継続する店への嫌がらせとか、ちょっと出かけただけでバッシングするとか。そういう人間の行動です。本人は強い正義感でやっているつもりでしょうが、他人を攻撃することでドーパミンが放出され、快楽にはまってしまうんです。私はそれを「正義中毒」と呼んでいます」、「日本人は「スパイト行動(注2)」を取りがちだという実験結果が出ています。自分以外の人間が得をしているのを見ると、許せないという気持ちが強い・・・攻撃のターゲットにならないように、皆、より強く我慢を強いられます」、困った性向だ。
・『中野:学習性無力感に類する心理ですね。 和田:ええ。日本は原爆を落とされ、アメリカにサレンダー状態にされてしまった。そのため従順になってしまったんだと思います。戦争の前、大正時代なんかは本当に自由だったのに。 中野:ヨーロッパの研究者が面白い実験をしました。被験者に対してルールを説明して、ゲームをさせるんです。でもそのルールには仕掛けがあり、ゲームを続けていくうちに「ルールがおかしい」ことに気づくようになっているんです。被験者の反応は、2種類に分かれます。「先生の言ったルールは間違っている。自分で考えたルールにのっとってやったほうがいい」という人と「先生が言ったんだから、最後までそのルールでやる」という人と。ふたつのグループの遺伝子を比べたら、ドーパミンの代謝酵素に変異があることがわかりました。国別にその変異の割合というのも調査されましたが、日本人はルールを変えない、つまり先生の言ったことに従いやすい人が多いんです。 和田:それに加えて僕は、日本の大学教育に致命的な欠陥があると思うんですよ。高等教育では、物事を疑うことが大切。教授とディスカッションするとか喧嘩をするくらいのほうがいい。 中野:同感です。人が決めた答えを選ぶのが、これまでの日本の大学入試であり大学教育でした。体制に合わせなければ生かしてもらえない。そういう教育で、不確実の時代を生き延びていけるのか……。 和田:日本では入試の面接は教授がやるでしょう。でもアメリカでは、教授ではなくアドミッションオフィス(入学事務局)の担当者が面接するんです。それで、教授に逆らいそうな生徒を採る。 中野:そうなんですか。日本では、優秀な人を採るというよりも、教授の手足となって働けそうな人を採っていますね。 和田:医者の世界ではその悪弊が強くて、上が言ったことには逆らってはいけないんです。1980年代に近藤誠先生が乳がん治療において乳房温存療法を提唱したら、権威から大バッシングを受けました。でも今では、乳房温存療法は標準治療になっています。近藤先生を叩いた人たちが定年退職したから』、「ヨーロッパの研究者が面白い実験」、「日本人はルールを変えない、つまり先生の言ったことに従いやすい人が多いんです」、「日本の大学教育に致命的な欠陥がある・・・人が決めた答えを選ぶのが、これまでの日本の大学入試であり大学教育でした。体制に合わせなければ生かしてもらえない」、確かにその通りだ。
・『中野:自分と違う考えを知ったことで自分はより豊かになった、と考えられないのは残念です。 和田:日本は失敗しないという前提で物事を進めます。アメリカとの戦争も、負けると思っていなかったわけです。原発も、事故が起きない前提でやっているでしょう。 中野:そうですよね。私が留学していたフランスでは、原発事故は「あってはならない」ことだけど、「事故ゼロ」もありえない。いざ事故が起きたときにどうすれば被害を最小限に抑えられるか、という考えがしっかりあったのは興味深いことでした。 和田:日本だと、いじめをなくそうとか、コロナをなくそうという方向で考える。いじめられた子がいたらどうしようかとか、コロナの患者をどうしようかということは、あまり。だから1年経っても、医療体制が逼迫なんて状態なんです。 中野:極言すれば、なかったことにするか、起きたときにどうするか対処法を準備しておくかの2択ですが、後者のほうが、建設的な方法だと思います。 和田:医療については、過度な専門化が進んだことも問題です。そのうえ、ある専門家が言ったことについては、他の分野の専門家は反対意見を言わないという不文律ができてしまいました。たとえば循環器内科の医者にとって、コレステロールは天敵です。動脈硬化を引き起こしやすいから。でもコレステロール値が高いほうが、免疫力は高い。免疫系の医者はそう主張すべきなのに、先に診た循環器系が減らすように言ったら黙っちゃう。 中野:たしかに。 和田:コロナ対策で、感染症学者は外出を控えるように訴えました。感染のことだけを考えたらそうだけど、精神科医の立場から考えると絶対にまずい。免疫学的にもまずいし、老年医学の見地でもサルコペニアの原因を作っているようなものでまずい。でも感染症学者だけが暴走し、他の科の先生方は何も言わない。 中野:領域横断的な議論がしにくいということは、ずっと前から言われてるんですよね。そのひずみが表面化したんですね。 (注1)インフルエンザによる直接死と、原疾患が悪化して死んだ間接死を合わせたインフルエンザ超過死亡の推計。 (注2)たとえ自分が損をしてでも、他人が得をしないように足を引っ張る行為。 中野信子氏、和田秀樹氏の略歴は省略 』、「コロナ対策で、感染症学者は外出を控えるように訴えました。感染のことだけを考えたらそうだけど、精神科医の立場から考えると絶対にまずい。免疫学的にもまずいし、老年医学の見地でもサルコペニアの原因を作っているようなものでまずい。でも感染症学者だけが暴走し、他の科の先生方は何も言わない」、「領域横断的な議論がしにくいということは、ずっと前から言われてるんですよね。そのひずみが表面化したんですね」、同感である。

第四に、この続き、4月8日付けAERAdot「テレワークが命を救った? 和田秀樹の「自殺者急増」予想が外れた理由」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/wa/2021040700010.html?page=1
・『精神科医の和田秀樹氏は、新型コロナウイルスの影響から自殺者が急増すると予測していた。ふたを開けてみれば、微増にとどまった。一体なぜなのか。脳科学者の中野信子氏と語り合った。 和田:コロナのために、日本の抱えている問題点が次々にあらわになりました。その中でひとつ、興味深いものがあって。僕は去年、自殺者が急増して、また3万人を突破する(注1)と考えていました。経済的な状況が悪化。家にこもることでセロトニンの出が悪くなる。他人に泣き言を言えない。一人酒が増える。治療が必要でも感染が怖くて病院に行かない……。これだけの悪条件がそろえば、自殺者が大幅に増えると心配したんです。 中野:でも実際は……。 和田:前年と比べて912人増えただけの2万1081人でした。なぜなんだろうと考えて、仮説を導きました。テレワークなどをすることで、対人ストレスから解放されたからではないか、と。 中野:自殺を試みる人が多いのは月曜の朝や月の初めと聞きます。会社や学校へ向かう苦痛から逃れるためだと考えられていますが、それがなくなったというのが先生の見立てですね。 和田:会社に行かなくていいことで、9千人が自殺を踏みとどまったというのであれば、働き方を根本的に変えればいい。会社で人と接するほうが好きだという人は、会社で働く。それが合わない人は、テレワークをする。そういう発想で働き方改革を進めてほしい。 中野:私はこの時期に本をたくさん読むことができました。この機会に、自分とは違う考えの人の書いた本をあえて読んだらいいと思うんです。ネットでも、関心のない分野の記事を読む。そうすることで、自分の考えが絶対正しいというわけではないことを理解できます。正義中毒から解放されるきっかけになるのではないでしょうか。 和田:コロナのワクチン接種が始まりましたが、ワクチンが普及しても、死者は出ると思うんですね。実際、インフルエンザがそうでしょう。感染症とはそういうものだと冷静に受け止めて、行動したいと思います。 (注1)日本の自殺者は、1998年から2011年まで3万人を超えていた。その後減少傾向が続き、19年は2万169人。20年は11年ぶりに増加し2万1081人に。』、「この時期に本をたくさん読むことができました・・・そうすることで、自分の考えが絶対正しいというわけではないことを理解できます。正義中毒から解放されるきっかけになるのではないでしょうか」、一般の人にそこまで期待するのは、無理な気がする。「自殺者が急増して、また3万人を突破すると考えていました」、現実には「前年と比べて912人増えただけの2万1081人でした。なぜなんだろうと考えて、仮説を導きました。テレワークなどをすることで、対人ストレスから解放されたからではないか」、面白い仮説だが、まだ粗削りな印象も受ける。いずれにしろ、2人の対談は全体としては、刺激的で大変参考になった。
タグ:東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 上野 千鶴子 出口 治明 AERAdot 日本の構造問題 (その19)(日本は豊かな国だと信じる人の「大いなる誤解」 日本型経営は数字を見ず合理的経営ができない、ひろゆきが語る「日本企業の残念すぎる病」、コロナよりも怖い日本人の「正義中毒」 和田秀樹×中野信子が解説、テレワークが命を救った? 和田秀樹の「自殺者急増」予想が外れた理由) 「日本は豊かな国だと信じる人の「大いなる誤解」 日本型経営は数字を見ず合理的経営ができない」 日本の1人当たりGDPはシンガポールに劣る 「日本経済がこのように停滞しているのは、製造業の工場モデルに過剰適応した男性の長時間労働という働き方を変えることができなかったからだ」、その通りだ。 「労働組合はフェミニズムの敵でもありました。日本型経営は女性の犠牲のもとに成り立っていたと、ジェンダー研究では結論が出ています。女性を構造的・組織的に排除する効果があるからです」、初めて知った 「欧米は数百時間少ない労働時間で平均2.5パーセント成長しているわけですから、真実はむしろ日本型経営は劣っていると理解すべきです」、同感である。 「日本の経営者は、グローバル企業の経営者に比べれば、数字よりも業界内の序列やシェアに関心を向ける人が多いのではないでしょうか」、確かに内弁慶な人が多いようだ。 「日本の大企業は横並びでお互いしか見ていない。グローバル企業の利益率は平均15パーセントだけど、日本の大企業の利益率は平均4~5パーセントと。比べものにならない」、こんな経営者のダラシナイ姿勢が日本に低成長をもたらしているようだ。 「ひろゆきが語る「日本企業の残念すぎる病」」 「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない」、とは面白い問題意識だ。 2008年には、2ちゃんねるのユーザーは1000万人を超えた・・・僕の年収は1億円を超えた」、なるほど。 「ユーチューブがここまでの規模になれたのは、「著作権侵害コンテンツを見られたから」、すごい本質を突いた発言だ 「物事は大きくなりすぎると、『共存』する」」、なかなか深い言葉だ。 「日本は「機能優先」の病がある・・・それでは世界では戦えない。 まず、シェアを拡大させ、叩かれないほどに大きくする。機能で勝負するのはそれからだ」、なるほど。 「「99%の努力と1%のひらめき」というのは、発明家エジソンの有名な言葉だ・・・これの真意をみんな誤解している。本当は、「1%のひらめきがなければ、99%の努力はムダになる」ということだ」、確かにひろゆき氏の解釈の方に説得力がある。 7つのエピソードを語る。「前提条件」「優先順位」「ニーズと価値」「ポジション」「努力」「パターン化」「余生」という7つの話 時間が出来たら読んでみたい。 「コロナよりも怖い日本人の「正義中毒」 和田秀樹×中野信子が解説」 「コロナで怖く感じたのは、むしろ営業を継続する店への嫌がらせとか、ちょっと出かけただけでバッシングするとか。そういう人間の行動です。本人は強い正義感でやっているつもりでしょうが、他人を攻撃することでドーパミンが放出され、快楽にはまってしまうんです。私はそれを「正義中毒」と呼んでいます」 「日本人は「スパイト行動(注2)」を取りがちだという実験結果が出ています。自分以外の人間が得をしているのを見ると、許せないという気持ちが強い・・・攻撃のターゲットにならないように、皆、より強く我慢を強いられます」、困った性向だ 「ヨーロッパの研究者が面白い実験」、「日本人はルールを変えない、つまり先生の言ったことに従いやすい人が多いんです」、「日本の大学教育に致命的な欠陥がある・・・人が決めた答えを選ぶのが、これまでの日本の大学入試であり大学教育でした。体制に合わせなければ生かしてもらえない」、確かにその通りだ 「コロナ対策で、感染症学者は外出を控えるように訴えました。感染のことだけを考えたらそうだけど、精神科医の立場から考えると絶対にまずい。免疫学的にもまずいし、老年医学の見地でもサルコペニアの原因を作っているようなものでまずい。でも感染症学者だけが暴走し、他の科の先生方は何も言わない」、「領域横断的な議論がしにくいということは、ずっと前から言われてるんですよね。そのひずみが表面化したんですね」、同感である 「テレワークが命を救った? 和田秀樹の「自殺者急増」予想が外れた理由」 「この時期に本をたくさん読むことができました・・・そうすることで、自分の考えが絶対正しいというわけではないことを理解できます。正義中毒から解放されるきっかけになるのではないでしょうか」、一般の人にそこまで期待するのは、無理な気がする。 「自殺者が急増して、また3万人を突破すると考えていました」、現実には「前年と比べて912人増えただけの2万1081人でした。なぜなんだろうと考えて、仮説を導きました。テレワークなどをすることで、対人ストレスから解放されたからではないか」、面白い仮説だが、まだ粗削りな印象も受ける いずれにしろ、2人の対談は全体としては、刺激的で大変参考になった。
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