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英語(その4)(グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴、小学校での英語必修化から3年 英語嫌いが増えて成績が二極化した理由、実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用) [生活]

英語については、昨年1月20日に取上げた。今日は、(その4)(グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴、小学校での英語必修化から3年 英語嫌いが増えて成績が二極化した理由、実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用)である。

先ずは、昨年6月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したイトモス研究所所長の小倉健一氏による「グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304895
・『無料翻訳ソフト「DeepL」の実力がすさまじい。海外メディアの英語やロシア語の記事を自然な日本語として読めるようになり、もはやDeepLなしの生活は考えられないほどだ。Google翻訳と比べてみてもその実力差は歴然としている。意外な落とし穴もあるのはご愛嬌。そこだけ気をつければ、これを利用しない手はない』、興味深そうだ。
・『DeepL翻訳なしの生活が考えられないくらいの実力  雑誌を読むのが日課になっていて、ジャンルを問わず(電子版ビューワータイプで)大量に読み漁っている。そんな中で先日読んだ「日経パソコン」(3月28日号)で紹介されていた「DeepL」という翻訳ソフトの実力がすさまじい。 最初は、Google翻訳より少しだけ精度が高い翻訳ソフトぐらいにしか考えてなかった。ところが、インストールして使っているうちに、今や「DeepL」なしでの生活は考えられなくなっている。 例えば、英公共放送BBCの英字ニュースサイトで6月4日に公開された「War in Ukraine: We are holding on, say Mykolaiv residents」という記事で検証してみよう。この記事は、ロシア軍による砲撃が毎日のように行われているウクライナの都市の現状をBBCの記者が現地からルポしているものだ。元の英文、Google翻訳、そしてDeepL翻訳をそれぞれ比べてみる。) 【元の英文】There is shelling every day in Mykolaiv. The Russians are on the outskirts to the east and south, pummelling surrounding villages and forcing thousands to flee. 【Google翻訳】ムィコラーイウでは毎日砲撃があります。ロシア人は東と南の郊外にいて、周囲の村を襲い、何千人もの人々を逃亡させています。 【DeepL翻訳】ミコライフでは毎日のように砲撃が行われている。ロシア軍は東と南の郊外におり、周辺の村々を打ちのめし、数千人を避難させた。 事実を分かりやすく伝えていくのが目的であるニュース原稿の大部分については、Google翻訳でもDeepL翻訳でも文章を読み取るのにあまり苦労はしない。また、クオリティーも保たれているケースが多い』、「ニュース原稿の大部分については、Google翻訳でもDeepL翻訳でも文章を読み取るのにあまり苦労はしない。また、クオリティーも保たれているケースが多い」、なるほど。
・『すさまじい実力を持つDeepLに意外な落とし穴が…  この例でのポイントは全体の翻訳の出来よりも、ウクライナの都市名「Mykolaiv」の和訳だ。Google翻訳は「ムィコラーイウ」と訳し、DeepL翻訳は「ミコライフ」と訳していることは大きな留意点といえる。 「ムィコラーイウ」はウクライナ語、「ミコライフ」はロシア語の発音だ。最近、日本でウクライナの地名を従来のロシア語ではなく、ウクライナ語の発音に近い形で表現することになっている。その新しいトレンドを踏まえているのは、Google翻訳である。ウクライナの首都「Kyiv」も、Google翻訳ではウクライナ語表記の「キーウ」、DeepL翻訳ではロシア語表記の「キエフ」となっている。 もし、あなたがDeepL翻訳を使うケースがあったなら、地名などの固有名詞はきちんと調べ直した方がいいことになる。 なお、日本メディアでは「キーウ」表記は浸透しているものの、「ムィコラーイウ」と「ミコライフ」はまだ混在しているようだ』、「最近、日本でウクライナの地名を従来のロシア語ではなく、ウクライナ語の発音に近い形で表現することになっている。その新しいトレンドを踏まえているのは、Google翻訳である」、なるほど。
・『文学的な文章や口語的な表現になるとDeepL翻訳の圧勝  しかし、前述のデメリットが気にならないほどDeepL翻訳のすごさを実感するのは、物語のような文章や口語的な表現も加わっている描写のケースだ。一般的なニュース記事であっても、そういった表現は原稿内に多分に含まれているものだ。 では、先ほどと同様に比べてみよう。先ほどと同じくBBCで6月17日に公開された「Is remote work worse for wellbeing than people think?」という記事で検証してみたい。この記事は、Katie Bishop氏が「リモートワークのメリットとデメリット」について取材・検証しているものだ。 【元の英文】When Cat, 30, was offered a fully remote role last year, she didn’t think twice about accepting. By then, Cat, who lives in London and works in environmental services, had already been working mostly remotely for some time as a result of the pandemic. She thought that being based from home wouldn’t be much of a problem. ut during the past few months, Cat has started to have second thoughts. 【Google翻訳】昨年、30歳の猫が完全に遠隔の役割を提供されたとき、彼女は受け入れることについて2度考えませんでした。その時までに、ロンドンに住んでいて環境サービスで働いている猫は、パンデミックの結果として、すでにしばらくの間、ほとんど遠隔地で働いていました。彼女は、家に拠点を置くことはそれほど問題ではないと考えました。 しかし、過去数か月の間に、猫は考え直し始めました。 【DeepL翻訳】30歳のCatは昨年、完全なリモートワークの仕事のオファーを受けたとき、迷わず受け入れました。ロンドンに住み、環境サービス業に従事するキャットは、パンデミックの影響ですでにリモートワークが中心になっていました。自宅を拠点にすることは、さほど問題にはならないだろうと思っていた。 しかし、この数カ月間、キャットは考え直すようになった。 ニュース記事ではGoogle翻訳の文章のアラは、それほど気にならないのだが、ほんの少しだけでも「ビジネス文章的な定型文」を離れると、Google翻訳は何を言っているのかよく分からなくなってしまった。対するDeepL翻訳は「猫」「(人名の)キャット」をきちんと分けて認識できている。 Google翻訳では、原文を見ながら翻訳を読めば理解することができるのだが、ご覧の通り、DeepLの方は原文に戻らなくても極めて流暢な日本語に訳すことができているケースがほとんどだ』、「DeepL翻訳は「猫」「(人名の)キャット」をきちんと分けて認識できている」、というのは大したものだ。
・『DeepL翻訳があれば世界中の情報を日本語で読める  ここまでの文章に翻訳してくるとなると、日本語のニュースを読むように海外のニュースサイトを読めるようになった。しかも、DeepL翻訳はロシア語にも対応している。 私は、DeepL翻訳のおかげで、BBC、米紙の「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」、ロシア紙の「モスコフスキー・コムソモーレツ」「ニェザヴィーシマヤ・ガゼータ」などを日本語ニュースを読むように、読むことができている。非常に有用だ。 さて、気になるお値段だが(通販番組のようだ!)、なんと無料だ。無料版ではいくつかの制限があるのだが、大した制限ではなく、ほとんどの人が不自由なく使うことができるだろう。 有料版「DeepL Pro」を申し込むとウェブブラウザ「Google Chrome」の拡張機能として活用ができるので、ニュースサイトを開けると勝手に翻訳を始めてくれる。この機能があまりに便利なので、私は有料版を申し込んでいる。 ウクライナだけでなく、世界中の知りたい情報が何の苦労もせずに手に入る時代が到来したのだ。経済ニュースや投資情報も、日本語のニュースサイトを利用するように理解できる。これを利用しない手はないだろう。 訂正 記事初出時より以下の通り訂正します。 20段落目:DeepL翻訳は、ロシア語にもウクライナ語にも対応している→DeepL翻訳はロシア語にも対応している (2022年6月20日15:31 ダイヤモンド編集部)』、「気になるお値段だが(通販番組のようだ!)、なんと無料だ。無料版ではいくつかの制限があるのだが、大した制限ではなく、ほとんどの人が不自由なく使うことができるだろう」、「世界中の知りたい情報が何の苦労もせずに手に入る時代が到来したのだ。経済ニュースや投資情報も、日本語のニュースサイトを利用するように理解できる。これを利用しない手はないだろう」、便利な時代になったものだ。

次に、本年5月20日付けダイヤモンド・オンラインがAERAdot.を転載した「小学校での英語必修化から3年、英語嫌いが増えて成績が二極化した理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/323167
・『小学校で英語が必修化されて3年。中学卒業までの学習内容は、劇的に増加した。しかし英語の力がつくどころか、英語嫌いが増えているという。AERA 2023年5月15日号より紹介する。 現在の小学校英語は、ざるで水を受けるような状態だ。この影響を受けるのは、中学1年生の英語教員だ。 小学校で英語力の定着を図ることができないなか、中学の教科書は「小学校で習った」ことを前提として執筆されている。単語も本文の量も激増しているのに加え、これまで高校で習っていた文法事項が中学に降りてきている。しかし授業時間は週に4コマと変更はない』、「英語の力がつくどころか、英語嫌いが増えている」、本末転倒の事態になっているようだ。
・『すべて英語で授業する  東京都の区立中学で、1年生を担当する50代の英語教員は言う。 「be動詞と一般動詞を同じユニットで扱ったり、違う形の疑問文が同時に出てきたりするので、生徒は混乱していると思います」 東京書籍の英語教科書「NEW HORIZON」の「Unit 1」の内容を見ると「be動詞(am、are)とその疑問文、一般動詞とその疑問文、canとその疑問文・否定文」、「Unit 2」は「isの疑問文・否定文、what・who・howの疑問文」となっている。かなりのハイペースだ。しかも、これらをすべて英語で教えなければいけないという。新「中学校学習指導要領」には、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されたからだ。 「オールイングリッシュで文法を教えるのは本当に難しい。一度、日本語でまとめて文法の授業をしたら『先生わかったよ!』と生徒が喜んでくれました」(区立中学校英語教員) 3年前に退職し、現在、公立中学校で英語の時間講師として教壇に立つ吉岡潤子さんは語る。 「小学校での英語教育が始まり、大きく変わったのは中1の最初の授業です。『Do you like English?』と聞くと、『No!!』という大きな声が上がるようになりました。小学校で英語嫌いになって、中学に上がってきているのです」) また、小中の連携がとれていないことも問題の一つだ。文科省にこの問題への対策を問い合わせたところ「小学校から中学校への円滑な接続を図ることとしているところです」という回答。解決への具体策は示されていなかった。現場の状況は深刻で、中学校教員が小学校の授業見学を求めても断られることもあるという。小学校での英語授業の内容は学校ごとにばらつきがあるため、本来であれば入念な引き継ぎが必須のはずだ。 小学校英語必修化や新学習指導要領によるマイナスの影響は、中学生の成績に出てきている。単語数や文法項目が増えただけでなく、教科書のページ数もゆとり教育時代の1.6~2倍に。それを「40人学級でオールイングリッシュ」で教えるのだから、取り残される子が出ないほうが不思議だ。しかも学習内容が増えたため、復習する時間もとれず、ただただ授業をこなすことに追われてしまうという』、「小中の連携がとれていないことも問題の一つだ」、「これらをすべて英語で教えなければいけないという。新「中学校学習指導要領」には、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されたからだ」、何故こんな馬鹿な恰好づけをするのだろう。現実を踏まえないで、理想論だけに走った結果だろう。
・『平均点は下がり気味  中学1年の最後の授業で、ある教員の元に生徒からこんな感想が届いたという。 「一生懸命勉強したのに、テストの点がひどくて涙が出てきました。読めないし、書けない。意味が全然わからない。理解できている子を見ると、どうして自分だけ、と考えてしまいます」 先の区立中英語教員によると、「テストの平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」という声が教員の間で多数上がっているという。 現場の先生に委ねられたコミュニケーション重視の小学校の授業。高度化した内容をオールイングリッシュで教えるようプレッシャーがかけられる中学校の授業。全ては現場の教員と子どもたちの努力に委ねられた今、うまく教えられなかったら……、授業についていけなかったら……。「自己責任」だと切り捨てられてしまうのだろうか。(ライター・黒坂真由子)※AERA 2023年5月15日号より抜粋 ※AERA dot.より転載)』、「「テストの平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」という声が教員の間で多数上がっている」、「「平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」」、のであれば、明らかに大失敗だ。失敗の要因を総括した上で、早急に対策に乗り出すべきだろう。

第三に、7月16日付け東洋経済オンラインが掲載したライター・翻訳者の大澤 法子氏による「実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/685785
・『『学問のすゝめ』で知られる福沢諭吉ですが、実は勉強が好きではなかった?/出所:『吾輩は英語がペラペラである』 新渡戸稲造、夏目漱石、野口英世……彼らに共通する点がわかりますか。それは、成人する前に海外への留学を経験することなく、日本にいながらにして、ネイティブ顔負けの英語力を身につけたことです。 現代よりも英語学習法が確立されていない時期に、偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか?そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは? 『吾輩は英語がペラペラである ニッポンの偉人に学ぶ英語学習法』より抜粋、再構成してお届けします』、「偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか?そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは?」、興味深そうだ。
・『勉強嫌いを克服し学問の啓蒙書を出版!(福沢諭吉(1835~1901年) 啓蒙思想家・教育家。幕末に『西洋事情』を発表し、明治維新に貢献。『学問のすゝめ』は教科書にも採用され幅広く読まれた。「自由」「平等」「権利」の尊さを説き、慶應義塾(現在の慶應義塾大学)を創設した。 諭吉の有名な言葉に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」があります。『学問のすゝめ』の冒頭に記された言葉であり、「人間は生まれながらに平等であって、貴賤や上下関係によって差別されてはならない」ということを意味します。これは父親である福沢百助の影響を受けて生まれたものでした。 諭吉は1835年、大坂で5人きょうだいの末っ子として生まれました。父親の百助は足軽より格上の身分ではありましたが、下級武士に過ぎず、貧しい生活を強いられていました。 当時の日本は「家老の家に生まれた者は家老になり、足軽の家に生まれた者は足軽にならなければならない」という封建的な制度に縛られていました。その制度に異を唱えていた百助は、諭吉が生まれたときに「十か十一になれば寺にやって坊主にする」と言っていたのだとか。百助は諭吉が生まれて間もなく亡くなりましたが、生前諭吉の母親にそのことを話しており、諭吉は母親を介してその言葉を知ったそうです。) 父親の期待に応えるには、当然学問に励まなければなりません。ところが、兄や姉は7、8歳のころから習い事を始めたのに、諭吉は根っからの勉強嫌いで、全く勉強する気が起きなかったのだとか。 14歳のころ、近所の子が本を読んで勉強しているのを知り、「このままではまずい」と思ったのでしょう。ようやく地元の漢学の塾に通い、当時教養として身につけるべきとされていた中国語を勉強する気になったそうです。 語学はなるべく早い時期に始めるのがよいといわれています。ではなぜ、出遅れとも言える諭吉が中国語を身につけることができたのでしょうか。 その答えは日本の歴史にあります。古代に伝来した儒学と、諭吉をはじめ江戸の知識人のあいだで好まれた儒学は性質が異なります。江戸幕府が推奨した儒学は日本化されたものであり、江戸時代に出回った儒学書に書かれている言葉も、「唐話」と呼ばれる、唐通事(中国語の通訳者)が話す言葉をベースに、日本人向けにつくられた中国語でした。当時は基本的に日本語訛りの中国語が使われていたのです。 現代の語学ではとにかくネイティブ並みに話したり書いたりすることが求められます。その結果、語学のハードルが高くなり、上達が妨げられてしまいます。 当時の中国語は日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです』、「諭吉は根っからの勉強嫌いで、全く勉強する気が起きなかったのだとか。 14歳のころ、近所の子が本を読んで勉強しているのを知り、「このままではまずい」と思ったのでしょう。ようやく地元の漢学の塾に通い、当時教養として身につけるべきとされていた中国語を勉強する気になったそうです」、「江戸幕府が推奨した儒学は日本化されたものであり、江戸時代に出回った儒学書に書かれている言葉も、「唐話」と呼ばれる、唐通事(中国語の通訳者)が話す言葉をベースに、日本人向けにつくられた中国語」、「当時の中国語は日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、「日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、とは初めて知った。
・『お気に入りの漢書は何度もリピート  『学問のすゝめ』や『西洋事情』などの本を著した諭吉も、昔から本を好んで読んでいたわけではありませんでした。むしろ本が大嫌いで、これは14歳になるまで学問に励まなかった理由とも関係しています。 諭吉が通っていた漢学者の白石照山 の塾では、『詩経』や『書経』を中心に、『孟子』、『論語』、『老子』、『荘子』、『蒙求 』、『戦国策』などの古代中国の書物を読むためのレッスンが行われていました。古代中国史に興味を持った諭吉は、自ら進んで『前漢書』や『後漢書』、『晋書』などの歴史書を読み漁ったといわれています。) 中でも諭吉にとってのイチオシは『春秋左氏伝』。左丘明 によって書かれた、春秋時代の政治や外交などにまつわる説話集です。その漢書は全部で15巻ありましたが、たいていの生徒が3、4巻ほどでギブアップしたのに対し、諭吉はすべて一通り読んだそうです。それどころか、11回読み返しては、面白いと思った部分を暗記したのだとか。 こうして、諭吉は夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服し、中国語のスキルを見る見るうちに上達させていきました。 これは英語学習においても同じです。いろいろな教材を試すことも大事ですが、諭吉のように、一つの教材を徹底的にやり込むことで、本に出てくる語彙や表現をモノにすることができるのです』、「諭吉にとってのイチオシは『春秋左氏伝』・・・その漢書は全部で15巻ありましたが、たいていの生徒が3、4巻ほどでギブアップしたのに対し、諭吉はすべて一通り読んだそうです。それどころか、11回読み返しては、面白いと思った部分を暗記したのだとか。 こうして、諭吉は夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服し、中国語のスキルを見る見るうちに上達させていきました」、「夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服」、大したものだ。
・『師匠に負けてたまるか!  諭吉の脳裏には常に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の言葉がありました。勉学に励めば、人間の身分の違いを埋められるということを信じていた諭吉は、漢学塾でも先生に負けまいと必死に勉強していました。 当時、藩校などでは漢文を学ぶのに「素読」という方法がとられていました。「素読」とは、意味の解釈を加えず、ただ声に出して暗唱する学習法。これを逆手にとって、「意味を理解すればどんなに偉い先生にも勝てるだろう」と考えた諭吉が、独自に編み出したのが「意味を理解しながら読む」という方法でした。) 幼くして父親を亡くし、母親によって女手一つで育てられた諭吉は、貧乏な生活を強いられていました。そんなある日、諭吉は兄から以下の言葉を告げられます。 原書というはオランダ出版の横文字の書だ。いま日本に翻訳書というものがあって、西洋のことを書いてあるけれども、真実に事を調べるにはその大本の蘭文を読まなければならぬ。 引用:福沢諭吉・著/富田正文・校訂『新訂 福翁自伝』(岩波文庫)岩波書店 1937)  漢書を学んでいるときは、クラスメートの中では出来がよかったこともあり、オランダ語への興味が自ずと芽生えた諭吉。長崎へ行けば、原書が手に入ります。オランダ語を本格的に学ぶために、長崎に行くことを決心するも、諭吉にはそんなお金はありません。そんなとき、手を差しのべてくれたのが、漢学塾でお世話になった前述の白石照山でした。漢学者でもあった父が遺した蔵書を照山に15両で買い取ってもらった諭吉は、そのお金を手にし、長崎へと出向きました』、「漢学塾でお世話になった前述の白石照山でした。漢学者でもあった父が遺した蔵書を照山に15両で買い取ってもらった諭吉は、そのお金を手にし、長崎へと出向きました」、なるほど。
・『五感を刺激しながら学習する  ただし、手持ちのお金には限りがあります。諭吉は原書がたやすく手に入る長崎のオランダ砲術家の自宅に居候をしたり、知り合いから本を借りたりしながらオランダ語を学んだようです。例えば200ページ余りあるオランダ新版の築城書を知り合いから借りてきたときには、まず数日間ほぼ徹夜で必死に書き写し、 それからオランダ語を知っている蘭学医の先生とできあがったものの読み合わせをしながら、オランダ語を上達させていきました。 語学では、五感を刺激しながら学習することで、知識が記憶により定着しやすくなるといわれています。諭吉が実践したオランダ語学習法は、文字を見て、紙に書き、そしてそれを声に出して読むという方法でした。それにより、視覚や触覚、聴覚が刺激されるので、知識を記憶に定着させるにはうってつけの方法と言えます。実はこれ、歴史的にも効果が証明された方法だったのです。 諭吉にとってオランダ語は異質な言語でしたが、古代の人たちにとってのそれは大陸から入ってくる漢字。そして、古代の人たちが漢字を覚えるために実践したのが、木簡や土器に歌を書き、それを読むという方法でした。 そもそも日本の漢字は発音と意味の両方の情報を持っており、こうしたタイプのものは全体の8割を占めています。ここで、「固」「故」「姑」「胡」という漢字を例に考えてみましょう。いずれも「古(コ)」という発音に関する情報に加え、「乾いて固い」という意味に関する情報を持っています。古代の人たちは、漢字を木簡や土器に記しながら、発音と意味を同時に習得していったとされています。 ところで、英語はどうでしょうか。例えば同じ「li」でも、「little」ではその発音は「リ」であるのに対し、「light」は「ライ」と発音されます。また、これらは意味の異なる単語です。たとえ英語の綴りを理解できても、発音や意味の理解には及びません。漢字とは違って、英語の綴りを書いて、同時に発音や意味をマスターするのは難しいのかもしれません。) 長崎や大坂でオランダ語を学んだ諭吉は、開港したばかりの横浜へ見物に訪れます。ところが、諭吉のオランダ語は全く使い物になりませんでした。というのも、横浜に居留する外国人の多くは英語を話していたのです。「落胆している場合ではない。これからは英語の時代だ!」と奮起した諭吉は、早速英語を学び始めました。 慶應義塾を創設した諭吉も、私たちと同じ人間です。最初からパーフェクトに英語を理解できたわけではありません。特に発音が苦手だったので、外国人に英語を習った子どもが長崎から来たと聞くと、その子どもをつかまえて発音を学んだそうです。  ただ、諭吉の質問には少し意地悪なところもありました。人が読み間違えそうな場所をわざとピックアップし、わからないふりをしてその読み方を尋ねては、学者と称する先生が読み間違える様子を笑っていた、という逸話もあります。 英語上達の秘訣は、とにかく苦手な箇所をつくらないことです。諭吉がとった方法をそっくりそのまま真似する必要はありませんが、わからないことがあったら、積極的に人に聞いて疑問をなくしておくことは見習うべきかもしれませんね』、「横浜に居留する外国人の多くは英語を話していたのです・・・これからは英語の時代だ!」と奮起した諭吉は、早速英語を学び始めました・・・特に発音が苦手だったので、外国人に英語を習った子どもが長崎から来たと聞くと、その子どもをつかまえて発音を学んだそうです」、子どもから「発音」を学んだとは大したものだ。
・『原書で授業をしたら日本語が読めなくなる生徒も  オランダ語と英語は語彙や文法の面で似ており、系統的にはどちらも西ゲルマン語群の低地ゲルマン語派に属します。横浜で購入した蘭英の会話書や辞書とにらめっこする中でそのことを知った諭吉は、英語で書かれた部分をオランダ語に翻訳しながら英語を身につけていきました。 そもそも1858年、諭吉が江戸築地鉄砲洲の中津藩中屋敷内(現在の東京都中央区明石町)に設立した慶應義塾は、蘭学塾として開校したのが始まりでした。それから2年後、諭吉は勝海舟やジョン万次郎らとともに咸臨丸に乗り込み渡米。帰国後は英語と中国語の対訳の単語集『増訂華英通語』の刊行をきっかけに、慶應義塾を英学塾へと切り替えました。 諭吉が展開した英学の授業は「原書を読み、その意味を理解する」という、まさに自身が経験した方法に則ったもの。その方法で生徒の英語のスキルは確実に上達したようですが、なにぶん英語ばかり読んでいたことが仇となり、日本語の手紙が読めなくなる生徒もいたのだとか。  ノンネイティブが外国語を学ぶときには、あらかじめ土台となる母語の文法をしっかり身につけるべきだといわれています。諭吉の場合、日本語の文法を軽視したことが英学の授業の失敗につながってしまったのかもしれません。) 結果的に諭吉のその策略は思いどおりに運んだようで、午前に素読を教わった先生と、午後に漢文の読みで対決をしては、そのたびに先生を負かしていたのだとか。  語学においては、自然に湧き出る心理的な欲求に基づき行動することが重要で、それによってモチベーションが持続し、成功率が高くなるといわれています。諭吉の場合、負けず嫌いな性格が語学を続ける動機となり、結果として師匠を上回るほどの語学力の獲得につながったのです。 諭吉はのちにオランダ語や英語を学ぶ際にも全く同じ学習法を適用しました。もちろん、原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだとか。こうして、諭吉はオランダ語と英語を上達させていきました』、「オランダ語や英語を学ぶ際にも全く同じ学習法を適用しました。もちろん、原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだとか。こうして、諭吉はオランダ語と英語を上達させていきました」。「原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだ」、「原書」を読む時には、私も辞書をすぐに使わずに、先ずは前後関係から推定、段落や頁単位で辞書で確認するという読み方をしている。  
タグ:英語 (その4)(グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴、小学校での英語必修化から3年 英語嫌いが増えて成績が二極化した理由、実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用) ダイヤモンド・オンライン 小倉健一氏による「グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴」 「ニュース原稿の大部分については、Google翻訳でもDeepL翻訳でも文章を読み取るのにあまり苦労はしない。また、クオリティーも保たれているケースが多い」、なるほど。 「最近、日本でウクライナの地名を従来のロシア語ではなく、ウクライナ語の発音に近い形で表現することになっている。その新しいトレンドを踏まえているのは、Google翻訳である」、なるほど。 「DeepL翻訳は「猫」「(人名の)キャット」をきちんと分けて認識できている」、というのは大したものだ。 「気になるお値段だが(通販番組のようだ!)、なんと無料だ。無料版ではいくつかの制限があるのだが、大した制限ではなく、ほとんどの人が不自由なく使うことができるだろう」、「世界中の知りたい情報が何の苦労もせずに手に入る時代が到来したのだ。経済ニュースや投資情報も、日本語のニュースサイトを利用するように理解できる。これを利用しない手はないだろう」、便利な時代になったものだ。 AERAdot.を転載した「小学校での英語必修化から3年、英語嫌いが増えて成績が二極化した理由」 「英語の力がつくどころか、英語嫌いが増えている」、本末転倒の事態になっているようだ。 「小中の連携がとれていないことも問題の一つだ」、「これらをすべて英語で教えなければいけないという。新「中学校学習指導要領」には、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されたからだ」、何故こんな馬鹿な恰好づけをするのだろう。現実を踏まえないで、理想論だけに走った結果だろう。 「「テストの平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」という声が教員の間で多数上がっている」、「「平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」」、のであれば、明らかに大失敗だ。失敗の要因を総括した上で、早急に対策に乗り出すべきだろう。 東洋経済オンライン 大澤 法子氏による「実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用」 「偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか?そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは?」、興味深そうだ。 「諭吉は根っからの勉強嫌いで、全く勉強する気が起きなかったのだとか。 14歳のころ、近所の子が本を読んで勉強しているのを知り、「このままではまずい」と思ったのでしょう。ようやく地元の漢学の塾に通い、当時教養として身につけるべきとされていた中国語を勉強する気になったそうです」、「江戸幕府が推奨した儒学は日本化されたものであり、江戸時代に出回った儒学書に書かれている言葉も、「唐話」と呼ばれる、唐通事(中国語の通訳者)が話す言葉をベースに、日本人向けにつくられた中国語」、 「当時の中国語は日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、「日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、とは初めて知った。 「諭吉にとってのイチオシは『春秋左氏伝』・・・その漢書は全部で15巻ありましたが、たいていの生徒が3、4巻ほどでギブアップしたのに対し、諭吉はすべて一通り読んだそうです。それどころか、11回読み返しては、面白いと思った部分を暗記したのだとか。 こうして、諭吉は夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服し、中国語のスキルを見る見るうちに上達させていきました」、「夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服」、大したものだ。 「漢学塾でお世話になった前述の白石照山でした。漢学者でもあった父が遺した蔵書を照山に15両で買い取ってもらった諭吉は、そのお金を手にし、長崎へと出向きました」、なるほど。 「横浜に居留する外国人の多くは英語を話していたのです・・・これからは英語の時代だ!」と奮起した諭吉は、早速英語を学び始めました・・・特に発音が苦手だったので、外国人に英語を習った子どもが長崎から来たと聞くと、その子どもをつかまえて発音を学んだそうです」、子どもから「発音」を学んだとは大したものだ。 「オランダ語や英語を学ぶ際にも全く同じ学習法を適用しました。もちろん、原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだとか。こうして、諭吉はオランダ語と英語を上達させていきました」。「原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだ」、 「原書」を読む時には、私も辞書をすぐに使わずに、先ずは前後関係から推定、段落や頁単位で辞書で確認するという読み方をしている。
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