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アパレル(その4)(フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に 世界初の「衣服廃棄禁止令」がアパレルに迫る変革、ユニクロ失速「真の要因」とZARAやH&Mなど欧米ブランドを打ち破る“秘策”、過去5年で売り上げ倍増 コロナの逆風跳ね返す ノースフェイス 「爆発的人気」はいつまで続くか、ノースフェイス 成長のカギ握る「女性と子ども」 主力のメンズに続く「第2 第3の柱」を強化) [産業動向]

アパレルについては、2020年7月18日に取上げた。久しぶりの今日は、(その4)(フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に 世界初の「衣服廃棄禁止令」がアパレルに迫る変革、ユニクロ失速「真の要因」とZARAやH&Mなど欧米ブランドを打ち破る“秘策”、過去5年で売り上げ倍増 コロナの逆風跳ね返す ノースフェイス 「爆発的人気」はいつまで続くか、ノースフェイス 成長のカギ握る「女性と子ども」 主力のメンズに続く「第2 第3の柱」を強化)である。

先ずは、本年1月15日付け東洋経済オンライン「フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に 世界初の「衣服廃棄禁止令」がアパレルに迫る変革」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/576527
・『ファッションの発信地で始まった異例の規制。日本でも、在庫の焼却処分ゼロに踏み切るアパレル企業が出始めている。 トップス、ボトムス、アウター。魅力的な服が並ぶ店内で、陳列された商品を手に取っては鏡の前で合わせたり、試着したり。全国のアパレルショップで日々繰り広げられる光景だ。 しかしその裏には、予期せぬ天候不順やトレンドの変化で簡単に売れ残ってしまう大量の商品と向き合う販売員らがいる。在庫問題はアパレル企業にとって積年の課題なのだ』、興味深そうだ。
・『リサイクル、寄付での処理を義務づけ  そんなアパレル業界の根本を揺るがしかねない規制の運用が2022年1月、ファッションの発信地であるフランスで始まった。売れ残った新品の衣類を、企業が焼却や埋め立てによって廃棄することを禁止するという内容だ。 禁止令は、2020年2月に公布された循環経済に関する法律(loi anti-gaspillage pour une économie circulaire)で定められたもの。同法は、脱プラスチックや、廃棄される製品の再利用を促し、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会構造を是正することを目的に制定された。 その中で衣類や家電については2022年1月から、売れ残り品をリサイクルや寄付によって処理することを義務付ける。食品以外の在庫廃棄の規制に踏み切った法律は世界初となる。 フランスでは、ラグジュアリーブランドなどによる売れ残り品の廃棄が社会問題化していた。経済産業省生活製品課の永澤剛課長は「循環経済の基本的な思想をより具現化した法律と言える。世界的に同様の廃棄禁止が一般化するかはわからないが、ファッション分野で影響力のあるフランスが規制を開始したという点で、一定程度の影響があるかもしれない」と見る』、「衣類や家電については2022年1月から、売れ残り品をリサイクルや寄付によって処理することを義務付ける。食品以外の在庫廃棄の規制に踏み切った法律は世界初」、「ファッション分野で影響力のあるフランスが規制を開始したという点で、一定程度の影響があるかもしれない」、少なくとも環境問題に関心が深い欧州各国には影響力がありそうだ。
・『衣類のCO₂排出量は自家用車に匹敵  国内でも、ファッション産業による環境への負荷は以前から指摘されてきた。 環境省の調査によると、2019年度に日本が排出した温室効果ガスは二酸化炭素(CO₂)換算で約12億トン。一方、国内で供給される衣類によるCO₂の排出量(原材料調達から製造、販売、廃棄まで、海外での排出を含む)は約9500万トンと推計されている。これは同年度に国内の自家用乗用車から排出された9458万トン(国交省調べ)に匹敵する量だ。 衣類による排出の大部分は、原材料調達や紡績、染色といったものづくりの段階が占める。海外での大量生産や低価格化が進み、国内の衣類の供給枚数は直近30年間でおよそ倍増。しかし少子化などの影響で市場規模は縮小傾向が続き、店頭の売れ残り品や、家庭でもほぼ新品のまま廃棄される衣類が大量に発生している。 焼却処分の過程でも当然多くのCO₂が発生し、環境負荷を減らすには、こうした供給過剰状態からの脱却が急務となる。 企業の間では、売れ筋データを基に在庫投入量を調整する動きも広まっている。ただ、流行り廃りの激しい業界で顧客の需要を見通すことは難しい。あるアパレル企業の社員は「どんなにデータを駆使しても、ファッションにおいて確実に売れるものを作るのは至難の業。その過程で生まれるブレや無駄が、ファッションにおける楽しみだとも感じる」と苦悩を打ち明ける。 商品を作りすぎないためにも、まずは売れ残りを極力減らし、今ある在庫を市場で循環させる。廃棄禁止令は、アパレル業界が直視できなかった仕組みの構築を、企業の責任として迫った格好だ。脱炭素化の潮流が世界的に加速する中、今回の規制は日本企業にとっても他人事ではないだろう。 2020年春、ある国内の大手アパレル企業が在庫の焼却処分をゼロにする方針をまとめた。「グローバルワーク」「ニコアンド」などのカジュアルブランドを多数展開するアダストリアだ。 同社の福田泰己取締役は「フランスを皮切りに、世界的に同様の(売れ残り品の廃棄を禁止する)流れになると推測する。各企業に一定のインパクトがあり、サステナビリティの観点からきちんと対応する姿勢が求められるようになる」と語る』、「国内で供給される衣類によるCO₂の排出量(原材料調達から製造、販売、廃棄まで、海外での排出を含む)は約9500万トンと推計されている。これは同年度に国内の自家用乗用車から排出された9458万トン(国交省調べ)に匹敵する量」、「衣類によるCO₂の排出量」がこんなに多いとは初めて知った。
・『各店舗で”残在庫ライン”を死守する  アダストリアは前2021年2月期から、在庫の焼却処分を行わないことを決定。売れ残り品を減らすため、最優先で取り組んでいるのが在庫回転率の向上だ。 同社の在庫管理の肝は、「前月からの持ち越し在庫(月初の在庫量)に対し、月末の在庫を何%以内に収める」という“残在庫ライン”を各店舗が順守すること。通称OTB(Open to Buy、残っている在庫量から逆算して仕入れ量を決める手法)と呼ばれるもので、アダストリアは業界平均と比べても厳しい基準を設けているという。 仮に月末の在庫量がラインを越えた場合、その店舗の翌月の仕入れ量は減ることになる。1店舗当たりが持つことのできる在庫の上限は変わらず、売り切れなかった分だけ、新たに仕入れられる商品の量が減ってしまうわけだ。 ラインを死守するうえでは、販売員による店頭陳列やコーディネート提案での工夫に加え、こまめな値引きがカギを握る。) 型番ごとの売れ行き動向を日々管理し、在庫が減らない商品は夏や冬のセールシーズンなどを待たずに値引きをかける。動きが悪い商品の価格は早めに下げ、在庫水準に応じて商品別の値引率も早期に調整する。在庫をつねに軽い状態に保って過剰な生産も抑えることで、人気商品まで安売りする大規模なセールは減らし、業界では年始恒例の福袋販売も3年前に廃止した。 こうした取り組みにより、アダストリアでは現在、期初に仕入れた在庫の期末時点での消化率は約95z%。仕入れた在庫の大半を1年以内に売り切っている計算になる』、個別には「アダストリア」のように「在庫」管理の厳格化で対応するケースはあるだろうが、全体ではそう上手くはいかないだろう。
・『”焼却”によるリサイクルをゼロに  1年以上滞留している在庫はアウトレットや自社EC(ネット通販)で再販し、それでも売れ残った場合は新興国での再販、衣服を繊維に戻すリサイクルを行う。以前はサーマルリサイクル(廃棄物を焼却する際に生じた熱をエネルギーとして再利用する方法)などによる最終処分を行っていたが、2021年2月期からは実施していない。 日本ではサーマルリサイクルもリサイクル手法の1つとみなされている。ただ、売れ残った商品を焼却するという事実に変わりはない。アダストリアではサーマルリサイクルにすべての顧客の納得を得ることは難しいと判断し、運用の中止を決めた。 焼却以外の方法でのリサイクルには、それなりのコスト負担が発生する。あらゆる種類の繊維や、ボタン・チャックなどの付属品を組み合わせて仕立てる衣服は、単一素材で作られるプラスチック容器などと比べてリサイクルが難しいとされるためだ。 売り上げ規模の大きい企業は「社会的責任」としてその負担を一定程度のみ込めても、焼却を行わずに売れ残り品のリサイクルを拡大しようとすれば「価格転嫁するしかない」(アパレル企業幹部)と嘆く声も上がる。リサイクルのハードルが高い現状では、まずは商品をできる限り期中に売り切るサイクルの構築が各社共通の課題となりそうだ。 廃棄禁止令が国内ですぐ導入されるわけではないにせよ、ブランドが自社の在庫により大きな責任を求められる潮流は避けられない。アパレル企業1社1社が、構造的な難題と向き合う覚悟を問われている』、「ブランドが自社の在庫により大きな責任を求められる潮流は避けられない」、「まずは商品をできる限り期中に売り切るサイクルの構築が各社共通の課題となりそうだ」、その通りだ。

次に、2月3日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した流通ジャーナリストの森山真二氏による「ユニクロ失速「真の要因」とZARAやH&Mなど欧米ブランドを打ち破る“秘策”」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/295063
・『最近、ユニクロがさえない。既存店売上高の前年同月比は落ち込み、株価も下落基調。ZARAやH&Mなど欧米ブランドから後れを取っている。ユニクロ失速の「真の要因」と、欧米ブランドを打ち破る“秘策”を探った』、興味深そうだ。
・『勝ち組・ユニクロが失速中 コロナ以外に真の要因あり?  ユニクロ低迷、「真の要因」と復活の“秘策”は何か――。 日本を代表するアパレルブランドのユニクロ。かつてより、「勝ち組」ともてはやされてきたが、足元での状況はさえない。 その一端が、小売業界の“体温計”である既存店売上高の前年同月比から見て取れる。運営会社であるファーストリテイリングが公表する国内ユニクロ事業の既存店売上高推移を見てみよう。 ファストリは8月期決算であるため、今期は2021年9月から始まっているが、21年12月までの推移は決して好調といえるものではなかった。9月が前年同月比19.1%減、10月が同4.8%減、11月が同4.6%減、12月は「感謝祭」があったにもかかわらず、同11.1%減と落ち込んだ。 もちろん、「ユニクロはすでに十分育っているではないか」「売り上げが2兆円もあれば十分だ」という声があることも承知している。 それゆえ、負け組として論じること自体、ナンセンスと言われかねない。ましてや、足元では、新型コロナウイルスの感染拡大という要因もある。 だが、それだけではすべてを解決できないと私は考えている』、「ユニクロはすでに十分育っているではないか」「売り上げが2兆円もあれば十分だ」などの「声」は、企業は成長を続けなければならないという大原則を無視した暴論だ。
・『時価総額はZARAの半分に ユニクロ中国躍進のキーマン  ファストリの株価はピーク時には10万円以上だったが、今では6万5670円(22年2月1日終値)という状況だ。時価総額も今や6兆円台となっている。 これに対しよくユニクロと比較されるスペインの「ZARA」を展開するインディテックスの現在の時価総額は約11兆円。一時期、ファストリはインディテックスを抜いたこともあった。しかし、今や倍近い差をつけられている。 これでは、「しょせん、ユニクロはアジアのブランドだった」と世界中から言われかねない。 そもそも、ファストリが世界的なブランドに名を連ねることができた成長要因は、中国市場での躍進であった。何より、中国事業の責任者として中国出身の潘寧氏を据えたことが大きかった。 潘氏の功績は大きく、ファストリを「日本のブランド」から、中国市場拡大によって、「アジアのブランド」に押し上げた。 潘氏は日本の大学を出て、ファストリに入社。潘氏の活躍がなければ、中国市場の攻略はできていなかったと業界内では言われている。 中国での勢いのままに、ファストリの時価総額は、先述のように一時、ZARAのインディテックスを追い越したというわけだ。 しかし、極めて刹那的だった。海外の投資家、特に欧米の投資家からは「ユニクロはアジアのブランドとしか映らない」(証券アナリスト)のであった。 つまり、ファストリには越えられない「アジアの壁」があるといっていいし、それが真の世界的なブランドになり得ていない要因なのだろう』、「欧米の投資家からは「ユニクロはアジアのブランドとしか映らない」(証券アナリスト)のであった。 つまり、ファストリには越えられない「アジアの壁」があるといっていい」、やむを得ないのではなかろうか。「ファストリが世界的なブランドに名を連ねることができた成長要因は、中国市場での躍進であった。何より、中国事業の責任者として中国出身の潘寧氏を据えたことが大きかった」、なるほど。
・『アパレルに「アジアの壁」あり 秘策は「中国で突き抜ける」  アジアの壁とは何か――。 工業製品は機能や性能で評価されるが、ファッション製品はそうはいかない。ファッション製品を販売するには必ず、アジアの壁がある。日本のブランドは、欧米人からすれば「アジアのブランド」つまり、「東洋人が製造した商品」なのだ。アジアのブランドは欧米ではマイノリティーの扱いなのだ。 アジアの殻を破ることがファストリ最大の命題といってもいいし、ユニクロが近年、低迷している“真の要因”なのかもしれない。 アジアの壁を破ることなくして、ファストリの柳井正会長兼社長が言うところの「真のグローバルナンバーワン」に脱皮ができないのは間違いない。 逆に欧米人とてZARAやH&Mの展開に満足しているわけではないだろう。攻めきれていない国に進出するなど、ZARAやH&Mだって、まだ欧米でシェアを伸ばすことができるし、アジアでシェアを伸ばせば、さらに高みにいくことも可能だろう。 だが、それは実際のところ難しい。なぜか。 その要因は、アジアには「ユニクロ」というブランドがあり、ある種の“防波堤”になっていると私は考えている。 日本の商業施設にはきめ細かくユニクロが入っている。ZARAやH&Mに今からユニクロをどかして入る実力はないだろう。デベロッパーとて、「売れている」ユニクロを出してZARAやH&Mを入れる勇気もないだろう。 逆もまた真で、欧米のデベロッパーがZARAやH&Mをどかしてユニクロを入れることもないだろう。 結局のところ、ユニクロが欧米ブランドを打ち破る“秘策”は中国依存を強め、突き詰めることなのかもしれない。 変わり身が早い中国の人々に魅力的な商品を届け、ハートをつかみ続ける。実は、これが真のグローバルブランドへの近道なのかもしれない』、「ユニクロが欧米ブランドを打ち破る“秘策”は中国依存を強め、突き詰めることなのかもしれない。 変わり身が早い中国の人々に魅力的な商品を届け、ハートをつかみ続ける。実は、これが真のグローバルブランドへの近道なのかもしれない」、そんなに簡単なことではなさそうだ。「中国事業の責任者として・・・潘寧氏」、以外にも頼れる人物が必要になるかも知れない。

第三に、2月26日付け東洋経済オンライン「過去5年で売り上げ倍増、コロナの逆風跳ね返す ノースフェイス、「爆発的人気」はいつまで続くか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/576940
・『アパレル不況の中でも高成長が続き異彩を放つ、アウトドアブランドのザ・ノース・フェイス。その快進撃を支える強さの秘密に迫る。 ファッション好きな若者たちが集まる東京・原宿。2月中旬の週末、明治通り沿いにあるザ・ノース・フェイス(以下ノース)の店内は多くの買い物客で賑わっていた。 同エリアには本格的な登山・アウトドア衣料を扱う旗艦店「ザ・ノース・フェイス マウンテン」を始め、カジュアル衣料が中心の新業態など複数のノース直営店舗があるが、どの店も客足が途絶えず、ブランドの人気の高さがうかがえる。 ノースは、1960年代にアメリカ・カリフォルニア州で誕生した世界的な本格派のアウトドアブランド。国内ではスポーツ衣料品メーカーのゴールドウインが長く輸入総代理店を務め、1994年に日本で自由にブランドを使用できる商標権を取得。衣料に関しては、国内で正規販売されているものはほぼすべて、同社が日本市場向けに企画・製造したものだ。 その人気たるや凄まじい。冬の定番商品であるダウンジャケットの中心価格帯が4万〜6万円台と決して安くはないが、それでもブランドの売り上げが毎年伸び続けている。安価なファストファッションが世の中にあふれ、中高価格帯の服が売れないアパレル不況時代にあって、極めて稀有な“勝ち組”だ』、「中高価格帯の服が売れないアパレル不況時代にあって、極めて稀有な“勝ち組”だ」、興味深そうだ。
・『ブランドの売上高は700億円規模に  直営店戦略を推し進めた効果もあって、とくに2010年代半ば以降は販売の勢いが増し、この5年でブランドの売上高は倍増した。2020年度では推計で700億円を超え、ゴールドウインの全社売り上げの実に7割以上を稼ぎだす文字通りの大黒柱だ。ノース事業が牽引して業績も拡大し、同社の直近の株価は5年前の4倍以上の水準で推移している。 コロナ下にあっても足元の販売は好調だ。2021年秋冬もダウンジャケットやフリースなど単価の高い重衣料が飛ぶように売れ、同年12月の月次販売は過去最高だった。協力工場から一部商品の入荷が遅れるなどコロナの影響は残るが、2021年度の会社業績はコロナ直前の過去最高益に次ぐ水準となる見通しだ。 国内の登山人口自体はむしろ減っている。にもかかわらず、ノースの売り上げが右肩上がりで伸びたのは、日常の外出時に着用するタウンユース目的で購入する消費者が増えているからだ。20~40代の男性を中心として、アウトドア衣料を普段着に取り入れるファッションスタイルが広く浸透し、中でもノースはもっとも人気が高いアウトドアブランドになっている。 例えば、春秋の代表的な人気商品であるマウンテンライトジャケット(定価は約4万円)。もともとは軽登山やアウトドアでの使用を想定して作られた防風・防水機能を備えるシェルジャケットだが、今ではスウェットパーカーやスーツなどの上に羽織るといった普段使いで購入する消費者が大半を占める。 東京・神保町の登山専門店の販売員は、「アウトドアブランドのダウンやジャケット類、フリースなどを普段着として買いに来る若いお客さんが増えている。中でもノースは突出して人気が高く、テクニカルな商品を除けば、タウンユース用に買っている人のほうが多い」と話す。 実際、原宿の直営店を訪れていた20代後半の会社員の男性は、登山経験はないが、通勤や週末の外出用にノースのアウターを好んで買っているという。「アウトドアブランドは軽さや保温性など機能重視なのがいい。ノースはかっこいいイメージがあるし、いかにも登山という感じがしないデザインの商品も多くて、普段使いしやすい」。 こうしてノースのファンになった若い消費者が、パーカーやシャツ、バッグ類など一般的なカジュアルアイテムも購入するようになり、さらなる売り上げ拡大につながっている』、「アウトドアブランドのダウンやジャケット類、フリースなどを普段着として買いに来る若いお客さんが増えている。中でもノースは突出して人気が高く、テクニカルな商品を除けば、タウンユース用に買っている人のほうが多い」、「ノースのファンになった若い消費者が、パーカーやシャツ、バッグ類など一般的なカジュアルアイテムも購入するようになり、さらなる売り上げ拡大につながっている」、すごい成長ストーリーだ。
・『ノース事業を「若い世代」に託す  ブランドの“作り手側“も、中心を担っているのは若い世代の社員たちだ。ノースの売上高の4分の3を占める衣料部門の責任者、ザ・ノース・フェイス事業一部長の髙梨亮氏は、2019年に37歳の若さで現在の役職に抜擢された。 髙梨氏はアパレルセレクトショップのバイヤーを経て、2009年にゴールドウインに転職。2012年からノースに関わり、アウトドア衣料の機能を都市生活用の服に活用した新ラインの立ち上げや、他社とのコラボレーションなどで実績を残した人物だ。 ノース事業の前責任者で、現在はゴールドウインが展開する全ブランドを統括する森光・事業本部長(58)は、「いかに世代交代するかをつねに考えていた。時代とともにブランドも進化が必要。髙梨を始めとする若い世代に新しいノースを作ってもらいたい」と語る。 現在、衣料部門には約100人のスタッフが在籍。登山やアスレチック、カジュアル系のライフスタイル、キッズなどのグループに分かれ、各チームがそれぞれの商品を専門に開発・企画している。それを取りまとめつつ、ブランドの方向性や全体戦略などを考えるのが髙梨氏の大きな仕事だ。 ノースは登山などのアウトドアをベースとしつつ、そこで用いた機能や素材をタウンユースの商品にも落とし込む「コア&モア」戦略で商品展開を広げ、多くの顧客獲得に成功してきた。髙梨氏はこうした基本戦略を踏襲しつつ、「モア」をさらに発展させて、ノースのファンをもっと増やしたいという。 「コアの登山はブランドの原点であり、ここは絶対におろそかにしない。引き続きアウトドアをベースにしながら、あとは時代時代に合わせてチューニングしていく。自分よりもっと若い社員たちの発想力も積極的に取り入れていきたい」(髙梨氏) アウトドアブランドでありながら、今やファッションブランドとしても国内で絶大な人気を誇る存在となったノース。連載2回目では、そのさらなる成長戦略に焦点を当てる』、「ノースは登山などのアウトドアをベースとしつつ、そこで用いた機能や素材をタウンユースの商品にも落とし込む「コア&モア」戦略で商品展開を広げ、多くの顧客獲得に成功してきた」、「アウトドアブランドでありながら、今やファッションブランドとしても国内で絶大な人気を誇る存在となったノース」、続きをみてみよう。

第四に、この続きを、2月26日付け東洋経済オンライン「ノースフェイス、成長のカギ握る「女性と子ども」 主力のメンズに続く「第2、第3の柱」を強化」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/577215
・『今やメンズファッションを代表するブランドになったザ・ノース・フェイス。さらなる成長に向け、レディースやキッズの強化に取り組む。 多くの買い物客でにぎわう千葉県船橋市の大型商業施設、ららぽーとTOKYO-BAY。1階のキッズエリアには複数の子供服の店があるが、その中でも高い人気を誇る1店が、ザ・ノース・フェイス(以下ノース)のキッズ専門店だ。 ノースのキッズ用衣料は、Tシャツが4000円前後、トレーナーやスウェットパーカーが8000円台からと子供服としては価格が高め。にもかかわらず、毎週末には小さな子供を連れた多くのファミリー客が同店を訪れる。 「キッズ衣料がものすごく伸びている。親世代になったノースフェイスのファンが、自分の子供にも着せたいと買ってくれている」。国内でノース事業を展開するスポーツ衣料品メーカー、ゴールドウインの渡辺貴生社長は嬉しそうに話す』、「キッズ専門店」は「親世代になったノースフェイスのファンが、自分の子供にも着せたいと買ってくれている」、こんな有難いファンがいるとはラッキーだ。
・『女性との接点や専用商品増やす  アウトドア系のノースはとくに20〜40代の男性からの支持率が高く、売り上げの約6割をメンズが占める。ブランドの裾野をもっと広げるため、現在取り組んでいるのがレディースやキッズの強化だ。 レディースでは数年前から女性誌への広告掲載を積極化。売り場にも工夫を凝らし、ゴールドウインが取り扱う女性用のヨガ・スポーツウェアブランド「ダンスキン」との複合店舗を出店するなど、女性との接点を増やす施策を進めている。 商品面でも女性用の衣料の展開を強化中だ。例えば、2019年に発売したダウンジャケットの「ショートヌプシ」は、メンズで絶大な人気を誇るヌプシの女性用モデル。従来は男女兼用のみでの展開だったが、新たに女性用を立ち上げ、ショート丈にしてワンピースやスカートと合わせやすくした。 こうした取り組みの効果もあって、「この1、2年のレディース売り上げの伸び率はメンズを大きく上回っている」(ゴールドウイン)。それでも全体の売り上げに占める構成比はまだメンズの半分程度で、レディース市場の開拓余地は大きい。) 衣料部門の責任者を務めるザ・ノース・フェイス事業一部長の髙梨亮氏は、「男性が着る服はアウトドアシーンと日常の境目がなくなってきたが、女性はまだ大きな壁がある。いろんな提案をしていくことで、その壁を少しでも取り払いたい」と語る』、「「男性が着る服はアウトドアシーンと日常の境目がなくなってきたが、女性はまだ大きな壁がある。いろんな提案をしていくことで、その壁を少しでも取り払いたい」、男女で違いがあるようだ。
・『キッズ衣料が急成長のなぜ?  そのレディースと並んで力を入れるのがキッズだ。ノースは1990年代に子供服を立ち上げ、2016年からロンパース(ベビー用つなぎ)など乳児向け商品の展開も始めた。販売が目に見えて伸び始めたのは最近で、売り上げ規模は過去5年間で約2.5倍に拡大し、衣料全体に占める構成比も1割近くに上がってきた。 子供服でもアウトドアブランドならではの機能性が大きな売りだ。秋冬の人気定番商品「コージージャケット」(定価約1万2000円)は、表地に軽さと強度を兼ね備えた特殊ナイロン、裏地には柔らかなフリースを使った中綿入りのリバーシブルジャケット。動きやすくて保温性が高く、中間着やアウターとして秋冬を通して長く使えるため、秋冬物で1、2を争う売れ筋商品になった。 「小さな子供たちは重い服や生地が硬い服を嫌がる。軽くて、柔らかく、動きやすいことが必須条件。ノースらしい機能性にこだわりつつ、子供が好んで着てくれる服作りを心がけている」。衣料部門の副部長でキッズグループのマネージャーも務める畑野健一氏はそう話す。 実は、数年前に同社が市場調査を行ったところ、ノースが子供服を取り扱っていることが世間であまり知られていなかった。そこで、主販路であるブランドの総合直営店で子供服の展示を目立たせるなど、認知度の向上に取り組んだ。 加えて、ブランドのファン自体が増えたことも売り上げ拡大の大きな要因だ。「近年のノースは若い人たちからの支持率が高くなった。そうしたお客さんたちが結婚して子供を持つ年齢になり、キッズ衣料の購買を牽引してくれている」(畑野氏)。 現在の最大販路はキッズ専門店を含むノースの直営店だが、百貨店でのギフト需要やアウトドアショップでの取り扱いも伸びている。 2021年秋に石井スポーツがさいたま新都心駅前に開業した大型アウトドア専門店では、レジ前に大きなキッズコーナーが設けられ、ノースのキッズ衣料が数多く並ぶ。「この店の商圏には若いファミリー層が多く住んでいるので、人気が高いノースを中心に子供服の品ぞろえも充実させた」(木下雄貴店長)という』、「近年のノースは若い人たちからの支持率が高くなった。そうしたお客さんたちが結婚して子供を持つ年齢になり、キッズ衣料の購買を牽引してくれている」、顧客のローヤルティ(Loyalty、忠誠心)はかなり高そうだ。
・『ノースブランドのマタニティも登場  ノースではキッズ衣料担当グループが企画するマタニティ衣料の展開も2019年から始まった。 その代表的な商品であるマタニティダウンコートは、アウトドア用の機能素材を用いた保温性が高い軽量ダウンコートだ。普段は通常のコートとして使え、付属の同色のベビーキャリアカバーをフロントファスナーに連結すれば、乳児を抱っこした状態でも着用できる。8万円台と高額ながら、生産量が少なかった初年度は発売から2週間で直営店分が完売し、翌年以降も順調に販売を伸ばしている。 畑野氏は「キッズは今後も戦略的に強化していくカテゴリー。単にモノを売るだけでなく、子供たちがアウトドアフィールドに出ていく機会をもっと創出していきたい」と言う。 ノースは子供を対象としたハイキングや川遊びなどのアウトドア体験教室を定期的に開催しており、コロナ収束後にはその開催頻度を増やしていく方針だ。「自然の中での楽しい思い出をたくさん作ってもらいたい。そうした体験を通じて子供たちがブランドに愛着を持ってくれれば、新たなファン作りにもつながる」(畑野氏)。 レディースとキッズの強化を進めるノース。すでにメンズでは街で見かけない日がないほどの人気ぶりだが、あまりに人と被ると、離れていく消費者も出てくる。ファッションビジネスの難しいところだ。 メンズでの高い人気を維持しつつ、レディースやキッズをもっと太い柱へと育てていけるかどうか。今後の成長性やブランドの未来が、その成否にかかっている』、「すでにメンズでは街で見かけない日がないほどの人気ぶりだが、あまりに人と被ると、離れていく消費者も出てくる。ファッションビジネスの難しいところだ。 メンズでの高い人気を維持しつつ、レディースやキッズをもっと太い柱へと育てていけるかどうか。今後の成長性やブランドの未来が、その成否にかかっている」、今後の展開を注視したい。 
タグ:個別には「アダストリア」のように「在庫」管理の厳格化で対応するケースはあるだろうが、全体ではそう上手くはいかないだろう。 「国内で供給される衣類によるCO₂の排出量(原材料調達から製造、販売、廃棄まで、海外での排出を含む)は約9500万トンと推計されている。これは同年度に国内の自家用乗用車から排出された9458万トン(国交省調べ)に匹敵する量」、「衣類によるCO₂の排出量」がこんなに多いとは初めて知った。 「衣類や家電については2022年1月から、売れ残り品をリサイクルや寄付によって処理することを義務付ける。食品以外の在庫廃棄の規制に踏み切った法律は世界初」、「ファッション分野で影響力のあるフランスが規制を開始したという点で、一定程度の影響があるかもしれない」、少なくとも環境問題に関心が深い欧州各国には影響力がありそうだ。 東洋経済オンライン「フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に 世界初の「衣服廃棄禁止令」がアパレルに迫る変革」 アパレル (その4)(フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に 世界初の「衣服廃棄禁止令」がアパレルに迫る変革、ユニクロ失速「真の要因」とZARAやH&Mなど欧米ブランドを打ち破る“秘策”、過去5年で売り上げ倍増 コロナの逆風跳ね返す ノースフェイス 「爆発的人気」はいつまで続くか、ノースフェイス 成長のカギ握る「女性と子ども」 主力のメンズに続く「第2 第3の柱」を強化) 「ブランドが自社の在庫により大きな責任を求められる潮流は避けられない」、「まずは商品をできる限り期中に売り切るサイクルの構築が各社共通の課題となりそうだ」、その通りだ。 ダイヤモンド・オンライン 森山真二氏による「ユニクロ失速「真の要因」とZARAやH&Mなど欧米ブランドを打ち破る“秘策”」 「ユニクロはすでに十分育っているではないか」「売り上げが2兆円もあれば十分だ」などの「声」は、企業は成長を続けなければならないという大原則を無視した暴論だ。 「欧米の投資家からは「ユニクロはアジアのブランドとしか映らない」(証券アナリスト)のであった。 つまり、ファストリには越えられない「アジアの壁」があるといっていい」、やむを得ないのではなかろうか。「ファストリが世界的なブランドに名を連ねることができた成長要因は、中国市場での躍進であった。何より、中国事業の責任者として中国出身の潘寧氏を据えたことが大きかった」、なるほど。 「ユニクロが欧米ブランドを打ち破る“秘策”は中国依存を強め、突き詰めることなのかもしれない。 変わり身が早い中国の人々に魅力的な商品を届け、ハートをつかみ続ける。実は、これが真のグローバルブランドへの近道なのかもしれない」、そんなに簡単なことではなさそうだ。「中国事業の責任者として・・・潘寧氏」、以外にも頼れる人物が必要になるかも知れない。 東洋経済オンライン「過去5年で売り上げ倍増、コロナの逆風跳ね返す ノースフェイス、「爆発的人気」はいつまで続くか」 「中高価格帯の服が売れないアパレル不況時代にあって、極めて稀有な“勝ち組”だ」、興味深そうだ。 「アウトドアブランドのダウンやジャケット類、フリースなどを普段着として買いに来る若いお客さんが増えている。中でもノースは突出して人気が高く、テクニカルな商品を除けば、タウンユース用に買っている人のほうが多い」、「ノースのファンになった若い消費者が、パーカーやシャツ、バッグ類など一般的なカジュアルアイテムも購入するようになり、さらなる売り上げ拡大につながっている」、すごい成長ストーリーだ。 「ノースは登山などのアウトドアをベースとしつつ、そこで用いた機能や素材をタウンユースの商品にも落とし込む「コア&モア」戦略で商品展開を広げ、多くの顧客獲得に成功してきた」、「アウトドアブランドでありながら、今やファッションブランドとしても国内で絶大な人気を誇る存在となったノース」、続きをみてみよう。 東洋経済オンライン「ノースフェイス、成長のカギ握る「女性と子ども」 主力のメンズに続く「第2、第3の柱」を強化」 「キッズ専門店」は「親世代になったノースフェイスのファンが、自分の子供にも着せたいと買ってくれている」、こんな有難いファンがいるとはラッキーだ。 「「男性が着る服はアウトドアシーンと日常の境目がなくなってきたが、女性はまだ大きな壁がある。いろんな提案をしていくことで、その壁を少しでも取り払いたい」、男女で違いがあるようだ。 「近年のノースは若い人たちからの支持率が高くなった。そうしたお客さんたちが結婚して子供を持つ年齢になり、キッズ衣料の購買を牽引してくれている」、顧客のローヤルティ(Loyalty、忠誠心)はかなり高そうだ。 「すでにメンズでは街で見かけない日がないほどの人気ぶりだが、あまりに人と被ると、離れていく消費者も出てくる。ファッションビジネスの難しいところだ。 メンズでの高い人気を維持しつつ、レディースやキッズをもっと太い柱へと育てていけるかどうか。今後の成長性やブランドの未来が、その成否にかかっている」、今後の展開を注視したい。
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