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ホテル(その6)(プリンスホテル「持たざる経営」にシフトした理由 海外はラグジュアリーブランドの展開を強化、ホテル業界の女王・森トラスト社長がコロナで悟った、多角化の「強さ」と「落とし穴」) [産業動向]

ホテルにつては、昨年4月3日に取上げた。今日は、(その6)(プリンスホテル「持たざる経営」にシフトした理由 海外はラグジュアリーブランドの展開を強化、ホテル業界の女王・森トラスト社長がコロナで悟った、多角化の「強さ」と「落とし穴」)である。

先ずは、昨年4月14日付け東洋経済オンライン「プリンスホテル「持たざる経営」にシフトした理由 海外はラグジュアリーブランドの展開を強化」を紹介しよう。
・『業界大手のプリンスホテルは長年、ホテルの所有と運営を一体で進めてきた。だがコロナ禍を機に、シンガポールの政府系ファンド・GICと、西武グループの総合不動産会社に資産を売却、ホテル運営に特化し再スタートを切る。 “持たざる経営”にシフトする背景と、本格的にブランドを拡大する成長戦略について、プリンスホテルの小山正彦社長に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは小山社長の回答)。 Q:ホテル運営に特化する背景とは何ですか。 A:コロナ禍によって需要が瞬間蒸発する中、資産を持つリスクが顕在化したことが大きな要因だった。稼働率が落ち、売り上げが下がる中でも、社員数は多く、固定費は確実に出ていく。(オーナー側から委託料を受け取り運営する)運営受託に特化できれば、コストは減り、損益分岐点を引き下げた経営体質にできる。 スピード感を持った規模拡大も課題だった。2017年には中長期で国内外250拠点に拡大する目標を掲げていた。達成するにはホテル運営に特化し、持たざる経営に徹底的にシフトすることが重要だった。建物をリースする形でなく、運営受託を軸に拡大する点にはこだわっていきたい。 今後、31事業所はGIC、それ以外は総合不動産会社の西武リアルティソリューションズがオーナーになる。北海道・富良野や箱根、軽井沢といったリゾートと高輪・品川エリアは、西武グループで引き続き開発を進める方針だ。 ホテル運営に特化することで業績は安定し、赤字がほぼ出ない形になるだろう。一方で、ホテル数を増やし、顧客基盤を拡大し続けることが大事になる。 Q:250拠点(現在84)の目標達成のメドは約10年後です。国内と海外でのブランド戦略は? A:いずれインバウンドは戻り、海外旅行もできるようになる。そのとき、宿泊特化型など効率性を重視したホテルと、より豪華なラグジュアリーホテルとで二極化が今以上に進むと考える。 そこで、プリンスホテルのブランドはすでに一般に浸透しているが、富裕層が利用し、ラグジュアリーなブランドというイメージをさらに高めたい。国内では大阪や神戸、福岡などの大都市にまだ出店できていない。主軸のプリンスホテルや、より高級な「グランドプリンスホテル」のブランドで出店していきたい』、「シンガポールの政府系ファンド・GICと、西武グループの総合不動産会社に資産を売却、ホテル運営に特化し再スタートを切る」、「主軸のプリンスホテルや、より高級な「グランドプリンスホテル」のブランドで出店していきたい」、なるほど。
・『NYやパリに出店したい (小山氏の略歴はリンク先参照) 海外では2023年にタイ・バンコクでラグジュアリーブランドの「ザ・プリンス アカトキ」を出店する。世界で名前を知ってもらうためにも米ニューヨークや仏パリ、伊ローマなど世界の主要都市、観光都市には出店したい。 ヒルトンやマリオットなど、世界的なホテルチェーンと比べると知名度はまだまだ低い。すぐには難しいが、10年後には一定程度の知名度に引き上げるつもりだ。 フランチャイズ展開も将来的に可能性がないわけではない。オファーが来るようなブランドに仕上げていかないとならない。) Q:運営会社は不動産オーナーに選ばれなければ出店できません。競合と比べた優位性は何ですか。 A:例えば法人客向けの(国際会議や展示会などの)MICE需要。大きな宴会場で会議を開き、パーティーを開催し、翌日にゴルフを楽しむケースがある。東京や広島などに加えて軽井沢や箱根など、リゾートでMICEに対応できるのは当社の強みだ。 一定のブランドで安定したサービスを提供できる点もそう。この点を強化するため、4月に「オペレーション部」を新設した。ホテルはブランドごとにマニュアルがあり、サービスの標準化やレベルアップを進める。 シティホテルだけでなく、繁閑差のあるリゾートホテルを運営してきたことで、柔軟な人員配置ができる点も強み。これはチェーンだからこそできるものだ。 地域の魅力を把握し、発信していくことも大事で、PRは地域に存在するホテルの意義だ。魅力ある施設をどんどん案内するなど、顧客にも地元にも喜ばれるポジションをつくっていきたい』、「法人客向けの(国際会議や展示会などの)MICE需要。大きな宴会場で会議を開き、パーティーを開催し、翌日にゴルフを楽しむケースがある。東京や広島などに加えて軽井沢や箱根など、リゾートでMICEに対応できるのは当社の強みだ」、「シティホテルだけでなく、繁閑差のあるリゾートホテルを運営してきたことで、柔軟な人員配置ができる点も強み。これはチェーンだからこそできるものだ」、これらの強みを如何に結実させてゆくかがポイントだ。
・『世界に認められるブランドへ  Q:ラグジュアリーの強化はコロナ禍前から課題の1つでした。 A:14年に開業した「ザ・プリンス ヴィラ 軽井沢」は1泊1棟20万円以上と高価格帯のホテル。これが転換点になった。16年開業の「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」も客室単価は7万~8万円と高く、「ザ・プリンス」より上の価格帯を狙ったものだった。 インバウンドが拡大する中で、ラグジュアリーのノウハウを蓄積し、世界に認められるブランドにしたいという考えがあった。 Q:一方で、宿泊特化型の「プリンス スマート イン」など、若い顧客層の獲得も狙っています。 A:コロナ禍前から若手を中心に取り組んできたが、顔認証によるチェックインなど、デジタルを活用した非接触の取り組みをやってきてよかったと思っている。「非接触は安心安全」という価値観に変わってきたので、プリンスホテルでもこうした機能を導入している。スマートインでテストマーケティングができている形だ。(1990年代半ば以降に生まれた)Z世代などの価値観は勉強すべきものがある。彼らは30~40年先の将来や環境について真剣に考えている。ホテルを選ぶ基準も環境に対してどう取り組んでいるかが評価される。これは国際的なビジネスパーソンも同じだ。 顧客の目線はどんどん高くなっている。環境への取り組みは、業界の先頭に立って進めていく』、「ラグジュアリーの強化」。「顔認証によるチェックインなど、デジタルを活用した非接触の取り組み」、など課題は多いようだ。

次に、本年7月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した伊達美和子・森トラスト社長インタビュー「【無料公開】ホテル業界の女王・森トラスト社長がコロナで悟った、多角化の「強さ」と「落とし穴」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/326686
・『コロナ不況により電鉄大手でホテル売却が相次ぐのに対し、不動産大手はホテル事業を守った。2業種の間でなぜ差が出たのか。特集『ホテルの新・覇者』(全18回)の#10では、ホテル業界の女王、森トラストの伊達美和子社長が、コロナ禍を経て気付いた多角化の強さと落とし穴について語る。 ※2022年7月9日に公開した有料会員向け記事を、期間限定で無料公開します!全ての内容は取材当時のままです。 コロナ不況により電鉄大手でホテル売却が相次ぐのに対し、不動産大手はホテル事業を守った。2業種の間でなぜ差が出たのか。特集『ホテルの新・覇者』(全18回)の#10では、ホテル業界の女王、森トラストの伊達美和子社長が、コロナ禍を経て気付いた多角化の強さと落とし穴について語る。 ※2022年7月9日に公開した有料会員向け記事を、期間限定で無料公開します!全ての内容は取材当時のままです』、興味深そうだ。
・『「事業」「立地」「対象人口」 バリエーションでリスク分  Q:2022年3月期決算のホテル事業の売上高は前期比31.1%増となり、今期は同22.4%増を予想しています。コロナ禍のさなかでも新規開業し、ホテル事業拡大の手を緩めていません。リスク覚悟で攻めているのですか。 A:リスク分散をしているんです。会社全体のポートフォリオで見れば、ホテル事業に力を注いでいるけれども、オフィス賃貸、不動産販売事業などをやっている。不動産という共通項がありながら、事業にバリエーションを持たせる。また都心部、地方、リゾートといった立地のバリエーションもある。そういったものをミックスさせることでリスク分散をしているんです。 観光業は、別の場所へ動いていく流動人口が対象です。対してオフィスはちょっと移動はしますけど同じ場所にとどまる人口が、住宅分譲も同様にその場所に定住する人口が対象です。コロナ禍では流動人口が減るという現象が起こり、人が動くことを前提にしたホテルや商業施設がマイナスの影響を受けました。 一つの業態だけを手掛けているところ、例えばシティーホテルに特化した事業者などは非常に厳しかったと思います。ボラティリティの高いホテル事業を拡大していく中では、バランスを取る経営を常に意識してきました。 Q:コロナ禍を通じた気付き、学びはありましたか。 A:ホテル事業を展開するのと同時に海外投資も始めており、その効果はありました。資産を円で持つか、ドルで持つかを含めてリスクヘッジしておく。実際、ちょうどいいタイミングで米サンノゼのオフィスビルを売却でき、利益も出せました。 昨今の為替の影響はネガティブな面もありますが、ドル資産を持つ立場からするとポジティブな面もある。うまく広く分散することでリスク回避の確度が上がってくるんだなと。 Q:電鉄会社でホテル売却が相次いでいます。彼らも多角化によりポートフォリオにバリエーションを持たせてきましたが、森トラストのそれとは何が違うのでしょうか』、「観光業は、別の場所へ動いていく流動人口が対象です。対してオフィスはちょっと移動はしますけど同じ場所にとどまる人口が、住宅分譲も同様にその場所に定住する人口が対象です。コロナ禍では流動人口が減るという現象が起こり、人が動くことを前提にしたホテルや商業施設がマイナスの影響を受けました」、なるほど。
・『「事業」「立地」「対象人口」 バリエーションでリスク分散  Q:2022年3月期決算のホテル事業の売上高は前期比31.1%増となり、今期は同22.4%増を予想しています。コロナ禍のさなかでも新規開業し、ホテル事業拡大の手を緩めていません。リスク覚悟で攻めているのですか。 A:リスク分散をしているんです。会社全体のポートフォリオで見れば、ホテル事業に力を注いでいるけれども、オフィス賃貸、不動産販売事業などをやっている。不動産という共通項がありながら、事業にバリエーションを持たせる。また都心部、地方、リゾートといった立地のバリエーションもある。そういったものをミックスさせることでリスク分散をしているんです。 観光業は、別の場所へ動いていく流動人口が対象です。対してオフィスはちょっと移動はしますけど同じ場所にとどまる人口が、住宅分譲も同様にその場所に定住する人口が対象です。コロナ禍では流動人口が減るという現象が起こり、人が動くことを前提にしたホテルや商業施設がマイナスの影響を受けました。 一つの業態だけを手掛けているところ、例えばシティーホテルに特化した事業者などは非常に厳しかったと思います。ボラティリティの高いホテル事業を拡大していく中では、バランスを取る経営を常に意識してきました。 Q:コロナ禍を通じた気付き、学びはありましたか。 A:ホテル事業を展開するのと同時に海外投資も始めており、その効果はありました。資産を円で持つか、ドルで持つかを含めてリスクヘッジしておく。実際、ちょうどいいタイミングで米サンノゼのオフィスビルを売却でき、利益も出せました。 昨今の為替の影響はネガティブな面もありますが、ドル資産を持つ立場からするとポジティブな面もある。うまく広く分散することでリスク回避の確度が上がってくるんだなと。 Q:電鉄会社でホテル売却が相次いでいます。彼らも多角化によりポートフォリオにバリエーションを持たせてきましたが、森トラストのそれとは何が違うのでしょうか』、「リスク分散をしているんです。会社全体のポートフォリオで見れば、ホテル事業に力を注いでいるけれども、オフィス賃貸、不動産販売事業などをやっている。不動産という共通項がありながら、事業にバリエーションを持たせる。また都心部、地方、リゾートといった立地のバリエーションもある。そういったものをミックスさせることでリスク分散をしているんです」、なるほど。「電鉄会社でホテル売却が相次いでいます。彼らも多角化によりポートフォリオにバリエーションを持たせてきましたが、森トラストのそれとは何が違うのでしょうか」、どう違うのだろう。
・『不動産会社は各事業で顧客が異なり交通系企業は同じ  A:当社は不動産事業をどう拡大し、多角化しようかという観点で取り組んできました。オフィスもホテルもマンションも同じ不動産ですが、例えばオフィスとホテルの顧客は何らつながっていない。顧客ターゲットが異なっている。 対して交通系の企業は既存の顧客、ポートフォリオを生かして多角化してきたのでターゲットが同じ。そのターゲットが何らかの社会的、経済的な影響を受けた場合、それぞれの事業が同じように影響を受けてしまう。 Q:リスク分散になる多角化ではなかったということですね。 A:結果的にそうだったのかもしれません。鉄道事業と分譲事業でいえば、沿線で住宅を分譲し、そこに住む人に鉄道を使ってもらう。住む人が減ると、鉄道を使う人も減るとなれば、それは同じターゲットを相手にしていることになる。多角化の在り方が不動産会社とは違うように思います。 (伊達美和子社長の略歴はリンク先参照)「オフィスもホテルもマンションも同じ不動産ですが、例えばオフィスとホテルの顧客は何らつながっていない。顧客ターゲットが異なっている。 対して交通系の企業は既存の顧客、ポートフォリオを生かして多角化してきたのでターゲットが同じ。そのターゲットが何らかの社会的、経済的な影響を受けた場合、それぞれの事業が同じように影響を受けてしまう。 Q:リスク分散になる多角化ではなかったということです」、なるほど。
・『集客でもバリエーション 外資と組み、自社でも法人会員組織  Q:ホテル運営の方で他にバリエーションを意識しているものはありますか。 A:集客の在り方。ここも複数持つようにしています。 Q:集客力のある外資系大手ホテルチェーンと組んで、外資ブランドのホテルをどんどん日本に開業させてきました。特に世界最大手の米マリオット・インターナショナルとよく組んでいます。 外資系のほとんどの皆さんとお話しします。結果的にマリオットが多くなっているのは、一番柔軟性があったから。 当社は交渉のときにマネジメント契約(運営全体の委託)を嫌がってフランチャイズ契約(ノウハウやブランドを使用)を要望したり、当社の会員制施設(ラフォーレホテル)をマリオットホテルへリブランドする際にハイブリッド(ラフォーレ会員が優先予約する権利も継続する)でやりたいと要望したりしてきました。他が断ってくるようなものでも、マリオットや米スターウッド(16年にマリオットが買収)はいい反応を見せてくれたんですよ。 Q:外資系はブランド力よりも何よりも、巨大な会員組織を持ち、海外から予約客を送り込む送客ネットワークが最大の強みです。 A:世界中でホテルの数を増やし、会員もどんどん増えていますよね。世界の潮流として、彼らの持つ顧客網に乗っておきたい。一方で、当社オリジナルの法人会員制倶楽部「ラフォーレ倶楽部」は変わらず残しています。 今回のコロナ禍においてラフォーレ倶楽部は利用の動きがやや鈍かった。法人の福利厚生を利用して旅行するというタイミングではありませんでしたからね。対して個人で加入しているマリオットの会員の方たちはポイントプログラムをためるためにも利用したいといったニーズがあり、そちらの動きの方が強かった。 ただ、東日本大震災の後では当社の法人会員の方が早く動きが出ました。 それぞれ母集団が異なり、ケースによって反応が変わってくる。だから販売チャネルもいくつか持っておくべきだと考えます』、「集客力のある外資系大手ホテルチェーンと組んで、外資ブランドのホテルをどんどん日本に開業させてきました。特に世界最大手の米マリオット・インターナショナルとよく組んでいます・・・結果的にマリオットが多くなっているのは、一番柔軟性があったから。 当社は交渉のときにマネジメント契約・・・を嫌がってフランチャイズ契約・・・を要望したり、当社の会員制施設・・・をマリオットホテルへリブランドする際にハイブリッド・・・でやりたいと要望したりしてきました。他が断ってくるようなものでも、マリオットや米スターウッド・・・はいい反応を見せてくれたんですよ』、「マリオット」が契約に「柔軟性があった」というのは初めて知った。有名ホテルチェーンの意外な面だ。
タグ:東洋経済オンライン「プリンスホテル「持たざる経営」にシフトした理由 海外はラグジュアリーブランドの展開を強化」 ホテル (その6)(プリンスホテル「持たざる経営」にシフトした理由 海外はラグジュアリーブランドの展開を強化、ホテル業界の女王・森トラスト社長がコロナで悟った、多角化の「強さ」と「落とし穴」) 「シンガポールの政府系ファンド・GICと、西武グループの総合不動産会社に資産を売却、ホテル運営に特化し再スタートを切る」、「主軸のプリンスホテルや、より高級な「グランドプリンスホテル」のブランドで出店していきたい」、なるほど。 「法人客向けの(国際会議や展示会などの)MICE需要。大きな宴会場で会議を開き、パーティーを開催し、翌日にゴルフを楽しむケースがある。東京や広島などに加えて軽井沢や箱根など、リゾートでMICEに対応できるのは当社の強みだ」、「シティホテルだけでなく、繁閑差のあるリゾートホテルを運営してきたことで、柔軟な人員配置ができる点も強み。これはチェーンだからこそできるものだ」、これらの強みを如何に結実させてゆくかがポイントだ。 「ラグジュアリーの強化」。「顔認証によるチェックインなど、デジタルを活用した非接触の取り組み」、など課題は多いようだ。 ダイヤモンド・オンライン 伊達美和子・森トラスト社長インタビュー「【無料公開】ホテル業界の女王・森トラスト社長がコロナで悟った、多角化の「強さ」と「落とし穴」」 「観光業は、別の場所へ動いていく流動人口が対象です。対してオフィスはちょっと移動はしますけど同じ場所にとどまる人口が、住宅分譲も同様にその場所に定住する人口が対象です。コロナ禍では流動人口が減るという現象が起こり、人が動くことを前提にしたホテルや商業施設がマイナスの影響を受けました」、なるほど。 「リスク分散をしているんです。会社全体のポートフォリオで見れば、ホテル事業に力を注いでいるけれども、オフィス賃貸、不動産販売事業などをやっている。不動産という共通項がありながら、事業にバリエーションを持たせる。また都心部、地方、リゾートといった立地のバリエーションもある。そういったものをミックスさせることでリスク分散をしているんです」、なるほど。 「電鉄会社でホテル売却が相次いでいます。彼らも多角化によりポートフォリオにバリエーションを持たせてきましたが、森トラストのそれとは何が違うのでしょうか」、どう違うのだろう。 「オフィスもホテルもマンションも同じ不動産ですが、例えばオフィスとホテルの顧客は何らつながっていない。顧客ターゲットが異なっている。 対して交通系の企業は既存の顧客、ポートフォリオを生かして多角化してきたのでターゲットが同じ。そのターゲットが何らかの社会的、経済的な影響を受けた場合、それぞれの事業が同じように影響を受けてしまう。 Q:リスク分散になる多角化ではなかったということです」、なるほど。 「集客力のある外資系大手ホテルチェーンと組んで、外資ブランドのホテルをどんどん日本に開業させてきました。特に世界最大手の米マリオット・インターナショナルとよく組んでいます・・・結果的にマリオットが多くなっているのは、一番柔軟性があったから。 当社は交渉のときにマネジメント契約・・・を嫌がってフランチャイズ契約・・・を要望したり、当社の会員制施設・・・をマリオットホテルへリブランドする際にハイブリッド・・・でやりたいと要望したりしてきました。他が断ってくるようなものでも、マリオットや米スターウッド・・・はいい反応を見せてくれたんですよ』、「マリオット」が契約に「柔軟性があった」というのは初めて知った。有名ホテルチェーンの意外な面だ。
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