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医薬品(製薬業)(その7)(ジェネリック不正「薬都」を直撃 業界急成長 現場にゆがみ、モデルナが「製薬業界のアマゾン」だといえる2つの理由~『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』(田中道昭 著)を読む、コンビニより多い「門前薬局」が医療費を食いつぶす 「医薬分業」をやめて薬に競争原理を導入せよ) [産業動向]

医薬品(製薬業)については、昨年10月5日に取上げた。今日は、(その7)(ジェネリック不正「薬都」を直撃 業界急成長 現場にゆがみ、モデルナが「製薬業界のアマゾン」だといえる2つの理由~『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』(田中道昭 著)を読む、コンビニより多い「門前薬局」が医療費を食いつぶす 「医薬分業」をやめて薬に競争原理を導入せよ)である。

先ずは、昨年10月25日付け朝日新聞アピタル「ジェネリック不正「薬都」を直撃 業界急成長、現場にゆがみ」を紹介しよう。
https://www.asahi.com/articles/ASPBT3JLRPBGPISC01F.html
・『低価格なジェネリック医薬品(後発薬)はこの10年ほど、国の旗振りで普及が進んだ。だが、水面下でメーカーによる法令違反が横行していた。次々と明るみに出た急成長のゆがみが、「薬都」の富山県など北陸を直撃している。 「状況は日に日に悪化している。そして終わりが見えない」。薬剤師の竹腰利広さんはため息交じりだ。 富山市郊外にあり、竹腰さんが責任者を務めるチューリップ薬局アリス店では夏以降、後発薬の品薄が深刻だ。扱う薬の8割は後発薬で、その5分の1ほどが不足がちという。 患者が希望する品がない場合、代替品や他店舗の在庫を探すが、不足品目が多すぎて苦慮する。不急の薬は処方を避けるよう医療機関と調整することすらあるという。 特に、薬の切り替えを窓口で患者に理解してもらうのが一苦労。竹腰さんは「切り替える薬の効用は保証されているが、コロコロ変わると患者は戸惑う。そもそもなぜ欠品なのかという説明も、情報不足だから分からない」と話した。 原因は相次いだメーカーの不祥事にある。 まず、2020年12月、小林化工(福井県あわら市)が製造したジェネリックの皮膚病薬の服用者から健康被害が報告された。同社によると、服用者324人の7割超の245人が健康被害を訴え、死者も出た。国に承認を受けた手順を守らず製造した違反行為がいくつも確認され、福井県から過去最長となる116日間の業務停止命令を受けた。 同じ頃、業界最大手の一角、日医工(富山市)でも同様の違反行為が見つかった。20年2月、富山県による立ち入り調査で最初の違反が判明。県は調査をさらに進め、翌年3月に発表した。不正は少なくとも10年前から行われていたという。 その頃、何があったか』、「ジェネリック」の問題点については、このブログの昨年3月3日、10月5日にも取上げた。
・『第1次安倍内閣の「骨太方針」  ジェネリックは特許の切れた先発薬と同等の成分や薬効を持ちながら、開発費を抑える分だけ安く供給できる医薬品だ。患者の費用負担や国の医療費を減らすとされている。 国内では低調だったが、第1次安倍内閣の「骨太方針」でシェアの目標数値が盛り込まれた。厚生労働省によると、先発薬と後発薬がある場合、後発薬が占める割合は11年は4割だったが、20年は8割に迫った。 小林化工も呼応して拡大した。19年度の売り上げは約370億円で、08年度の4・5倍にのぼった。一方、品質管理を担う人材は不足し、意識は高まっていなかった。 引責辞任した小林広幸社長は今年4月、「国の施策に応えるべく工場を積極的に建てた。ただ、それに教育や人的なインフラが追いつかなかった」と悔やんだ。19年度の売り上げ約1900億円を誇った日医工の田村友一社長も法令違反を公表した3月、「拡大の中で現場に無理をさせすぎた」と認めた』、「後発薬」メーカーにとっては、「国の施策に応えるべく工場を積極的に建てた。ただ、それに教育や人的なインフラが追いつかなかった」のが、原因のようだ。
・『出荷再開の見通し立たず  厚労省の担当者は、後発薬の供給量について、国内で大きく減っているわけではない、と説明。ただ「一部の薬局が困っているのは認識している。最大手の日医工の生産が止まったため、それが戻るまで見通しは立たない」という。 小林化工の出荷再開見通しは立っていない。日医工の多くの品目も、出荷再開は22年4月以降の予定という。 チューリップ薬局をチェーン展開するチューリップ調剤薬局事業部の内田陽一課長は供給不足の長期化を覚悟している。「法令違反を許してはならないが、同時にどうすれば安定供給できるのか、政府は考えて欲しい」と求める。 100以上の製薬会社が集まり、医薬品生産額が6937億円(19年)にのぼる富山県は、急ぎ対策に乗り出した。有識者による部会は、企業に法令順守体制の整備や身の丈に合った経営などを、県には無通告の査察の強化などを求めた。 その後の査察で、漢方などの北日本製薬(富山県上市町)、配置薬の老舗の広貫堂(富山市)で、手順を守っていない疑いが発覚した。「ジェネリックだから無理をしたのでは」と説明されていた不正の根は、本当はもっと広く、深いのか。まだ見えていない』、「出荷再開の見通し立たず」とは深刻だ。

次に、2月22日付けダイヤモンド・オンライン「モデルナが「製薬業界のアマゾン」だといえる2つの理由~『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』(田中道昭 著)を読む」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/296061
・『視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のチーフ・エディターである吉川清史が豊富な読書量と取材経験などからレビューします』、興味深そうだ。
・『コロナ禍前までは製品販売の売り上げがゼロだったモデルナ  オミクロン株のまん延によって、新型コロナウイルスと人類の闘いの出口が見えづらくなってきた。今後どんな変異株が登場するか、予測がつかないからだ。ワクチンと特効薬の開発、そして日常生活での感染対策を続けるとともに、一人一人が当事者意識を持って、ウィズコロナへのシフトを考えていかなければならない。 ワクチンに関しては、ファイザーに続きモデルナも、オミクロン株に対応したワクチンの臨床試験を開始したと報じられている。日本における新型コロナウイルスワクチン接種は今のところ、この2社製に限られており、有効性の高いワクチンの開発に期待したいところだ。 さて、もはやほとんどの日本人にその名が知れ渡ったモデルナだが、どのような企業なのか、ご存じだろうか? 海外では有名な、製薬大手と思っている人もいるかもしれない。だが実はモデルナは、2010年に米国で設立されたばかりのバイオベンチャーなのだ。 わずか創業10年余りのベンチャー企業が、170年以上の歴史を誇る巨大製薬会社であるファイザーと、コロナワクチンでは肩を並べているのは驚くべきことだ。しかもモデルナは、2019年度まで市販製品が一つもなく、製品販売による売り上げはゼロだったという。 本書『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』は、モデルナをはじめ、アップル、アマゾン、アリババといった企業の戦略が世界の医療・健康(ヘルスケア)産業を激変させる可能性を探っている。 著者の田中道昭氏は立教大学ビジネススクール教授で、テレビ東京の「WBS(ワールドビジネスサテライト)」コメンテーターを務める。シカゴ大学経営大学院MBA、専門は企業戦略&マーケティング戦略。『アマゾンが描く2022年の世界』(PHPビジネス新書)、『GAFA×BATH』(日本経済新聞出版)など多数の著書がある。 モデルナは、2020年1月10日に中国の科学者によって新型コロナウイルスの遺伝子情報がインターネット掲示板に公開されてから、たった3日でワクチン候補の設計を完了した(モデルナは遺伝子情報の開示を1月11日と捉え、2日で完了したとしている)。そこから臨床試験の準備完了までは42日。それまで、このプロセスの最速は20カ月だったというから、業界的にはとても信じられないスピードだったことが分かる』、「モデルナは、2010年に米国で設立されたばかりのバイオベンチャーなのだ。 わずか創業10年余りのベンチャー企業が、170年以上の歴史を誇る巨大製薬会社であるファイザーと、コロナワクチンでは肩を並べているのは驚くべきことだ。しかもモデルナは、2019年度まで市販製品が一つもなく、製品販売による売り上げはゼロだった」、「創業10年余りのベンチャー企業が」「170年以上の歴史を誇る巨大製薬会社であるファイザーと、コロナワクチンでは肩を並べているのは驚くべきことだ」、その通りだ。
・『「一石○鳥」を狙うmRNAプラットフォーム戦略  モデルナが驚異的な速さでワクチンを開発し、しかもその有効性が認められ世界中で使われるようになった理由について田中氏は、「プラットフォーム」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という二つのポイントを指摘している。 まず、モデルナの「mRNAプラットフォーム戦略」から説明しよう。 知っている人も多いだろうが、ファイザー製とモデルナ製のワクチンは「mRNAワクチン」である。mRNA(メッセンジャーRNA)は、体内の細胞でタンパク質を作り出すのに必要な「設計図」を伝える働きをする物質。各細胞にはヒトの全遺伝子情報が格納されたDNAがあり、mRNAはその一部をコピーして細胞の外に持ち出し、タンパク質の「工場」であるリボソームに伝える。リボソームでは、mRNAがもたらした情報をもとに、特定の機能を担うタンパク質を作り出す。 mRNAワクチンは、体外から人工のmRNAを注入し、特定のタンパク質を合成させる。新型コロナウイルスワクチンの場合は、コロナウイルス特有のスパイクと呼ばれる細胞を覆う突起部分となるタンパク質を作らせる。スパイクという異物が体内にできれば、それを排除する免疫機能が働き、抗体ができる。そうすれば次にコロナウイルスが体内に侵入しても、抗体がスパイクを目印に撃退するので、感染や重症化を防げるというわけだ。 mRNAは設計図なので、どんなタンパク質を作るかによって自在に書き直しができる。遺伝子情報さえ分かれば、短時間で対応する設計図(mRNA)を設計することが可能だ。モデルナが3日でワクチンの設計を完了できたのは、mRNAを使ったからなのだ。 設計図を簡単に書き直せるということは、新型コロナウイルス以外にも有効なワクチンや薬品を短時間で開発できることを意味する。すなわち、mRNAという共通の基盤(プラットフォーム)の上で、多種多様な、あるいは一度に複数の疾患に対処する医薬品を開発できるということだ。 これは、これまでの製薬の常識を覆す破壊的イノベーションと言えるだろう。すなわち、これまでは個々の疾患ごとに治療法を考え、それに応じた薬を開発していた。しかし、mRNAを共通のプラットフォームとして開発すれば、mRNAを使った同じ仕組みでさまざまな疾患に対処できるようになる。 モデルナは、創業当初から、こうしたmRNAの可能性に着目し、より効率的でスピーディーに開発できる「mRNAプラットフォーム」を構築してきた。その最初の成果が新型コロナウイルスワクチンだった。 mRNAプラットフォームは、言ってみれば「一石○鳥」を狙うものだ。mRNA(一石)を使うことで、複数の疾患(○鳥)に対応できるからだ。 アマゾン ジャパンで新規ビジネス立ち上げに携わったキャリアを持つ太田理加氏が著した『アマゾンで私が学んだ 新しいビジネスの作り方』(宝島社)によると、アマゾンでは「イノベーションは誰にでも起こせる」という意識が全ての社員に浸透しているそうだ。 太田氏もそうした意識を持ち、イノベーションを「一石二鳥の問題解決」と分かりやすく解釈し、二つ以上の問題を同時に解決するにはどうしたらいいか、という視点で新規ビジネスを考えていったという。 太田氏も指摘しているが、アマゾンの典型的な「一石二鳥」にAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)がある。AWSは今や世界一のシェアを誇るクラウドサービスだが、もともとは自社の業務用であり、クリスマス前などの繁忙期以外は、サーバーに余剰が発生していた。その問題と、他社の業務改善という二つの問題を「一石」で解決しようとしたのがAWSというわけだ。 『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』で紹介されているアマゾンのヘルスケア事業の一つに「アマゾン・ヘルスレイク」がある。病院、薬局などのデータをAIによって整理・インデックス化・構造化するもので、AWSの機能の一つに位置付けられている。アマゾンも、AWSというプラットフォームを活用して多事業展開をしているのである』、「モデルナが3日でワクチンの設計を完了できたのは、mRNAを使ったからなのだ」、「mRNAという共通の基盤(プラットフォーム)の上で、多種多様な、あるいは一度に複数の疾患に対処する医薬品を開発できるということだ。 これは、これまでの製薬の常識を覆す破壊的イノベーションと言えるだろう。すなわち、これまでは個々の疾患ごとに治療法を考え、それに応じた薬を開発していた。しかし、mRNAを共通のプラットフォームとして開発すれば、mRNAを使った同じ仕組みでさまざまな疾患に対処できるようになる」、「アマゾンも、AWSというプラットフォームを活用して多事業展開をしている」、なるほど。
・『モデルナは創業当初から「デジタルを前提とした」製薬会社  田中氏が指摘するモデルナのもう一つの成功ポイントが、「DX」だ。モデルナの場合、前述のmRNAプラットフォームを機能させるのに、DXが前提となっているとのこと。より多くのデータの集積・解析や実験・臨床試験、それらによる、より効果のあるmRNAによる医薬品や治療法の開発のためにはデジタル技術が必須だからだ。実際、モデルナは創業以来、自動化やロボティクス、アナリティクス、データサイエンス、AIなどに1億ドル以上を投資しているという。 モデルナのDXは、製薬会社がデジタル技術を取り入れて効率化を図るという次元ではない。モデルナは、最初からデジタルを前提とした、これまでにない新しいタイプの製薬会社なのだ。田中氏は、プラットフォームとDXをセットで展開するモデルナを「製薬業界のアマゾン」とみなしている。 モデルナは、2021年5月に開催した「Moderna Fourth Annual Science Day」において、生命活動におけるDNA、mRNA、タンパク質の関係を、コンピューターのストレージ、ソフトウエア、アプリケーションの関係にたとえて説明している。 すなわち、DNAは全てのタンパク質を作るための設計図を格納したストレージであり、mRNAはそのストレージのデータをもとにタンパク質を作るよう指示を出すソフトウエア、タンパク質は体内のさまざまな機能を実行するアプリケーション、というわけだ。これは、モデルナがまさしくテクノロジー企業の考え方で製薬ビジネスを展開していることを、如実に表している。 このように、異分野のシステム同士の類似性を見つける「見立て」は、さまざまなイノベーションのヒントになるだろう。なかなか新しい発想が浮かばない時には、「一石○鳥」で問題を解決できる方法はないか、異分野の似たシステムに「見立て」ることはできないか、と考えてみてはいかがだろうか』、「モデルナ」が「DNAは全てのタンパク質を作るための設計図を格納したストレージであり、mRNAはそのストレージのデータをもとにタンパク質を作るよう指示を出すソフトウエア、タンパク質は体内のさまざまな機能を実行するアプリケーション、というわけだ。これは、モデルナがまさしくテクノロジー企業の考え方で製薬ビジネスを展開していることを、如実に表している」、本当に凄い企業だ。 

第三に、8月5日付けJBPressが掲載したNHK出身で経済学者・アゴラ研究所代表取締役所長の池田 信夫氏による「コンビニより多い「門前薬局」が医療費を食いつぶす 「医薬分業」をやめて薬に競争原理を導入せよ」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71248
・『文部科学省は7月22日、薬学部の新設を2023年度から認可しない方針を決めた。その最大の原因は、厚労省が進めてきた医薬分業のおかげで、薬剤師が過剰になったことだ。 薬価差益で儲けるために医師が薬を過剰に処方する「薬漬け」をなくすため、病院が処方箋を出し、院外の薬局で薬を出すようにしたのだが、その結果、病院の前に並ぶ「門前薬局」が増え、医療費を圧迫しているのだ』、確かに「門前薬局」の繁盛は異常というほかない。
・『「門前薬局」の国民負担は7.7兆円  昔は病院でもらう処方薬と街のドラッグストアで買う市販薬がわかれていたが、最近は病院の処方箋を受け付けて処方薬を出すだけの調剤薬局が増えた。その数(薬剤師のいる薬局数)は約6万店。コンビニエンスストアより多い。 日本の薬剤師は32.2万人と人口あたり世界一多く、調剤医療費は7.7兆円にのぼる。これが国民医療費42.2兆円の2割近くを占めるようになったため、厚労省はその抑制に乗り出し、文科省は薬学部の新設を認めないことにしたわけだ。 (調剤医療費の推移のグラフはリンク先参照) これは逆である。処方薬の薬価が高いのは、薬剤師の利潤を確実に保証するからだ。調剤医療費は市販薬1.1兆円の7倍の市場で、そのうち1.9兆円が、薬剤師の取り分になる「調剤技術料」である。 このような浪費を減らすためには、処方薬にも市販薬のような競争を導入すればいい。その簡単な方法は、薬剤師の免許を廃止して資格認定にすることだ──こう書くと怒る人が多いが、これは薬剤師を廃止しろという意味ではない。 免許というのは国家試験に合格した人に業務独占を認め、無免許の人の業務を禁じる制度である。たとえば医師は診察や治療ができるが、無免許で治療を行うと違法行為として処罰の対象になる。) それに対して情報処理技術者は国家資格だが、それをもたない人がプログラミングしても違法にはならない。薬剤師も資格認定にすればいいのだ。免許なしで処方薬を売れるようにすれば、薬局はこれ以上増えない。ドラッグストアなどとの競争が起こるからだ。 こう書くと「薬剤師には疑義照会などのチェック業務がある」と反論してくる薬剤師がいるが、そんな業務は3%程度で、ほとんどは処方箋の通り薬を袋に入れるだけだ。チェックしてほしい人は薬剤師のいる薬局で買い、そうでない人はドラッグストアで買えばいいのだ』、「調剤薬局」「の数・・・は約6万店。コンビニエンスストアより多い。 日本の薬剤師は32.2万人と人口あたり世界一多く、調剤医療費は7.7兆円にのぼる。これが国民医療費42.2兆円の2割近くを占める」、「厚労省」の「医薬分業」という愚策がもたらした結果だ。
・『「医薬分業」が薬剤費上昇の元凶  医薬分業には、それなりに意味があった。かつては診療報酬の低い分を薬価差益で補う医療が「薬漬け」として批判され、開業医の収入の半分近くを薬剤費が占める状態だったが、1974年に日本医師会の武見太郎会長が診療報酬の引き上げを要求し、処方箋料が大幅に引き上げられた。 厚労省は過剰投薬を避けるために医薬分業を進め、病院に勤務するサラリーマンだった薬剤師が独立できるように調剤技術料も上げた。その結果、門前薬局が急速に増え、調剤医療費は2000年以降、ほぼ倍増した。 約1万5000種類の医薬品のうち、市販薬は約7000種類だが、処方薬の売り上げは市販薬の7倍である。薬価が独占価格として設定でき、保険適用で安く買えるからだ。厚労省は薬剤師の既得権を守るために処方薬のネット販売を禁止しているが、海外では処方薬もネット販売で買える。 こういう混乱が生まれたのは、医薬分業を進めるために処方箋料や調剤技術料など、インセンティブをつけすぎたためだ。医薬分業は義務ではないので、病院が院内処方すれば昔に戻せる。病院や診療所で薬を出すことは今も禁止されていない。 海外では、処方薬も病院内の自動販売機で売っている。病院の診察カードに処方箋データを書き込み、それを自販機に読ませるだけだ。すべての処方薬を自販機で売ることはできないが、他の処方薬は窓口で出せば、薬剤師はいらない。 それでは昔の薬漬けに戻ると心配する人がいるだろうが、処方箋を電子化して、マイナンバーで管理すれば、過剰診療や過剰投薬はチェックできる。医薬分業では、医療費の大部分を占める診療報酬のチェックができないので、「検査漬け」などの乱診乱療は是正できない。 医師のモラルハザードを防ぐ上で効果的なのは、マイナンバーで電子処方箋のデータをネットワークで共有し、他の医師や保険組合がチェックできるようにすることだ。 「薬剤師がいないと薬害が出る」という人がいるが、薬害の責任は製薬会社にあり、薬剤師が防ぐことはできない。「薬剤師が濫用の歯止めになっている」というが、睡眠薬を大量に買おうと思えば、複数の医者に行って複数の薬局で買えばいい。 現実には、薬局でレセコン(レセプト・コンピュータ)と呼ばれる端末に入力しており、投薬ミスなどもこれでチェックできる。処方箋を電子化してネットワークで連携することは簡単だが、医師会が「事務負担」を理由に反対している。この電子化を義務づければいい』、「約1万5000種類の医薬品のうち、市販薬は約7000種類だが、処方薬の売り上げは市販薬の7倍である。薬価が独占価格として設定でき、保険適用で安く買えるからだ。厚労省は薬剤師の既得権を守るために処方薬のネット販売を禁止しているが、海外では処方薬もネット販売で買える」、「こういう混乱が生まれたのは、医薬分業を進めるために処方箋料や調剤技術料など、インセンティブをつけすぎたためだ。医薬分業は義務ではないので、病院が院内処方すれば昔に戻せる」、なるほど。
・『医師の業務を薬剤師も分担する規制改革  医薬分業の見直しは今までも専門家が提案しているが、実現しない。それは32万人の薬剤師の雇用を奪うからだ。他方でコロナ騒動でもわかったように、医師は不足している。文科省が長年にわたって医学部の新設を認可しなかったため、医師の数は約34万人と、薬剤師とほとんど変わらない。 この問題を解決するには、薬剤師に医師の業務の一部を認めることが考えられる。開業医の仕事のほとんどは診察して処方箋を書くことなので、その一部を薬剤師がやればいいのだ。これで薬剤師の雇用不安も解決できる。 処方箋なしで買える市販薬でも、同じ成分の薬は多い。たとえば花粉症の薬はドラッグストアでも同じものが買えるが、病院なら3割負担なので、処方箋をもらって薬局で買う人が多い。これは健康保険の負担になるので、保険組合は保険の対象から除外するよう求めている。 このように処方薬と同じ機能の市販薬は、零売薬局と呼ばれる薬局で売られているが、同じことを調剤薬局でやり、保険適用すればいいのだ。これによって患者は病院に行く代わりに薬局で(3割負担で)薬を買うことができ、薬剤師は医師の業務の一部を代行できる。 これは医師免許の規制緩和なので、医師会は強く反対するだろうが、その答も同じである。今まで通り医師免許をもつ医師に処方してほしい人は、病院で処方してもらえばいい。待ち時間などのコストがもったいない人は、薬局で同じ薬を買えばいいのだ』、「薬剤師に医師の業務の一部を認めることが考えられる。開業医の仕事のほとんどは診察して処方箋を書くことなので、その一部を薬剤師がやればいいのだ。これで薬剤師の雇用不安も解決できる」、「処方薬と同じ機能の市販薬は、零売薬局と呼ばれる薬局で売られているが、同じことを調剤薬局でやり、保険適用すればいいのだ。これによって患者は病院に行く代わりに薬局で(3割負担で)薬を買うことができ、薬剤師は医師の業務の一部を代行できる。 これは医師免許の規制緩和なので、医師会は強く反対するだろうが、その答も同じである。今まで通り医師免許をもつ医師に処方してほしい人は、病院で処方してもらえばいい。待ち時間などのコストがもったいない人は、薬局で同じ薬を買えばいいのだ」、同感である。
タグ:(その7)(ジェネリック不正「薬都」を直撃 業界急成長 現場にゆがみ、モデルナが「製薬業界のアマゾン」だといえる2つの理由~『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』(田中道昭 著)を読む、コンビニより多い「門前薬局」が医療費を食いつぶす 「医薬分業」をやめて薬に競争原理を導入せよ) 「後発薬」メーカーにとっては、「国の施策に応えるべく工場を積極的に建てた。ただ、それに教育や人的なインフラが追いつかなかった」のが、原因のようだ。 「ジェネリック」の問題点については、このブログの昨年3月3日、10月5日にも取上げた。 朝日新聞アピタル「ジェネリック不正「薬都」を直撃 業界急成長、現場にゆがみ」 「モデルナは、2010年に米国で設立されたばかりのバイオベンチャーなのだ。 わずか創業10年余りのベンチャー企業が、170年以上の歴史を誇る巨大製薬会社であるファイザーと、コロナワクチンでは肩を並べているのは驚くべきことだ。しかもモデルナは、2019年度まで市販製品が一つもなく、製品販売による売り上げはゼロだった」、「創業10年余りのベンチャー企業が」「170年以上の歴史を誇る巨大製薬会社であるファイザーと、コロナワクチンでは肩を並べているのは驚くべきことだ」、その通りだ。 ダイヤモンド・オンライン「モデルナが「製薬業界のアマゾン」だといえる2つの理由~『モデルナはなぜ3日でワクチンをつくれたのか』(田中道昭 著)を読む」 「モデルナが3日でワクチンの設計を完了できたのは、mRNAを使ったからなのだ」、「mRNAという共通の基盤(プラットフォーム)の上で、多種多様な、あるいは一度に複数の疾患に対処する医薬品を開発できるということだ。 これは、これまでの製薬の常識を覆す破壊的イノベーションと言えるだろう。すなわち、これまでは個々の疾患ごとに治療法を考え、それに応じた薬を開発していた。しかし、mRNAを共通のプラットフォームとして開発すれば、mRNAを使った同じ仕組みでさまざまな疾患に対処できるようになる」、「アマゾンも、AWS 「出荷再開の見通し立たず」とは深刻だ。 JBPRESS 「モデルナ」が「DNAは全てのタンパク質を作るための設計図を格納したストレージであり、mRNAはそのストレージのデータをもとにタンパク質を作るよう指示を出すソフトウエア、タンパク質は体内のさまざまな機能を実行するアプリケーション、というわけだ。これは、モデルナがまさしくテクノロジー企業の考え方で製薬ビジネスを展開していることを、如実に表している」、本当に凄い企業だ。 「アマゾンも、AWSというプラットフォームを活用して多事業展開をしている」、なるほど。 「約1万5000種類の医薬品のうち、市販薬は約7000種類だが、処方薬の売り上げは市販薬の7倍である。薬価が独占価格として設定でき、保険適用で安く買えるからだ。厚労省は薬剤師の既得権を守るために処方薬のネット販売を禁止しているが、海外では処方薬もネット販売で買える」、「こういう混乱が生まれたのは、医薬分業を進めるために処方箋料や調剤技術料など、インセンティブをつけすぎたためだ。医薬分業は義務ではないので、病院が院内処方すれば昔に戻せる」、なるほど。 「調剤薬局」「の数・・・は約6万店。コンビニエンスストアより多い。 日本の薬剤師は32.2万人と人口あたり世界一多く、調剤医療費は7.7兆円にのぼる。これが国民医療費42.2兆円の2割近くを占める」、「厚労省」の「医薬分業」という愚策がもたらした結果だ。 確かに「門前薬局」の繁盛は異常というほかない。 池田 信夫氏による「コンビニより多い「門前薬局」が医療費を食いつぶす 「医薬分業」をやめて薬に競争原理を導入せよ」 「処方薬と同じ機能の市販薬は、零売薬局と呼ばれる薬局で売られているが、同じことを調剤薬局でやり、保険適用すればいいのだ。これによって患者は病院に行く代わりに薬局で(3割負担で)薬を買うことができ、薬剤師は医師の業務の一部を代行できる。 これは医師免許の規制緩和なので、医師会は強く反対するだろうが、その答も同じである。今まで通り医師免許をもつ医師に処方してほしい人は、病院で処方してもらえばいい。待ち時間などのコストがもったいない人は、薬局で同じ薬を買えばいいのだ」、同感である。 医薬品(製薬業)
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